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平岡委員 われわれも問題にしていないのです。ただし、内心じくじたるものがあるとほんとうに先頭に立ってやっていくという
意欲はわかぬはずです。だから、そういう点はやはりその人たちの心理的な状態というようなものがこれから大海運国をつくっていくということの前提になると思うと申上げるんですよ。身まわりを清らかにして、そのかわり
日本政府の予算とか財政投資は思い切って出してやっていく、それで短期間に往昔の海運国をつくっていく、そういうことをやらなければならないと思うのです。どうしても過去の陰影がくっついているのでは、
政府の一部の指導者が大いに張り切ってやろうとしても、三すくみじゃないけれ
ども、ファイトが出てこないと思うんですね。
〔正
示委員長代理退席、
委員長着席〕
そういう点で、われわれとすれば、いまのような立ち入ったことについてもやはりここで議論をしておく必要があるということを申し上げたわけです。深追いをするわけじゃありませんし、そのことで
政府をひっかけようというようなちっぽけな考え方は
一つも持っておりません。ここに
大平さんもおりまするけれ
ども、例の「はだか随筆」で後年ばかに有名になりましたあの佐藤先生は、私の学生当時
経済地理学を教えておりました。私も
大平君も同窓ですから、
大平さんもその講義を聞いておると思うのです。そのときに大国の定義を下しました。大国たるための
条件は三つある、その
一つは、大きな人口を持っているということ、それにふさわしい土地がやはり望ましいということ、しかし、それよりも一番大切なのは、国民の強者たらんとする意思ということでした。それは、狂信主義的
国家主義者、そういう意味ではないのです。やはり国民の強者たらんとする意思が強国たる
条件のうちで一番大切だと言っているわけです。ですから、海運業界を歴史的に見て、世界の最右翼に行けるような歴史的な
実績もありますし、そういうことで、この苦境を何とか克服して前進させなけばならぬと思っております。そういう点で、特に運輸大臣は
政府にあってこの部門を担当しておられるわけですから、業界を大いに鞭撻し、
意欲をわかせ、予算もうんと取って、何とか短期間に海運を回復させるために挺身せられるように特に望んでやまないわけであります。
何か
質問が横っちょにそれましたが、私が
質問しようとしたのは、嵐の中に立っておる海運業界に対しまして緊急措置というものが
一つもないことを心配いたしておるのです。商品の輸入の場合におきましては、まだ自由化のあらしを防ぐ防波堤があります。すなわち関税であります。国内産業を守るために、緊急関税の実施、セイフガードの発動等により、ある
程度あらしをとめることができます。しかし、海運自由化によって
わが国船会社が打撃を受けた場合には、このような緊急措置による救済の道はないと思うが、海運自由化の場合の緊急措置があるのかどうか、それを御
説明願いたいと思います。