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1964-03-13 第46回国会 衆議院 議院運営委員会 第13号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十三日(金曜日)    午後零時二十九分開議  出席委員    委員長 福永 健司君    理事 小平 久雄君 理事 佐々木秀世君    理事 坪川 信三君 理事 安藤  覺君    理事 天野 公義君 理事 柳田 秀一君    理事 下平 正一君 理事 前田榮之助君    理事 佐々木良作君       小沢 辰男君    海部 俊樹君       鯨岡 兵輔君    田中 六助君       竹内 黎一君    細田 吉藏君      茜ケ久保重光君    安宅 常彦君       中嶋 英夫君    山中 吾郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 山村新治郎君  出席政府委員         人事院総裁   佐藤 達夫君  委員外出席者         議     長 船田  中君         副  議  長 田中伊三次君         議     員 林  百郎君         事 務 総 長 山崎  高君         大蔵事務次官  石野 信一君         通商産業事務次         官       今井 善衛君         運輸事務次官  岡本  悟君         建設事務次官  山内 一郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  海外移住審議会委員任命につき国会法第三十九  条但書規定により議決を求めるの件  売春対策審議会委員任命につき国会法第三十九  条但書規定により議決を求めるの件  肥料審議会委員任命につき国会法第三十九条但  書の規定により議決を求めるの件  国立近代美術館評議員会評議員任命につき国会  法第三十九条但書規定により議決を求めるの  件  蚕糸業振興審議会委員任命につき国会法第三十  九条但書規定により議決を求めるの件  畜産物価格審議会委員任命につき国会法第三十  九条但書規定により議決を求めるの件  米価審議会委員任命につき国会法第三十九条但  書の規定により議決を求めるの件  本会議における議案趣旨説明聴取の件  本日の本会議議事等に関する件  営利企業への就職承認に関する年次報告書の  取扱いに関連して、山村国務大臣及び佐藤人事  院総裁並びに大蔵通商産業運輸建設の各  事務次官に対する質疑      ————◇—————
  2. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 これより会議を開きます。  まず、国会法第三十九条但書規定により議決を求めるの件についてでありますが、海外移住審議会委員売春対策審議会委員肥料審議会委員国立近代美術館評議員会評議員蚕糸業振興審議会委員畜産物価格審議会委員米価審議会委員に、お手元の印刷物にあります諸君を任命するについて、内閣から本院の議決を求めてまいっております。
  3. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 右各件は、本日の本会議において議題とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  5. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 次に、本会議において趣旨説明を聴取する議案についてでありますが、内閣提出にかかる、暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案は、理事会でのお話し合いのとおり、本日の本会議において趣旨説明を聴取し、質疑を行なうこととするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、本案趣旨説明賀屋法務大臣が行ない、右の趣旨説明に対し、日本社会党坂本泰良君及び日本共産党の林百郎君から質疑の通告があります。  質疑時間は、坂本君については十五分以内、林君については十分以内とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  8. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 次に、本日の本会議議事の順序について、事務総長説明を求めます。
  9. 山崎事務総長(山崎高)

    山崎事務総長 まず、最初に、国会法第三十九条但書規定により議決を求めるの件をお願いいたします。次に、理事会お話がござましたけれども、鉄道建設審議会委員任命同意につきまして、お話し合いがつきますれば、お願いをいたします。次に、日程第一でございますが、森田地方行政委員長の御報告がございます。本案修正であります。共産党反対であります。次に、日程第二、第三、第四を一括いたしまして、外務委員長赤澤さんの御報告がございます。日程第二につきましては共産党反対でありまして、日程第三及び第四につきましては全会一致でございます。次に、日程第五は、運輸委員長川野さんの御報告がございます。修正でございます。共産党反対でございます。次に、日程第六につきましては、理事会でお話し合いがありましたが、延期するやいなやは議場内でおきめ願うことといたしまして、上程いたします場合には、建設委員長丹羽さんの御報告がございます。共産党反対でございます。次に、日程第七、第八を一括いたしまして、内閣委員長徳安さんの御報告がございます。日程第七は共産党反対であります。日程第八は修正でありまして、社会党、民社、共産党反対であります。終わりましてから、ただいま御決定の暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、賀屋法務大臣趣旨説明がございまして、坂本さんと林さんの御質疑がございます。
  10. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 それでは、本日の本会議は、午後一時五十分予鈴、午後二時から開会することといたします。
  11. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 次に、次回の本会議及び委員会は、公報をもってお知らせいたします。     —————————————
  12. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 この際、先般の委員会に引き続き、営利企業への就職承認に関する年次報告書取り扱い関連して質疑を行ないます。本日は、山村行政管理庁長官佐藤人事院総裁のほかに、石野大蔵事務次官今井通商産業事務次官岡本運輸事務次官及び山内建設事務次官が出席されております。
  13. 柳田委員(柳田秀一)

    柳田委員 私きょう途中でちょっと中座させていただきますので、先にお尋ねします。  前回この委員会山村行政管理庁長官佐藤人事院総裁にお越しを願ったわけですが、その後、長官から閣議でこの模様を御報告願ったように思いますが、閣議の結果、われわれ国会側の意のあるところをどういうふうに内閣としては今後善処されるようになりましたか、一応その間の事情をお知らせ願いたいと思います。
  14. 山村国務大臣(山村新治郎)

    山村国務大臣 たまたま当委員会におきましていわゆる高級公務員民間会社への転出の問題が取り上げられました後でございますが、閣議におきましてこの問題が話題になったことがございます。その際におきまして、やはりこの問題は二つケースがございまして、一つはいわゆる純然たる民間営利会社転出する場合と、同時にまた、いわゆる政府一つ延長機関のような公団公社への転出の問題との二つの問題がございます。したがって、この二つの問題についていろいろと議論がされましたが、あくまでも公団公社等の場合におきましては、適材適所のたてまえを貫き、同時にまた民間営利事業への転出の問題につきましては、人事院規則等もございまして、これによって処理されておるという見解等いろいろと議論がございました。しかし、この委員会における進行状況等もにらみ合わせまして、そして内閣におきましても十分研究しようじゃないかということで、結論は出ませんでした次第でございます。
  15. 柳田委員(柳田秀一)

    柳田委員 聞くところによりますと、文部省とか厚生省とか、全然というかほとんど売れ口のないところの所管国務大臣と、それからきょうここへずらりと事務次官が顔をそろえておるところの、売れ行きが多いというか、むしろ民間のほうでひっぱっていこうとするところの所管国務大臣との間に、そこにかなりこういう問題に対する受け取り方が違うように報道されておるのですが、あれはどうですか。
  16. 山村国務大臣(山村新治郎)

    山村国務大臣 新聞にはだいぶそういうようなニュアンスの記事が出た向きも承知いたしておりますが、やはり閣僚は、いかにしたらばそういうような誤解を防ぎ得るかという点と、同時にまた、あくまでも公正な人事ということについての意見については変わりはございません。
  17. 柳田委員(柳田秀一)

    柳田委員 山村長官にお尋ねしますが、法律はこうなっていますね。国家公務員法の第百三条は、「私企業からの隔離」として、その第二項において「職員は、離職後二年間は、営利企業地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」こういう表現は私はかなりきびしい規定だと思う。特に「つくことを承諾し又はついてはならない。」と書いてある。こういうような規定からするならば、この規定を単にこれを倫理規定にすべき問題ではない。これは具体的にきちんと解釈して、むしろえりを正す意味からは、特に国家公務員等は、ある意味においては、国民疑惑を持たれないためにも、いわゆる拡大解釈してああにもとれる、こうにもとれるというのでなしに、拡大解釈をすればあるいはのがれられても、これはしかしのがれて恥なしではなしに、国民の前には、こういう疑惑のある場合にはむしろつかざるをベターとする、こういうふうに私は解釈し、こういうふうにこの法を運営していくべきだと思いますが、私の考えは間違っておりますか。
  18. 山村国務大臣(山村新治郎)

    山村国務大臣 柳田委員のおっしゃるとおり、法の解釈はそのとおりに解釈すべきではないかと私は考えております。ただ同時に、これがもしも法を融通をきかしてよろしいというふうな解釈が成り立つといたしますと、見方によりますれば、在職中にいろいろな問題が誤解されるおそれもございますから、あくまでも法の解釈は法の解釈として、正当に解釈するのがあたりまえではなかろうかと考えております。
  19. 柳田委員(柳田秀一)

    柳田委員 いまの問題について人事院総裁どうですか。
  20. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 いま山村長官の答えられたとおり、また柳田委員のお尋ねのとおり、私はそうあるべき趣旨だと考えております。
  21. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 せんだっての具体的なケースの場合の人事院総裁お話によりますと、むしろ問題はケースバイケースで、しかも特定役職にある人が特定なたとえば契約とかなんとかいう行為をしたとかしないとかいうことが基準判断のように私は承ったと思うのです。たとえば公益事業局長をしておっても、電気会社から申請してくる問題について、それを承認するとかせないとかいう行為をやったとかやらないとかが基準判断のように言われた。しかし、いま柳田君の話は、常識的にいうと、決してそうではなくて、百三条の二項の条文は、明らかに「国の機関と密接な関係にあるもの」と書いてある。国のその機関担当者行為ではなくて、「国の機関」と書いてあるでしょう。そうすると、機関というのは行為とは話が違うと思うんです。その解釈は、よほど縮小解釈かあるいは拡大解釈か、妙なかっこうにされていると思うのですが、そうじやないですか。
  22. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 私が柳田委員の御発言に賛意を表しましたのは、結局、一定の基準というものがあって、密接な関係というものがありまして、そういう形式的な環境条件がそろっておれば、いかに本人は清浄潔白な人であっても、この人はだめだというのが法の精神だろうと思うのであります。したがって、そのワクをどうきめるかということのきめ方として、いまのような根本精神を持ちながら、そのワクをきめるにつきまして、あらゆる条件を想定して、合理的なところへこれを持っていこう。たとえば、きわめて単純率直なことを申しますと、この席上お配りしましたこの「不承認事例」をごらんになればわかることでありますけれども、それに至らずとも、たとえば現任の通産省の鉱山局長がすぐに石油会社の役員に天下るというようなことは、いかに本人がりっぱな人であっても、われわれとしては認めないというようなこと、それを中心にいたしまして、この限界をできるだけ合理的に持っていこうということが、いまお示しのようなこまかい条件が入ってきますために、何か悪いことをしたやつをここで排除するというふうにお受け取りいただくことになるかもしれません。これは私、前回発言もちょっとうしろ暗いというようなことばを使いまして、あれはたいへんまずい発言だったと反省しておりますので、御了承願いたいと思います。
  23. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 そうすると、在任中のものであるならばなまなましい、だけれども三、三年前のものならなまなましくないということですか。
  24. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 私の申し上げましたのは、ただいま現任のということを申しまして、直ちにというようなことを言いましたのは、どんな場合でも絶対だめだということで申し上げたわけであります。そういう趣旨でございます。
  25. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 この百三条は明らかに「その離職前五年間に在職していた」「国の機関」と書いてありまして、この「国の機関」の認定に、いまか、去年か、おととしか、三年前かということを認定する余地が解釈上ありますか。
  26. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 もう一つ尺度といたしましては、前回うしろ暗いというのは撤回いたしますが、違うことばで申し上げますと、特殊の悪因縁を生ずるような、そういう環境事情が推測されるような地位というようなことで、だんだんと——具体的ケースバイケースというのはそういう意味でありますが、そこを基準と考えております。ケースごとに考えておる、こういうことであります。
  27. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 私、詰めはせぬけれども、この前柳田君が言ったように、あなたは法律書生としてもずいぶん鳴らされた人ですが、きちんと考え方を明確にしてもらいたいと思います。いま後段に言われた議論は別にしましょう。前段に言われた議論は、たとえば建設局長地位現任しておった者が関係会社らしいものにいくのは、なまなましいからいかぬと言われた。しかし法は「その離職前五年間に」と書いてあるわけだから、現任の者と、去年やめた者と、おととしやめた者とに差異があるのかという質問なんです、この解釈に対して。
  28. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 先ほど申しました悪因縁といいますか影響力ということになりますが、そういう点に着眼して、一つ尺度をそこへ持ってきてもいいじゃないかということ、こういう気持ちでございます。
  29. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 その尺度ではない、前段に言われた尺度だ。なまなましい関係、具体的な行為ではなくて、契約を認可するとかなんとかいう行為でなくて、機関との関係と言われたのでしょう。そして機関との関係を見るのに、いまの局長がすぐに関係会社、その監督を受ける会社、そこへいくのはあまりなまなましくて、これは明確に触れそうな感じだからやめた、こう言われた。それならば、この規定の中には明らかにこれは「五年間」としてあって、現任の者であろうと、去年であろうと、おととしであろうと同じことだと思う。だから、いまの局長が天下れないのならば、同じ関係にあった者、五年間以内その機関関係があった者は天下れないという解釈になるのではなかろうか。いまの公益事業局長電気会社に天下るのはぐあいが悪いと言われた。そうしたら、去年公益事業局長におった者はいいという理屈にならぬじゃないか。それがなっているのはどういうわけか。
  30. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 その悪い影響のなまなましさということでまいりますと、たとえば、過去五年前にちょっと一週間ばかりその地位にあったというのと、五年のうちの後半の大部分はその地位にあったというのとでは、そこに線を引いてよくはないか。とにかく、いかに清浄潔白であって毛、この人は遠慮してもらわねばいかぬという場面でございますから、できるだけその辺のところを線が引けるものなら引きたい、そういう気持ちでやっておるわけです。
  31. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 重ねてもう一問。その辺の常識は私もあります。私の聞いているのはそういうことを聞いているのではない。普通の局長の任期というのは一年か二年ですよ、あるいは三年ぐらいあることもある。その同じ常識的な局長地位にあって、現任者であってはいかぬ、二年前に二年間なり三年間同じ局長地位にあった者ならいいという理屈は成り立たないのじゃないか。これは関連ですから私は質問を留保しますけれども、いまのあなたの解釈によると、明らかに行為ではなくて、その行政機関におったときの、そういう申請案件について判こを押した数が何ぼだとかなんとかいうその行為をさすのではなくて、百三条の規定に従って、国の機関、その役職との関係だ、こういうふうに言われた。そしてその役職は、あまりにもなまなましい現職の者が関係会社に天下るというのはおかしいと言われた。それならば、法の精神にそのまま照らすならば、言うたように、それはあなたの解釈どおり行為ではなくて機関でしょう。そして機関は常識的な機関ですから、したがって、いまあるいは去年特定局長をしておった人が、その監督を受ける会社に天下るのが悪いという解釈が成り立つならば、同じように、今度は期間、五年間にやっておった人ならば、やはりぐあいが悪いと判定するのがあたりまえではないか。にもかかわらず、この「不承認事例」の中には、現任者にはぐあいが悪い、それからこっちのほうの承認を与えた機関のやつには、何だか違った理屈が書いてあって、それは許可が与えてある。それはあまり恣意的な解釈じゃないか。意見だけ言うておきます。
  32. 柳田委員(柳田秀一)

    柳田委員 それでは人事院総裁にお尋ねしますが、私ちょっと許可されたあれを見ますと、一つには、その者の離職前五年間の官職が、次に就職せんとする営利私企業職務と具体的な関係がないからよろしい、こういうのも一つオーケー条件になっている。国の機関職務が、今度つかんとする私企業営制企業職務と具体的に関係がない。その次には、今度はそういうような営利私企業所管する官庁に奉職していなかったからよろしい、こういうふうな表現のしかたもある。一と二とは違いますね。それからもう一つは、この所管する国の機関におったけれども、取り扱い事項が比較的軽微だからよろしい、こういうふうに分けられておる。このほかにも分ければいろいろあると思います。  そこで、私聞きますが、たとえば、税関を通さなければ入ってこないようなものがありますね。砂糖なんかそうです。砂糖なら砂糖の、たとえばある港の税関長をしておった。その港にかりに砂糖会社があったとする。その砂糖会社の非常に重要な地位につく場合に、その砂糖会社なら砂糖会社所管する官庁はどこですか。
  33. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 砂糖そのもの会社は農林省であります。
  34. 柳田委員(柳田秀一)

    柳田委員 そうでしょう。そうすると、税関長大蔵省でしょう。その税関長が、自分の税関の長の場合に、同じ港でいろいろ業務をやって、一例をあげれば、その港に今度砂糖会社があったとする、その砂糖会社専務なら専務につく場合に、どういうふうにあなたのほうはオーケーを与えるかというと、同社に関する事項所管しなかったということであなたのほうはオーケーを与える。それから今度は、これに多少なり関連があると、同社所管しておっても、取り扱い事項が比較的軽微だから承認を与えた、こうなる。それからもう一つは今度はどうかというと、大蔵省なら大蔵省でかりに為替局なら為替局におったとする。それが今度は銀行のおえら方につく場合に、いや、この人間は為替局におったので銀行局にはいなかったからこれでオーケーを与えた、こうなってくる。こういうようにみな書いてある。こうなれば、もうこの法はあってなきがごとしです。一体どれに該当するのですか。こういうことだったら、どれもみなたいてい抜けますよ。そうでしょう。私はいま一つ事例をあげたのですが、どこでもみな抜けますよ。これは、人事院総裁どうですか。これが、先ほど申した法の精神でしょうか。
  35. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 ただいまのお話は一応わかりますが、要するに、私どもはその機関というものをまず押えます。これは佐々木委員もおっしゃったとおりですが、機関を押えて、その機関との監督関係というような意味影響力というものを一応考えるわけです。そこで、その影響力の問題になりますと、それでは現実に権限を行使して、どのくらいの権限を行使したということが、また影響力一つ尺度として出てまいりますから、そことのからみ合いで、いま柳田委員のおっしゃるようなややこしい結果になることは、これは認めざるを得ないと思います。大体の考え方はそういう趣旨でやっております。
  36. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 関連。その機関が持っている権限までは、私はいまの判断で入れてもいいと思うのです。その権限を行使した回数によっていい悪いをきめるのだったら、この百三条の精神と違いますよ。いまの柳田君の意見は、まず第一にその関係があるかどうかを定めるのは、国の機関と書いてあるわけです。公益事業局長関係があるかどうかということなんです。その公益事業局長の職についた者は、という場合に、公益事業局長が持っている権限が、電気会社監督する権限がどれだけあるかということで影響を与えるかどうか、そこまでは判断するのは私はいいと思います。ところが、その権限在任中行使するために何べん判こをついたか、一回ならばいいけれども、五回なら悪いという認定を下しておられるならば、私は百三条の精神とは明らかに違反すると思う。そしてほんとうは、あなたのところで調べておられるのは全部この関係のやつ——いま各省の事務次官さんがおられますが、判こをとって全部調べておる、何回判こをついたか。たとえば、ここに天下りさせたいのだという申請があった場合に、その人がいまは直接の——電気の例ばかり言って恐縮ですが、いまは電気関係のないと称せられる、たとえば経済企画庁の次官さんなら次官さんをやっておられる、しかしながら、五年間以内に電力局長地位にあったかを調べられる、そしてあった、あったが、その次は、電力局長地位電力会社監督する権限を持っておるかどうか調べられる、明らかに権限があったと考えられる。ほんとうならばそこまででこの解釈はとどめるべきだと私は思う。それをあなたのほうは、その権限を行使する地位にあった在任中に、公益事業局長の間に何べん特定会社から申請のあった事件について許可権限を行使してやったかという、その回数をたぶん基準にしておられる。そのことはこの法律関係ない。明らかに機関と書いてある。機関が行使するかしないかは別にして、公益事業局長という権限がそのまま関係あるなしの尺度であって、行使するかしないかは別問題だ。李下に冠を正さずというのはその例からきている。それを行為に見られるならば、先ほどから話が出ているように、そしてこれを見てごらんなさい。たいがいその行為に見られるのは、契約関係があったかどうかを調べておられる。そしてここに書いてあるのは、特別不正なことはなかった、特別問題のことはなかったと書いてある。その考え方は、在任期間中に、権限を利用して特別に特定会社に利益を与えなかったとか、あるいはそれに類する行為がなかったとかいうことを判断基準にされておる。それならば、刑法上の観点と同じように、この百三条に定められてあるところの国の機関と密接なる関係にあるものではなくて、国の機関でその地位についた者が、その在任中に行なった行為が明らかに利害関係を及ぼしたものというふうにこの規定が定めてあるならいいですよ。そうではないわけだ。そして柳田君のいまの質問の場合にも、ぼやぼやっとあいまいにされているけれども、具体的な権限と、それから行使する行為自身をごちゃごちゃと一緒にして、適当にと言われるが、その適当は、そんな解釈人事院に与えているのじゃないと思う。格別、また一つずつの行為人事院が全部見定めるなんというようなことは、それは越権行為ですよ。どう考えられますか。
  37. 林議員(林百郎)

    林議員 関連して私も同じ質問をするから、一緒に答えてください。
  38. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 林君、まだ許しておりません。——それでは林君。
  39. 林議員(林百郎)

    林議員 私も佐々木委員と同じ解釈をするのですが、百三条を見ますと、これは第一に、離職前五年間に在職していたということで、非常に広く職務の範囲、離職前五年間にずっと在職していた職務を調べるということと、それから「人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるもの」とありますから、この密接な関係というものは、これはあなたのようにこんなに狭く、たとえば契約関係があったとかなかったとか、在任中その機関と当該民間会社とが、あるいは許可、認可の行政的な処分をしたかどうかということではないと思う。これはだれが考えても、常識的に考えて関係がありと考える。これは常識的な範囲を考えなければならぬ。あなたのは非常に狭過ぎると思う。たとえば、私のほうで見ましても、大蔵省為替局長をやっていた者が名古屋精糖株式会社専務取締役になるということになりますと、あなたの理由は職務関係がなかったという。だれが考えたって、製糖会社砂糖を輸入するときに、為替の割り当てというものがいろいろあるのですから、直接その割り当てという行為をしたかしないかは別として、これは常識的に考えても、密接な関係といわざるを得ないと思う。それから、運輸省の海運局にいた人が、三井造船株式会社の嘱託になるとか、これが、あなた密接でないといったら、密接なんというものはないですよ。ただ、あなたの解釈は、直接契約の行政処分をしたかどうか、行政処分をしたその行為があったかなかったかということだけを、はずすかはずさないかの基準にするということは、これはあなたの専断ですよ。
  40. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 大体権限がない。
  41. 林議員(林百郎)

    林議員 そんなものはないですよ。  それからもう一つ佐々木委員は刑法上の犯罪にならないすれすれのところだけを許しておると言われるが、それはなりますよ。在職中に、将来私の会社に来てください、幾らの報酬を差し上げます。ついてはこの際便宜だけはかっていただきたい、あるいはやめたあとこういう便宜をしてください一とうせ在職中話をしてあるにきまっていますよ。これは明らかにわいろの約束または要求、しかもそれは職務に関してのあれですよ。これは全く刑法に触れるかあるいは刑法すれすれで、そんなことを法の守護者であるあなたが許しておったのでは、これはみせしめになりませんよ。だから、あなたの公務員法百三条の解釈は、これは不当に狭く解釈し、百三条の意味を全く抹殺する解釈ですよ。それは直してもらわなければいかぬと思う。  それからもう一つ山村さんにお聞きしたいのは、閣議では、だいぶたくさんいく官庁とわりに少ない官庁があるので、いっそのことプールにして、適当に公平に案分しようじゃないかというような意見が出たという、これは新聞の伝えることですから、この際、もしないならないではっきりさせておいたほうがいいと思うのです。それはわれわれから見るとはなはだ不見識な話ですが、そういうことが出たかどうかも、佐々木委員質問とあわせて答えてください。
  42. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 現実にわれわれのやっておるめどというものが、これは甘いとか辛いとか、御批判はいろいろあろうと思います。ここで申し上げておきたいのは、根本の考え方、立脚点は、これは要するにj百三条というものがあって、いまたびたびおことばに出ている第二項というものがあって、離職前五年間に在職していた国の機関と密接な関係にあるものにつくことは、離職後二年間はいかぬということになっている。ですから、いまお話のものの大部分は、この二項だけでいけばみなだめになるものです。ところが第三項がありまして、その密接な関係にあるそのものについて、人事院承認をすればはずしてやるというのですから、密接な関係の中で、われわれがどういう基準を立ててそれからはずすかということになりますと、どうしても客観的にしろうと目には、これは密接じゃないかと思われるケースが大部分であることはやむを得ないじゃないかと思います。しかし、現実の尺度が甘いあるいは辛いという御批判は——これは辛過ぎるという御批判もあると思いますが、それは別でございます。それは甘んじて受けますけれども、根本の考え方はそういうことでございます。
  43. 山村国務大臣(山村新治郎)

    山村国務大臣 ただいま林議員から、閣議におきましてプールの問題についての話があったかどうかといちお話がありまして、これに対して不見識だというお話がありましたが、私はそうは考えておりません。参考に申しますが、この点は話が多少込み合っておりまして、一つは、要するに公団公社等に対する人事の問題の話でございます。その場合において、同じ公務員でありながら、俗にいう売れ口のいい役所と売れ口の悪い役所というものがあり、特に政府の延長であるような形の公団公社等特定の役所からばかりいくということは不穏当じゃないか、したがって、むしろあらゆる公務員に機会の均等を与えるべきだというたてまえから、かえってそういうような一つのプールというよりも、むしろ制度をもう少し研究すべき段階じゃないかということを申し上げたのが私の発言でございます。したがって、どうかこの点についての御疑念がありましたならば御質問を願いたいと思います。
  44. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 ちょっとお待ちいただきます。  きょうは非常にお忙しい中を、先ほど某委員表現によれば、とにかく非常に需要が多いというか、売れ口のいいような役所の次官各位においでをいただいた、こういうことなんです。各党の委員各位からの要求によりましておいでをいただいたのでありますが、関係次官各位にまだ何も質問がありませんので、何のために来たかと思われるといけませんので、私から大事なことを伺いますが、国家公務員法第百三条の精神について、先ほどから質問があったのに対して、山村行政管理庁長官佐藤人事院総裁等から答弁がありました。きょうおいでの次官各位は、この両君から答弁がありましたような考え方と同じような精神に理解しておられるかどうかということが一点。  それから役所役所で非常に特殊性もございましょうから、わが省におきましては、ただし、特にこういうことがございますというようなことがありますれば、それも伺いたい。  さらにもう一点は、この百三条関係人事のようなことを役所で実際にめんどうを見ておられるのはたぶん次官ではなかろうかというので、きょうおいでいただいておるのでございますが、部下や旧部下ないしは同僚等について、いろいろ次官としては御心配をなさり、ある意味ではたいへん御苦労さんだと思うのでありますが、そういうことについては主として次官が心配しておられるのか。実情はそれぞれの役所でどういうことであるのか、その辺も多少伺わないと、見当はずれのようなことになってもと思いますので、別にかたくなっていただく必要はありません。実際のことを、ごく簡単でよろしゅうございますから、順に言っていただきたいと思います。どなたからでもけっこうです。ここに書いてある順序で申しますと、大蔵事務次官から……。
  45. 石野説明員(石野信一)

    石野説明員 ただいまの委員長の御質問でございますが、第一の点、法の精神について先ほど来人事院総裁、行政管理庁長官からお話がございました。結論から申しますと、お二人の御答弁と同じように私どもも考えておるわけでございます。結局、非常に弊害が起こるということを避けたいという気持ちで、私ども非常に良心的に考えるわけでございます。ただ、第三の御質問とも関連いたしますが、次官のみならず官房長、秘書課長いずれも人事をやっておりますと、役所も全体の平均年齢が延びておりますわりに、いわゆる公務員の寿命と申しますか、勤務年限と申しますか、そのほうは延びておりません。大体四、五十歳というようなところでやめていくというような慣行になっております。そういたしますと、私たちの生活の問題とかいろいろの問題もありまして、人事の上では、委員長御指摘のとおり非常に苦労しておるわけでございます。したがいまして、具体的に官房長、秘書課長がいろいろそういった点も相談に乗ったりなにかいたしまして、次官は事務当局としては最高の責任を持っており、さらに高級の局長等の異動につきましては、もちろん大臣に相談して、大臣の御決定による、こういうことに相なっているわけでございます。特に大蔵省として申し上げることは……。
  46. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 大体そういうことでけっこうです。最後に石野君の触れられた、公務員の諸君が非常に若くて定年ないしは定年のようなことでやめるというようなことについては、人物経済上いかがかというようなことで、実は国会それ自体も、もう少し国会が考えてあげて、諸君のためにも何かしなければならぬのじゃないか、こういう意見等も起こっております。前回も、北欧あたりではたとえば国家公務員の定年が七十歳というような国等もある、そういうような事例等もあげまして、国会国会なりに考えておりますから、いまのようなところも参考に伺っておきます。  それから通産省の今井次官
  47. 今井説明員(今井善衛)

    今井説明員 私のほうも広くいろいろの産業に関係しておりますので、関係会社からいろいろ相談を受けることがございます。特に名ざしでもってこの人をということはほとんどないのでございます。大体こういう経歴、こういう経験を持っておるこの程度の方について何とかお世話願えないかというふうな話を、たとえば私あるいは官房長あるいは秘書課長等に受けるわけでございまして、私どもこの法の精神、先ほどの御答弁の精神を体しまして、できるだけ関係がない、そういう人だけを選びまして、いろいろ御相談申し上げておる次第でございます。たまたま、先ほどそういう例もございましたけれども、大体御推薦申し上げる人と、それからそのつかんとする役職関係がない、であればこそ人事院で御承認をいただいているのだと思います。
  48. 福永委員長(福永健司)

  49. 岡本説明員(岡本悟)

    岡本説明員 第一の問題につきましては、長官、総裁のお考えどおりでございます。  それから第二の、運輸省として特にこういった面について特色がないかというお尋ねでございますが、運輸省は確かに数が多うございますが、特に三等級——四等級以下は、御承知のように特に承認は要りませんが、入った場合の地位が役員であります場合には、特に承認が要るわけでございますが、そういう四等級以下の、特に承認を要するというケースも多いのでございます。なぜかと申しますと、運輸所管の、特に陸運関係の事業は、中小企業というものが多うございまして、そういったところから、ぜひとも推薦してもらいたいということになりますと、やはり重役になるわけでございます。資本金わずか百万円くらいでありましても、やはり重役は重役でございまして、そういうことでわずか十両か十五両のタクシーを持っているような中小企業の場合でも、やはり役員ということになりますので、それはやはり数にあがるわけでございまして、そういう点悩んでおるわけでございます。  それから第三の点でございますが、これは大蔵次官あるいは通産次官からおっしゃったように、やはり役所におきましては、ある程度新陳代謝をはかっていくということが、事務能率を上げていく上において必要なことでございます。したがいまして、お互いに、ある程度つとめますとやめなければいかぬという心がまえは十分持っておるわけでございまして、そこで、だれを世話するかということになるわけです。これはやはり次官とかあるいは官房長とか人事課長、ときによりますと、その所管局長というふうに相なるわけでございまして、これはきわめて常識的なことばで申し上げますと、いま申し上げましたような地位にある者の当然心得なければならぬ大きな仕事になっておるわけでございまして、何とかして食いはぐれのないようにということを考えて心配しておるわけでございます。  以上でございます。
  50. 福永委員長(福永健司)

  51. 山内説明員(山内一郎)

    山内説明員 亘二条の解釈につきましては、行政管理庁長官人事院総裁の御解釈と同じでございます。  それから建設省の特色といたしましては、建設会社に相当数多くいっておりますが、技術の者が大部分でございます。したがって、せっかく得ました技術で世の中に貢献するためには、やはりそういう場が一番適当じゃなかろうか。ただ人事院規則に触れるようなことは絶対にいけませんので、人事院承認をお願いしまして、できるだけそういう人材を活用したいというつもりでございます。
  52. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 さっきの点、結論をつけておきますが、佐藤さん、あなたは百三条の条文をはっきり読んでみてください。あなたの言うのは違う。これはこうですよ。「職員は、」少し飛んで「営利企業地位で」「国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」ということです。それで「密接な関係」というのは、受けるほうの側ですよ。会社のほうの側ですよ。あなたの言われているのは、役所のほうの関係、たとえば電力局長という地位が密接な関係かどうかとあなたは見ているが、そうではない。主語のほうは国の機関ですよ。だから国の機関ということは、国の機関行為とは違う。許可したかしないかという行為とは違うのですよ。そうしてその機関に密接な関係のある会社がどうかということなんです。そこのところは読み方を違えたら悪い。あなたがさつきから言っているのは全然違って、密接な関係のある地位についておった役人が——そういう解釈をしておられるが、それは違うのです。指摘だけしておきます。
  53. 林議員(林百郎)

    林議員 もう一つ、二項と三項の関係ですが、二項に触れてはいるけれども、三項であなたが許すということは、あなたには与えられていないと思います。ただ二項の解釈について問題がある場合は、第三者の、公平な立場にあるあなたの判断に待つということで、二項に密接な関係があることは明らかだけれども、あなたがこれを許してやるという、そういう解釈は間違いだ。解釈の問題ですが、それは間違いだ。
  54. 茜ケ久保委員(茜ケ久保重光)

    ○茜ケ久保委員 人事院総裁、この申請ですね。これはどこかの次官がおっしゃったように、会社側からくれというケースが多いのか。逆に、官庁側からとってもらいたい。これは一応形式的にはおそらく会社のほうから言ってくるのでしょうが、しかし事実は官庁側でこういうのはどうだというのもあると思うのです。これについて、あなた御承知かどうか。その比率はどうなっているか。
  55. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 今度報告いたしましたものの大部分は、勧奨退職による、上のほうからお前やめたらどうか、ついてはこういうところを世話してやるがというようなことでいっているのがほとんど全部と申し上げてよろしいと思います。ただ、その中で、いまお話が出たように、会社側からぜひいい人を世話してくれということを上のほうに頼んできて、それが結びついて、勧奨退職の際に、ちょうどあそこにいいあれがあるからということでいったというケースもございますけれども、いずれにせよ、勧奨退職によってやめさせられた人がほとんど全部だということははっきり申し上げられます。
  56. 茜ケ久保委員(茜ケ久保重光)

    ○茜ケ久保委員 そこで、端的にいえば、官庁から会社にコネをつけていったほうが多いか。それと同時に、会社側からお願いにくるというのですか、佐藤総裁のお話を聞いていると、在職中に認可、許可あるいは契約等の具体的な事実がなかったということを盛んにおっしゃっておりますけれども、会社や営利団体が関係のある官庁の役人をほしいという心理状態、これについてお考え願えれば、よし在職中に認可、許可がなくても、その人を自分の会社にもらった以後、その会社がその官庁とのあらゆる関係においてスムーズにいけるという見通しがなければ、何も会社やその他のそのはもらいませんよ。また官庁からいった場合、官庁が要請した場合も何らかの関係があると見なければならぬ。そういう点を考えますと、私は、この膨大な許可をされたものの中には、実際問題としては、そういう具体的ないわゆる贈賄とか収賄という形に出ませんけれども、それを凌駕するところのものがあると思う。こういう点を人事院総裁が検討されずに、ただ出ている状態だけで許可しているとすればたいへんなことだと思う。これはいかようにお考えになりますか。
  57. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 その点は常に念頭に置いておるわけで、きわめてごもっともなお気づきだと思うのです。今度御報告申し上げた中でごらんいただきますとわかりますように、大体技術者が非常に多いのでございます。これはやはりいまの悪因縁ということがあるかもしれませんけれども、それよりも民間で有能な技術者を非常に待望しておるといろ見方もできるのじゃないかというような気持ちを私は抱いております。
  58. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 それは別な話だ。
  59. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 ちょっとおはかりいたしますが、これは本会議までに全部というわけにもいきますまいと思います。いずれさらにと思いますので、それを考慮して発言を許しますから、ひとつ……。安宅君。
  60. 安宅委員(安宅常彦)

    ○安宅委員 総裁、あなたは、第百三条の解釈については間違っているとも間違っていないとも、こちらの何回もの質問に対して、逃げておられるのか、まだ答弁していない。「国の機関と密接な関係にあるもの」ということになっておって、第三項では云々とあなた自体が答弁しておられるけれども、第三項は「前二項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院承認を得た場合には、これを適用しない」とただあるだけであって、いま茜ケ久保委員が言ったように、あなたのほうがそれをしんしゃくしたり何かする余裕があるとすれば、「人事院規則の定めるところにより」としてあるところだけでしょう。しかしその原則というものは、国の機関と密接な関係にある地位につくことを承諾し、またはついてはならないというのですから、そういう権限が役人としてあったかなかったかの問題ではない。そんなことをいったら、ちょうどうまいことに、通産省の次官が先ほど、私らのほうでは名ざしでくるような場合はあまりありませんなどという話をしておりましたが、たとえば通産省などは、逆にえらい人ではなくて、あまりえらくないのがあるのです。陸運局の検査官というようなのは、私ら調べてみたのです、ほんとうの話。そうしたら、こういうことです。百三十二ページに八千代自動車株式会社というのがありますが、そこへ検査官がいっている。何とかいう男だけれども名前は言わない。そういう人は、えらい陸運局長にコネをつけたいような立場にある会社が、何とか頼みます、いろいろ今後お世話になりたいというと、ああ、そうか、じゃこの検査官なるものを君のところの重役に——さっき言った百万円以下だか一千万円以下だか知らないけれども、やっておくがいいかというようなことでやられる。そうすると検査官そのものは、人事院総裁的な解釈をすれば、権限がないし、単なる検査官なんだから、機械的に検査していればいいのだから、そういうことはないであろうとあなたが判断を下したとしても、上のほうの重大な権限を持っている男、陸運局長あたりが、この安宅なら安宅というものをやっておくがどうだ、ありがとうございます。こういうことになっておる。だから、あなたは、この第百三条第二項というものをどこまでしんしゃくし、どこまで情状酌量し、どこかで基準を設けてやるという何らの権限をあなたに与えているものではないということをはっきりここで認めてもらわなければ話にならないじゃないかと思いますが、総裁どうですか。これはそのとおりなんだから……。
  61. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 たまたま八千代自動車のお話が出ましたから申し上げます。私のほうも実は実地調査に行って、よく調べての結果でございます。詳しいことはその書面で御了承願いたいと思います。  百三条の解釈問題でございますが、これは私どもとしてはたいへん重大な問題でございますので、もう一度言わしていただいて、またこの次にお教えを受けるようにしたいと思います。  そこで、百三条の第二項は、離職前五年間に本人が在職していた機関で、そうして今度は相手の会社は密接な関係にあるということですね。そうしますと、天下り先が会社——天下りということばはよくありませんけれども、転職先が会社でありますためにいまのような表現になったと思いますけれども、二つの要素が並立して、五年間おった国の機関権限が出てくる、それから相手の会社が出てくる、その間のまた密接な関係ということが要素になっております。これは御了承を得たと思います。  そこで、第二項だけでありますれば、密接な関係ありと思われるものは、これは全部転職を絶対に許さない、それはひど過ぎるから、密接な関係はあっても、人事院オーケーと言ったものは、これは適用しないというのが第三項でございます。密接な関係がないものなら初めから第三項もへったくれもないのであります。初めから承認、不承認の問題はないわけです。密接な関係があるけれども、これはひとつ承認してくれといって持ってこられるのがこのケースだものですから、これは常識的にいえば、みな密接な関係があるものばかりじゃないかという感覚を抱かれるのはやむを得ません。ただ、それの除外例が甘いか辛いかということは、別な御批判です。
  62. 安宅委員(安宅常彦)

    ○安宅委員 それがおかしい。あとどうせやるのだから言わないが、あなたの言う密接な関係があるかないかという問題は、あくまでも国の機関会社との関係であって、その個人の行為、個人の権限はそういうものには何も書いてないのに、あなたは軽微であったとか、不正はなかろうと思うとか、それからこの人は全然密接な職務になかったとかいう、その職務に今度問題をすりかえてやっているから問題が起きるのだということをさっきから指摘しているのです。
  63. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 この権限の問題は、なぜ百三条の第二項が機関を押えているかと申しますと、機関そのものの持っている権限の発動からえてして悪因縁が生じやすい。そういうものも常にその権限の発動と結びついてこそ機関という観念がここに持ち出されているのだと思う。そこで、その権限の発動において結びつきやすいもの、密接なもの、これは全面的にいかぬ、その中で特例をさがせといえば、権限発動関係で密接なものの中からわれわれは除外例をつくり出さなければならないというのが、第三項の宿命になっておる、こういうふうに考えております。
  64. 中嶋(英)委員(中嶋英夫)

    ○中嶋(英)委員 いまの総裁の発言からいくと、裁量の幅があるというようなことは私も認めますよ。いま問題になっているのは、その裁量の幅は認めるけれども、たいへんゆる過ぎるんじゃないかということから、強い条文の解釈が出てくるので、その点はやはり社会問題になっているからはっきりしていただきたいと思うのです。  そこで聞きたいのは、たとえばうわさ話からいくと、官房長が、ちゃんと職務分限には入っていないけれども、最近大体うば捨て山というよりは、うばにならないうちに、むしろ格上げ出世コースの一段上のような形でいいところにはめてあげるのが腕のいい官房長だというようなうわさ等が各省内にあるわけです。一方、中元や歳末の贈りものについてはきびしい規制を政府も出しておる。そういうものを出しておりながら、一方では密接な関係のある私企業と大勢として話し合いをしておる。それは私は重大な問題だと思う。たとえば、就任する個々人の問題については人事院の皆さんの裁量で許容できる、こういう条件を持っておったとしても、実際はその就任する個人ではなくて、その機関の中枢となる官房長なり人事課長が、その関係機関と密接な利害関係を持つ私企業話し合いをしておるということは、就任する者が恩義に感じなくても、官庁自体が何か情実悪因縁といった、おっしゃったようなことが深まってきていると思う。こうなると、この法の原則である私企業からの隔離というものと全然離れた、放縦な状態というものがいま生まれておる。こういう点について、総裁としてどう思われるか。同時に、大臣は、中元とか、年末の贈りもの、贈答品なんかについて、各省ともきびしい達しを庁内に最近発しておるようですけれども、やはり国家公務員はそういう心がまえであってほしいと同じように、自分の任務が終わって、次の余生を送るについて、すぐに自分の省と関係のある企業の中で次のポジションをさがしてもらえるのだという考え方が普遍化している状態をどうお考えになるか、この点をお聞かせいただきたいと思う。
  65. 佐藤(達)政府委員(佐藤達夫)

    佐藤(達)政府委員 全くお話のように、本人の問題のほかに、世話をするほうの人のコネの問題が確かにあり得るわけであります。ただ、これは法律問題としては、百三条の問題とは実ははずれておりますけれども、問題としてはある。そこで、この百三条もそうでありますけれども、百三条のごときものは、ほんとうをいえば、かねがね官紀が厳粛であって、そういうコネをつけるようなことは公務員は一切しないのだ、また、それだけの規制をちゃんとどこかで目を見張ってやっているのだということでありますれば、実際こんな百三条の基本的人権を著しく侵害するようなこういう条文は必要ないはずです。しかし、これはやはりこういう一柱を立てて、ひるがえって現職者の官紀を維持していこうという結果出てきたやむを得ない立法である。とすれば、本質はこれに置いても、やはり天下りのコネをつけるような行動を実際現職者について規制していかなければならぬという面が残されていると思う。そういう意味で、本人であろうと、それを世話をする上の人であろうと、同様の自粛が必要である、それを公務員法は期待していると思います。
  66. 山村国務大臣(山村新治郎)

    山村国務大臣 先ほど来問題になっているように、いわゆる天下り人事国民の皆さんから何か非常にコネがあるじゃないかという誤解を受けることは、私は極力避くべきだと考えます。ただ問題は、現実的にはこの委員会でも問題になっておりますように、紙一重で非常に誤解されるむずかしい問題でございます。しかし、それを説明されております人事院総裁それ自身も、先ほど実は接え室で承ったんですが、人事院の方々の売れ口も悪いということを承っておりますので、まことにお気の毒なものがあると思います。そこにむずかしい問題があり、それがこの委員会でも議論になっているゆえんだと思いますから、私は先般も申し上げましたように、この問題について何らかの制度的なものをつくる必要があるというのが、先般閣議の中における発言でもございますし、林議員から先ほど御指摘になった問題点でございます。したがって、実はこの委員会におきましてこの問題が取り上げられましたことを契機にいたしまして、幸いに、おそらく人事院といたしましても十分注意されて今後の処理をされるだろうと思いますが、しかし、政府自身としても何らかの制度的なものをつくる必要があるような気持ちを、個人的な見解でございますが、持っている次第でございます。
  67. 佐々木(良)委員(佐々木良作)

    佐々木(良)委員 いまの山村長官お話も私どもよくわかりますし、ここで言っているのはあげ足をとろうと思って言っているのじゃないこともよくおわかりだと思います。いまの次官の話もいろいろな意味を持っていることはわれわれもわかります。しかしながらいま報告書を受けて、法に照らしてこれがやられておる限り、これは恣意的に曲げられては基準がつかぬと思う。その意味で、私はもう一ぺん再考を要する意味で私の考え方だけ申しておきますから、お考えいただきたいと思います。  百三条の解釈は、規定上三項は二項の精神に反して許可を与えてはならぬ、情状酌量の余地はない規定です。それが一つ、それからもう一ぺん戻って、二項の規定は、主語が国の機関であって、国の機関担当者の許認可した事項ではない。そして受けるほうは「密接な関係にあるもの」としてあって、このものは行為ではない。言うならば、会社地位です。電気会社というものと、それから公益事業局長という地位関係であるかないか。その権限−国の機関の抽象的な権限法律できめてある権限、分掌規定できめてある権限と、電気会社が受ける価値があるか、受ける状態になっているかどうかということを規律するだけでありまして、その間に、某電力会社からその権限に基づいて申請したのを在任中に許可したかしないかということを見る余地は、この第二項の規定にはない。原則的にないでしょう。だって行為がどこにありますか。国の機関と客体は密接なる関係にあるものであって、その行為はない。もしあるとすれば、こういうことがあり得るわけだ。かわり目だけにたった一カ月だけちょっと地位についたことがある、しかしその間には何もなかったという特例を開こうとする場合には、あるいは一厘事件みたような意味で考えられる余地がある。しかし、解釈基準として、いまの二項はあくまでも機関会社、ものであって、担当した者の許認可行為関係はない。許認可権限だけだ。この基準が明確になって初めてこの解釈は成り立つのである。ところが、不許可事項も、全部行政行為自身をあなたは見ておられる。行政行為自身を見ることは、百ペんに一ぺんくらいの例外はあり得ても、まずあり得ない。私の考え方だけ申し上げておきます。
  68. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 いまいろいろ意見が出たようなことは、関係の皆さんお聞き取りのとおりであります。  そこで、私は委員長として、特に山村行政管理庁長官に申し上げておきたいのでありますが、山村行政管理庁長官も何かお考えのようです。必ずしも直ちにどういう方向へ、どういう立法措置をとるとかどうとかいうようなところまでいかなくてもけっこうでございますが、いずれにしても、こういうように問題になりましたことでもございますから、よく御検討をいただいて、いずれまたそのうちにおいでをいただいて、さらに検討を進めることになろうかと思います。これは決して皆さんをいじめるのでなくて、ある意味においては、場合によっては人事院総裁なんかの味方になることになるじゃないかと思う。先ほどのお話では、自分のところが売れ行きが悪いのに、よその売れ行きのいいのに協力しなければならぬようなこともしているように聞き取れる節もある。——これはどうだかわかりませんが、そこでひとつ、せっかくきょうおいでいただいた皆さんを中心にいろいろ考えていただいて、国民疑惑を解いていく方向へいくことがよろしかろうと思うのです。なお、山村長官を中心に、なおあなた方のほうでも御検討いただいて、また、国会国会としての判断もございますので……。  きょうは御苦労さんでした。
  69. 福永委員長(福永健司)

    福永委員長 それでは、ちょっと皆さんに念のために申し上げますが、賀屋法務大臣が歩行困難のため、秘書を議場に帯同することをお許しくださいという書類が出ております。これは要するに、きょう趣旨説明をするのに、自分だけでは演壇まで行きにくいから、肩に手をかすか何か、その程度のことだろうと思いますので、念のために皆さんの御了承を得ておきたいと思います。適当の処置をとることを御了承いただきたいと思います。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十五分散会