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1964-02-06 第46回国会 衆議院 決算委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十九年二月六日(木曜日) 午前十時五十六分
開議
出席委員
委員長
白浜
仁吉君
理事
押谷 富三君
理事
鈴木 善幸君
理事
田中 彰治君
理事
福井 勇君
理事
勝澤
芳雄君
理事
片島 港君
理事
山田
長司
君 神近 市子君 栗原 俊夫君 田中織之進君 田原 春次君 森本 靖君 吉田 賢一君
出席政府委員
大蔵政務次官
纐纈
彌三君
大蔵事務官
(
主計局次長
) 澄田 智君
大蔵事務官
(
管財局長
)
江守堅太郎
君 厚 生 技 官 (
公衆衛生局
長) 若林 栄一君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
銀行局検査部
長) 牧野 誠一君
会計検査院事務
官 (第一
局長
) 保川 遜君
会計検査院事務
官 (第五
局長
) 白木
康進
君
日本専売公社総
裁 阪田 泰二君
日本専売公社監
事 岡本 静雄君 国民金融公庫総 裁 石田 正君 日本開発銀行総 裁
平田敬一郎
君 日本輸出入銀行 総裁
森永貞一郎
君 専 門 員 茨木 純一君
—————————————
二月三日
委員山本幸一
君
辞任
につき、その
補欠
として松
原喜之次
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月四日
委員伊東正義
君
辞任
につき、その
補欠
として園
田直
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月五日
委員水田三喜男
君
辞任
につき、その
補欠
として
山口喜久一郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任され た。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
昭和
三十六年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
三十六年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
三十六年度
国税収納金整理資金受払計算書
昭和
三十六年度
政府関係機関決算書
昭和
三十六年度
国有財産増減
及び現在額総
計算
書
昭和
三十六年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
昭和
三十六年度
物品増減
及び現在額総
計算書
昭和
三十七年度
一般会計歳入歳出決算
昭和
三十七年度
特別会計歳入歳出決算
昭和
三十七年度
国税収納金整理資金受払計算書
昭和
三十七年度
政府関係機関決算書
昭和
三十七年度
国有財産増減
及び現在額総
計算
書
昭和
三十七年度
国有財産無償貸付状況
総
計算書
昭和
三十七年度
物品増減
及び現在額総
計算書
(
大蔵省所管
、
大蔵省関係
各
政府関係機関関
係) ————◇—————
白浜仁吉
1
○
白浜
委員長
これより
会議
を開きます。
昭和
三十六年度
決算外
三件及び
昭和
三十七年度
決算外
三件を
一括議題
とし、本日は
大蔵省所管
及び
大蔵省関係
各
政府関係機関決算
について審査を行ないます。 これより
質疑
に入ります。
質疑
の通告がありますので、順次これを許します。
勝澤
君
勝澤芳雄
2
○勝
澤委員
まず
大蔵省
に御質問いたします。 旧
近衛歩兵
の第七連隊の
所属
の
財産
でございますが、これが
米軍
に使用されておりまして、その後
NHK
がここに
放送会館
を建てるということで、一万坪
払い下げ
の
方針
がきまり、そして
計画
が進められておった中で、御案内のように
ワシントンハイツ
の
あと
の三万二千坪のところに変わったわけでありますが、この
財産管理
の
経過
をちょっと簡単に御説明願いたいと思います。
江守堅太郎
3
○
江守政府委員
仰せ
のとおり
NHK
は当初
麻布
の新
竜土
町にございます
土地
をこの
施設
の
土地
にしたいということで、だいぶ前から
申請
を出しておりまして、
政府
でその後これを
売り渡し
ました。その後またこれを
NHK
のほうの御
希望
で
ワシントンハイツ
のほうにしたいということで
変更
をいたしまして、
NHK
のほうに
ワシントンハイツ
の
土地
を売ったということは事実でございます。なぜこのような
経緯
になったかと申しますことは、昔からのことを少し詳しく申し上げませんとおわかり願えませんと思いますので申し上げますが、現在田村町にございます
NHK
の
施設
は、ラジオのいろいろの
部門
の
整理
あるいは
テレビジョン部門
の拡充という点あるいはあそこで
営業
もやっておりますが、そういった
営業
をやる
場所
といたしましても非常に手狭でございますために、三十二年ごろからどこかほかのところに広い
場所
を取って総合的な
施設
をつくりたいという
希望
がございました。三十三年になりまして、
麻布
の新
竜土
町の
国有地
約二万坪を売ってくれという御
希望
がございました。
麻布
の新
竜土
町の
国有地
は約三万八千坪ぐらいございますが、その一部は
米軍
に
提供
中のものでございました。また
提供
が解除されました
あと
においてこの
土地
をどう
利用
するかということにつきましても、あるいは
学校
の
計画
、
公園
の
計画
、道路の
計画等
がございましたので、これをどのように処理するかということにつきまして
関東財務局
でいろいろ
検討
をしたのでございますが、三十四年の三月になりまし、
関東財務局
の
国有財産地方審議会
にこれらの
地区
の
利用
をいかにするかということを諮問をいたしまして、そのうちの九千坪を
NHK
の
施設
として
提供
するということにつきまして御
審議
をいただきまして、御了承を得たのであります。その後
評価
そのほかいろいろの
事務
を進めまして、まず第一次にすでに
提供
を解除されております
地区
を三十五年の五月に
売り渡し
ました。その後第二次の分につきまして三十七年の三月に
売り渡し
をいたしたのであります。その第二次分の
売り渡し
をいたしますときに、第二次分の
売り渡し
をいたします
場所
には従来
米軍
に
提供
した
施設
がございまして、その返還の交渉をいたします過程におきまして、
米軍
の
代替施設
をそこに建ててくれということになり、
NHK
は
払い下げ
を受ける予定の九千坪のうちの二千五百坪をさきまして、ここに
代替施設
を建ててその
土地
とともに国に
無償
で
提供
するということになったのでございます。したがいまして、
NHK
はその
総合施設
を建設すべき
場所
として約二万坪ということを前提にして
計画
を進めてきたのでございますが、結局六千五百坪くらいしか使えないということになりまして、これでは従来の
計画
を円満にここで実施することはできない、
計画そのもの
を縮小せざるを得ないというような
状況
にあったわけでございますが、そのころたまたま
オリンピック
の
選手
村を、従来
朝霞
につくるということでずっと進んでまいったのでございますが、御
承知
のとおり
代々木
の
ワシントンハイツ
に
選手付
をつくるということに
変更
になりまして、アメリカのほうもあそこの
施設
を
政府
に返すということに同意をいたしました。
代々木
の
ワシントンハイツ
に
選手
村をつくる、また同時に
総合屋内体育館
をつくるということになったのでございます。まあ
NHK
といたしましては、先ほど申しました
総合施設
の建設ということのほかに、この
オリンピック
に際しまして
海外放送網
を充実をする、そこの
施設
をほかの民間のいろいろの
機関
にも
利用
させるということをやるということになりまして、さらに従来よりも多くのスペースを必要とするという
事態
になっておりましたのでありますが、たまたま
ワシントンハイツ
に
選手
村もできる、また
体育館
もできる、またメーンの行事をいたします
明治神宮
のあすこの
競技場
にも近いというようなことでございましたので新
竜土
町の
地域
が縮小されておりましたために、何とかこれをもう一度変えて
ワシントンハイツ
の
一部分
をそういった
施設
のために使いたいということを強く
政府
に要望してきたのでございます。
政府
といたしましては、たまたま
選手
村を
朝霞
から
ワシントンハイツ
に移しました際に、
オリンピック
が終了した後におきましては
選手
村全体を
東京
都の
公園
にするという
方針
をきめておりましたので、これをどうするかということにつきましていろいろ各方面とも折衝いたしましたが、結局
東京
都の円満な御了解もいただきまして、将来
公園
にする
地域
の
一部分
を
NHK
の
施設
として
提供
するという
方針
をきめたのでございます。三十八年の三月の末に
閣議決定
をその線に沿っていたしたのでございます。 このような
経緯
で、従来新
竜土
町にそういう
施設
をつくるという
NHK
の
計画
が
ワシントンハイツ
の一部に変わったのでございます。三月の末にございました、いまの
閣議決定
に基づきまして、
大蔵省
ではその具体的な
取り扱い
をいろいろ
検討
したのでございますが、結局
NHK
に
提供
する
施設
の
面積
といたしましては、約二万五千坪ということにいたしたのであります。ただそのうち、さしあたり
オリンピック終了
時までに急いで必要だという
施設
をつくるための
建物
の敷地の
面積
は約一万九千坪でございましたので、その一万九千坪をとりあえず
NHK
に売るということになったのでございます。したがいまして、新
竜土
町の六千五百坪の
NHK
の
土地
は不要になったわけでございます。不要になりましたので、これは場合によりましては、
契約
を解除いたしまして、
政府
に返してもらうということも考えられるわけでございますが、それには
予算
も必要だということでございますので、買い取るのと同じ効果を求めまして、
ワシントンハイツ
の中で
NHK
に
提供
いたします一万九千坪と、かねて
NHK
に
売り渡し
ておりました六千五百坪を
交換
するという
措置
をとったのでございます。一万九千坪のうち六千五百坪に相当する部分は
交換
、その差額は現金で支払ってもらうということにしたわけでございます。その際六千五百坪を
交換
いたします
評価
でございますが、本来ならばその
交換
時における時価で
評価
をして
交換
をするというのがたてまえでございますが、先ほど申しましたような
経過
もございますので、新
竜土
町の六千五百坪の
土地
の
評価
は、
売り渡し
ましたときの
価格
で
評価
をいたすということにいたしまして
交換
をしたのでございます。したがいまして、その間
NHK
がこの
計画変更
に伴って、従来取得した六千五百坪の
土地
を、いわば
転売
という形で利得をするというような点はなかったのであります。 以上、申しましたような
経緯
で新
竜土
町の
計画
が
変更
になって、
ワシントン
・
ハイツ
の
土地
約二万五千坪を売り渡す、そのうちすでに
売り渡し
ておりますのは一万九千坪でございますが、すべてこういった
売り渡し
につきましては、
最初
新
竜土
町を
売り渡し
ます際にも、さらにそれが
変更
になりまして、
ワシントンハイツ
の
土地
を
売り渡し
ます際にも、いずれも
関東財務局
の
地方審議会
が
審議
をいたしまして、
NHK
の
施設
の
計画
、
資金
の
計画
その他を
大蔵省
といたしても十分
検討
し、その点を
審議会
のほうに御説明をいたしまして、
委員
の方々にも十分に御判断をいただきまして
決定
をしたというようなことでございます。
勝澤芳雄
4
○勝
澤委員
最初
の
竜土
町の
土地
をきめて、そうしてここに
NHK
をつくるためのいろいろな努力というものがなされ、かわりの
建物
が建って、そうしてこの用地を確保したわけでございますが、ちゃんとこのときだって
オリンピック
が始まることもきまっておったのでございます。それがまた急にもっといい
土地
が出たということで
ワシントンハイツ
にきまった。そうして全体の
計画
が全部ひっくり返ってやり直しがされた。しかもその
交換
にあたっては、いま言いましたような
等価交換
という形で行なわれるという点については、何としても不明朗な納得のできない形だと私は思うのです。 そこでひとつ
竜土
町の
土地
、それから
ワシントンハイツ
の
土地
の
評価
、そうしてどういう
価格
かという具体的な
内容
について、これはひとつ
資料
を出していただきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
江守堅太郎
5
○
江守政府委員
後ほど
資料
をお出しいたします。
勝澤芳雄
6
○勝
澤委員
次に、
米軍
に
提供
している
特別会計所属
の
国有財産
の
整理
でございます。これは
財産
の
整理
というものがまだ相当残されている。そして
特別会計
ではそれで困っておるという話を聞いておるのですが、現状はどうなっておりますか。
金額
はどの程度になっておりますか。
江守堅太郎
7
○
江守政府委員
現在
特別会計所属
の
国有財産
を
米軍
に
提供
しておりますのは、
自作農創設措置特別会計
の
土地
百十四万四千六百五十一坪、その
評価額
は三億六千二百十一万七千円余であります。
国有林野事業特別会計
から
提供
しております
土地
が三百六十四万三千三十五坪、この
評価額
は四億三千三百二十八万九千円余であります。また同様に
林野特別会計
の
立木地区
が若干ございます。そのほか
通信事業特別会計
から
建物
、
工作等
が若干ございまして、その
評価額
は約二千万ということになっております。
勝澤芳雄
8
○勝
澤委員
この金がそのまままだ放置されているようでありますが、その概算は二十七年から三十六年までで七億五千八百三十六万九千円、こうでしょうか。
江守堅太郎
9
○
江守政府委員
ほぼその
金額
でございます。
勝澤芳雄
10
○勝
澤委員
この金は
結論
的にどういうことになるのでしょうかね。
江守堅太郎
11
○
江守政府委員
特別会計
からいわば
一般会計
が借りましてこれを
米軍
に
提供
いたしておるという
状況
でございます。
特別会計
と
一般会計
の
国有財産
の授受の
関係
は、原則として
有償
でございます。ただ
所属
がえをいたしましたときには買う。借りたときは
使用料
を払うというのが、
国有財産法
上のたてまえでございます。ただこの
地位協定
に基づくいわゆる
国管法
の六条に規定いたしておりますところのいまのような
措置
が
有償
であるべきかどうかということにつきましては、部内で議論が分かれておりまして、まだ
結論
が出ておりません。それらを
検討
いたしましてこういった
金額
を支払うべきかいなかということを早急にきめたいというふうに考えております。
勝澤芳雄
12
○勝
澤委員
この問題の発生してきておったときから今日まできて早急にというのは何年くらいの話なんですか。
江守堅太郎
13
○
江守政府委員
実は当初
防衛施設庁
のほうでこういったものは支払うべきものであるというたてまえで、
予算要求
もいたしてきてまいったのでございますが、先ほど申しましたように、根本的にこれは
有償
であるべきかどうかということは
国有財産法
上の
取り扱い
の問題であると同時に、これはいわば
財政
の組み方の問題、あるいは
財政技術
の問題として
検討
すべき面があるのでございまして、その点につきましていろいろ
検討
を続けておりますが、いまだに
結論
を得ておりません。早急に
結論
を出してこの問題をきめたいというふうに考えております。
勝澤芳雄
14
○勝
澤委員
これはいつから問題になっておるのですか。
江守堅太郎
15
○
江守政府委員
当初
防衛施設庁
が
使用料
を支払うということで
予算要求
をいたしましたときから問題になっております。
勝澤芳雄
16
○勝
澤委員
具体的に何年何月からですか。
江守堅太郎
17
○
江守政府委員
昭和
二十一年ごろから
特別会計
の
施設
を
一般会計
が借りまして
提供
する
事態
があったのでございますので、それ以来のことでございます。
勝澤芳雄
18
○勝
澤委員
昭和
二十一年から問題になっているのを、早急にというのはいつまでに
結論
を出すのですか。
江守堅太郎
19
○
江守政府委員
二十一年からいままでかかりましてもなかなか話が詰まらないような問題でございまして、これはどこかで
ふん切り
をきめなければならぬ。いまここで
ふん切り
をきめまして早急にきめたいというふうに考えておるわけでございます。
勝澤芳雄
20
○勝
澤委員
政務次官
、一つ御質問いたしますが、二十一年から早急にというのが今日の状態なんです。これはやっぱり何とかしなければ申しわけないと思うのですね。どうでしょうか、
政務次官
、
結論
をはっきりつけてください。
江守堅太郎
21
○
江守政府委員
ちょっと御訂正申し上げますが、二十一年からと申しましたのは、
提供
のありましたのが二十一年からということでございます。この金を
予算
に組んで支払いたいという
要求
がありましたのは三十三年からでございます。間違えましたので訂正いたします。
勝澤芳雄
22
○勝
澤委員
こういうものはいま言ったように、早急にと言えば
局長
がかわればそれでおれは責任がなくなるということになってしまうわけですから、これはやはり別にむずかしい話じゃないわけです、
事務処理
上の問題なんですから。早急にという答弁が幾らあったって早急じゃないわけでありますから、これはひとつ
政務次官
のほうで、せめて
政務次官
の任期中くらいにこんなものは片づけたらどうでしょう。
纐纈彌三
23
○
纐纈政府委員
ただいま
管財局長
からお話がありましたので、いろいろ問題があるところですが、一応
特別会計
と
一般会計
との問題で
予算
の編成の上か何かで同じことになりやしないかというような
結論
も多少出ているのですが、理論的に申しますればやはり
特別会計
のものは
一般会計
に繰り入れて、それで形を整えるということが私は筋が通っている問題だと思います。そういう問題もありますので、ひとつ研究して、早急と言うとおしかりを受けますが、できるだけ早く筋の通ったような
結論
を出すことに努力いたしたい、こう考えている次第でございます。
勝澤芳雄
24
○勝
澤委員
次の問題に入りますけれども、
名古屋
の
陸軍造兵廠
の
高蔵製造所
という
土地
があるわけでありますが、この
土地
が三十六年の七月二十日に約四千坪、
土地建物
を含めて
東洋プライウッド株式会社
というのに売り払われているわけです。約九千六百五十五万で売り払われているわけでありますが、この
会社
に、同じように今度は
春日井
市の
鷹来
町の旧
名古屋陸軍造兵廠
の
鷹来製造所
の
土地
が、約三万三千坪だと思いますけれども、三十八年四・月にこの
東洋プライウッド株式会社
に売られている。三十八年四月に売ったこの
土地
が、五月には
松栄商事
という
会社
に売られて、そうして同じ月に
松下電器
に売り渡されている。こういうのがあるのですが、御存じでしょうか。
江守堅太郎
25
○
江守政府委員
承知
しております。
勝澤芳雄
26
○勝
澤委員
そうしますと、
東洋プライウッド株式会社
に三十八年四月に売ったこの
土地
が、
松栄商事
を通じ一カ月後には
松下電器
に入った、これは
承知
をしておるという話ですが、
東洋プライウッド株式会社
が実際にはこれは
払い下げ申請
を出したと思うのですが、そうなんですね。
江守堅太郎
27
○
江守政府委員
そのとおりでございます。
勝澤芳雄
28
○勝
澤委員
そうすると
国有財産
の
払い下げ
の
申請書
には、この
利用
の
計画
なり
事業
の
計画
なりというものはきめられておると思うのですが、その
事業計画
の中に、私が買ったら
松下電器
に売りますということがきめられておったのですか。
江守堅太郎
29
○
江守政府委員
そういうことはございません。
勝澤芳雄
30
○勝
澤委員
そうすると
東洋プライウッド株式会社
に売った
土地
が一月後に
松下電器
に売られたというのはどういうふうに理解していいのですか。
江守堅太郎
31
○
江守政府委員
東洋プライウッド
に売りましたのは、いわゆる
随意契約
によって売ったのでございまして、
東洋プライウッド
が
輸出用
の
合成繊維板
をつくるという
事業
を営むために必要な
施設
であるということで売ったのでございます。もちろんその
施設
のために使われるということを
財務局
としては考えて売ったのでございます。したがいまして、その用途に使われることを信じておったのでございます。その後
仰せ
のとおり
転売
が行なわれて、
財務局
といたしましては、事前にそういった
転売
が行なわれるというようなことを存じません。またその売りました直後におきましても実は知らなかったのでございます。その後わかったというようなことでございます。
勝澤芳雄
32
○勝
澤委員
そうすると三十八年四月に売って三十八年五月にはそれが
松栄商事
に入って売られたということを知らなかったということですが、もう一度確認しますが、そうなんでしょうか。
江守堅太郎
33
○
江守政府委員
そのとおりでございます。
勝澤芳雄
34
○勝
澤委員
土地
は具体的に何坪で、それから
建物
、それから売り払った
金額
はどうなんですか。
江守堅太郎
35
○
江守政府委員
問題の
鷹来製造所
は、第一次の売り払いは
土地
が坪数にいたしまして九万四千六百四十二坪、売り払い価額が二億八千八百二十二万三千円、第二次の売り払いが
土地
が三万二千九百九十七坪、
評価額
は一億四百九十三万円でございます。
勝澤芳雄
36
○勝
澤委員
それから一次の
土地
の売り払い
期日
と第二次との
期日
はどうなんですか。
江守堅太郎
37
○
江守政府委員
第一次は三十八年の一月九日、第二次は三十八年四月二十七日でございます。
勝澤芳雄
38
○勝
澤委員
それでこの両方の
土地
が
松栄商事
を通して
松下電器
に売られたのですか。
江守堅太郎
39
○
江守政府委員
第二次に
売り渡し
ました三万二千九百九十七坪の全部と第一次に売りました
土地
の
一部分
でございます。
勝澤芳雄
40
○勝
澤委員
土地
の
一部分
というのは何坪ですか。
江守堅太郎
41
○
江守政府委員
九千五百坪でございます。
勝澤芳雄
42
○勝
澤委員
そうすると九千五百坪と三万二千坪、約四万坪ですね。四万坪余の
土地
が売られたということですが、
東洋プライウッド株式会社
というのは
資本金
なり
会社内容
はどうなんですか。
江守堅太郎
43
○
江守政府委員
東洋プライウッド株式会社
は
昭和
二十五年の十月三十日に設立されまして、
資本金
は一億円でございますが、その後増資いたしまして現在
資本金
二億円でございます。
勝澤芳雄
44
○勝
澤委員
ふしぎな話だと思うのですけれども、もう少し聞きましょう。 この
払い下げ
の
申請
を出したのは、第一次、第二次はどんな
経過
になっておりますか。その
払い下げ
の
申請
に基づく
決定
までの
審議会
の
経過
はどうなんでありますか。
江守堅太郎
45
○
江守政府委員
いま申しましたとおり、
東洋プライウッド株式会社
は二十五年の十月に設立されまして、当初は旧
名古屋陸軍造兵廠
、
熱田製造所
の一部を借り受けて
木製合板
を
製造
いたしておったのであります。その後さらにこの
施設
を拡張いたしまして
昭和
二十六年の七月に
高蔵製造所
の
一部分
も
貸し付け
たのであります。 当初
会社側
といたしましては、これらの二つの
施設
をともに
貸し付け
でなくして一括
払い下げ
てほしいという
希望
があったのでございますが、両
施設
ともその当時におきましては
国有
の
機械
を保管いたしておりました。またその
一部分
は
賠償
の
指定
になっておりまして
米軍
に
提供
中でございましたために
貸し付け
ておったのでございますが、その後
国有機械
も処分される、また
賠償指定
も解除されて
提供財産
も返ってくるという
状況
に応じまして、これら両
施設
とも漸次売り払ったのであります。問題の
鷹来製造所
につきましては三十四年の十月の二十日に売り払いの
申請
がございました。この
申請
につきましては
名古屋
の
通産局長
、
春日井
の
市長両者
から
工場誘致
についての具申もあったわけであります。また同社に
売り渡し
ました
熱田
、
高蔵
両
地域
を
利用
して
合板
の
製造
をやっておられます
東洋プライウッド
の業績から見ましても、この
施設
を売り払うことが適当と考えたのであります。しかし御
承知
かと思いますが、この
地域
はその
一部分
を
名城大学
が使っております。
貸し付け
ております。その
名城大学
の
貸し付け
のしかたが南と北に分かれておりまして、その
一部分
に校舎、その
一部分
に主として宿舎というふうに分かれておりまして、そのまん中の
土地
の売り払いの
申請
であったのでありますが、
学校
の事情からいいましてもこういうふうに分かれておるのはあまり適当でないだろう。何かこれを一カ所にまとめたほうがいいだろうというようなことを考えておったのでありますが、
名城大学
が
大学経営
その他につきまして非常に紛争がございましてなかなかその話をつけることができない。しかも
会社側
としては早急に
事業
を開始いたしたい、また国としてもその
事業
が経営されることはきわめて好ましいと考えましたので売り払ったというようなことでございます。
勝澤芳雄
46
○勝
澤委員
ちょっと
事務
的に御答弁願いたいのですが、第一次は三十八年の一月九日、第二次は三十八年四月二十七日に
払い下げ
をしたというのです。ですからこれに対する
申請
はいつ出されたかということ、それに基づく
審議
はどのように行なわれたかということです。
江守堅太郎
47
○
江守政府委員
申請
の出されましたのは三十四年の十月の二十日でございます。それに基づきまして
国有財産東海地方審議会
に付議をいたしまして、妥当であるという御答申を得ましたのは三十五年の八月の一日でございます。
勝澤芳雄
48
○勝
澤委員
それからどういう
経過
をたどったのですか。
江守堅太郎
49
○
江守政府委員
三十五年の八月一日の
東海地方
の
国有財産審議会
におきまして、この
地区
を
東洋プライウッド
に売ることは適当であるという御答申を得まして、東海
財務局
でその売り払いの仕事を進めてまいったのでございますが、先ほど申しましたとおり、売り払いをいたそうとする
地域
は、
名城大学
の校舎並びに宿舎の中間にあります
土地
でございまして、
審議会
の
審議
の際にも、将来話がついたならば、
名城大学
の主として寄宿舎として使っておる
地域
は現在校舎などのある
地域
のほうにまとめたい、そのような交渉を進めたいというような説明もしてまいりました。その後いろいろ話を積極的に進めたのでございますが、
名城大学
側のほうで、これに対して県体的な
措置
をとり得るような状態になかなかならないような事情がございましたために、これをあきらめたのでございます。その間それらのいろいろの折衝のために時間がかかりまして、三十五年の八月に御答申を得て、三十八年になってから売ったというような時間的な
経過
があったのでございます。
勝澤芳雄
50
○勝
澤委員
そうしますと、ここの
払い下げ
にあたって、
東洋プライウッド株式会社
の
国有財産
払い下げ申請
書は、虚偽の
申請
によってこの
払い下げ
が行なわれた、こういうことになるのですか。
江守堅太郎
51
○
江守政府委員
輸出用
の
合板
繊維の
施設
をつくる、その目的のためにこの地を売ってほしいということにつきまして、先ほど申しましたように、十分
検討
いたしまして、それが妥当であるとして売り払いをすることになったのでございます。
東洋プライウッド株式会社
は、お話しのように、その後直ちにこれを
転売
したという結果になっておりますが、プライウッド株式
会社
の説明によりますと、このことは、その
土地
で
輸出用
の繊維板をつくる
事業計画
を断念したのでは決してない、ここであくまで
輸出用
の繊維板の
製造
の
施設
をつくるのだ、ただいろいろ
資金
繰りの
関係
があって、いわば自分の子
会社
であるところの
松栄商事
を通じて、これをいわば担保として
松下電器
に売った、そしていわば一種の譲渡担保的なものとして
売り渡し
たのである、こう説明しておるのでありまして、いずれにいたしましても、こういった
売り渡し
の形をとるような
営業
行為が、
売り渡し
しました直後において、
財務局
に何ら連絡なくして行なわれたということはきわめて遺憾でございますが、
東洋プライウッド株式会社
側といたしましては、その商売のやり方といたしまして、金を借りる方法としてこういうことをやった、その金を借りて、ここで
輸出用
の繊維板をつくるのだと申しておりますので、
申請
そのものが虚偽であるというふうには私ども考えておりません。ただ、そのような
転売
の形をとって
資金
を調達をしたということは、いかなる事情があるにせよ、はなはだ遺憾なことであるということは強く考えております。
勝澤芳雄
52
○勝
澤委員
申請書
は虚偽ではなかった、
申請書
に間違いがなかった、しかし
申請
どおりに行なわれなかったということは遺憾である、こういうことなんですね。そうしますと、
申請書
に書かれた
利用
計画
なり、あるいは
事業計画
、
資金
計画
もあるでしょうが、この普通
財産
取扱規則によるところのこの
払い下げ申請
書が、
申請書
どおりに実施をされたかされなかったかという確認が十分されなかったという責任は東海
財務局
にある、こういうように思うのですが、どうですか。
江守堅太郎
53
○
江守政府委員
その点につきましては、仕事のやり方が不十分であったと深く反省をいたしております。
田中彰治
54
○田中(彰)
委員
関連して。いまの
売り渡し
担保というものですが、これは実際
払い下げ
を受けた
東洋プライウッド
、これから
松栄商事
に法律的に、登記面的に、金を幾ら借りて、利子を幾ら払うということできちっと
売り渡し
担保になって、そこで流れて、それから松下に売ったものなのか、ただ言いわけにそれを言っているのか、ただ私製証書でそんなことをやったのか、私はこれは重大な問題だと思うのですが、それをお調べになりましたか。
江守堅太郎
55
○
江守政府委員
登記面では
東洋プライウッド
から
松栄商事
に売り渡され、
松栄商事
から松下に売り渡されております。その間その三社におきまして、
会社
の言うがごとく、ほんとうの意味の譲渡担保であるのか、そうではないのかというようなことにつきましては、残念ながらまだその真相を確かめ得ない
状況
でございます。
田中彰治
56
○田中(彰)
委員
そんなものは給仕を使ってやったってできる。
売り渡し
担保で
売り渡し
たならば、ちゃんと
売り渡し
登記をする。そして
売り渡し
担保ならば
売り渡し
担保で、手形なんかに入れて、ちゃんと
期日
がきて、それが落ちるとか、不渡りになれば流れる、流れれば流れた登記をするということになるから、それをお調べにならないのはおかしいじゃないか。もしこれがこの
東洋プライウッド
から
松栄商事
に
売り渡し
て、登記面でそれが松下に売り渡されているとすると、これは重大ですよ。
事業計画
をするといって、ちゃんと図面から何からつけて
払い下げ
を受けて、それを一カ月か二カ月で
売り渡し
た。これは一体幾らで
売り渡し
て、その利益はどのくらいだったのか、それをお調べになっておるのか。
江守堅太郎
57
○
江守政府委員
登記面でいま申しましたとおり、正式に所有権が移転しております。それがはたして譲渡担保であるかどうかということについては、まだ確認し得ない
状況
でございます。さらに幾らで
転売
いたしたかという
金額
につきましても、つかみ得ない
状況
でございます。ただ
会社側
の説明では、そのように譲渡担保的な意味で
売り渡し
て
資金
を調達したのだ、その調達した
資金
でもって本来の目的である
施設
を建設すると申しておりますけれども、国の立場といたしましては、それははなはだ遺憾な
措置
でございますので、一刻も早く松下並びに
松栄商事
から
東洋プライウッド
はこれらの
財産
を買い戻せということを強く申しまして、目下東海
財務局
で毎日のように強く折衝いたしている
状況
でございます。
田中彰治
58
○田中(彰)
委員
それはとれるはずですから、ひとつ登記の写しをとってください。
江守堅太郎
59
○
江守政府委員
とって、提出することにいたします。
田中彰治
60
○田中(彰)
委員
私は
管財局長
、あなたをよく知っておりまして、あなたがそんな不正をする性質ではないと知っておりますけれども、どうも
国有地
を
払い下げ
て、すぐに
転売
してもうけているのがたくさんあるんですよ。たとえば九州の小倉に郵政省の
土地
があった。これを市が
払い下げ
を受けた。それを一月たたないうちに日活ホテルに売って、そこの重役に市長がやめてなっている。こういうような問題。しかもその中には六十坪、七十坪の郵政省の局にする
土地
があった。これも自動車の車庫を建てられてしまって、ああでもない、こうでもないと言っているうちに、これも向こうにやらなけりゃならぬことになった。こういうことですね。 それからもう一つ、これは虎ノ門にニューエンパイヤモーター株式
会社
というのがありますが、これが
土地
の横領で大問題を起こして、この決算
委員
会でいろいろ調べましたが、都が自動車をもらったり、金をもらったりして不正なことをやったが、しかしこれで刑事問題を起こしてもなんだからということで、
結論
こおいて
払い下げ
をすることにあなたのほうもされ、決算
委員
会もしかたがないから承諾した。ところが
払い下げ
たら、これはまだ登記もなっておらぬうちにこの
会社
の株券全部ほかに売っちゃったのです。それだから税金も取られませんよ。株券の売買の税金だけですよ。それでやっぱりそこに七、八億の利益を得ているのですね。税金を納めぬでいい利益です。こういうこともある。この
資料
を、私も調べてありますから、さっそく決算
委員
会に出してください。 もう一つ、産経新聞のあの近所、あの辺には
国有地
がぞろっとたくさんあったのです。あれはみんなああいうところに
払い下げ
しちゃって、いまあなたの言われるとおり、坪七万円か、当時産経なんか七万円だかで
払い下げ
しちゃって、今度家を建てるのに金がないから、その
土地
を
一部分
けてやっちゃう。それで家を建てる。
払い下げ
てもらったあくる月にその
土地
を今度はほかに売るとなると、それが一坪四十万だの五十万だので売れる。いまは百万以上しているでしょう。あの周辺が、あれだけの
国有地
が全部一流の
会社
に
払い下げ
された。その
払い下げ
を一体どういう方法でやったのか、どうぐあいに許可されたのか、どこにどうされたのか明細にひとつ出してください。これはしかたがない。これを調べた上において池田内閣がひっくり返ろうがかまわない。私はこれは断じてひとつ調べてただしたいと思う。あまり
国有財産
を粗末にし過ぎるのです。
大蔵省
の人間は精神が麻痺している。そこらじゅうの役所が、みんな
予算
をもらわなければならぬから、
結論
においては
大蔵省
に頭を下げる。それをいいことにして、おれたちは何をやってもたいていのことは済むんだという考え方でものをやっておる。これは私はとんでもないことだと思う。そんなことは許すべきことではない。これは決算
委員長
がどう言うか知らないけれども、ある程度はたださなければいかぬ、そうでしょう。 いまこの
土地
を
払い下げ
た。この
会社
が一カ月たたぬうちに、まだ名義の変わらぬうちに、すぱっとよそに売っちゃって、そして
払い下げ
を受けた代金だけ持ってきて、その差額は七億円くらいある。今度は
会社
のほうがやったから税金も払わぬでいい。証券の売買ですから、去年よりは多少高いけれども払わぬでいい。そして脱税し、役所をごまかしてやる。これはたいへんな問題ですよ。 一方においては、税金を納められないために首つったり夜逃げしたりしている人がある。こういうものをある程度はっきり——これはなかなか政治家が何だとただせられないけれども、ある程度はやはりこういうものは権力に向かってただしていかなくちゃいかぬ。だから、私はこの二つだけを調査してみたいと思いますから、
資料
を出してください。
江守堅太郎
61
○
江守政府委員
かしこまりました。
田中織之進
62
○田中(織)
委員
もう一点関連。いまの愛知の物件の
関係
でありますけれども、それが
松下電器
に売られたことは非常に遺憾だ。こういうように言われておりますけれども、そういう遺憾だというような道義的な問題じゃなくて、それは法律違反と違いますか。最後にいま田中
委員
の関連質問に対して、
松栄商事
及び
松下電器
から買い戻せということを、第一次に
払い下げ
た
東洋プライウッド
に求めておるというのですけれども、
払い下げ
の条件というものは、
払い下げ申請
書にある使用目的と違ってはいけない、あるいはこれを譲渡することは一定の期間できないというようなことが、
払い下げ
の場合に必ず条件としてついておるのじゃないでしょうか。したがってこの場合も、そのついておる条件に違反した場合には、国としては強権的にその
払い下げ
物を返還せしめなければならぬ責任があるのではないかと私は思うのですが、その点いかがでしょうか。この
払い下げ
の場合には、そういう条件はついてないのですか。
江守堅太郎
63
○
江守政府委員
本件の売り払いにつきましては、いわゆる用途
指定
をいたしておりません。したがいまして、はなはだ残念でございますが、法律上の問題として
契約
を解除することはいたしかねる
状況
でございます。これは、私ども仕事のやり方としてまことに遺憾なことであったと痛感をいたしております。用途
指定
をいたしますのは、元来
無償
で譲与する、あるいは半額で売り渡す、あるいはまた国の目的からいってどうしてもこの用途を
指定
するほうがいいと思われるような場合に、用途
指定
をつけ得ることになっております。したがいまして、本件についても、もちろん用途
指定
をつけ得たわけでございます。こういった
随意契約
によりますところの時価
売り渡し
という
契約
におきましては、本来その目的のために使用されることを趣旨として
売り渡し
たものでございますので、国といたしまして売り渡す際には、当然その目的に使われるということを信じておるわけでございます。先ほど申しましたように
NHK
に
ワシントンハイツ
を
売り渡し
ました。これも
随意契約
によるところの時価
売り渡し
でございますが、用途
指定
はつけておりません。用途
指定
はつけませんでしたが、もちろん国が
売り渡し
をした目的に従って使用されておるのでございます。したがいまして、時価
売り渡し
によるところの
随意契約
の場合は、本来
政府
とそういった買い受け者との間で、いわば信義、誠実という原則に基づきまして、しいて用途
指定
をしなくてもいいであろうというような方向で従来仕事をやってまいったのでございます。本件のごときは、まことに
仰せ
のとおり国といたしまして直ちに
契約
を解除いたしまして、その
財産
を取り返すという
措置
に出たいのでございますが、そのようなことで、その
措置
もとれない。したがいまして、今後におきましては、
随意契約
による時価
売り渡し
につきましても、例外的なものを除いては、すべて用途
指定
の条件をつけるということにするということで、いまその用意を進めておる現状でございます。
田中織之進
64
○田中(織)
委員
随意契約
の場合には、私はいま
局長
が答弁されたように、たとえば一時使用許可を受けておる、借用しておるというようなところに
随意契約
で
払い下げ
るということが通常の場合だと思うのです。したがって、その使用目的というものは、厳に限定されてなければ、私は
随意契約
すること自体が
国有財産
の処分として問題だと思うのです。それは公入札によることが当然なので、
随意契約
というものはよほど特殊な場合なんですから、その場合にはやはり使用目的というものが明確な場合で、あなたの先ほどの答弁では、
輸出用
の何かの生産設備をつくるためにということで
払い下げ
たというのですが、現実に
松下電器
に
売り渡し
たのが、一期、二期と分かれておるようでありますけれども、何かそういう
随意契約
をするような目的に、
払い下げ
た部分の一部でも使われておるという実態があるのですか、どうですか。これはほかの
随意契約
というような場合には、なかなかやかましい条件を
大蔵省
つけておられる。通例の場合はつけておられるのですが、この場合は
随意契約
で、しかも使用目的の
変更
禁止の条項が入っていないというところに、きわめて情実的なものがあるのではないか、だからこういう不手ぎわが生まれてきておるのだ、このように思うのですが、その点はいかがですか。
江守堅太郎
65
○
江守政府委員
仰せ
のとおり
鷹来製造所
の
土地
につきましては、ここでそういった
事業
をするという
計画
を持つておったので売ったのでございますが、いまその
事業
をいたしておりません。でございますが、
東洋プライウッド株式会社
は、先刻申し上げましたとおり、ここの
施設
だけではございませんで、従来
熱田
、
高蔵
、二つの
土地
をその目的に使っておりまして、この二つの
土地
におきましては、りっぱにその仕事をやっておられる。わが国の
合板
輸出量の中でも相当の量を占める
会社
でございまして、実績も十分あがっておるわけでございます。したがって、いわばその点を信頼をいたしまして、
随意契約
の際に用途
指定
をいたさなかったという点でございまして、繰り返して申しますが、この点につきまして深く反省をいたしておりまして、今後におきましては、このようなことのないように、時価売り払いの
随意契約
につきましては、すべて原則として用途
指定
をつけるということにいたしたいと考えております。
田中織之進
66
○田中(織)
委員
関連質問ですから、これで私終わりますけれども、譲渡禁止の条項がある場合にも、脱法行為として、たとえばそれを担保で金を借りる、融資を受けたという形式で、たとえば代物弁済の条項をつけるというような形で、
大蔵省
が譲渡禁止、これは一定の期間の場合でもそうでありますけれども、そういうことで、これは一種の法の盲点をついた脱法行為が行なわれるわけですが、この点は先ほど田中彰治
委員
から指摘したように、
松下電器
へのいわゆる
売り渡し
担保の形式でやっておるということになれば、登記面にその点は当然出てこなければなりませんし、実際に第一次に
払い下げ
を受けたところと現在そこから
転売
を受けたものとの間に行なわれた取引
価格
というようなものについても、これはお調べになって、先ほど田中
委員
の質問に基づいて
資料
を提出するということでありますから、ぜひそれを、登記
関係
の書類と、それから実際の譲渡
価格
の問題について、
金額
について報告を願いたいと思います。
田中彰治
67
○田中(彰)
委員
局長
、いまの
東洋プライウッド
というこの
会社
に
随意契約
をしなければならない何かやはり、何というのですか、慣例というのですか、そういうつながりというのですか、そういうものがあったのですか、この
土地
に対して。これは問題ですね。これはほかにほしい人もあるでしょう。これを売るとか競売に付すとかいうこともあるわけです。けれどもここに
随意契約
したのですから、何かここと
随意契約
というものを行なわなければならない、いろいろございますね、もとあの人が持っておったやつを国がとったとか、あるいはそこに
土地
を貸しておったから、そこに地上権がついている、地上権を立てなくてもつくようになっているとか、あるいは何だとか、そういうようなことでどうしても
随意契約
をしなければならない何かあったんですかね。これをひとつ。
江守堅太郎
68
○
江守政府委員
形式的に申しますと、予決令のいわゆる輸出産業の保護という条項に基づきまして、
東洋プライウッド株式会社
とは
随意契約
ができるということでございます。それからまたこの
土地
につきましては、特にぜひそれを私のほうに売れというような強い競願者もございません。先ほど申しましたように、
名城大学
が両
地域
にございますが、この
地域
は両方合わせまして、約八万坪の
土地
を持っておりまして
名城大学
が
計画
しております農学部、薬学部というものの
施設
としては、その八万坪で十分である。ただその二つが分かれておるのでありますが、それを一カ所にまとめるとか、そういうような
措置
は望ましいのでございますが、そういう点も先ほど申しましたような事情で話がつかなかった。したがって、
東洋プライウッド
がその
事業計画
遂行上早くその仕事をしたいという強い
希望
があり、しかもそれが予決令上
随意契約
ができるということで
随意契約
で売ったということでございます。
田中彰治
69
○田中(彰)
委員
そうすると、別にそういういろな
土地
を貸しておいたとか、もと戦争中にとったとか、その人の
土地
を寄付さしたとかいう特殊な
関係
がないんだから、値段も相当な高い値段で売られたんでしょう。どうなんですか、安く売られたんですか。値段は十分に売られたつもりだというお考えですか。どうなんです。
江守堅太郎
70
○
江守政府委員
値段は適正な時価で売り払っております。
田中彰治
71
○田中(彰)
委員
私は松下に、買ってから一カ月でどれだけもうけて売ったか知りませんけれども、値段は適正な
価格
で売られたなら、いまあなた
委員
会でえらい苦しい答弁をしていらっしゃいますが、一たん売ったものに対してどこへ売ったらいけないという条件はつける必要はない。そのかわり、
随意契約
というものは普通の
契約
より高いはずです。それで役所から
払い下げ
したというなら、一割や一割五分の利益はあるでしょうけれども、そんなに三割も五割ももうかるべきものじゃない。そういうことで売っているならば、別にこれをいま
払い下げ
をしたからどこへ売ってはいかぬというあれをつける必要はない。しかし、うんと安く買ってうんともうけておるということになったり、それから、こういう仕事をするのだという
計画
をして、あなたのほうがその
計画
に基づいて、いまの輸出というものを重大視してお
払い下げ
になったものを、しないでほかに売ったということになれば、役所をだましたということだから、私はいまの条件がついておらなくても、だまされたということで取り消しの民事訴訟はできると思うのです。私はしろうと判断で言うのではないのですが、いまあなたがえらい苦しい答弁をされる。
随意契約
は因果
関係
のあるときには多少安くするから、これはいまあなたの言っているような条件をつけられてもいいけれども、普通の買い手がなくて
随意契約
したのに、あなたのように条件をつけられれば、今度は高いものを買ってまでつけられるのだから、役所のものは売れなくなるということになる。こういうことも
局長
やはり考えて答弁されないといかぬ。何でもかんでもみんな
随意契約
にそういう法律をつけるということになってくると、これはまた問題になってくる。問題はそこですね。その点は、あなたひとつよくお考えになってやられたほうがいい。 それから、ほかのいま言った産経とか、あの辺の
土地
なんか、あそこで特に
随意契約
でやらなければならぬということはございませんよ。あそこは競願者が山ほどある。それをあなたのほうでみんな
随意契約
でやられている。それについては、競願者がどんなかっこうで、あるいはどれだけあったか、これだけはどうしてもひとつ出してください。これは私はどうしても一応は調べなければならぬ。相手が新聞社であろうと何であろうと、そんなことはかまいません。これはひとつ出してください。 これで私の質問を終わります。
江守堅太郎
72
○
江守政府委員
いろいろ御
要求
のありました
資料
を後刻提出いたしますが、ただ一つ、
東洋プライウッド
が
松栄商事
それから松下に
売り渡し
ました
価格
につきましては、私ども極力松下あるいは
東洋プライウッド
に話をいたしまして、その真相をつかみたいと思いますけれども、強制的にこれを調べる権限を私ども持っておりませんので、一生懸命努力をいたしますが、はたして御
要求
のときまでに出せるかどうかにつきましては確言いたしかねますので、ごかんべん願いたいと思います。
勝澤芳雄
73
○勝
澤委員
局長
、これは
資料
の
要求
をして、
資料
が出てきてからもう一度よくお聞きしたいと思います。
資料
を一つお願いしたいのは、
東洋プライウッド株式会社
に、私が見たのでも二件ですか、三件ですか、売っているわけですが、それ以外にもあると思うのですが、ここに売った
財産
を全部、この一覧表程度でけっこうですから、その程度に書いて
資料
として出していただきたいと思うのです。 それから、本件の問題でありますが、これについては
払い下げ
の
申請書
、それからそれに基づく、先ほど市長さんとか通産省というお話がありましたから、こういう
申請書
についている附帯書類がありましたらそういうもの、それから図面、それから
申請
に基づいて審査をした
経過
を日時、
会議
、そういう最終的な決裁というようなものをひとつ出していただきたいと思うのです。それと同時にこれはいままでやったことでありますからこれはわりあい簡単にできるのじゃないかと思います。それと同時にこれを
転売
した
経過
をあなたのほうでわかる範囲内でけっこうですから、ひとつ出していただきたい。いま言いましたように、なかなか時間がかかるということでございますと困りますから、いま私が前段に申し上げた
資料
というのは大体現地にある
資料
をそのままコピーにとればいいわけですから、一週間ないし十日以内にひとつ出していただきたいと思うのです。
転売
の
経過
もそのときにわかるだけの
資料
をひとつ出していただきたい。よろしゅうございますか。 それともう一つ私がお願いしたいことは、旧軍用に供したもので各所にいろいろ問題になっている、なかなか処理に困っているのがある。私の地元の静岡市にも新富士見住宅というのがあるわけですが、ここの全体的な今日までの
払い下げ
た
土地建物
、それからいま残っておる
土地建物
、そしてこれをどういうふうに処理しようとするのか。この点もひとつ現地のほうに調べていただいて書類として、これもできるだけ早く出していただきたい。以上。
江守堅太郎
74
○
江守政府委員
かしこまりました。
勝澤芳雄
75
○勝
澤委員
それで私の
大蔵省
を終わります。ほかに行くところがありますから。
山田長司
76
○山田(長)
委員
大蔵当局に伺いたいのですが、金融
機関
とそれから証券業者の決算について、毎年度の検査
計画
というものが実施されて、これが検査されているだろうということはわかるのでありますが、この検査の結果のおもな指摘事項、それからこの検査報告書は一般は極秘にされているという話ですが、この極秘にされている法的根拠はどういうところにあるのか。この点を大蔵当局に伺いたいと思います。
牧野誠一
77
○牧野説明員 お答え申し上げます。
大蔵省
で金融
機関
系統についてお答え申し上げますが、金融
機関
について検査を実施いたしておりますのは、
大蔵省
の本省とそれから
財務局
と両方で実施いたしております。本省では三十六年度に都市銀行、あるいは地方銀行、相互銀行、保険
会社
等入れまして七十八の金融
機関
について実施いたしております。それから三十七年度は七十四の金融
機関
、
財務局
では三十六年度はこれは地方銀行、相互銀行、信用金庫等でございます。小さいものが多うございますが、三十六年度三百五十一、三十七年度三百四十六でございます。 それから検査の結果につきまして公表しないということは、これは一般的に公務員の職務によって知り得た他の秘密を公にしないということで、私ども個々に金融
機関
の検査の結果については、ほかの方には申し上げないというふうにいたしておる次第でございます。
山田長司
78
○山田(長)
委員
検査の結果のおもな指摘事項というものはどういうものがあるか。それからただいまの御答弁によりますと、法的な根拠は別にないように思われるが、法的な根拠をもう少し明確にしてもらいたいと思う。
牧野誠一
79
○牧野説明員 公表しない根拠は、ちょっとただいまの条文ははっきりいたしませんですが、国家公務員法の百何条かにあったかと存じます。 それから指摘いたしました事項のおもなものは、これは私ども
大蔵省
の検査のおもな目的は、預金者の保護でございます。預かった運用しております金の運用
状況
について、なるたけ健全なところに運用するようにという趣旨で、少し問題がありそうなところを指摘するということがおもでございます。そのほか最近はいろいろな金利
関係
などにつきましても、預金について特例で出しているものはやめるようにというふうに指摘しております。
山田長司
80
○山田(長)
委員
三十六年か度ら三十八年度までの検査
計画
の実施の
状況
、いま実施された銀行の名前も出ましたが、これについていろいろ支障もあるといわれるが、検査報告の
内容
を銀行別に出してもらいたいと思いますが、どうですか。
牧野誠一
81
○牧野説明員 先ほど申し上げましたけれども、銀行の検査の銀行別にどういうような問題を指摘したかということを私どもが
資料
として出しますことは、これはいろいろ問題があるかと思いますので差し控えさしていただきたいと思っております。
山田長司
82
○山田(長)
委員
検察当局の
要求
によれば、あなた方はこれは問題なく提出することになると思うのでありますが、いろいろ調べたいことがあって、いまこれが
要求
をしようとしているわけですけれども、国会の
要求
があってもそれは拒否しますか。
牧野誠一
83
○牧野説明員 これは私ども個々の金融
機関
の内部の、家庭の事情と申しますか、それからまたそこに預けておる方、あるいはそこから金を借りておる
会社
なり個人なりというもののことごとくごく内部的な秘密な事項に
関係
いたしますので、私どもそれを
資料
として提出するというようなことは遠慮いたしたいと思っております。
山田長司
84
○山田(長)
委員
いや、あなたは遠慮したいと言うが、国会の
要求
があった場合にこれに対してどうするかということを聞いているのですよ。
牧野誠一
85
○牧野説明員 これは私も
大蔵省
の
銀行局検査部
長でございますので、
大蔵省
として最終的にどうするかというようなことは申し上げるのはいささか僣越かと思いますが、私どもとしてはこれはお断わりせざるを得ないじゃないかというふうに思っております。
山田長司
86
○山田(長)
委員
政務次官
に伺います。
纐纈彌三
87
○
纐纈政府委員
ただいまの問題につきまして、検察庁なんかの犯罪等に関連するときのなには当然ですね。材料は提出すべきだろうと思うのです。したがいまして、国会のほうで正式に
要求
する手続があるか、私は否定しませんが、常識論で申しましてそういうような形で正式な方法によって
要求
される場合には、私は提出することはできるじゃないかと思うのであります。ただ個人で
要求
されるとか、そういう形になりますれば、いま説明いたしましたように、大きな銀行自体の問題にも影響することなんでありますから、そういう形ではなんですが、正式に手続をとってされれば許される道があるのじゃないか、そういう法律があるかどうか私はわかりませんが、ただ常識論として正式な形でなにすれば、それに対して応じなければならぬじゃないかという考えを私としては持っております。
山田長司
88
○山田(長)
委員
大体
政務次官
の答弁で了承した感じなんですが、そうしますと、これはもう一ぺん明確にしておきますけれども、当
委員
会で正式に
委員
会の決議を経て、
資料
の
要求
をした場合には、これが
要求
にこたえるための答弁をするということですね。
纐纈彌三
89
○
纐纈政府委員
正式の手続ということで
委員
会で決議して、事柄にもよるだろうと思いますが、
内容
にもよるだろうと思いますが、それはその決議をされても絶対に
資料
を出すことができない事項もあるのじゃないかと思うのでありますが、その辺私もよくわかりませんが、正式の手続でどの程度の範囲までは
資料
を出すことができるかどうかということは、重ねて
検討
しなければならないものじゃないかというふうに考えます。
山田長司
90
○山田(長)
委員
決算
委員
会として
資料
の
要求
をするということが正式に
決定
した場合に、その
内容
で出せない
資料
というのは一体どういうわけなんですか。出せない
資料
というのはどういものが出せないのか、明らかにしてください。
牧野誠一
91
○牧野説明員 ちょっと私、いまうかつで条文が見つからないのですけれども、正式に
要求
があった場合出さなければならないということになっているのは事実でございます。ただ内閣といたしまして、どうしてもこれは出せないという場合には、いまちょっとどこの条文か、見つからないで恐縮なんですが、内閣でこれを出せないということを
決定
して声明を出すという形になっておる。
あと
は政治問題になるのかというふうに存じております。いま条文がちょっと見つかりませんが。
纐纈彌三
92
○
纐纈政府委員
いま国会法百四条の条文で正式に
決定
したものは
資料
を出さなければならぬ、こういうことになっておりますから、そういう手続をとられますれば出さなければならぬ、こういうことでございますから、私のさっきの答弁を取り消します。
山田長司
93
○山田(長)
委員
今度は管財局のほうに
関係
があることですが、五千万円以上の物件の普通
財産
の売買について、
国有財産
の売買
契約
書、それから売買
価格
の算定の基準となったもの、それから国の売り払いの基準
価格
、民間の成立したものの
評価
等も入れて、
資料
としてこれを提出をしていただきたいと思います。
江守堅太郎
94
○
江守政府委員
資料
を提出いたします。
山田長司
95
○山田(長)
委員
これも管財局になりますが、旧市谷の印刷局の
土地建物
等の処分
契約
について、印刷局と電電公社との
交換
した取りきめの
内容
、これをやはり
資料
として提出願いたいと思います。
江守堅太郎
96
○
江守政府委員
御
要求
の
資料
を提出いたします。ただその
契約
書は個々によって多少違っているものがございますので、標準的な
契約
書ということでよろしゅうございましょうか。
山田長司
97
○山田(長)
委員
いいです。 法規の問題に
関係
すると思いますが、農林省でも分室を持っておるが、
大蔵省
の分室の持っている状態というのは相当数になっているのですが、
大蔵省
で持っている分室の所在個所を明らかにして提出をしていただきたい。
江守堅太郎
98
○
江守政府委員
分室とおっしゃいますのは公邸のことでございますか。
山田長司
99
○山田(長)
委員
たとえばこういう
場所
——一カ所私は申し上げておきます。公邸もその一つです。三ノ橋の周辺にマージャンクラブのごとき公邸、分室がある。私は一々言わないが、
大蔵省
は全部調べて出してもらいたい。かなり大きな
面積
を持っている。自動車も二十台くらい入る庭もある。これは分室と名を打っているか、公邸と名を打っているかわからないが、門標は出ていない。こういう個所があるだけひとつ出してもらいたい。
江守堅太郎
100
○
江守政府委員
よく調べまして提出いたします。
山田長司
101
○山田(長)
委員
それでは、実は
昭和
十二年以後日本にダイヤの輸入はなされていないはずだと私は記憶しておるわけですが、ところが銀座の日本堂へ行きますと、時価二千万円のダイヤが現在店に陳列してあります。新宿の小田急デパートに時価千八百万円のダイヤがこれまたウインドーに陳列してあります。国会で接収貴金属の問題につきまして、十一、二年前に出てきたままのときにこれが問題になりまして、この処置について、日銀の地下室に眠っているダイヤの問題の処理をどうすべきかということが当時問題になり、今日まで続いております。数年前にこのダイヤは貧しい人たちのためにひとつ処理しようじゃないかということが国会でたぶん決議をされたと私は思っております。しかるにそのダイヤがいまだに処理されずにあるわけですが、ちまたではこのダイヤは必ずしも当時の状態から見ますとそのままの姿ではないのではないか、こういうことが流布されております。管財局としては日銀の地下室へ入る職員については、単独で入ることを許されているのか、それともこの地下室へ入る場合には必ずだれか随行するのか、この点が不明確なんです。その点どういうふうな処理の仕方をされているか、一応管財局から伺いたいと思います。
江守堅太郎
102
○
江守政府委員
日銀の地下室に入りますときには、日銀の方に案内をしていただきまして、日銀の方に金庫を明けていただきましてダイヤモンドを見ております。
山田長司
103
○山田(長)
委員
いまのあなたの説明よりも私はもっと詳しく知っていますよ。実は私は日銀の地下室に過去三回入っております。いまのあなたの説明みたいなことじゃなくて、実は入っておるんです。入る人、一人々々が署名をし、係の人はあの封印したものに判まで押しているんですよ。ところが私は判を押すことに疑問をいま感じておるんです。それだから私は聞くわけですけれども、
局長
よりも私のほうが詳しく知っていると思うんだ。 そこで、このダイヤモンドは、どうして進駐軍が日本に引き渡した当時と、現在の
大蔵省
が保管している状態とで、品質、数量の変化が起こったのか、これを答弁してください。
江守堅太郎
104
○
江守政府委員
進駐軍から
政府
に引き渡されました以後におきまして、品質その他に現在保管中のダイヤモンドが
変更
があったというふうには私ども心得ておりません。
山田長司
105
○山田(長)
委員
局長
がそういうことを考えているようだから、世間にやはり問題があるんですよ。それでは進駐軍で当時品質を調べた係の人と進駐軍から引き継いだときの係の人と、これらの人たちに前後の事情をお聞きになってみたことありますか。
江守堅太郎
106
○
江守政府委員
進駐軍から引き渡されましたときのダイヤモンドの分類、保管の仕方、それらにつきましては、その後日本
政府
におきまして分類の仕方を変え、保管の仕方を変えたということはございます。ですが、その総量、品位その他につきまして
変更
があったということはございません。
山田長司
107
○山田(長)
委員
進駐軍が引き渡した当時の品質と大蔵当局が管理する段階になった品質はどういう点で品質の相違ができ、数量の違いが出たのですか。
江守堅太郎
108
○
江守政府委員
品質、数量の相違はございません。
山田長司
109
○山田(長)
委員
いや、あなたはそういうことを言ってもだめなんですよ。私、ちゃんと
資料
を持っているんです。品質と数量があまりに違い過ぎるから私は聞いているんですよ。違いませんなんて言ってもだめなんです。もっとわかる人を出してください。
江守堅太郎
110
○
江守政府委員
品質、数量には違いがないと私、信じておりますが、ただいまここに貴金属処理部
関係
の課長がおりませんので、後刻、聞いて御返事をいたします。
山田長司
111
○山田(長)
委員
係の課長がいないからというなら話がわかるが、非常に世の中で疑問を持っておることがたくさんにあるものですから、私はここでいまただしているわけですよ。それで進駐軍が引き渡した当時とそれから大蔵当局が引き受ける段階になって品質にも数量にも違いが出ているんですよ。私は進駐軍当時の数量の
資料
を持っているし、大蔵当局が引き継いだときからの
資料
を持っているんですよ。
江守堅太郎
112
○
江守政府委員
進駐軍が接収いたしました数量と進駐軍が
政府
に引き渡しました数量との間に差異はございます。私が申しましたのは、進駐軍から引き渡されました
あと
におきまして、日本
政府
の保管になりました
あと
におきまして品質、数量の変化はないということを申し上げたのであります。
山田長司
113
○山田(長)
委員
進駐軍から大蔵当局が引き継いだ段階になってからは相違ないという点をあなたは強調するけれども、私の聞きたいのは、進駐軍当時の数量と大蔵当局が引き継いだときの数量と、品質において、数において相違が出ておるのですよ。だからどうしてその相違が出たのかということを聞くわけですよ。
江守堅太郎
114
○
江守政府委員
接収されました数量と引き継ぎました数量との差異ということは私どもよくわかりました。そうしてそれがどのように違っておるかということにつきましては、貴金属処理部でいろいろ調べております。私ここで御返事いたしかねますが、後刻御返事できると思います。
山田長司
115
○山田(長)
委員
これも
資料
です。何十年もほうってあって、日銀の地下室にこのダイヤが眠っておるので、世の中の人も忘れてしまっておる。私はたまたま十二年前に議会に出てきた当時に扱ったことなので、ずっとその後、一体これはどうなるのかと思って見守っておった。去年の夏ごろ、議員の中で、このダイヤの処理は外国へ売り払うべきじゃないかということを進言した人がある。進言することはいいけれども、外国へ売り渡すとは一体何だ。これは日本の貧しい人たちの社会保障のために使うべきじゃないかということが国会で決議されておるにもかかわらず、売り渡すとは何事だというので、それから今日まで実は尋ねる機会を待っておったようなわけです。 そこで
資料
の
要求
をいたします。進駐軍が日本に引き渡した当時の数量は幾らであったか。それから大蔵当局がこのダイヤを引き継いだときの数量、品位の上がり下がり、たとえばこういう分け方をしてある。AA、AB、AC、AD、AF、こういう形でいわゆるAクラスのダイヤは分けてある。それから二番目のクラスのダイヤは、BA、BB、BC、BD、BF、こういう形で第二のクラスは分けてある。このクラス別に分けられた品質と数量を
資料
として御提出願いたいのであります。 御
承知
のように、去年の六月ごろ、銀座の街頭で、時価二千万円のダイヤが新聞紙に包まれて落ちておった。このダイヤとは
関係
があるかないかわからぬけれども、とにかく警視庁の遺失物の係にはいまだにそのダイヤが保管されておる。時価二千万円もするものが銀座のまん中に落ちておって、落し主が届けてこない、実に不可思議なことですが、こういうことはどうも日銀の地下室に
関係
がありはせぬかという風聞が世の中では伝えられておるから問題なんであります。 私はこの
資料
を
要求
するのですが、
資料
を出せますね。
江守堅太郎
116
○
江守政府委員
提出いたします。
山田長司
117
○山田(長)
委員
これは
委員長
に申し上げるのですが、参考に、決算
委員
会の人は、ぜひ一度日銀のダイヤの保管
状況
を行って見ておく必要があると思うのです。これは保管の
状況
等を見ましてどうもふに落ちない点がある。地下二階の金庫の中のことでありまして、間違いはないと信じておるのですけれども、やはり一ぺん中へ入って、どんなふうに保管せられているかということの研究をひとつわれわれはわれわれなりに見る必要があると思うのです。なぜ私がそういうことを申し上げるかというと、その後百円札の束が日銀の地下室から出て、やはりそれが銀座に盗まれてあったという事件がその後もあるのですから、これは入れないのじゃなくて、やはり入っている人がいるのですから、この点ひとつ
委員長
にお取り計らい願いたいと思います。
白浜仁吉
118
○
白浜
委員長
それでは
勝澤
君。
勝澤芳雄
119
○勝
澤委員
専売公社にお尋ねいたしますが、監事のあり方についていろいろと
委員
会から指摘をされまして、これについて行管も取り上げまして、具体的に職務権限なり、あるいは運営の方式なり、あるいは組織の整備、あるいは監事の処遇というようなものについて指摘をされておるのでありますが、これについての回答もなされてはおりますけれども、やはりまだちょっと抽象的で、まだきっちりしたものがきめられていないようでありますが、どういうような処理がなされておりますか、まずその点をお伺いしたいと思います。
阪田泰二
120
○阪田説明員 お答え申し上げます。 専売公社の監事の監査機能の強化の点につきまして、行政管理庁のほうから大蔵大臣のほうにお達しがありまして、私どものほうもその趣旨を承ったわけでありますが、
内容
につきましては、いろいろ数項目にわたっておりまして、監事の職務権限の問題、あるいは責任の問題をもう少し明確化すべきではないかといったような点もあるわけでございますが、その辺の点につきましては、これは私どもが専売公社法のもとに公社の
事業
あるいは監事の仕事をやっておられるわけでありますが、もっぱら法令
関係
、法令改正の問題になりますので、公社としては、立法問題といいますか、そういう点につきましては、積極的に御意見を申し上げることはないわけでありますが、
大蔵省
のほうから行政管理庁のほうに適当な機会に
措置
したいというような御返事が出ているように承っております。ただ主務大臣から公社の監事に対しまして監査の命令を出すといったような事項が行管のほうから参っておるわけでありますが、この点につきましては、私どものほうから考えましても、大蔵大臣から公社自体が一般的に監督を受けておるわけでありまするし、また監事というものがいわば一種の独立の権限、責任を持って監査をいたしておるといったような
関係
もありまして、行管のお達しのありましたような趣旨はいまの専売公社、
大蔵省
、あるいは監事といったような
関係
から必ずしも適当ではないのではないか、こういったような意見を持っております。 それから監査の運営方式をもっと明確にしたらいいではないか、こういつたような御指示もあったわけでございますが、これにつきましては、専売公社の監事は、従来から監査の方式を自分でつくりましてやっておるわけでございます。それが十分でないといったような御意見であろうかと思いますが、監事というものの性格からいたしまして、これも従来以上に、勧告の御趣旨によりまして監査に関する内部規程、これをもっと整備し明確化していく、こういうふうにやりたいということで、監事のほうにも、そういう趣旨のお願いをしてありたわけであります。また監事の職務を行ないますにあたりまして、たとえば必要な補助職員の配置その他が十分でないのではないかといったような御指摘もあったようでありますが、この点につきましては、私どものほうの監事の
関係
の
事務
組織といたしましては、監事室というものがありまして、そこに専門の職員もおるわけでありますが、公社自体として内部監査組織を持っておりますので、その内部監査組織の職員がすべて監事の仕事にも兼務して従事し、お手伝いする、こういったような形でやっておるわけであります。その辺のところが監事が十分に仕事を行なう上におきましてまだ十分ではないといったような御観察といいますか、御指摘というような点があったのかとも思いますが、私どもといたしましては、現状をなお十分に
検討
いたしまして、機構問題として改正すべき点、あるいはまた人手が十分でなくて監事の監査が十分に行なわれがたいといったような点、できるだけこれからも
検討
いたしまして、できるだけ十分にやっていきたいという考えでおるわけでございます。 なお、監事の処遇改善の問題につきましては、これも
大蔵省
、監督官庁のほうでおきめいただく事項ではありますが、私どものほうからもいろいろお願いいたしまして、多少の改善は実行されております。あるいは十分であるとは申しかねるかもしれませんが、そういう
状況
に現在あるわけでございます。
勝澤芳雄
121
○勝
澤委員
この
関係
では
大蔵省
はどこになるのですか。監事の
関係
……。
澄田智
122
○澄田
政府
委員
私からお答え申し上げます。 それぞれの
機関
によりまして監督の部局が違っております。ただいまの御質問は、専売公社でございますれば、大臣官房に専売公社の監理官という職制がございまして、監理官がおりまして、そこで公社の監督一般をやっておりますので、その一環として監事の職制はどうあるかとか、そういう問題も取り扱うべきだと思います。これがほかの金融
機関
系統のところでございますれば銀行局、こういうことになるかと思います。
勝澤芳雄
123
○勝
澤委員
そうしますと、これでは第一の職務権限の問題は、公社法の改正もある程度しなければならぬ、こう出ておるのですが、これはどこで扱うのですか。あるいはいまの
経過
はどのようになっておるのでしょうか。
澄田智
124
○澄田
政府
委員
いま担当官がおりませんので、ちょっとあれでありますが、そういう法律改正の準備等は専売公社監理官のところでやるようになっております。
勝澤芳雄
125
○勝
澤委員
政務次官
ちょっと聞いていていただきたいのですが、監事の問題は各省がばらばらなんですよ。各省がばらばらでやっておるわけです。それから監理官の仕事もばらばらなんです。監理官それから監事を何とかしなければいかぬということで取り上げまして、各省ごとに行管から注意が促されて、それからまたそれについての各省ごとの回答がきているわけです。その回答もみな同じようなことなんです。ですから質問があって回答があっただけで、実は何も進んでいないという実情なんです。これは一体どうしたらいいか。行管で言って、それについて各省ごとに回答がきた。そしてまた監督官庁が、御案内のように監理官がやっている。監理官と、それからその公社、公団、公庫との
関係
を見てみれば、監理官の行政の力からいって、一体監事なり監理官制度というものは根本的にどうするかというようなことがそう積極的に進んでいくとは思わないわけです。どこかでこれを取り上げてやらないと、職務権限の問題、運営方式の問題、それから監事と内部の監査の問題、それからもう一つは監事の処遇の問題、これがみなつかえちゃっているわけですね。トップで、あなたのところが監事の問題を扱うことになったわけでありますから、
政務次官
としても、何か、
政務次官
会議
でもいいし、あるいは大臣にでもいいですから、もう少しこれを進めるように、この点について、ひとつあなたのお考えなり、どうするかをちょっとお聞かせ願いたいのです。
纐纈彌三
126
○
纐纈政府委員
ただいまの問題につきましては、
大蔵省
といたしましても、先ほど来お話しのように、実は行政管理庁からのあれもありまして、それに対しましてそれぞれ、大蔵大臣のほうからも回答を受けておりまして、
大蔵省
としてもこれを
検討
いたしておるわけでございして、法律の改正をやらなければなりませんので、まあ期限も限られておるわけでもないものでございますから、法律改正の機会にひとつこの問題をできるだけ早く織り込んで規定したらどうかというような話は——ある程度でございますが、今後ひとつお話のように、各省とのいろいろの
関係
もあるようでありますから、その際におきましても次官
会議
にも提案をいたしまして、これの善処方について、お互い歩調を合わせてやってみたらどうかというふうに考えております。
勝澤芳雄
127
○勝
澤委員
大蔵省
がたとえば専売公社法の改正をやれば、ほかも同じように右へならえをしてやることになるわけです。それから
大蔵省
が、たとえば今度は監事の処遇の問題について職務権限を明確になったら——監事というものが
理事
よりも給与の上では低い、こうなっているわけです。
理事
が上で監事が下でその下に監理官がおるわけですから、それが逆に下のほうから監督を受けているわけですから、そういう点はやはり
大蔵省
がやればほかも右へならえをやるわけです。監事の処遇を一つ取り上げてみても、
関係
方面と折衝を行なって善処をしたい、意見は賛成だ、どの公社、公団あるいは
事業
団も言っているわけです。ですから一番中心になるのは、
大蔵省
がやるかやらぬかということになるわけですから、その点はいまの御答弁でけっこうですから、ひとつ進めていただきたいと思います。 それから監事の方がお見えになっておりますが、監事のほうとして、今日までの監事職務権限が明確になっておらなかった、運営
方針
がはっきりしなかったということについての御意見をひとつ聞かしていただきたい。
岡本静雄
128
○岡本説明員 お答え申し上げます。 実は前からこういう問題がございまして、専売公社の監事といたしましては、
昭和
三十五年に監事監査要領というものをつくりまして、それまであまりはっきりしておらなかった職務権限などをみずからきめたと申しますか、こういうふうにして監査をして、その結果をこういうふうにして主務大臣あるいは総裁に御報告申し上げるというようなことをきめたわけでございます。それに沿いまして監査を進めてまいったわけでございまして、法律に規定がないということでございますが、内部的にはそういうものがございまして、それに従いましてやってまいった。もちろん専売公社と国鉄あるいは電電なんかとはだいぶ違いますので、仕事のやり方も違っておりますが、まずまずそれでやってまいったというわけでございます。
森本靖
129
○森本
委員
ちょっと関連して。それで専売公社の監事のスタッフはどうなっておるのですか。
岡本静雄
130
○岡本説明員 去年、行管の勧告がございましてから、専門の人をいままでに五人いただきまして——さっき総裁から御答弁申し上げましたように、専売公社におきましては管理部のスタッフを監事も使えることになっておりますが、そのほかに専門の人五人をいただきまして、従来からおりました人と合わせて六人が現在監事室に監事のほかにおるわけでございます。
森本靖
131
○森本
委員
それでその監事は何人ですか。
岡本静雄
132
○岡本説明員 現在専売公社では二人でございます。
森本靖
133
○森本
委員
それはいま勝沢君が質問をしたように、その二人の監事で六人のスタッフで、それで総裁の諮問に答え得るような専売公社全体の監査機構がはたしてできるかどうかということを常識で考えた場合に、私がいま不規則発言で言ったように、大体監事というものは月給をやるために置いてあるとしかとれぬような制度になっておるわけです。だれが考えたって、あの膨大な専売公社の機構というものを監事二人で、さらにその下のスタッフが六人で膨大な諮問にこたえ得るということはほとんど不可能に近いというふうに私は考えておるわけですが、大体その
内容
が明らかになればいいわけですが、これはひとつ
資料
として
要求
しておきます。昨年度の監事室のやった仕事の
内容
について、ひとつ
資料
としてお出しを願いたい、こう思うわけです。
岡本静雄
134
○岡本説明員 それは
あと
で御報告申し上げます。
勝澤芳雄
135
○勝
澤委員
それから次に公社の未収債権が一部長期未処理のものがある、こう言われておりますが、これはどういうものなんですか。
岡本静雄
136
○岡本説明員
あと
で調べまして御報告いたします。
勝澤芳雄
137
○勝
澤委員
質問の中心はこの行管で指摘されております債権管理についてということで、二十四年以降の管理の適正を欠き、回収不能と思われるものがある、こういう趣旨でありますから、その趣旨に沿って
資料
を出していただきたいと思います。 次に、総裁にお尋ねいたしたいのですが、最近アメリカでは肺ガンの問題が大きな問題になっておりますし、国会でも大蔵
委員
会でこの質問がなされたと思うのですが、これについて、肺ガンとかどうとかということは長い間いろいろ議論されてきたわけでありますけれども、専売公社としてはどのような研究をなされてきたか。 それから厚生省
公衆衛生局
長が来ておられるようですが、厚生省としてこれについてどのような研究を今日まで続けてこられたかという点について、専売公社と厚生省両方の立場から御説明願いたいと思います。
阪田泰二
138
○阪田説明員 喫煙と肺ガンの
関係
の問題につきましては、よほど以前から問題としては提起されておる問題でございまして、専売公社にとりましてもたいへん重大な問題でありますので、公社としましても調査、研究をいたしております。ただ事柄の性質上、直接公社で肺ガンと喫煙の
関係
について具体的な研究をいたすということはかなりむずかしいのでありますので、もっぱら外部の大学、研究所その他に委託して、先生方に御研究を願うといったような形をとっておりまして、
昭和
三十六年度から毎年委託費を支出いたしまして委託をして、御研究を願いまする相手方といたしましては東北大学、癌研究所、それから
東京
大学の伝研あるいは肺ガン研究会、これは千葉大学の河合先生その他でまとめておられる会でありまして、全国のこの会の学者の方をまとめた組織でありまして、全国的に調査をする組織になっております。そういうところに委託研究費を支出いたしまして、調査をしていただいておるわけであります。 なおこれは直接肺ガンに
関係
すると言い切れない面があるのでありまして、と申しますのはいろいろと統計的に喫煙と肺ガンの
関係
についての研究の結果は今回出ておるわけでありますが、直接病理学的に喫煙と肺ガンの
関係
を突きとめた研究はいまだないわけでございまして、そういう意味から公社のたばこの
製造
、品質、そういう面におきまして肺ガンに安全である、肺ガンと
関係
のないたばこをつくるということにつきましては非常にむずかしい問題があるわけであります。しかしいずれにいたしましても、公社といたしましてはたばこの製品の品質、ことに実際の問題といたしましてはたばこのニコチンとかタールとか、そういった成分が問題視されておるわけでありますので、そういったようなものを減少する研究、葉たばこ自体の品種の改良でありますとか耕作の方法、あるいはその
製造
過程におけるいろいろな加工の方法、いろいろそういう点があります。またたばこの材料であります紙の問題あるいはフィルターの問題、いろいろそういう面につきまして、総合的な研究はこれはまた公社自体としてもいたしております。現状といたしましては大体そういうことになっております。大学の先生方に委託しております研究結果等につきましては
経過
的に御報告はいただいておりますが、まだまとめてこういう新しい結果に到達した、こういう業績が出た、こういう段階には達していないわけでございます。
若林栄一
139
○若林
政府
委員
厚生省の所管といたしましては、従来からこの肺ガンの問題は十分関心を持っております。しかし肺ガンの問題は、たばことの
関係
につきましても外国では三十数年前から研究が行なわれております。特に一九五〇年以降になりますと、相当大規模な調査が行なわれるようになりました。ところが日本におきましては、わずか十年前を見ますと、外国の数分の一あるいは十数分の一という低い発生率でありまして、外国に比べて関心が若干少なかったということは確かでございます。そういう死亡率に非常に大きな差がございますために、外国におけるような事実を突きとめようということをいたしますと、非常に困難が伴います。外国でたとえば十数人の人を対象にして結果を出すと同じ精度の結果を出すために、十数倍の調査対象をつかまなければなりませんので、こういうことは非常に大きな努力でございまして、外国に比べて非常に困難が伴うだろうと思います。そういう意味で、日本では大きな調査
計画
はなされておりませんでした。 それともう一つは、従来から日本においては外国とかなり肺ガンに関する事情が違う。単に死亡率が低いだけでなしに、いろいろな点で外国で肺ガンと
関係
があると考えられておるような事情が日本には必ずしも当てはまっていないというようなことから、日本ではおそらく肺ガンとたばこの
関係
は外国ほど大きくないであろうという考え方は一般に共通しておりまして、そういうような
関係
から、現在のところ大規模な研究はやっておりませんけれども、外国のデーターにある程度平行するであろうというようなことを確かめるための小規模な研究はなされておりました。 なお今後におきましては、やはり肺ガンの増加傾向が非常に急激でございますので、現在よりは将来において日本の肺ガンが比重が大きくなるであろうということを予想いたしますので、長期的にこの傾向を把握し、適切な対策をやるために、今後長期間にわたっての調査
計画
を立てたいと、現在研究をいたしております。
勝澤芳雄
140
○勝
澤委員
私は、たばこで肺ガンになるかならぬかということをやるのが目的じゃないわけです。ただアメリカではたばこが民営だと聞いておりますが、それについていろいろ業界の圧迫があったのでしょうが、
政府
がやはり喫煙は人体に害があるのだということを発表したということから考えてみまして、やはり日本においても、かつて中性洗剤の問題でこれが問題になりまして、これは有毒であるとか、いや毒がないとかという論争がありました。結局お預けになって、厚生省の検査待ちだというような形、あるいは論争そのものがうやむやになっておるという。ですから、やはりアメリカのように業界がどうこういっても、
政府
というものがしつかりしておれば、それについてはっきりした
結論
が出ると思うのですが、日本の場合においては、とかく中性洗剤あるいは今度の肺ガンに見られるように、私は、あまりこういう公衆衛生といいますか、国民の人命といいますか、こういうものについてのものの考え方というものは軽視されているんじゃないかと思う。こういうものにこそもっと真剣に意を注いで、やはり徹底的な調査をして
結論
を出さなければならぬと思う。今日大気汚染の問題あるいは公害の問題、それからいま言いましたたばこの問題にいたしましても、中性洗剤の問題にいたしましても、この取り上げ方の態度というものはどうも不十分じゃないかと思う。そういう点をやはりこの際真剣に、これを契機として考えなければならぬ。こういうためにこの問題をいま提起しているわけでおります。時間がありませんから、ひとつその点についてはぜひ今後も、
検討
していただきたい、こう思うのです。
若林栄一
141
○若林
政府
委員
お説のとおり健康の問題については私どもできるだけ努力をしていきたいと思います。したがって、公害等の問題もひっくるめまして関連がありますので、将来とも十分やってまいる所存でございます。
勝澤芳雄
142
○勝
澤委員
次に国民金融公庫。
あと
まだあれですからなるべく簡単に御質問いたしますが、三十六年度決算、三十七年度決算で、更生
資金
の
貸し付け
が九万余件の十四億五千五百九万円ですか、これを、一応会計検査院の御意見としては回収不能だとして指摘されているようであります。三十七年度はちょっとふえて十五億六千七百八十一万円となっておるのでありますが、この原因といいますか、それとこの
取り扱い
、今後どういうふうにお
取り扱い
になるのか、この点についてお尋ねいたしたい。
石田正
143
○石田説明員 御
承知
のとおりに、更生
資金
の問題は、戦後非常に経済が混乱をいたしておりました時代にスタートをいたしまして、ずっとそれが今日まで続いておるわけでございますが、しかし国民金融公庫の現在の仕事の重点は普通
貸し付け
という
部門
に変わってきておるわけであります。この更生
資金
をどう
措置
すべきかということにつきましては、たびたびこの国会のほうからも御注意を喚起されておるところでありまして、国民金融公庫といたしましても非常な関心を持っております。このことにつきましては、具体的に、それではどうするのかという問題につきまして、また一つの面におきましては更生
資金
というものを全部やめてしまうかどうかという問題が一つございます。この問題につきましては私たちの実際の扱いからいいますと、もう更生
資金
は全部打ち切っていいのではないか、かような感じを持っておりますが、しかしながらこれは厚生省との
関係
もございますし、それからまたさらに現在におきましてもまだ更生
資金
としての借り入れの申し込みをされている方もございます。そういうことで実際それが続いておるわけでございますが、御
承知
のとおりにほかに世帯更生
資金
等の制度ができておりまして、むしろそのほうが更生
資金
よりも有利である、こういう問題もございますので、だんだんとそちらのほうへ移行していただくということで縮小してまいりたい、かように思っておる次第でございます。 それから先ほど御指摘がございましたようなぐあいに取れないと思われるところ、これは御指摘の数字は期限が
経過
いたしましてから六ケ月以上たちましたところの数字でございますが、これは古いものがだんだんと取れないといった実態がはっきりしてまいるわけでございます。私たちのほうでは、先般実際問題として一口一口実情を当たりました結果、大体十五億近いところのものが取れないであろう、かように考えておるわけでございます。そこで、
政府
のほうにこの問題の最終処理についてお願いをいたしておるわけでございますが、いろいろまだ
政府
のほうの御研究が進んでおりませんためにまだそのままになっておる、こういうのが実情でございます。私たちの
希望
といたしましては、この取れなくなりました問題につきましては、これはもう償却をするのが適当ではないか、かように考えておるわけでございます。それでその償却いたしました場合にどうするかという問題でございますが、これは一つは国から市町村等いわゆる自治団体を通じまして国民金融公庫へ元金が出ておるという部分と、国から直接国民公庫に金が出ておる分と二つございますが、これはいずれも一番もとが国でございますから、国の出していただきますところの
資金
とそれから滞り貸しになっておるところの分と相殺することによって
措置
いたしたらどうか、かように考えまして御相談申し上げておる次第でございます。なお内部の問題といたしましては、大体もう回収不能と思われるところの問題は、だんだん確定しておるわけでございます。いままでは一本で更生
資金
の貸し出しをいたしておりますけれども、内部の問題といたしましては、これを動いておる勘定と動いていない勘定、こういうふうに分けてみたい、こういうことを近く始めまして、そうしてその動かない
金額
がだんだん確定いたしますれば、これは国のほうといたしましても、こういうものはもうとても回収できないのだという実態が御確認願えるかと思いますものですから、それについてその
金額
が大体きまりましたところで最終処理をしていただいたらどうだろうか、かように思っておる次第でございます。
勝澤芳雄
144
○勝
澤委員
次に長期の延滞があるようでありますが、最高の長期延滞になっておるのは大体どんなふうな状態でしょうか。
石田正
145
○石田説明員 これは御
承知
のとおりに、われわれのほうの貸し出しは、いろいろと貸付先によりまして期限が違うわけでございます。期限が違いますと、したがってわれわれのほうの貸し方は月賦償還で貸しておるわけでございます。月賦償還をやっておりまして、そうして最終期限が来てから大体六カ月以上たっておるものはどのくらいあるかという数字を出しておるのでございますが、実際の
状況
から申しますと大体
昭和
二十九年度くらいに貸したもの、それから先が大体
整理
がついておる、それから
あと
の問題につきましては大体期間の長いところのもの、そういうものがある、こういう実情でございます。ただ一件として一番長く延滞しておるものは何年何月になっておるかという数字はいまございませんので、残念ながら御了承いただきたいと思います。
勝澤芳雄
146
○勝
澤委員
それから国民金融公庫の役割りということから考えてみて、
貸し付け
の態度というものはなかなかむずかしいんじゃないだろうか、できるだけ貸してやるというのが——やはり
貸し付け
金も返済されるというのも当然ですけれども、貸してやるということが重要なことになるんじゃないかと思うのです。それでまたそれを延滞した場合の、取り立てる取り立てのやり方というものも、たいへんこれはむずかしいんじゃないかと思うのです。そういう点について普通の金融
機関
のような取り立てもできないし、さりとてルーズな
取り扱い
もできないというところで、今日の大体
貸し付け
の考え方、あるいは取り立ての考え方、こういうものについてのお考えをお伺いしたいと思うのですが……。
石田正
147
○石田説明員 この
貸し付け
の問題につきまして、できるだけわれわれといたしましては御要望に応ずるということが前提でございます。ただしどうしても回収ができないということが初めからわかっておるものにつきましては、これはお断わりせざるを得ない。そこで大体回収が確実であるとかあるいはこれは回収できるのではないか、こういうものを
貸し付け
の対象として実際の
貸し付け
をいたしておるわけでございます。その場合におきまして、私やかましく言っております点は、一人一人によってみんな事情が違うわけでございます。したがいまして、貸すところの
金額
も違いますれば、また
貸し付け
の期間等も違う。これが最も実際的なのでありますが、その場合においてお金をお借りになる人の立場になって、どのくらいの
金額
をどのくらいの期間でもって貸すということが、この人について最も適当であるかということについて特に注意して
金額
及び
貸し付け
の期間をきめてもらいたい。これが第一点でございます。 第二点といたしまして、不幸にして、まあ何と申しますか、利子が滞った、月賦が滞った、こういう場合に、これは先ほど検査院から御指摘がございましたのは、大体期限が
経過
いたしましてから六カ月というものの数字が取り扱われておりますけれども、実際におきまして、実は一回や二回の滞りはそのままにほったらかしておいてまとめておいたところでいこうやというような考え方で
事務
を処理してまいますと、お客さんの立場からすれば、そういう点はこちら側が早く注意し、そうして早く返すということになれば返せるものが、半年分たまった、一年分たまってから催促されたのでは返せるものも返せなくなる、こういう問題もあろうかと思いますので、われわれのほうでは、特に償却期間と申しまして、一月たまったという場合にほったらかすのじゃなくて、滞っておりますがなるべく早くお払い願います、それから、事情はどうですかということを聞いて、そうして、返していただけるものは返していただく。返していただけないものは、期限の延長とか、そういうものも考えるというふうなことをやっております。それからまた、実態が実態でございまして、零細な方が多いものでございますから返せなくなる、こういう問題が起こるわけでございます。この問題につきましては、
大蔵省
といろいろ御相談をいたしまして、償却をする基準がございますが、それをだんだんとゆるめていただきまして、そうして、生活困窮と言いましても、困窮の程度で分けていくとかなんとか——いま償却のほうで一番多いのは生活困窮でございます。それから行方不明という者もございますし、それからまた
会社
が倒産するというものもあります。これははっきりしたものであります。そういう取れないことがはっきりしたものについては、できるだけ早く償却してしまう。こういうのが
事務
的実態になっておるわけでございます。ということで、この数年間だんだん
大蔵省
とお話をいたしまして、償却の額をふやして、件数、及び
金額
をふやしておる、こういう事情でございます。
山田長司
148
○山田(長)
委員
公社やあるいは、
政府
機関
の銀行の監事の方にお越しを願いましたのは、実は二、三年前、当
委員
会で、東北開発
会社
の調査をやったことがあるのでございますが、三億も赤字が出ておるにかかわらず、逆に数千万円の黒字になっておるという報告が出ておりました。そこで、この三億もの赤字が出ておるのにかかわらず、数千万の黒字になっておることで間違いはないのかということを、実は監事の人をこの
委員
会で質問して確かめてみましたところが、その監事は全然知らなかったのですね。私は意外に思ったのです。それで、これは監事というものがこんな形で、
政府
機関
の監事の仕事をされておるのではたいへんだ、こう思ったのです。きょうは幸いに監事の方々はみんなおいでになられたのでそういうことが過去にありましたので、伺うわけなんでございますが、ややもしますと、先ほど勝
澤委員
が御質問なされましたように、あるいはまた行政管理庁で報告書が、決算
委員
会に月報で出ておりますように、監事というものが、あまり
政府
機関
の仕事の
内容
を知らずにおるという場合があったのですが、これは、当決算
委員
会としては、国民の血税が各公団、公庫等で使われておるのでゆゆしい問題なので、せっかくその総裁の任命とかあるいは所管大臣の任命とかいう形ででき上がっている監事が、その監事の職責をややもしますると——これは本日おいでになった方が怠っておるということを申し上げるわけではないのでありますけれども、監事の職責が完全に果たされない、こういうことが実は東北開発
会社
の場合にあったわけです。そこできょうは監事さんに伺うわけなんですが、これはきょうは午前中の時間がなくなってしまって、時間の
関係
で一人一人監事さんに私伺うことを避けますが、本日お集まりになっている専売公社の監事さん、国民金融公庫の監事さん、それから開発銀行の監事さん、輸出入銀行の監事さん、この四つの
関係
者の監事がそれぞれ今日までお調べになられたことで——これは法律で決算という重大な問題を扱っておるわけですから、いままでお調べになられたことで、経理の担当をされておる過程において指摘した事項、この事例が、みな銀行や公庫や公社にお働きの皆さんでありますから必ずあるだろうと思うのです。その指摘した事項をひとつ印刷物にしてこの決算
委員
会に出してもらいたい。これが一点。 それから、広い立場から、監事の場合は、
資金
計画
及び運用
計画
というものを、公庫においては公庫、銀行においては銀行の立場で運用面を全部見ておられるだろうと思うのですが、この運用面の立場から、遠慮なくこれらの諸点をいままで指摘していることがあるだろうと思うのです。こうあったのではこの銀行なりあるいはこの公社なりはうまくいかないじゃないか、こういう指摘された事項があるだろうと思うのです。この指摘された事項を当決算
委員
会に——これは銀行や公社の総裁などに相談して出しては困ります。やっぱり監事という立場であなた方が指摘された事項が運用上にあったはずだと思うのです。たいへん失礼なことを申し上げますが、国民の血税をはんでこの衝におられる皆さんといたしましては、これは真剣におやりになっておると思いますから、必ずそれがあるはずだと思うのです。ぜひこれは当決算
委員
会にお出し願いたい。 それから三番目の問題としては、きょうは一々私は皆さんから発言を願おうと思ったのですが、発言は願わなくてもけっこうでありますから、これもやっぱり印刷であらためてお出しになっていただきたいと思いますのは、監事の立場からどんな
希望
を持っておるか、これはいずれも銀行や公庫や公社の総裁等に話さないで、当決算
委員
会に、自分のところの職責にはこういう
希望
を実は監事として持っておる、その
希望
事項をお述べ願いたいと思うのです。 これらのことが、われわれが決算を処理する上において大きく参考になるだろうと思いますから、たいへんお忙がしいときでございますけれどもぜひお願いいたします。一々きょうはここで御答弁願おうと思ったのですが、時間の
関係
等で印刷物でけっこうでございますから、この提出方どうぞよろしくお願いします。
白浜仁吉
149
○
白浜
委員長
いまの問題は一括していいですか。了承しましたな各監事とも。——それじゃお願いします。
勝澤芳雄
150
○勝
澤委員
開銀の延滞の
状況
が、決算書によりますと、六カ月以上
経過
したものが四十七億、一年以上四十一億円でありますが、この延滞はおもにどういうようなものでしょうか、概略を御説明願いたいと思います。
平田敬一郎
151
○平田説明員 現在延滞になっておりますものの中で少し長くなっておりますのは、御
承知
のとおり復興金融金庫から引き継ぎました分で、なおまだ未済になっている分であります。これは概数で申し上げますが、開発銀行に引き継ぎました総額は七百七、八十億であったかと思います。そのうち大部分は回収いたしまして、現在は四、五十億にまで減少いたしております。七百数十億は回収したのでございます。その間、どうしても徴収不能というので償却しましたのが十数億ございます。残っておりますのが、約四、五十億でございまして、これがその中で延滞になっているものが相当ございます。これはもっぱら債権管理の立場から、それぞれ専門を分担さしておりまして、極力徴収すべく努力いたしておるところでございます。しかし率直に申し上げまして、この中には今後なお償却しなければならぬものがある程度含まれておるかと存じます。 その他の開発銀行になりましてから以後の分につきましては、海運・石炭分を除きますと、延滞は比較的少のうございます。ただ御
承知
のとおり
状況
の変化によりまして多少延滞が出てくる。特に両三年来は、石炭
関係
の分が延滞になっているのが最も多うございまして、その他の分につきましてもぽつぽつございますが、特に大きく取り立てて申し上げるほどのことはございません。このほかに、海運につきましては、決算報告として別途報告してあるとおりでございます。これは御
承知
のとおり今回海運企業の再建整備をはかりまして、内入れ猶予分につきましては将来は普通の弁済期間をきめまして延滞にならないように善処したいということで、目下努力いたしておるところでございます。 非常に大づかみでございますが、概略を申し上げます。
勝澤芳雄
152
○勝
澤委員
総裁、もう少しくわしく——これはあなたのほうで、どの程度まで私のほうに言えるかわりませんけれども、できるだけこまかく知りたいのですけれども、無理があるならば限度でいいのですから——その
あと
でこの
資料
をひとつ……。六カ月が四十七億、それから一年以上が四十一億、それから二年以上といいますか、復金を除いて、あるいは業種別になりますか、できれば
会社
の名前も知りたいのですけれども、あなたのほうの
関係
でどうなるかわかりませんけれども、その辺を勘案してひとつ
資料
を御提出願いたいと思います。 それから、引き続いて、貸し倒れ準備金の取りくずしというのは、最近おやりになっておりますか。もしおやりになっておったら、どの程度か。
平田敬一郎
153
○平田説明員 さっきの
資料
の、業種別の件数、
金額
は、別途に御提出申し上げてさしつかえないと思います。
会社
別のは、恐縮ですが、信用にも
関係
いたしますので、省略さしていただきたいと思います。 それから貸し倒れ準備金の取りくずしについては、毎年償却している額をまず貸し倒れ準備金から取りくずして、そうしてさらに新しく積み立てるということになっております。三十六年度は九千六百五十万円、三十七年度は六千二百五十万円ほど償却いたしておりまして、その分はその期にまず準備金から取りくずしまして、さらにその期に別に積み立てている、こういうことになっております。
勝澤芳雄
154
○勝
澤委員
貸し倒れ準備金の取りくずしのときには、相当こまかいきめがあるのですか。
平田敬一郎
155
○平田説明員 償却につきましては、各件ごとに詳細に調べまして、最終的には私が決裁いたしまして、それによって償却するわけでございます。その償却するときめた
金額
に相当する額を貸し倒れ準備金から取りくずす、こういう決算の性格になっております。
勝澤芳雄
156
○勝
澤委員
次に、輸銀の
関係
をちょっと聞きたいのですが、時間がありませんから、ウジミナスの現況とアラスカパルプの現況、それから北スマトラの石油の状態、簡単でいいですが——もしあれでしたら、
あと
でまた
資料
をいただきたいと思いますので、大まかな現況をひとつお知らせ願いたいと思います。
森永貞一郎
157
○森永説明員 詳細のことは、いずれ後日
資料
等で御報告申し上げるとして、簡単に申し上げます。 まずアラスカパルプでございますが、
昭和
三十二年に工事に着手いたしまして、三十四年に完成、三十五年の暮れには米国の社債
契約
上の竣工の認定も済みまして、その後操業そのものはきわめて順調に推移いたしております。その間設備の改修等もいたしまして、当初予定いたしました十二万トンの生産能力を十七万トンに拡充いたしまして、生産そのものは順調に進んでおります。ただし、若干問題がございますのは、
会社側
の発足いたしました当時予定いたしておりました化繊パルプの市価が、その後相当低落いたしておりました。もっとも昨年あたりから若干回復いたしつつございますが、その製品の市価低落というような問題、さらには設備
資金
に若干金がかかり過ぎております結果、資本の回転をもう少し高める必要があるんじゃないかというような点、 〔
委員長
退席、福井
委員長
代理着席〕 さらには、他人資本と自己資本の比率が、自己資本が少な過ぎるじゃないか、そういったような問題がございまして、
会社
の経理上、何らか体質改善、立て直しの対策を講ずる必要がある。現在そういった面で、
会社
当局者も鋭意努力をいたしておるのが現状でございます 次にウジミナスでございますが、三十四年に
会社
が発足いたしまして、直ちに建設に取りかかったわけでございます。当初予定は鋼材で五十万トンの生産。それにつきましては、第一期工事、第二期工事ということに分かれておりましたが、第一期工事のほうはほとんど完成いたしております。ごく一部のものにつきまして未完成の部分が残っておりましたが、それもおそらく昨年中、あるいは本年初頭には完成しておると思います。第二期工事は、本年の九月、十月ごろに完成するという予定でございます。これは実はもう少し早く完成する予定であったのでございますが、御
承知
のようにブラジルのたいへんなインフレーションで、現地における
資金
調達に困難をきわめました結果、工程が相当ずれております。その工程のずれ、インフレに伴う
資金
量の増大、それがこの
会社
の非常に大きな問題でございまして、将来にわたってそれらの不足
資金
を日伯間でどういうふうに分担するかということを、近々の間に両国間において相談をしなければならないという状態に立ち至っております。 第三点の北スマトラ石油でございますが、これは当初百八十八億円のクレジットを与えまして、五百六十万キロリットル余の石油を引き取る、その間クレジットの供与によりまして、油田の生産能力も近く二百五十万キロリットルまで持っていく、それが
計画
の大要でございまして、クレジット分が石油の現物を引き取るというようなことになっておるのでございますが、創立後四年立ちました今日で振り返ってみますと、生産
計画
のほうが必ずしも予定
計画
どおりにいっていないというのが現状でございます。したがいまして、クレジットのほうの供与も少しずれております。ただし与えましたクレジットの返済につきましては、何ら不安のないような状態で推移いたしておりますが、今後予定の
計画
を達成するためには、もう少し現地側と十分な連絡をとりまして、当初予定の生産
計画
を近く二百五十万キロリットルでございますか、ぜひ達成するようにということで努力を重ねておる、それが現状でございます。
勝澤芳雄
158
○勝
澤委員
その中で、ミナス製鉄所のことで、ブラジルのインフレの
関係
で、また日本側としても相当大きな
資金
を入れなければならぬということで、片方の業界筋の足並み、出資
会社
の中で足並みがそろっていないというような話を聞いているのですが、その辺はどうなんでしょうか。
森永貞一郎
159
○森永説明員 ウジミナスの不足
資金
の額が実はまだ両国間においてはっきり査定ができていなかったのでございます。一昨昨年でございますか、総
予算
の八百二億クルゼイロ、それについては一応両者の分担ができまして、その
計画
に基づく今後の不足
資金
をどう分担するかというのを昨年相談をするというので、当方からブラジルに代表団が参りましたのでございますが、先方ではさらにその後のインフレによりまして、不足
資金
が増大をするというようなことで、それじゃそのもとがぐらつくのではなかなか話にならぬ、その辺をひとつ固めようじゃないかということで、その結果第九号
予算
というのをこのほど当方に送ってまいりました。その
予算
によりますと、非常に膨大なる今後の不足になるわけでございまして、それを日伯間ではたしてどういうふうに分担するか、これは非常に大問題でございます。その前提として、不足
資金
がよってきたるところのゆえんのものを目下日本ウジミナス
会社
のほうにおきまして
検討
しておるのが現在でございます。
検討
ができましたところで、ブラジルから代表者が参り、日本側の当事者が加わりまして、まず株主間で話し合いができませんければ、おそらく
政府
間の話し合いということになろうかと存じますが、
政府
間において相談の上対処したい、そういう段取りでございます。
片島港
160
○片島
委員
関連して。輸銀のほうに
関係
があるかどうかよくわかりませんが、
関係
がなかったらよろしいのですが、私昨年中南米を回りまして、ボリビア、あるいはホンジュラス、そういうところに日本の商社から大きな電話局の建設なんかに行っておる、それからコロンビアでありましたかにはマイクロウエーブの建設
計画
が進められておったようでございます。特に中南米あるいは東南アジアにも進出しておったと思いますけれども、そういったような事柄があなたのほうに
関係
がございますか。もしありましたなら、どういう規模でどの程度進出をしておるか、そういう
資料
があればいただきたいわけです。
森永貞一郎
161
○森永説明員 ただいまお示しのございましたのは、現在現地において日本側の商社なりメーカーなりが延べ払い輸出の売り込みをいたしておる、おそらくその商談のことだと存じますが、私どものところに参っているものもございますし、またこれから参るものもあろうかと存じます。その、現在商談中のものにつきましては的確な統計はございませんですが、いままでに私どもが入手をいたしました数字が手元にございますので、もしその数字でよろしければ申し上げたいと思います。
片島港
162
○片島
委員
それは何か書いたもので……。
森永貞一郎
163
○森永説明員 それでは、この点もいずれ
資料
で差し上げます。
勝澤芳雄
164
○勝
澤委員
それでは、ウジミナスとアラスカパルプと北スマトラというのは、一つ一つ聞いても長い時間がかかりますので、この発生から、現状から、今後の見通し、こういうような点、それからいままで輸銀として入れた金、こういう状態についての
資料
をひとつお出し願いたいと思います。 そこでもう一つの質問は、これは会計検査院のほうにお聞きしたいのですが、輸銀の
貸し付け
の回収
状況
はどうなんでございましょう。
白木康進
165
○白木会計検査院説明員 お答え申します。いまちょっとこまかい
資料
はございませんけれども、元金の延滞は三十七年度末ではございません。利払いの
関係
で、先ほどお話がありましたような
関係
のもので若干ございますけれども、ちょっといまここに詳細な
資料
を持っておりません。
勝澤芳雄
166
○勝
澤委員
そうしますと、いまのお話は、三十七年度末の
貸し付け
金の回収さるべきもので回収されていないものというものは、現在はない、こういうことですか。
白木康進
167
○白木会計検査院説明員 元金の延滞はございません。
山田長司
168
○山田(長)
委員
これは輸出入銀行の管轄になるのか、あるいは開発銀行の管轄になるのかわからないのですが、南方における油田開発の
関係
はどこに属しておりますか。
森永貞一郎
169
○森永説明員 海外における
事業
資金
というようなことになりまして、現在私どもで融資をいたしておりますのが、ただいまお話のございました北スマトラ石油でございます。この
会社
には海外経済協力基金から出資もいたしておりますが、私どものほうから開発に必要な資材の延べ払い金融、クレジットですか、それをこの
会社
を通じて先方に与えているということでございます。
山田長司
170
○山田(長)
委員
実は、いまになりますと三年前でありますが、東南アジアを旅行しているとき、ジャカルタの日本大使館でこのことの
状況
を伺ったのです。
最初
は進行
状況
はよかったけれども、実際は暑さのためにあまり思ったような進行状態がないのではないかという大使館からの報告を受けたんですけれども、これについての何か現地からの報告があるのかないのか。それからこれは例がないことだと思うのですが、会計検査院ではかなり各地に日本のこうした
賠償
物資、あるいは
賠償
によるダムをこしらえたり、物をやったり、こういう場合におけるところの検査というものは、外地であるから会計検査に行けないだろうと思うのですが、いままで行ってそういうものを調べた例があるのかないのか、ちょっと会計検査院にお伺いしたい。
白木康進
171
○白木会計検査院説明員 私の所管しております公社それから出資団体の
関係
ではございませんが、ただいままで
賠償
物資の現地の実情について実地の検査をした事列はございません。
森永貞一郎
172
○森永説明員 北スマトラ石油がクレジットを供与して資材を
提供
しておりますインドネシアのペルミナという
会社
でございますが、
事業
内容
として、新しく井戸を掘る分と既存の古い井戸を改修する分あるいは既存の井戸から採油する分、この三つに分かれているわけでございます。新しく井戸を掘る分の達成率が予定どうりいってない、あるいは改修分がおくれておるというのが、ただいまお話のございましたように現地において耳に入ったことだろうと思います。この事実はそのとおりでございますが、ただ一面におきまして、一つ一つの井戸の採油能力が当初考えておりましたよりも相当大きかったということがございまして、現在のところ、達観して申しますと、
計画
の達成率は六割か七割くらいまでにはなっておるというふうに考えられると思います。
山田長司
173
○山田(長)
委員
会計検査院の仕事に属するのか属しないのか、私ちょっと疑問に思うのでありますが、実は東南アジアに三輪自動車が物資としてビルマ、タイにいっております。それで、これは通産省の人たちに実は出てきてもらいまして、おそらくこの
委員
会で私は聞いたと思うのでありますが、調査は、重工業局の中の
機械
課で顕微鏡とか写真機というふうなものはするけれども、自動車は各
会社
ごとの検査であって、全然検査は通産省でやってないという答弁を通産省の方から受けたわけです。そうなると、これは東南アジアの状態というのは、御
承知
のように、暑さと、それから日本のように二十メートル、三十メートル行ってゴーストップになるというのじゃない、かなりの距離があるということと、それからもう一つは、エンジンが日本のような状態であれば、長い距離を走るために向こうでは持たないわけです。道ばたにかなりきれいな車が捨ててあるので、どうしたのかと調べてみたら、エンジンが焼けてしまって使いものにならないという話だった。私は、一体これは品物をやってしまいさえすればそれでいいのか、日本の商品の信用上からいっても、この検査は通産省がやらないということであれば、メーカーだけの検査というのでは、まことに不審を持ったのです。それでたまたまきょうは会計検査院当局に伺うわけですが、こういう経理上の問題とか、あるいはいまのスマトラ油田などの進行状態というようなものとか、外地における検査というものは、会計検査院は全然タッチしないのですか。国費が費やされております以上、当然何か機会をつくって会計検査院当局がやらなくちゃならぬ性質のものだと思うのですが、どうですか。
白木康進
174
○白木会計検査院説明員 私の答弁といたしまして、外地のそういった、先生いま御指摘のような
関係
の検査をやるかやらぬかという基本的な点はちょっとお答えいたしかねますけれども、従来までに若干外地の検査をいたしました実績はございます。食糧庁の食糧、これは外国米でありますが、外国米の輸入の実情の調査、それから在外公館の経理の検査、それから最近におきましては、現在海外移住
事業
団になりましたが、日本海外移住株式
会社
あるいは外務省の補助団体でありますところの海外協会連合会、こういったものの南米におきますところの現地の事情について、実地検査をいたしております。現在まで外地の実地検査をいたしましたのはその程度でございます。
福井勇
175
○福井
委員長
代理 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十六分散会