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尾崎政府委員 インターンという
制度は、これは世界の多くの国におきまして採用されておる
制度でございまして、医者になるのに、大学で医学教育を受けました
あと、実際に
病院等におきまして、監督する医師の指導のもとにおきまして患者に当たる、またいろいろな救急患者とかその他の場面にあい、また患者をずっと長期観察するとかいうふうにいたしまして、実際に医師としての技能を発揮してくる、発揮できるようにその能力を養っていくという
制度でございまして、
日本におきましても戦後この
制度が取り入れられたわけでございますが、この
制度が実際に実効を発揮いたしますためには、そのインターンの訓練を受けます
施設におきまして、やはり教える先生方が十分あり、またそこで十分にインターン制を受け入れられるような態勢があり、たとえば図書館だとか
検査室だとかいうふうなものが必要であり、さらに、でき得ますならばインターンという名前の示しますように宿泊
施設をつくっていくというようなことが必要なんでありますが、
日本では必ずしもその
制度がまだ十分できていないままにこの
制度が発足したというところに問題があろうと思います。
いま先生の
お話がございました身分の問題でございますが、これは
お話しのとおりに医者でもないし学生でもない、これがインターンなのであります。世界各国ともこれは同じでありまして、ただ、
医療法上これは一体医師法にひっかからないかという問題がございますが、やはり医師としての相当な教育を受け、昔ではそのままもう医師として認めておったというようなくらいで、やはりある程度の
医療行為はさせてもいいだろうが、しかし、まだ独立して自分の責任でやるということは認めていない。そういう意味から医師法を改正して、ある程度準医師的な身分をはっきりさすということも、いま検討しおります。しかし裁判で判例上も、ある程度の
医療行為は
一般人よりも医師の監督のもとにやらしてもよろしいというような判例も出ておりますが、そういうような点に準拠いたしまして、ある程度の仕事の分野はきめて、ことしからいきたいと思っております。
それから身分という問題で、一体それは
病院の人間であるかどうかというふうな問題がありますが、現在のところそれを割り切って認めていなかった。ある
病院では、そこの
病院の職員として、たとえば多少の手当も出す。二、三千円から、一万四、五千円出しておるところもございますが、
国立病院とか大学の付属
病院は一文も出していない、こういうふうな実情だったのでございます。ここにいまインターンの問題としておるところがあるのでございます。また、病気になったときでも、その
病院の職員等になっておりませんために、
保険の
関係も適用にならない。交通費等も支給されないという問題がいろいろ起こっておりますが、この点は、ことしからは
病院の職員の一人として、有給、無給は別といたしまして、ある程度扱ってもらえるように、各インターン
施設へお願いしようかという、いま考え方でおります。なお、そのようなインターンの大学における六年間の教育を七年に延ばすとか、またやり方を変えてやったほうがいいのではないかというようないろいろな意見がございますが、これは、いま大学教育ともからみ、さらに卒業後の医局、大学院というような
制度ともからみまして、
全般として検討する必要があるだろうし、また免許
制度につきましても、いろいろ世界の動き等と関連いたしまして研究する必要があろうというので、文部省
関係の医学視学
委員会の方々も入っていただきまして、文部省と
厚生省が一緒になりまして、現在この
制度の根本問題を検討すると同時に、この三十九年度におきましては、現実にインターンを実施しておるのでございますから、それをよりよくしていくための運営をやっていくように、
厚生省の中の医師試験
審議会の実地修練部会においていろいろ御研究願い、それによりましてわれわれ
施策を行なっていく、こういうような
状態でございます。