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瀬戸山委員 四兆一千億というのは膨大のようでありましても、
道路全体の
整備状況から見ますと、いま大臣が
お話しのとおり、必ずしも万全なものではないと思います。その点は当
委員会においてもしばしば大臣から御意向を承っておるわけであります。その少ない四兆一千億の中でも、ある
程度のものは、新しく路線
指定をする縦貫
道路にも着手をいたしたい、こういう御意向であります。ここ数年後のことは、国会も
政府も相協力して
道路整備計画を樹立すべきものであると思いますから、その点はお願い申し上げておきます。
簡単に、もう一点お伺いしておきますが、今回出された
法律案は統一的に出されておりまして、まことにけっこうでありますが、その中に、従来路線
指定をいたしておりました、いわゆる縦貫自動車道の中の中央自動車道、これが
東京から富士吉田を経て静岡県の井川付近、中津川付近、小牧、こういうふうなことに
法律上定められておりました。今回は、富士吉田付近から甲府を通りまして諏訪付近、それから飯田付近、中津川、こういうふうに変更されております。私といたしましては、例の赤石山系を通る
道路については、前の縦貫自動車道法を出しますときから大きに異論があったところであります。技術上できないことはないと思いますけれども、将来の
道路として適当であるかどうかということについては、やや疑念がなきにしもあらず、こういう状態でありました。と同時に、
日本の一番幅の広い地帯の
開発あるいは交通
輸送、こういう点から見ますると諏訪回りということは、
道路の築造からいってもあるいは全体の
開発からいっても、
輸送の状況からいっても私は適当であろう、こういうふうに判断をいたしております。ただ問題は、従来富士吉田から井川付近を通って中津川に至る、こういうようなことが
相当長期間にわたって予定されておったわけでありまして、したがって、その
道路に関係のある地帯と申しますか、こういう地帯においては、それに大きな期待を持っておられたことは当然であり、また事実であります。また静岡県等におきましては、大臣も御
承知だと思いますけれども、その井川付近を通って飯田に至る線がいつできるかということは、これはなかなか算定できない状態ではございましたけれども、しかし
日本の
経済の
発展、
道路の
整備が進むにつれて、近い将来それが実現するであろう、したがってそれに応ずるあの地帯の
道路網の
整備をしなければならぬ、こういうことで、静岡県等においては、その
計画及び
実施を行なわれておったことも事実でありまして、その期待が大きにはずれたという
意味においては、この路線の変更の案については、やや不満があるのではないか、あるのもやむを得ないのではないか、こういうふうに
考えをいたしておるわけであります。その間において、
建設省の事務当局と各県との間でいろいろ
お話し合いがあったようでありまして、なるほど縦貫自動車道の路線は変えるけれども、今日までそれに期待をかけていろいろ
計画をされておられた
奥地地帯の
開発の
計画というものは、他の
道路の
整備等によって、その
地域の調整をはかる、こういうふうにいろいろお話があったと承っております。私はそれは当然なことであり、また適切な処置であろうと思います。これは一、二年で解決するとは思いませんけれども、そういう
構想でやはりその
地域の住民に安心を与えるということは適切なことであるし、また当然なことであると思うわけでありまして、その点について、そういう地元の意向を参酌して、将来それに応ずる
道路計画について、
政府としても協力をしていただけるか、また、いただけるものと期待をしておりますが、この点についてのお
考えと、それからもう
一つは、やはり今度の路線
指定の
法律案の中で、御
承知のとおり、
九州自動車道の門司から日田に至って、それから鳥栖付近に出るという従来の
——これは
法律上路線
指定ではございませんでしたけれども、
本法の縦貫自動車道の中には、それを予想されておったわけであります。今回は、その日田付近が非常にカーブが多くて、必ずしも縦貫自動車道としては適切ではなかろう、こういうことで、日田付近を除かれて、門司から直接鳥栖付近から熊本に至る、こういうふうな路線の
指定法案を出されておりますが、これも縦貫自動車道として、私としては適当な案であると思いますけれども、やはり静岡の場合と同じく、日田付近を通過するであろうという予定で期待を持たれておった。またあの地帯は
九州の大きな幅のあるところでありますから、何らかのそういう
輸送交通の便をはかるということは、その
地域だけの問題でなしに、
九州全体からいいましても必要なことであろうと思います。そういう
意味において、具体的に申し上げると、むしろ門司から日田に至るようなカーブのある縦貫自動車道はこの際変えるけれども、それよりももっと効果的なのは、逆に
九州の北部と申しますか、東部のほうを横断するような
道路を
整備するほうが、かえって
産業経済交通網上適切である、こういう
考え方があります。これもいろいろ御
意見がありましたが、そういうことで、今度の
法案については、地元としては了承を得られておるような状況でございます。これも一挙にして解決するという、そう簡単なものではございませんけれども、やはり大分から日田付近を通じ、久留米付近に至る二級国道があるわけでありますから、これの
整備もできるだけすみやかにはかって、縦貫自動車道との交通網の
整備をはかる、これが大きな期待になっておるところでありますから、こういうことも当然に漸を追うて行なうべきであると思いますが、この二点について、この際時間がありませんから、大臣の簡単な答弁でけっこうでありますから、御答弁をいただきたいと思います。