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1964-04-01 第46回国会 衆議院 建設委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月一日(水曜日)    午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 丹羽喬四郎君    理事 廣瀬 正雄君 理事 福永 一臣君    理事 岡本 隆一君 理事 山中日露史君       逢澤  寛君   稻村左近四郎君       大倉 三郎君    木村 武雄君       正示啓次郎君    服部 安司君       松澤 雄藏君    山本 幸雄君       渡辺 栄一君    井谷 正吉君       金丸 徳重君    久保田鶴松君       西宮  弘君    原   茂君       山崎 始男君    玉置 一徳君       吉田 賢一君  出席国務大臣         国 務 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         総理府事務官         (近畿圏整備本         部次長)    八巻淳之輔君         建設政務次官  鴨田 宗一君         建設事務官         (大臣官房長) 平井  學君     ————————————— 三月三十一日  委員中嶋英夫辞任につき、その補欠として久  保田鶴松君が議長指名委員に選任された。 四月一日  委員久保田鶴松辞任につき、その補欠として  中嶋英夫君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月二十八日  日本住宅公団法による住宅団地造成に伴う問題  点解決に関する請願臼井莊一君紹介)(第一  五九八号)  県道北薩線の二級国道編入等に関する請願(池  田清志紹介)(第一七一六号)  二級国道人吉、川内線の整備促進に関する請願  (池田清志紹介)(第一七一七号)  県道蒲生大口線の二級国道編入等に関する請  願(池田清志紹介)(第一七一八号)  県道宮之城牧園線の二級国道編入等に関する  請願池田清志紹介)(第一七一九号)  県道下甑鹿島間建設費国庫補助増額に関する  請願池田清志紹介)(第一七二〇号)  県道大口真幸線開さく工事公共事業として  施行に関する請願池田清志紹介)(第一七  二一号)  宮崎県真幸町島内、西川北地区川内川護岸工  事実施に関する請願池田清志紹介)(第一  七二二号)  鹿児島県栗野岳温泉林田温泉間の有料道路新  設に関する請願池田清志紹介)(第一七二  三号)  公営住宅分譲承認基準制限緩和に関する請願  (木村剛輔君紹介)(第一七二四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、  近畿圏整備本部大阪事務所設置に関し承認を  求めるの件(内閣提出承認第四号)      ————◇—————
  2. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 これより会議を開きます。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、近畿圏整備本部大阪事務所設置に関し承認を求めるの件を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。
  3. 岡本隆一

    岡本委員 近畿圏整備法が成立しましてから一年に近くなってまいりますが、その間、九月の二十日ごろに一回と、それから最近一回、近畿圏整備委員会が開催されたというふうに承っておるのでございます。事の始まりというものは、なかなかいろいろな問題があるために、すべり出しが困難というふうなことも考えられないではございませんけれども、しかしながら近畿圏整備法の成立というものに大きく期待を置いている者、さらにまた大阪神戸等の非常な公害の発生というようなものを見ますときに、何かもう少しなめらかに進まないものかという気持ちをわれわれ抱くのでございますが、近畿圏整備審議会経過あるいはこれからの見通しというふうな問題について御説明をお願いいたしたいと思います。
  4. 八巻淳之輔

    ○八巻政府委員 昨年七月の十日に近畿圏整備法が成立いたしまして、その後、事務の体制を整備いたしますること、あるいは審議会構成をいたしますということをいたしまして、九月には審議会が発足いたしたわけでございます。なおその年の十二月には、その下部機構でございますところの専門委員会というものを構成いたして、昨年から、専門委員会二つに分けまして、すなわち法制部会計画部会に分けまして、運営してきておるのでございます。昨年、その専門委員会構成されるまでの間におきまして、事務当局といたしましては、これから逐次、専門委員会構成し運営していくために必要な基礎資料整備、収集いたしまして、その素材を提供するという意味で、勉強してまいった次第でございます。  なお、ことしに入りまして、専門委員会二つ部会のうち、法制部会におきましては、御承知のとおり、近畿圏整備法の十三条、十五条の規定に基つきまして、一つ過大都市における人口集中産業集中を防止するために、工場等制限をするということの法律を要請されておりますし、また十三条におきましては、そうした既成区域外における近郊都市区域であるとか、あるいはその外周部における開発区域というものにつきましても、整備開発に関する法律をつくることを要請されておるのでございます。したがいまして、その二法案をいかに策定するかということにつきまして、ことしの春以来、専門委員会法制部会におきまして鋭意検討を進めまして、前後七回にわたり審議を重ねてまいったわけでございます。その結論を、三月十六日の審議会にかけまして、御了承を得た、こういうふうな次第でございます。もちろんその間におきましても、審議会の各位に対しまして、しかるべき経路を通じまして、この中間的な状況は申し上げておるというふうなことになっております。また計画部会におきましては、今年の六、七月ぐらいには、御承知のとおり、近畿圏整備計画におきまして、その背骨になる基本方針というものをまずきめ、それに基づきまして、地区指定をする、それからまた、広域かつ根幹となるような具体的な施設整備計画をつくる、ということが要請されているわけでございまして、この六、七月ごろまでには、背骨になる基本方針につきまして、策定を了するというもくろみのもとに、ただいま専門委員会計画部会におきまして、鋭意検討を続けております。この計画部会も、ことしの春以来三回にわたりまして開かれ、また今週の金曜日にも開催されるという運びでございまして、今後のスケジュールといたしましては、十日に一ぺんぐらいずつ開催するということで、勉強させていただいておるわけでございます。  以上のような次第で、法律関係におきましては、専門委員会法制部会によって検討する、それに基づきまして、われわれ事務当局として今後進めていく、また計画関係におきましては、計画部会において詰めて、この六、七月ごろまでには、基本方針をつくり、それに基づきまして地区指定をし、今年じゅうに大づかみな根幹たるような施設計画策定する、こういう段取りで進んでおります。
  5. 岡本隆一

    岡本委員 ただいまのお話を承りますと、法制部会計画部会をつくっておる、そしてその計画部会では、十日に一回ぐらい計画部会を開いて基本計画検討しておる。そして大体六、七月ごろには基本計画を樹立していく、こういうふうに承ったのでございますが、この整備法を見るまでもなく、人口規模及び配分、産業の配置、土地、水その他の資源の保全及び開発都市整備及び開発交通体系の確立など、問題点が非常に多うございますので、その基本計画を立てるのに必要な基礎調査というものも、また膨大なものになってくるのではないかと思うのでございます。そういうふうな基礎調査というものは、すでにできておるのかできておらないのか、あるいはまたこれに必要な機関というものはどういう機関が設けられているか、そしてその機関が、いつごろその基本計画策定と並行して、調査を行なっておるのか、あるいはその機関はもうすでに調査を完了したのか、そういうふうな点をお伺いいたしたいと思います。
  6. 八巻淳之輔

    ○八巻政府委員 ただいま計画部会で、六、七月を目途として策定いたしております基本方針と申しますのは、これは近畿全体の人口規模がどうなるであろうか、将来、昭和五十年なり五十五年を見通した場合どうなるであろうか、あるいは産業規模がどうなるであろうかというようなマクロ的な作業と、それから各府県開発計画というものを総合調整する、こういう二つ立場からやっておるわけでございます。これからの人口がどうなるであろうか、産業規模がどうなるであろうかということにつきましては、すでに全国総合開発計画なり、その他のいろいろな方面からの基礎資料がございます。そういうふうな基礎調査を整理あんばいいたしまして、新しい角度でそれを見ていくというようなことをやっておりますので、特に新しくそのために基礎調査をするということは要らないのじゃないか、既存資料というものを十分に検討いたしまして、新しい角度から見ていく、こういう作業でこと足りるのではなかろうか、と思っております。  なお、各地域の指定、あるいは重要なる施設計画というふうな、土地に直接関連した計画につきましては、これは実地調査なり、土地の実態的な利用状態というものをきわめまして、逐次設定しなければなりませんので、今年度におきましても、そうした土地に立脚した実態的な調査を並行して進めてまいる、こういうことでございます。
  7. 岡本隆一

    岡本委員 既存資料にいかなるものがあるか、私も存じませんが、建設省で先般発表された、国土開発に対する基本構想というふうなものが全国的につくられておりますが、あれはいわば大まかなものでございます。だから、近畿圏整備計画というふうに、近畿圏専門に担当するということになりますと、もっと具体的な、もっと詳しい数字の上に立って、構想を推し進めていく必要があるのではなかろうかと思うのでございます。したがって、近畿圏整備本部ができ、近畿圏整備責任を担当するのだということになりますなれば、近畿圏整備本部において、独自の調査機関を持ち、独自の構想に立ったところの整備計画、独自の資料に基づいたところの整備計画というものも、当然構想として考えていかなければならないのではないか。そういう意味におきましては、現在の整備本部人的構成というものはあまりに弱体ではないか、こういうふうなことを私は考えます。特に近畿圏整備本部長官は、そういう点について、現在、従来の資料にたよって、それの整備だけでもって、これから近畿圏整備基本計画を立てていこう、こういうふうな現在の考え方というものは、やはりせっかく出発した近畿圏整備本部としては、やや意に満たない点を感ずるのでございますが、本部長官の御意見を承りたいと思います。
  8. 河野一郎

    河野国務大臣 御説ごもっともでございます。ところが前に出発いたしました首都圏整備委員会というものがございまして、この首都圏整備委員会が今日まで数年間やっております。私はこのほうも兼ねておりますが、ごらんのとおりの状態でございます。どこから手をつけていいか、法律的には一応整備いたしましたが、具体的には、実はあまり成績が上がらないというのが偽らざる事実であります。ところが、そういうことで、どっちが原因でどっちが結果かわかりませんが、首都圏のあれだけの大きなものを扱うのに、また人的構成がすこぶる貧弱でございます。したがいまして、やろうといっても、どうもどこから手をつけていいかわからないということで、露骨に言えば、ひょっとひね者になってしまったようなかっこうなんです。ところが、その首都圏のほうの人間が上から押えているものですから、近畿圏がこれより上に出ることはおかしいじゃないかというので、首都圏がこのくらいだから、近畿圏もこのくらいでよかろうということで、行管が通らない。行管が通らないから、予算がつけられない、というのが実は実際なんです。初めにスタートしましたときには、大阪事務所もない。東京事務所でやったらよかろうということでしたが、幾らなんでも、近畿圏整備本部大阪事務所を持たないでやるのはおかしいじゃないか。大阪出張所くらいなければいかぬだろうということで、大阪に三人か五人人間をやって、出張所を開いたということなんです。ことしようやくこれで二十人か二十五人、人をふやしまして、それで幾らかかっこうのついた仕事をしていこうじゃないかということなんです。私は別の機会にも申し上げましたとおりに、首都圏につきましても、皆さんの御賛成が得られるかどうかわかりませんが、抜本的な構想を描きまして、それをひそかに実は調査検討中でございます。ある程度成案を得ましたならば、発表して、広く天下の批判に訴え、これが共鳴が得られなければ、もう首都圏は手のつけようがない。どなたかほかの人にお願いしなければいかぬだろうとひそかに期待しつつ、いま勉強いたしておるところでございます。これをまずでかし上げまして、近畿圏のほうも、そういったような首都圏のほうと相呼応して、大きく飛躍しなければいかぬのではなかろうかと思っておるのでございます。実は、先日も、大阪に参りまして、この委員会総会に出席いたしました。ところが皆さんがおつくりになりました総会構成が、村長さんの代表者から、県会議員代表者から、皆さんいらっしゃいまして、一例をあげますと、総会を開いても、これを持って帰って大阪府会の同意を得てこなければ、賛否は述べられない、こういうことをおっしゃるのです。そういうことでございますので、そうすると、どうも従来の委員会調査会とテンポが全然違う。それで、これらの各府県がそれぞれ開発計画を持っておると、それにある程度縛られるというようなことになりまして、実は事務が非常に難渋をきわめておるというのが現状でございます。今回は、二つ法案だけきめて、これをこの国会に提案をして、御承認を得て、そしてそのほうからひとつ着手していこうということでございます。いまお話しになりましたような点につきましては、各府県が、いま申し上げるように、その前提として案を持っていらっしゃいます。これは大阪が中心か地方が中心地かというようなことから議論——みな同じ土俵に集めると、けんけんごうごうとしてなかなかそれぞれの立場立場を固持していらっしゃって、調整がつきにくいというのが実は現状でございます。したがって、よほど確固たる調査資料を持ってこれに臨むか、そうするためには大がかりなものをつくってやるかどうかということでございまして、さしあたりといたしましては、遺憾ながらこの程度で行かざるを得ない現状にある、ということを御了承いただきたいということでございます。
  9. 岡本隆一

    岡本委員 首都圏整備状況を外から見ますと、仰せのとおり、遅々として進まない。これではもう首都圏整備会員会というものがありながら、また百都圏整備事業というものを国が手をつけながら、実質的には成り行きにまかせているというふうな姿に私どもには見えるのであります。したがって、せっかくまたここに近畿圏整備法ができて、近畿圏整備事業が始まったと言いながら、それに右へならえしてもらっては困る。特に首都圏については、東京都というものがありまして、いろいろな意味で、これは非常に力が強いのであります。ところが、近畿圏になりますと、大阪神戸、あるいは京都というふうに、三つの大都市があるわけでございまして、東京都のような大きなものがないだけに、違った意味議論の集約というものも私はできるのではないかというふうに感じられます。したがって、首都圏整備に右へならえしないように、ひとつどんどんスピードを上げていただいて、委員会のできた所期目的を達するような御努力をお願いいたしたい。  それから、もう一つお尋ねをいたしたいのでございますが、この審議会委員の、学識経験者構成でございます。経済人が四名、学者が一名、報道人が一名、こういうことになっております。それから、専門部会人的構成を見ましても、経済人が三分の二くらいで、三分の一くらいが学識者、こういうことになっております。私はこの近畿圏整備事業というものは、なるほど資本の側から見るならば、産業経済のいろいろな基盤をつくり、同時にまた都市整備や住民の生活環境整備していく、こういうことでございますが、しかしながら、労働者立場から見ますならば、自分たちの働く場の環境をつくり、自分たちの住む場の整備をやる、こういうことでございますから、これには当然労働者代表というものが入るべきじゃないか。ことに計画部会などの中には、産業界代表をこんなにたくさん入られるならば、労働界代表もせめて総評全労から一名ずつくらいは当然入れらるべきじゃないか、こういうふうに私は思うのでございますが、労働界というものは、人がないというふうな考え方から省かれたのか、あるいは——直接あなたが選定されたのではないですから、あなたの責任を問うわけではございませんが、役所のお考えというものも多少は私は影響していると思いますが、今後労働界から人をおとりになる御意思がありますか、ありませんか、その点を伺っておきます。
  10. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知のとおり、大阪というところは特殊な事情がございます。市長さんでも、党籍は社会党でございますが、大多数の財界人がこれを後援しておるのです。その間に何らの懸隔がございません。したがって、大阪的に申せば、大阪の政財界は一致しておる、その間に政党的色彩は薄いというのが現状だと私は心得ます。そういう意味において、地元意見を十分取り入れて、実はこの委員任命はいたしました。ただし、いま申し上げましたように、こういったような、中立的な委員の数が非常に少のうございまして、そして地元のそれぞれの知事の代表議長代表というような人の数が非常に多いというようなことのために、なるべく摩擦を避けて運営されるほうがいいのじゃないかというような配慮も実はいたしました。しかし、私は決していま言われたように、全労総評代表を拒否しようというような考えは毛頭持っておりません。数さえあれば、入れて十分懇談していけるのじゃないかと思っております。
  11. 岡本隆一

    岡本委員 それじゃ、大臣も時間がおありのようでございますから、もう一問だけお尋ねしておきたいと思いますが、せっかく近畿圏整備問題が具体化いたしてまいりました。ところが、今度はまた逆に、一番地盤沈下を起こしておる、あるいは一番公害が多いというような神戸大阪というところから、工場等規制を少し緩和するようにしてもらいたいというふうな声が出ておるやに承るのですが、しかしながら、やはりこういうふうな点は、最初構想のとおり、工場過密地帯人口過密地帯は、相当な制限をもって疎開をさせるというふうな最初方針を貫かなければならぬ。ことに、こういう整備事業は、過密都市にとりましては、これは外科医の手術に相当するものだと思います。化膿しておる傷を切開するような性格のものであると思うのです。だから、これに大きなメスを加えて、ぐっと大きく口を開いてやらなければ、傷はよくならない。これを、痛いだろう、じゃちょっとにしておきましょうというふうなこそくな手段をもってしては、整備の本来の目的が達せられない。だから、この際そういうふうな工場等規制法律というものが、これからいよいよ本国会にかかってくるであろうと思うのですが、そういう点については、やはり最初方針どおり所期目的が十分達せられるような形において、方針を貫くことが必要であると思いますが、本部長のお考えをこの機会に承っておきたい。
  12. 河野一郎

    河野国務大臣 全く同感でございます。この点は、あくまでも既定方針どおりやっていきます。
  13. 岡本隆一

    岡本委員 終わります。
  14. 丹羽喬四郎

  15. 玉置一徳

    玉置委員 近畿圏整備本部の発足以来の経過、及び今後の事務処理見通しにつきましては、ただいま岡本委員の御質問に対してお答えになったのであります。そこで、とりあえず三、四名で仕事をいたします大阪事務所設置されるのがいまになったのでありますが、いまになった理由、並びに今後どういうような組織と定員で、どういう事務をおとりになられるか、次長からお答えいただきたい。
  16. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 ちょっと玉置君に申し上げます。  大臣は、十一時半に御退出になりますので、大臣のほうの御質問を先にしていただきたいと思います。
  17. 河野一郎

    河野国務大臣 先ほど来申し上げましたとおりに、最初にこの近畿圏整備委員会が発足いたしましたときの予算定員がそういうことになっておりませんでした。われわれども、発足して、そこに任命を受けて、行ったのでありますから、初めの制度がそういうことになっていなかった、こう御説明申し上げるよりしかたがありません。
  18. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、先ほどお話がございましたが、近畿圏整備本部は、あくまでも近畿圏の総合的な連絡調整事務を主とすると思います。ここが個有仕事をするわけではございません。一体として発展をしていくような調整事務をとることが主であります。したがって定員は、事実上ここが全部調整計画その他調査までやろうと思ったら、たいへん膨大なものが要ると思います。したがって、お伺いしたいのは、そういう連絡調整事務を一体的にとってまいりますにつきまして、府県のそういったエキスパートその他を移管がえと申しますか、御採用になってやっていかれるかどうか。
  19. 河野一郎

    河野国務大臣 私はそういう考えは持っておりません。なぜ持っていないかと申しますると、すでに首都圏整備委員会におきまして、もう、一ぺんその例を踏んでおります。というのは、首都圏の持っておりまするものを調整し、そしてこれを育成していくということであったところが、今日の過熱状態に相なっております。したがいまして、ただ単に、大阪大阪で持っておりますものを、そのままのんでやっていくということでは足りない。近畿圏整備を、各府県のおっしゃるお考えも十分尊重しつつ、国家的見地に立って誘導していくということでなければいかぬと思っております。
  20. 玉置一徳

    玉置委員 そこで、先ほど説明がありました府県総合開発との調整というものは必要でありますけれども、府県総合開発を尊重しながら、なおその上に立って、大臣のおっしゃいますように、広域的な、広範な関連のあるものを重点的に施行していく御方針だと思いますが、そこで、この計画ができまして、予算のあれは建設省なり農林省なり各省でやるわけで、ここで一本化しないことになっておるわけでありますが、その推進にあたる場合に、建設省はすでに今年から五カ年計画に入るわけであります。この計画は一年ほどおくれてできるような感じがいたします。その場合に、建設省との、五カ年計画のすでに割り当てしてしまったいろいろな予算との振り合い、あるいは調整はどうなのか、お伺いいたします。
  21. 河野一郎

    河野国務大臣 御承知のように、五カ年計画全国的視野に立ってやっております。したがって、この案ができるまで待っておるわけにまいりません。しかしここでお考えになることも、おおむねそれを考慮に置きつつやっております。たとえば大阪におきましては、大阪自身がすでに五カ年計画をつくっておるわけでございます。外環状、中環状その他、御堂筋をどうするかということをやっておるわけであります。また京都京都で、そういうものがあるわけでございます。そういうものを今後総合的にどう持っていくか、この結びつきをどうするか。たとえば、あなたのところで申しますと、京都の南のインターチェンジから、いまは計画はありませんが、これを奈良の方面に一本抜く道路が必要だろう、これを丹波のほうにも持っていくものが必要だろうというようなことを総合的に調整していく。それを今後の五カ年計画の中に取り入れていくということでいいんだ、こう考えております。御承知のとおり、五カ年計画は、初年度についてはもうすでに確定しておりますが、年次計画その他についてはまだありませんし、またこれとても有料道路をどうするか、何をどうするかということは固めておりますけれども、その他の点については、相当の融通性もまだ持っておるわけであります。それらを見つつあんばいしている、こういう次第であります。
  22. 玉置一徳

    玉置委員 幸いに大臣が両方お兼ねいただいておりますので、御調整をお願い申し上げたいと思います。  その次に、もう一つお伺いいたしたいのは、先ほど申しましたように、細部のことは、府県があるわけでございますし、市町村があるわけでありますが、非常に重要な根幹のものを強引にひとつ推し進めていただくことが望ましいわけでありますが、さしあたって一番必要なのは、水の処理であります。琵琶湖の大阪への送水が、従来いろいろな法案のたびに難航してまいったわけでありますが、これは近畿圏整備開発の大きな要望の一つではないか、かように思うのですが、こういった問題につきまして、整備計画とは別に、建設省のそれぞれの機関、いわゆる地建その他水資源公団の支所、こういうものも十分に御活用いただくことが大切だと思いますが、近畿圏整備本部とそういったものとの御関連をひとつ御説明を願いたい。
  23. 河野一郎

    河野国務大臣 おそらく、今後も建設大臣がこの職を兼務すると私は思います。その際、いまのたとえば淀川水系の水、ことに琵琶湖というようなお話がありましたが、これは河川法が改正されますれば、あげて建設大臣の権限になりますので、私は各方面の御意見委員会等の御意見を承りました上で、中央的感覚でこれを指導するということが可能であり、抜本的に解決ができる、こう考えております。
  24. 玉置一徳

    玉置委員 もう一点だけ質問いたしまして終わります。  事務局のほうにお伺いしたいのですが、大阪事務所の組織、定員及び所掌事務につきまして、一応説明をいただきたい。
  25. 八巻淳之輔

    ○八巻政府委員 今年度予算におきまして、現在二十名のところを十七名増ということで、その幅の中で事務所をつくるということに大蔵省と了解をいたしておりますので、さしずめ十名程度の者で大阪事務所を組織してまいる。なおその後におきまして、大阪事務所の機能が活発に動かなければならぬということでありますれば、さらに増員するというふうなことを考えております。主とした仕事は、現地における審議会の運営、あるいは現地における具体的な調査活動というふうなことを考えております。
  26. 玉置一徳

    玉置委員 終わります。
  27. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 他に御質疑もないようでございますので、これにて本件に対する質疑は終局するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  29. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 これより本件を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、近畿圏整備本部大阪事務所設置に関し承認を求めるの件を承認するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  30. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと議決いたしました。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕
  32. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 次会は、来たる四月三日金曜日、午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時二十八分散会