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大平国務大臣 OECDの
加盟の問題は近年われわれの頭にあったわけでございますが、去年の七月二十六日に
事務局から全会一致で
加盟招請を受けたのでございます。その過程でもごらんいただけますように、
わが国の
経済並びに
経済運営の実態がこの
加盟にあたっての要件を満たしておると申しますか、先進国水準にまいっておるということが実態としてあるわけでございまして、それからまた、
世界のこれに対する評価も、非常に背伸びして入ったとかいうのでなくて、もう当然
日本を迎え入れなければならぬ時期が来ておるし、迎え入れないほうがおかしいのだという評価であることも、内外の世論が証明いたしておると思います。したがって、いま御
指摘のように、
政府が
加盟を急いだというのではなくて、当然
加盟していい時期にまいったという判断で
加盟の要請をいたしたのでございます。
それから、利益の問題でございますが、これは、
外務委員会等におきましても、これに入ることのメリットについていろいろ論議がかわされたのでございますが、このメリット計算をやれといっても無理でございまして、先進国の広い
意味の
経済政策全体の調整の仲間入りをするわけでございまして、今日の国内の
経済政策、——国際
経済政策は当然でございますが、国内の
経済政策も国際的な関連と傾向を頭に置いてやらなければなりませんので、先進諸国の
政策の意図、情報、仕組み等に十分精通しておらなければ、
わが国の
経済政策の立案、運営の責任を十分果たすことはできないという点が第一でございます。
第二点として、今日、
世界の
経済は、各種の、国連並びに国連外の組織で、国際的な組織を通じての運営がはかられてまいっておりまして、ただいまわれわれの当面いたしておる問題といたしましても、国連の貿易開発
会議がある、ガットの引き下げ交渉があるというぐあいに、そういった大事な国際交渉に決定的な力を持っておる先進国と、
わが国が仲間入りをいたしまして、事前に十分調整・打ち合わせの上、この種
会議を成功に導くようにしなければならないと存ずるのでございまして、そういった
OECDの持つ事前調整機能をフルに
わが国としても享受しておく必要があろうと考えるのでございます。
第三点として、
わが国の
OECD加盟は、
わが国自体の国際的信用の象徴になると思うのでございまして、非常な綿密なせんさくをとげてクリアーされた上で入るわけでございまして、このことは金額ではかれないメリットであると感じております。
これのディメリットでございますが、これは約百万ドル内外のクラブ経費がかかるということでございます。