○
白浜委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十分散会
————◇—
————
昭和三十七
年度防衛庁関係歳出の
決算に関する
説明
昭和三十七
年度における
防衛庁関係歳出の
決算につきまして、その
概要をご
説明申し上げます。
経費の
説明を致します前に
昭和三十七
年度におきましては当庁の行政組織が一部改廃されましたのでご報告致します。
すなわち、
自衛隊および駐留軍
関係の施設の取得、維持管理、その他これに関連する業務は、従来
防衛庁建設本部と
調達庁とにおいてそれぞれ行なっておりましたが、この両者を統合して
昭和三十七年十一月一日
防衛施設庁を設置し、業務の一元的かつ効率的な運営を図ったものであります。
つぎに経費につきましては
まず
昭和三十七
年度(組織)防衛本庁の経費についてご
説明申し上げます。
当初の歳出
予算額は、千九百九十三億九千八百四十七万九千円でありまして、これに
昭和三十七年十月以降
政府職員の給与を
改善するための
予算補正追加額五十一億六千三百二十五万八千円、成層圏における放射能調査等のため科学技術庁から移替えを受けた額八百八十八万一千円、代替庁舎等の取得のため
大蔵省から移替えを受けた額三千四百九十一万九千円、オリンピック東京大会実施準備のため文部省から移替えを受けた額九千九百七十五万九千円、前
年度からの繰越額五十八億六千百五十二万六千円を加え、
防衛施設庁設置にともない
防衛庁建設本部の経費を
防衛施設庁え移替えた額五億二千二百八十八万一千円を減じますと、差引歳出
予算現額は二千百億四千三百九十四万一千円となります。
この歳出
予算現額のうち、支出済歳出額は二千五十六億七千五百十八万八千円でありまして、これを歳出
予算現額に比較いたしますと四十三億六千八百七十五万三千円の差額を生じます。この差額は、繰越額と不用額でありまして、繰越額は三十六億二千七百九十九万八千円、不用額は七億四千七十五万四千円であり、これを
昭和三十六
年度の
決算と比較いたしますと、繰越額において二十二億三千三百五十二万八千円の減少となっており、不用額において四億三千六十一万円の増加となっております。
昭和三十七
年度の
予算につきましては、
昭和三十六年七月に国防
会議で決定された第二次防衛力整備計画に従い、その初
年度の諸目標を円滑に達成するための経費を使用しました。その主なるものは次のとおりであります。
陸上
自衛隊につきましては、防衛力および警備力の向上を図るため、北部、東北、西部方面隊の管区隊二、混成団三を五箇の師団に改編して、
昭和三十六
年度に着手した十三箇師団態勢を完成いたしましたほか、ナイキ大隊、通信運用大隊等所要部隊の新改編を行なうとともに、前
年度に引き続き第七師団の機甲化を中心として装備の充実
改善を図りました。また施設部隊の諸器材、軽渡橋セット、その他災害救援用器材を整備する等民生協力面の強化を図りました。
海上自衛隊につきましては、第二次防衛力整備計画の初
年度として計画した甲型警備艦一隻、駆潜艇一隻、中型掃海艇二隻、高速救命艇一隻、雑船七隻、計十二隻四、四三五屯の建造に着手いたしましたほか、大型対潜哨戒機(P2V−七)の国産最終
年度として十五機の生産を行なうとともに、新たに同機六機の継続生産を開始し、ヘリコプター十一機、練習機十八機を
購入することにいたしました。また定員につきましては、三十七
年度就役艦の海上要員、航空機の増強に伴う航空要員ならびに後方補給および教育
関係要員確保のため、自衛官千百九十五名、自衛官以外の職員五百十八名の増員を図りました。
航空自衛隊につきましては、F−一〇四戦闘機の配備、警戒管制および航空保安管制部隊の整備ならびに教育および後方支援態勢の充実によって、全国防空警戒態勢の基盤を確立するため、F−一〇四飛行隊および術科教育本部を新たに編成するとともに、通信電子部隊および後方部隊の増強を図り、これに要する自衛官七百二十一名、自衛官以外の職員八十三名を増員することといたしました。航空機につきましては、既定計画によるF−一〇四J、DJ戦闘機ならびにT−一Aジェット中間練習機の生産を引き続き行なうとともに、救難ヘリコプター機の
購入を図りました。
以上のほか、自衛官の募集を推進するための経費、対空誘導兵器の導入に備えG・Mの研究を推進するための経費、航空機騒音防止対策を進めるための経費をそれぞれ使用いたしました。また定員につきましては官房各局、統合幕僚
会議および技術研究本部等附属機関において自衛官以外の職員二百五十三名の増員を図りました。
繰越額三十六億二千七百九十九万八千円のうち、主なものは器材費等十二億五千百二十四万六千円、航空機
購入費三億五千三百八十九万八千円、艦船建造費等六億九千十三万円、施設整備費十億四千六百九十二万六千円などでありますが、この繰越を生じました理由の
概要を申しあげますと、器材費等および航空機
購入費につきましては、装備品の大部分および航空機が一般市販品と異なり、特殊の規格、性能が要求されますので
調達に際して、規格の決定、仕様書の
調整に慎重を期したこと、また有償供与を主とする
輸入品の
手続等にやむをえない日数を要したために、契約または約入が遅延したこと等に基づくものであり、艦船建造費等につきましては、要求性能の決定および設計の作成等に長期の日数を要したことに基づくものであり、施設整備費につきましては、用地の取得に際し所有者の納得を得ることが困難であり、また
補償の
折衝に意外の日数を要したこと等により、工事が遅延したことに基づくものであります。
また不用額七億四千七十五万四千円の主なるものは、人件費、器材費および装備品等の維持費でありますが、人件費につきましては特別退官退職手当を要することが少なかったこと、器材費および装備品等の維持費につきましては、契約価格が予定価格より低かったこと、計画の変更により維持費を要することが少なかったこと等によるものであります。
不用額は前に述べましたように、前
年度に比較して四億三千六十一万円の増加となっておりますが、繰越額につきましては前
年度に比較して一十二億三千三百五十二万八千円の減少となっております。これは
昭和三十七
年度予算におきまして、防衛力整備計画に基づく
自衛隊の
任務遂行に必要な
予算でこれが適正な執行を図るために
年度内消化可能なもののみを歳出
予算に計上いたし、その執行にあたりましても計画的、合理的運営を図った結果、前
年度にくらべ大幅に圧縮することができたものと思っております。
つぎに
昭和三十七
年度(組織)
防衛施設庁の経費についてご
説明申し上げます。
当初の歳出
予算額はゼロでありまして、これに
昭和三十七年十月以降
政府職員の給与を
改善するための
予算補正追加額八千百八十二万二千円、行政組織の改廃に伴い移替えを受けた額、(組織)防衛本庁より五億二千二百八十八万一千円、(組織)
調達庁より八十七億九千百三十六万三千円、前
年度からの繰越額を(組織)
調達庁より七億二千五百十七万四千円、板付飛行場拡張に伴う基地周辺整備に要する経費等として予備費を使用した額四億二千二百五十六万一千円を加え、提供施設周辺土地等改修事業等に要する経費として移替えた額、農林省所管(組織)農林本省へ五億一千七百九十三万二千円、建設省所管(組織)建設本省へ二億四千九百六万七千円を減じますと、差引歳出
予算現額は九十七億七千六百八十万二千円となります。
この歳出
予算現額のうち、支出済歳出額は九十一億六千四百六十四万八千円でありまして、これを歳出
予算現額に比較いたしますと六億一千二百十五万三千円の差額を生じます。
この差額は繰越額と不用額でありまして、繰越額は三億三百九十一万五千円、不用額は三億八百二十三万八千円であります。
支出済歳出額の主なるものについて概略ご
説明申し上げますと、まず(項)
調達労務管
理事務費で六億九千三百九十万九千円を支出しております。
これは「
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」に基づく「
地位協定」の
規定により駐留
米軍の使用する従業員の労務管
理事務等に必要な経費でありまして、その主なるものは労務管
理事務および離職者対策としての職業訓練を都道府県に委託した経費であります。
つぎに(項)国際連合軍等
関係補償費で三億七千四百三十三万七千円を支出しております。これは国際連合軍の使用により荒廃した広島県原村演習場の復旧工事に対する
補助金、占領期間中における連合国軍等の不法行為により人身被害を受けた
被害者および
遺族に対する見舞金等に要した経費であります。
つぎに(項)施設提供等諸費で五十七億五千四百七十五万円を、(項)防衛支出金で九百五十八万円を支出しております。これは「
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」に基づく「
地位協定」の
規定により駐留
米軍の使用する「施設及び区域」等の提供に必要な経費として、民公有の土地、建物、動産等の借上、買収費およびこれらに関連しての
補償費等、また駐留
米軍またはその構成員等の行為によって受けた
損害に対する
補償費等に要したものであります。
その他所管
事務の執行のための人件費、
物件費等として、(項)
調達庁で
十七億九千百九十四万七千円、(項)防衛本庁で五億二千十九万一千円を支出しております。
翌
年度繰越額三億三百九十一万五千円は(項)施設提供等諸費でありますが、これは
補助金工事等におきまして、気象、用地の
関係により工事が遅延したこと、また買収および各種
補償等で額の確定、
相手方との
折衝に不測の日時を要したこと等に基づくものであります。
不用額三億八百二十三万八千円につきましても、その主なるものは(項)施設提供等諸費でありますが、これは提供施設の移設予定土地の造成が未完成のため移設工事ができなかったこと、また施設の提供に伴う
補償においてこれに要する経費が少なかったこと等に基づくものであります。
以上
昭和三十七
年度の主な経費の
概要についてご
説明申し上げましたが、
予算の執行につきましては、国民一般から多大の関心を寄せられておりますので、特にこれが執行にあたりましては、諸法規を遵守することは勿論、最も効果的に運用するよう戒め、また綱紀の粛正にも留意し、国民の信頼に応えるよう
努力して参ったところでありますが、
会計検査院の
昭和三十七
年度の
決算検査報告におきまして、
不当事項として
指摘を受けましたもの七件、
改善の
意見を表示されましたもの一件がありましたことは、まことに遺憾に存ずるしだいであります。
指摘事項の内訳は、
物件四件、
補助金三件、
改善の
意見を表示されましたものは、陸上、海上、航空各
自衛隊間における共通器材の
融通および
調達の
調整についてでありますが、これらの趣旨につきましては、よく部内に
徹底させ、将来再びこのような過誤を繰り返さないよう万全の措置を講ずるとともに、
改善を要するものにつきましては、速かに
改善のための諸施策を推進する
考えであります。
以上をもちまして
説明を終わります。
何とぞよろしくご審議のほどお願いいたします。