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1964-01-29 第46回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年一月二十九日(水曜日)    午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 白浜 仁吉君    理事 押谷 富三君 理事 菊池 義郎君    理事 鈴木 善幸君 理事 福井  勇君    理事 勝澤 芳雄君 理事 片島  港君    理事 山田 長司君       伊東 正義君    鍛冶 良作君       竹山祐太郎君    水田三喜男君       湊  徹郎君    山本 幸雄君       栗原 俊夫君    田中織之進君       田原 春次君    森本  靖君       山本 幸一君    吉田 賢一君  出席政府委員         大蔵政務次官  纐纈 彌三君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     御代田市郎君         大蔵事務官         (主計局次長) 澄田  智君         大蔵事務官         (管財局長)  江守堅太郎君  委員外出席者         会計検査院長  芥川  治君         会計検査院事務         官         (第一局長)  保川  遜君         会計検査院事務         官         (第五局長)  白木 康進君         日本専売公社総         裁       阪田 泰二君         国民金融公庫総         裁       石田  正君         日本開発銀行総         裁       平田敬一郎君         日本輸出入銀行         総裁      森永貞一郎君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 昭和三十八年十二月二十四日  昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十七年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十七年度特別会計予算総則第十一条に基  づく使用調書  昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条に基  づく使用調書(その2)  昭和三十七年度特別会計予算総則第十三条に基  づく使用調書             (承諾を求めるの件)  昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十七年度政府関係機関決算書  昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書 昭和三十九年一月二十八日  昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十七年度特別会計予備費使用調書(そ  の2)  昭和三十七年度特別会計予算総則第十一条に基  づく使用調書  昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条に基  づく使用調書(その2)  昭和三十七年度特別会計予算総則第十三条に基  づく使用調書             (承諾を求めるの件)  昭和三十六年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十六年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十六年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十六年度政府関係機関決算書  昭和三十六年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十六年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十六年度物品増減及び現在額総計算書  昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十七年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十七年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十七年度政府関係機関決算書  昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書  (大蔵省所管大蔵省関係政府関係  機関関係)     ————◇—————
  2. 白浜仁吉

    白浜委員長 これより会議を開きます。  去る十二月二十四日、承認案件として本委員会に付託になりました昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十七年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十七年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用調書昭和三十七年度特別会計予算総則第十二条に基づく使用調書(その2)、昭和三十七年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書、以上五件を一括して議題といたします。  各件について大蔵政務次官より説明を求めます。纐纈政務次官
  3. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいま議題となりました昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十七年度一般会計予備費予算額は二百億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十七年五月二十二日から同年十二月二十五日までの間において使用を決定いたしました百三十億三千四百万円余につきましては、第四十三回国会において、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十八年一月二十五日から同年三月二十六日までの間におきまして六十九億四千七万円余につき使用決定いたしました。  そのおもな事項は、農業施設災害復旧事業等に必要な経費干害対策に必要な経費河川等災害復旧事業等に必要な経費及び退官退職手当不足を補うために必要な経費等であります。  次に、昭和三十七年度特別会計予備費予算総額は一千七百六十六億七千四百万円余でありまして、このうち、昭和三十七年六月七日から同年十二月七日までの間において使用を決定いたしました三百二十八億一千九百万円余につきましては、第四十三回国会において、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十八年一月二十四日から同年三月二十六日までの間におきまして二百六億六千七百万円余の使用を決定いたしました。  そのおもな事項は、厚生保険特別会計健康勘定における健康保険給付費不足を補うために必要な経費食糧管理特別会計輸入食糧管理勘定における輸入食糧買い入れ増加に伴い必要な経費国有林野事業特別会計国有林野事業勘定における仲裁裁定実施に伴う職員俸給等に必要な経費郵便貯金特別会計における仲裁裁定実施等に伴う郵政事業特別会計繰り入れに必要な経費及び失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費等であります。  次に昭和三十七年度特別会計予算総則第十一条、第十二条及び第十三条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて、予算を超過して支出いたしましたのは、第四十三回国会においてすでに御承諾を得ましたものを除き、資金運用部厚生保険国立病院郵政事業及び郵便貯金の五特別会計でありまして、その内訳は、資金運用部特別会計において支出いたしました預託金利子支払いに必要な経費三十八億一千万円余、厚生保険特別会計健康勘定において支出いたしました健康保険給付費不足を補うために必要な経費九十六億六千万円余、国立病院特別会計において支出いたしました患者医療費増加に必要な経費八億八千万円余、郵政事業特別会計において支出いたしました業績賞与支給に必要な経費三十四億六千七百万円余、及び業務量増加等に必要な経費四十三億九千万円余、郵便貯金特別会計において支出いたしました業績賞与支給に伴い必要な経費五億一千百万円余であります。  以上が昭和三十七年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件の概要であります。何とぞ御審議の上御承諾くださいますようお願い申し上げます。
  4. 白浜仁吉

    白浜委員長 ただいまの予備費各件に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  5. 白浜仁吉

  6. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 昭和三十七年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書会計検査院検査報告とともに本国会に提出し、また、昭和三十七年度末における国の債権の現在額について本国会報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十七年度予算は、昭和三十七年三月三十一日に成立いたしました本予算昭和三十七年十二月二十三日及び昭和三十八年二月十五日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。  昭和三十七年度予算は、国際収支の均衡をすみやかに回復することを主眼とし、健全財政を堅持し、経済情勢推移に即応して、その弾力的運用に配意しつつ、長期にわたる国力発展の基盤を充実するため、引き続き既定の重要施策を重点的に実施し、新規の施策は特に緊要なものに限定することを基本としたものであります。  この基本方針に基づき、一般会計予算は、租税収入その他の普通歳入の範囲内において、−中小所得者租税負担の軽減をはかるとともに、経費重点的配分効率的使用につとめ、公共投資社会保障及び文教等重要施策を推進することとして、編成されたものであります。  なお、本予算成立政府職員給与改善に必要な経費災害復旧事業に必要な経費産業投資特別会計資金繰り入れに必要な経費及び地方交付税交付金財源繰り入れに必要な経費等について、予算補正を行なったのであります。  昭和三十七年度におけるわが国の経済は、昭和三十六年九月以降とられた引き締め措置が順調に浸透し、民間在庫投資減少に続いて民間設備投資もようやく鎮静に向かい、生産面では資本財生産財の需要の減少から鉱工業生産は、昭和三十七年度に入ってから弱含み横ばいに転じ、また、卸売り物価も総体的に緩慢な下落を続けたのであります。  このような経済動向を反映して、国際収支面では輸入のいちじるしい減少と輸出の順調な増加が見られ、国際収支改善という目的は、目標より早く上期中に達成されるに至ったのであります。  このような情勢の変化に応じて、昭和三十七年十月から十一月にかけて引き締め措置は解除されるに至ったのでありますが、引き締め解除後は、鉱工業生産及び卸売り物価はゆるやかな回復に転ずるなど、総じて経済回復の途についたのであります。  以上のような経済推移の結果、昭和三十七年度の国民総生産は十九兆三千百五十二億円に達し、前年度に対し八・九%、実質五・九%の拡大となり、鉱工業生産においても同じく四・四%の増加を示す一方、国際収支も三億ドルの黒字になり外貨準備高も十八億六千三百万ドルに達するに至ったのであります。  以下決算内容を数字をあげて御説明申し上げます。  まず、一般会計におきましては、歳入決算額は二兆九千四百七十六億円余、歳出決算額は二兆五千五百六十六億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと、三千九百十億円余の剰余を生ずる計算であります。  この剰余金から昭和三十八年度に繰り越しました歳出財源に充てなければならない金額五百二十二億円余及び前年度までの剰余金使用残額二千六百二十六億円余を差し引きますと、七百六十億円余が、昭和三十七年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。  なお、右の剰余金三千九百十億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち、昭和三十八年度歳入繰り入れ済みであります。しかして、そのうち、昭和三十七年度に新たに生じました純剰余金七百六十億円余から地方交付税及び道路整備事業費財源に充てられることとなる額三十六億円余を控除した残額七百二十四億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条の規定によりまして、公債または借り入れ金償還財源に充てられるものであります。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入につきましては予算額二兆五千六百三十億円余に比べて三千八百四十五億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十六年度剰余金受け入れが、予算額に比べて三千二百七十三億円余を増加しておりますので、これを差し引きますと、昭和三十七年度歳入増加額は五百七十一億円余となるのであります。そのおもな内訳租税及印紙収入における増加額百七十五億円余、専売納付金における増加額四十四億円余、官業益金及官業収入における増加額一億円余、政府資産整理収入における増加額三十八億円余、雑収入における増加額三百十一億円余となっております。  一方、歳出につきましては、予算額二兆五千六百三十億円余に昭和三十六年度からの繰り越し額六百四十六億円余を加えました予算現額二兆六千二百七十七億円余から支出済み額二兆五千五百六十六億円余を差し引きますと、その差額は七百十一億円余でありまして、そのうち、翌年度に繰り越しました額は、前述のとおり五百二十二億円余、不用額は百八十八億円余となっております。  なお、翌年度への繰り越し額内訳を申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ、国会の議決を経、これに基づいて翌年度へ繰り越しましたものは四百九十五億円余、財政法第四十二条ただし書きの規定により避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しましたものは二十億円余、財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費年割り額を繰り越しましたものは六億円余、であります。  次に、不用額のおもなものは、食糧庁国産大豆等保護対策費につきまして、昭和三十六年産大豆交付金交付基準となる標準販売価格決定遅延等のため大豆及なたね生産者団体等交付金を要することが少なかったこと等のため不用となったもの二十一億円余、厚生本省国民年金国庫負担金につきまして、国民年金の被保険者が少なく保険料収入予定を下回ったので、国民年金特別会計繰り入れを要することが少なかったため不用となったもの十九億円余、大蔵本省国庫受け入れ預託金利子につきまして、日本国有鉄道及び日本電信電話公社預託金利子支払い予定まで要しなかったこと等のため不用となったもの十二億円余、大蔵本省国債費につきまして、大蔵省証券を発行しなかったこと及び国債利子支払い予定より少なかったこと等のため国債整理基金特別会計繰り入れを要することが少なかったため不用となったもの十二億円余、食糧庁農産物等価格安定費につきまして、カンショでん粉及びバレイショでん粉売却価格の上昇、輸入飼料経費減少等により農産物等安定勘定損失が少なかったので食糧管理特別会計繰り入れを要することが少なかったため不用となったもの十億円であります。  次に、予備費でありますが、昭和三十七年度一般会計における予備費予算額は二百億円であります。その使用総額は百九十九億円余でありまして、そのうち、昭和三十七年十二月までの使用額百三十億円余につきましては、すでに第四十三回国会におきまして、御承諾をいただいております。  また、昭和三十八年一月から同年三月までの使用額六十九億円余は、本国会に別途提出いたしまする予備費使用承諾案について、御審議をいただきまするので、その費途及び金額につきましては、その御審議をいただきます際、御説明申し上げますのでここでは、説明を省略させていただきます。  次に、一般会計国庫債務負担行為について申し上げます。  財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為権能額は六百五十六億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は六百十九億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額千百二十一億円余を加え、昭和三十七年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額五百九十四億円余を差し引きました金額千百四十六億円余が、翌年度以降に繰り越されたことに相なります。  次に、昭和三十七年度特別会計決算でありますが、これにつきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと思います。  なお、同年度における特別会計の数は、四十一でありまして、これら特別会計歳入決算総額は四兆七千九百八十四億円余歳出決算総額は四兆二千八百三十六億円余であります。  次に、昭和三十七年度における国税収納金整理資金受入れ及び支払いでありまするが、この資金への収納済み額は二兆二千二百一億円余でありまして、この資金からの支払い命令済み額及び歳入への組み入れ額は二兆二千百四十六億円余でありますので五十四億円余が、昭和三十七年度末の資金残額となるのであります。これは、主として国税にかかる還付金支払い決定済み支払い命令未済のものであります。  次に、昭和三十七年度政府関係機関決算でありますが、日本専売公社日本国有鉄道及び日本電信電話公社決算内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。  また、その他の政府関係機関決算内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。  つぎに、国の債権の現在額についてでありますが、昭和三十七年度末における国の債権総額は三兆五千六十六億円余でありまして、その内訳の詳細につきましては、昭和三十七年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。  以上、昭和三十七年度一般会計特別会計国税収納金整理資金及び政府関係機関決算等につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。  なお、昭和三十七年度予算の執行につきましては、予算の効率的な使用経理の適正な運営に極力意を用いてまいったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては、六百五十一件にのぼる御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。  これにつきましては、今後一そう経理改善に努力を傾注いたしたいと思っております。何とぞ御審議のほどお願いいたします。
  7. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に、会計検査院当局より、各件の調査報告に関する概要説明を求めます。
  8. 芥川治

    芥川会計検査院長 昭和三十七年度歳入歳出決算は、三十八年十月二十五日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和三十七年度決算検査報告とともに三十八年十二月四日内閣に回付いたしました。  昭和三十七年度一般会計決算額は、歳入二兆九千四百七十六億余円、歳出二兆五千五百六十六億余円、各特別会計決算額合計は、歳入四兆七千九百八十四億余円、歳出四兆二千八百三十六億余円でありまして、一般会計及び各特別会計決算額総計いたしますと、歳入七兆七千四百六十億余円、歳出六兆八千四百二億余円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入四兆六千八百六十二億円、歳出四兆三千七百九億円となり、前年度に比べますと、歳入において三千七百九十五億円、歳出において六千三百五十九億円の増加となっております。  なお、国税収納金整理資金受け払い額は、収納済み額二兆二千二百一億余円、支払い命令済み額歳入組み入れ額の合計二兆二千百四十六億余円であります。  政府関係機関昭和三十七年度決算額総計は、収入二兆三千六百九十二億余円、支出二兆千七百四十七億余円でありまして、前年度に比べますと、収入において三千二百五億余円、支出において三千二百七十五億余円の増加となっております。  ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関会計決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計二百六十二億五千五百万余円でありまして、そのおもなものは、総理府航空機購入費の項で百七十三億七千百万余円、防衛本庁の項で四十四億千五百万余円、昭和三十五年度甲型警備艦建造費の項で十六億八千五百万余円などであります。  会計検査の結果、経理上不当と認めた事項として、検査報告に掲記しました件数合計六百五十一件にのぼっております。  三十七年度不当事項件数が、三十六年度の五百七十九件に比べて増加いたしましたのは、主として租税及び補助金において増加したためであります。  いま、この六百五十一件について、不当経理態様別金額を概計いたしますと、租税収入徴収決定が漏れていたり、その決定額正当額をこえていたものが、四億二千百万円、工事費物品購入代金積算にあたり処置適切を欠いたため契約額が高価に過ぎたり、または物件売り渡し代金等が低額に過ぎたと認めたものが五千四百万円、右のほか、工事施行物件購入などにあたり計画等適切を欠いたため経費使用が不経済となっていると認めたものが四千二百万円、工事施行または物品購入にあたり検収処置適切でなかったなどのため支払いが過大となっているものが千五百万円、保険金支払い適切を欠いたり、保険料等徴収額不足したりなどしているものが三億千六百万円、補助金交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものが二億六千三百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果補助金減額を要するものが十億六百万円、職員不正行為により国または政府関係機関に損害を与えたものが千五百万円、用地買収または損失補償にあたり処置当を得ないと認めたものが三億千五百万円、その他が四千万円、総額二十四億九千百万円にのぼっておりまして、三十六年度の十八億八千五百万円に比べますと約六億六百万円の増加となっておりますが、これは主として災害復旧事業に対する早期検査の結果補助金減額を要するものにおいて一億九千百万円、保険金支払い適切を欠いたり、保険料等徴収額不足したりなどしているものにおいて、一億三千九百万円がそれぞれ増加したことと、用地買収または損失補償にあたり処置当を得ないと認めたものが三億千五百万円あったこととによるものであります。  検査の結果につきましては、租税工事物件、役務、保険補助金不正行為などの各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要するものとして、工事物件保険及び補助金に関してその概要説明いたします。  まず、工事及び物件について説明いたします。  工事施行並びに物件調達管理及び処分において不経済な結果となったと認められるなどの事例については、毎年指摘してきたところでありますが、三十七年度におきましても、なお、総理府農林省、建設省、日本国有鉄道などにおいて見受けられております。  工事施行につきましては、工事計画などが実情に沿わないため不経済となっているもの、工事費積算適切を欠いたためひいて契約額が高価となったと認められるもの、工事出来形が設計と相違しているのにそのまま竣工検査を了しているものがあります。物件調達管理及び処分につきましては、契約にあたって必要量仕様等に十分な検討を加えなかったため不経済な結果を来たしているもの、予定価格積算適切を欠いたためひいて契約額が高価となったと認められるもの、国有財産管理が当を得なかったため土地を無断で使用されているもの、土地貸し付け料が時価に比べて低廉となっているものなど適切を欠く事例が見受けられます。  次に保険について説明いたします。  国が、特別会計を設けて経営する各保険事業における保険事業運営保険金支払いまたは保険料などの徴収につきましては、従来、厚生省、農林省、労働省の所管するものにつき、適正を欠いていると認められる事例を多数指摘して注意を促してきたところでありますが、三十七年度においても、依然として、健康保険厚生年金保険船員保険または労働者災害補償保険保険料などの徴収不足を来たしているものや、健康保険失業保険などの保険金または漁船再保険の再保険金給付適切でないものや、農業共済保険において農業共済組合共済金経理に適正を欠いたものが見受けられるのであります。  次に補助金について説明いたします。  補助金につきましては、その経理が当を得ないものを毎年多数指摘して注意を促してきたところでありますが、三十七年度においても、なお、多数の不当な事例が見受けられるのであります。  まず、農林、運輸、建設各省の公共事業関係のものにつきましては、補助の対象となる工事の監督及び検査が十分でなかったため、その施行が不良となり工事の効果を著しく減殺していたり、設計に対して工事の出来高が不足したりしているものなどが依然として多数にのぼっているのであります。  また、災害復旧事業の事業費査定の状況につきまして、工事の完成前に早期に検査を行ないましたところ、採択された工事のうちには、関係各省間で重複して査定しているもの、災害に便乗して改良工事施行しようとしているもの、現地の確認が十分でなかったため設計が過大となっているもの、計算を誤ったため工事費積算が過大となっているものなどが多数見受けられましたので、これを指摘して工事費減額させることといたしました。  次に、その他の補助金につきましても、厚生省の簡易水道事業関係、農林省の農山漁村建設総合対策事業関係、労働省の失業対策事業関係などにおきまして、精算額を過大に報告して補助金の交付を受けているもの、補助の対象として不適当なものに補助金を交付しているもの、補助の目的を達していないものなどの不当な事例が見受けられております。  最後に、是正改善の処置を要求し、または改善の意見を表示した事項について説明いたします。  ただいままでに申し上げました不当事項のほか、三十七年十二月から三十八年十一月までの間に、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定に基づき主務大臣等の責任者に対して是正改善の処置を要求し、または法令、制度もしくは行政に関して改善の意見を表示したものは十一件であります。  これらの内訳は、国の機関につきましては、陸上、海上、航空各自衛隊間における共通器材の融通及び調達の調整に関するもの、刑務作業における契約賃金等の決定に関するもの、海外移住者受け入れ事業の補助金経理に関するもの、都道府県の事務費に対する補助金経理に関するもの、消費者米価の値上げに伴う販売業者の差益に関するもの、国有林野事業特別会計に所属する国有財産管理に関するもの並びに道路整備、治水両特別会計経理及び直轄公共事業に対する都道府県等の負担金に関するものの七件でありまして、政府関係機関その他の団体につきましては、日本国有鉄道購入資材の規格に関するもの及び連絡運輸に伴う貨車使用料に関するもの、日本道路公団の道路建設工事予定価格積算に関するもの並びに雇用促進事業団の会計経理事務の執行に関するものの四件であります。  以上をもって概要説明を終わります。会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに関係各省各庁などに対し是正改善の努力を求めてまいりましたが、なお、このように不当な事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
  9. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 引き続いて昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況計算書説明をいたさせていただきます。  ただいま議題となりました昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況計算書について、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書概要について申し上げます。  昭和三十七年度中に増加しました国有財産は、行政財産三千二百九十二億円余、普通財産千四百三十八億円余、総額四千七百三十一億円余であります。また本年度中に減少しました国有財産は、行政財産二千一億円余、普通財産五百億円余、総額二千五百二億円余でありまして、差し引き総額において二千二百二十九億円余の増加となっております。これを前年度末現在額三兆千九百六十三億円余に加算いたしますると、三兆四千百九十三億円余となり、これが昭和三十七年度末現在における国有財産総額であります。  この総額内訳を分類別及び種類別に申し上げますると、行政財産においては公用財産九千七百七十九億円余、公共用財産二百三十二億円余、皇室用財産二百五十四億円余、企業用財産八千五百六十六億円余、合計一兆八千八百三十三億円余となっており、普通財産においては一兆五千三百六十億円余となっております。なお、この普通財産のうち一兆二千三百十六億円余は政府出資等となっております。  また、国有財産総額内訳を区分別に申し上げますると、土地七千二百十四億円余、立木竹五千九百九十一億円余、建物三千九百四十六億円余、工作物二千四百九十三億円余、機械器具十七億円余、船舶千二十一億円余、航空機千百八十三億円余、地上権等三億円余、特許権等三億円余、政府出資等一兆二千三百十六億円余、合計三兆四千百九十三億円余となっております。  次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。  まず、昭和三十七年度中における増加額を申し上げますると、前述のとおりその総額は四千七百三十一億円余でありまするが、この内訳は、第一に、本年度中に国と国以外の者との間の異動によって増加した財産は二千五百十七億円余でありまして、このうち購入、新営工事、出資等歳出を伴うものは二千二百七十七億円余、寄付、交換、現物出資等歳出を伴わないものは二百三十九億円余となっております。  第二に、国の内部における異動によって増加した財産は二千二百十三億円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局の間における財産の移管等調整上の増加は二千三億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の増加は二百九億円余となっております。  次に、減少順について申し上げますると、その総額は二千五百二億円余でありますが、この内訳は第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少した財産は三百三十六億円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは百八十九億円余、交換、譲与等歳入を伴わないものは百四十六億円余となっております。  第二に、国の内部における異動によって減少した財産は二千百六十五億円余でありまして、このうち各省各庁または各省各庁の部局の間における財産の移管等調整上の減少は二千五十六億円余、土地の実測、立木竹の実査等整理上の減少は百八億円余となっております。  以上が昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書概要であります。  次に、昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書概要について、申し上げます。  国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条及び第二十六条の規定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は四十四億円余であります。また減少した総額は七億円余でありますので、差し引き三十七億円余の純増加となっております。これを前年度末現在額百九十一億円余に加算しますと、二百二十八億円余となり、これが昭和三十七年度末現在において無償貸し付けをしている国有財産総額であります。  この増減のおもなるものを申し上げますると、増加したものは公園の用に供するもの三十五億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの八億円余等であります。  次に減少したものは、公園の用に供するもの三億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの三億円余等であります。  以上が昭和三十七年度国有財産無償貸付状況計算書概要であります。  なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありまするので、それによって細部を御了承願いたいと思います。何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。  続いて昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書概要を御説明申し上げます。  ただいま議題となりました昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書概要を御説明申し上げます。  昭和三十七年度中における物品増加額は九百五十九億円余、物品減少額は六百億円余でありまして、差し引き三百五十九億円余の増加となっております。また、右のほか本年度における物品の価格改定による増加額は五億円余でありますので、これらを前年度末現在額二千五百十七億円余に加算いたしますと二千八百八十二億円余となり、これが昭和三十七年度末現在における物品総額であります。  この総額内訳をおもな品目別に申し上げますると、防衛用車両四百九十八億円余、試験及び測定機器三百九十三億円余、車両及び軌条三百十六億円余、土木機器三百十一億円余となっております。  次に、物品の増減の内容について、その概略を申し上げます。  まず、昭和三十七年度中における増加額について、その内訳のおもなものを申し上げますると、土木機器において百七十億円余、車両及び軌条において百十一億円余、試験及び測定機器において九十四億円余、雑機器において八十六億円余であります。  次に、減少額について、その内訳のおもなるものを申し上げますると、土木機器において百七十二億円余、車両及び軌条において八十九億円余であります。  また、物品の価格改定による増加額のおもなるものは、産業機器、試験及び測定機器であります。  以上が昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書概要であります。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  10. 白浜仁吉

  11. 芥川治

    芥川会計検査院長 昭和三十七年度国有財産検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和三十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況計算書は、三十八年十月三十一日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。  三十六年度末の国有財産現在額は三兆千九百六十三億九千四百万余円でありましたが、三十七年度中の増が四千七百三十一億千万余円、同年度中の減が二千五百二億余円ありましたので、差し引き三十七年度末の現在額は三兆四千百九十三億四百万余円となり、前年度末に比べますと二千二百二十九億千月余円の増加となっております。  次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、三十六年度末には百九十一億三百万余円でありましたが、三十七年度中の増が四十四億五千三百万余円、同年度中の減が七億千三百万余田ありましたので、差し引き三十七億三千九百万余円の増加を見まして、同年度末の無償貸付財産の総額は二百二十八億四千三百万余円となっております。  国有財産管理及び処分について不当と認めましたものは、国有財産の取得に関するもの一件、同じく維持及び運用に関するもの六件、同じく処分に関するもの二件、計九件であり、また、国有財産管理について、会計検査院法第三十六条の規定に基づき改善の意見を表示しましたものは一件でありまして、これらはいずれも昭和三十七年度決算検査報告に掲記しております。  次に、昭和三十七年度物品検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和三十七年度物品増減及び現在額総計算書は、三十八年十月二十五日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。  右物品増減及び現在額総計算書における三十七年度中の物品の増減等を見ますと、三十六年度末現在額は二千五百十七億三千九百万余円でありましたが、三十七年度中の増が九百五十九億九千二百万余円、同年度中の減が六百億四千四百万余円あり、また、同年度中の価格改定による差し引き増が五億四千七百万余円ありましたので、差し引き三十七年度末現在額は二千八百八十二億三千五百万余円となり、前年度末に比べますと三百六十四億九千六百万余円の増加となっております。  なお、物品増減及び現在額総計算書に掲げられております物品管理について不当と認め、昭和三十七年度決算検査報告に掲記した事項はありません。
  12. 白浜仁吉

    白浜委員長 これにて昭和三十七年度決算外三件に関する概要説明の聴取は終わりました。  ただいまの決算外三件に対する質疑は後日に譲ります。      ————◇—————
  13. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に、昭和三十六年度決算外三件及び昭和三十七年度決算外三件を一括議題とし、本日は大蔵省所管決算及び大蔵省関係政府関係機関決算について審査を行ないます。  まず、纐纈大蔵政務次官より、大蔵省所管決算及び大蔵省関係政府関係機関決算概要について説明を求めます。纐纈政務次官
  14. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 昭和三十六年度及び昭和三十七年度大蔵省所管決算及び大蔵省関係政府関係機関決算概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知おきいただきたいと思います。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  15. 白浜仁吉

    白浜委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十六年度及び昭和三十七年度大蔵省所管決算及び大蔵省関係政府関係機関決算説明書は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  続いて、会計検査院当局より各決算検査概要について説明を求めます。保川会計検査院第一局長
  16. 保川遜

    ○保川会計検査院説明員 大蔵省所管決算昭和三十六、三十七両年度決算検査の結果の概要を申し上げます。  昭和三十六年度は、検査報告に掲記してございますのは、租税徴収不足を来たしました事項国有財産に関する事項と二件掲記いたしております。  租税徴収に過不足を来たしたものとして指摘されました事項総計八百三十三事項、三億四千八百余万円でございます。前年度に比べまして、事項数、金額ともふえておりますが、おもな事由は、近時譲渡所得等の課税事案か非常に増加いたしまして、各税務署当局におかれましてもこの事務処理がふくそういたしております。そういう関係で、適正を欠いたものがふえたものと考えております。  国有財産に関する事項は、土地売り渡しの価格が低価となったもの一件、国有財産管理が適当でなかったために工作物を無断で搬出処分されたもの一件、計二件を掲記いたしております。  次に昭和三十七年度検査の結果の概要を申し上げます。  前年度と同じく租税徴収不足を来たしたものとして指摘いたしたものと国有財産に関する事項と二件掲記いたしております。  租税徴収に過不足を来たしたものとして指摘いたしました事項合計九百六十四事項金額四億二千百余万円であります。前年度に比べやはり増加しておりますが、その増加の原因は、先ほど申し上げました事由とほぼ同じと考えられる次第でございます。  なお国有財産に関する事項は、いずれも土地の売り渡し代金が低価となっておるもの二件を掲記いたしております。  以上でございます。
  17. 白浜仁吉

  18. 白木康進

    ○白木会計検査院説明員 昭和三十六年度及び三十七年度大蔵省所管政府関係機関のうち、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行及び日本専売公社の各決算について、簡単に概要を申し上げます。  国民金融公庫につきましては、検査の結果、不当と認め、検査報告に掲記した事項はございません。開発銀行及び輸出入銀行につきましても不当と認めた事項はございません。また日本専売公社につきましても、両年度とも検査の結果、不当と認めた事項はございません。なお検査報告にはそれぞれの所管につきまして決算概要を記述しておりますけれども、特に説明を申し上げる事項はございません。
  19. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 本日御説明になった政府並びに政府関係機関の各決算につきまして、資料要求を後日いたしたいと思いますので御了承願います。文書をもって出します。
  20. 白浜仁吉

    白浜委員長 それでは、吉田委員からの文書が出ましたらこちらで取り計らいますので、御了承願いたいと思います。      ————◇—————
  21. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に、政府関係機関当局から、資金計画、事業計画等について順次その説明を求めます。石田国民金融公庫総裁。
  22. 石田正

    ○石田説明員 国民金融公庫の昭和三十六年度の業務の計画と実績につきまして御説明申し上げます。  当期中の貸し付け計画は、当初千二百二十六億円と定められまして、その原資といたしましては、新規の政府投入資金百十二億円と貸し付け回収金千百十四億円をもってこれに充てるつもりであったのであります。  しかるところ、その後景気調整策に伴います中小企業の金融逼迫、第二室戸台風等の被災者の復旧のための資金需要に対処するために、年度内に百五十億円の政府借り入れ金が追加されましたので、当期中の貸し付け総額は、前期に比べますと二四・二%増、千三百七十三億円の実績を示したのでございます。これを期末の貸し付け金残高で申しますと、千四百二十億円となりまして、前年度末の貸し付け金残高に対しましては二百三十六億円、一九・九%の増加を示しております。また、そのおもなる内訳は、普通貸し付けが千二百二十六億円、前年度末残高に対しまして二百二十三億円、二二・二%の増加であります。恩給担保貸し付けにおきましては百三十三億円でございまして、前年度末残高に対しまして二十一億円、一八・八%の増加となっているのでございます。  次に、収入支出につきまして申し上げますると、当期の収入総額の当初計画は百六億円でございましたが、これに対しまして、実績は百十四億円、支出総額は、当初予算百六億円に対しまして、実績は百一億七千万円となりまして、差し引き十二億二千万円の収入超過を示したのでございますが、これを固定資産減価償却引き当て金及び滞り貸し償却引き当て金に繰り入れました結果、三十六年度の利益金はゼロとなりまして、国庫納付は生じなかったのでございます。  三十六年度末におきまするところの最終期限経過後六カ月を経過いたしました延滞額は、件数にいたしまして十一万六千件、それから金額で二十三億五千六百万円でございました。これは総貸し付け残高件数の八・九%、同じく金額で一・六%になっております。これは前年度末に比べますと、件数では二万八千余件、金額では三億五千六百万円減少いたしておるわけでございます。  以上で昭和三十六年度の業務状況の概要を終わりまして、引き続き、三十七年度の業務の計画及び実績につきまして、その概要を申し上げたいと存じます。  当期中の貸し付け予定は、当初千四百四十八億円と定められまして、その原資は出資金が二十億円、新規資金の政府からの投入が百四億円、それから貸し付け回収金が千三百二十四億円ということをもってこれに充てることにしておったのでございますが、このうち出資の二十億円につきましては結局年度中に実現いたしませんでした。他方、政府からの借り入れにつきましては、その後の景気の調整策に伴う中小企業の金融の逼迫及び昭和三十八年一月の豪雪等の被災者復旧のための資金需要に対処いたしますために、百三十五億円の政府からの借り入れ金増加がございます。他方、償還期限の繰り下げられましたものが三十五億円ございます。これらの原資の増加がございましたので、当期中の貸し付け総額は前年度に比しまして一〇・九%増、千五百二十三億円の実績を示した次第でございます。  この結果、期末貸し付け残高で申し上げますと千六百十四億円となりまして、前年度末貸し付け残高に対しまして百九十四億円、一三・七%の増加を示しております。  また、そのおもなる内訳は、普通貸し付けが千四百十八億円、前年度末残高に比べまして百九十二億円、一五・七%の増加、恩給担保貸し付けにおきまして百四十八億円、前年度末残高に対しまして十四億円、一〇・五%の増加となっておる次第でございます。  次に、収入支出につきましては、収入総額の当初予算は百二十四億円でございましたが、実績は百三十五億円、他方、支出総額の当初予算は百二十四億円でございましたが、実績は百二十億九千万円、差し引き十四億一千万円の収入超過でございますが、これを固定資産減価償却引き当て金及び滞り貸し償却引き当て金に繰り入れました結果、三十七年度中は利益金がゼロとなりまして、国庫納付は生じなかったのでございます。  昭和三十七年度末におきます最終期限経過後六カ月の延滞額の数字は十一万九千件、二十二億でございます。これは総貸し付け残高件数の八・九%、同じく金額にして一・三%でございます。これは前年度に比しまして、件数では二千八百余件の増加でございますが、金額では一億五千五百万円減少を  いたしております。  大体このような延滞件数は——年々件数は減ってきたのでございますが、この年に限りまして増加をいたしましたその理由は、引き揚げ者の国債担保の貸し付けに原因がございます。引き揚げ者の国債担保の貸し付けは、この国債自身が十年間の償還となっておりますが、この国債を担保とする本貸し付けは貸し付け期間を五年ということにいたしておるのでございます。その返済は国債利札による返済と本人負担による返済と半々の約定となっておるのであります。しかるところ、本人負担によるところの返済の実行が滞りがちでございますために、貸し付けの開始いたしました三十二年からちょうど五カ年を経過いたしました三十七年度におきまして、最終期限を経過したものが相当数発生する、こういう事態が生じたわけでございます。なお、この貸し付けの延滞につきましては、最終的には国債利札の充当によりまして、今後期限経過五年以内に解消することができる次第のものでございます。  以上をもちまして、国民金融公庫の三十七年度の業務概況の説明を終わらせていただきます。
  23. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に平田日本開発銀行総裁。
  24. 平田敬一郎

    ○平田説明員 昭和三十六年度におきます日本開発銀行の業務の概要につきまして、計数を中心に若干御説明を申し上げます。  本行の三十六年度におきます貸し付けの対象及び金額は、当初計画におきまして、合計しまして八百二十五億円、前年度に比べまして百六十五億円の増を予定し、これに対応する融資承諾の実績は、電力におきまして二百八億円、海運におきまして百五十七億円、地方開発におきまして百七十億円、その他二百九十億円と相なりました。  そのうち、景気調整のための繰り延べ措置によりまして、年度を越して承諾したものは二十八億円でございます。  なお、検査報告にあります昭和三十六年度中の貸し付け実行額九百六十七億八千百万円は、国際復興開発銀行からの借り入れ資金によります外貨貸し付け百六億二千百万円を含むものでございます。  次に、三十六年度の貸し付け運営の特徴について申し上げますと、電力向け資金は、九電力会社のほか、その他電力については、新たに石炭鉱業対策の一環といたしまして、産炭地発電を取り上げ、三億円をその他から振りかえ追加しましたこと。また資金調達面で三十六年十月、米国におきまして新たに外貨債二千万ドルを初めて発行しましたこと、海運につきましては、計画造船において定期船から専用船に重点を移したこと、年間建造量は当初二十五万五千トン程度の予定でございましたが、途中で増加いたしまして、五十万トン建造見込みとし、低船価時に高能率、好採算の船腹建造を推進することといたしましたこと、なお当年度から、戦標船代替建造を行なうこととし、これも海運資金として整理したので、当初計画百五十億円から百五十七億円となったこと、次に地方開発融資につきましては、従来の九州、四国の両地方のほか、新たに開発促進法の制定されました中国、北陸両地方及びこれに準ずる後進地域をも融資対象に加え、資金量も増加いたしまして、積極的に推進いたしましたこと、そのほかでは、機械工業振興臨時措置法に基づきまする、特定機械貸し付けが対象業種の拡大に伴いまして資金量を増加しましたこと、国際収支改善のための国際観光施設の拡充、公共投資に準ずる港湾施設等の産業関連施設の整備などに重点を置いたこと等があげられます。  次に、三十六年度におきまする既往貸し付け金の回収は、合計いたしまして二百八十六億五千九百万円のほか、外貨貸し付けの回収三十五億六千四百万円を含めまして、検査報告のとおり三百二十二億二千三百万円となったのでございます。  この結果、年度末におきまする貸し付け残高は、外貨貸し付けを含めまして七千五十九億六千百万円となりますが、このうち、延滞額は四十五億六千四百余万円で、貸し付け残高の〇・六%、前年度末に比べまして二十七億七千六百万円の減少となっています。  なお、このほか、海運の内入れ猶予額が三百四十三億七百万円ございます。  次に、三十六年度中に外貨債務を保証いたしました額は、八十六憾五千六百万円でございます。年度末保証残高は五百十八億八千八百万円となっております。  最後に、損益決算について申し上げますと、三十六年度は、百七十四億四百万円の純益金を計上いたし、法令の定めるところに従いまして、期末の貸し付け金残高に対し千分の七の相当額の四十九億四千二百万円を法定準備金として積み立て、残額百二十四億六千二百万円を国庫に納付いたしました。  以上、簡単でございますが、三十六年度における本行業務の概要説明を終わります。  引き続きまして、昭和三十七年度におきます業務の概要について御説明申し上げます。  本行の三十七年度における貸し付け対象及び全顎は、当初計画におきまして合計して九百八十五億円、前年度に比べまして百六十億円の増を予定しておりましたが、その後下期に入り、財政投融資計画の改定によりまして、電力、石炭、硫安等で合計二百二十三億円を追加し、結局、合計しまして千二百八億円となり、これに対応する融資承諾実績は、電力で三百五億円、海運で二百十二億円、地方開発で二百億円、その他四百九十一億円、合計いたしまして千二百八億円でございます。  なお、検査報告にもありますとおり、このうち年度内に承諾いたしましたものは千百七十一億三千四百万円で、三十七億千八百万円は、次年度に入って承諾されました。また三十七年度中の貸し付け実行額千二百四億千八百万円には、経済援助資金貸し付け三億九千万円、世銀借款外貨貸し付け一億三千五百万円を含むものであります。  次に、三十七年度の貸し付け運営の特色を申し上げますと、電力については、新たに貿易自由化に対処するため国産重電機器延べ払い融資を取り上げましたほか、三十七年十月金融引き締め緩和の一環として、九電力資金緩和及び関連産業への波及効果を考慮いたしまして、九電力会社に対して緊急融資七十二億円を行ないましたこと、海運融資にあたりましては、国際競争力強化のため、財政資金融資比率を若干引き上げ、特に専用船及び油送船の整備に重点を置くこととし、本行の融資方式も従来の計画造船方式、すなわち一括公募、一括決定方式を修正して、本行の金融判断を中心とした個別受付、個別融資とし、新造船建造を促進することといたしましたこと、地方開発については、従来の四地方を引き続き拡充するとともに、四地方以外の低開発地域の工業開発地区に重点を置いて、後進地域の経済の振興開発などを積極的に推進いたしましたこと、また、地方開発地域内の産炭地振興に特に留意いたしましたこと、石炭鉱業については、合理化基本計画に基づきエネルギー源としての経済性の確立をはかるほか、三十七年十月、本行は石炭鉱業調査団の答申に基づく石炭緊急対策の一つといたしまして、追加融資四十五億円を行なったこと、さらに、硫安工業で、政府の硫安工業対策に基づく硫安輸出赤字解消のため、硫安メーカーに対する市銀既往貸し付け金のうち百三億円を本行が肩がわりいたしましたこと、その他産業では、新たに輸出産業の育成に重点を置くとともに、新規産業及び新技術の工業化、産業関連施設、都市交通、国際観光施設などの整備を推進しましたことなどがあげられます。  以上の結果、三十七年度における既往貸し付け金の回収は、合計三百四十二億四百万円のほか、外貨貸し付け金の回収四十七億円を含めまして、検査報告のとおり三百八十九億四百万余円となったのでございます。  この結果、年度末における貸し付け残高は外貨貸し付けも含めまして七千八百七十三億六千五百万余円となりましたが、このうち延滞は五十二億四千百万円、貸し付け、残高の〇・七%弱、前年度末に比べまして六億余万円の増加となりました。これを業種別に見ますと、石炭鉱業が主たるものでございます。  なお、このほかに海運の内入れ猶予額が四百十九億四千六百万円ございます。次に、三十七年度において外貨債務を保証いたしました額は四百六億四百万円で、電力、航空等でございます。年度内の償還は七十億千四百万円で、年度末保証残高は八百五十四億七千八百万円となっております。  最後に、三十七年度決算概要について申し上げますと、百七十四億四千三百万円の純益金を計上し、期末の貸し付け金残高の千分の七に相当する五十五億千二百万円を法定準備金として積み立てまして、残額百十九億三千百万円を国庫へ納付いたしました。以上、簡単でございますが、三十六年度と三十七年度の業務の内容につきまして、補足御説明申し上げた次第でございます。
  25. 白浜仁吉

    白浜委員長 森永日本輸出入銀行総裁。
  26. 森永貞一郎

    ○森永説明員 昭和三十六、三十七年度の日本輸出入銀行の業務状況をごく簡単に説明申し上げます。  昭和三十六年度の融資承諾額は千四百二十億円でございまして、前年度の約四割増となりましたが、これは主としてプラント輸出の好況を背景に、一般プラントに対する融資が増加したことによりますほか、とくにインド、パキスタンに対する円借款の供与など、各種の経済協力の進展等もその原因となっております。  昭和三十七年度につきましても、輸出の振興と海外経済力の進展という内外よりの要請を背景といたしまして、融資活動は引き続き活況を呈しましたが、前年度に比べ、大口の融資が少なかったなどの事情もありまして、融資承諾額では前年度を下回る千四十三億にとどまりました。  一方、貸し出し実行額もこのような事情を反映いたしまして、三十六年度には千三十六億円、年度末の残高は千九百八十六億円となりました。三十七年度は千八十六億円、年度末の残高は二千六百十億円となり、高い水準で推移いたしましたが、各年度とも計画額には達しませず、若干の資金余裕を生ずる結果と相なりました。これは主として、本行の業務が、国際経済の動向や相手国側の事情等により大きく変動しやすいという性格、特に三十七年度につきましては、相手方の事務ふなれ等の事情による対インド、パキスタン円借款の実行の遅延によるものでございました。  なお、昭和三十六年度、三十七年度決算につきましては、国際競争上低利の融資を望まれておりまする本行の特殊事情から、若干の貸し倒れ準備金を繰り入れたのみでございまして、ここ数年間の決算と同様、利益金を計上するには至りませんでした。  次に、最近における業務の運営につきまして、簡単に申し上げます。  輸出の振興と経済協力の推進という昨今の要請を反映いたしまして、本行に対する資金需要はこのところ一段と増加し、昭和三十八年度初めから十二月までの貸し出し実績は、九百九十五億円、年末残高は、三千百十五億円になっております。これは船舶輸出の激増、円借款の進歩等を中心に前年同期に比べまして三三%増という大幅な増加になっておりまして、この分では三十八年度貸し出し額は当初の計画額千三百億円をかなりこえるものと見込まれております。したがいまして、本行といたしましてはこのような事態に対処し、本年度予算補正として、当初計画の政府出資金二百億円、政府借り入れ金六百十億円に加えまして、新たに、政府出資六十億円、政府借り入れ金四十億円の資金手当てをお願いしまして、必要資金の確保につき万全を期したいと存じておる次第でございます。  なお、三十九年度につきましては、このような最近の状況にかんがみ、貸し出し規模を千六百億円に増加し、その資金手当てとしては回収金等の自己資金六百六十三億円のほか政府出資金三百二十五億円、政府借り入れ金七百十二億円をお願いすることといたしております。  以上最近における本行業務の概況を申し述べましたが、今後輸出の振興並びに経済協力の促進がいよいよ緊要になってまいりますのに伴いまして本行といたしましても引き続き使命の達成に一そうの努力を重ねてまいる所存でございます。本行業務の運営につきましても従来融貸対象の拡大、融資条件の弾力化、融資事務手続の簡素化等適時改善をはかってまいりましたが、今後とも情勢に即し一そう刷新合理化をはかってまいりたいと存じます。
  27. 白浜仁吉

  28. 阪田泰二

    ○阪田説明員 昭和三十六年度日本専売公社決算及び業務の概要につきまして、簡単に御説明申し上げます。  昭和三十六年度日本専売公社収入済み額三千五百五十四億円、これから支出済み額千九百六十億円を差し引きますと、収支差額千五百九十四億円となっております。これは収支の計算でありますが、総収益から総損失を控除しました純利益で計算いたしますと、その額が千六百七十七億円となります。  この純利益から専売公社法の規定によりまして積み立てました固定資産及び無形資産の増加額三十八億円を控除いたしますと、専売納付金の額といたしまして千六百三十九億円となりまして、予算に対しましては百五十億円、約一〇%の増加と相なったわけであります。この専売納付金は、専売公社法の規定によりまして、昭和三十七年五月三十一日に国庫に納付いたしました。  先ほどの純利益の額と地方に納めておりますたばこ消費税の額、この両者を合計した額で申し上げますと、前年度に比しまして二百七十七億円、一三・四%と増加しておりまして、公社といたしましては三十五年度に引き続きまして好成績のうちに決算を終えることができましたわけでございます。  このような好成績をおさめました原因は、主としてたばこ事業でございまして、たばこの売り上げは三千二百八十六億円、予算に比べましては二百二十四億円の増加、前年度に比べましては三百六十二億円の増加となっております。前年度に比べまして約一二・四%の増加であります。内容といたしましては、銘柄別に見ますと、ピース及びいこいの伸長が目立ちまして、またホープ、ハイライトのフィルターつきのたばこが大幅に増加いたしております。  このため、たばこ事業の利益といたしましては、二千三百四十五億円、予算に比べまして百九十八億円、九・二%の増加となりまして、前年度に比べましても約一一・二%の増加になっておるわけであります。  たばこ事業の関係におきましては、製造たばこに対する需要が旺盛でありますので、なおかつ消費性向の変化にも対処いたしますために、製造面では設備の拡充、合理化をはかりまして、府中、茂木両刻み工場を近代的な両切りたばこ工場に転換いたしまして、また長期的展望に立ちまして製造能力の増強、生産性の向上、あるいは品質の向上を期しまして、たばこ事業の長期経営計画を策定いたしました。この長期計画におきましては、さきに平塚の試験場におきまして研究、テストいたしておりましたスレッシング方式の成果に基づきまして、これを逐次全工場に導入することにいたしまして、三十六年度といたしましては、名古屋工場ほか五工場につきましてこの準備に着手いたしたわけでございます。  葉たばこの生産につきましても、将来の原料需要の増大、あるいは農業経営の近代化に対応いたしまして、増反対策への転換、省力耕作法の研究、普及並びに品種の改良等、前年度に引き続きましてさらに積極的に実施に移してまいりました。  塩事業のほうにおきましては、総売り上げ高は二百五十三億円で、予算よりも七億円減少いたしましたが、売り上げ原価におきましても予定に比し、九億円の減少でございまして、差し引きいたしますと、売り上げ総利益では、予算に比べて二億円の増加になっております。また、経費面におきましては、極力経営の簡素化に努めまして、予算に比べて二億円の経費を節減いたしました結果、以上差し引きまして、営業利益におきまして、予算よりも四億円増加いたしました。  その他の営業外の損益を加減いたしますと、結局純利益は予算に比べ四億円増加いたしまして、一億円という額が出ましたので、塩事業といたしましては、ほぼ収支の均衡を保ったという計算になっております。  これを前年度、三十五年度に比べますと、四十二億の利益の増加ということになっております。三十五年度におきましては、四十三億円を塩業整理に伴う交付金として支払っておりますので、これを考慮いたしますと、三十六年度はほぼ三十五年度と同程度の成績であったといえると思います。  なお、国内塩の収納価格につきましては、三十六年十二月以降、包装白塩ベースで、トン当たり一万九百五十円と、従前に比べ、六百円の引き上げを行ないましたが、物価、賃金等の変動、企業の能率等に基づいて調整いたしました結果であります。  なお、塩業整理につきましては、三十五年度をもって完了いたしまして、所期の目的をほぼ達成し、国内塩過剰といったような問題は解消いたしました。今後は塩の品質の向上、包装の改良等に意を用いてまいりたいと思っております。  なお、残されました国内の塩産業の合理化につきましては、三十六年五月に塩業審議会から塩産業合理化方策要綱が答申されまして、塩産業が近代的な産業として自立、発展することができますよう、具体的な方策、基本線が示されておるわけでありますが、公社といたしましてはこの基本線を尊重しつつ、今後の具体的な実情をも十分しんしゃくして努力いたしたいと考えておるわけであります。  しょう脳事業につきましては、総売り上げ高八億七千万円、予算よりも三千七百万円程度増加いたしましたが、売り上げ原価も同じ程度増加いたしましたために、売り上げ総利益は予算に比べ二百万円余の減少となりました。その他経営の簡素化につとめましたが、一方、造林仮勘定の除却等で雑損が出ましたので、結局しょう脳事業の利益は千四百万円の赤字となりまして、予算に対しましては、千九百万円の減少となりました。  なお、しょう脳専売制度につきましては、最近におけるしょう脳専売事業の実情にかんがみまして、三十六年度をもってこの専売を廃止するという方針に基づきまして、しょう脳専売法を廃止する法律が第四十回国会に提案、可決されまして、三十七年三月二十三日法律第十九号をもって公布され、同年四月一日から施行されることに相なりました。  以上をもちまして三十六年度の御説明を終わりまして、次に昭和三十七年度について簡単に御説明申し上げます。  三十七年度の公社の決算といたしましては、収入済額は三千八百十四億円、支出済額は二千三百三億円でありまして、差し引き千五百十億円、これを同様に損益計算をいたしました純利益の額で申し上げますと千六百九十九億円となります。この純利益から、同様固定資産、無形資産の増加額六十八億円を控除いたしますと、専売納付金の額としては千六百三十億円となりまして、予算に対しましては四十一億円、約二・六%の増加となりました。この専売納付金は、昭和三十八年五月三十一日国庫に納付いたしましたわけであります。  事業の内容につきまして申し上げますと、たばこの売り上げは、この年は三千五百四十六億円でありまして、予算に比しまして二十五億円、〇・七%ほど減少いたしました。前年度に対しましては二百六十億円約七、九%の増加であります。予定よりも多少鈍化いたしたわけでありますが、内容といたしましてはフィルターつきたばこの増加が依然として著しく、またピース、いこい等も依然堅調でありましたわけであります。こういった関係で売り上げの総利益、たばこ事業の利益二千四百九十七億円、予算に比して二十二億円の増加、前年度に比し、百五十二億円の増加と相なりましたわけであります。  製造事業の関係におきましては、前年度に引き続まして設備拡張工事を進めておりました府中、岡山両工場がそれぞれ完成、操業を開始いたしました。また、長期計画に基づくスレッシング作業方式導入工場といたしまして、名古屋、高槻、上田各工場の増改設工事を進めまして、年度末にはほぼ工事が完成いたしまして、三十八年四月新方式による操業を開始し、また、フィルターつきたばこの旺盛な需要に対応するために、各工場につきまして、所要機械設備の充実をはかりましたわけであります。葉たばこの生産におきましても、前年度に引き続きまして、原料需要の増大、農業経営改善の方向に対処するため、各般の施策を行ない、また増反を推進し、この年度におきましては六千五百八十五ヘクタールの増反をいたしましたわけであります。  塩の事業におきましても一売り上げ高二百五十七億円、予算より二十一億円減少いたしましたが、売り上げ原価におきましても、二十八億円減少いたしましたので利益の点では、七億円の増加となっております。その他経営方面の経費の節減に極力つとめまして、在庫の減少その他もありまして、四億円の節減をいたしましたので、予算では塩事業は六億円の損失を計上しておったのでありますが、二億円の損失にとどまりました。  なお国内塩の収納価格につきましては、塩業審議会あるいは塩収納価格審議会の答申に従いまして、三十七年四月以降、白塩(包装)ベースでトン当たり一万六百円と改定されました。これは実質的に言いますとトン当たり三百五十円の引き下げとなっております。これは企業能率があがってまいりましたこと、あるいは経済条件の変わってまいりました点などを勘案して、調整したわけであります。  塩の売り渡し価格につきましても、昭和三十七年四月以降上質塩の売り渡し価格を従前の白塩の売り渡し価格のベースまで下げましたので、これはトン当たり千円の引き下げとなったわけであります。  以上のほか、三十七年度におきましては、公社が持っております唯一の直営製塩工場であります小名浜工場、これはパイロット・プラントとしてつくったものでありますが、その目的を達成したこと、並びに、最近の塩業事情などにかんがみまして、これを廃止する方針に決定いたしまして、三十七年九月以降操業を全面的に停止いたしますとともに、この工場の財産処分につきましては、第四十三回通常国会の議決を求めました結果、三十八年五月二十三日に可決されたわけでございます。  最後に、しょう脳事業につきましては、先ほど申し上げましたしょう脳専売法を廃止する法律が公布されまして三十七年四月一日から廃止されましたが、経過措置としまして粗製しょう脳の買い入れ、販売その他の業務を年度途中まで行ないました。この年度のそういう残務整理のための損失といたしましては九億円、予算に対しましては千五百万円の損失減少ということになっております。  しょう脳専売法を廃止する法律の附則第六条の規定によりましてしょう脳業者に交付した交付金は、製造業者四百八十九人に対しまして五億五千五百万円、製造業者の組織する団体二十五団体に対しまして四百万円、合計五億五千九百万円でありました。これによりましてしょう脳専売事業廃止に関する諸般の業務を全部終了いたしたわけでございます。  以上、簡単でありましたが、両年度決算及び業務の概要につきまして御説明申し上げました。      ————◇—————
  29. 白浜仁吉

    白浜委員長 次に資料要求の件についておはかりいたします。  例年大蔵省当局に対し、決算検査報告に掲載された会計検査院の批難事項に対する関係責任者の処分状況調べの提出を求めておりますので、昭和三十七年度決算についても同様その提出を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 白浜仁吉

    白浜委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時九分散会