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1964-02-20 第46回国会 衆議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月二十日(木曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員   委員長 白浜 仁吉君    理事 押谷 富三君 理事 菊池 義郎君    理事 福井  勇君 理事 勝澤 芳雄君    理事 片島  港君 理事 山田 長司君       鍛冶 良作君    湊  徹郎君       山本 幸雄君    神近 市子君       田原 春次君    森本  靖君       吉田 賢一君  出席国務大臣         国 務 大 臣 早川  崇君  出席政府委員         警  視  長         (警察庁長官官         房長)     浜中 英二君         自治事務官         (自治大臣官房         長)      松島 五郎君         消防庁次長   川合  武君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   赤羽  桂君         文 部 技 官         (管理局教育施         設部長)    中尾 龍彦君         自治事務官         (財政局財政課         長)      岡田 純夫君         会計検査院事務         官         (第一局長)  保川  遜君         会計検査院事務         官         (第二局長)  樺山 糾夫君         公営企業金融公         庫総裁     三好 重夫君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 二月十四日  委員湊徹郎辞任につき、その補欠  として篠田弘作君が議長指名で委  員に選任された。 同日  委員篠田弘作辞任につき湊徹郎君  が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員神近市子君、栗原俊夫君、田中  織之進君、田原春次君及び森本靖君  辞任につき、その補欠として岡田春  夫君、五島虎雄君、横路節雄君、河  野密君及び加藤清二君が議長指名  で委員に選任された。 同日  委員岡田春夫君、加藤清二君、五島  虎雄君、河野密君及び横路節雄君辞  任につき、その補欠として神近市子  君、森本靖君、栗原俊夫君、田原春  次君及び田中織之進君が議長指名  で委員に選任された。     ————————————— 二月十四日  昭和三十八年度一般会計 (承諾を求  予備費使用調書(その  めるの件)  1)  昭和三十八年度特別会計  予備費使用調書(その  1)  昭和三十八年度特別会計  予算総則第十四条に基づ  く使用調書(その1) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十六年度一般会計歳入歳出決  算  昭和三十六年度特別会計歳入歳出決  算  昭和三十六年度国税収納金整理資金  受払計算書  昭和三十六年度政府関係機関決算書  昭和三十六年度国有財産増減及び現  在額総計算書  昭和三十六年度国有財産無償貸付状  況総計算書  昭和三十六年度物品増減及び現在額  総計算書  昭和三十七年度一般会計歳入歳出決  算  昭和三十七年度特別会計歳入歳出決  算  昭和三十七年度国税収納金整理資金  受払計算書  昭和三十七年度政府関係機関決算書  昭和三十七年度国有財産増減及び現  在額総計算書  昭和三十七年度国有財産無償貸付状  況総計算書  昭和三十七年度物品増減及び現在額  総計算書  (総理府所管警察庁関係)、自治省  所管及び自治省関係政府関係機関関  係)      ————◇—————
  2. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより会議を開きます。  昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は総理府所管警察庁関係及び自治省所管について審査を行ないます。  まず早川国務大臣より警察庁関係決算概要並びに自治省所管決算概要について説明を求めます。早川国務大臣
  3. 早川崇

    早川国務大臣 昭和三十六年度警察庁決算につきましてその概要を御説明申し上げます。  第一に警察庁の項であります。当初歳出予算額は百十億六百三十八万二千円であり、予算補正追加額が一億五千三百六十六万五千円ありますので、歳出予算額は百十一億六千四万七千円となったのであります。これに予備費使用額が一億六千七百五十九万五千円ありますので、歳出予算現額は百十三億二千七百六十四万二千円となっております。  この歳出予算現額に対しまして支出済み歳出額は、百十二億七千百八十七万六百二十七円でありまして、不用額は五千五百七十七万一千三百七十三円となっております。  この経費は、警察庁及びその付属機関並びに地方機関自体経費のほか、警察法に基づき都道府県警察に要する経費であるところの警視正以上の階級にある警察官俸給、その他の給与、及び教養、通信、装備、犯罪鑑識犯罪統計、警衛、警備、国の公安にかかる犯罪その他特殊犯罪捜査等に必要な経費でありまして、不用額を生じましたおもなものは、職員退職等に伴ない予定より職員俸給等を要することが少なかったこと等によるものであります。  予算補正追加額の一億五千三百六十六万五千円は、昭和三十六年十月以降の政府職員の給与を改善するために要した経費であります。  予備費使用額一億六千七百五十九万五千円は、昭和三十六年九月二十二日閣議決定によりまして、予備費使用を承認されましたソビエト社会主義共和国連邦第一副首相来日に伴う警備活動に要した諸経費千九百九十万四千円と同年十二月十六日及び昭和三十七年三月九日大蔵大臣決定によりまして予備費使用を承認されました退官退職手当の不足を補うために要した経費一億四千七百六十九万一千円であります。  第二は、科学警察研究所の項であります。歳出予算額は、八千五百四十三万七千円でありまして、これに対しまして支出済み歳出額は八千百四十三万六千六百三十三円で不用額は四百万三百六十七円となっております。  この経費は、警察庁付属機関である科学警察研究所自体経費でありまして、科学捜査及び少年の非行防止、その他犯罪防止並びに交通事故防止、その他交通警察についての研究実験及び鑑定のために必要とした経費であります。  不用額を生じましたおもなものは、低位号俸のものが比較的多かったために職員俸給等を要することが少なかったことによるものであります。  第三は、皇宮警察本部の項であります。当初歳出予算額は四億三千三十六万九千円でありまして予算補正追加額が二百五十四万六千円ありますので歳出予算額は四億三千二百九十一万五千円となったのであります。  これに対しまして、支出済み歳出額は、四億二千五百九十四万四千八百五十五円で、不用額は六百九十七万百四十五円となっております。  この経費は、警察庁附属機関である皇宮警察本部自体経費でありまして、天皇及び皇后、皇太子その他の皇族の警衛、皇居及び御所の警備その他の皇宮警察に必要とした経費であります。  不用額を生じましたおもなものは、退職者が比較的多かったために職員俸給等人件費を要することが少なかったためであります。  予算補正追加額二百五十四万六千円は、昭和三十六年十月以降の政府職員の給与を改善するために要した経費であります。  第四は、都道府県警察費補助の項であります。当初予算額は、三十八億八千二百九十六万七千円でありますがそのほかに、前年度繰り越し額が千六百三十八万六千円ありますので、歳出予算額は三十八億九千九百三十五万三千円となっております。この歳出予算額に対しまして、支出済み歳出額は三十八億七千四百六十八万四千円でありまして、翌年度繰り越し額が二千四百六十六万九千円となっておりまして不用額はありません。  この経費は、警察法及び同施行令に定めるところによりまして都道府県警察に要する経費の一部を補助したものであります。  翌年度繰り越し額二千四百六十六万九千円は、都道府県警察施設整備費補助金及び都道府県警察官待機宿舎施設整備費補助金の一部でありまして、設計変更等やむを得ない事情により事業の遂行がおくれ年度内支出が終わらなかったことによるものであります。  第五は、国立機関原子力試験研究費の項であります。この経費三百十八万七千円は原子力試験研究に必要な経費として、昭和三十六年度一般会計予算総則第三十三条に基づき昭和三十六年六月二十六日の大蔵大臣の承認によりまして科学技術庁より移しかえを受けたものでありますが、本体工事基礎変更等の理由により遅延したため本経費の内、研究施設整備費二百二十六万三千円が昭和三十七年度繰り越しを必要としたものであります。  第六は、庁舎等特別取得費の項であります。この経費四千九百九十九万円は、火薬物貯庫移転のため必要な経費として昭和三十六年度一般会計予算総則第三十五条に基づき昭和三十六年九月三十日大蔵大臣の承認によりまして大蔵本省より移しかえを受けたものでありますが、移転用地の取得がやむを得ない事情によっておくれましたため、昭和三十七年度全額繰り越しを必要としたものであります。  第七は、特別研究促進調整費の項であります。この経費千九百十一万一千円は、科学警察研究所において、路線系統式自動感応信号制御機による自動車交通容量研究に必要な経費として、昭和三十六年度一般会計予算総則第三十三条に基づき昭和三十六年十二月二十六日大蔵大臣の承認によりまして科学技術庁より移しかえを受けたものでありますが、当初計画を変更しなければならないやむを得ない事情が生じまして、全額昭和三十七年度繰り越しを必要としたものであります。  第八は、警察庁施設移転整備費の項であります。この経費九百九十八万五千円は、昭和三十六年九月二十一日発生の火災により焼失した東北管区警察局庁舎移転整備の必要に伴いその経費予備費から使用することについて、昭和三十六年十一月七日閣議決定により承認されたものでありまして、支出済み歳出額は、九百九十八万三千二百八十円で、昭和三十七年三月十五日竣工し移転を完了いたしております。  第九は、警察庁施設その他災害復旧費の項であります。この経費四千七百二十五万八千円は、第二室戸台風により災害を受けた警察庁施設復旧費と、都道府県警察施設復旧費の一部を補助する必要があったので、その経費予備費から使用することについて、昭和三十六年十二月十五日閣議決定により承認されたも一のでありまして、支出済み歳出額四千七百二十五万五千五百三十五円は、近畿管区警察学校校舎外二十八ヵ所の警察庁施設及び新潟県長岡警察署外百一ヵ所の都道府県警察施設災害復旧に要したものであります。  以上で各項別概要を御説明申し上げましたが、これを総括して申し上げますと当初歳出予算額は百五十四億五百十五万五千円でありまして、それに予算補正追加額が一億五千六百二十一万一千円と移しかえ増加額が七千二百二十八万八千円ありますので、歳出予算額は百五十六億三千三百六十五万四千円となります。これに前年度繰り越し額千六百三十八万六千円と予備費使用額二億二千四百八十三万八千円を加えますと、歳出予算現額は百五十八億七千四百八十七万八千円となります。この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は百五十七億千二百九万八千九百円でありまして、不用額は六千六百七十四万六千百円、翌年度繰越額は九千六百三万三千円となっております。  以上警察庁関係経費決算について御説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。  昭和三十七年度警察庁決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  第一に警察庁の項であります。当初歳出予算額は百十八億九千八百四十九万六千円であり予算補正追加額が一億四千四百三十七万三千円でありますので、歳出予算額は百二十億四千二百八十六万九千円となったのであります。これに予備費使用額が二億八千四百四十四万九千円でありますので、歳出予算現額は百二十三億二千七百三十一万八千円となっております。  この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は、百二十三億千四百三十五万五千四百四十九円でありまして、不用額は千二百九十六万二千五百五十一円となっております。  この経費警察庁及びその付属機関並びに地方機関自体経費のほか警察法に基づき都道府県警察に要する経費であるところの警視正以上の階級にある警察官俸給、その他の給与及び教養、通信、装備、犯罪鑑識犯罪統計、警衛、警備、国の公安にかかる犯罪、その他特殊犯罪捜査等に必要な経費でありまして、不用額を生じましたおもなものは、職員退職等に伴い予定より職員俸給等を要することが少なかったこと等によるものであります。  予算補正追加額の一億四千四百三十七万三千円は、昭和三十七年十月以降政府職員の給与を改善するために要した経費であります。  予備費使用額二億八千四百四十四万九千円は、昭和三十七年七月十三日閣議決定によりまして予備費使用を承認されました交通情報装置の設置に要した経費八千二百五万一千円、同年十一月三十日閣議決定によりまして予備費使用を承認されました交通警察官増員に要した経費四千三百八十三万五千円、同年十二月四日閣議決定によりまして予備費使用を承認されました地方選挙取り締まりに要した経費百万五千円、及び同年十二月二十五日と昭和三十八年三月二十五日に大蔵大臣決定によりまして予備費使用を承認されました退官退職手当の不足を補うために要した経費一億五千七百五十五万八千円であります。  第二は、科学警察研究所の項であります。歳出予算額は、九千六百九十六万一千円でありまして、これに対しまして、支出済み歳出額は、九千二百五十二万四千九百十九円であり、不用額は、四百四十三万六千八百一円となっております。  この経費警察庁付属機関である科学警察研究所自体経費でありまして、科学捜査及び少年の非行防止、その他犯罪防止並びに交通事故防止、その他交通警察についての研究実験及び鑑定のために必要とした経費であります。  不用額を生じましたおもなものは、低位号俸職員が比較的多かったために職員俸給等を要することが少なかったことによるものであります。  第三は、皇宮警察本部の項であります。当初歳出予算額は、四億六千七百九十万八千円でありまして、予算補正追加額が千四十二万七千円でありますので、歳出予算現額は四億七千八百三十三万五千円となっております。  これに対しまして支出済歳出額は、四億七千六百二十四万八千二百二十一円で不用額は二百八万六千七百七十九円となっております。  この経費警察庁付属機関である皇宮警察本部自体経費でありまして、天皇及び皇后、皇太子その他の皇族の警衛、皇居及び御所の警備その他皇宮警察に必要とした経費であります。  不用額を生じました主なものは、退職者が比較的多かったために職員俸給等人件費を要することが少なかったためであります。  予算補正追加額千四十二万七千円は、昭和三十七年十月以降政府職員の給与を改善するために要した経費であります。  第四は、都道府県警察費補助の項であります。当初予算額は、四十二億三千五百四十八万七千円でありますが、このほかに前年度繰越額二千四百六十六万九千円と予備費使用額三千九十三万八千円がありますので、歳出予算現額は四十二億九千百九万四千円となっております。この歳出予算現額に対しまして支出済み歳出額は四十二億五千九百六十五万九千円でありまして差額の三千百四十三万五千円は翌年度繰り越し額となっておりますので不用額はありません。  この経費は、警察法および同法施行令に定めるところによりまして、都道府県警察に要する経費の一部を補助したものであります。  翌年度繰越額三千百四十三万五千円は、都道府県警察施設整備費補助金及び都道府県警察官待機宿舎施設整備費補助金の一部でありまして、近年未曽有の雪害及び設計変更等やむを得ない事情によりまして事業の遂行がおくれ、年度内支出が終わらなかったことによるものであります。  予備費使用額三千九十三万八千円は昭和三十七年十一月三十日閣議決定によりまして、予備費使用を承認されました交通警察官増員に要した経費八百九十七万九千円と同年十二月四日閣議決定によりまして、予備費使用を承認されました地方選挙取り締まりに要した経費二千百九十五万九千円であります。  第五は、国立機関原子力試験研究費の項であります。この経費四百五十八万五千円は原子力試験研究に必要な経費として昭和三十七年度一般会計予算総則第三十七条に基づき昭和三十七年四月十六日大蔵大臣の承認によりまして科学技術庁より移しかえを受けた二百三十二万二千円と前年度繰越額二百二十六万三千円であります。  この経費は、ラジオアイソトープ実験室の新設及び試験研究に必要な放射線測定器等の購入に要したものでありまして、不用額五十三円は入札差金であります。  第六は、特別研究促進調整費の項であります。この経費二千七百二十六万四千円は前年度繰り越し額千九百十一万一千円と昭和三十七年度一般会計予算総則第三十七条に基づき昭和三十八年一月七日大蔵大臣の承認によりまして科学技術庁より移しかえを受けた八百十五万三千円でありまして、支出済み歳出額千九百六十万八千円、翌年度繰り越し額七百六十五万六千円となっておりまして不用額はありません。  この経費は、自動車交通容量研究のため路線系統式自動感応信号制御機の設置に要したもの及び事故多発地帯統計的解析日本交通医学協議会に委託したものであります。  翌年度繰り越し額七百六十五万六千円は、事故多発地帯統計的解析と並行して自動車運転者内部環境実験車試作研究を進めたところ機器の実験車への搭載方法および実験車内部重量配分設計変更のやむを得ない事情によりまして年度内支出が終わらなかったことによるものであります。  第七は、庁舎等特別取得費の項であります。この経費四千九百九十九万円は、昭和三十六年度一般会計予算総則第三十五条に基づき昭和三十六年九月三十日大蔵大臣の承認によりまして大蔵本省より移しかえを受けたのでありますが、移転用地の取得がやむを得ない事情によりまして遅延したため、前年度より全額繰り越されたものであります。  この経費は、市街地の中心地に設置されていた火薬物貯庫保安距離の不適当及び火薬類爆発による危険等にかんがみ建築交換により移転整備をしたものでありまして、昭和三十七年十月三十一日竣工し、移転を完了し、全額支出をしております。  第八は、都道府県警察施設災害復旧費補助の項であります。  この経費八百六十八万一千円は、昭和三十七年九月二十六日発生の火災によりまして焼失した長崎県福江警察署の復旧に伴い、その経費予備費から使用することについて、昭和三十七年十一月二日閣議決定により承認されたものでありまして、昭和三十八年三月三十一日竣工し、全額支出をしております。  以上で各項別概要を御説明申し上げましたが、これを総括して申し上げますと、当初歳出予算額は百六十六億九千八百八十五万二千円でありまして、これに予算補正追加額一億五千四百八十万円と移替増加額千四十七万五千円でありますので、歳出予算額は百六十八億六千四百十二万七千円となります。  これに前年度繰越額九千六百三万三千円と予備費使用額三億二千四百六万八千円を加えますと、歳出予算現額は百七十二億八千四百二十二万八千円となります。  この歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は百七十二億二千五百六十五万一千五百三十六円でありまして、翌年度繰り越し額三千九百万一千円、不用額千九百四十八万五千四百六十四円となっております。  以上警察庁関係経費決算について御説明をいたしました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。  昭和三十六年度における自治省所管歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計におきましては、歳出予算現額は当初予算額三千六百十八億四千八百余万円、前年度繰越額一億九千五百余万円、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに必要な経費等補正追加額三百四十二億七千二百余万円、総理府所管から移替を受けた額一千余万円、合計三千九百六十三億二千七百余万円であります。  これに対しまして、支出済歳出額は三千九百六十一億四千八百余万円でありまして、翌年度繰り越した額は七千七百余万円、不用額は一億百余万円となっております。  以下、おもなる事項につきまして、その大要を御説明申し上げます。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れ費であります。歳出予算現額は三千九百八億七千三百余万円で、全額支出済みでありまして、昭和三十六年度における所得税法人税及び酒税の収入見込み額の百分の二八・五に相当する額及び過年度精算額合算額地方交付税交付金と前記三税の収入見込み額の百分の〇・三に相当する額の臨時地方特別交付金との合算額を、地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の財源として特別会計繰り入れたものであります。  次に、奄美群島復興事業費でありますが、歳出予算現額は十四億六千九百余万円、支出済み歳出額は十四億六百余万円、翌年度繰り越した額は六千三百余万円、不用額は三十余万円となっております。昭和三十六年度奄美群島復興十ヵ年計画の第八年度に当たりますが、同年度における実施事業費は十八億三千九百余万円であり、同年度末における実施済み事業費は百六十八億三千九百余万円でありまして、復興事業は順調に進捗しております。  また、奄美群島復興信用基金に対し、同群島における産業経済の振興に必要な金融の円滑化をはかるため、八千万円が出資されており、群島経済の復興に大いに役立っている次第であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額十億円については全額支出済みであり、昭和三十六年度においてこの交付金を交付した団体数は二百九十五市町村となっております。  次に、公共土木施設及び農地等の小災害地方債元利補給金でありますが、歳出予算現額は三億七千五百余万円、支出済み歳出額は三億一千九百余万円、不用額は五千六百余万円でありまして、支出済み歳出額は、昭和三十三年及び昭和三十四年における公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する昭和三十六年度分の元利償還金相当額の全部または一部を補給するため、関係地方公共団体に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、地方公共団体元利償還金が予定より少なかったので、元利補給金を要することが少なかったためであります。  次に、固定資産税特例債元利補給金でありますが、歳出予算現額は二億一千七百余万円、支出済み歳出額は二億一千余万円、不用額は七百余万円でありまして、固定資産税制限税率の引き下げに伴う減収補てんにかかる地方債に対する昭和三十六年度分の元利償還金を補給するため、関係市町村に交付したものであります。  次に、地方財政再建促進特別措置費でありますが、歳出予算現額は四億九千三百余万円、支出済み歳出額は四億八千五百余万円、不用額は七百余万円でありまして、支出済み歳出額は主として財政再建債に対する利子補給金であります。財政再建債に対する利子補給地方財政再建促進特別措置法に基づき交付することとされておりますが、昭和三十六年度における交付額は、歳入欠陥補てん債にかかる分四億四千九百余万円及び退職手当債にかかる分一千百余万円、計四億六千余万円となっております。  次に、消防施設整備費補助金でありますが、歳出予算現額は六億九千二百余万円、支出済み歳出額は六億七千六百余万円、翌年度繰り越した額は一千四百余万円、不用額は百余万円で、支出済み歳出額は、消防施設強化促進法に基づき、市町村消防施設整備及び県の消防学校の設置に要する経費の一部を補助するために支出されたものであります。昭和三十六年度における補助事業の実績といたしましては、消防ポンプ自動車六百余台、手引き及び小型動力ポンプ千五百余台のほか、火災報知機、消防用電話、防火水槽及び五県の消防学校の購入または設置に対し補助を行なったものであります。  翌年度繰り越した額につきましては、県及び市町村における補助対象事業の遅延によるものであります。  次に、消防団員等公務災害補償責任共済基金補助金でありますが、歳出予算現額は二千二百余万円、支出済み歳出額は二千二百余万円でありまして、支出済み歳出額は、消防団員等公務災害補償責任共済基金に対しまして、補償費一千万円及び事務費一千二百余万円を補助したものであります。  最後に、交付税及び譲与税配付金特別会計におきましては、歳入予算額は四千三百四十一億四百余万円、収納済み歳入額は四千五百七十九億一千五百余万円であり、歳出予算現額は、当初予算額三千九百九十億一千八百余万円、補正追加額三百四十二億六千二百余万円、前年度繰り越し額二百六億七千八百余万円、予算総則第十二条の弾力条項の規定に基づく使用額三十六億一千六百余万円、合計四千五百七十五億七千五百余万円に対し、支出済み歳出額は四千四百七十四億八百余万円、翌年度繰り越した額は九十八億五千余万円、不用額は三億一千六百余万円となっております。  この特別会計支出済み歳出額は、第一に、地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の財源に充てるため、一般会計から受け入れた額及び昭和三十五年度分の地方交付税の特例に関する法律の規定に基づき、前年度から繰り越された額を、地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金として、道府県及び市町村に交付したもの四千十七億三百余万円、第二に、直接この会計に受け入れた入場税の収入額を、入場譲与税譲与金として、都道府県に譲与したもの百九十五億九百余万円、第三に、直接この会計に受け入れた地方道路税の収入額を、地方道路譲与税譲与金として、地方の道路財源に充てるため都道府県及び五大市に譲与したもの二百四十九億九千六百余万円、第四に、直接この会計に受け入れた特別とん税の収入額を、特別とん譲与税譲与金として、開港の所在する都及び市町村に譲与したもの十一億九千八百余万円であります。  翌年度繰り越した額は、昭和三十六年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律の規定に基づいて、地方交付税交付金昭和三十七年度繰り越したことによるものであり、不用額のおもなものは、昭和三十七年三月分の入場税の実収納額が、弾力条項使用決定の時の収納見込額を下回ったこと等によるものであります。  以上、昭和三十六年度自治省所管歳出決算概要を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  昭和三十七年度における自治省所管歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計におきましては、歳出予算現額は当初予算額四千五百六十七億二千七百余万円、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに必要な経費等補正追加額三百九十三億九千百余万円、総理府所管から移替を受けた額一千二百余万円、前年度繰越額七千七百余万円、予備費使用額四億四千百余万円、農林省所管から移用を受けた額一億四千九百余万円、合計四千九百六十七億九千九百余万円であります。  これに対しまして、支出済み歳出額は四千九百六十五億五千四百余万円でありまして、翌年度繰り越した額は五千五百余万円、不用額は一億八千九百余万円となっております。  以下、おもなる事項につきまして、その大要を御説明申し上げます。  まず、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れ費でありますが、歳出予算現額は、四千八百七十六億九百余万円で全額支出済みでありまして、昭和三十七年度における所得税法人税及び酒税の収入見込額の百分の二八・九に相当する額並びに昭和三十五年度地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の精算額に相当する額を、地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の財源として特別会計繰り入れたものであります。  次に、参議院議員通常選挙費でありますが、歳出予算現額は二十四億三千六百余万円、支出済み歳出額は二十三億五千六百余万円、不用額は八千余万円となっております。  不用額を生じましたのは、立候補者が予定より少なかったので、地方公共団体に対する委託費を要することが少なかった等のためであります。  次に、奄美群島復興事業費でありますが、歳出予算現額は十五億七千六百余万円、支出済み歳出額は十五億四千四百余万円、翌年度繰り越した額は三千余万円となっております。昭和三十七年度奄美群島復興十ヵ年計画の第九年度に当たりますが、同年度における実施事業費は十九億七千五百余万円であり、同年度末における実施済み事業費は百八十八億一千六百余万円でありまして、復興事業は順調に進捗しております。  なお、奄美群島復興信用基金に対し、同群島における産業経済の振興に必要な金融の円滑化をはかるため、六千万円が出資されており、群島経済の復興に大いに役立っている次第であります。  次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額十二億円については全額支出済みであり、昭和三十七年度においてこの交付金を交付した団体数は二百八十一市町村となっております。  次に、公共土木施設及び農地等の小災害地方債元利補給金でありますが、歳出予算現額は八億九千六百余万円、支出済み歳出額は八億二千四百余万円、不用額は七千百余万円でありまして、支出済み歳出額は、昭和三十三年及び昭和三十四年における公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する元利償還金並びに昭和三十六年における公共土木施設及び農地等の小災害にかかる地方債に対する利子償還金相当額の全部又は一部を補給するため、関係地方公共団体に交付したものであります。  不用額を生じましたのは、地方公共団体の利子償還金が予定より少なかったので、利子補給金を要することが少なかったこと等のためであります。  次に、固定資産税特例債元利補給金でありますが、歳出予算現額は三億九千四百余万円、支出済み歳出額は三億八千七百余万円、不用額は六百余万円でありまして、固定資産税制限税率の引き下げに伴う減収補てんにかかる地方債に対する昭和三十七年度分の元利償還金を補給するため、関係市町村に交付したものであります。  次に、地方財政再建促進特別措置費でありますが、歳出予算現額は、二億五千余万円、支出済み歳出額は二億三千五百余万円、不用額は一千五百余万円でありまして、支出済み歳出額は主として、財政再建債に対する利子補給金であります。財政再建債に対する利子補給は、地方財政再建促進特別措置法に基づき交付することとされておりますが、昭和三十七年度における交付額は、歳入欠陥補てん債にかかる分二億一千百余万円及び退職手当債にかかる分三百余万円、計二億一千四百余万円となっております。  次に、消防施設整備費補助金でありますが、歳出予算現額は七億一千四百余万円、支出済み歳出額は七億三百余万円、翌年度繰り越した額は七百余万円、不用額は二百余万円で、支出済み歳出額は、消防施設強化促進法に基づき市町村消防施設整備及び県の消防学校の設置に要する経費の一部を補助するために支出されたものであります。昭和三十七年度における補助事業の実績といたしましては、消防ポンプ自動車六百余台、手引き及び小型動力ポンプ千五百余台のほか、火災報知機、消防用電話、防火水槽及び五県の消防学校の購入または設置に対し補助を行なったものであります。  翌年度繰り越した額につきましては、県における補助対象事業の遅延によるものであります。  次に、消防団員等公務災害補償責任共済基金補助金でありますが、歳出予算現額は五千六百余万円、支出済み歳出額は五千六百余万円でありまして、支出済み歳出額は、消防団員等公務災害補償責任共済基金に対しまして、補償費四千万円及び事務費一千六百余万円を補助したものであります。  最後に、交付税及び譲与税配付金特別会計におきましては、歳入予算額は五千百九十九億八千五百余万円、収納済み歳入額は五千二百八十九億七百余万円であり、歳出予算現額は当初予算額四千七百九十四億六千百余万円、補正追加額三百九十三億八千七百余万円、前年度繰越額九十八億五千余万円、合計五千二百八十六億九千九百余万円に対し、支出済み歳出額は五千百八十二億五千九百余万円、翌年度繰り越した額は百億円、不用額は四億四千余万円となっております。  この特別会計支出済み歳出額は、第一に、地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金の財源に充てるため、一般会計から受け入れた額及び昭和三十六年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律の規定に基づき、前年度から繰り越された額を、地方交付税交付金及び臨時地方特別交付金として、道府県及び市町村に交付したもの四千八百七十四億五千九百余万円、第二に、直接この会計に受け入れた地方道路税の収入額を、地方道路譲与税譲与金として、地方の道路財源に充てるため都道府県及び五大市に譲与したもの二百九十五億二千四百余万円、第三に、直接この会計に受け入れた特別とん税の収入額を、特別とん譲与税譲与金として、開港の所在する都及び市町村に譲与したもの十二億六千八百余万円、第四に、入場譲与税の精算額を入場譲与税譲与金として、都道府県に譲与したもの七百余万円であります。  翌年度繰り越した額は、昭和三十七年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律の規定に基づいて、地方交付税交付金昭和三十八年度繰り越したことによるものであり、不用額を生じましたのは、地方道路税収入が予定より少なかったためであります。  以上、昭和三十七年度自治省所管歳出決算概要を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  4. 白浜仁吉

    白浜委員長 続いて会計検査院当局より、警察庁関係決算概要について説明を求めます。樺山第二局長
  5. 樺山糾夫

    ○樺山会計検査院説明員 昭和三十六年度、三十七年度警察庁所管決算につきまして検査をいたしました結果、いずれも特に不当と認めた事項はございません。
  6. 白浜仁吉

    白浜委員長 続いて会計検査院当局より自治省所管決算の検査の概要について説明を求めます。保川第一局長
  7. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 自治省所管三十六年度、三十七年度年度決算につきまして厳重に検査をいたしました結果は、検査報告に特に不当として掲記した事項はございません。
  8. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に政府関係機関当局から資金計画事業計画等について説明を求めます。三好公営企業金融公庫総裁
  9. 三好重夫

    ○三好説明員 昭和三十六年度及び昭和三十七年度の業務の概況につきまして御説明申し上げます。  まず当公庫の設立以来昭和三十七年度までの業務の運営状況につきまして、概略御説明申し上げます。  当公庫は、特に低利かつ安定した資金を必要とする地方公共団体の公営企業につきまして、その資金を融通し、公営企業の健全な運営に資するため、昭和三十二年六月一日に設立されたものでございます。したがいまして昭和三十七年度までに第六事業年度を終わったことになり、その事業規模も年を追って増大いたしてまいりまして、昭和三十七年度末における事業規模は政府出資金二十四億円、公営企業債券発行七百七十五億円の手取り金七百六十九億円、及び貸し付け回収金等の資金四十五億円を原資としまして、総額八百三十八億円の貸し付けを実行いたしました。三十七年度末の貸し付け残高は七百七十一億円、債券発行残高は七百四十九億円となります。貸し付け残高を事業別に見ますと、上水道が全体の三三・五%、次いで電気事業二五%となっており、この二事業で全体の五八・五%を占め、次いで港湾整備事業の一一・七%、工業用水道の九・九%となっております。また、昭和三十五年度から農林漁業金融公庫と当公庫との間において、業務委託に関する契約を締結いたしました。これに基づいて地方公共団体の行なう公有林造林事業にかかる資金の貸し付け及び回収に関する業務を当公庫において行なうこととなり、昭和三十七年度までに二十億円余の貸し付けを実行いたしました。以上が三十七年度末までの公庫の事業概要でありまして、他の公庫に比しまして、特に特徴といたしていますところは、その貸し付け原資を政府出資金のほかはそのほとんどを債券発行によっているという点でございます。  次に昭和三十六年度の業務の概況と決算について続いて御説明申し上げることにいたします。  昭和三十六年度の当初貸し付け計画額は二百億円でありましたが、国際収支改善対策の一環として行なわれました財政投融資計画の五%繰り延べに応じまして、当初の計画を変更し、年度後半の貸し付け予定額のうち十億円を次年度に繰り延べることといたしましたので最終計画額は百九十億円となったものであります。  この原資といたしましては、産業投資特別会計からの出資金三億円、百七十億円の債券発行により調達された資金百六十九億五千万円及び貸し付け回収金等の資金十七億五千万円を充てまして、資金繰りの可能な限度まで百九十億円の長期貸し付けを実行した次第であります。  次に短期貸し付けにつきましては、地方公共団体の需要に応じ二十億円の貸し付けを実行いたしました。  また、元利金の回収額は合計五十六億円ございましたが、いずれもそれぞれの期日までに完全に収納されております。  なおそのほかに、昭和三十六年度は長期貸し付けの金利を七分六厘から七分四厘に、短期貸し付けの金利を日歩二銭一厘から二銭に引き下げ、昭和三十六年度起債許可にかかる貸し付け分から引き下げを行なった次第であります。  以上の業務のほか、市町村の行なう公有林造林事業に対しまして、三十六年度は八億八千万円の貸し付けを行ない期末残高は十億六千五百万円となりました。  次に三十六年度の損益の状況について申し上げます。  貸し付け金利息等、益金勘定合計額四十一億八百九十七万円に対しまして、債券利息及び事務費の損金勘定合計額は三十八億五千三百三十万円でありまして、その差し引き二億五千五百六十七万円をもって各種の償却に充てましたが、債券発行費の未償却がなお九千二百四十四万円残りまして、いまだ利益金を生ずる段階には至っていない状況でございます。  続きまして昭和三十七年度の業務の概況と決算について、御説明申し上げます。  昭和三十七年度には、二百四十二億円の貸し付けを実行いたしまして前年度の百九十億円に比べ大幅に増加いたしました。この貸し付けの原資には、産業投資特別会計からの出資金三億円、債券発行により調達されました資金二百十九億三千万円及び貸し付け回収金等の資金十九億七千万円を充てたものでございます。また、短期貸し付けにつきましても、三十七年度は、二十八億円の実行を見ております。  元利金の回収額は合計八十一億円ありましたが、いずれもそれぞれの期日までに完全に収納されておりまして、滞納や延滞は皆無の状況でございます。  また、市町村の行ないます公有林造林事業に対する農林漁業金融公庫からの受託貸し付けば、九億九千万円でありまして、期末残高は二十億六千百万円と相なりました。  次に、損益の状況でありますが、貸し付け金利息等益金勘定合計額五十六億九千三百万円に対しまして、債券利息及び事務費の損金勘定合計額は五十三億八千八百二万円でございまして、差し引き三億五百三万円をもって各種の償却に充当いたしましたが、三十七年度におきましてもなお四千九百八十一万円の債券発行費の未償却を翌年度に繰り延べる結果となった次第であります。  なお御参考までに三十八年度の業務につきましてもその概況について一言触れておきたいと存じます。  三十八年度の貸し付けの計画額は三百三十億円でありまして、その原資は債券発行による収入二百九十九億円と貸し付け回収金等の資金約三十一億円を充てることとしているのであります。この事業計画も順調に進んでおりますので、予定どおり三月末の貸し付け残高は千五十三億円に達する予定でございます。  また三十八年度の起債許可分から貸し付け金利を従来の七分四厘から七分三厘へ引き下げますとともに、償還期限を延長することとしまして、たとえば上水道、下水道事業について従来十五年でございましたものを十八年に延ばす等、平均二、三年程度の延長を行なった次第でございます。  以上が、私の御説明申し上げます概要でございます。
  10. 白浜仁吉

    白浜委員長 これにて説明の聴取は終わりました。     —————————————
  11. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤君。
  12. 勝澤芳雄

    勝澤委員 まず自治省にお尋ねいたしますが、最近国会の内外を問わず税外負担の問題というのが注目をされて、税外負担の軽減ということについて自治省も相当力を入れているようでありますが、その税外負担が現在大まかにいってどれくらい統計的にあるものか、その負担の解消についてどのような努力をされておるのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
  13. 岡田純夫

    岡田説明員 三十七年度で三百二十億と見ております。おおむねそれを解消する目的をもちまして三十九年度の財政計画を立てております。具体的に税外負担の解消とはうたっておりませんけれども、そういうものを計画の中に織り込んでおります。
  14. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その現状と、それから具体的にいま予算にはうたっていないということでありますけれども、大体対象としてどういうふうに減らそうとするのか、この点についてひとつ資料を御提出しておいていただきたい。よろしゅうございますね。
  15. 岡田純夫

    岡田説明員 いまできますものを……。
  16. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に、地方公営企業の決算の状態を見ますと、やはり根本的にこの地方公営企業のあり方といいますか、こういう点について再検討を加え、何らかの方向をきめなければならぬと思いますが、この点についてどういうふうにお考えになっておりますか。
  17. 早川崇

    早川国務大臣 地方公営企業は御承知のように昨年度大体二百五十億ほど赤字でありましたが、そのうち交通関係が百七十億くらいになりましょうか、そこで料金値上げの問題が起こっております。われわれといたしましては、これは根本的に公営企業を考えなければならぬ段階にきたと考えまして、今国会に地方公営企業制度審議会の設置を提案いたしておるわけであります。それによりまして公営企業のあり方を根本的に再検討いたしたいと思っておるわけでありまして、その結果を待ちまして最終的にきめたいと思います。
  18. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に、地方制度調査会が許認可事務の地方公共団体への委譲を勧告いたしておるようでありますが、これについての御見解を賜わりたいと思います。
  19. 早川崇

    早川国務大臣 地方制度調査会の答申によりますと、府県市町村に対しまして国の事務を委譲するという一般的な答申が出たわけであります。具体的にどういう事務を委譲していくかにつきましては、目下引き続き地方制度調査会で検討いたしておりますので、その結論を待ちまして処理いたしたいと思うのであります。ただ一つ東京都の特別区に対する事務委譲につきましては、今国会におきまして再度提案をいたしまして、大幅な特別区への事務委譲というものを国会で御審議を願っておるわけであります。
  20. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この地方制度調査会の権限委譲の内容を詳細に見てみますと、相当膨大なものがあるわけでありますけれども、やはり事務的な段階で相当下へ移してもいいというようなものが見受けられるわけであります。これは自治大臣の立場と各省の持っている立場と相違点があろうと思うのですけれども、地方自治というものを強化するために、やはり強力な方向でやっていかなければならぬと思うのですが、これについての大臣のお考えをもう一度聞いておきたいと思います。
  21. 早川崇

    早川国務大臣 基本的に日本の明治以来の官庁機構のあり方が中央集権的であり、中央官庁の官僚というものが、先進国に追いつくために官僚国家として出発したわけでございます。したがって自治体というもののほんとうの成長が民主主義の国に比べましておくれておるのが、補助金の制度とかいわゆる指導行政ということになっておるわけでありまして、これは日本の民主主義の発展のためには改めなければならない、むしろ自治体がますます育って、大幅にみずからのことはみずから処理するような方向に政治を持っていかなければならぬ。そういう意味ではできるだけ消化し得る能力のある自治体には事務あるいは権限を委譲していく。また補助金等合理化審議会の御答申にもありましたように、わずかな補助金によって中央政府が何でもコントロールしていく、こういう姿は、中央官庁への陳情政治を助長するゆえんでありますから、こういったものの整理という答申についても私は非常に賛成をしておるわけでございます。いずれにしましても、問題が広範囲にわたり、各省にわたる問題でございますので、この補助金等合理化審議会の答申と地方制度調査会の答申、さらには臨時行政調査会というのをいまやっておりますが、こういったものが全部結論が出そろったときに、相当思い切った制度の改革を必要とする時期がくると思うのでありまして、その結論を待ちまして、自治大臣といたしましてはできるだけ自治体というものに仕事を移していく方向で考慮したいと考えております。
  22. 勝澤芳雄

    勝澤委員 基本的には私も大臣と大体考えが同じでありますけれども、いま補助金問題が出てまいりました。補助金あるいは委託費あるいは交付金、こういうものを詳細にながめてまいりますと、相当むだなものがたくさんあるわけであります。われわれがここでそれをなくしたらどうだということで、この場では大臣も納得されて、みなお帰りになるのですけれども、予算の時期になりますと、むしろ減るよりもふえてくるという傾向がある。これはやはり各省ごとでそういうものを整理しようとしても無理でありますから、どこかで大きななたをふるって整理をしなければいけないと思うのです。その点ではやはり地方行政を担当していらっしゃる自治大臣としては、補助金、委託費、こういうようなものについて大幅に不必要なものはやめるというようなことについては、積極的に努力をして、陳情政治、あるいは各地方団体というよりはむしろ補助団体といいますか、こういうものについての規制を考えたらどうかと私は思うのですが、それらについていかがでしょう。
  23. 早川崇

    早川国務大臣 御趣旨に賛成でございますが、補助金をぶった切った、それによって浮いた予算を地方へ全部移譲しなければ何にもならぬわけでありまして、その間の問題が残りますけれども、お説のような方向で努力をいたしたいと思っております。
  24. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に消防に対する問題でありますけれども、これについての国の施策というのは、どうも私は積極性が欠けているというふうに思うのです。具体的にたとえば三十九年度の予算を見てみますと、消防施設整備費は前年と同じ、あるいは救急自動車の設置補助金も要求があったけれどもなしといったような点から考えて、国は消防活動というものについてどう考えているか、たいへん疑問に思うわけでありますが、この点についての大臣の消防に対するお考え方をまずお聞きしたいと思います。
  25. 早川崇

    早川国務大臣 消防というのはなかなかはなばなしいはでなものではありませんので、お説のようにどちらかというと目立たないために、国の施策として不十分な点が多々あろうかと思います。しかしながら、本年度は、たとえば消防団員の十五年勤続者に対しましては国のほうで三万円ないし七万円という退職報償金制度を立法化いたしまして、今国会に御審議を願っておるわけであります。なおまた、消防の施設あるいは消防車につきまして、従来町村に税外負担がこれまた非常に多かったわけであります。これに対しましては交付税の中の単位費用を引き上げるとか、交付税の算定上消防施設に対しましては十分な配慮をいたしまして、税外負担をなくする方向で努力をいたしておるわけでございます。したがって、消防が非常に重要な国の施策の一環であるという点におきましては、われわれも十分考慮しておるわけでございます。
  26. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いや、大臣、重視をしているというのですけれども、実際には予算を見ますと何も重視をしていない結果が三十九年度の予算の中には出ておるわけです。特に私が指摘したいのは、消防の施設を整備しなければならぬということを強調していながら、とにかく予算的には何も変わりがない。大臣の担当の警察の装甲車のほうは一生懸命つくるけれども、救急自動車のほうの要求については何らめんどうを見ていない、こういう点が実は予算面ではっきり現われているわけです。それで火事でもあれば、やれ消防はどうしたということになるという点から考えてみても、もう少しこれについては真剣にやるべきではないか、こう思うわけであります。そういう点で、それと同時に、今度は地方自治体におきましても、やはりほかの予算にとられますから、一応地方交付金の中で消防費というものを算定しながら出されておるものについても、十分に私は使われてないように思う。国がそういうふうに消防活動というものについて熱心でないので、地方においてもやはりどうしてもほかのほうに回って、そうして足りない分は税外負担、税外負担ができなければ、そこでは消防自動車もない、あるいは救急自動車もないというような現象が多いわけであります。こういう点について、もう一言消防についてひとつもっと積極的に努力をするという決意をお聞かせ願いたい。
  27. 早川崇

    早川国務大臣 消防に対して非常な御理解ある御意見、感謝にたえません。常設消防につきましては政令で今回も五十近く指定いたしまして、これに伴う施設もやることになっておるわけであります。何と言っても火災で死傷するとたいへんであります。またそれによる物質面の被害は莫大でございます。消防につきましては今後とも努力をしてまいりたいと思いますが、なお事務当局から予算面その他でわれわれの力を入れておる点を補足説明いたさせたいと思います。
  28. 川合武

    ○川合政府委員 消防施設に対する補助につきましては、本年の予算額は昨年度と同じでございまして、伸びておりませんことは事実でございますが、救急車につきましては、この中で全部とは申しませんが、特に財政上必要なところにつきまして補助をする予定でございます。  なお、つけ加えますが、施設補助費の中には、御承知のようにポンプ、自動車、無線、防火水槽あるいは消防学校設置費等が入っておるわけでございまして、そのときどきの地方の実情並びに私どもの考えております整備計画とにらみ合わせまして配分をいたす予定でございます。たとえば府県の消防学校につきましては漸次整備をいたしてきておりますので、あるいは前年度よりも少し数を減らすということもあり得るわけでございます。要するに、この本年の予算額で御審議の結果成立いたしましたときに配分の問題になるわけでございますが、その中で救急車等につきましても、できるだけその合理的配分について努力いたしたいと思っておるわけであります。なお全体のレベルアップにつきましては、今後大臣の御趣旨に沿って私どもも努力いたすつもりでございます。
  29. 勝澤芳雄

    勝澤委員 消防活動が大事だということを言っていながら、実際には、事実行為としては、予算は去年と同じだ、こういう事実の中で政府のこれについての考え方というものが出ていると思うのです。  そこで次に、常設消防と義勇消防の二つの問題で、まず常設消防の問題ですけれども、消防署員の待遇の問題で実は驚いたわけであります。一応国の権限はないでしょうけれども、ある市に行きましたら、消防署員の話では、実は市役所の職員と比べると、消防署員というのは同じ市役所の職員でありながら、職員団体を結成することができず、労働条件は同じであるべきにかかわらず、超過勤務手当もろくに払われていない、一月のうち休みもろくにないというような、勤務や給与の面で不平等な点があります。これは市会で問題になりましたけれども、いやそちらのほうまで金が回らなかった、人が足りないのだということで、無理な勤務の押しつけ、あるいは労働基準法違反の賃金不払いがあったという例があるわけでありますけれども、これはただ一つの例ではないだろうと思う。まだほかにもこういう点があるのではないだろうかという気が私はするわけであります。気をつけて市会議員の人たちに聞くのですけれども、ここまで気をつけておる人というのはなかなか少ないようであります。そういう点で、消防署員の処遇といいますか、勤務とか給与というものについて、どういうふうにお考えになって、どういうふうな取り扱いがなされるのが至当であって、それについては自治省としてはどういうような指導を行なっておるか、この点についてまずお尋ねいたします。
  30. 川合武

    ○川合政府委員 消防職員の処遇と申しますか給与につきましては、地方団体のことでございますので、私どもが個々に立ち入って具体的にいろいろ申すこともいかがかと思いながらも、ただいま御指摘のような点が多々ございますので、水準の向上と申しますか、具体的に申しますならば、公安職に準ずる、公安職と同じような給与の体系をとってもらいたいということを希望しておるわけでございます。ただ現実にはまだその状態まで至っておりませんで、正直に数字を申し上げますと、これは三十七年の調査でございまして、集計ができましたのは昨年でございますが、いま一般行政職と同じ給料表を使っておりますのは四百十五でございます。公安職の給料表を使っておりますのが八十四でございます。その一般行政職の給料表の四百十五のうち、一般職と同様の給料表を使っておりますが、一般吏員と初任給等で調整を行なっておりますところが百七十五、行なっていないところ、すなわち全く同じと思われるところが二百四十、こういう数字でございますが、その後、ただいま申しましたようにこの数字は三十七年の五月現在の姿でございまして、この集計ができましたのは三十八年でございますが、その後市町村の努力で、若干この数字がレベルアップしておると思いますが、まだまだとも思いますので、今後十分に努力していきたいと思っております。
  31. 勝澤芳雄

    勝澤委員 大臣にお尋ねしますが、消防団員の団結権の問題、これについて大臣のお考えを承りたい。
  32. 早川崇

    早川国務大臣 これは一般公安職員に準じて考慮すべきものでありまして、職員組合をつくるということは適当でないと思っております。
  33. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いままでの経過がありますし、ILO条約批准等との関係もありますので、あまり突っ込んだ質問はいたしませんので、その点はそのままにしておきます。  次に、三十八年の八月に消防審議会が消防団問題についての中間答申を行なっておる。その中の第一の問題であります。最近消防団員になり手がない。どうして消防団員を確保するかという問題あるいは消防団員の処遇についてどうしたらいいだろうか、こういう点について答申がなされておるようでありますが、これについてのお取り扱いはどういうふうにされておりますか。
  34. 早川崇

    早川国務大臣 あの答申の中で、長期間義勇消防団に勤務した人に対する何らかの処遇をせよということにつきましては、先ほど申し上げましたように、十五年勤続者に対しまして、三万ないし七万の退職報償金を出す、こういうことにつきましては、今国会で立法化をいたしておるわけであります。それ以外の問題につきましては、御承知のように農村の若手がどんどん都会に集中していきます関係上、十五万人やめる中で補充が十万よりできないという状況で、五万人減っておる現状でございますが、これは非常に重要な問題でありまして、われわれといたしましては、出動手当が現在二百円でございますけれども、そういった面でもあまりにも低いじゃないか。従来百五十円であったのを二百円に上げたのですが、地方財政の許す限り今後増額をしていくとか、いろいろな方法も講じなければならないのではなかろうかと思っております。しかし根本的には若い青年の都市集中化の傾向というものが、根本の原因でございますので、なかなかこれはむずかしい問題でございまして、今後研究してまいりたいと思っております。
  35. 勝澤芳雄

    勝澤委員 だいぶ前に出動手当が五十円だとか百円だとかいう話を聞いて驚いたわけでありますが、これはまさに義勇消防で、滅私奉公というやつですね。そしてまた風水害あるいはその他の災害のときにおける消防団活動を見ておりますると、実に献身的な活動で、われわれは敬意を表しているわけであります。が、しかしその報償がほしくて出ている方々ではないのですけれども、やはり相当なめんどうを見るべきだということで、一応一回二百円というところまできたようでありますけれども、これはいま大臣言われたように、もっと、やはり全体的な問題と考え合わせながら考慮しなければならぬと思う。そこで、最近、この消防団員の公務災害補償の場合で聞いてみますと、いま七十万から百二十万という公務災害補償になっているそうですけれども、これでやはり、自動車の災害補償が今度百万になるわけでありますから、当然これは検討されなければならぬと思っております。  それからこの共済基金の状況が、全国で八二%しか加入していないというようなことが、三十八年四月一日現在ですか、載っておりますけれども、これはやはり一〇〇%加入さすべきであるということと、それから公務災害補償の基準の引き上げを行わなければならぬじゃなかろうかと思うのですが、その点についてはいかがでしょう。
  36. 川合武

    ○川合政府委員 基準の引き上げにつきましては、お話の出ましたように、自動車の損害補償のほうが額が上がる予定であるというふうに私どもは聞いておりますので、そのような暁には私どものほうの関係の消防団員の公務災害補償の基準も引き上げなければならないと思っております。消防団員の公務災害補償の基準は、たとえば警察官その他、似ておるといいますか、一般の関係のありますものとバランスをとってやっております関係がございますので、それらの関係と十分連絡を考えながらレベルアップに努力いたしたいと思っております。加入率は御指摘のとおりでございまして、まだ未加入のところは一八%ほど残っておるわけでございます。これは当初できましたときに、実は各市町村でそれぞれこの公務災害のことをやっておりまして、すでに県単位の事務組合をつくっておったところなどがございましたものですから、そういうところはいろいろすでに一つの組織といいますか、事務組合をつくっておりましたものですから、一斉に加入というわけにいきませんでして、私どもは全員一斉加入ということを希望したのでありますが、漸次ということになっておりますが、本年すでに加入を予定しておるというふうに聞いておるところもございまして、漸次全市町村加入の見込みを持っております。さらに努力をいたしたいと思っております。
  37. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ふだんあまり気のつかないことでありますけれども、一たん何かあるとやはり一つの話題になる。やはり何か強化しなければならぬということになると思うのです。予算の編成期に火事でもあれば、これは消防の予算をふやさなければならぬということになるでしょうし、あるいは大臣が、いろいろな問題が起こったら、これはやはり義勇消防であって、特にこれについての公務災害については、もう少し真剣に、人命尊重という点から考えなければならぬ。ましてや四六時中心配しながら、一朝サイレンが鳴ったら飛び出してくる人たちですから、そういう点についてはひとつ、大臣も大いに努力をしてもらうということで、私は消防の関係を終わります。
  38. 片島港

    ○片島委員 関連してお尋ねしますが、私もことしの消防の出ぞめ式に出て感じたことですが、消防施設の充実を、ほとんど借金をしたり寄付を仰いだりして無理をして消防車などを設置しておる。ところが都会には運転免許を持った者がたくさんおりますけれども、農村に行きますと、運転手の免許を持った者はみなそれぞれの職についております。火事はいつ起こるかわかりませんけれども、火事が起こったり災害が起こったりしますと、免許のない者が運転しなければならぬ。取り締まるのはあなたのほうの関係、しかし消防車を動かさなければならぬのもあなたのほうの関係ですが、それが非常に多いのです。こういうときには大目に見るというようなことでも考えているのですか。免許を持たない者、しかし、そうしないと消防車が向こうまで動きません。動かないから無免許の者がやる、そういうときにはこれはいい、こういうことですか。
  39. 早川崇

    早川国務大臣 御趣旨の点わかりますけれども、ちょっと困難だと思います。
  40. 片島港

    ○片島委員 いやいや、そうじゃないんですよ。これはもう現実に私のほうではやっておるのです。私の村でも隣の村でも、現実に無免許の者が農協の車の運転手、役場の運転手、そういう者がやることに平素はしておるのですが、それはしかし仕事で農協の車は毎日出てしまう。ちょうど帰ってきたときに火事になったり災害があればいいんですが、必ず仕事に出ておるものですから、無免許でどうにか動かせる者が、しかもスピードを出して動かさぬとああいうのは大事な車ですから、そういうときには大目に見る、こういうようなことにでもしないと消防車は現実に動かないのですが、これについてはやはり特別に考える、こういうようなことにでもしてもらわぬことには、あなたのほうで取り締まりを厳重にするというと消防車は動きませんが、その点いかがですか。
  41. 早川崇

    早川国務大臣 そういうものは大目に見るわけにはまいりません。
  42. 片島港

    ○片島委員 それは大目に見なかったならば、消防車は動かないんですよ。だからそういう点は私は非常に考えてもらいたい。特にこの消防団員がいまだんだんと減って、しかも働き盛りの人ですからみなよそに働きに出ている。これに対する対策ですね。それは地方公共団体がかってに考えればいいんだ、年齢をひとつ中学を出てすぐから四十五なり五十五までやるんだとか、あるいは女子を編成してやるんだとか、どの程度の消防の人的——物的のほうは何とかできますが、その対策をあなたのほうで何か基本的なものを持っておらなければならぬと思うのですが……。
  43. 川合武

    ○川合政府委員 基本的な対策と申し上げられますかどうか、その点は恐縮でございますが、先ほど出ました、私どもで機関要員と言っておりますが、要するに運転します者、それが同時に現場に着きましたときにポンプを動かす者でございますが、これだけは、極端にいいますと一人だけは絶対にいるようにということを平素やっております。やっておりますが、お話のようなことがあり得るわけでございますが、それにつきましてはちょっと御質問の中にも出ましたが、これは応急措置でございまして、根本対策と申せませんが、昼間はさようなところにおきましては役場、農協、ことに私どもが言っておりますのは役場でございますが、消防団本部からポンプを役場に持ってきておりまして、そして機関要員は役場の者に消防団員になっておってもらいまして、そうしていまの機関要員、要するにドライバー、これは適格なといいますか、免許をちゃんと持った者が運転していくようにということを一昨年通達をいたしまして、さような指導をいたしておりますが、まだ十分行き渡っていない点がございましたら、今後注意をいたします。
  44. 片島港

    ○片島委員 もう少し実際の状態というものを把握していただきたいと思います。これは私の村ですが、役場と農協と共済組合、森林組合あらゆる組合を入れて特別本部というのがあるわけです。それは第一部、第二部、第三部というのでなくて、いわゆる村の消防本部の本部員がだんだん減って、年寄りのじいさんたちは行っておりませんから、若い者ですが、何と三十人くらいの本部員がおったのですが、ことしの出ぞめ式では六人ですよ。その全部の職員から、組合から、役場から入れてたった六人です。もちろん運転免許を持った者はその中にはおりません。そういうような実態というものをもう少し把握していただいて体制を整えるようにしてもらいたい。そして一番働き盛りの人が消防団員でありますから、やはりしょっちゅう訓練をしておらないと、なかなかうまくそのときになっていくものではありません。これは私たちは小学校のころから前へ進めとか右へならえとかいっておりましたけれども、いまはそういうこともしません。いまはほんとうにああいう団体的な統一された訓練をやっておるのは、いなかに行きますと消防団ぐらいです。戦後派という若い連中は知らない。そうすれば、常にそれを訓練をしていかなければならない。働き盛りの人は、農村では人手がない。これに対する消防というのは、火事があったときにわずか二百円ぐらい出す。こんなものではしょうがないと思う。やはり農村の現状というもの、実態をよく把握をしていただいて、消防団の人的な施設の充実、またそれに対する処遇、こういったような問題は大臣のほうで——いま勝澤委員からもいろいろ質問がありましたが、いわゆる消防署員でなく、農村における消防団の体制というものを真剣に確立するように努力をしていただきたい。大臣の心がまえをひとつお伺いしたいと思います。
  45. 早川崇

    早川国務大臣 片島委員の御意見に沿いまして大いに努力をしたいと思います。
  46. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この警察の決算の中で、三十六年、三十七年の活動旅費十五億九千四百万、三十七年十七億、それから捜査費三十六年度で八億九千万、三十七年度で九億五千万、この大まかな使い方といいますか、それをひとつ説明願いたいと思うのです。
  47. 浜中英二

    ○浜中政府委員 活動旅費につきましては犯罪の捜査、取り締まり、警備出動、警衛、警護、その他警察活動の遂行のために必要な旅費でございまして、それぞれ法令の定める手続を経て行なっておるものでございます。捜査費につきましては、捜査費の特殊な性格にかんがみまして、いわゆる簡易証明の制度によりまして使用いたしておるのでございます。大体捜査費の内容といたしましては、捜査本部に必要な経費、たとえば什器の借り上げとか、あるいは緊急の交通費とか、その他捜査本部に要します雑費、さらに情報提供者とか協力者に対します謝礼、張り込み、聞き込み、追尾等に必要な緊急の交通費とか、家屋等の借り上げの謝礼、有料施設の入場料等に要する諸経費、こういうような内容によって支出いたしております。
  48. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは地方に落とすのですか。警察庁自体で全部これをお使いになる、こういう使い方になるのですか。
  49. 浜中英二

    ○浜中政府委員 これは原則といたしまして地方に落として使用させております。
  50. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると地方警察に対する交付金とか補助金、こういうものになるのでしょうか。
  51. 浜中英二

    ○浜中政府委員 ただいま御説明申し上げましたのは国費でございます。それから活動旅費や捜査費の中には補助金もございますが、府県自体の警察活動に要しまする費用といたしまして、補助金といたしまして——捜査費につきましてはそういうような費用もあります。
  52. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、この活動旅費なり、捜査費の中から、そのときの必要によって府県に落としていく場合もある、こういうことですか。
  53. 浜中英二

    ○浜中政府委員 これは府県が使うための費用として組んでおるわけでございます。ただ国家的なそういうような国費使用の負担区分になりますものについては、これを国費で府県に流していく。ですから、そもそも府県自体の活動経費と申しますものは、補助金という形で府県に配賦いたしておるわけでございます。
  54. 勝澤芳雄

    勝澤委員 府県に落とすのは別に項目があって、それで落としている、その上にこういうものがまた落ちる、こういうことですか。
  55. 浜中英二

    ○浜中政府委員 国の公安にかかわるような費用につきましては、直接国で各府県別の割り当てをきめまして、府県に配賦いたしております。
  56. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ちょっとよくわからないんですが、会計検査院のほうで、これは十一条の計算証明に基づく事項なんですけれども、一般的なものは各府県警察に補助金という形で出ているのですが、こういうものはどんなふうな形で落とすことになるのですか。内容よりも落とし方だけれども。
  57. 樺山糾夫

    ○樺山会計検査院説明員 警察の経費が国費支弁になるものと地方費支弁のものと両方ありまして、国費支弁になるものは警察法で、ただいま御説明がありましたように、公安関係とかそういったものが国費支弁の経費となるわけでございます。ただいま先生がお述べになりました決算上の金額は国費支弁の捜査費、報償費の金額でございます。それらのものは、会計検査院としましては簡易証明の取り扱いをいたしております。取り扱い責任者から末端は警察署長まで流れております。そのほか、地方費支弁の捜査費につきましては、補助金として、二分の一の補助金が別の費目から出ている、こういうことになっております。
  58. 勝澤芳雄

    勝澤委員 会計検査院にお尋ねしたいのですが、計算証明の行なう項目はきまっているようでありますが、この項目についての金額も、一部的なものというのは、金額はどういうような区別にできているのですか。あるいは、この計算証明に基づくものは一体どういうような検査が行なわれておりますか。
  59. 樺山糾夫

    ○樺山会計検査院説明員 報償費と捜査費とございますが、報償費は、部内警察職員の功労者等に対する表彰の費用も含まれております。そういった種類の経費は特に機密を要するものでございませんので、普通の証明となって、検査院に証拠書類も参っております。そのほかの警察に対する協力、援助に関する報償金等が簡易証明の扱いをいたしておるわけであります。それから捜査費のほうは全額簡易証明の取り扱いをいたしておりまして、ただいま警察庁のほうから御説明になったような区分で使用いたしておるわけです。
  60. 勝澤芳雄

    勝澤委員 たとえば内閣官房交際費の一部とか、あるいは法務省なんかでも報償費の一部、警察庁にも報償費の一部というのはありますが、これは内容において計算証明するのですか、あるいは大まかな金額というのはきまっておるのですか、取り扱いはどういうようになっておりますか。
  61. 樺山糾夫

    ○樺山会計検査院説明員 報償費によりましては、先ほど御説明いたしましたように、経費の性質によって簡易証明になるものと正規の証明になるもの、こういうような承認をいたしております。三十七年度決算額で申し上げますと、報償費の決算額は二千七百九万円でございますが、そのうち千九百九十四万円が簡易証明の扱い、こういうことになっています。
  62. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから警察の外郭団体というわけではないのでしょうけれども、民間団体ですか、交通安全協会とか、あるいは防犯協力会ですか、こういうようなのはどういうような扱いになっているのですか、あるいはどういうような関係になっているのですか。
  63. 浜中英二

    ○浜中政府委員 日本交通安全協会あるいは防犯協会は、財団法人という意味におきまして総理府の総理大臣の監督を受けておるわけであります。そういう立場にありますので、総理大臣の委任を受けまして、警察庁長官が法人の監督をいたしておる、こういうような状況でございます。
  64. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この役員という人たちは民間団体でしょうが、交通安全あるいは防犯に協力する、こういう関係は純然たる民間が交通安全あるいは防犯に協力する、こういう形のものなんでしょうか。それとも警察の仕事のお手伝いといいますか、ある一つの小単位に見てみますと、具体的にどういう限界といいますか、扱いになっているのでしょうか。
  65. 浜中英二

    ○浜中政府委員 純然たる民間の団体という形で運営されておりますが、仕事の内容が警察の交通関係と非常に密接な関係にございますので、両者の一体的な協力関係によりまして仕事を進めておるというような状況でございます。
  66. 勝澤芳雄

    勝澤委員 最近交通が激しくなりまして、たとえば道路に線を引いている、こういうようなのは交通安全協会の人たちがやっている例もよくあるのですが、これ以外にたとえば信号機をつくれというような点などについて地元で負担をさしているというような例が出ているのです。ああいう信号機というようなものは、これは国なり県なり、そういうところでやるべきものじゃないだろうかと私は思うのですけれども、それらについてのお考えはいかがでしょうか。
  67. 浜中英二

    ○浜中政府委員 信号機の設置につきましては、予算措置といたしましては補助金を計上いたしまして府県にやらせておるたてまえをとっております。
  68. 勝澤芳雄

    勝澤委員 府県ができないというような場合あるいはまた府県警察ではまだ必要ない、しかし地元から考えると、児童の通学などから当然ここは設置すべきだ、こういうような場合に、私たちが考えると、やはり地元の要請にこたえて安全な道として信号機というのは当然県警察でつけるべきだ、こう思うのです。そういう場合に地元負担さしておる例があるわけですが、そういう点についてのお考えはいかがでしょうか。
  69. 浜中英二

    ○浜中政府委員 原則といたしまして地元負担のないように財政措置をしていくべきでございますが、今日の状況におきまして、そういうようなやむを得ないような事情で地元も出し合って信号機を設置するという場合もあろうかと思っております。これも現在の段階ではやむを得ないものと考えております。しかし私どもといたしましては、あくまでも正規の財政措置によって信号機を設置していくという方針で指導いたしておるわけでございます。
  70. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで大臣にいまの問題でちょっとお尋ねしたいのですが、大臣はたまたま自治大臣と国家公安委員長と両方やっているものですから都合がいいのですが、これは行監で取り扱った苦情相談なんですけれども、群馬県のある町で児童の通学の道路にどうしても信号機をつけてくれという要請があったということで、町をあげていろいろ陳情したけれども、設置計画がないからだめだということで断わられた。それでこれが行政相談になった。調べてみたところが、結局金がないんだということで、地元で町長やPTA会長やあるいは区長あるいはいろいろな人たちがみな相談した結果、信号機設置委員会というのをつくって、そこで工事の負担金として地元で五十万集めて、県の公安委員会に再度陳情して、それを寄付にして、そして信号機ができたという解決事項として載っているわけでございます。  私はこれを見て、最近いわれている税外負担を軽減する方法として通達された結果として、これは自発的強制寄付なんですね。県立の高校を建てよというと、敷地を地元で出してくれぬか、一億五千万くらいの敷地を地元で負担して、ここへ学校を建ててください、そしてそういうものが県議会で問題になると、いや地元が積極的にこういう協力をするから高校を建ててくれというのだ、だからこれは地元が郷土愛に燃え、それにこたえるために高校を建てるんだ、こういう形が徐々に出ているわけです。私は強制希望寄付だというのです。私はこういうことはさせるべきじゃないと思うのです。させるべきでないというと、順番がまだここに信号をつけるのにはないんだということを言って、ここは信号ができない。だから地元の人たちは何とかしなければならぬ、こういうことになる。  ですから、税外負担軽減の問題をやはりそこまで微に入り細にわたってやらないと形式的なものになってしまって、実際には結局弱い住民にずっとしわが寄ってくるということになると私は思うのです。一つこの信号機の例をとってみてつくづく感じたわけであります。原則的には県警察で持つべきだ——原則も何もないわけで、信号機というのは当然県警察で持つべきなんです。そういう点については税外負担というのをただことばだけでなくて、現実に住民に密着して、早川大臣が自治大臣になったら、税外負担を軽減せよといったら、確かに現実に減ってきたんだということが事実の政治としてあらわれるように、私はしていただきたいと思う。  特にこの信号機の問題を取り上げて大臣にもう一言税外負担の問題、たまたま起きた群馬県のある町の信号機の問題を中心に、もう一度大臣の見解を賜わりたいと思います。
  71. 早川崇

    早川国務大臣 われわれといたしましては、税外負担をできるだけ軽減するためにいろいろなことをやっているわけでありまして、たとえば県立の高校に対しては法律で税外負担を禁止することをやったことは御承知のとおりであります。何ぶん財政が非常に豊かでありませんので、そのために順序がおくれる。そういう場合に税外負担が出てくることを絶滅することは私はむずかしいと思いますが、できる限り、財政の許す限り税外負担をなくするようにやりたい。  それからもう一つは、単価が低過ぎることからくる税外負担もあるわけであります。そういった面も、単価引き上げによりまして税外負担がかからないように努力してまいりたいと思います。
  72. 白浜仁吉

    白浜委員長 山田長司君。
  73. 山田長司

    ○山田(長)委員 ごく簡単にそれでは御質問申し上げます。  実はいままで私はないしょにしておったことなんです。時効にかかるような歳月になりましたので、きょうは一応大臣の耳に入れておきたいことがあるのであります。それは、消防ポンプの会社の重役が私のところに泣いてまいりまして、その事情を伺ったところが、そのポンプの重役が、実はとんでもないことをしてしまったのだ、どうしたらいいかひとつ御質問方及び御協力を願いたいのだ、こう言って私のところに頼みに来ました。これはあとで、いまどうしているかということを聞くわけなんですけれども、その当時のことをずっと申し上げると、消防ポンプの検査の衝に当たる署長と啓発課長がポンプの検査をするために私のところに来て、帰りに五万、十万ずつの金を持っていった、これがその受け取りですよと言って、私に受け取りの紙切れを出しました。それがためにどうしてもにせマークをつくらなければならない事態になって、にせマークをつくってポンプにつけたそうです。それで、それは事実かどうかというので、当時第二会館の私の部屋へその二人の人を呼びつけまして、徹底的に究明をいたしまして、一ヵ月以内にやめるならばこの問題は国会の問題にしないと私は公約をいたしました。その結果、これはいままで門外不出になっておって、もう時効にかかったことなんできょうここで初めて話すわけなんですが、約束どおりこの二人は当時自治省関係をやめました。現在りっぱなところへ勤務しております。そのポンプが発見されたのは、たまたまにせマークを張ったポンプから水が出なかったのです。それがために大問題になってきて、ポンプ会社の人たちが検挙される段階になってきて、私どものところへポンプ会社の重役が、実は売ったマークは無検査で、にせマークをつくって出しましたと言って陳情してきた。そこで私は、すぐ自首しなさいというので、当時自首させまして、問題は解決がついたのですが、これは時効にかかったから、いまここで大臣に初めて耳に入れます。  そこであなたに伺いたいことは、その後何年たったと言いますと、そのとき二人が一緒にやめましたからあなた方の部下が調べればすぐだれだとわかりますから、名前もどこに勤務しているかも知っているけれども言いませんが、その後ポンプの検査というものはどんな方法でやっておられるか、実はまだその後耳にしておらないので、きょうはここで聞きたいのです。検査方法はどういう形でやられておるか伺いたいのです。
  74. 川合武

    ○川合政府委員 ポンプの検査は、本年の一月から義務検定と申しますか、検査を私どもの関係するところの、具体的に申しますと特殊法人の検定協会が行ないますが、規格その他につきましては自治大臣が定めますが、その検査を通ったものでないと売買できない、こういう昨年の国会での法律の改正をしていただきました。さような取り扱いと申しますか、検査をいたしております。なお検定協会には、特別十分なる検査を行ないます人間の資格さらに教養等につとめておる次第でございます。
  75. 山田長司

    ○山田(長)委員 ただいまのお話も、やはり私が何年か前に伺った当時の話と実は同じようです。私が申し上げたいのは、災害があって初めてそれがにせマークだったというようなことが発見されて、大問題を起こした。過去のことを振り返ってみまして、検査制度というものはよほど厳重にやらなければ、災害が起こったところへ持っていって、とたんに水が出なくなってしまったというようなことであったのでは大問題なんですよ。そこであなた方がポンプの種類を検定する場合に、でき上がったポンプというものをどういう角度で検査をするのか。実はポンプにもたいへんな差があります。それは中古品を一部分使ったものを塗りかえてしまった、いなかの消防の人が買いに来て、そのポンプを見た場合に、塗ってありますとしろうとには全くわからないのです。それがために価格の差が非常にありまして、この価格の差のある安いものを買っていったことによる失敗なんというものがあるわけです。ただいまのお話では、過去における検査のしかたとほとんど変わってないようですけれども、このことはやはり専門的な知識のある人たちがほんとうにその検査をして、それでこれはりっぱなものであるというマーク自体を、地方の消防団員というのは知らないのです。検査されているマークというのは、にせマークが出ても、そのマークを見分ける力がないのです。この点、検査の制度というものがもう少し厳格になされなければならぬ筋合いのものだと思うのですが、これはまあ大臣がいるうちに私はこの過去に起きた事件を知っておいてもらって、検査制度に対してもう少し見識のある——やはりこれはその機械知識のない人が検査をして形だけ見たのでは、なかなかわかる筋合いのものじゃないのです。どういう人がやっておられるか、最近の実情はわかりませんけれども、当時も、肩書きを言うとすぐわかる人ですから私は避けますが、表面はまことにりっぱな肩書きのある人たちです。その肩書きのある人たちが検査に行って、帰りにメモに金の金額を書いて、五万、十万ずつ持ってきているのです。これは私はきょう初めて話したのですよ。それは検挙もされていることですから、あなた方はいまここで言いますと、どの人であったかということがわかる。同時に二人やめていますから。私は一ヵ月以内にやめなければ国会で発表するぞと言ったものですから、とうとう二人ともやめたのです。それなので私は今日まで門外不出にしておった。きょう初めてここで発表するのですけれども、やはりこれは検査制度というものをもっと厳格にやらなければならぬと思うのです。そういう点、大臣の見識をひとつ聞きたい。
  76. 早川崇

    早川国務大臣 だいぶ前の話のようでありますから私は存じませんが、過去においてもそういうことがあったということはまことに遺憾しごくでございます。そういったこともあり得ることでありますから、われわれといたしましては、消防検定協会というものを設けまして、その検査については最善の措置を講ずるということになりまして、すでにもう発足いたしました。御趣旨のようなことは絶対に起こらないように、検定協会もよくやるように監督をいたしたいと思っております。
  77. 山田長司

    ○山田(長)委員 いろいろ聞きたいのですが、もう一点だけ大臣に伺っておきたい。  先ほど地方自治体の税外負担の問題について質問がありましたけれども、このことです。全国の市町村が全部、消防思想普及という名目で消防協会に金を出しております。その消防協会が、東京都なども六千万も金を出して消防会館を建設いたしました。ちょうどそれと前後いたしまして消防庁ができ、あるいは市町村会館ができた。この二つは坪十六万円でできたけれども、消防会館だけは坪二十六万円建設費がかかった。その建設費がかかったという点については、中身が多少違うということだったが、私は全部見てきたけれども、ほとんど変わりがありません。それで昨年これが株式会社に変わろうとした。一体、全国の消防団員がこれに関係してないなら問題ないですけれども、全国の消防団員は全部一人二百円ずつの拠出をいたしました。自治体は毎年毎年金を出して、消防思想普及という名目でこれに協力しております。ところが私が予算委員会でこれを質問しましたので、ひとまず株式会社化はとまりまして、株式会社にならなかった。これは、地方の団員が来て安く泊まり、安く食事ができるというたてまえである。これは決して安くもないが、そういうたてまえでこれはできた。それがややもするとまた株式会社になろうという動きがあるように伺っているのであります。監督の自治省といたしましては、やはり地方の自治体や消防団員が金を出してつくったものが、知らないうちに株式会社になってしまうということは、まことにこれは許せないことだと思うのです。この点、大臣としては、これが株式会社になることについては、やはり阻止するような指示をしなくちゃいかぬと思うのです。株式会社化されることは、自治体としても金を出しているのですし、消防団員も金を出しているのですから、どういう名目でやるのかしらぬけれども、これはやはり大臣としても勧告をしておかなくちゃいかぬと思うのですが、この点はどうですか。
  78. 早川崇

    早川国務大臣 好ましくないことでございますのでやめました。
  79. 白浜仁吉

    白浜委員長 押谷君。
  80. 押谷富三

    ○押谷委員 公営事業関係につきまして大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  先ほど大臣の御発言の中に公営企業の収支計算は相当大きな赤字が出て、特に数字を示されて交通事業関係の赤字が大きいことをお話しになりましたが、なるほど交通事業は大きな赤字を出しておりまして、一例を申し上げれば、大阪の場合、最近三年間の累計が六十億ぐらいになっていると聞いておるのでありますが、こういう公営企業の大きな赤字は、地方自治体の財政に大きな影響がありまするので、これは何らかの手を打ってもらわなければならぬ。   〔委員長退席、福井委員長代理着   席〕  そこで大臣のお話の中にもありましたが、料金の改定の問題であります。指定都市のすべての市長が相寄って、超党派的に料金改定につきまして、いろいろ要請をいたしておるようでありますが、この赤字解消は地方財政の確立の上にはぜひ必要なことでありますが、その手段として第一に考えられるのは、やはり料金の改定だと思います。もちろん所管大臣があることでありますが、自治体の大元締めであられる大臣におかれては、この料金改定については、どういうお考えをお持ちになっていらっしゃるか伺いたい。
  81. 早川崇

    早川国務大臣 公営企業は独立採算をたてまえにしておりますから、受益者が負担して経営していくというのが、公営企業であろうとも私は筋だと思うのであります。なぜならば民間に比べまして固定資産税事業税、その他税金は全部免除になっております。ただ不採算路線もやらなければならないから、そこは公営企業の特色がありますので不利な面もございます。そこで公営企業のバスを例にとりますと十二年間値上げをしておらぬわけであります。他方従業員は、公務員のベースアップがあるとともに六回も八回も事業には無関係にベースアップをしておりまして、東京都のごときは、大体平均賃金ベースは四、五万、三十年で退職したら何百万という退職手当が出るとか、非常に処遇が高いわけでありまして、それを別にいたしましても、われわれは現在の実情から言いまして一割五分ぐらいの運賃値上げは必至だというので要望いたしましたが、政府全体としての物価政策もございますので、一年間公営料金をストップする。その中には交通事業が入るということになりまして、そのためにもしそういった面の別の合理化がなされなければ四十八億の、六大都市のバスの赤字がまたふえるわけでありまして、われわれといたしましては、その間のこの一年間のつなぎをどうするか、国の政策としてストップさせたわけでありますから、何らかの措置を講じなければならぬと思いまして、目下関係各省と真剣に検討いたしておるわけであります。一年後のことはいまからはわかりませんが、物価が下がったり、あるいは道路がよくなって回転率がよくなったり、経営の合理化がなされたりして、あるいは値上げしないで吸収できる面も出てくるかもしれませんが、私は料金値上げをしないで赤字をなくしていくということは、非常に困難だろうという見通しを立てております。
  82. 押谷富三

    ○押谷委員 政府の方針として一年間公共料金をストップするという、これは私も了承しておるのでありますが、ネコもしゃくしも一律に一年間ストップするということについては、どうも納得ができないわけであります。やはりストップしなければならぬもの、ストップをさせてもいいもの、ストップをしてはならないものと、いろいろ事業自体を具体的に検討をされて、御研究になるのがほんとうではないかと私は考えております。十二年間も一ぺんも料金を上げたことはない。都会の交通事情はますます悪くなってくる。また賃金はふえてくる。最近公共料金ではありませんが、政府の公定、公にきめられた彼ら業者に対しての負担の金額はふえているのです。たとえばガソリンの税金を上げれば上げた分だけ業者の負担がふえておるわけであります。企業者には負担がふえておる。また強制賠償の保険が倍額になれば、保険料はそれだけふえるのです。またベースアップをせられれば、そのベースアップはやはり地方の自治体の職員全部に及ぶのですから、これもやはり公にきめられた影響を受けるのであって、こういう事業者の支出、負担というものは、公にきめられたために加重されるということは現実に行なわれている。そうすると、料金はストップしておいて、彼らに負担をさすほうはどんどんと遠慮会釈なしに公にきめて、政府のやる公共料金はふやしていくというようなことになるところに、私はどうも政治的に矛盾があるように考えます。自治大臣も非常に御配慮いただいていることはよく承知をいたしております。そしてこの苦しい地方自治体が、地方財政をどうして切り抜けるかということについて、料金を上げなければいけないところを、何らかの方法を当然考えてもらわなければならぬのですが、いまもおっしゃるように、ことし一年で六十数億の赤字がまた増すというような、たいへんな赤字の累計がかさまる一方でありますから、ぜひ適当な機会に、所管大臣にもしっかりと、自治体の親玉としてがんばっていただきたい、こういうことを特に要望いたします。また、何か、彼らの財政を救済する代案等お考えであれば、伺えればたいへんしあわせだと思います。
  83. 早川崇

    早川国務大臣 先ほど申し上げましたように、起債の償還期限の延長とか利子補給とか、一年間の暫定措置をどうするとか、目下関係各省と折衝中でございます。いずれ具体案ができましたらお答え申し上げます。
  84. 押谷富三

    ○押谷委員 もう一つ。最近われわれのグループにおいてやっております治安対策の研究会で、各治安関係の機関を調査をいたしたことがあるのでありますが、最近犯罪白書ともいうべきものから見ますと、少年犯罪、若い人の非行がどんどんふえてきております。その中には相当凶悪なものもあります。また暴力団関係の犯罪も決して楽観するような状況にはありません。ますます悪い状況にあると考えてもいいと思うのでありますが、こういう時代に、防犯あるいは犯罪の検挙、警察行政を行なわれる第一線の警察官の人々が、今日の警察官職務執行法で非常に不便を感じているということがあれば、これは先年大騒動をいたした警職法改正問題もあることですから、ためらわれることはわかりますけれども、こういう時代に、完全に治安を守り、完全に刑事警察の職務を執行する、防犯警察を完全に行なうという場合においては、最小限度においても今日の警職法を改正する、そして職務執行にある程度の便宜を与えるという時期が到来しているのではないかと実は考えるのですが、この点について、国家公安委員長の立場におられる大臣の御意見を伺いたいと思います。
  85. 早川崇

    早川国務大臣 治安に対する御理解ある御意見、非常にあれでございますけれども、戦争前に比べましてたとえば戸口調査ができない、警職法が非常に不備である、あるいはその他立法的に非常に不備を感じながら、私は警察官はよく働いていると思います。しかし同時に民主主義、人権というような面がありまして、警職法というものを改正することは非常に重要な問題でありまして、目下のところはもちろん考えておりません。ただ私は、暴力犯罪防止のためには、やはり犯罪が引き合わないというきびしい処罰——すぐお礼参りとか権利保釈で出てくるということでは治安が守れませんので、銃砲刀剣を持った傷害罪とかあるいは常習として暴力行為をやるいわゆる暴力団に対しましては、今国会で暴力等処罰法を提案いたしておりまして、権利保釈とか、あまりにも軽い刑罰は引き上げまして暴力を絶滅する、こういう立法措置だけはぜひやりたいと考えておりますが、警職法改正は考えておりません。
  86. 福井勇

    ○福井委員長代理 吉田賢一君。——吉田委員に希望いたします。参議院のほうに大臣が予約があるようでございますので、大臣の質問をなるべく集約して願いたいと存じます。
  87. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこであなたに御希望申し上げますが、ひとつ大臣も端的に所見をお述べいただきまして、決算委員会審議ではありますけれども、かなり建設的な関係においてお尋ねしたいと思います。私の伺いたいのは、最近の地方財政が相当実質上窮迫悪化しつつあるんじゃないかと見ております。ずいぶんとたくさんな国会に対する陳情団がございますけれども、こういった実情から推しましてもそれが想像せられます。若干資料が古いのですが、自治省が本年一月にお出しになった三十七年度の地方財政の概況によりますと、全国の市町村の赤字団体は四百四にのぼっております。三千四百六十のうち四百四が赤字団体であります。赤字団体の何に基因するかということは、これは十分に究明していかねばなるまいと思いますが、同時にまた、自治省自身はみずから事務をおやりになるところではありませんけれども、自治省の関係するこれらの地方自治体などが会計検査院の検査にひっかかりまして、批難事項として指摘されておることも、毎年ずいぶん出てまいります。    〔福井委員長代理退席、委員長着席〕 こういう観点から、私は、地方財政を圧迫する一つの重要な原因といたしまして、公共文教施設の予算単価の問題を取り上げてみたい、こう思っております。そこで、予算単価につきまして伺いたいのですが、公共文教施設の、正確に言うならば義務教育諸学校施設費国庫負担法という法律がありますが、この法律に基づきまして第一、中小諸学校などの校舎の新築もしくは増築に要する諸経費を国は一定の条件のもとに負担することになっておりまするが、これはこの法律によりますと第三条の一項、四号には「小学部及び中学部の建物の新築又は増築に要する経費二分の一」、第五号は同じく「校舎の新築又は増築に要する経費二分の一」となっておりますが、一体この経費というのは具体的に何をさすのですか。
  88. 早川崇

    早川国務大臣 学校施設の単価が低いというのは、われわれも常に大蔵当局に要求しておりまして、来年度は現在より七%単価を引き上げすることになりました。それでも不十分だと思いますけれども、何とかやっていける段階になっておるのではないかと思うわけであります。ただ父兄なんかが非常に教育に御熱心なものですから、一部ではこういう施設をつけてくれ、ああいう施設をつけてくれというので、基本的な単価以上にせり上がっているという面もございましたが、われわれとしては、今後一そうの努力をして単価を妥当な線まで引き上げたいと思っております。
  89. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はいまの御趣旨のほどはわかりまするが、伺っておりますことは、二分の一とか三分の一とか、こういうことが計算の根拠となりまして建築経費となっておりますが、一体建築経費というのはこれは机上の経費なのか、あるいは文教施設の場合は文部省の想定する経費なのか、大蔵省の考える経費なのか、一体何をさすのかということを大臣に伺いたいのです。
  90. 岡田純夫

    岡田説明員 算定の基礎は、文部省のほうで今回から義務教育諸学校施設費国庫負担法を改正いたしますけれども、それの対象に取り上げますところの補助基本額、これを改正いたしまして、自治省としては補助金がついてまいるほか、その地方負担につきましては交付税の単位費用の計算に算入いたしまして措置いたします。
  91. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、文教施設の整備事業費の内容をなすことは存じておりますが、いわゆる単価というものをどうして決定するのかということをひとつ自治省の御意見として伺いたいのです。これがきまらなければ、われわれとしましてもよるところ明らかでないというふうに考えられます。
  92. 白浜仁吉

    白浜委員長 ちょっと待ってください。答弁をするのは、これは文部省の中尾教育施設部長か大蔵省の主計官からのほうがいいのじゃないですか。
  93. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 実は私は、文部省からも出席してもらっておりますし、大蔵省からも出席してもらっておりますが、各般の関係各省の御意見も総合いたしまして、結論的に、地方財政の監督の立場で大臣の意向を聞きたい、こういうふうに思っておったのです。大臣を先にやってくれというものだから、これは首尾転倒してしまったのです。こういう次第なのです。ほんとうはいろいろな資料を総合いたしまして、その上で大臣の御意見を聞くということが、大臣も意見を述べやすいと思うのです。いわば、いまのことは資料を引き出しているのですよ。質問の資料を並べているわけです。したがいまして、これはやはり私にしては大事な問題でございますし、ひとり文教の問題だけではなくて、建設省にも関係いたしますし、各方面に関係する問題でありますから、ひとつ典型的に取り上げてみたいと思っております。私としましては、できますならばここで——参議院でやるならばやってきていただいて、できるだけ簡潔に大臣と問答をいたしますから、結論はしゃんとしたことをいろいろお述べいただきたい、こういうふうに思っているのですが、いかがでしょう。委員長、おはかり願いたいと思います。この問題を続けていきましたら、事務当局から説明が出なければ、どうせ大臣は一々答弁しにくいと思うのです。しかし、大事な事務的なことこそ問題の中核をなしまするので、これをはずしては質問の体系ができてこないのです。そういうことになるのですが、どうでしょうか。——それでは、文部省から見えておりますね。
  94. 白浜仁吉

    白浜委員長 大臣が時間がありませんから……。
  95. 岡田純夫

    岡田説明員 国の措置の対象に取り上げておりますのは、先ほど申し上げましたように、従来の国庫補助基本額の考え方でありますとか、あるいは物価その他を判断いたしまして単価をどうするとか、これはそれぞれ専門の省がございますので、そちらのほうにお願いしている。ただ事実問題として、御指摘のように若干の地方団体負担のあることも事実でございます。たとえば三十六年度で申しますと、六割前後地方団体がプラスアルファしているといったような事実もございました。ただし、その後毎年にかけて是正もしておりますし、また三十九年度は、先ほどの大臣からの答弁のように、七%から是正しておりますので、だいぶ改善されてはおります。また、地方団体のほうの非常な要望に基づくところのプラスアルファと申しますか、そういう部分もございます。しかしながら、今後もさらに改善していくべき——何と申しますか、補助基本額そのものにも将来をかけて努力を願わなければならぬ点、そういうふうな判断と希望とを持っております。
  96. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、施策についてのあなたの意見を聞いているのではないのです。たとえば三十六年度の中・小学校の総合校舎、鉄筋の場合の予算単価は坪七万二千二百円です。木造の場合は五万六千二百円、こういうことになっておりますね。一体こういう数字というものは、もし現実にそぐはないというときは一体どうなさるのか、現実にかかわらず、超現実的にこれは設定するのか、一体それが法律のいわゆる経費に当たるのかどうかということなんです。東京都におきましても、三十六年の八月現在の調査でありますが、これによりますと、現実の予算実施単価が七万九千八十九円ということになっております。木造で四万二千二百十三円ということになります。こういうことであるが、一体それは何を妥当とするのか。法律の面からいったら、建築経費というのは現実の経費のことではないのか、その辺はどういうふうに自治省としてはおつかみになっておるのか、これはやはり起債も関連してくると思うのです。不足は起債を求めてくるはずでありますから、その起債が多いとか少ないとか、やはりそこに相当規制もあろうと思いますので、それにも重要な関係を持ってまいります。  それで伺うのですが、だから施策いかんと聞くのじゃないのです。単価そのものの妥当性、ものさしはどこに置いておられるのか。このように現実の実績と政府のきめるところの予算単価は全く食い違っている。
  97. 岡田純夫

    岡田説明員 自治省といたしましては、あくまでも国の補助基準の単価というものを対象にして、その裏負担について起債なり交付税なりを考えております。したがいまして、あくまでも大蔵省のほうで予算を積算されるといいますか、査定されるところの補助基準というものを御指摘の対象に判断いたしております。
  98. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私どもの立場からすれば、大蔵省とか自治省というのは二つあるという考え方ではなしに、やはり財政計画作成は一本の政府であるというふうに考えております。したがいまして両方ともお互いに、それは省の長官としての責任もおありだ。大蔵省がきめているからそれでやっていきますというのでは、これは政治にならぬ。だから私たちが聞くところの、経費でないところの架空なものがもし設定されて、それでもなお大蔵省がきめますから、そのとおりやっているのだというような、そんなことでは、不足額を起債を頼むと言ったときに、それを多いとか少ないとかいって査定する権威すら私はないはずだと思います。大臣、そういう点はどうでございましょう。
  99. 早川崇

    早川国務大臣 御指摘のように、予算単価というものが非常にきびしくきめられまして、そのために実際の入札するよりも低いという例が三十六年度ごろからありました。政府といたしましては、実際の単価になるように逐年努力をしてまいりまして、昭和三十九年度におきましては、先ほど答弁いたしましたように、さらに七%の単価引き上げを行なっておるわけであります。それでもなおそれでできないようなところは、あるいはケース・バイ・ケースを見ますとあろうかと思います。われわれとしては今後ともその単価是正ということに努力いたしたいと思っております。三十八年度はそういうことで公営住宅の単価が安いとか、あるいは高校職員給与の補助、事務費の補助が少ないとか、大体全国の四千近い自治体で三百億ほど地元負担がそのために持ち出しという面もありました。それに対しましては、自治省としては、そういう実情に即しまして、特別交付税とかあるいは起債をつけるとか、いろんな方法によりまして自治体として支障のないように努力をいたしておるわけでございまして、今後とも物価の値上がり等に即応した単価の是正に努力いたしたいと思っております。
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そういたしますと、現実の予算単価というものは、法律にこだわるようでありますけれども、必要な建築経費の二分の一とか三分の一に適合しない低いものであるということはお認めになっておるわけですね。
  101. 早川崇

    早川国務大臣 全然実情に合わない単価だとは思っておりません。その建築のいろんな節約その他で実行できる単価というわけでありまして、七%上がりますと、木造で四万円になりますか、鉄筋で七万二千円をこえましょうか、私は具体的に御坊市というところで小学校づくりをしております。そこで大蔵省できめました単価によって建築をやりますと、それでできるのです。ただ父兄が、それ以外にいろんな最小限必要でない付属施設も要望する。これは地元負担なり父兄負担になるのはやむを得ないわけでございまして、単価が全然実情とマッチしない単価だとは思っておりません。
  102. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、地方自治体というものはあくまでもその立体性を認めるというたてまえに立たない限りは、こういう問題の解決は、悪循環してなかなかできないのではないかとさえ実は考えるのであります。補助金を補助してやるというふうな考え方は、法律も規定しておらぬのでありまして、当然国の負担すべき割合をいっておるのであります。ことに義務教育という場合には、もし憲法の基本的人権のたてまえからいいますならば、つべこべ言うのではなしに、一切の物的、人的施設の運営に至りますまで国が全責任を持つべきなんです。当然のことなんです。  そういう面から考えてみましても、次年度予算で七%引き上げの予算を組んでいるから、何とかそれでまかなっていけるように思う、こうではなしに、やはりあくまでも自治体は自治体としての自主性を尊重するというたてまえで——それは山間僻地における労働価値と大都市における建築労働者の賃金とはあるいは違いましょう。材料代も違いましょう。自治省自身が何か試みたとすれば、政府の手で大企業に何かを建築させた場合、そしてなけなしの地方の自治体がみずからの責任で土建屋に請け負わせるという場合と、これまた単価も違ってくるだろうと思います。そういうようないろんな場合はありますけれども、政治だから、なるべくそこは一律にということになりはしますが、同時にまた地方自治の精神も生かしまして、自治体自身が積極的に、自主的に運用できるという財政状態をつくり上げるということが、自治省の任務でなければならぬと思いますから、これで何とかやっていけるだろう、改めて少し多くなるというようなことでなしに、ずばっと相当ばく大な不足が生じておるということが事実であるとするならば、あくまでも究明して、これに向かって、しからば国はどうして補てんするかということを考えるべきじゃないかと私は思います。試みに私兵庫県から資料を取り寄せてみましたが、兵庫県におきましても、小中学校の総合校舎の国の負担率の三分の一というのは、実質的には事業費の十二分の一であり、国庫の負担率の二分の一は実際には八分の一となるという実情であります。こういうようなことを考えますと、それは結論を申すわけではありませんけれども、やはり実際に即して経費を国はある額負担するという精神を生かすにはどうすればいいのかということについて、もっとくふうがなければならぬと思うのです。その点は大臣どうなんでしょう、改善をするという御趣意はわかりますけれども……。
  103. 早川崇

    早川国務大臣 吉田委員の御指摘の要点はこうだろうと思うのです。一級国道の場合には地元負担は四分の一、二割五分というものば自治体がまるまる要った金額だけの負担をとられるわけであります。ところが、自治体でやる学校とか公営住宅とかいうものは二分の一補助とか言っておるけれども、実際はそれ以上かかるという場合に、一級国道の負担のようなやり方で、国は実際要った金額の二分の一を負担しろ、こういうことにまで問題は発展すわけであります。しかしながら、御承知のように、自治体というものは、義務教育の学校は別にいたしましても、いろいろなものをやる選択権を持っているということが実態のわけであります。ですから、国のほうでいや道路をつけろという場合に、財源に見合ってやりたいけれども、これは選択する自由はあるわけです。これが長年の習慣になってまいりまして、国道のような場合にはまるまるとられるけれども、国のほうからの補助金は実際の単価が安いために、二分の一以下、四分の一とか五分の一になっているという実情です。そこで、自治省としましては、たとえ自治体というものの特殊性はございますが、それではいかぬというので、ここ数年来実際に合うような単価に是正するために、文部省その他と協力いたしまして努力をいたしてまいったわけでありまして、さいわい先ほど申し上げましたように、ほぼ実情に近い建築単価にせり上がってきておるわけであります。なお、そのほかいろいろな面におきましてもいろいろ努力をして、実情の二分の一なら二分の一、実質そうなるように努力しているというのが現在の姿でありまして、これは国の予算と自治体というものとの性格の違いから、いますぐ完全に割り切るわけにはいけませんけれども、そういういい方向に進んでおることは事実でありますし、地元負担がそのために依然として三百億くらい全自治体で例外負担があるということもなくしようというので、県立高校なんかは法律で地元負担をしちゃいかぬとか、また国立高脚の場合にもかわり財源を国有地で引きかえにやるとか、いろいろ努力しているわけでございまして、御指摘のような方向には進んでおると私は思っております。
  104. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は、現実に使ったから、それを唯一の対象に、その何分の一ということに結局しなければなるまいというところまで極論するつもりはないのであります。やはり国の財政のたてまえが、あるいは見方によればきわめて中央集権的な財政の仕組みになっておりまするから、従来は重要な財源はほとんど国に吸い上げられていくというたてまえになっておりますから、ここは選択権とはおっしゃいますけれども、なかなか中央の目色、顔色を見たり、鼻息をうかがって選択しているというのが実情ではないでしょうか。こういうことでありますから、よくても悪くても、少々高くてもというような、そんなようなことは絶無とさえ私も考えておりますが、あらゆるくふうをしながらできるだけ安くあがるようにということを地方においてもそれぞれ考えておるのだろうと思うのでありますが、いずれにしても、どの市においても、現実の実施単価と政府の一方的にきめておる予算単価の食い違いの大きいことは否定ができないと思いますので、これを何とか合理的に縮めていくことについて、相当思い切った施策を打ち出してこれに対処するということにしなければ、地方財政の圧迫は、こういう教育的投資の面からだんだんと重圧が加わっていくのみではないだろうか、こうとさえ考えます。きょうは時間がないから私は聞きませんけれども、自治法の末尾の別表によって見ましても、無数の国の事務が地方に委任されておる、これはいよいよしげくなってまいります。地方開発とか、あるいは人口の一部集中とか、何だかんだによって一そうこの弊は大きくなっていくのじゃないかと思われる際でありますので、選択権もいよいよ狭められてまいります。そんなときでありますので、教育のこういう投資というものが地方支出の中に占めておる比率が相当大きいことも考えてみるときに、文教施設の国庫負担率については一段と厳重に、市のほうの考えと実情に照らして実行することになっていかなければ、このままいいかげんに何%上げたからこれでいけるだろうという式でやっていったならば、これは地方の各自治体こそ何のことはない、仕事ばかりおっかぶせられて、赤字にきゅうきゅう言い、そのしわ寄せは住民にくる、こういうことになるのではないか。これは自治省としましても最高の政治責任であって、自治大臣の一番大きな念願とさるべき柱だとさえ実は考えるのであります。こういう趣旨でこの点を伺っておったわけであります。
  105. 早川崇

    早川国務大臣 全く同感でございますので、今後ともいま言ったような線で努力してまいりたいと思います。
  106. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 もう一回文部当局に伺います。  ただいまお聞きくださったことと思いますが、こうした文教施設の国庫負担の問題について、これが比較的実施の事業金額と予算単価の食い違いのために、地方財政を大きく圧迫しておると思うのですが、現実にこの問題についてどのような数字を持っておられましょうか。ここ数年来及びきょう現在の御説明を願いたいと思います。
  107. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 ただいまの御質問でございますが、例を小中学校の校舎の単価にとりますと、木造で、三十六年度には単価は二万七千二百円、三十七年度三万二千五百円、三十八年慶三万七千八百円、三十九年度現在予算に計上されております単価は四万六百円、各年度逐次引き上げられてまいっております。こういう状況でございます。
  108. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで、これは現実の各自治体における地方公共団体の校舎の新築もしくは改築の事業費との比較はどういうふうになりますか。
  109. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 現実の工事費と予算単価の食い違いという御質問でございますが、この予算に私どもが考えます単価というものは、ぜいたくなものを予想しているのではございませんで、教育に必要な最小限度の構造を持ったものということで、非常にかたくとった数字でございまして、現実に行なわれております単価は、平均いたしましてこの予算単価を上回っておるというのが現実でございます。
  110. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 問題は二つあるようですが、そうすると地方の公共団体は文部省の見るところによるとぜいたくな施設、校舎になっておるという認定があるのかどうか。  それから実際に実施した建築費は、どのくらい上回っておるのでありましょうか。そこをひとつつかんでおいでになろうと思いますから、伺いたい。
  111. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 現実にどういう単価になっておるか、残念ながらきょうはその資料を用意してまいりませんでした。もしお許しをいただければ、後刻また資料でお届けしたいと思いますが、いかがでございましょう。
  112. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それは、なければ資料を出してもらいましょう。  そこで私も少し古い資料しかないのですが、これは文部省が調べたと称するものですが、三十六年におきましては、三十六年度の予算単価が小学校の校舎の木造で二万七千二百円、全国の平均の実績は同年の八月十五日現在で四万六千五百四十一円、鉄筋の場合は予算単価が五万六千二百円、全国の平均は六万四千四百四十四円、こういうことになって、文部省から出た資料として、これは参議院の予算委員会の資料に出ておるのですが、わかりませんか。
  113. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 私、不勉強でございまして、文部省の資料が、そういうものが出ておるということを実は今日のところはっきり記憶しませんので、この点は帰りまして勉強さしていただきたいと思います。
  114. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 三十九年度一般会計の予算におきましても、また義務教育諸学校施設費国庫負担法の改正案が当国会に出されておるようでありますが、こういうものに伴いまして若干の文教施設費の国庫負担が増額せられておるようであります。さっきも自治大臣が七%増額と言っておりますが、一体七%とか一割とかいうもので、あなたのおっしゃる基準の建築価格の国庫負担額相当となるのでしょうか、あるいはまたその他の理由で相当とならないけれども、やや改善ということになるのか、そこらは文部当局はどういうふうに考えておるのでしょうか。施設部長御説明ができなければこれはもうしょうがないんですけれどもね。
  115. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 先ほどもちょっと申し上げましたが、毎年度逐次改善をしてまいりまして、新年度の予算あるいは単価としましては、決して裕福な予算ではございませんけれども、最小限度の堅実な校舎をつくるに足るというだけの数字は計上されておると考えております。
  116. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 あなたがお答えできたらお願いしたいのだが、文部省がこの種の国庫の負担金の問題について、毎年各府県におきまして、地方公共団体が会計検査院に不正不当を指摘せられておる事例は御承知でございましょう。こういうようなことは無数でございます。毎年出ております。煩にたえぬといったようなことを思えば、抜本的にこれを是正する意味におきましても、また、現実に即した予算を要求しなければならぬという角度から見ましても、あるいはまた法律が、経費の三分の一を国が負担するということに規定するというこの精神にかんがみても、もう少しここらは筋目を通して予算を作成するというように持っていかなければ、いたずらに末端の地方自治体は財政混乱と、こういうような非違事項を誘発することになるのみだと私ども思うのです。ただ、問題はこれだけじゃなくて、他の道路にしたって住宅にしたって、公共建築物にずいぶんと共通した一連の問題だと思いますが、きょうは、大蔵省、主計官しかお越しになっておらぬが、主計官は担当主計官のようでありますが、この問題については何を基準に国庫負担金の数額を決定するのか、それを明らかにしておいてもらいたい。
  117. 赤羽桂

    ○赤羽説明員 まず小中学校の校舎の建築費の補助金単価の問題でございます。単価の問題は、先ほどから種々お話が出ておりますとおり、鉄筋、鉄骨、木造にわたって平均約七%の増加となっておるのであります。なお、それと同時に、いわゆる構造比率、木造の比率、鉄筋の比率、鉄骨の比率、この鉄筋、鉄骨のほうを上げておりますので、そういった要素を加味いたしますと、単価といたしましては約一割のアップということに相なっておるわけでございます。この単価につきましては、大蔵省といたしましても、毎年鋭意その単価を上げるということに意を払っておるわけでございまして、ことしももちろんはずれたものがあるわけでありまして、十分とは申し上げられないわけでございますが、一割くらいのアップは見込んでおるわけであります。御指摘の点は、それでもとてもまだ足りないぞ、非常に実際の単価から離れておるというお話でございます。それにつきましては、平均単価でございますので、この単価を中心といたしまして地域地域によって若干の変動はあるのはもちろんでございますが、先ほどからお話の出ておりましたとおり市町村の財政の状況によりまして、あるいはまた学校の先生方の特別な要求あるいは父兄の特別な要求というふうなこともございまして、比較という点から申しますと必ずしも全国統一になっていないのじゃないかというぐあいに考えておるわけでございます。しかしながら、そういった想定いたしました規格よりも大きい、あるいは質のいいといったものがすべてぜいたくというぐあいには私らのほうでも考えておらないのであります。最近特に生活環境改善というようなことでレベルも上がってきておるわけでございます。したがいまして、教育が行なわれる場所といたしましての校舎につきましてもいろいろな向上があるかと存じます。そういったものがどの程度のものが生活の当然の改善であるか、どの程度のものが、これはちょっといいものをつくり過ぎたなという感じを持たれるかという点につきましてはなかなかむずかしいかと存じます。そういった点を十分勘案をしながら単価をつくってまいるわけでございます。  なお、実際の単価とそれから予算単価とが開いてきておるという傾向は実は昔はなかったわけでございます。鉄筋の場合だけの単価について申し上げますと、二十八年から三十三年のころまでは大体予算単価のほうが高かった時代がございます。それから先生ちょっとただいまおっしゃっておりましたですが、三十四年のころからやや開きが出てまいりました。私のところにいま手元に持っております資料、これは文部省のほうから昨年の十、十一月ごろに予算の編成の資料として提出していただいたものでございますが、三十四年が、予算単価が五万六千二百円でございます。それから実際が五万七千百円。三十五年が、五万六千二百円、実際が五万八千七百円、三十六年が、六万一千四百円、実際が六万六千四百円、三十七年が、予算が六万二千円、実際が七万円というような数字が一応手元にあるわけでございます。この単価の問題につきましては、ただいま申し上げましたとおり勘案をしなければならない条件がいろいろございます。今後ともこの点につきましては十分改善の方向に向かって検討を重ねてまいりたいと存じております。  なお、公立文教施設全体の金額から申しまして地方の負担が多過ぎるではないかというようなお話になりますと、これは単価の問題ばかりではございません。基準坪数の問題でございますとか補助対象以外の分を建てておる部面でございますとか、いろいろあるわけでございます。こういった公立文教施設補助制度の全体につきまして、三十九年度におきましては、実は画期的と言っていいか悪いか、われわれはそう考えておるわけでございますが、補助制度の改善を行なって、そのための改正法案をお願いしておるわけでございます。その内容をざっと申し上げますが、たとえば一人当たり基準につきましては小学校は〇・九坪でございますが、これは一・〇二坪に上げるとか、あるいはただいままでの補助基準の算定のいたし方といたしましては、生徒が何人あるかということが中心になっておったわけですが、これは学級基準に全部変える。そういったための二二、三%の増が見込まれるわけでございます。そういった点でございますとか、小学校の屋内運動場を新たに補助対象に加えるとか、この補助制度全般につきまして漸次画期的な改正を行なっておるつもりでございます。もちろんこれですべてが終わったというわけではございません。今後とも所管省でございます文部省といろいろと相談をして制度の改善につとめてまいりたいと存じております。
  118. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 だんだんと改善のあとは見えるようでありますけれども、あまりに急激な地方財政に対する圧迫の要因がふえてまいる傾向とわれわれは考えますので、こういう際におきましては、ことに教育関係の投資的な財政支出が非常に大きな比重を占めておるのが地方の実情でございますので、これは他のそれにも増しまして特段に力を入れて改善をはかってもらいたい、こう思うのです。  それからなお文部省の方に尋ねておきたいのですが、毎年毎年繰り返して文教施設の補助金問題が、何か形の上では検査院ではごまかして取ったように指摘されてくるのでございます。どうも補助金という——この場合は改築事業費ですから補助金ではないでしょうけれども、国の負担の経費につきましては、年々繰り返し繰り返し会計検査院に指摘されてまいっております。こういうことは毎年やはり文部省においても施設の当局としてこれを対象に検討して翌年から絶無を期するというくらいにして、よってきたるところはどこにあるのだろうか。それは過重な地方負担のためでないだろうかという、こういう点をやって、これは検討していってほしい、こう思うのです。これは文教のときに少し聞こうかと思っておったけれども、そんなことをきょう突然ですから一々具体的に指摘することも、かえって御迷惑ですから申しませんけれども、この点はいまのお尋ねする点とにらみ合わせまして十二分に検討するに値する問題がある、こう思っております。あなたは、検査院で指摘した事柄は御承知でございますか。
  119. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 存じております。
  120. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 どういうふうにお考えになっておりましょうね。
  121. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 一ころこの補助金の問題につきまして検査院の指摘事項も相当な数を示しております。その後、いろいろと指導を加えまして、今日のところ、たいへん減少してまいっておるわけであります。御指摘のありましたことは、われわれ直ちにそれにつきましてはいろいろとあらゆる角度から検討しておりまして、そうしてそれに基づきましてさらに一そう現地につきあるいは事務的に指導をいたしております。今後ともひとつ検査院の指摘を皆無の状態にまで持っていきたいと考えております。
  122. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちょっとこれは材料をあなたに具体的に示さなかったので抽象的な問題はきょうはやめましょう。  最後にちょっと聞いておきますが、さっきあなたが御指摘になっておりました、地方の現実的な実施の予算単価が、文部省から見ると必要以上のものを建築されておるようなものが相当あるのではないかというふうな印象を受けるおことばでしたが、そういうふうな華美、ぜいたくというような部類に属するものも相当指摘されるのですか。
  123. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 学校教育の入れものとしまして、建物がどの程度まで最小限必要で、それ以上のものがぜいたくであるかという判断は、きわめてむずかしいのでございます。外観の美麗さのほうへ重点を置いて、金をそのほうへつぎ込むよりも、教育のために必要な設備関係のほうに回しておる。そういう点で調和のとれてないような建物がありまして、われわれの考えておる単価の程度のものよりぜいたくに見えるようなものが若干ある。さっき主計官もお話がありましたが、逐次生活環境の改善というのが行なわれて向上しつつございます。この際、学校環境というものもそれに伴って向上しなくちゃならぬ。それで今後は単価につきましてもそういう点を考慮いたしますと、われわれが考えておる単価では必ずしも十分とは言いがたいかと考えております。この単価の点も地域差などもございまして、統計的な資料あるいはその他の資料に基づきまして必要最小限度のものということで考えております。
  124. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 自治省がことし一月に発表しました統計資料で三十七年度の普通会計の決算によりますと、投資的な教育費の歳出といたしましては、全体の支出総額に対する二割六分八厘を占めております。これは土木費の一割八分をさらに上回る。結局最大の比率を占めておるようでございます。このようなものでありますので、公共文教施設の建築費などが地方財政に——国の負担額が現実にそぐわない低いものであって、さっきだんだん御指摘申しておりましたように、三分の一が実は十二分の一であったりするようなことがありますと、現実に地方のぜいたくな校舎をつくるとかなんとかいうものを超越いたしまして、きわめて重大な財政圧迫の要因であると指摘せざるを得ないと思います。こういう点は文部省といたしましてよほど強く、教育を守る立場においても予算の要求をすべきでないであろうか、こういうふうにも考えるのです。これはあなたと問答するのもいかがかと思いますけれども、そういうふうな非常に重大な財政圧迫の原因となるものだと思いますが、その点どういうふうにお考えになりましょうか。
  125. 中尾龍彦

    ○中尾説明員 公立学校の建築が地方財政を圧迫している大きな要因である、それについて改善の方法をどのように考えておるかという御質問でございますが、私どもとしましては、まず単価の引き上げあるいは補助率の引き上げあるいは現行法令の改善というような点によって改善をはかろうと努力しております。先ほどもちょっとお話が出ました義務教育諸学校施設費の国庫負担法の改正案というものが本国会に提案されておりまして、在来の、学童一人当たりの坪数というのを基礎にした算出方法を、学級当たりの算出方法に変える、それから、でき得べくんば木造の建物の火災による滅失あるいは災害による滅失というものを防いで、鉄筋鉄骨等によって地方財政の負担を長期にわたって軽減するというような考え方にしまして、なるだけたくさん鉄筋鉄骨というものにかえていきたい。先ほど鉄筋比率あるいは鉄骨比率ということばで主計官の申しましたのはこの点でございます。そういう各点にわたって、今後一生懸命努力してまいりたいと考えております。
  126. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 鉄筋鉄骨がきわめて単価が高くなりつつあるという現状にかんがみ、木造を廃する、その傾向はしごくけっこうですけれども、やはり急速に財政改善の努力をしていかなければ、だんだんとそこに問題が内部的に醸成されていくのみだとも考えます。これだけ申しまして、私の質問を終わります。
  127. 白浜仁吉

    白浜委員長 本日の質疑はこの程度にとどめます。     —————————————
  128. 白浜仁吉

    白浜委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。すなわち、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件調査のため、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  129. 白浜仁吉

    白浜委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます、御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  130. 白浜仁吉

    白浜委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。  午後一時十六分散会