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1964-02-06 第46回国会 衆議院 決算委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年二月六日(木曜日)    午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 白浜 仁吉君    理事 押谷 富三君 理事 鈴木 善幸君    理事 田中 彰治君 理事 福井  勇君    理事 勝澤 芳雄君 理事 片島  港君    理事 山田 長司君       神近 市子君    栗原 俊夫君       田中織之進君    田原 春次君       森本  靖君    吉田 賢一君  出席政府委員         大蔵政務次官  纐纈 彌三君         大蔵事務官         (主計局次長) 澄田  智君         大蔵事務官         (管財局長)  江守堅太郎君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      若林 栄一君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局検査部         長)      牧野 誠一君         会計検査院事務         官         (第一局長)  保川  遜君         会計検査院事務         官         (第五局長)  白木 康進君         日本専売公社総         裁       阪田 泰二君         日本専売公社監         事       岡本 静雄君         国民金融公庫総         裁       石田  正君         日本開発銀行総         裁       平田敬一郎君         日本輸出入銀行         総裁      森永貞一郎君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 二月三日  委員山本幸一辞任につき、その補欠として松  原喜之次君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員伊東正義辞任につき、その補欠として園  田直君が議長指名委員に選任された。 同月五日  委員水田三喜男辞任につき、その補欠として  山口喜久一郎君が議長指名委員に選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十六年度政府関係機関決算書  昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十六年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書  昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十七年度政府関係機関決算書  昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書  (大蔵省所管大蔵省関係政府関係機関関  係)      ————◇—————
  2. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより会議を開きます。  昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括議題とし、本日は大蔵省所管及び大蔵省関係政府関係機関決算について審査を行ないます。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤
  3. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 まず大蔵省に御質問いたします。  旧近衛歩兵の第七連隊の所属財産でございますが、これが米軍に使用されておりまして、その後NHKがここに放送会館を建てるということで、一万坪払い下げ方針がきまり、そして計画が進められておった中で、御案内のようにワシントンハイツあとの三万二千坪のところに変わったわけでありますが、この財産管理経過をちょっと簡単に御説明願いたいと思います。
  4. 江守堅太郎

    江守政府委員 仰せのとおりNHKは当初麻布の新竜土町にございます土地をこの施設土地にしたいということで、だいぶ前から申請を出しておりまして、政府でその後これを売り渡しました。その後またこれをNHKのほうの御希望ワシントンハイツのほうにしたいということで変更をいたしまして、NHKのほうにワシントンハイツ土地を売ったということは事実でございます。なぜこのような経緯になったかと申しますことは、昔からのことを少し詳しく申し上げませんとおわかり願えませんと思いますので申し上げますが、現在田村町にございますNHK施設は、ラジオのいろいろの部門整理あるいはテレビジョン部門の拡充という点あるいはあそこで営業もやっておりますが、そういった営業をやる場所といたしましても非常に手狭でございますために、三十二年ごろからどこかほかのところに広い場所を取って総合的な施設をつくりたいという希望がございました。三十三年になりまして、麻布の新竜土町の国有地約二万坪を売ってくれという御希望がございました。麻布の新竜土町の国有地は約三万八千坪ぐらいございますが、その一部は米軍提供中のものでございました。また提供が解除されましたあとにおいてこの土地をどう利用するかということにつきましても、あるいは学校計画公園計画、道路の計画等がございましたので、これをどのように処理するかということにつきまして関東財務局でいろいろ検討をしたのでございますが、三十四年の三月になりまし、関東財務局国有財産地方審議会にこれらの地区利用をいかにするかということを諮問をいたしまして、そのうちの九千坪をNHK施設として提供するということにつきまして御審議をいただきまして、御了承を得たのであります。その後評価そのほかいろいろの事務を進めまして、まず第一次にすでに提供を解除されております地区を三十五年の五月に売り渡しました。その後第二次の分につきまして三十七年の三月に売り渡しをいたしたのであります。その第二次分の売り渡しをいたしますときに、第二次分の売り渡しをいたします場所には従来米軍提供した施設がございまして、その返還の交渉をいたします過程におきまして、米軍代替施設をそこに建ててくれということになり、NHK払い下げを受ける予定の九千坪のうちの二千五百坪をさきまして、ここに代替施設を建ててその土地とともに国に無償提供するということになったのでございます。したがいまして、NHKはその総合施設を建設すべき場所として約二万坪ということを前提にして計画を進めてきたのでございますが、結局六千五百坪くらいしか使えないということになりまして、これでは従来の計画を円満にここで実施することはできない、計画そのものを縮小せざるを得ないというような状況にあったわけでございますが、そのころたまたまオリンピック選手村を、従来朝霞につくるということでずっと進んでまいったのでございますが、御承知のとおり代々木ワシントンハイツ選手付をつくるということに変更になりまして、アメリカのほうもあそこの施設政府に返すということに同意をいたしました。代々木ワシントンハイツ選手村をつくる、また同時に総合屋内体育館をつくるということになったのでございます。まあNHKといたしましては、先ほど申しました総合施設の建設ということのほかに、このオリンピックに際しまして海外放送網を充実をする、そこの施設をほかの民間のいろいろの機関にも利用させるということをやるということになりまして、さらに従来よりも多くのスペースを必要とするという事態になっておりましたのでありますが、たまたまワシントンハイツ選手村もできる、また体育館もできる、またメーンの行事をいたします明治神宮のあすこの競技場にも近いというようなことでございましたので新竜土町の地域が縮小されておりましたために、何とかこれをもう一度変えてワシントンハイツ一部分をそういった施設のために使いたいということを強く政府に要望してきたのでございます。政府といたしましては、たまたま選手村を朝霞からワシントンハイツに移しました際に、オリンピックが終了した後におきましては選手村全体を東京都の公園にするという方針をきめておりましたので、これをどうするかということにつきましていろいろ各方面とも折衝いたしましたが、結局東京都の円満な御了解もいただきまして、将来公園にする地域一部分NHK施設として提供するという方針をきめたのでございます。三十八年の三月の末に閣議決定をその線に沿っていたしたのでございます。  このような経緯で、従来新竜土町にそういう施設をつくるというNHK計画ワシントンハイツの一部に変わったのでございます。三月の末にございました、いまの閣議決定に基づきまして、大蔵省ではその具体的な取り扱いをいろいろ検討したのでございますが、結局NHK提供する施設面積といたしましては、約二万五千坪ということにいたしたのであります。ただそのうち、さしあたりオリンピック終了時までに急いで必要だという施設をつくるための建物の敷地の面積は約一万九千坪でございましたので、その一万九千坪をとりあえずNHKに売るということになったのでございます。したがいまして、新竜土町の六千五百坪のNHK土地は不要になったわけでございます。不要になりましたので、これは場合によりましては、契約を解除いたしまして、政府に返してもらうということも考えられるわけでございますが、それには予算も必要だということでございますので、買い取るのと同じ効果を求めまして、ワシントンハイツの中でNHK提供いたします一万九千坪と、かねてNHK売り渡しておりました六千五百坪を交換するという措置をとったのでございます。一万九千坪のうち六千五百坪に相当する部分は交換、その差額は現金で支払ってもらうということにしたわけでございます。その際六千五百坪を交換いたします評価でございますが、本来ならばその交換時における時価で評価をして交換をするというのがたてまえでございますが、先ほど申しましたような経過もございますので、新竜土町の六千五百坪の土地評価は、売り渡しましたときの価格評価をいたすということにいたしまして交換をしたのでございます。したがいまして、その間NHKがこの計画変更に伴って、従来取得した六千五百坪の土地を、いわば転売という形で利得をするというような点はなかったのであります。  以上、申しましたような経緯で新竜土町の計画変更になって、ワシントンハイツ土地約二万五千坪を売り渡す、そのうちすでに売り渡しておりますのは一万九千坪でございますが、すべてこういった売り渡しにつきましては、最初竜土町を売り渡します際にも、さらにそれが変更になりまして、ワシントンハイツ土地売り渡します際にも、いずれも関東財務局地方審議会審議をいたしまして、NHK施設計画資金計画その他を大蔵省といたしても十分検討し、その点を審議会のほうに御説明をいたしまして、委員の方々にも十分に御判断をいただきまして決定をしたというようなことでございます。
  5. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 最初竜土町の土地をきめて、そうしてここにNHKをつくるためのいろいろな努力というものがなされ、かわりの建物が建って、そうしてこの用地を確保したわけでございますが、ちゃんとこのときだってオリンピックが始まることもきまっておったのでございます。それがまた急にもっといい土地が出たということでワシントンハイツにきまった。そうして全体の計画が全部ひっくり返ってやり直しがされた。しかもその交換にあたっては、いま言いましたような等価交換という形で行なわれるという点については、何としても不明朗な納得のできない形だと私は思うのです。  そこでひとつ竜土町の土地、それからワシントンハイツ土地評価、そうしてどういう価格かという具体的な内容について、これはひとつ資料を出していただきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
  6. 江守堅太郎

    江守政府委員 後ほど資料をお出しいたします。
  7. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、米軍提供している特別会計所属国有財産整理でございます。これは財産整理というものがまだ相当残されている。そして特別会計ではそれで困っておるという話を聞いておるのですが、現状はどうなっておりますか。金額はどの程度になっておりますか。
  8. 江守堅太郎

    江守政府委員 現在特別会計所属国有財産米軍提供しておりますのは、自作農創設措置特別会計土地百十四万四千六百五十一坪、その評価額は三億六千二百十一万七千円余であります。国有林野事業特別会計から提供しております土地が三百六十四万三千三十五坪、この評価額は四億三千三百二十八万九千円余であります。また同様に林野特別会計立木地区が若干ございます。そのほか通信事業特別会計から建物工作等が若干ございまして、その評価額は約二千万ということになっております。
  9. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この金がそのまままだ放置されているようでありますが、その概算は二十七年から三十六年までで七億五千八百三十六万九千円、こうでしょうか。
  10. 江守堅太郎

    江守政府委員 ほぼその金額でございます。
  11. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この金は結論的にどういうことになるのでしょうかね。
  12. 江守堅太郎

    江守政府委員 特別会計からいわば一般会計が借りましてこれを米軍提供いたしておるという状況でございます。特別会計一般会計国有財産の授受の関係は、原則として有償でございます。ただ所属がえをいたしましたときには買う。借りたときは使用料を払うというのが、国有財産法上のたてまえでございます。ただこの地位協定に基づくいわゆる国管法の六条に規定いたしておりますところのいまのような措置有償であるべきかどうかということにつきましては、部内で議論が分かれておりまして、まだ結論が出ておりません。それらを検討いたしましてこういった金額を支払うべきかいなかということを早急にきめたいというふうに考えております。
  13. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この問題の発生してきておったときから今日まできて早急にというのは何年くらいの話なんですか。
  14. 江守堅太郎

    江守政府委員 実は当初防衛施設庁のほうでこういったものは支払うべきものであるというたてまえで、予算要求もいたしてきてまいったのでございますが、先ほど申しましたように、根本的にこれは有償であるべきかどうかということは国有財産法上の取り扱いの問題であると同時に、これはいわば財政の組み方の問題、あるいは財政技術の問題として検討すべき面があるのでございまして、その点につきましていろいろ検討を続けておりますが、いまだに結論を得ておりません。早急に結論を出してこの問題をきめたいというふうに考えております。
  15. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 これはいつから問題になっておるのですか。
  16. 江守堅太郎

    江守政府委員 当初防衛施設庁使用料を支払うということで予算要求をいたしましたときから問題になっております。
  17. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 具体的に何年何月からですか。
  18. 江守堅太郎

    江守政府委員 昭和二十一年ごろから特別会計施設一般会計が借りまして提供する事態があったのでございますので、それ以来のことでございます。
  19. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 昭和二十一年から問題になっているのを、早急にというのはいつまでに結論を出すのですか。
  20. 江守堅太郎

    江守政府委員 二十一年からいままでかかりましてもなかなか話が詰まらないような問題でございまして、これはどこかでふん切りをきめなければならぬ。いまここでふん切りをきめまして早急にきめたいというふうに考えておるわけでございます。
  21. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 政務次官、一つ御質問いたしますが、二十一年から早急にというのが今日の状態なんです。これはやっぱり何とかしなければ申しわけないと思うのですね。どうでしょうか、政務次官結論をはっきりつけてください。
  22. 江守堅太郎

    江守政府委員 ちょっと御訂正申し上げますが、二十一年からと申しましたのは、提供のありましたのが二十一年からということでございます。この金を予算に組んで支払いたいという要求がありましたのは三十三年からでございます。間違えましたので訂正いたします。
  23. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 こういうものはいま言ったように、早急にと言えば局長がかわればそれでおれは責任がなくなるということになってしまうわけですから、これはやはり別にむずかしい話じゃないわけです、事務処理上の問題なんですから。早急にという答弁が幾らあったって早急じゃないわけでありますから、これはひとつ政務次官のほうで、せめて政務次官の任期中くらいにこんなものは片づけたらどうでしょう。
  24. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいま管財局長からお話がありましたので、いろいろ問題があるところですが、一応特別会計一般会計との問題で予算の編成の上か何かで同じことになりやしないかというような結論も多少出ているのですが、理論的に申しますればやはり特別会計のものは一般会計に繰り入れて、それで形を整えるということが私は筋が通っている問題だと思います。そういう問題もありますので、ひとつ研究して、早急と言うとおしかりを受けますが、できるだけ早く筋の通ったような結論を出すことに努力いたしたい、こう考えている次第でございます。
  25. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次の問題に入りますけれども、名古屋陸軍造兵廠高蔵製造所という土地があるわけでありますが、この土地が三十六年の七月二十日に約四千坪、土地建物を含めて東洋プライウッド株式会社というのに売り払われているわけです。約九千六百五十五万で売り払われているわけでありますが、この会社に、同じように今度は春日井市の鷹来町の旧名古屋陸軍造兵廠鷹来製造所土地が、約三万三千坪だと思いますけれども、三十八年四・月にこの東洋プライウッド株式会社に売られている。三十八年四月に売ったこの土地が、五月には松栄商事という会社に売られて、そうして同じ月に松下電器に売り渡されている。こういうのがあるのですが、御存じでしょうか。
  26. 江守堅太郎

    江守政府委員 承知しております。
  27. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、東洋プライウッド株式会社に三十八年四月に売ったこの土地が、松栄商事を通じ一カ月後には松下電器に入った、これは承知をしておるという話ですが、東洋プライウッド株式会社が実際にはこれは払い下げ申請を出したと思うのですが、そうなんですね。
  28. 江守堅太郎

    江守政府委員 そのとおりでございます。
  29. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると国有財産払い下げ申請書には、この利用計画なり事業計画なりというものはきめられておると思うのですが、その事業計画の中に、私が買ったら松下電器に売りますということがきめられておったのですか。
  30. 江守堅太郎

    江守政府委員 そういうことはございません。
  31. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると東洋プライウッド株式会社に売った土地が一月後に松下電器に売られたというのはどういうふうに理解していいのですか。
  32. 江守堅太郎

    江守政府委員 東洋プライウッドに売りましたのは、いわゆる随意契約によって売ったのでございまして、東洋プライウッド輸出用合成繊維板をつくるという事業を営むために必要な施設であるということで売ったのでございます。もちろんその施設のために使われるということを財務局としては考えて売ったのでございます。したがいまして、その用途に使われることを信じておったのでございます。その後仰せのとおり転売が行なわれて、財務局といたしましては、事前にそういった転売が行なわれるというようなことを存じません。またその売りました直後におきましても実は知らなかったのでございます。その後わかったというようなことでございます。
  33. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると三十八年四月に売って三十八年五月にはそれが松栄商事に入って売られたということを知らなかったということですが、もう一度確認しますが、そうなんでしょうか。
  34. 江守堅太郎

    江守政府委員 そのとおりでございます。
  35. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 土地は具体的に何坪で、それから建物、それから売り払った金額はどうなんですか。
  36. 江守堅太郎

    江守政府委員 問題の鷹来製造所は、第一次の売り払いは土地が坪数にいたしまして九万四千六百四十二坪、売り払い価額が二億八千八百二十二万三千円、第二次の売り払いが土地が三万二千九百九十七坪、評価額は一億四百九十三万円でございます。
  37. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから一次の土地の売り払い期日と第二次との期日はどうなんですか。
  38. 江守堅太郎

    江守政府委員 第一次は三十八年の一月九日、第二次は三十八年四月二十七日でございます。
  39. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでこの両方の土地松栄商事を通して松下電器に売られたのですか。
  40. 江守堅太郎

    江守政府委員 第二次に売り渡しました三万二千九百九十七坪の全部と第一次に売りました土地一部分でございます。
  41. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 土地一部分というのは何坪ですか。
  42. 江守堅太郎

    江守政府委員 九千五百坪でございます。
  43. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうすると九千五百坪と三万二千坪、約四万坪ですね。四万坪余の土地が売られたということですが、東洋プライウッド株式会社というのは資本金なり会社内容はどうなんですか。
  44. 江守堅太郎

    江守政府委員 東洋プライウッド株式会社昭和二十五年の十月三十日に設立されまして、資本金は一億円でございますが、その後増資いたしまして現在資本金二億円でございます。
  45. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ふしぎな話だと思うのですけれども、もう少し聞きましょう。  この払い下げ申請を出したのは、第一次、第二次はどんな経過になっておりますか。その払い下げ申請に基づく決定までの審議会経過はどうなんでありますか。
  46. 江守堅太郎

    江守政府委員 いま申しましたとおり、東洋プライウッド株式会社は二十五年の十月に設立されまして、当初は旧名古屋陸軍造兵廠熱田製造所の一部を借り受けて木製合板製造いたしておったのであります。その後さらにこの施設を拡張いたしまして昭和二十六年の七月に高蔵製造所一部分貸し付けたのであります。  当初会社側といたしましては、これらの二つの施設をともに貸し付けでなくして一括払い下げてほしいという希望があったのでございますが、両施設ともその当時におきましては国有機械を保管いたしておりました。またその一部分賠償指定になっておりまして米軍提供中でございましたために貸し付けておったのでございますが、その後国有機械も処分される、また賠償指定も解除されて提供財産も返ってくるという状況に応じまして、これら両施設とも漸次売り払ったのであります。問題の鷹来製造所につきましては三十四年の十月の二十日に売り払いの申請がございました。この申請につきましては名古屋通産局長春日井市長両者から工場誘致についての具申もあったわけであります。また同社に売り渡しました熱田高蔵地域利用して合板製造をやっておられます東洋プライウッドの業績から見ましても、この施設を売り払うことが適当と考えたのであります。しかし御承知かと思いますが、この地域はその一部分名城大学が使っております。貸し付けております。その名城大学貸し付けのしかたが南と北に分かれておりまして、その一部分に校舎、その一部分に主として宿舎というふうに分かれておりまして、そのまん中の土地の売り払いの申請であったのでありますが、学校の事情からいいましてもこういうふうに分かれておるのはあまり適当でないだろう。何かこれを一カ所にまとめたほうがいいだろうというようなことを考えておったのでありますが、名城大学大学経営その他につきまして非常に紛争がございましてなかなかその話をつけることができない。しかも会社側としては早急に事業を開始いたしたい、また国としてもその事業が経営されることはきわめて好ましいと考えましたので売り払ったというようなことでございます。
  47. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 ちょっと事務的に御答弁願いたいのですが、第一次は三十八年の一月九日、第二次は三十八年四月二十七日に払い下げをしたというのです。ですからこれに対する申請はいつ出されたかということ、それに基づく審議はどのように行なわれたかということです。
  48. 江守堅太郎

    江守政府委員 申請の出されましたのは三十四年の十月の二十日でございます。それに基づきまして国有財産東海地方審議会に付議をいたしまして、妥当であるという御答申を得ましたのは三十五年の八月の一日でございます。
  49. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それからどういう経過をたどったのですか。
  50. 江守堅太郎

    江守政府委員 三十五年の八月一日の東海地方国有財産審議会におきまして、この地区東洋プライウッドに売ることは適当であるという御答申を得まして、東海財務局でその売り払いの仕事を進めてまいったのでございますが、先ほど申しましたとおり、売り払いをいたそうとする地域は、名城大学の校舎並びに宿舎の中間にあります土地でございまして、審議会審議の際にも、将来話がついたならば、名城大学の主として寄宿舎として使っておる地域は現在校舎などのある地域のほうにまとめたい、そのような交渉を進めたいというような説明もしてまいりました。その後いろいろ話を積極的に進めたのでございますが、名城大学側のほうで、これに対して県体的な措置をとり得るような状態になかなかならないような事情がございましたために、これをあきらめたのでございます。その間それらのいろいろの折衝のために時間がかかりまして、三十五年の八月に御答申を得て、三十八年になってから売ったというような時間的な経過があったのでございます。
  51. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、ここの払い下げにあたって、東洋プライウッド株式会社国有財産払い下げ申請書は、虚偽の申請によってこの払い下げが行なわれた、こういうことになるのですか。
  52. 江守堅太郎

    江守政府委員 輸出用合板繊維の施設をつくる、その目的のためにこの地を売ってほしいということにつきまして、先ほど申しましたように、十分検討いたしまして、それが妥当であるとして売り払いをすることになったのでございます。東洋プライウッド株式会社は、お話しのように、その後直ちにこれを転売したという結果になっておりますが、プライウッド株式会社の説明によりますと、このことは、その土地輸出用の繊維板をつくる事業計画を断念したのでは決してない、ここであくまで輸出用の繊維板の製造施設をつくるのだ、ただいろいろ資金繰りの関係があって、いわば自分の子会社であるところの松栄商事を通じて、これをいわば担保として松下電器に売った、そしていわば一種の譲渡担保的なものとして売り渡したのである、こう説明しておるのでありまして、いずれにいたしましても、こういった売り渡しの形をとるような営業行為が、売り渡ししました直後において、財務局に何ら連絡なくして行なわれたということはきわめて遺憾でございますが、東洋プライウッド株式会社側といたしましては、その商売のやり方といたしまして、金を借りる方法としてこういうことをやった、その金を借りて、ここで輸出用の繊維板をつくるのだと申しておりますので、申請そのものが虚偽であるというふうには私ども考えておりません。ただ、そのような転売の形をとって資金を調達をしたということは、いかなる事情があるにせよ、はなはだ遺憾なことであるということは強く考えております。
  53. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 申請書は虚偽ではなかった、申請書に間違いがなかった、しかし申請どおりに行なわれなかったということは遺憾である、こういうことなんですね。そうしますと、申請書に書かれた利用計画なり、あるいは事業計画資金計画もあるでしょうが、この普通財産取扱規則によるところのこの払い下げ申請書が、申請書どおりに実施をされたかされなかったかという確認が十分されなかったという責任は東海財務局にある、こういうように思うのですが、どうですか。
  54. 江守堅太郎

    江守政府委員 その点につきましては、仕事のやり方が不十分であったと深く反省をいたしております。
  55. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 関連して。いまの売り渡し担保というものですが、これは実際払い下げを受けた東洋プライウッド、これから松栄商事に法律的に、登記面的に、金を幾ら借りて、利子を幾ら払うということできちっと売り渡し担保になって、そこで流れて、それから松下に売ったものなのか、ただ言いわけにそれを言っているのか、ただ私製証書でそんなことをやったのか、私はこれは重大な問題だと思うのですが、それをお調べになりましたか。
  56. 江守堅太郎

    江守政府委員 登記面では東洋プライウッドから松栄商事に売り渡され、松栄商事から松下に売り渡されております。その間その三社におきまして、会社の言うがごとく、ほんとうの意味の譲渡担保であるのか、そうではないのかというようなことにつきましては、残念ながらまだその真相を確かめ得ない状況でございます。
  57. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そんなものは給仕を使ってやったってできる。売り渡し担保で売り渡したならば、ちゃんと売り渡し登記をする。そして売り渡し担保ならば売り渡し担保で、手形なんかに入れて、ちゃんと期日がきて、それが落ちるとか、不渡りになれば流れる、流れれば流れた登記をするということになるから、それをお調べにならないのはおかしいじゃないか。もしこれがこの東洋プライウッドから松栄商事売り渡して、登記面でそれが松下に売り渡されているとすると、これは重大ですよ。事業計画をするといって、ちゃんと図面から何からつけて払い下げを受けて、それを一カ月か二カ月で売り渡した。これは一体幾らで売り渡して、その利益はどのくらいだったのか、それをお調べになっておるのか。
  58. 江守堅太郎

    江守政府委員 登記面でいま申しましたとおり、正式に所有権が移転しております。それがはたして譲渡担保であるかどうかということについては、まだ確認し得ない状況でございます。さらに幾らで転売いたしたかという金額につきましても、つかみ得ない状況でございます。ただ会社側の説明では、そのように譲渡担保的な意味で売り渡し資金を調達したのだ、その調達した資金でもって本来の目的である施設を建設すると申しておりますけれども、国の立場といたしましては、それははなはだ遺憾な措置でございますので、一刻も早く松下並びに松栄商事から東洋プライウッドはこれらの財産を買い戻せということを強く申しまして、目下東海財務局で毎日のように強く折衝いたしている状況でございます。
  59. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 それはとれるはずですから、ひとつ登記の写しをとってください。
  60. 江守堅太郎

    江守政府委員 とって、提出することにいたします。
  61. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私は管財局長、あなたをよく知っておりまして、あなたがそんな不正をする性質ではないと知っておりますけれども、どうも国有地払い下げて、すぐに転売してもうけているのがたくさんあるんですよ。たとえば九州の小倉に郵政省の土地があった。これを市が払い下げを受けた。それを一月たたないうちに日活ホテルに売って、そこの重役に市長がやめてなっている。こういうような問題。しかもその中には六十坪、七十坪の郵政省の局にする土地があった。これも自動車の車庫を建てられてしまって、ああでもない、こうでもないと言っているうちに、これも向こうにやらなけりゃならぬことになった。こういうことですね。  それからもう一つ、これは虎ノ門にニューエンパイヤモーター株式会社というのがありますが、これが土地の横領で大問題を起こして、この決算委員会でいろいろ調べましたが、都が自動車をもらったり、金をもらったりして不正なことをやったが、しかしこれで刑事問題を起こしてもなんだからということで、結論こおいて払い下げをすることにあなたのほうもされ、決算委員会もしかたがないから承諾した。ところが払い下げたら、これはまだ登記もなっておらぬうちにこの会社の株券全部ほかに売っちゃったのです。それだから税金も取られませんよ。株券の売買の税金だけですよ。それでやっぱりそこに七、八億の利益を得ているのですね。税金を納めぬでいい利益です。こういうこともある。この資料を、私も調べてありますから、さっそく決算委員会に出してください。  もう一つ、産経新聞のあの近所、あの辺には国有地がぞろっとたくさんあったのです。あれはみんなああいうところに払い下げしちゃって、いまあなたの言われるとおり、坪七万円か、当時産経なんか七万円だかで払い下げしちゃって、今度家を建てるのに金がないから、その土地一部分けてやっちゃう。それで家を建てる。払い下げてもらったあくる月にその土地を今度はほかに売るとなると、それが一坪四十万だの五十万だので売れる。いまは百万以上しているでしょう。あの周辺が、あれだけの国有地が全部一流の会社払い下げされた。その払い下げを一体どういう方法でやったのか、どうぐあいに許可されたのか、どこにどうされたのか明細にひとつ出してください。これはしかたがない。これを調べた上において池田内閣がひっくり返ろうがかまわない。私はこれは断じてひとつ調べてただしたいと思う。あまり国有財産を粗末にし過ぎるのです。大蔵省の人間は精神が麻痺している。そこらじゅうの役所が、みんな予算をもらわなければならぬから、結論においては大蔵省に頭を下げる。それをいいことにして、おれたちは何をやってもたいていのことは済むんだという考え方でものをやっておる。これは私はとんでもないことだと思う。そんなことは許すべきことではない。これは決算委員長がどう言うか知らないけれども、ある程度はたださなければいかぬ、そうでしょう。  いまこの土地払い下げた。この会社が一カ月たたぬうちに、まだ名義の変わらぬうちに、すぱっとよそに売っちゃって、そして払い下げを受けた代金だけ持ってきて、その差額は七億円くらいある。今度は会社のほうがやったから税金も払わぬでいい。証券の売買ですから、去年よりは多少高いけれども払わぬでいい。そして脱税し、役所をごまかしてやる。これはたいへんな問題ですよ。  一方においては、税金を納められないために首つったり夜逃げしたりしている人がある。こういうものをある程度はっきり——これはなかなか政治家が何だとただせられないけれども、ある程度はやはりこういうものは権力に向かってただしていかなくちゃいかぬ。だから、私はこの二つだけを調査してみたいと思いますから、資料を出してください。
  62. 江守堅太郎

    江守政府委員 かしこまりました。
  63. 田中織之進

    ○田中(織)委員 もう一点関連。いまの愛知の物件の関係でありますけれども、それが松下電器に売られたことは非常に遺憾だ。こういうように言われておりますけれども、そういう遺憾だというような道義的な問題じゃなくて、それは法律違反と違いますか。最後にいま田中委員の関連質問に対して、松栄商事及び松下電器から買い戻せということを、第一次に払い下げ東洋プライウッドに求めておるというのですけれども、払い下げの条件というものは、払い下げ申請書にある使用目的と違ってはいけない、あるいはこれを譲渡することは一定の期間できないというようなことが、払い下げの場合に必ず条件としてついておるのじゃないでしょうか。したがってこの場合も、そのついておる条件に違反した場合には、国としては強権的にその払い下げ物を返還せしめなければならぬ責任があるのではないかと私は思うのですが、その点いかがでしょうか。この払い下げの場合には、そういう条件はついてないのですか。
  64. 江守堅太郎

    江守政府委員 本件の売り払いにつきましては、いわゆる用途指定をいたしておりません。したがいまして、はなはだ残念でございますが、法律上の問題として契約を解除することはいたしかねる状況でございます。これは、私ども仕事のやり方としてまことに遺憾なことであったと痛感をいたしております。用途指定をいたしますのは、元来無償で譲与する、あるいは半額で売り渡す、あるいはまた国の目的からいってどうしてもこの用途を指定するほうがいいと思われるような場合に、用途指定をつけ得ることになっております。したがいまして、本件についても、もちろん用途指定をつけ得たわけでございます。こういった随意契約によりますところの時価売り渡しという契約におきましては、本来その目的のために使用されることを趣旨として売り渡したものでございますので、国といたしまして売り渡す際には、当然その目的に使われるということを信じておるわけでございます。先ほど申しましたようにNHKワシントンハイツ売り渡しました。これも随意契約によるところの時価売り渡しでございますが、用途指定はつけておりません。用途指定はつけませんでしたが、もちろん国が売り渡しをした目的に従って使用されておるのでございます。したがいまして、時価売り渡しによるところの随意契約の場合は、本来政府とそういった買い受け者との間で、いわば信義、誠実という原則に基づきまして、しいて用途指定をしなくてもいいであろうというような方向で従来仕事をやってまいったのでございます。本件のごときは、まことに仰せのとおり国といたしまして直ちに契約を解除いたしまして、その財産を取り返すという措置に出たいのでございますが、そのようなことで、その措置もとれない。したがいまして、今後におきましては、随意契約による時価売り渡しにつきましても、例外的なものを除いては、すべて用途指定の条件をつけるということにするということで、いまその用意を進めておる現状でございます。
  65. 田中織之進

    ○田中(織)委員 随意契約の場合には、私はいま局長が答弁されたように、たとえば一時使用許可を受けておる、借用しておるというようなところに随意契約払い下げるということが通常の場合だと思うのです。したがって、その使用目的というものは、厳に限定されてなければ、私は随意契約すること自体が国有財産の処分として問題だと思うのです。それは公入札によることが当然なので、随意契約というものはよほど特殊な場合なんですから、その場合にはやはり使用目的というものが明確な場合で、あなたの先ほどの答弁では、輸出用の何かの生産設備をつくるためにということで払い下げたというのですが、現実に松下電器売り渡したのが、一期、二期と分かれておるようでありますけれども、何かそういう随意契約をするような目的に、払い下げた部分の一部でも使われておるという実態があるのですか、どうですか。これはほかの随意契約というような場合には、なかなかやかましい条件を大蔵省つけておられる。通例の場合はつけておられるのですが、この場合は随意契約で、しかも使用目的の変更禁止の条項が入っていないというところに、きわめて情実的なものがあるのではないか、だからこういう不手ぎわが生まれてきておるのだ、このように思うのですが、その点はいかがですか。
  66. 江守堅太郎

    江守政府委員 仰せのとおり鷹来製造所土地につきましては、ここでそういった事業をするという計画を持つておったので売ったのでございますが、いまその事業をいたしておりません。でございますが、東洋プライウッド株式会社は、先刻申し上げましたとおり、ここの施設だけではございませんで、従来熱田高蔵、二つの土地をその目的に使っておりまして、この二つの土地におきましては、りっぱにその仕事をやっておられる。わが国の合板輸出量の中でも相当の量を占める会社でございまして、実績も十分あがっておるわけでございます。したがって、いわばその点を信頼をいたしまして、随意契約の際に用途指定をいたさなかったという点でございまして、繰り返して申しますが、この点につきまして深く反省をいたしておりまして、今後におきましては、このようなことのないように、時価売り払いの随意契約につきましては、すべて原則として用途指定をつけるということにいたしたいと考えております。
  67. 田中織之進

    ○田中(織)委員 関連質問ですから、これで私終わりますけれども、譲渡禁止の条項がある場合にも、脱法行為として、たとえばそれを担保で金を借りる、融資を受けたという形式で、たとえば代物弁済の条項をつけるというような形で、大蔵省が譲渡禁止、これは一定の期間の場合でもそうでありますけれども、そういうことで、これは一種の法の盲点をついた脱法行為が行なわれるわけですが、この点は先ほど田中彰治委員から指摘したように、松下電器へのいわゆる売り渡し担保の形式でやっておるということになれば、登記面にその点は当然出てこなければなりませんし、実際に第一次に払い下げを受けたところと現在そこから転売を受けたものとの間に行なわれた取引価格というようなものについても、これはお調べになって、先ほど田中委員の質問に基づいて資料を提出するということでありますから、ぜひそれを、登記関係の書類と、それから実際の譲渡価格の問題について、金額について報告を願いたいと思います。
  68. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 局長、いまの東洋プライウッドというこの会社随意契約をしなければならない何かやはり、何というのですか、慣例というのですか、そういうつながりというのですか、そういうものがあったのですか、この土地に対して。これは問題ですね。これはほかにほしい人もあるでしょう。これを売るとか競売に付すとかいうこともあるわけです。けれどもここに随意契約したのですから、何かここと随意契約というものを行なわなければならない、いろいろございますね、もとあの人が持っておったやつを国がとったとか、あるいはそこに土地を貸しておったから、そこに地上権がついている、地上権を立てなくてもつくようになっているとか、あるいは何だとか、そういうようなことでどうしても随意契約をしなければならない何かあったんですかね。これをひとつ。
  69. 江守堅太郎

    江守政府委員 形式的に申しますと、予決令のいわゆる輸出産業の保護という条項に基づきまして、東洋プライウッド株式会社とは随意契約ができるということでございます。それからまたこの土地につきましては、特にぜひそれを私のほうに売れというような強い競願者もございません。先ほど申しましたように、名城大学が両地域にございますが、この地域は両方合わせまして、約八万坪の土地を持っておりまして名城大学計画しております農学部、薬学部というものの施設としては、その八万坪で十分である。ただその二つが分かれておるのでありますが、それを一カ所にまとめるとか、そういうような措置は望ましいのでございますが、そういう点も先ほど申しましたような事情で話がつかなかった。したがって、東洋プライウッドがその事業計画遂行上早くその仕事をしたいという強い希望があり、しかもそれが予決令上随意契約ができるということで随意契約で売ったということでございます。
  70. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 そうすると、別にそういういろな土地を貸しておいたとか、もと戦争中にとったとか、その人の土地を寄付さしたとかいう特殊な関係がないんだから、値段も相当な高い値段で売られたんでしょう。どうなんですか、安く売られたんですか。値段は十分に売られたつもりだというお考えですか。どうなんです。
  71. 江守堅太郎

    江守政府委員 値段は適正な時価で売り払っております。
  72. 田中彰治

    ○田中(彰)委員 私は松下に、買ってから一カ月でどれだけもうけて売ったか知りませんけれども、値段は適正な価格で売られたなら、いまあなた委員会でえらい苦しい答弁をしていらっしゃいますが、一たん売ったものに対してどこへ売ったらいけないという条件はつける必要はない。そのかわり、随意契約というものは普通の契約より高いはずです。それで役所から払い下げしたというなら、一割や一割五分の利益はあるでしょうけれども、そんなに三割も五割ももうかるべきものじゃない。そういうことで売っているならば、別にこれをいま払い下げをしたからどこへ売ってはいかぬというあれをつける必要はない。しかし、うんと安く買ってうんともうけておるということになったり、それから、こういう仕事をするのだという計画をして、あなたのほうがその計画に基づいて、いまの輸出というものを重大視してお払い下げになったものを、しないでほかに売ったということになれば、役所をだましたということだから、私はいまの条件がついておらなくても、だまされたということで取り消しの民事訴訟はできると思うのです。私はしろうと判断で言うのではないのですが、いまあなたがえらい苦しい答弁をされる。随意契約は因果関係のあるときには多少安くするから、これはいまあなたの言っているような条件をつけられてもいいけれども、普通の買い手がなくて随意契約したのに、あなたのように条件をつけられれば、今度は高いものを買ってまでつけられるのだから、役所のものは売れなくなるということになる。こういうことも局長やはり考えて答弁されないといかぬ。何でもかんでもみんな随意契約にそういう法律をつけるということになってくると、これはまた問題になってくる。問題はそこですね。その点は、あなたひとつよくお考えになってやられたほうがいい。  それから、ほかのいま言った産経とか、あの辺の土地なんか、あそこで特に随意契約でやらなければならぬということはございませんよ。あそこは競願者が山ほどある。それをあなたのほうでみんな随意契約でやられている。それについては、競願者がどんなかっこうで、あるいはどれだけあったか、これだけはどうしてもひとつ出してください。これは私はどうしても一応は調べなければならぬ。相手が新聞社であろうと何であろうと、そんなことはかまいません。これはひとつ出してください。  これで私の質問を終わります。
  73. 江守堅太郎

    江守政府委員 いろいろ御要求のありました資料を後刻提出いたしますが、ただ一つ、東洋プライウッド松栄商事それから松下に売り渡しました価格につきましては、私ども極力松下あるいは東洋プライウッドに話をいたしまして、その真相をつかみたいと思いますけれども、強制的にこれを調べる権限を私ども持っておりませんので、一生懸命努力をいたしますが、はたして御要求のときまでに出せるかどうかにつきましては確言いたしかねますので、ごかんべん願いたいと思います。
  74. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 局長、これは資料要求をして、資料が出てきてからもう一度よくお聞きしたいと思います。  資料を一つお願いしたいのは、東洋プライウッド株式会社に、私が見たのでも二件ですか、三件ですか、売っているわけですが、それ以外にもあると思うのですが、ここに売った財産を全部、この一覧表程度でけっこうですから、その程度に書いて資料として出していただきたいと思うのです。  それから、本件の問題でありますが、これについては払い下げ申請書、それからそれに基づく、先ほど市長さんとか通産省というお話がありましたから、こういう申請書についている附帯書類がありましたらそういうもの、それから図面、それから申請に基づいて審査をした経過を日時、会議、そういう最終的な決裁というようなものをひとつ出していただきたいと思うのです。それと同時にこれはいままでやったことでありますからこれはわりあい簡単にできるのじゃないかと思います。それと同時にこれを転売した経過をあなたのほうでわかる範囲内でけっこうですから、ひとつ出していただきたい。いま言いましたように、なかなか時間がかかるということでございますと困りますから、いま私が前段に申し上げた資料というのは大体現地にある資料をそのままコピーにとればいいわけですから、一週間ないし十日以内にひとつ出していただきたいと思うのです。転売経過もそのときにわかるだけの資料をひとつ出していただきたい。よろしゅうございますか。  それともう一つ私がお願いしたいことは、旧軍用に供したもので各所にいろいろ問題になっている、なかなか処理に困っているのがある。私の地元の静岡市にも新富士見住宅というのがあるわけですが、ここの全体的な今日までの払い下げ土地建物、それからいま残っておる土地建物、そしてこれをどういうふうに処理しようとするのか。この点もひとつ現地のほうに調べていただいて書類として、これもできるだけ早く出していただきたい。以上。
  75. 江守堅太郎

    江守政府委員 かしこまりました。
  76. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それで私の大蔵省を終わります。ほかに行くところがありますから。
  77. 山田長司

    ○山田(長)委員 大蔵当局に伺いたいのですが、金融機関とそれから証券業者の決算について、毎年度の検査計画というものが実施されて、これが検査されているだろうということはわかるのでありますが、この検査の結果のおもな指摘事項、それからこの検査報告書は一般は極秘にされているという話ですが、この極秘にされている法的根拠はどういうところにあるのか。この点を大蔵当局に伺いたいと思います。
  78. 牧野誠一

    ○牧野説明員 お答え申し上げます。大蔵省で金融機関系統についてお答え申し上げますが、金融機関について検査を実施いたしておりますのは、大蔵省の本省とそれから財務局と両方で実施いたしております。本省では三十六年度に都市銀行、あるいは地方銀行、相互銀行、保険会社等入れまして七十八の金融機関について実施いたしております。それから三十七年度は七十四の金融機関財務局では三十六年度はこれは地方銀行、相互銀行、信用金庫等でございます。小さいものが多うございますが、三十六年度三百五十一、三十七年度三百四十六でございます。  それから検査の結果につきまして公表しないということは、これは一般的に公務員の職務によって知り得た他の秘密を公にしないということで、私ども個々に金融機関の検査の結果については、ほかの方には申し上げないというふうにいたしておる次第でございます。
  79. 山田長司

    ○山田(長)委員 検査の結果のおもな指摘事項というものはどういうものがあるか。それからただいまの御答弁によりますと、法的な根拠は別にないように思われるが、法的な根拠をもう少し明確にしてもらいたいと思う。
  80. 牧野誠一

    ○牧野説明員 公表しない根拠は、ちょっとただいまの条文ははっきりいたしませんですが、国家公務員法の百何条かにあったかと存じます。  それから指摘いたしました事項のおもなものは、これは私ども大蔵省の検査のおもな目的は、預金者の保護でございます。預かった運用しております金の運用状況について、なるたけ健全なところに運用するようにという趣旨で、少し問題がありそうなところを指摘するということがおもでございます。そのほか最近はいろいろな金利関係などにつきましても、預金について特例で出しているものはやめるようにというふうに指摘しております。
  81. 山田長司

    ○山田(長)委員 三十六年か度ら三十八年度までの検査計画の実施の状況、いま実施された銀行の名前も出ましたが、これについていろいろ支障もあるといわれるが、検査報告の内容を銀行別に出してもらいたいと思いますが、どうですか。
  82. 牧野誠一

    ○牧野説明員 先ほど申し上げましたけれども、銀行の検査の銀行別にどういうような問題を指摘したかということを私どもが資料として出しますことは、これはいろいろ問題があるかと思いますので差し控えさしていただきたいと思っております。
  83. 山田長司

    ○山田(長)委員 検察当局の要求によれば、あなた方はこれは問題なく提出することになると思うのでありますが、いろいろ調べたいことがあって、いまこれが要求をしようとしているわけですけれども、国会の要求があってもそれは拒否しますか。
  84. 牧野誠一

    ○牧野説明員 これは私ども個々の金融機関の内部の、家庭の事情と申しますか、それからまたそこに預けておる方、あるいはそこから金を借りておる会社なり個人なりというもののことごとくごく内部的な秘密な事項に関係いたしますので、私どもそれを資料として提出するというようなことは遠慮いたしたいと思っております。
  85. 山田長司

    ○山田(長)委員 いや、あなたは遠慮したいと言うが、国会の要求があった場合にこれに対してどうするかということを聞いているのですよ。
  86. 牧野誠一

    ○牧野説明員 これは私も大蔵省銀行局検査部長でございますので、大蔵省として最終的にどうするかというようなことは申し上げるのはいささか僣越かと思いますが、私どもとしてはこれはお断わりせざるを得ないじゃないかというふうに思っております。
  87. 山田長司

    ○山田(長)委員 政務次官に伺います。
  88. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいまの問題につきまして、検察庁なんかの犯罪等に関連するときのなには当然ですね。材料は提出すべきだろうと思うのです。したがいまして、国会のほうで正式に要求する手続があるか、私は否定しませんが、常識論で申しましてそういうような形で正式な方法によって要求される場合には、私は提出することはできるじゃないかと思うのであります。ただ個人で要求されるとか、そういう形になりますれば、いま説明いたしましたように、大きな銀行自体の問題にも影響することなんでありますから、そういう形ではなんですが、正式に手続をとってされれば許される道があるのじゃないか、そういう法律があるかどうか私はわかりませんが、ただ常識論として正式な形でなにすれば、それに対して応じなければならぬじゃないかという考えを私としては持っております。
  89. 山田長司

    ○山田(長)委員 大体政務次官の答弁で了承した感じなんですが、そうしますと、これはもう一ぺん明確にしておきますけれども、当委員会で正式に委員会の決議を経て、資料要求をした場合には、これが要求にこたえるための答弁をするということですね。
  90. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 正式の手続ということで委員会で決議して、事柄にもよるだろうと思いますが、内容にもよるだろうと思いますが、それはその決議をされても絶対に資料を出すことができない事項もあるのじゃないかと思うのでありますが、その辺私もよくわかりませんが、正式の手続でどの程度の範囲までは資料を出すことができるかどうかということは、重ねて検討しなければならないものじゃないかというふうに考えます。
  91. 山田長司

    ○山田(長)委員 決算委員会として資料要求をするということが正式に決定した場合に、その内容で出せない資料というのは一体どういうわけなんですか。出せない資料というのはどういものが出せないのか、明らかにしてください。
  92. 牧野誠一

    ○牧野説明員 ちょっと私、いまうかつで条文が見つからないのですけれども、正式に要求があった場合出さなければならないということになっているのは事実でございます。ただ内閣といたしまして、どうしてもこれは出せないという場合には、いまちょっとどこの条文か、見つからないで恐縮なんですが、内閣でこれを出せないということを決定して声明を出すという形になっておる。あとは政治問題になるのかというふうに存じております。いま条文がちょっと見つかりませんが。
  93. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 いま国会法百四条の条文で正式に決定したものは資料を出さなければならぬ、こういうことになっておりますから、そういう手続をとられますれば出さなければならぬ、こういうことでございますから、私のさっきの答弁を取り消します。
  94. 山田長司

    ○山田(長)委員 今度は管財局のほうに関係があることですが、五千万円以上の物件の普通財産の売買について、国有財産の売買契約書、それから売買価格の算定の基準となったもの、それから国の売り払いの基準価格、民間の成立したものの評価等も入れて、資料としてこれを提出をしていただきたいと思います。
  95. 江守堅太郎

    江守政府委員 資料を提出いたします。
  96. 山田長司

    ○山田(長)委員 これも管財局になりますが、旧市谷の印刷局の土地建物等の処分契約について、印刷局と電電公社との交換した取りきめの内容、これをやはり資料として提出願いたいと思います。
  97. 江守堅太郎

    江守政府委員 御要求資料を提出いたします。ただその契約書は個々によって多少違っているものがございますので、標準的な契約書ということでよろしゅうございましょうか。
  98. 山田長司

    ○山田(長)委員 いいです。  法規の問題に関係すると思いますが、農林省でも分室を持っておるが、大蔵省の分室の持っている状態というのは相当数になっているのですが、大蔵省で持っている分室の所在個所を明らかにして提出をしていただきたい。
  99. 江守堅太郎

    江守政府委員 分室とおっしゃいますのは公邸のことでございますか。
  100. 山田長司

    ○山田(長)委員 たとえばこういう場所——一カ所私は申し上げておきます。公邸もその一つです。三ノ橋の周辺にマージャンクラブのごとき公邸、分室がある。私は一々言わないが、大蔵省は全部調べて出してもらいたい。かなり大きな面積を持っている。自動車も二十台くらい入る庭もある。これは分室と名を打っているか、公邸と名を打っているかわからないが、門標は出ていない。こういう個所があるだけひとつ出してもらいたい。
  101. 江守堅太郎

    江守政府委員 よく調べまして提出いたします。
  102. 山田長司

    ○山田(長)委員 それでは、実は昭和十二年以後日本にダイヤの輸入はなされていないはずだと私は記憶しておるわけですが、ところが銀座の日本堂へ行きますと、時価二千万円のダイヤが現在店に陳列してあります。新宿の小田急デパートに時価千八百万円のダイヤがこれまたウインドーに陳列してあります。国会で接収貴金属の問題につきまして、十一、二年前に出てきたままのときにこれが問題になりまして、この処置について、日銀の地下室に眠っているダイヤの問題の処理をどうすべきかということが当時問題になり、今日まで続いております。数年前にこのダイヤは貧しい人たちのためにひとつ処理しようじゃないかということが国会でたぶん決議をされたと私は思っております。しかるにそのダイヤがいまだに処理されずにあるわけですが、ちまたではこのダイヤは必ずしも当時の状態から見ますとそのままの姿ではないのではないか、こういうことが流布されております。管財局としては日銀の地下室へ入る職員については、単独で入ることを許されているのか、それともこの地下室へ入る場合には必ずだれか随行するのか、この点が不明確なんです。その点どういうふうな処理の仕方をされているか、一応管財局から伺いたいと思います。
  103. 江守堅太郎

    江守政府委員 日銀の地下室に入りますときには、日銀の方に案内をしていただきまして、日銀の方に金庫を明けていただきましてダイヤモンドを見ております。
  104. 山田長司

    ○山田(長)委員 いまのあなたの説明よりも私はもっと詳しく知っていますよ。実は私は日銀の地下室に過去三回入っております。いまのあなたの説明みたいなことじゃなくて、実は入っておるんです。入る人、一人々々が署名をし、係の人はあの封印したものに判まで押しているんですよ。ところが私は判を押すことに疑問をいま感じておるんです。それだから私は聞くわけですけれども、局長よりも私のほうが詳しく知っていると思うんだ。  そこで、このダイヤモンドは、どうして進駐軍が日本に引き渡した当時と、現在の大蔵省が保管している状態とで、品質、数量の変化が起こったのか、これを答弁してください。
  105. 江守堅太郎

    江守政府委員 進駐軍から政府に引き渡されました以後におきまして、品質その他に現在保管中のダイヤモンドが変更があったというふうには私ども心得ておりません。
  106. 山田長司

    ○山田(長)委員 局長がそういうことを考えているようだから、世間にやはり問題があるんですよ。それでは進駐軍で当時品質を調べた係の人と進駐軍から引き継いだときの係の人と、これらの人たちに前後の事情をお聞きになってみたことありますか。
  107. 江守堅太郎

    江守政府委員 進駐軍から引き渡されましたときのダイヤモンドの分類、保管の仕方、それらにつきましては、その後日本政府におきまして分類の仕方を変え、保管の仕方を変えたということはございます。ですが、その総量、品位その他につきまして変更があったということはございません。
  108. 山田長司

    ○山田(長)委員 進駐軍が引き渡した当時の品質と大蔵当局が管理する段階になった品質はどういう点で品質の相違ができ、数量の違いが出たのですか。
  109. 江守堅太郎

    江守政府委員 品質、数量の相違はございません。
  110. 山田長司

    ○山田(長)委員 いや、あなたはそういうことを言ってもだめなんですよ。私、ちゃんと資料を持っているんです。品質と数量があまりに違い過ぎるから私は聞いているんですよ。違いませんなんて言ってもだめなんです。もっとわかる人を出してください。
  111. 江守堅太郎

    江守政府委員 品質、数量には違いがないと私、信じておりますが、ただいまここに貴金属処理部関係の課長がおりませんので、後刻、聞いて御返事をいたします。
  112. 山田長司

    ○山田(長)委員 係の課長がいないからというなら話がわかるが、非常に世の中で疑問を持っておることがたくさんにあるものですから、私はここでいまただしているわけですよ。それで進駐軍が引き渡した当時とそれから大蔵当局が引き受ける段階になって品質にも数量にも違いが出ているんですよ。私は進駐軍当時の数量の資料を持っているし、大蔵当局が引き継いだときからの資料を持っているんですよ。
  113. 江守堅太郎

    江守政府委員 進駐軍が接収いたしました数量と進駐軍が政府に引き渡しました数量との間に差異はございます。私が申しましたのは、進駐軍から引き渡されましたあとにおきまして、日本政府の保管になりましたあとにおきまして品質、数量の変化はないということを申し上げたのであります。
  114. 山田長司

    ○山田(長)委員 進駐軍から大蔵当局が引き継いだ段階になってからは相違ないという点をあなたは強調するけれども、私の聞きたいのは、進駐軍当時の数量と大蔵当局が引き継いだときの数量と、品質において、数において相違が出ておるのですよ。だからどうしてその相違が出たのかということを聞くわけですよ。
  115. 江守堅太郎

    江守政府委員 接収されました数量と引き継ぎました数量との差異ということは私どもよくわかりました。そうしてそれがどのように違っておるかということにつきましては、貴金属処理部でいろいろ調べております。私ここで御返事いたしかねますが、後刻御返事できると思います。
  116. 山田長司

    ○山田(長)委員 これも資料です。何十年もほうってあって、日銀の地下室にこのダイヤが眠っておるので、世の中の人も忘れてしまっておる。私はたまたま十二年前に議会に出てきた当時に扱ったことなので、ずっとその後、一体これはどうなるのかと思って見守っておった。去年の夏ごろ、議員の中で、このダイヤの処理は外国へ売り払うべきじゃないかということを進言した人がある。進言することはいいけれども、外国へ売り渡すとは一体何だ。これは日本の貧しい人たちの社会保障のために使うべきじゃないかということが国会で決議されておるにもかかわらず、売り渡すとは何事だというので、それから今日まで実は尋ねる機会を待っておったようなわけです。  そこで資料要求をいたします。進駐軍が日本に引き渡した当時の数量は幾らであったか。それから大蔵当局がこのダイヤを引き継いだときの数量、品位の上がり下がり、たとえばこういう分け方をしてある。AA、AB、AC、AD、AF、こういう形でいわゆるAクラスのダイヤは分けてある。それから二番目のクラスのダイヤは、BA、BB、BC、BD、BF、こういう形で第二のクラスは分けてある。このクラス別に分けられた品質と数量を資料として御提出願いたいのであります。  御承知のように、去年の六月ごろ、銀座の街頭で、時価二千万円のダイヤが新聞紙に包まれて落ちておった。このダイヤとは関係があるかないかわからぬけれども、とにかく警視庁の遺失物の係にはいまだにそのダイヤが保管されておる。時価二千万円もするものが銀座のまん中に落ちておって、落し主が届けてこない、実に不可思議なことですが、こういうことはどうも日銀の地下室に関係がありはせぬかという風聞が世の中では伝えられておるから問題なんであります。  私はこの資料要求するのですが、資料を出せますね。
  117. 江守堅太郎

    江守政府委員 提出いたします。
  118. 山田長司

    ○山田(長)委員 これは委員長に申し上げるのですが、参考に、決算委員会の人は、ぜひ一度日銀のダイヤの保管状況を行って見ておく必要があると思うのです。これは保管の状況等を見ましてどうもふに落ちない点がある。地下二階の金庫の中のことでありまして、間違いはないと信じておるのですけれども、やはり一ぺん中へ入って、どんなふうに保管せられているかということの研究をひとつわれわれはわれわれなりに見る必要があると思うのです。なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、その後百円札の束が日銀の地下室から出て、やはりそれが銀座に盗まれてあったという事件がその後もあるのですから、これは入れないのじゃなくて、やはり入っている人がいるのですから、この点ひとつ委員長にお取り計らい願いたいと思います。
  119. 白浜仁吉

    白浜委員長 それでは勝澤君。
  120. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 専売公社にお尋ねいたしますが、監事のあり方についていろいろと委員会から指摘をされまして、これについて行管も取り上げまして、具体的に職務権限なり、あるいは運営の方式なり、あるいは組織の整備、あるいは監事の処遇というようなものについて指摘をされておるのでありますが、これについての回答もなされてはおりますけれども、やはりまだちょっと抽象的で、まだきっちりしたものがきめられていないようでありますが、どういうような処理がなされておりますか、まずその点をお伺いしたいと思います。
  121. 阪田泰二

    ○阪田説明員 お答え申し上げます。  専売公社の監事の監査機能の強化の点につきまして、行政管理庁のほうから大蔵大臣のほうにお達しがありまして、私どものほうもその趣旨を承ったわけでありますが、内容につきましては、いろいろ数項目にわたっておりまして、監事の職務権限の問題、あるいは責任の問題をもう少し明確化すべきではないかといったような点もあるわけでございますが、その辺の点につきましては、これは私どもが専売公社法のもとに公社の事業あるいは監事の仕事をやっておられるわけでありますが、もっぱら法令関係、法令改正の問題になりますので、公社としては、立法問題といいますか、そういう点につきましては、積極的に御意見を申し上げることはないわけでありますが、大蔵省のほうから行政管理庁のほうに適当な機会に措置したいというような御返事が出ているように承っております。ただ主務大臣から公社の監事に対しまして監査の命令を出すといったような事項が行管のほうから参っておるわけでありますが、この点につきましては、私どものほうから考えましても、大蔵大臣から公社自体が一般的に監督を受けておるわけでありまするし、また監事というものがいわば一種の独立の権限、責任を持って監査をいたしておるといったような関係もありまして、行管のお達しのありましたような趣旨はいまの専売公社、大蔵省、あるいは監事といったような関係から必ずしも適当ではないのではないか、こういったような意見を持っております。  それから監査の運営方式をもっと明確にしたらいいではないか、こういつたような御指示もあったわけでございますが、これにつきましては、専売公社の監事は、従来から監査の方式を自分でつくりましてやっておるわけでございます。それが十分でないといったような御意見であろうかと思いますが、監事というものの性格からいたしまして、これも従来以上に、勧告の御趣旨によりまして監査に関する内部規程、これをもっと整備し明確化していく、こういうふうにやりたいということで、監事のほうにも、そういう趣旨のお願いをしてありたわけであります。また監事の職務を行ないますにあたりまして、たとえば必要な補助職員の配置その他が十分でないのではないかといったような御指摘もあったようでありますが、この点につきましては、私どものほうの監事の関係事務組織といたしましては、監事室というものがありまして、そこに専門の職員もおるわけでありますが、公社自体として内部監査組織を持っておりますので、その内部監査組織の職員がすべて監事の仕事にも兼務して従事し、お手伝いする、こういったような形でやっておるわけであります。その辺のところが監事が十分に仕事を行なう上におきましてまだ十分ではないといったような御観察といいますか、御指摘というような点があったのかとも思いますが、私どもといたしましては、現状をなお十分に検討いたしまして、機構問題として改正すべき点、あるいはまた人手が十分でなくて監事の監査が十分に行なわれがたいといったような点、できるだけこれからも検討いたしまして、できるだけ十分にやっていきたいという考えでおるわけでございます。  なお、監事の処遇改善の問題につきましては、これも大蔵省、監督官庁のほうでおきめいただく事項ではありますが、私どものほうからもいろいろお願いいたしまして、多少の改善は実行されております。あるいは十分であるとは申しかねるかもしれませんが、そういう状況に現在あるわけでございます。
  122. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この関係では大蔵省はどこになるのですか。監事の関係……。
  123. 澄田智

    ○澄田政府委員 私からお答え申し上げます。  それぞれの機関によりまして監督の部局が違っております。ただいまの御質問は、専売公社でございますれば、大臣官房に専売公社の監理官という職制がございまして、監理官がおりまして、そこで公社の監督一般をやっておりますので、その一環として監事の職制はどうあるかとか、そういう問題も取り扱うべきだと思います。これがほかの金融機関系統のところでございますれば銀行局、こういうことになるかと思います。
  124. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、これでは第一の職務権限の問題は、公社法の改正もある程度しなければならぬ、こう出ておるのですが、これはどこで扱うのですか。あるいはいまの経過はどのようになっておるのでしょうか。
  125. 澄田智

    ○澄田政府委員 いま担当官がおりませんので、ちょっとあれでありますが、そういう法律改正の準備等は専売公社監理官のところでやるようになっております。
  126. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 政務次官ちょっと聞いていていただきたいのですが、監事の問題は各省がばらばらなんですよ。各省がばらばらでやっておるわけです。それから監理官の仕事もばらばらなんです。監理官それから監事を何とかしなければいかぬということで取り上げまして、各省ごとに行管から注意が促されて、それからまたそれについての各省ごとの回答がきているわけです。その回答もみな同じようなことなんです。ですから質問があって回答があっただけで、実は何も進んでいないという実情なんです。これは一体どうしたらいいか。行管で言って、それについて各省ごとに回答がきた。そしてまた監督官庁が、御案内のように監理官がやっている。監理官と、それからその公社、公団、公庫との関係を見てみれば、監理官の行政の力からいって、一体監事なり監理官制度というものは根本的にどうするかというようなことがそう積極的に進んでいくとは思わないわけです。どこかでこれを取り上げてやらないと、職務権限の問題、運営方式の問題、それから監事と内部の監査の問題、それからもう一つは監事の処遇の問題、これがみなつかえちゃっているわけですね。トップで、あなたのところが監事の問題を扱うことになったわけでありますから、政務次官としても、何か、政務次官会議でもいいし、あるいは大臣にでもいいですから、もう少しこれを進めるように、この点について、ひとつあなたのお考えなり、どうするかをちょっとお聞かせ願いたいのです。
  127. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいまの問題につきましては、大蔵省といたしましても、先ほど来お話しのように、実は行政管理庁からのあれもありまして、それに対しましてそれぞれ、大蔵大臣のほうからも回答を受けておりまして、大蔵省としてもこれを検討いたしておるわけでございして、法律の改正をやらなければなりませんので、まあ期限も限られておるわけでもないものでございますから、法律改正の機会にひとつこの問題をできるだけ早く織り込んで規定したらどうかというような話は——ある程度でございますが、今後ひとつお話のように、各省とのいろいろの関係もあるようでありますから、その際におきましても次官会議にも提案をいたしまして、これの善処方について、お互い歩調を合わせてやってみたらどうかというふうに考えております。
  128. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 大蔵省がたとえば専売公社法の改正をやれば、ほかも同じように右へならえをしてやることになるわけです。それから大蔵省が、たとえば今度は監事の処遇の問題について職務権限を明確になったら——監事というものが理事よりも給与の上では低い、こうなっているわけです。理事が上で監事が下でその下に監理官がおるわけですから、それが逆に下のほうから監督を受けているわけですから、そういう点はやはり大蔵省がやればほかも右へならえをやるわけです。監事の処遇を一つ取り上げてみても、関係方面と折衝を行なって善処をしたい、意見は賛成だ、どの公社、公団あるいは事業団も言っているわけです。ですから一番中心になるのは、大蔵省がやるかやらぬかということになるわけですから、その点はいまの御答弁でけっこうですから、ひとつ進めていただきたいと思います。  それから監事の方がお見えになっておりますが、監事のほうとして、今日までの監事職務権限が明確になっておらなかった、運営方針がはっきりしなかったということについての御意見をひとつ聞かしていただきたい。
  129. 岡本静雄

    ○岡本説明員 お答え申し上げます。  実は前からこういう問題がございまして、専売公社の監事といたしましては、昭和三十五年に監事監査要領というものをつくりまして、それまであまりはっきりしておらなかった職務権限などをみずからきめたと申しますか、こういうふうにして監査をして、その結果をこういうふうにして主務大臣あるいは総裁に御報告申し上げるというようなことをきめたわけでございます。それに沿いまして監査を進めてまいったわけでございまして、法律に規定がないということでございますが、内部的にはそういうものがございまして、それに従いましてやってまいった。もちろん専売公社と国鉄あるいは電電なんかとはだいぶ違いますので、仕事のやり方も違っておりますが、まずまずそれでやってまいったというわけでございます。
  130. 森本靖

    ○森本委員 ちょっと関連して。それで専売公社の監事のスタッフはどうなっておるのですか。
  131. 岡本静雄

    ○岡本説明員 去年、行管の勧告がございましてから、専門の人をいままでに五人いただきまして——さっき総裁から御答弁申し上げましたように、専売公社におきましては管理部のスタッフを監事も使えることになっておりますが、そのほかに専門の人五人をいただきまして、従来からおりました人と合わせて六人が現在監事室に監事のほかにおるわけでございます。
  132. 森本靖

    ○森本委員 それでその監事は何人ですか。
  133. 岡本静雄

    ○岡本説明員 現在専売公社では二人でございます。
  134. 森本靖

    ○森本委員 それはいま勝沢君が質問をしたように、その二人の監事で六人のスタッフで、それで総裁の諮問に答え得るような専売公社全体の監査機構がはたしてできるかどうかということを常識で考えた場合に、私がいま不規則発言で言ったように、大体監事というものは月給をやるために置いてあるとしかとれぬような制度になっておるわけです。だれが考えたって、あの膨大な専売公社の機構というものを監事二人で、さらにその下のスタッフが六人で膨大な諮問にこたえ得るということはほとんど不可能に近いというふうに私は考えておるわけですが、大体その内容が明らかになればいいわけですが、これはひとつ資料として要求しておきます。昨年度の監事室のやった仕事の内容について、ひとつ資料としてお出しを願いたい、こう思うわけです。
  135. 岡本静雄

    ○岡本説明員 それはあとで御報告申し上げます。
  136. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから次に公社の未収債権が一部長期未処理のものがある、こう言われておりますが、これはどういうものなんですか。
  137. 岡本静雄

    ○岡本説明員 あとで調べまして御報告いたします。
  138. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 質問の中心はこの行管で指摘されております債権管理についてということで、二十四年以降の管理の適正を欠き、回収不能と思われるものがある、こういう趣旨でありますから、その趣旨に沿って資料を出していただきたいと思います。  次に、総裁にお尋ねいたしたいのですが、最近アメリカでは肺ガンの問題が大きな問題になっておりますし、国会でも大蔵委員会でこの質問がなされたと思うのですが、これについて、肺ガンとかどうとかということは長い間いろいろ議論されてきたわけでありますけれども、専売公社としてはどのような研究をなされてきたか。  それから厚生省公衆衛生局長が来ておられるようですが、厚生省としてこれについてどのような研究を今日まで続けてこられたかという点について、専売公社と厚生省両方の立場から御説明願いたいと思います。
  139. 阪田泰二

    ○阪田説明員 喫煙と肺ガンの関係の問題につきましては、よほど以前から問題としては提起されておる問題でございまして、専売公社にとりましてもたいへん重大な問題でありますので、公社としましても調査、研究をいたしております。ただ事柄の性質上、直接公社で肺ガンと喫煙の関係について具体的な研究をいたすということはかなりむずかしいのでありますので、もっぱら外部の大学、研究所その他に委託して、先生方に御研究を願うといったような形をとっておりまして、昭和三十六年度から毎年委託費を支出いたしまして委託をして、御研究を願いまする相手方といたしましては東北大学、癌研究所、それから東京大学の伝研あるいは肺ガン研究会、これは千葉大学の河合先生その他でまとめておられる会でありまして、全国のこの会の学者の方をまとめた組織でありまして、全国的に調査をする組織になっております。そういうところに委託研究費を支出いたしまして、調査をしていただいておるわけであります。  なおこれは直接肺ガンに関係すると言い切れない面があるのでありまして、と申しますのはいろいろと統計的に喫煙と肺ガンの関係についての研究の結果は今回出ておるわけでありますが、直接病理学的に喫煙と肺ガンの関係を突きとめた研究はいまだないわけでございまして、そういう意味から公社のたばこの製造、品質、そういう面におきまして肺ガンに安全である、肺ガンと関係のないたばこをつくるということにつきましては非常にむずかしい問題があるわけであります。しかしいずれにいたしましても、公社といたしましてはたばこの製品の品質、ことに実際の問題といたしましてはたばこのニコチンとかタールとか、そういった成分が問題視されておるわけでありますので、そういったようなものを減少する研究、葉たばこ自体の品種の改良でありますとか耕作の方法、あるいはその製造過程におけるいろいろな加工の方法、いろいろそういう点があります。またたばこの材料であります紙の問題あるいはフィルターの問題、いろいろそういう面につきまして、総合的な研究はこれはまた公社自体としてもいたしております。現状といたしましては大体そういうことになっております。大学の先生方に委託しております研究結果等につきましては経過的に御報告はいただいておりますが、まだまとめてこういう新しい結果に到達した、こういう業績が出た、こういう段階には達していないわけでございます。
  140. 若林栄一

    ○若林政府委員 厚生省の所管といたしましては、従来からこの肺ガンの問題は十分関心を持っております。しかし肺ガンの問題は、たばことの関係につきましても外国では三十数年前から研究が行なわれております。特に一九五〇年以降になりますと、相当大規模な調査が行なわれるようになりました。ところが日本におきましては、わずか十年前を見ますと、外国の数分の一あるいは十数分の一という低い発生率でありまして、外国に比べて関心が若干少なかったということは確かでございます。そういう死亡率に非常に大きな差がございますために、外国におけるような事実を突きとめようということをいたしますと、非常に困難が伴います。外国でたとえば十数人の人を対象にして結果を出すと同じ精度の結果を出すために、十数倍の調査対象をつかまなければなりませんので、こういうことは非常に大きな努力でございまして、外国に比べて非常に困難が伴うだろうと思います。そういう意味で、日本では大きな調査計画はなされておりませんでした。  それともう一つは、従来から日本においては外国とかなり肺ガンに関する事情が違う。単に死亡率が低いだけでなしに、いろいろな点で外国で肺ガンと関係があると考えられておるような事情が日本には必ずしも当てはまっていないというようなことから、日本ではおそらく肺ガンとたばこの関係は外国ほど大きくないであろうという考え方は一般に共通しておりまして、そういうような関係から、現在のところ大規模な研究はやっておりませんけれども、外国のデーターにある程度平行するであろうというようなことを確かめるための小規模な研究はなされておりました。  なお今後におきましては、やはり肺ガンの増加傾向が非常に急激でございますので、現在よりは将来において日本の肺ガンが比重が大きくなるであろうということを予想いたしますので、長期的にこの傾向を把握し、適切な対策をやるために、今後長期間にわたっての調査計画を立てたいと、現在研究をいたしております。
  141. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私は、たばこで肺ガンになるかならぬかということをやるのが目的じゃないわけです。ただアメリカではたばこが民営だと聞いておりますが、それについていろいろ業界の圧迫があったのでしょうが、政府がやはり喫煙は人体に害があるのだということを発表したということから考えてみまして、やはり日本においても、かつて中性洗剤の問題でこれが問題になりまして、これは有毒であるとか、いや毒がないとかという論争がありました。結局お預けになって、厚生省の検査待ちだというような形、あるいは論争そのものがうやむやになっておるという。ですから、やはりアメリカのように業界がどうこういっても、政府というものがしつかりしておれば、それについてはっきりした結論が出ると思うのですが、日本の場合においては、とかく中性洗剤あるいは今度の肺ガンに見られるように、私は、あまりこういう公衆衛生といいますか、国民の人命といいますか、こういうものについてのものの考え方というものは軽視されているんじゃないかと思う。こういうものにこそもっと真剣に意を注いで、やはり徹底的な調査をして結論を出さなければならぬと思う。今日大気汚染の問題あるいは公害の問題、それからいま言いましたたばこの問題にいたしましても、中性洗剤の問題にいたしましても、この取り上げ方の態度というものはどうも不十分じゃないかと思う。そういう点をやはりこの際真剣に、これを契機として考えなければならぬ。こういうためにこの問題をいま提起しているわけでおります。時間がありませんから、ひとつその点についてはぜひ今後も、検討していただきたい、こう思うのです。
  142. 若林栄一

    ○若林政府委員 お説のとおり健康の問題については私どもできるだけ努力をしていきたいと思います。したがって、公害等の問題もひっくるめまして関連がありますので、将来とも十分やってまいる所存でございます。
  143. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に国民金融公庫。あとまだあれですからなるべく簡単に御質問いたしますが、三十六年度決算、三十七年度決算で、更生資金貸し付けが九万余件の十四億五千五百九万円ですか、これを、一応会計検査院の御意見としては回収不能だとして指摘されているようであります。三十七年度はちょっとふえて十五億六千七百八十一万円となっておるのでありますが、この原因といいますか、それとこの取り扱い、今後どういうふうにお取り扱いになるのか、この点についてお尋ねいたしたい。
  144. 石田正

    ○石田説明員 御承知のとおりに、更生資金の問題は、戦後非常に経済が混乱をいたしておりました時代にスタートをいたしまして、ずっとそれが今日まで続いておるわけでございますが、しかし国民金融公庫の現在の仕事の重点は普通貸し付けという部門に変わってきておるわけであります。この更生資金をどう措置すべきかということにつきましては、たびたびこの国会のほうからも御注意を喚起されておるところでありまして、国民金融公庫といたしましても非常な関心を持っております。このことにつきましては、具体的に、それではどうするのかという問題につきまして、また一つの面におきましては更生資金というものを全部やめてしまうかどうかという問題が一つございます。この問題につきましては私たちの実際の扱いからいいますと、もう更生資金は全部打ち切っていいのではないか、かような感じを持っておりますが、しかしながらこれは厚生省との関係もございますし、それからまたさらに現在におきましてもまだ更生資金としての借り入れの申し込みをされている方もございます。そういうことで実際それが続いておるわけでございますが、御承知のとおりにほかに世帯更生資金等の制度ができておりまして、むしろそのほうが更生資金よりも有利である、こういう問題もございますので、だんだんとそちらのほうへ移行していただくということで縮小してまいりたい、かように思っておる次第でございます。  それから先ほど御指摘がございましたようなぐあいに取れないと思われるところ、これは御指摘の数字は期限が経過いたしましてから六ケ月以上たちましたところの数字でございますが、これは古いものがだんだんと取れないといった実態がはっきりしてまいるわけでございます。私たちのほうでは、先般実際問題として一口一口実情を当たりました結果、大体十五億近いところのものが取れないであろう、かように考えておるわけでございます。そこで、政府のほうにこの問題の最終処理についてお願いをいたしておるわけでございますが、いろいろまだ政府のほうの御研究が進んでおりませんためにまだそのままになっておる、こういうのが実情でございます。私たちの希望といたしましては、この取れなくなりました問題につきましては、これはもう償却をするのが適当ではないか、かように考えておるわけでございます。それでその償却いたしました場合にどうするかという問題でございますが、これは一つは国から市町村等いわゆる自治団体を通じまして国民金融公庫へ元金が出ておるという部分と、国から直接国民公庫に金が出ておる分と二つございますが、これはいずれも一番もとが国でございますから、国の出していただきますところの資金とそれから滞り貸しになっておるところの分と相殺することによって措置いたしたらどうか、かように考えまして御相談申し上げておる次第でございます。なお内部の問題といたしましては、大体もう回収不能と思われるところの問題は、だんだん確定しておるわけでございます。いままでは一本で更生資金の貸し出しをいたしておりますけれども、内部の問題といたしましては、これを動いておる勘定と動いていない勘定、こういうふうに分けてみたい、こういうことを近く始めまして、そうしてその動かない金額がだんだん確定いたしますれば、これは国のほうといたしましても、こういうものはもうとても回収できないのだという実態が御確認願えるかと思いますものですから、それについてその金額が大体きまりましたところで最終処理をしていただいたらどうだろうか、かように思っておる次第でございます。
  145. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に長期の延滞があるようでありますが、最高の長期延滞になっておるのは大体どんなふうな状態でしょうか。
  146. 石田正

    ○石田説明員 これは御承知のとおりに、われわれのほうの貸し出しは、いろいろと貸付先によりまして期限が違うわけでございます。期限が違いますと、したがってわれわれのほうの貸し方は月賦償還で貸しておるわけでございます。月賦償還をやっておりまして、そうして最終期限が来てから大体六カ月以上たっておるものはどのくらいあるかという数字を出しておるのでございますが、実際の状況から申しますと大体昭和二十九年度くらいに貸したもの、それから先が大体整理がついておる、それからあとの問題につきましては大体期間の長いところのもの、そういうものがある、こういう実情でございます。ただ一件として一番長く延滞しておるものは何年何月になっておるかという数字はいまございませんので、残念ながら御了承いただきたいと思います。
  147. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それから国民金融公庫の役割りということから考えてみて、貸し付けの態度というものはなかなかむずかしいんじゃないだろうか、できるだけ貸してやるというのが——やはり貸し付け金も返済されるというのも当然ですけれども、貸してやるということが重要なことになるんじゃないかと思うのです。それでまたそれを延滞した場合の、取り立てる取り立てのやり方というものも、たいへんこれはむずかしいんじゃないかと思うのです。そういう点について普通の金融機関のような取り立てもできないし、さりとてルーズな取り扱いもできないというところで、今日の大体貸し付けの考え方、あるいは取り立ての考え方、こういうものについてのお考えをお伺いしたいと思うのですが……。
  148. 石田正

    ○石田説明員 この貸し付けの問題につきまして、できるだけわれわれといたしましては御要望に応ずるということが前提でございます。ただしどうしても回収ができないということが初めからわかっておるものにつきましては、これはお断わりせざるを得ない。そこで大体回収が確実であるとかあるいはこれは回収できるのではないか、こういうものを貸し付けの対象として実際の貸し付けをいたしておるわけでございます。その場合におきまして、私やかましく言っております点は、一人一人によってみんな事情が違うわけでございます。したがいまして、貸すところの金額も違いますれば、また貸し付けの期間等も違う。これが最も実際的なのでありますが、その場合においてお金をお借りになる人の立場になって、どのくらいの金額をどのくらいの期間でもって貸すということが、この人について最も適当であるかということについて特に注意して金額及び貸し付けの期間をきめてもらいたい。これが第一点でございます。  第二点といたしまして、不幸にして、まあ何と申しますか、利子が滞った、月賦が滞った、こういう場合に、これは先ほど検査院から御指摘がございましたのは、大体期限が経過いたしましてから六カ月というものの数字が取り扱われておりますけれども、実際におきまして、実は一回や二回の滞りはそのままにほったらかしておいてまとめておいたところでいこうやというような考え方で事務を処理してまいますと、お客さんの立場からすれば、そういう点はこちら側が早く注意し、そうして早く返すということになれば返せるものが、半年分たまった、一年分たまってから催促されたのでは返せるものも返せなくなる、こういう問題もあろうかと思いますので、われわれのほうでは、特に償却期間と申しまして、一月たまったという場合にほったらかすのじゃなくて、滞っておりますがなるべく早くお払い願います、それから、事情はどうですかということを聞いて、そうして、返していただけるものは返していただく。返していただけないものは、期限の延長とか、そういうものも考えるというふうなことをやっております。それからまた、実態が実態でございまして、零細な方が多いものでございますから返せなくなる、こういう問題が起こるわけでございます。この問題につきましては、大蔵省といろいろ御相談をいたしまして、償却をする基準がございますが、それをだんだんとゆるめていただきまして、そうして、生活困窮と言いましても、困窮の程度で分けていくとかなんとか——いま償却のほうで一番多いのは生活困窮でございます。それから行方不明という者もございますし、それからまた会社が倒産するというものもあります。これははっきりしたものであります。そういう取れないことがはっきりしたものについては、できるだけ早く償却してしまう。こういうのが事務的実態になっておるわけでございます。ということで、この数年間だんだん大蔵省とお話をいたしまして、償却の額をふやして、件数、及び金額をふやしておる、こういう事情でございます。
  149. 山田長司

    ○山田(長)委員 公社やあるいは、政府機関の銀行の監事の方にお越しを願いましたのは、実は二、三年前、当委員会で、東北開発会社の調査をやったことがあるのでございますが、三億も赤字が出ておるにかかわらず、逆に数千万円の黒字になっておるという報告が出ておりました。そこで、この三億もの赤字が出ておるのにかかわらず、数千万の黒字になっておることで間違いはないのかということを、実は監事の人をこの委員会で質問して確かめてみましたところが、その監事は全然知らなかったのですね。私は意外に思ったのです。それで、これは監事というものがこんな形で、政府機関の監事の仕事をされておるのではたいへんだ、こう思ったのです。きょうは幸いに監事の方々はみんなおいでになられたのでそういうことが過去にありましたので、伺うわけなんでございますが、ややもしますと、先ほど勝澤委員が御質問なされましたように、あるいはまた行政管理庁で報告書が、決算委員会に月報で出ておりますように、監事というものが、あまり政府機関の仕事の内容を知らずにおるという場合があったのですが、これは、当決算委員会としては、国民の血税が各公団、公庫等で使われておるのでゆゆしい問題なので、せっかくその総裁の任命とかあるいは所管大臣の任命とかいう形ででき上がっている監事が、その監事の職責をややもしますると——これは本日おいでになった方が怠っておるということを申し上げるわけではないのでありますけれども、監事の職責が完全に果たされない、こういうことが実は東北開発会社の場合にあったわけです。そこできょうは監事さんに伺うわけなんですが、これはきょうは午前中の時間がなくなってしまって、時間の関係で一人一人監事さんに私伺うことを避けますが、本日お集まりになっている専売公社の監事さん、国民金融公庫の監事さん、それから開発銀行の監事さん、輸出入銀行の監事さん、この四つの関係者の監事がそれぞれ今日までお調べになられたことで——これは法律で決算という重大な問題を扱っておるわけですから、いままでお調べになられたことで、経理の担当をされておる過程において指摘した事項、この事例が、みな銀行や公庫や公社にお働きの皆さんでありますから必ずあるだろうと思うのです。その指摘した事項をひとつ印刷物にしてこの決算委員会に出してもらいたい。これが一点。  それから、広い立場から、監事の場合は、資金計画及び運用計画というものを、公庫においては公庫、銀行においては銀行の立場で運用面を全部見ておられるだろうと思うのですが、この運用面の立場から、遠慮なくこれらの諸点をいままで指摘していることがあるだろうと思うのです。こうあったのではこの銀行なりあるいはこの公社なりはうまくいかないじゃないか、こういう指摘された事項があるだろうと思うのです。この指摘された事項を当決算委員会に——これは銀行や公社の総裁などに相談して出しては困ります。やっぱり監事という立場であなた方が指摘された事項が運用上にあったはずだと思うのです。たいへん失礼なことを申し上げますが、国民の血税をはんでこの衝におられる皆さんといたしましては、これは真剣におやりになっておると思いますから、必ずそれがあるはずだと思うのです。ぜひこれは当決算委員会にお出し願いたい。  それから三番目の問題としては、きょうは一々私は皆さんから発言を願おうと思ったのですが、発言は願わなくてもけっこうでありますから、これもやっぱり印刷であらためてお出しになっていただきたいと思いますのは、監事の立場からどんな希望を持っておるか、これはいずれも銀行や公庫や公社の総裁等に話さないで、当決算委員会に、自分のところの職責にはこういう希望を実は監事として持っておる、その希望事項をお述べ願いたいと思うのです。  これらのことが、われわれが決算を処理する上において大きく参考になるだろうと思いますから、たいへんお忙がしいときでございますけれどもぜひお願いいたします。一々きょうはここで御答弁願おうと思ったのですが、時間の関係等で印刷物でけっこうでございますから、この提出方どうぞよろしくお願いします。
  150. 白浜仁吉

    白浜委員長 いまの問題は一括していいですか。了承しましたな各監事とも。——それじゃお願いします。
  151. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 開銀の延滞の状況が、決算書によりますと、六カ月以上経過したものが四十七億、一年以上四十一億円でありますが、この延滞はおもにどういうようなものでしょうか、概略を御説明願いたいと思います。
  152. 平田敬一郎

    ○平田説明員 現在延滞になっておりますものの中で少し長くなっておりますのは、御承知のとおり復興金融金庫から引き継ぎました分で、なおまだ未済になっている分であります。これは概数で申し上げますが、開発銀行に引き継ぎました総額は七百七、八十億であったかと思います。そのうち大部分は回収いたしまして、現在は四、五十億にまで減少いたしております。七百数十億は回収したのでございます。その間、どうしても徴収不能というので償却しましたのが十数億ございます。残っておりますのが、約四、五十億でございまして、これがその中で延滞になっているものが相当ございます。これはもっぱら債権管理の立場から、それぞれ専門を分担さしておりまして、極力徴収すべく努力いたしておるところでございます。しかし率直に申し上げまして、この中には今後なお償却しなければならぬものがある程度含まれておるかと存じます。  その他の開発銀行になりましてから以後の分につきましては、海運・石炭分を除きますと、延滞は比較的少のうございます。ただ御承知のとおり状況の変化によりまして多少延滞が出てくる。特に両三年来は、石炭関係の分が延滞になっているのが最も多うございまして、その他の分につきましてもぽつぽつございますが、特に大きく取り立てて申し上げるほどのことはございません。このほかに、海運につきましては、決算報告として別途報告してあるとおりでございます。これは御承知のとおり今回海運企業の再建整備をはかりまして、内入れ猶予分につきましては将来は普通の弁済期間をきめまして延滞にならないように善処したいということで、目下努力いたしておるところでございます。  非常に大づかみでございますが、概略を申し上げます。
  153. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 総裁、もう少しくわしく——これはあなたのほうで、どの程度まで私のほうに言えるかわりませんけれども、できるだけこまかく知りたいのですけれども、無理があるならば限度でいいのですから——そのあとでこの資料をひとつ……。六カ月が四十七億、それから一年以上が四十一億、それから二年以上といいますか、復金を除いて、あるいは業種別になりますか、できれば会社の名前も知りたいのですけれども、あなたのほうの関係でどうなるかわかりませんけれども、その辺を勘案してひとつ資料を御提出願いたいと思います。  それから、引き続いて、貸し倒れ準備金の取りくずしというのは、最近おやりになっておりますか。もしおやりになっておったら、どの程度か。
  154. 平田敬一郎

    ○平田説明員 さっきの資料の、業種別の件数、金額は、別途に御提出申し上げてさしつかえないと思います。会社別のは、恐縮ですが、信用にも関係いたしますので、省略さしていただきたいと思います。  それから貸し倒れ準備金の取りくずしについては、毎年償却している額をまず貸し倒れ準備金から取りくずして、そうしてさらに新しく積み立てるということになっております。三十六年度は九千六百五十万円、三十七年度は六千二百五十万円ほど償却いたしておりまして、その分はその期にまず準備金から取りくずしまして、さらにその期に別に積み立てている、こういうことになっております。
  155. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 貸し倒れ準備金の取りくずしのときには、相当こまかいきめがあるのですか。
  156. 平田敬一郎

    ○平田説明員 償却につきましては、各件ごとに詳細に調べまして、最終的には私が決裁いたしまして、それによって償却するわけでございます。その償却するときめた金額に相当する額を貸し倒れ準備金から取りくずす、こういう決算の性格になっております。
  157. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 次に、輸銀の関係をちょっと聞きたいのですが、時間がありませんから、ウジミナスの現況とアラスカパルプの現況、それから北スマトラの石油の状態、簡単でいいですが——もしあれでしたら、あとでまた資料をいただきたいと思いますので、大まかな現況をひとつお知らせ願いたいと思います。
  158. 森永貞一郎

    ○森永説明員 詳細のことは、いずれ後日資料等で御報告申し上げるとして、簡単に申し上げます。  まずアラスカパルプでございますが、昭和三十二年に工事に着手いたしまして、三十四年に完成、三十五年の暮れには米国の社債契約上の竣工の認定も済みまして、その後操業そのものはきわめて順調に推移いたしております。その間設備の改修等もいたしまして、当初予定いたしました十二万トンの生産能力を十七万トンに拡充いたしまして、生産そのものは順調に進んでおります。ただし、若干問題がございますのは、会社側の発足いたしました当時予定いたしておりました化繊パルプの市価が、その後相当低落いたしておりました。もっとも昨年あたりから若干回復いたしつつございますが、その製品の市価低落というような問題、さらには設備資金に若干金がかかり過ぎております結果、資本の回転をもう少し高める必要があるんじゃないかというような点、   〔委員長退席、福井委員長代理着席〕  さらには、他人資本と自己資本の比率が、自己資本が少な過ぎるじゃないか、そういったような問題がございまして、会社の経理上、何らか体質改善、立て直しの対策を講ずる必要がある。現在そういった面で、会社当局者も鋭意努力をいたしておるのが現状でございます  次にウジミナスでございますが、三十四年に会社が発足いたしまして、直ちに建設に取りかかったわけでございます。当初予定は鋼材で五十万トンの生産。それにつきましては、第一期工事、第二期工事ということに分かれておりましたが、第一期工事のほうはほとんど完成いたしております。ごく一部のものにつきまして未完成の部分が残っておりましたが、それもおそらく昨年中、あるいは本年初頭には完成しておると思います。第二期工事は、本年の九月、十月ごろに完成するという予定でございます。これは実はもう少し早く完成する予定であったのでございますが、御承知のようにブラジルのたいへんなインフレーションで、現地における資金調達に困難をきわめました結果、工程が相当ずれております。その工程のずれ、インフレに伴う資金量の増大、それがこの会社の非常に大きな問題でございまして、将来にわたってそれらの不足資金を日伯間でどういうふうに分担するかということを、近々の間に両国間において相談をしなければならないという状態に立ち至っております。  第三点の北スマトラ石油でございますが、これは当初百八十八億円のクレジットを与えまして、五百六十万キロリットル余の石油を引き取る、その間クレジットの供与によりまして、油田の生産能力も近く二百五十万キロリットルまで持っていく、それが計画の大要でございまして、クレジット分が石油の現物を引き取るというようなことになっておるのでございますが、創立後四年立ちました今日で振り返ってみますと、生産計画のほうが必ずしも予定計画どおりにいっていないというのが現状でございます。したがいまして、クレジットのほうの供与も少しずれております。ただし与えましたクレジットの返済につきましては、何ら不安のないような状態で推移いたしておりますが、今後予定の計画を達成するためには、もう少し現地側と十分な連絡をとりまして、当初予定の生産計画を近く二百五十万キロリットルでございますか、ぜひ達成するようにということで努力を重ねておる、それが現状でございます。
  159. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その中で、ミナス製鉄所のことで、ブラジルのインフレの関係で、また日本側としても相当大きな資金を入れなければならぬということで、片方の業界筋の足並み、出資会社の中で足並みがそろっていないというような話を聞いているのですが、その辺はどうなんでしょうか。
  160. 森永貞一郎

    ○森永説明員 ウジミナスの不足資金の額が実はまだ両国間においてはっきり査定ができていなかったのでございます。一昨昨年でございますか、総予算の八百二億クルゼイロ、それについては一応両者の分担ができまして、その計画に基づく今後の不足資金をどう分担するかというのを昨年相談をするというので、当方からブラジルに代表団が参りましたのでございますが、先方ではさらにその後のインフレによりまして、不足資金が増大をするというようなことで、それじゃそのもとがぐらつくのではなかなか話にならぬ、その辺をひとつ固めようじゃないかということで、その結果第九号予算というのをこのほど当方に送ってまいりました。その予算によりますと、非常に膨大なる今後の不足になるわけでございまして、それを日伯間ではたしてどういうふうに分担するか、これは非常に大問題でございます。その前提として、不足資金がよってきたるところのゆえんのものを目下日本ウジミナス会社のほうにおきまして検討しておるのが現在でございます。検討ができましたところで、ブラジルから代表者が参り、日本側の当事者が加わりまして、まず株主間で話し合いができませんければ、おそらく政府間の話し合いということになろうかと存じますが、政府間において相談の上対処したい、そういう段取りでございます。
  161. 片島港

    ○片島委員 関連して。輸銀のほうに関係があるかどうかよくわかりませんが、関係がなかったらよろしいのですが、私昨年中南米を回りまして、ボリビア、あるいはホンジュラス、そういうところに日本の商社から大きな電話局の建設なんかに行っておる、それからコロンビアでありましたかにはマイクロウエーブの建設計画が進められておったようでございます。特に中南米あるいは東南アジアにも進出しておったと思いますけれども、そういったような事柄があなたのほうに関係がございますか。もしありましたなら、どういう規模でどの程度進出をしておるか、そういう資料があればいただきたいわけです。
  162. 森永貞一郎

    ○森永説明員 ただいまお示しのございましたのは、現在現地において日本側の商社なりメーカーなりが延べ払い輸出の売り込みをいたしておる、おそらくその商談のことだと存じますが、私どものところに参っているものもございますし、またこれから参るものもあろうかと存じます。その、現在商談中のものにつきましては的確な統計はございませんですが、いままでに私どもが入手をいたしました数字が手元にございますので、もしその数字でよろしければ申し上げたいと思います。
  163. 片島港

    ○片島委員 それは何か書いたもので……。
  164. 森永貞一郎

    ○森永説明員 それでは、この点もいずれ資料で差し上げます。
  165. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは、ウジミナスとアラスカパルプと北スマトラというのは、一つ一つ聞いても長い時間がかかりますので、この発生から、現状から、今後の見通し、こういうような点、それからいままで輸銀として入れた金、こういう状態についての資料をひとつお出し願いたいと思います。  そこでもう一つの質問は、これは会計検査院のほうにお聞きしたいのですが、輸銀の貸し付けの回収状況はどうなんでございましょう。
  166. 白木康進

    ○白木会計検査院説明員 お答え申します。いまちょっとこまかい資料はございませんけれども、元金の延滞は三十七年度末ではございません。利払いの関係で、先ほどお話がありましたような関係のもので若干ございますけれども、ちょっといまここに詳細な資料を持っておりません。
  167. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そうしますと、いまのお話は、三十七年度末の貸し付け金の回収さるべきもので回収されていないものというものは、現在はない、こういうことですか。
  168. 白木康進

    ○白木会計検査院説明員 元金の延滞はございません。
  169. 山田長司

    ○山田(長)委員 これは輸出入銀行の管轄になるのか、あるいは開発銀行の管轄になるのかわからないのですが、南方における油田開発の関係はどこに属しておりますか。
  170. 森永貞一郎

    ○森永説明員 海外における事業資金というようなことになりまして、現在私どもで融資をいたしておりますのが、ただいまお話のございました北スマトラ石油でございます。この会社には海外経済協力基金から出資もいたしておりますが、私どものほうから開発に必要な資材の延べ払い金融、クレジットですか、それをこの会社を通じて先方に与えているということでございます。
  171. 山田長司

    ○山田(長)委員 実は、いまになりますと三年前でありますが、東南アジアを旅行しているとき、ジャカルタの日本大使館でこのことの状況を伺ったのです。最初は進行状況はよかったけれども、実際は暑さのためにあまり思ったような進行状態がないのではないかという大使館からの報告を受けたんですけれども、これについての何か現地からの報告があるのかないのか。それからこれは例がないことだと思うのですが、会計検査院ではかなり各地に日本のこうした賠償物資、あるいは賠償によるダムをこしらえたり、物をやったり、こういう場合におけるところの検査というものは、外地であるから会計検査に行けないだろうと思うのですが、いままで行ってそういうものを調べた例があるのかないのか、ちょっと会計検査院にお伺いしたい。
  172. 白木康進

    ○白木会計検査院説明員 私の所管しております公社それから出資団体の関係ではございませんが、ただいままで賠償物資の現地の実情について実地の検査をした事列はございません。
  173. 森永貞一郎

    ○森永説明員 北スマトラ石油がクレジットを供与して資材を提供しておりますインドネシアのペルミナという会社でございますが、事業内容として、新しく井戸を掘る分と既存の古い井戸を改修する分あるいは既存の井戸から採油する分、この三つに分かれているわけでございます。新しく井戸を掘る分の達成率が予定どうりいってない、あるいは改修分がおくれておるというのが、ただいまお話のございましたように現地において耳に入ったことだろうと思います。この事実はそのとおりでございますが、ただ一面におきまして、一つ一つの井戸の採油能力が当初考えておりましたよりも相当大きかったということがございまして、現在のところ、達観して申しますと、計画の達成率は六割か七割くらいまでにはなっておるというふうに考えられると思います。
  174. 山田長司

    ○山田(長)委員 会計検査院の仕事に属するのか属しないのか、私ちょっと疑問に思うのでありますが、実は東南アジアに三輪自動車が物資としてビルマ、タイにいっております。それで、これは通産省の人たちに実は出てきてもらいまして、おそらくこの委員会で私は聞いたと思うのでありますが、調査は、重工業局の中の機械課で顕微鏡とか写真機というふうなものはするけれども、自動車は各会社ごとの検査であって、全然検査は通産省でやってないという答弁を通産省の方から受けたわけです。そうなると、これは東南アジアの状態というのは、御承知のように、暑さと、それから日本のように二十メートル、三十メートル行ってゴーストップになるというのじゃない、かなりの距離があるということと、それからもう一つは、エンジンが日本のような状態であれば、長い距離を走るために向こうでは持たないわけです。道ばたにかなりきれいな車が捨ててあるので、どうしたのかと調べてみたら、エンジンが焼けてしまって使いものにならないという話だった。私は、一体これは品物をやってしまいさえすればそれでいいのか、日本の商品の信用上からいっても、この検査は通産省がやらないということであれば、メーカーだけの検査というのでは、まことに不審を持ったのです。それでたまたまきょうは会計検査院当局に伺うわけですが、こういう経理上の問題とか、あるいはいまのスマトラ油田などの進行状態というようなものとか、外地における検査というものは、会計検査院は全然タッチしないのですか。国費が費やされております以上、当然何か機会をつくって会計検査院当局がやらなくちゃならぬ性質のものだと思うのですが、どうですか。
  175. 白木康進

    ○白木会計検査院説明員 私の答弁といたしまして、外地のそういった、先生いま御指摘のような関係の検査をやるかやらぬかという基本的な点はちょっとお答えいたしかねますけれども、従来までに若干外地の検査をいたしました実績はございます。食糧庁の食糧、これは外国米でありますが、外国米の輸入の実情の調査、それから在外公館の経理の検査、それから最近におきましては、現在海外移住事業団になりましたが、日本海外移住株式会社あるいは外務省の補助団体でありますところの海外協会連合会、こういったものの南米におきますところの現地の事情について、実地検査をいたしております。現在まで外地の実地検査をいたしましたのはその程度でございます。
  176. 福井勇

    ○福井委員長代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時四十六分散会