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河野国務大臣 御
承知のように、
道路予算が非常にかさみますので、とりわけ用地費等が非常にだんだんかさんでまいりますので、受益者
負担もある程度
考えたらどうかということはしばしば話題になりまして、これについては常に検討を加えておるのでございます。しかし、何ぶん
——この席を拝借して申し上げてよろしいかどうかわかりませんが、いまわれわれが
道路について、画期的な
予算をもって、画期的な
道路の
整備をいたそうと
考えておりまするゆえんのものは、
日本の
経済事情が急激に変わってまいります。そのために、たとえば中小の商工業者の
諸君、農村の
諸君、これらの人がこれから新しい時代に、新しい産業、新しい職業を一体どこでどういうふうにおやりになるかという
経済条件が変わってまいりますので、すみやかにこれらの人に将来の安定の方向、条件をきめて差し上げる必要がある。たとえば大工場、大企業は、みずから工場予定地を選びまして、そうして自分で
道路をつくって自分の工場を動かすことができます。中小の工場はそうはまいりません。そこにどういう条件の
道路が生まれて、そして自分のところが、はたしてこれで将来の
日本の産業の中に適切であるかどうかというような問題が、新たに起こるわけであります。新しい
道路ができますと、いままで表通りであったものが裏通りになる場合があるというようなことのために、
経済条件が非常に変わってきます。農村にしても同様でございます。したがって、受益をするという人もむろんございますけれ
ども、受益の程度をこえまして、条件が非常に変わってくる。つまり公開
経済の結果、非常に
日本の
国内産業に与えた、各種の産業に与えた条件の変化、さらにこれに対応するような
道路網の
整備、その
道路網の
整備を基盤として、そこに新しい自分の将来の生業の基盤を定める必要があるということが、いま政治の問題として一番大きな問題だと私は
考えます。でございますから、農村の方が、新しい
道路ができて、そこに新しい農業がりっぱにできるという
立場にありながら、それがまだできない、きまっていないということのために、家を離れ、郷土を離れて都会に出られる人も、今日ではないことはないというようなことでございますから、可及的すみやかに
道路計画を決定して、そうして、この地方にはこういう
道路ができます、この地方は大体こういうことになります、したがって、この地方ではこの程度の農業、この程度の産業が適当でございます。そうしてここにこういう中小工場をおつくりになればこういうことになります、という基盤をきめて差し上げるということが必要であると私は
考えまして、むしろ受益者
負担よりも優先して、公共
投資というような
意味において大
規模な公共
投資を行なって、そうして
日本中で、工業適地、農業適地、各種の産業適地というものの目安を立てて、そこに、自由企業の
原則にのっとって、国民
諸君が生業の基盤をお持ちになるということにして差し上げることが必要じゃないかというふうに
考えて、
道路計画を急いでおるのでございます。いま
堀内さんの
お話のような点も、十分
考えないことはございませんが、あわせて、いま私の申し上げましたようなことを
考えつつやっておるのでございまして、どうかひとつ一そうの御協力をちょうだいいたしたいと
考えます。