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帆足委員 それでは、きょう外務次官、通産次官、経済局長、
通商局長、警察当局及び
移住局長及び入管の責任者に来ていただきましたのは、急ぎのことがあったわけです。これは、先ほど申し上げましたように、
中国との貿易は一割になれば一千万人の人口を養える、現状で約五百万の人口をすでに養っているというほどの数量になって
おります。その貿易拡大の方途の
一つとして、
北京、上海で見本市を開きましたところが、数百万の観衆が集まりまして、そして、いわゆる
日本ブームというような状況で、
フランス、イギリス、西ドイツ等から来ている貿易商の方々も大いに驚いた、認識を改めた、こういうことでありました。また、数年前に開きました見本市に比べまして、ちょうど四年ぶりか五年ぶりでしたが、そのために
日本商品の進歩のめざましいことに
中国の
国民の皆さんも驚いて、陳毅外相すら、やはり
日本民族は偉大な知能を持っている
国民である、こうひとり言を言われたということを私は通訳から漏れ聞きました。そして、
北京、上海の展覧会に出しました出品物の九五%というものは
中国側が全部買い上げまして、持ち帰りのものは、五%とか一〇%程度でございましょう。経費は国が補助金を一億二千万円出されたと伺いますが、なおかつ五、六千万円が不足であると伺って
おります。この貿易増進に役に立った成果から見まして、展覧会当事者が非常に節約をしておやりになってなお五、六千万円の赤字である、そういう赤字に対して、
政府当局もできるだけ好意をもってあっせんするというお気持ちで多少は業界にも訴え、また、地方の五大都市の商品が出て
おりますから、五大都市の自治団体にも
政府から助言をしていただきますならば、その程度の穴埋めはでき得るのでなかろうか。したがいまして、これは
政府、役所、民間よく御協議くだされて、そして善処していただくことを、われわれは
国民の
立場から要望する次第でございます。
第二に、緊急の問題は、この見返りといたしまして、四月に東京、六月に大阪で今度は
中国の大商品見本市が開かれます。その準備のために若干の要員がすでに入国いたして準備しなければ四月の花見時に間に合いません。したがいまして、四月一日から開くとすれば、今日すぐに準備技術員がまいらねばなりません。
北京、上海の見本市におきましては、約三百五十人の技術要員が
日本からまいりまして、商品の説明をしたり、設営をしたり、警備の手伝いをしたり、事務をしたりいたしました。さらに三百五十人ぐらいの方々がそれを参観に行きまして、また、多くの貿易商の人が巨額の貿易取引を行なったと聞いて
おります。そして、短い人は四カ月、長い人はやはりあと始末まで入れますと六カ月ぐらい滞在期間がかかりました。そして
一つのいやな空気もなくて両者和気あいあい裏に展覧会を終わりましたことは、
安藤委員も御承知のと
おりでございます。
そこで、議員有志が集まりまして、与党、野党の議員が懇談いたしまして、これは大体において大成功であった、したがって、展覧会当局の労をねぎらい、適切な指導された通産、外務省当局にも感謝の意を持ちつつ、あと始末についていま一段の積極的御協力を願いたい、これが第一です。
第二に、延べ七百名からの
日本人が
北京または上海に行き来した。また長きにおいては六カ月どうしてもかかるのです。したがいまして、今度は
先方からまいりますのがありまして、香港にただいま待機して
おります方々が七名、展覧会準備の立地条件とか見取り図とかをつくる必要上二月十日に参りたいというのが八名、十五日に香港を立ちたいというのが十五名程度でございますが、香港で長逗留をいたしますと、まだ香港はコレラの余じんもありますし、治安上も問題がありまして、やはりあまりよくありませんから、香港で判こを押したらすっとそういう先発隊が来られるようにしていただきたい。後発隊のほうは、東京百名、大阪六十名、かれこれ百五十名から二百名の限界で人の入れかわりがときどきあります。御家庭の都合とか、奥さんがお産をしたとか、あるいは、専門の技術のために、早く帰り、またあとの補充員が来るというようなことも起こりますが、経費節約のために船でまいりたいという希望を持っているようでございます。これは治安維持の点から
考えましても、経費節約の点から
考えましても、考慮の余地のあることである。したがいまして、それについての手続をどういうふうにすればよいか、御研究を願いたいと思います。同時に、香港経由のときに、香港に三、四日も滞在ということになれば、気持もいらいらいたしますし、いろいろ不都合のこともありますが、香港経由でまいります特殊要員、特殊の技術者に対しまして、すらっとパスポートが渡せるように準備を外務省のほうでしておいていただきたい。しかし、これに関連のあります局は法務省、入国管理庁、これは向こうの人名のリストを一応手続上眼を通さねばならぬ。展覧会のほうとしましては、実業及び技術専門家、若干の
範囲の許された人数の
新聞記者等を
考えて
おりまして、それ以外の、たとえば文化使節等々をいま日程にのぼしているわけではありません。したがいまして、見本市の開催に関連して必要なる技術要員または
関係ある職業の人または指導者の方々ということになろうと思いますから、
先方がわれわれ
日本国民に対してスマートに親切に取り扱ったように、われわれ側もまたスマートに能率的にかつ親切に取り扱う、その準備をしておきませんと、やはり各官庁の手続がありますからまちまちになりまして、予想外の
そごを来たす、そして、展覧会のスケジュールに支障を来たすということになりますから、そういうことのないように、
北京、上海見本市の成功の実情を申し上げましたし、参考資料も皆さんのところにお送りいたしますから、
北京、上海の大きな成果をよくごらんください。また、貿易統計もお送りいたします。そうして、東京、大阪の見本市が和気あいあいのうちに成功するように、しかも不幸にしてまだ国交正常化になっていないときに見本市の果たす役割りの
意味するところのもの、またそれを許可した内閣の心持ちをも皆さんが体せられて、これを成功させるというお心持ちで、前向きの姿勢で協力していただきたい。
これにつきまして、誤ったニュースかもしれませんが、国警のほうで、春花見どきには人手がたくさん要って、また自信がないから、少し延ばしてくれとか、多少の雑音があるということも聞きました。わがスマートな国警に、警察方面にそういう認識不足はなかろうと思いますけれ
ども、万一、自己の職責に忠実なるあまり、木を見て森を見ず、やはりつい社会全体の状況に対してはおつむが弱くなって、そして近視眼的になって、仕事の支障になるというようになっては困る。国警の皆さんに手伝っていただいて一緒にやらねばならぬものが、逆に抵抗するように職業的になっては困るというので、責任者の方に来ていただきました。きょうは長官がお見えになっていませんが、長官によろしくお伝え願います。そして、長官は制服でいかめしくやりますと、何事ぞ花見るときの長刀ですか、そういうことになりますから、展覧会では普通のスマートな洋服をお着になって、展覧会から特別の警備員の記章の美しいのを差し上げますから、そして職務を果たされることが望ましいという議論です。また、両国国旗に対して不当な
措置をするというような国際常識のない人も、中には、教育の欠陥もあって、これは文部大臣の責任でしょうけれ
ども、
おりますから、そういうことの起こらないように、今度は鉄の長い柱を建てまして、両国国旗を立てる必要のあるときはそういうような
措置でもして、あやまち、むだなことの起こらないように、
日本国民として常識ある人で一人としてこの展覧会を撹乱しようなどというものはありませんけれ
ども、世の中には例外というものがありますから、そういう例外の起らないように、国警当局の御協力を願いたい。
以上のごとく、手続の迅速化、何よりも前向きの姿勢、御理解と御協力をお願いする次第でございます。そして、この展覧会は、島国
日本国民としては将来一千万人口を養うくらいの数量に急速にいまなろうとしておるという貿易の
一つの一里塚でございますから、そういう
国民的認識を持って御協力を願いたい。それぞれ御担当の当局からひとつ御理解と御協力方の意思表示をお願いしたい。こういうことです。