○田中国務大臣 決算御承認にあたりまして国会で決議をいただいたもの、会計検査院から
指摘されたもの等につきましては、予算編成、査定の状況に応じて十分できるだけの配慮をいたしておるわけであります。同時に、予算執行の当初、会計検査院の
指摘事項を再び起こさないように、また国会の両決算
委員会で決議を受けたものに対しましては、機構の末端までこれを徹底せしめて、かかることを二度、三度繰り返さないように格段の配慮を望むという閣議決定を行なってございます。三十九
年度の予算の執行に対しましては、私から発言をいたしまして先日閣議で決定したし、各省庁の末端までこれを流すという体制をとっております。
それから、
指摘を受けたものに対しましては、簡単に申し上げてみますと、補助金の整理等合理化、それから検査報告に不当事項としてあげられたものに対する
処置、これは租税収入で、徴収決定が漏れていた分が適正妥当を欠いておったもの。それから、各種
資料の総合整備を行ないまして、租税賦課の合理化をはかるというようなこと。それから、大都市所在の税務署の
事務量の激増に対処して万遺憾なきを期したいと思うのです。
なお、先ほど御
指摘がございました、厚生省の保険関係の支払いに適切を欠いたり、保険料の徴収額が不足をした問題、労働省
所管の失業保険金の不正受給防止の問題、農林省の
所管にある農業共済保険事業についての問題、それから通産省においての、補助金の監査指導及び
貸し付け事業の
実態調査等、その他
国有財産を含めて、非常にたくさんの問題に対して
処理をいたしております。
〔
委員長退席、福井
委員長代理着席〕
しかし、これほどのことをやってもまだまだ御
指摘が多いのでございますから、絶無になるように
努力をいたしたいという
考えであります。
第三点は、会計検査院の問題でございますが、これは決算
委員会で長いこと議論をされておる問題でございます。やはり会計検査院というものが、旧憲法から新憲法になったときに、旧憲法の思想を会計検査院においては残そうというぐらいに強い立場で会計検査院が残されたのでありますが、私たちから申し上げますと、
年度予算の上からも相当見ておりますとか、また人員もふやしておりますと——会計検査院から御答弁になっても、
大蔵省、このごろよく見てくれます、こういうことでございますが、私は、しかしほんとうに非違事項がないように、会計検査院の機能を充実するにはどうあるべきか、会計検査院法そのものからの問題があると思うのです。しかし、いま
大蔵省が監査をやる、また各省でも監査課がある、いろいろなことをやっておりますが、どうも非違事項が絶えないということから
考えて、予算の執行という面の拡大されていく状況に対処して会計検査院の機能はどうあるべきかということは、やはり国会として相当
検討していくべきだろう。これは国会の高い立場でやってもらうととが一番いいという
考えでございます。
それから、会計検査院の機構拡充の問題の中で——会計検査院がおられるかどうかわかりませんが、どうも人のことを言って申しわけありませんけれ
ども、しかし、会計検査院そのものも、どうも旧憲法時代の
考え方、会計検査院法のいわゆる非違事項があったらそれだけ
指摘をする、こういう
考え方が前提になっておるわけであります。検察庁に近い
考え方であります。私は行政指導、それから予算の執行過程において執行の
適正化をはかるため、いまでも、
大蔵省が法律解釈が非常にむずかしいという場合には、あらかじめ会計検査院に合議をしまして、会計検査院がよろしいというものに対して新しい
方法でやっておるわけですが、そういう機能をもっと拡大していく。ですから、非違事項が行なわれるまで黙っておって、非違事項が行われたら違法行為である——こういうことよりも、やはり予算執行の適正という面から、会計検査院というものの権限拡大ということは
考えていかなければならぬ問題だ。また、そうなれば、各行政庁の中において、自前でもって、自主的にやりますというような行政費も大いに削減されるわけでありますし、私はそういう立場から、これを
委員会で何年か前から
検討しておられるような
方法で、会計検査院と予算執行というものがどうあるべきかという根本問題に触れて、会計検査院の機能を拡充していくということは、これから当然
考えてしかるべき問題だ、こう
考えております。