○千代説明員 電電公社の営業
局長の千代でございます。団地の電話対策についてお答え申し上げます。
昭和三十年ぐらいから急に団地の電話の需要というものが増してまいりました。それに対する対応策としてどうやっていこうかということを考えまして、私どものほうでは、試験的に三十四年の十二月から現在、先ほど御
答弁の中にもあったように、内部の交換手のついたいわゆる手動方式というものでこれに対処してまいったわけでございます。それから約四年ばかりでございますが、いろいろと
研究してまいりますと、非常に不便な点が多いわけで、この点では昨年の三月、当
委員会に私どもまいりまして、私どものほうの
総裁からいろいろお答え申し上げたとおりでございます。その際、岡本先生からも非常に参考になる御
意見を拝聴しまして、自来一年間、約十カ所でテストいたしました結果、自動式でこれを供給していく、こういうぐあいにきめたわけでございます。従来の手動方式でございますと、いま
全国的にダイヤル化していこうというときに、そこだけが取り残されるというようになってまいります。
一般の農村の集落等でございますと、その内部の連絡というものが相当ございますので、便利な点も手動方式にありますけれども、現在の団地は、お住みになっている方は、職業もいろんな方がおられる。実際調べてみますと、団地内で発着している通話というものが非常に少のうございまして、団地から外へ出ておるというのが多いわけでございます。全般的には通話の量は非常に低いわけでございますけれども、中でも団地内相互間でやられておるのは、一日に一電話当たり〇・三度というくらい低いものでございます。したがって、これは内部だけのものを解決するよりも、外部とつながるもので早くつながるというものにしなければいけないというので、従来やっておりますのをやめまして、自動方式へ
——現在の加入電話と変わらないようなものを、それを非常に経済的にやっていきませんと、通話度数が少ないものですから、経営上の問題も出ますので、いろいろ
研究いたしまして、約十カ所でテストを今日までやってまいりました。したがって、そういう点ではある
程度の
自信は得まして、先般
予算委員会でも、私どものほうの大橋
総裁から今春からやるということを言っております。一体いつからやるんだというような
質問が出ることを予期いたしまして、実は何月何日からやりますということは、先ほどまで
会議をやっておったわけですが、まだ結論を得ておりません。
それから従来の手動方式が非常に不便でございますのは、オペレーターの方がかぜの流行等のために一人休まれた場合には、その中の能率が非常に下がるということでございます。この点も悪い点でございます。
それから従来六十九組合でやっておられまして、その中でたしか四十五組合が住宅公団のほうでおやりになっておると思いますが、六十九組合のテストの結果は、あるいは
調査の結果は、減価償却とかあるいは保守とかいうものが非常に不十分でございまして、これは一応故障の原因にもなってくるというようなことになっております。私どもが直接することができますならば、一たんつくりますれば、あとあとはずっとこちらだけでかえていくものでございまして、永久に設備的な
支出の必要はないというところに、利用される団地にお住まいの方にもこのほうが便利であろう、こういう結論から自動式の方法でやるようにきめてまいったわけでございます。
なお、今年幾らそれができるかという問題は、いましばらく時間をちょうだいしてその戸数をきめようと考えております。大体東京、大阪、名古屋等周辺のところには比較的潤沢に供給できる見通しでございますが、具体的な
数字はまだ最終的に決定をしておりません。
なお、そのときの
負担の問題でございますが、中にお住まいになる方のこれに伴う
負担という問題は、現在行なわれております手動方式による
負担と実質上異ならないような、同
程度の
負担までには下げたいというので、この一年間苦労してまいったわけでございますが、ほぼその点までいける見通しがつきましたので、近くこれを公団のほうとも御相談申し上げてやっていきたい、かように考えておる次第でございます。