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1964-05-12 第46回国会 衆議院 決算委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十九年五月十二日(火曜日) 午後零時五十九分
開議
出席委員
委員長
白浜
仁吉君
理事
押谷 富三君
理事
鈴木 善幸君
理事
田中
彰治君
理事
竹山祐太郎
君
理事
福井 勇君
理事
勝澤
芳雄
君 鍛冶 良作君 菊池 義郎君
吉川
久衛
君
登坂重次郎
君 原
健三郎
君
細田
吉藏
君
山本
幸雄
君
秋山
徳雄
君
川村
継義
君
千葉
七郎
君
森本
靖君
山中
吾郎
君
山本
幸一
君
吉田
賢一
君
出席国務大臣
内閣総理大臣
池田
勇人君 法 務 大 臣
賀屋
興宣
君 大 蔵 大 臣
田中
角榮
君 農 林 大 臣 赤城
宗徳
君
通商産業大臣
福田
一君 郵 政 大 臣 古池 信三君 自 治 大 臣
赤澤
正道君 国 務 大 臣 佐藤 榮作君 国 務 大 臣
福田
篤泰君 国 務 大 臣 山村新治郎君
出席政府委員
内閣法制局長官
林 修三君 警 視 監 (
警察庁長官官
房長
) 浜中 英二君
科学技術政務次
官 鹿島 俊雄君
外務政務次官
毛利 松平君
大蔵事務官
(
主計局次長
) 澄田 智君
大蔵事務官
(
主計局司
計課 長) 江口 穣君
大蔵事務官
(
管財局長
)
江守堅太郎
君
文部政務次官
八木 徹雄君
厚生政務次官
砂原 格君
運輸政務次官
田邉 國男君
委員外
の
出席者
会計検査院長
芥川 治君
会計検査院事務
官 (
事務総局次
長) 白木
康進
君 専 門 員 茨木 純一君
—————————————
五月八日
委員栗原俊夫
君、
森本靖
君及び
吉田賢一
君
辞任
につき、その
補欠
として
井谷正吉
君、
米内山義
一郎
君及び
中村時雄
君が
議長
の
指名
で
委員
に選 任された。 同日
委員井谷正吉
君、
米内山義一郎
君及び
中村時雄
君
辞任
につき、その
補欠
として
栗原俊夫
君、森 本靖君及び
吉田賢一
君が
議長
の
指名
で
委員
に選 任された。 同月十二日
委員
一
萬田尚登
君、
田川誠一
君、
千葉三郎
君、
原健三郎
君、
神近市子
君、
栗原俊夫
君、
田中
織 之進君、
松原喜之次
君及び
森本靖
君
辞任
につき、 その
補欠
として
登坂重次郎
君、
吉川久衛
君、山 本
幸雄
君、
細田吉藏
君、
山本幸一
君、
山中吾郎
君、
千葉七郎
君、
秋山徳雄
君及び
川村継義
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員吉川久衛
君、
登坂重次郎
君、
細田吉藏
君、
山本幸雄
君、
秋山徳雄
君、
川村継義
君、
千葉
七 郎君、
山中吾郎
君及び
山本幸一
君
辞任
につき、 その
補欠
として
田川誠一
君、一
萬田尚登
君、原
健三郎
君、
千葉三郎
君、
松原喜之次
君、
森本靖
君、
田中
織之進君、
栗原俊夫
君及び
神近市子
君 が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
昭和
三十六年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
三十六年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
三十六年度
国税収納金整理資金受払計算書
昭和
三十六年度
政府関係機関決算書
昭和
三十六年度
国有財産増減
及び現在額総
計算
書
昭和
三十六年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
昭和
三十六年度
物品増減
及び現在額総
計算書
————◇—————
白浜仁吉
1
○
白浜
委員長
これより
会議
を開きます。
昭和
三十六年度
決算外
三件を一括して
議題
とし、
審査
を進めます。 御
承知
のごとく
議題
といたしました各件は、第四十三
国会
において提出されてより、今日まで長期間にわたり、
予算
が効率的に
使用
されたかどうか、またその
経済的効果
はいかにあがったかどうか等を
中心
として、超党派的に
審査
を行ない、今日まで一応
各省所管別
の
審査
も終了しております。したがいまして、本日は今日までの
審査
の経過に基づき、各件についての
総括質疑
を行ないます。 これより
質疑
に入ります。
質疑
の通告がありますので、順次これを許します。
勝澤芳雄
君。
勝澤芳雄
2
○勝
澤委員
きょうは、三十六年度の
決算
全体につきまして、これを議決するために、
総理
以下各
大臣
に
おいで
を願ったわけでありますが、これは
決算
という問題について、もう少し
国会
をはじめ
政府
も重要視してもらいたいという年来の要望によりまして、先般参議院で行なわれました。きょうは衆議院で行なわれることになったわけであります。
総理
はすでに御
承知
だとは存じますけれども、この際、私はほかの
大臣
も
おいで
になっておりますので、特に申し上げておきたいと存じますが、
決算委員会
は第一に、
決算審議
のやり方としては、従来
会計検査院
の
報告
に基づいて、
予算執行
上の不当もしくは不正の支出を
中心
に検討いたしてまいりましたが、
決算審議
の結果を
予算編成
に考慮させるべきだというふうに
考え
まして、
予算執行
が適正に行なわれているかどうか、
行政効果
、
経済効果
は予定どおり行なわれているかどうかという
執行体制
についても
審議
を進めてまいってきたわけであります。特に、最近
会計検査院
もわれわれ
決算審議
の
方向
に沿って、従来の不正、
不当事項
の
指摘
にとどまらず、積極的に
会計検査院法
に従いまして、
是正改善
の
処置
の
要求
や、
改善意見
の表示を行なってまいったわけであります。 第二に、他の
委員会
と違いまして、
問題点
は事実行為でありまして、いま
委員長
から述べられましたように、与野党の対立というよりも、むしろ一致して
行政
の
姿勢
を正し、真に
国民
の負託にこたえるための、党派を離れて、正すべきは正し、公正な
審議
を行なっておるのであります。したがって、私のこれから申し上げる
意見
も、社会党という立場の
意見
というよりも、
決算委員会
の
意見
であるというふうにお
考え
を願って御
答弁
を願いたいと存じます。 最初に、
決算
に対する
総理
のお
考え
方でありますが、
総理
は
決算委員会
に参りますと、
決算
も
予算
も重要でありますので、私もできるだけ
出席
したいと思いますとしばしば御
答弁
されております。しかし、
総理
の
出席要求
を求めますと、年一回でいいじゃないか、
締めくくり質問
だけで、こういうような
お話
が出ました。せめて
会計検査院
から
報告
があったときも出てきたらどうだろうということを申し上げておるのでありますが、なかなか実現をいたしません。
予算委員会
にはどんな御無理をしても御
出席
になる、しかし、
決算委員会
には無理ができない。
予算
あるいは法律は議案であり、
決算
はただ単なる
承認事項
ではなくて、
報告事項
であるから、別に無理をしなくてもいいというふうにお
考え
になっているのではなかろうか。まさに私は
決算軽視
のあらわれだ、こう思わざるを得ないのであります。だから、
大臣
の中にも、三十分か一時間でも
決算委員会
に出られる方はいいほうで、
政務次官
が出たり、きょうも出ていないから、実は三十六年度の
決算
をめぐって、一回も
決算委員会
に出ない
大臣
もおられるわけでありまして、これでは私は、
血眼
になってとった
予算
ですから、その
予算
がどのように使われたかということについて、もう少し真剣にお
考え
をいただきたいと思うのです。そこで、私どもがやはりこの際
考え
ていただきたいことは、
予算
の
要求
をしておる、その
要求
をした結果がどのように使われたかということについて、十分お
考え
をいただかなければ、
綱紀
の
粛正
、あるいは
行政能率
の
向上
、あるいは
官僚政治
でない
国民
のための
政治
というものは行なえないのじゃないだろうか、こう思うわけでありまして、このためには、やはり私は特にこの
決算委員会
を
総理
のおことばのとおり、ひとつ重要視されまして、しばしば
おいで
願って、
決算委員会
におけるいろいろな
意見
について、ぜひ決意を述べていただきたい、かように思うわけであります。この問題については何回もお聞きいたしておりますけれども、私はやはりあらためて再度確認するために御
質問
をする次第でございます。
池田勇人
3
○
池田国務大臣
予算
、
決算
は最も重要なことでございまして、
政府
といたしましても、
予算
をとった場合においてそれがいかに使われ、いかに有効に使われているかということにつきまして、相当関心を持たなければならぬことは
お話
のとおりでございます。したがいまして、私が常に申し上げておりますごとく、
決算委員会
のみならずほかの
委員会
にもできるだけ
出席
はいたしますが、ことに
決算委員会
におきましては、
行政能率
の
向上
の点からも、いろいろな点から十分御
審議
を願い、
政府
もこれに対して御説明または御
意見
を承ることが適当だと
考え
ております。
勝澤芳雄
4
○勝
澤委員
次に、毎年
会計検査院
から不正、
不当事項
が
指摘
をされております。しかし、依然として
改善
をされずに数年間も放置をされ、
責任者
はかわっていく、
大臣
はつんぼさじきで知らされていない。
デカンショ節
じゃないけれども、
意見
をするときは、頭を下げろ、下げれば
意見
が通り越す、かような
官僚機構
の
無責任体制
になっておると思う。たとえば
防衛庁
が
中古エンジン
でもって騒がれました。しかし、今日なおかつ在庫の調査が不十分で、依然として
不要品
、
不急品
を買ったり、特に
木船用
の塗料を十五年間分も
先買い
をしておる。そして買った
責任者
は
関係会社
に入ったり、あるいは出世をしておる。文部省では
国立学校
の
国有財産管理
について
会計検査院
から三十一年、三十四年の二回にわたって書面で注意をされておるにもかかわらず、ほっておいて、ようやくこのごろ
改善要求
が出されて、これについて検討し始めておる。あるいは
農林省
の
自作農創設特別会計
、この
財産管理
は三十三年、三十五年に
会計検査院
から
指摘
をされ、三十六年に
改善要求
を出されておる。あるいは
農林漁業金融公庫
は
昭和
二十八年以来
貸し付け方法
が不良だと
指摘
をされておる。ようやくこのごろになって
改善意見
を検討されておる。これはただほんの
一つ
の例であります。驚くべき
行政
の怠慢だといわなければなりません。お
ざなりの答弁
、にお
ざなりの回答
、そして
処分
は形式的で、これでは
行政
の弛緩を直し、
綱紀
の
粛正
は私は不可能だと存じます。したがいまして、
会計検査院
の不正、
不当事項
の
指摘
も
昭和
三十四年には二百九十二件で十二億九千万円であった。それが三十五年には三百三十八件で八億七千万円に減りましたけれども、三十六年度は五百七十九件の十八億八千万円でまさに激増しております。あなたの
所得倍増計画
とともに、不正倍増しておると言っても私は過言でないだろうと思うのです。
指摘事項
に対する
処理
を明確にさせなければならないと同時に、不正や
不当事案
についての
責任者
の
処分
というものをやはり厳重に行なうべきであると思うのです。これについての
総理
のお
考え
をお聞きしたいと思います。
池田勇人
5
○
池田国務大臣
会計検査院
の
指摘事項
は
お話
のとおりだんだん減る傾向にありましたことは喜ばしいことでございますが、最近におきましてまたふえつつあることはこれまた遺憾なことでございます。われわれとしてはできるだけこういうことのないように努力はいたしておるのであります。そういうことが起こった場合の
責任
問題につきましては、これはわれわれとしても常に当局に向かってそれをよく言っておるのであります。今後も
十分責任
を追及し、不正、不当の根絶を期していきたいと思います。
勝澤芳雄
6
○勝
澤委員
会計検査院
からの
指摘事項
に対する
処理
のしかたというものをもう一度御検討を願いたいと思うのです。 そこで次に、
綱紀粛正
に伴う
汚職事件
の問題についてお尋ねいたしたいと存じます。
汚職事件
というものは、依然として続発をいたしております。しかも
事件
はいつも氷山の一角を見せただけで、その全貌というものが、隠されております。うやむやになっております。これはいろいろ
汚職
の内容について決定的なものがないと当然把握がむずかしいということになろうと思います。ところが
東海道新幹線汚職
を取り上げた「夢の超特急」という
推理小説
が出されております。あるいは武州
鉄道事件
では「
埼玉鉄道事件
」として、これもまた
推理小説
が出されておる。新潟県の
地盤沈下
の
地下水規制
をめぐっては「赤い燈台」、こういうように
汚職事件
を
中心
とした
推理小説
はまさにベストセラーになって、
国民
の中には多くの疑問が持たれておるのであります。
汚職
がなぜ起こるのか、それは
役人
と
業者
のくされ縁であります。資材の納入、あるいは
建設請負
、あるいは許可、
認可
をめぐる
業者
の
過当競争
、天下り、横すべりの人事、
役人
と
業者
とのなれ合いであります。
業者
はかつての自分の上司であったというような例が各所に出ておりますし、極端な例が、かつて
経済企画庁
の
東北開発株式会社
の
監理官
が退職されて、今度は
東北開発株式会社
の
監事
になっておる。そうして、今度はあとがまた
経済企画庁
から来たら、その
監事
は
理事
になった。こういうことが行なわれておるわけでありますから、それは十分な監督ができないのは当然であります。 この
不正事件
を調べてみますと、必ず
役人
の
経歴者
がおる。その中にはおみやげを持った就職ということが
考え
られるのであります。
各省
は
公社
、公団あるいは
公庫
、
事業団等
直接の省の
出先機関
をきそってつくって、そして
高級官僚
のはけ口とし、
補助金
を出して
外郭団体
をつくり、あるいは
委託費
を出すために
団体
をつくったりいたしております。まさに複雑怪奇な
機構
であります。
官僚
によって
政治
が動かされ、
大臣
や
政治家
が
血眼
になっているという状態、先ほど
友納千葉県知事
は県の
土木部
の
汚職
に対しまして、監督不行き届きで申しわけないと知事みずからが
減俸処分
を行なって県民におわびしたという例もあります。
汚職
は
被害者
のない
犯罪
だといわれておりますが、
被害者
はわれわれ
国民
であり、
納税者
であるわけであります。
汚職者
に対する
処分
をもつと厳格にするとともに、
汚職業者
に対しても
事件
後も
入札
に参加させるようなことは、断じてこれは許さるべきことではないと存じます、それと同時に
政治
の
姿勢
を正すことが特に必要だと思うわけでありまして、このために
汚職事件
に対する
政府
の
態度
を私はお尋ねいたします。
池田勇人
7
○
池田国務大臣
汚職
の絶滅を期することは、これは
政府
として
国民
に対しての
責任
でございます。だから、そういう
事件
が起こりましたら、厳正に
処理
し、将来に向かってそういうことのないよういたさなければなりません。
お話
の点は当然のことでございます。その
方向
で今後とも努力いたしたいと思います。
勝澤芳雄
8
○勝
澤委員
先ほど私は
検査院
から
指摘
された
不正不当事項
についての
政府
の取り扱い、そして、それが何年となく放任をされておるという
実情
と、それについてのき然たる
処置
を要望いたしました。いままた
汚職事件
につきまして、
汚職事件
の
処理
のしかたというものが寛大といいますか、いいかげんといいますか、こういう
実情
があるので私は申し上げたわけであります。そうしてまた、その
汚職業者
が依然として
入札
に加わっているというようなことも現実にあるわけでありますから、ひとつこういう点につきましては、
総理
の御
答弁
はおざなりのものではない。今後こういうことが起きたときには厳重にそういうものについては
処理
されるものだ。
処理
されなかった場合においては
総理
に対して十分その点については御
質問
を続けたいと存じます。 次に、この際特に、最近
決算委員会
で取り上げた問題について、
総理
並びに各
大臣
に知っていただきたいというために、私は
各省ごと
に、ここで問題になった点について申し上げてみたいと存じます。 まず
大蔵省
の
関係
です。
大蔵省
は
税金
を取り過ぎている。
歳入超過
になっている。三十三年度が千二百億、三十四年度が千億、三十五年度が二千百億、三十六年度が四千五百億、三十七年度が三千九百億、
大蔵大臣
は税の
自然増収
で、取り過ぎではない、見込みよりも多くなったのだ、こういう御
答弁
をされております。しかし余分に取過ぎた
税金
というものは今日でさえ
税金
が高いと言っておるのでありますから、それは返してもらわなければならぬと思う。それから
国有財産
が、
土地
が
民間会社
に払い下げられて、払い下げた後に
事業計画
のとおり
実施
がされずに十日間たってほかの
会社
に転売されておる、こういう事例が出ております。あるいは厚生省では、
健康保険
や
原生年金保険
あるいは
船員保険
の
保険料
の
徴収方法
について、
昭和
二十九年から
指摘
をされておるにかかわらずそのままになっておる。今日推定をされておる
保険料
の
徴収不足額
は十数億円あろうということを
会計検査院
でも
計算
を立てておるわけであります。 第三に
農林省
の
関係
であります。これは
食糧管理特別会計
が赤字だと言われております。しかし三十七年の十二月一日、
消費者米価
の値上げの際に、
米穀業者
に
価格差益
として十六億七千万円も不当に利得をされておるのであります。卸
業者
は三百九十六軒で十二億利益をしておる。一
業者当たり
三百万円とにかくこの
価格差益
が入っておるということであります。 次に
国有林野事業特別会計
の
国有財産
は、大正三年ごろから
貸し付け
になったまま放てきされておる。この間火事のあった北海道の登別温泉の第一滝本館には
昭和
八年から二千五百坪を
建物敷
として
貸し付け
が行なわれておるということを私も初めて知りました。 次に
土地改良事業
におきまして、特に岡山県の倉敷市の
公有水面
を一億八千万円かけて埋め立てをした。そうしてそれを
農民
に配分したら、
農民
はその
配分通知
で六億でもってこれを
工場
に売りました。
政府
は一億八千万円かけた
土地
を
農民
から二千万円しか取り上げていないのです。一人
当たり
の
農民
は一千万円もうかったということであります。そのために
奥さん
と離縁をして、女狂いをしてそして懲役に行ったという
事件
すら出てきたわけでありまして、一体
土地改良
というものは、
工場用地
をつくっては売っておる。まさに
農林省
は建設省と同じような仕事をやっているのではないだろうか、こういうことが明確になっております。 次に
郵政省
であります。
郵政省
の
特定郵便局
における
横領事件
というものが最近起きております。特に
郵政犯罪
につきましては
会計検査院
からも厳重に
犯罪
をなくするように
指摘
をされておるわけでありますが、なかなかいまもってその
是正
は行なわれておりません。過般の品川の南浜川
郵便局
では七年間千六百九十万円という金が横領されておる。最近の例では静岡の七問
郵便局
では十一年九カ月、三千六十三万円が、
郵便局長
の
奥さん
が局員になってこういう
使い込み
が出ておった。しかも
奥さん
はかつて表彰された人である。この
郵便局長
は
名古屋郵政局
の
特推連
の
理事
をやっておって、
特定郵便局長会
の
ブロック会長
をやっておる。この間
郵政監察
は九回もやっておって、この
事件
がわからなかったという。
郵便局長
は金庫のかぎのあけ方すら知らなかった。結局
郵便局長
が
大家
でもって、そうしてたな子で、
郵政省
がまたそのたな子になっておる。そして
事件
が起きても、
大家
さんですから簡単な
処理
ができない、こういうことであります。 次に
外務省
であります。
外務省
は
海外移住計画
を三十九年度で八百
世帯
いたしております。八百
世帯
の
海外移住計画
に対して、
予算
は二十一億五千八百万円の
計画
でございます。八百
世帯
を移住させるために二十一億五千八百万円の金が使われています。あるいはまた、
日本国際問題研究所
において年間五千万円の
委託費
が出ておる。しかし
委託費
が出ている
会社
に対しまして、
経理
が不十分だということで
外務省
の
会計課
の職員を一年間この
会社
に出向させて
経理
のめんどうを見ている。一体何を委託しているのかわかりません。 次に、
電源開発株式会社
であります。これは
電源開発調整審議会
の決定をする前に、総裁の独断で
建設地点
に
道路
をつくるという
約束
を奈良県にした。そのために
計画変更
になったけれども、
道路
をつくるという
約束
をしたのだから、
期待権
の
補償
だといって、三億円のお金が支払われているわけです。過般、これは
公共用地取得
の
特例違反
になるということが明確に
答弁
されたのであります。 次に
首都高速道路公団
は、
東京
都が
東京
都
競馬場
に貸しておる
土地
の
使用権解除
に対して、
道路
にまで
補償金
を払っております。 国鉄では、
東海道新幹線
の
工事関係
で、
用地買収
で
近江鉄道
に
景色補償
として一億五千万を支払い、伊豆箱根鉄道では三島−下土狩間の
工事認可
が出ないうちに
工事
をやって
補償金
を取ろうとしたわけであります。 箱根の山では、
国土計画興業株式会社所有地
に
送電線
を通過さしてもらうために、
西熱海ホテル
の
梅園用地
を将来売る
約束
をさせられました。これらはどうも西武鉄道の
関係会社
だといわれております。新大阪駅、新横浜駅付近の
土地
を買い占めた
資本金
三百万円の
日本開発株式会社
の
中地新吾
に対して数十億の融資をしたという黒幕が出ております。これらの
関連性
は、私が申し上げるまでもなくよくおわかりになっておると思う。 次に、
原子燃料公社
における
燃料
の
国産化
の政策であります。これは今日十分検討しなければならぬときに来ておる。
原子力発電会社
は今日
原子炉
をつくりました。しかしその
濃縮ウラン
は十年間イギリスから購入するということになっておる。
日本
の
原子燃料公社
は
天然ウラン
の
計画
を持っておる。いつ実用になるか、十年後になったら、こう言っております。かつてある
大臣
が
原子力
というのは神代の時代だということを言われておりましたけれども、もう少し
政治家
として十分この点については国全体の中で検討すべきときに来ていると思う。 こういう点がこの
決算委員会
で起こってまいりました。私は、今日、
総理
以下
決算
についてもう少し真剣にお
考え
いただきたい、そのために申し上げたわけであります。
総理
のお
考え
をお聞かせ願いたいと思います。
池田勇人
9
○
池田国務大臣
いま
お話
しの点は、
決算
に対しての
態度
というのでなしに、金の
使用
あるいは
職務執行
についての
心がまえ
の問題だと思います。
決算委員会
の問題になったのは、そういう
心がまえ
やそういう不当不正なことをすることがいけない。これは
決算委員会
の問題とは違います。
役人
なりその人の
心がまえ
になる。それを直さなければいけない。しこうしてそれを直すために、
決算委員会
でいろいろ議論せられることは、
決算委員会
の問題として適当であります。そうしなければならぬのであります。したがいまして、万般のいまの
お話
の点は、私も新聞その他で耳にしております。また、直接にも聞いておりますが、今後そういうことのないように、また不正は早急に
是正
するようにいたしたいと
考え
ます。
勝澤芳雄
10
○勝
澤委員
時間がないから、議論してもしかたがありませんから、次の問題でありますけれども、
国際収支
の
改善
についていろいろ
総理
も御努力されております。
決算委員会
に出てきた問題だけでも、たとえば
国産品
の愛用という問題でも、
防衛庁調達実施本部
では
英国ラングゼロックス社
から
乾式帯電複写機
を購入しておる。あるいはまた、フランスから
アクアラング型自給潜水具
を購入している。しかしこれと同等以上の性能の
国産品
をかつて買ったことがあるわけであります。わざわざ
外国
から高いものを買っておる。あるいは
首都高速道路公団
では、
道路工事費
の
積算
にあたって、
国産
のくい打ち
機械
を
使用
しているにかかわらず、
外国
の
輸入機械
を使ったということで、高い
積算
をしている。これは
会計検査院
で
指摘
された
一つ
の例にすぎません。 あるいは
海外渡航
の
日本
航空の利用であります。三十六年の十月、三十八年の八月に
次官会議
で申し合わせをした結果、今月六一・四%になりましたけれども、まだまだ問題があります。これはやはり積極的な解決をしようとすれば、方途はあるわけであります、研究すれば。ここですから申し上げませんけれども、研究すべきだと思うのです。 次に、
来訪外客
にドルを落とさせるにはどうしたらいいかという点につきましては、先般運輸
委員会
の議事録を読みましたら、観光小
委員会
でガイド協会の遠藤常務
理事
あるいは国際観光旅館の八州園の石川社長、こういう方が見えて、ドルを落とさせるにはどうしてたらいいか、みやげ物を買わせるにはどうしたらいいか、こういうことについて述べておるわけであります。こういう問題についても少しきめこまかくお
考え
をいただくべきではなかろうかということを実は
決算委員会
の
審議
を通じて感じましたので、その点を申し上げておきたいと思います。
池田勇人
11
○
池田国務大臣
その点は全く同感でございまして、
国産品
の愛用あるいは海外払いの節約等につきましは、
政府
におきましてもあるいは立法あるいは閣議決定等によりまして
お話
しの点を実現するように努力をいたしておるのでございます。
勝澤芳雄
12
○勝
澤委員
拝啓
池田
総理
大臣
殿という作家の水上勉さんが出してきた
一つ
の手紙から、最近いろいろ反響を呼びまして、このごろでは渥美清さんの「拝啓
総理
大臣
様」という映画がいまかかっております。圧力
団体
のない一庶民のささやかな願いというものは、こういう形で出ていると思う。かつて安保騒動の際に声なき声の代表というようなことがいわれまして、こういう力のない人たちの
意見
というものについてささやかな願い、要望というものを国の
政治
を行なっておるわれわれとしては、当然聞かななければならぬと思うのです。
機構
的には
国会
に請願制度があります。あるいは
行政
管理庁の中で苦情相談制度というものが行なわれております。しかし、これもまだまだ問題があります。こういう庶民の一筆啓上運動といいますか、こういうものが出てきたということについては、新たな角度からわれわれは当然
考え
なければならぬ問題だと思うのです。
国会
の場というものは、こういうものについての取り扱いをきめるべき場所だと思う。あなたは立法府でない、行
政府
である
総理
だから、それは
国会
で
考え
てくれと言われるかもしれませんけれども、あなたは
総理
であり、自民党の総裁であるわけでございます。
政治家
としてこういう問題についてあなたのお
考え
なり、これについて何かの方法、その他についてお
考え
があれば、お聞かせを願いたいと思うのでございます。
池田勇人
13
○
池田国務大臣
国民
の代表は
国会
でございますから、国
会議
員の方々の御
意見
を十分拝聴しております。また私は私なりに、特別に私のところへお手紙をよこしてくださる人のみならず、新聞の投書欄、ラジオでは、私は毎朝六時五十分からの「私たちのことば」、日曜日は休みでございますが、毎日三人ずつのあれを聞いております。その
一つ
の効果は、定時制高等学校卒業生の就職の問題、これは私はあれを聞いてから、閣議で話したのでございます。できるだけそういうことを聞いております。中には取り入れる
意見
でないものもございますが、また閣議にはからなくとも、自分の
心がまえ
として非常に得るところがありますので、耳から目からいろいろそういう
国民
の
意見
を聞くように努力いたしておるのであります。
勝澤芳雄
14
○勝
澤委員
総理
、私の
質問
したのは、
一つ
の現象を取り上げて申し上げたにすぎないわけであります。いまあなたが朝のラジオを聞いている。その中から定時制高校を取り上げた。
決算委員会
に来てあなたに聞いていただきたいことも、あなたは新聞やラジオで知っていられるかもしれませんが、まだまだやらなければならぬ問題がたくさんある。せめてこういうところにはなるべく何回も来ていただいて、新しい立場からものを聞いていただくことでございます。ですから
委員長
も言いました。とにかくここでは党派性よりももっと別の
国民
的な立場からものをながめておりますから、新しい角度からものを言う
委員会
にも、おじゃまでもあるいはどうも鬼門だと言わずにどしどし出ていただいて、一時間しかないということではなく、もっとたくさんの時間をさいていだだいて、特に
決算委員会
にきていただくことを要望して、私の
質問
を終わります。
白浜仁吉
15
○
白浜
委員長
吉田賢一
君。
吉田賢一
16
○
吉田
(賢)
委員
三十六年度の
決算
は本日上げる予定になっておりますので、一、二の点につきまして
総理
大臣
にお伺いをしたいのであります。 第一には、年々
会計検査院
が
指摘
しまする国政上、
予算執行
上の
不当事項
は、三十年前後にはずいぶん膨大なものでありましたが、その後やや減り、最近ここ三、四年来またずっとふえてまいったのでございます。同時にまた不正事項も相当ございますし、とりわけ
補助金
などが相当な多量にのぼっております。
政府
機関の
関係
におきましてもまた公団がずいぶんたくさんできましたし、したがいまして、この様子をもって見ればさらに漸増の傾向をたどるのではないかというふうに実は
考え
ております。窮極するところ原因はどこにあるのであろうか、官紀の弛緩であるのではないか、
綱紀
を
粛正
すれば直るのであろうか、あるいはまた
予算
の作成あるいは
予算
の
審議
、執行の段階におきまして相当大きな何か欠陥でもあるのではないであろうかというふうに、われわれ
国民
の
納税者
の立場からしますると相当深刻な疑問も持ちながら、憂いをもってこの傾向を見ておるのでありますが、
総理
大臣
は財政の専門家でもありますので、その点率直にひとつ御
答弁
を願いたいのであります。
池田勇人
17
○
池田国務大臣
制度の欠陥もあるかもわかりません。
改善
しなければいけますまい。しかし問題はやはり
心がまえ
の問題でございます。したがいまして、
お話
しのようにまず
綱紀
の
粛正
をはかる。そして制度もそれによって変えていかなければならぬ。何ぶんにも最近は相当仕事の量もふえてまいっております。私は
政府
の仕事をもっと簡素化し、またいま
お話
しの
補助金
もうんと整理して、そしてすっきりした
予算
決算
にしなければならぬ、そういう
方向
に向かって進むべきだと思います。
吉田賢一
18
○
吉田
(賢)
委員
やがて、きょうは三十六年の
決算
につきましては相当大きな注文が、当
委員会
においては決議せられるであろうと思う。
外国
の例によって見ますと、イギリスあたりにおきましては、
決算委員会
の
一つ
の任務といたしまして、高い倫理性を
予算執行
の面に
要求
するということが伝えられております。したがいまして、あたかも
決算委員会
の
審査
は
日本
でいうならば何か司法官的な印象さえ受ける。これはいい悪いは別といたしまして、ともかく非常に厳粛に、
予算
の執行のあとを
国会
が顧みるということにつきましては、高い倫理性を
要求
するということが伝えられておりますが、私はもしきょうどのような結論が出るかは別といたしまして、相当
政府
に警告するような内容であるとしまするならば、やはり内閣といたしましてもこの高い倫理性に基づきまして、今日の
予算執行
、過去の
予算
の執行のあとにかんがみまして、このような要望を全公務員に、
行政
機関に求める。こういうような
態度
に出られることは適切でないかと
考え
るのですが、いかがなものでありましようか。
池田勇人
19
○
池田国務大臣
お話
のとおりでございます。御決議の点は全公務員に伝えまして、将来誤りなきことを期したいと思います。 それから先ほど
勝澤
さんの
お話
もありましたごとく、与野党一致して
決算
についての御
審議
をいただく。これは
予算
のような政策とかああいう問題でなしに事実問題を根拠としてですから、非常に私はけっこうなことだと思います。ただここで議員のあなた方と
政府
とが、事柄の非違をただすことに急にして、将来三度と繰り返さない、建設的な
意見
が述べられれば、そしてまた過去の実績についてそれがいかに改められたか、いろいろな、何といいますか、公務員のいくべき道を教えるような気持ちでこの
決算委員会
で
お話
しいただければ、より効果があるのじやないか。非違を見つけるよりも、非違のあと始末をどうしたか、今後どういうようにやるべきかということについての
意見
なんかもひとつ十分承らせていただきたいと思います。
吉田賢一
20
○
吉田
(賢)
委員
その点につきまして、たとえば最近の私の受ける感じといたしましては、これは率直に申しますが、行
政府
が
国会
の立法権を独占する立場を軽視する傾向はないであろうか。たとえて申しますると、今度河川法が改正になりましたが、非常に重要な事柄が政令にまかされております。私どもはやはり
国会
は立法の唯一の府でありますので、できるだけ
国民
の権利義務に影響することは法律をもって規定しなければいかぬ。ところが
役人
にまかせて政令に一任するという傾向が助長されてまいりますると同時に、国家の意思、
国民
の意思であります
予算
の執行につきましてもとかくそれが軽視せられまして、公私混同せられるという危険が生じはしないだろうか。そこにまた
綱紀
の弛緩するおそれがある、こういうようなことを思いまするので、これもたしかイギリスの例のようでありますが、政令を調査するというようなことも、これは側面的な方法ではありますけれども、
一つ
の案ではないであろうか。あるいはアメリカあたりにおきまして、
政府
活動を調査するような機関がございますようでありますが、わが国は各
委員会
におきまして国政調査権を持っておりまするからそれに及ばぬということになるかもわかりませんが、いずれにいたしましても、
予算執行
の段階におきまして、直接に何かこれを適正に最も効率的に合法的に執行せしめるという、さらに新しい第三の手がこの際考慮されていいのではないだろうかということを
考え
るのですが、この点はいかがなものでしょう。
池田勇人
21
○
池田国務大臣
国会
は国権の最高機関で、
予算
はもちろんに
行政
につきましても監査できるわけでございます。私はいまの
国会
の権限だったらもうこれは万能くらいに
考え
ております。特にふやそうという必要はない。私は反対にこう思っております。大体
予算
できめ得られることを法律にみなきめてしまって
予算
を縛るということは、少し行き過ぎじゃないか。昔は
予算
でいろいろな点をきめればいい。それを将来によって
予算
を確保する手段として法律を設けるという場合が、ここ数年間非常に多くなってまいりました。あなたは前から御存じでございます。その傾向が特に多くなった。私はこれは国権の最高機関たるものが
予算
審議
でやるべきことをまた別に法律でやってどうかという気がしておるものがたくさんございます。あるいはまた御反対の方もあるかもわかりません。私はそういうことはやっぱり合理的な方法で
考え
るべき問題じゃないか。いま私はやめろとは申しません。
国会
は最高の権威だからいかなることをおやりになってもあれでございますが、あまりあの手この手で法律で縛り上げて、そうして肝心なところが抜けるというような結果になるのではないかというふうなことは、私は長い経験からいいまして、そして戦前の状況と戦後の状況、また終戦直後の状況と最近の状況、
予算
できめればいいことを法律にしてしまう。そうして法律案件が多くなってくる。
予算
が通っても法律が通らぬから、国家の意思が行なわれぬというふうなことが間々あるということは、私は
考え
なければならぬ問題だと思います。
吉田賢一
22
○
吉田
(賢)
委員
法三章といいまして、やはり法は簡単にしくはなし。昔、満州では法匪ということばがございまして、やたらに満州で法律をつくって縛ったらしいのですが、そういう意味におきましては同感ですが、しかし同時にまた、そういうような法律をたくさんにせねばならぬというような客観情勢も、まことに困ったものであります。 そこで私はこの点を伺ってみたいのでありますが、私は、
予算
が適正に効率的にまた合法的にほんとうに行ない得るというために、背景といたしましてこういうような
一つ
の
政治
経済の事情が検討さるべきではないだろうか。それはともかく、最近の傾向は少し首都
中心
に財政配分があり過ぎるのではないだろうか。この間も問題になったのでありますが、たとえば青山通りにおきまして一キロ百億円を投資いたしまして
道路
を完成しようとしておる、これはけっこうなことであります。やむを得ません。オリンピックを背景といたしましてやらなければならぬことはたくさんありますが、同時にまた、地方における市町村道というものはインドと同じくらいだという批評さえされるのであります。要するに財政の配分が均整がとれていくということが、地方財政を圧迫しない
一つ
のゆえんである。地方財政を圧迫しますと無理がある、無理がありますと、たとえば
補助金
その他等につきましても、そこにいろいろな批難事項が起こる危険性があるということになりますので、これはさかのぼって
考え
ると、財政の配分が中央に偏重しておるのではないだろか、こういうふうに思うのであります。この点はいろいろと数字をあげて論証していくというのが筋でありますけれども、時間もありませんので、私感じのようなことだけ申して申しわけございませんけれども、とかく最近地方におきましては、地方を無視されて中央、
東京
のみにいろいろと偏重しておるという声が強いのであります。やはり
国民
の率直な素朴な声というものをできるだけ傾聴するということが
政治
の要諦であろうと私は
考え
ますので、その点について、これも財政の専門家の
総理
からひとつ率直な御
意見
を聞かせていただきたい。
池田勇人
23
○
池田国務大臣
オリンピックもあることだからという前提がございました。私もそうだと思います。またそのほかに、あまりに都会、大都市に集中し過ぎて困り抜いているという点もオリンピックと同様にある。そういう
関係
から
お話
のような結果になっているということは、私はうすうす心配しております。そして昔のように地元が地元でやるという力を持ちながら、えてして国にたよりたいというふうなことで、
お話
のような結果が出ているということは、あなたが数字をもってお示しにならなくても私は感じておる次第でございます。したがいまして、今後におきましてはやり大都市
中心
ということよりも大部分のいなか、農村ということが必要でございますから、私はいまのあなたの
お話
を十分——
大蔵大臣
もここにおることでございます。参考にしてまいりたいと思います。
吉田賢一
24
○
吉田
(賢)
委員
結論的に一言伺っておきますが、私は、しばしば言われて、しかしてこれが実現しない、つまり
決算
をほんとうに
国民
は尊重する、
国会
は尊重する、
政治
全体が尊重するということは実に重要なことでありながら、何となくこれが軽視され、あるいはまたあまり興味のない
審査
のようになっておるのでありますが、私はやはりこの機会に一番大事な点をひとつしっかりときめておかなければならぬと思うのです。国権がいま
国会
、司法、
行政
と三権分立でございますが、同時に
検査院
の立場が
政府
と独立いたしておりますので、憲法の条章によって見ましても、また
検査院
の職責からかんがみてみましても、四権分立ということばさえあるくらいでございます。
検査院
の地位を尊重いたしまして、
検査院
が
行政
に介入するという意味じゃなしに、神聖に適切な
予算
の検査をなし得るという地位を一そう尊重するということを名実ともに行なっていくということ、それには必要ならば権限の強化もよかろう、あらゆる手をもって協力すべきでないか、こういうふうに思うのですが、この点はいかがなものでしょう。
池田勇人
25
○
池田国務大臣
会計検査院
は
行政
機関と独立して存在するものでございますから、
予算
その他の
機構
につきましても独立性を保っておる。われわれといたしましても、
会計検査院
の
予算
につきましては、十分そういう意味で考慮を払っておる次第でございます。
白浜仁吉
26
○
白浜
委員長
これにて
昭和
三十六年度
決算外
三件に対する
質疑
を終局いたします。
—————————————
白浜仁吉
27
○
白浜
委員長
昭和
三十六年度
決算
についての議決案は、
理事
会の協議に基づき
委員長
において作成いたしました。 議決案は各位のお手元に配付いたしてありますとおりであります。
白浜仁吉
28
○
白浜
委員長
この際、議決案の要旨を御説明申し上げます。 すなわち、議決案は
昭和
三十六年度
決算
を
予算
の効率的
使用
及びその実績の観点から
審査
した結果、次の諸点について特に留意して適切な措置をとるべきであると
指摘
しております。 第一に、
補助金
、
委託費
等について、(イ)地方公共
団体
等が国の
補助金
等により行なっている公共事業は、完成までに長期間を要し、その利用価値に疑問が持たれ、所期の事業効果が十分にあがっていないと認められる。
政府
は、
実施
計画
の樹立にあたっては、事業個所の選定に留意し、集中的に
工事
を行ない、可及的に工期を短縮し、事業効果の早期発揮をはかるよう心がけるべきである。 (ロ) 環境衛生対策、農山漁村建設総合対策事業、中小企業対策、失業対策事業等について国が交付する各種
補助金
において、補助対象外事業、事業量または
工事
出来高不足等の不当
経理
の事例が認められる。
政府
は、指導、監督、検査の強化をはかり、
補助金
等に係る
予算
の執行の適正化に関する法律を励行する等、
補助金
経理
の適正化につとめるべきである。 (ハ)
補助金
等の交付を受けている公益法人等の
団体
は多数存在しているが、事業成績のあがっていないもの、
経理
処理
上遺憾な事例が見受けられる。
政府
は、これらの
団体
に対し、業務、
経理
について適切な指導、監督を行ない、補助効果を的確に把握して、不要のものは整理し、
補助金
等交付の効果を十分生かし、真に公共の福祉に貢献するよう育成につとめるべきである。 第二に、
国有財産
の管理について、
土地
貸付料の低廉、他用途に転用、許可なく
使用
、境界不明等の事例があり、事務
処理
に迅速、的確を欠く点が認められる。
政府
は、管理、監督体制の強化をはかり、財産の確認、維持管理に万全を期し、所管がえ、所属がえ、売り払い等必要な措置を講じ、
国有財産
の有効な活用をはかるべきである。 第三に、
公社
、
公庫
等の
監事
の活用について、
監事
制度活用意識の低調、監査業務体制不備等のため、その機能が十分に発揮されているとは認めがたい。
政府
は、監査の運営方式の明確化及び監査組織の整備等の措置を講じ一その機能を強化し、企業、業務の適正化及び能率
向上
に資すべきである。 また、
会計検査院
が不当と認めた事項についてはこれを不当と認めております。 以上が議決案の要旨であります。
—————————————
白浜仁吉
29
○
白浜
委員長
これより議決案に対する討論を行ないます。 討論の通告がありますので、これを許します。押谷富三君。
押谷富三
30
○押谷
委員
私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま
議題
となっております
昭和
三十六年度
一般会計歳入歳出決算
外三件について、
委員長
から提案されました議決案のとおりこれを議決するに賛成の討論をいたしたいと存ずるものであります。
決算委員会
は、
決算
の
審議
にあたりまして
国会
が議決した
予算
がいかに執行されたかを
中心
として、
決算
全般について
予算
と対比して
審査
するとの方針のもとに、歳入歳出は
予算
のとおり執行されたか、
予算
は効率的に執行されたか、
予算
は適正に執行されたか、その実績はどうなっているか等の問題につきまして
審査
を進めてきたのでありますが、今回はそのほかに新たに
公社
、
公庫
等
政府
関係
機関の
決算
についてその資金
計画
、
事業計画
及びその実績等を重点といたしまして論議を進めるとともに、公団、事業団、その他特殊法人の会計
経理
につきましても、必要に応じ関連して調査を行なってきたのであります。 右のように、あらゆる角度から密度の濃い
審査
を行ないましたが、その結果、私たちの目に映った著しく、そして悲しむべき特徴と申すべきは、毎年
決算審議
の際繰り返し
政府
に対し警告や注意を与えてきたところの
予算執行
の効率化、不正、
不当事項
等の問題について、依然として
是正
、
改善
のあとが見られないことであります。また
会計検査院
の検査
報告
につきましても、その内容が一定の型にはまり過ぎている、いわゆる定型化してきたうらみがあるということであります。特に
補助金
等の
予算執行
につきましては、その
経理
、補助効果等の点から幾多
改善
を要すべき事項も認められますし、また
国有財産
の管理及び
処分
につきましても、なお考慮すべき事項が少なくないのであります。そのほか、
公社
、公団、
事業団等
の業務監査に当たる
監事
の機能
向上
につきましても、なお一そうのくふうと努力の必要が痛感されるのであります。特に今回、
会計検査院
によって
指摘
されました
不当事項
は五百七十九件の多きを数えまして、前年度の三百三十八件に比べまして二百四十一件も増加している事実は、たとえその内容についていかなる理由があろうとも、またいかに弁明しようとも、ただ遺憾と申す一言に尽きると思います。 由来、
役人
というものは、ある種のなわ張り根性から、ないしは自分の功績を思うのあまり、
予算
の獲得にはきわめて熱心であります。時には狂奔の姿を呈するのでありますが、さてその
予算
の
使用
に至りましてはきわめてルーズであります。
国民
の血税がいかにむだ使いをされているかは、無
責任
なほど関心が薄いのであります。内閣はときおりかわるものでありますが、
行政
事務の担当者はおおむねかわりません。しかるに
予算執行
にあたりましては同じような誤りが毎年繰り返されているということは、何としてもその職にある者の
責任
でありまして、ここに強く反省を
要求
するものであります。 また、いずれの
政府
におきましても、一般に
決算
は単なる清算であるとしてあまり関心を示さず、むしろ軽視する傾向があるのは残念なことでありまして、
決算
は過去の
政府
の
行政
実績を示すものであります。
政府
に対する
国民
的監督の指標ともいうべきものであります。
決算
についての
国会
の
審議
は、
予算
施行に対する
政府
の
責任
を追及するものであり、
国民
的立場から
政府
の
行政効果
の批判であります。
政府
は、したがって
決算
及び
国会
審議
については、
予算
のそれに劣らず重大な関心を払うべきものであります。毎年本院において行なわれる
決算
についての
審査
及びその議決の内容は、
政府
の過去の
政治
の姿を写した写真ともいうべきでありまして、
政府
はこの写真を常に身につけて、座右に置いて同じ誤りを重ねて繰り返さないよう、不断に自粛、自戒せらるべきものであると存ずるものであります。今回の
決算
議決案は、その結論において「
政府
は、今後
予算
の作成並びに執行にあたっては、本院の
決算審議
の結果を十分に考慮して、財政運営の健全化を図り、もって
国民
の信託にこたえるべきである。」と結んでおるのは、本院の
政府
に対する要請であると同時に、
国民
の声でもあると存ずるのであります。 以上、私は国の財政の運用にあたって
政府
に対しあえて苦言を呈しましたが、それは、こういう問題については政党政派を越えて
国民
的見地に立って判断するのが至当と
考え
たからであります。
政府
は今後
決算
についてより一そう重大な関心を寄せられるよう要望いたしまして、私の討論といたします。
白浜仁吉
31
○
白浜
委員長
勝澤
君。
勝澤芳雄
32
○勝
澤委員
私は
日本
社会党を代表いたしまして、
昭和
三十六年度
一般会計歳入歳出決算
外三件について、議決案のとおり賛成をいたしたものであります。 先ほどから
総理
にいろいろと御
質問
いたしました。
総理
からも明確な御
答弁
がありました。いま与党から、押谷
委員
からいろいろと
意見
が述べられました。まさに
決算委員会
は与野党を通じて
国民
の負託にこたえるための
委員会
であるわけであります。議決案の趣旨に沿い、ただいまの与党の押谷
委員
の賛成討論を熟読玩味されまして、特に
政府
に善処を要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。
白浜仁吉
33
○
白浜
委員長
吉田
君。
吉田賢一
34
○
吉田
(賢)
委員
私は民主社会党を代表いたしまして、ごく簡単に賛成の
意見
を述べておきたいと思います。 私は
納税者
の場を代表いたしまして、また
国民
の立場を代表いたしまして、以下の
意見
を述べるのでございます。 今日のわが国におきまして、
会計検査院
が国の
行政
上
予算執行
上の非違
事件
といたしまして、三十六年度に五百七十九件、これは全体の事項の二割しか検査をいたしておらない結果であります。したがいまして、これをもしその五倍調査するとするならば、そのままの
積算
すれば五倍になるわけであります。まことに驚くべきことと申さねばなりません。こういうような見方もありまして、私はこの不当、非違
事件
というものを重視していただきたいのでございます。 もう
一つ
は、やはり
予算
の作成にあたりまして、この事項などを十分に参酌するということをぜひ実行せられることが本議決の趣旨であろうと思いますので、その点重ね重ね
政府
当局に御要望を申し上げておかねばなるまい、こう思うのであります。また私どもといたしましては、
国民
の立場がこのような非違
事件
の発見あるいはまた適正化を求める機会によりまして、だんだんとこのような
委員会
において論議の種がなくなるということを欲しておるわけでありますから、これらの点につきましても今後とも論議のありました点につきましては、一そう十分に反省を求めなければならないと思うのであります。要するに当
委員会
におきましては与野党一致いたしまして如上の議決をするわけでありますので、これは本院のただいまにおける三十六年度を顧みた最大の
決算
上の意思表示としてお受け取り願うことを強く御要望申しまして、右決議案に賛成する次第でございます。
—————————————
白浜仁吉
35
○
白浜
委員長
これより採決いたします。
昭和
三十六年度
一般会計歳入歳出決算
、
昭和
三十六年度
特別会計歳入歳出決算
、
昭和
三十六年度
国税収納金整理資金受払計算書
、
昭和
三十六年度
政府関係機関決算書
を議決案のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
白浜仁吉
36
○
白浜
委員長
御異議なしと認め、議決案のとおり決しました。 次に
昭和
三十六年度
国有財産
増渡及び現在額総
計算書
、
昭和
三十六年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
、
昭和
三十六年度
物品増減
及び現在額総
計算書
、以上三件を一括し、討論に入る順序でありますが、討論の通告もございませんので、直ちに採決に入ります。 各件はいずれも是認すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
白浜仁吉
37
○
白浜
委員長
御異議なしと認め、各件はいずれも是認すべきものと決しました。 この際、
大蔵大臣
より発言を求められておりますので、これを許します。
田中
大蔵大臣
。
田中角榮
38
○
田中
国務
大臣
ただいま御議決の点は十分尊重いたしまして、
各省
庁とも連絡をいたし、その趣旨の徹底をはかりまして、万遺憾なきを期したい所存でございます。
—————————————
白浜仁吉
39
○
白浜
委員長
次におはかりいたします。 すなわち、ただいま議決いたしました各件の
委員会
報告
書の作成につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
白浜仁吉
40
○
白浜
委員長
御異議なしと認めます。よってさように決定いたしました。 〔
報告
書は附録に掲載〕
白浜仁吉
41
○
白浜
委員長
本日はこれにて散会いたします。 午後二時一分散会