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穗積委員 十七条は、この前から問題になっていて、ちょっと大事な
規定でございますが、率直に言いまして、私
どもとしては、従来
領事官に与えてなかったこういう特殊な、しかもわれわれとして見ますといささか汚らわしいような重大な行為を
わが国において行なわしめることを特に権利として与えておる、これは実はどう
考えてみましても納得がいかないしかも、二国間の
領事条約というものは、
アメリカのみならず、他の国に対してもこれからどんどん結んでいこうというような御
方針であることが
先ほど明らかになったわけです。そうなりますと、よけいそういうことに対してわれわれは不安を感ぜざるを得ない特にこの(b)項の権利を、いままで与えてなかった権利が付加されるということは相当重大な問題ではないか。しかもこれは片務的なものである。
日本の立場から見ますと
アメリカのみならずどこの国に対してもそうですが、全く片務的な権利を相手にのみ与える。
条約のたてまえからいきましてもそうでありますし、それから、
内容からいきましても、はなはだしく不適当な権利を与えておる
条項である。したがって、われわれは、他の
条項について一々けちをつけたり反対するわけではありません。
先ほどからの
質問の趣旨、
態度から
理解していただけると思います。ところが、この(b)項だけは、私
どもも相当いろんな場合を検討してみましたけれ
ども、これが出てきた
経過、今後これが及ぼす影響、効果、これらから見まして、どうしても納得がいかないで、これを一番重要視しておるわけです。多くを言いませんが、この政治的な権利が突如として出てくるに至りましたことは、
領事条約というものは
外交官並みではない、従来
慣行上行なわれておったものをありのままに条
文化して混乱混淆を避けておるだけであるという御趣旨で臨まれたと
先ほど大臣からお話がありましたが、その点から見ましてもいささか納得がいかない(b)項であるわけでございます。
以上私
どもの気持ちを申し上げまして、
大臣から、この
条項を挿入して
アメリカに対して新たなる権利を設定いたしました動機、
経過並びにお
見通しについて伺っておきたいと思います。