○岡本委員 実質的には東京の区部の空地であるとか、あるいはもうこれからでは川崎方面にかけて比較的ゆとりのあるところがありましても、これは地価の問題のために大きな工場を建設するということは困難だと思います。むしろそれは土地の用途が規制されておるという以外に、土地の価格の問題のために困難であることはわかります。しかしながら、それにいたしましても、やはりそこへは工場は建たなくても、
制限を除外すればオフィスなどは建つわけです。また学校も建つわけです。そうなりますと、やはり過密
地帯にはさまれたところを過密
地帯にしていくということが起こってくるわけなんです。だから、むしろそれは住宅が建っていくのはやむを得ないかもしれません、そこまで
制限することは所有権の問題になってまいりますから、そこまでのことは無理かもしれません。しかしながら、その地域に対して、ある
程度の規模以上の
事業場、オフィスなどを建てることはできない、こういうような規制をやっておかなければ、東京の今日の過密状態というものはやはりますます
助成されていく。だから、
首都圏整備計画というものをもう一度新たなる観点に立って、単に工場だけを
制限するのだというふうなことでなしに、
制限するところの作業場の範囲を広げ、その中にはオフィスも入れる。同時にまた、その
制限する区域も広げていく。政令で除外する、区域を除くというふうな、こんなものは要らない。やはり広い範囲の規制をしていくということが私は必要であろうと思う。そのことが
近畿圏整備の中にちゃんとこのとおりのことが入っておる。だから
首都圏整備が今日できない。
首都圏のいろいろな問題が一向解決されない、こんな
首都圏整備法で——それは事実ないよりはまし、いままでどんどんひどくなっておったのが少しスピードが落ちた、角度が落ちたというのにとどまるのであって、場合によっては、その周辺にどんどん大きなたくさんのいわゆる
開発地域、区域ができ上がっていったときには、その中心としての東京は、大きな産業の中心
地帯としてますます混雑し、混乱していくということになりかねないと私は思う。だから個々の点は、
首都圏整備に対するところの
考え方は、むしろいまより減らすんだ、増加のスピードは落ちたからいいじゃないかというふうなお
考えでなく、いま現実にぼつぼつ疎開していっています。人口は現実に減っていっているのです。さらに昼間の人口も減っていっているのです。やがては静かで気持ちのいい町に東京はなるでしょう。さみしい町にしてはいけませんが、しかしながらやはりある
程度徐々ながらも、いまのままふえていくということでは困る。少なくとも横ばいというところまで押えるだけの規制を、私は
首都圏に対してしなければいけないと思うのです。その点、私は
近畿圏の問題が出てきたときに、
近畿圏整備の中で、
首都圏と同じような構成と申しますか——構成が
首都圏と全く同じでございますから、私はその点を心配してこういうことを申し上げたのです。
そこで、
近畿圏の問題に移っていきたいと思うのでございますが、この間から議論されております
近畿圏整備の問題につきましては、近畿の均衡ある発展をということで、
近畿圏整備法が去年成立のときに一番問題になったことは、均衡のある発展だ、これは単に大阪、阪神方面の過密
地帯の疎開ということだけでなくて、疎開をすることとあわせて、
近畿圏一帯に均衡のある経済の繁栄をもたらす、発展をもたらす。こういうことを強く強調されておったと思うのです。そしてまたいま議論の中心になっておりますのは、一体それじゃ
都市開発区域というものがどのようにまくばられるのか、阪神の過密
地帯の疎開ということだけなら、勢い手近なところへ、いわば太平洋ベルトラインと言われる地域、名神
道路、あるいは
国道一号線、二号線、それを中心とした地域に産業と人口の疎開がくわだてられる。そして山陰方面であるとか内陸
地帯、そういうふうなところは後進地域としてそのまま残されるんじゃないか、こういうことが心配されておるわけです。そしてまた現実に、いま
近畿圏整備の審議会の構成を見ましても、なるほど各府県の知事は出ております。議会の議長も出ております。しかしながら、学識経験者といわれる人たちはほとんど関西財界の人たちです。ですから関西財界を中心に
近畿圏の
整備が行なわれる、こういうふうな疑心暗鬼も出てまいっておるわけであります。だから、基本
計画が出るまではどんな献立になるのかわからない。献立が不明なままで近畿という材料をどのように料理するかわからない。だから献立をはっきりしてもらいたい。献立の示される前にまないた、ほうちょうを渡してしまったのでは——というのは、この
関係二
法案です。渡してしまったのでは、あとどのように料理されてしまったとしても、
奥地はほって置かれ、あるいは後背地を放置されて、
幾ら陳情してもかえりみてもらえないというようなことになったのでは困るから、先に献立をはっきりしてもらいたい、これが阪上君の
意見であったと思います。それに対して本部長の
意見は、いや献立のごくあらましはわかっております。同時にまた、献立のデテール、詳しいことについては、いま各府県からいろいろな要望なり
開発計画を集めて、それを調整の最中でございます。だから献立はできておりません。急いで献立をつくりますが、献立ができたらすぐに料理にかかれるように、まないたとかほうちょうだけはちょうだいいたしたい、これが河野さんの御
意見だったと思います。結局この
意見については、どちらにも言い分があると思います。どちらにも言い分がございますが、しかしながら、少なくとも近畿をおよそこのようにするんだということだけは明確にしておかなくては、これはやっぱり、まないた、ほうちょうをまかすのに不安が伴うのは当然であると思います。問題は、
都市開発区域の配置の問題であると思います。
都市開発区域というものをどういうふうに配置するつもりなのか、いわば
国道一号線、二号線あるいは名神
道路、あるいは将来つくられようとするところの中国
道路、そういうようなものに沿ってだけ
開発区域がばらまかれていくということでありますと、山陰であるとかあるいは福井県であるとか、あるいは奈良県であるとか、そういうようなところは後進地域として残される心配がある。だから、そういう点について、近畿の均衡ある発展を期するんだということなら、一体
都市開発区域をどういうふうなぐあいに配置されるおつもりがあるか、もちろんそんなことは審議会できめられることでございます、私
どもは白紙でございますという御
答弁もできるでしょう。しかしながら、審議会はしろうとの集団です。それはおか目八目で、その道へ首を突っ込んでしまった人よりも、時にはいい
意見も出るでしょう。しかしながら、一応
整備本部のほうで基礎的な
構想を持ち、それから審議会にその素案を示して、それについて審議会の
意見をいろいろ加えながら成案をつくり上げるということになるのが、私は順序であろうと思うのでございますが、それについての、
整備本部の事務当局の基本的なお
考えを承っておきたいと思います。