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1964-02-19 第46回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会原子力政策に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十九年一月二十四日(金曜 日)委員会において設置することに決した。 一月二十四日  本小委員委員長指名で次の通り選任された。       菅野和太郎君    佐々木義武君       中曽根康弘君    西村 英一君       福井  勇君    細田 吉藏君       前田 正男君    渡辺美智雄君       岡  良一君    河野  正君       久保 三郎君    原   茂君       山内  広君    鈴木  一君 一月二十四日  中曽根康弘君が委員長指名で小委員長に選任  された。 ————————————————————— 昭和三十九年二月十九日(水曜日)    午前十時二十三分開議  出席小委員   小委員長 中曽根康弘君       佐々木義武君    西村 英一君       福井  勇君    前田 正男君       渡辺美智雄君    原   茂君       山内  広君    鈴木  一君  出席政府委員         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   江上 龍彦君         総理府事務官         (科学技術庁原         子力局長)   島村 武久君  小委員外出席者         科学技術振興対         策特別委員   寺島隆太郎君         科学技術振興対         策特別委員   田中 武夫君         原子力委員会委         員       駒形 作次君         原子力委員会委         員       兼重寛九郎君         原子力委員会委         員       西村 熊雄君         参  考  人         (日本原子力研         究所理事長)  菊池 正士君         参  考  人         (日本原子力研         究所理事長) 森田 乕男君         参  考  人         (日本原子力研         究所理事)   菅田清治郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  原子力政策に関する件(日本原子力研究所に関  する問題)      ————◇—————
  2. 中曽根康弘

    中曽根委員長 これより原子力政策に関する小委員会を開会いたします。  原子力政策に関する件について、これから調査を進めます。  御存じのように、原子力行政に関しましては、日本原子力研究所に関する問題、原子力船に関する問題、原子力発電に関する問題、原子力長期計画に関する問題等調査研究すべき問題は山積しているのでございますが、本日は、まず、日本原子力研究所に関する問題について調査を進めたいと存じます。  本問題調査のため、本日は、日本原子力研究所理事長菊池正士君、同じく副理事長森田逓男君、同じく理事菅田清治郎君に参考人として御出席願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本小委員会に御出席くださいまして、どうもありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べくださるようにお願いいたします。  それでは、参考人より、大体次の項目を頭に置いて、原研現状並びに将来に関する問題点、あるいは改革すべき諸点等について御発言を願いたいと思います。  すなわち、第一に、原子力日本における位置原研、つまり、原子力というものが、日本の将来のエネルギー界、あるいは学問上の研究問題その他の問題における位置原研というものがどういう関係にあるか、どういう使命を原研は果たすべきかというようなことが第一です。  第二は、そういう感覚から見て、あり得べき原研の姿、原研理想像と将来の発展像。  第三は、原研問題点。すなわち、第一は、経営管理の問題、この点は管理機構あるいは管理者の能力、あるいは上級、中級、下級管理者協力関係、給与、昇進制度、あるいは原研職員士気、モラルの問題。第三は、研究管理の問題、その中では、開発研究の問題や、研究員間の協力の問題、各部局にある主任研究員、副主任研究員、あるいは研究員、あるいはその下にある技術者運転要員その他との関係、こういう問題についてお述べ願いたいと思います。第三は、経営研究との関係、それがうまくいっておるのか、うまくいってないのか、うまくいってないとすれば問題点はどこにあるか。第四は、労務問題。特に原研労働組合特殊性。第五は、監督官庁や法規の問題、特に原研自主性の問題。第六は、産業界との協力。第七は、学界との協力。第八は、地域分離関係、すなわち、東京の本部と東海村と高崎に分かれることになりますが、その統一や協力関係をどうするかという問題、あるいは組合問題等もこういう問題で出てくるだろうと思います。  それから第四は、将来の原研の規模、プロジェクトと原研現状、そういう将来飛躍するために、現在どういう状態にあって、どういうふうにしたらいいかということです。  第五に、原研から見てどういう点を、いまのような点から見て改革したらよろしいか、足りないところはどこにあるかというような点について、原研側がお述べ願いたい。  次に、原子力委員会から、それに関連して御発言願いたいと思います。  それでは、最初菊池参考人から御発言願います。
  3. 菊池正士

    菊池参考人 ただいまの委員長の提起されました種々問題点を頭に入れてということでございますが、非常に広範な、大きな問題でございますので、私の短い発言ではとうていすべてを尽くせないと思いますが、さらにこまかい点は、副理事長菅田理事もおられますから、また御質問に応じ、あるいはその他の点で申し述べたいと思います。  最初におっしゃいました原子力日本における位置原研という非常に大きな問題でございますが、私のただいま原研理事長をやっておりますそのままといいますか、率直な私の感想を申し上げるのが、一つのこの問題の要点とは申しませんけれども、何か大事な点をついていることがあるかもしれませんと思いますので、率直に私のいま原研理事長をやっております点の感じを申し上げたいと思います。  まず第一に、日本原子力出発の当時のこと、ちょうど七、八年前のことを考えてみますと、まあ非常な意欲と勇猛心をもって、短期間に諸外国とのおくれを取り戻すというような非常な勢いをもってこれに飛び込んだわけです。まあ極端にいえば、これは猪突というと申し過ぎかもしれませんけれども、ずいぶん思い切った決心で飛び込まれたというふうに私は感じます。  当時、私は学界の側におりまして、学界の側は、これはかなり批判的であり、消極的であった。私も学界の側にありましたのですが、原子力のような事業が当時の学界のような消極的な——消極的と申すと語弊があるかもしれませんが、非常に用心深い態度だけでは、原子力というものはとても日本には芽ばえまいというふうには考えておりました。したがって、私も当時原子力委員会参与等をいたしておりましたが、出発後にも、私は学界としてできるだけこれに協力してやっていく考え方をとってやってまいりましたのですが、とにかく非常な決心勇猛心をもって開発に飛び込んだという状態でございました。  それから約八年ばかりたって、現在の原研というものが置かれている状態といいますのは、私は決して弱音を吐こうとは思いませんけれども、これを戦争にたとえるならば、非常な決心でもってある部隊を送り出した。それで、非常な苦戦をしている。それに対してあとから兵たん部補給部隊もどんどん来ればいいのでありますが、これがなかなかおくれていて、来ない、前線に取り残されて非常に苦戦をしておる、そういう感じを私は率直に申して持っております。これは決して私の弱音ではありませんが、事実そういうことになっていると思います。それで、いろんな労務問題、その他の関連も、こういった非常な苦戦状態になりますと、いろいろな意味士気も乱れます。こういう場合に、士気をまとめ、秩序を保って整然とやるということは非常な努力が要る仕事でございます。そういうふうな場合になれば、いろいろな士気も乱れるでありましょうし、戦争の場合ならばスパイが入り込むという余地もできましょうし、いろんな問題がそこに起きるわけでございます。  ですから、私はこの原研の問題を他に押しつけようとは決して思いませんけれども、そういった日本全体としての原子力開発という観点からこの原研の立場を十分に見ていただいて、そして、原子力政策というものをはっきり立てていただいて、この際戦線を縮小するとか、あるいは補給部隊をどんどん送るとか、そういったような措置をここで十分とらなければ、せっかく飛び出していった先発隊が見殺しになるという事態も起こりかねないということを私はここに申し上げたいのであります。  それで、それはただ私の非常に一般的な感じを申し上げたのでありますが、もう少しそれを秩序立てて申し上げるならば、確かに日本には原子力委員会というものがございまして、これが原子力政策をきめてまいります。現在原子力開発に関する長期計画という毛のもできております。私は何もそれ自体についていまここでとやこう言う筋のものでもございませんし、それ自体は整然とした一つ政策として出ております。しかし、かなりそれが抽象的なものでありまして、必ずしもあまり具体的にはなっておりません。それから、そういう原子力政策を遂行するためには、必ずそれに伴ういろんな予算的、あるいは人員的な裏づけが必要になります。それで、私の一番感じますのは、原子力政策を立てるということと、それに伴うそれの実行計画の具体的な樹立、これが必要だと思います。実行計画と申しますのは、金と人の問題でございます。これを現在のごとく——これはまた国のいろんな予算組織基本に触れますことでありますから、私がいまここで申し上げてもどうなるものとも思いませんけれども、原子力研究のような息の長い仕事をするためには、どう見ましても、一年ごとの概算要求の提出、それの切った張ったといったやり方、これでは大きな計画の立てようがございません。諸外国のいろんな例を見ましても、いまの日本のような予算やり方原子力開発をやっている国はないといっていいと私は思います。少なくとも向こう三年くらいにわたってのはっきりした予算と人の裏づけというものがないことには、こういった仕事はできないといわざるを得ないと思います。これは必ずしも原子力だけの問題ではないと思います。日本全体としてのいろいろなこういった技術的な開発という問題は、みなすべてこういった問題がからんでいるのでありまして、私は何も原子力だけに時別措置をしなければいかぬというところまでは言っているわけではございませんが、日本の将来のエネルギー問題として原子力のことを非常に重要視されるならば、少なくとも原子力について何かそういった考慮がしていただけないと非常にむずかしいということを感ずるのであります。これは決して弱音とか泣き言を申すつもりはないのでございますけれども、四年間ばかり原研仕事をやってまいりまして、つくづく感ずるところであります。もちろん原子力委員会ともたびたびそういう話はいたしますし、原子力委員会としても十分その点は考えて、いろいろやっていてくださいます。しかし、これは単に原子力委員会とか原子力局とかだけの問題ではございませんで、日本全体のいろいろな面のあり方関連することだと思います。そういったことが私はこの原子力をやっていく上の基本に大きな問題としてあるということを申し上げたいのであります。しかし、そういうことばかり申し上げていたのでは、決して実際にはものは進みませんので、私は私なりにいまのできる範囲内での仕事を進めつつあるということでございます。したがって、その面でこまかい面についてはいろいろなこまかい問題が出てまいります。いま申しましたような基本的な問題と原研が持っておるいろいろな問題とは、あらゆる面で非常に密接な関連を持っている問題だと私は思っております。  大局的な話はそのくらいにしまして、いま少し原研現状を申しますと、主として原研について、炉ばかりつくっているとか、仕事を、間口を広げているとか、いろいろな非難がございます。御承知のように、原研には現在JRR1、2、3、4と四つ研究炉がございまして、そのほかに動力試験炉JPDRがございます。それから、それに伴っていろいろ大きな研究設備としてはホット・ラボであるとか、あるいは再処理試験場であるとか、それからまた最近はRI製造工場もどんどんできつつあります。こういうように非常に大きな施設ができつつある。こういったものが、一部の——一部とは申しませんが、非常に間口を広げているという非難もございますけれども、少なくとも原子力を今後日本がやっていく上には相当しっかりしたファウンデーションが必要なんでありまして、これらのものが今後の日本原子力発展のためのファウンデーションにとっては必要欠くべからざるものであろうと私は信じております。おのおのの炉について、これはこういう目的である、ああいう目的であるということを申し上げるのは非常にこまかくなりますから、省かしていただきます。  それから、それでは今後こういうファウンデーションの上にどういった仕事をやるのか、今後の問題、原研開発目標をどういうところへ置いていったらいいかということであります。これがいまの原子力政策とも密接に関係してくることでございまして、いま原研としてこれだけはやっていこうと思っていることで、はっきりしておりますことは、第一番目は、まずいわゆるプルーブン・タイプといいますか、現在欧米でもう十分開発された炉で、近い将来日本にどんどん導入されてくるであろうという、これは産業界を通じて、電力業界を通じて入ってくるであろうという炉型で、主としてこれはイギリスのコルダーホール、これはもう建設もなかば以上進んでおります。それから、二号炉としては、おそらくアメリカ式軽水炉が入るであろう、将来ともこの軽水炉型は相当な数が入ってくるであろう。そういうようなことを目標といたしまして、こういったものに対する、たとえば今後はこれがだんだん国産化されていくことが当然考えられる。そのための国産化、それから国産に伴って、これはただ前のものをまねしてつくるだけではなく、いずれその部分部分でありましょうが、改良しつつ国産していくでありましょう。そういったことに対する寄与、これを一つ原研の重要な目標考えております。  それから、さらに非常に遠い将来を見ましたときに、原子力の将来が高速増殖炉に置かれているということ、これはいま各国とも共通な目標であります。この高速増殖炉というものが完成いたしませんと、原子力というものの開発をやる意義というものが非常に減殺されます。しかもプルトニウム利用であるとかトリウムの利用であるとかいう面を考えていきますと、増殖炉開発ということは原子力開発上不可欠のものであるといってもいいと思います。もっとも、カナダの例の——カナダ天然ウラン重水型のあれに熱中しているのですが、カナダのある学者は高速増殖炉は要らぬということを書っておりますけれども、それは一つの説でありまして、一般に各国ともこの高速増殖炉必要性はだれもが認めております。開発段階もまだそう非常に進んだ段階ではございません。これにはいろいろむずかしい技術がございますので、われわれとしても、高速増殖炉の問題はいつまでもこれを追究していき、でき得るならばやはりここにある程度の実験炉建設目標に、これを追究していきたいということを考えております。しかし、これはまだ実験炉計画原子力委員会においてオーソライズされているのではございません。われわれとしては、それに必要な設計研究であるとか、あるいは部分的な技術開発を進めていくということは考えています。  それからもう一つは、いわゆる二年ばかり前から出始めました国産動力炉開発をひとつやる。これは遠い将来を考えますと、高速増殖炉一本ではこれに必要なプルトニウム資源をどこからか持ってこなければならぬ。その資源を持ってくるために別のタイプの、いわゆるコンバータータイプの炉が必要になってまいります。そういうタイプの炉型とパラに進めていくということが、今後三十年、五十年、あるいは百年にわたっての原子力発電所あり方であるという考え方から、この高速増殖炉のほかに、もう一ついわゆるコンバータータイプの炉というものの開発をやるべきであろう。こういう炉ももちろん諸外国でいろいろなタイプの炉がすでに開発されつつあります。したがって、日本としては非常に特殊な考え方から、ほかの国にないようなそういうものをやろうといたしましても、これはもうちょっと不可能であります。したがって、各国ですでに開発には手をかけておるけれども、その中でも特に日本にとってこういう種類のものが非常に重要であろうと思われるものを取り上げて、今後の国産動力炉の炉として取り上げていこうということが原子力委員会考え方でありまして、その部会で決定されたのがいわゆる重水炉天然ウラン基調とした重水炉ということになっております。これはたいへん当を得た選択であると私は思っております。というのは、重水炉が選ばれた意味は、天然ウラン基調とするというところにございまして、それにこういう大きなエネルギー資源の問題でありますから、日本としてアメリカ濃縮ウランにたよるということはもちろん悪いわけではありません、これは十分それでいいのでありますけれども、しかし、単にその濃縮ウランだけにたよっていくということは、いわゆる資源確保安定性という面から申しまして、やはり欠けるところがあろう。したがって、日本電力の大きなパーセンテージをやはり濃縮ウラン型と天然ウラン型と分けて受け持つべきであろうというのが、これは私個人の持論になりますが、そういう考え方から、この重水炉選択というものは非常に当を得ていると思うのです。  現在、それでは重水炉でどういう型をやるかということについていろいろ検討中でありまして、その型の決定が本年中になされる予定で、いろいろ調査団の派遣その他をやってまいりまして、これは外国の情勢をすっかり調査いたしまして、いまそれを検討中でございます。しかし、この型をきめるということは将来の原研仕事として非常に重大なものであり、どうしてそういう型をきめるのかというフィロソフィーがはっきりしないとまた中途でいろいろ問題が起こりますので、その決定はできるだけ慎重にしたいと思って、いま検討中でございます。これが決定されれば、そういった意味国産動力炉増殖炉開発、それから最初に申しましたプルーブン・タイプの炉の国産化、改良、そういったことを原研開発主要目的としてやっていきたい、かように考えているわけでございます。  それらの仕事を進める上に、われわれとして現在持っておりますような施設というものは決してむだにはならない。それから、三十九年度から材料試験炉建設が、予算がきまれば始めることになっておりますが、こういうことがすべてこういうことの研究に生きていくということは十分信じております。  ただ、しかし、いま申しましたようなことを進めるにつきましても、これは決して簡単なことではございません。相当の金と人がそこにつぎ込まれなければできないということになりまして、それが前にも申しましたような、主として国の予算制度あり方とかいう面に非常に強く影響されてまいります。われわれとしては、よくカナダの例が出されますが、カナダチョークリバー、オンタリオその他の研究所でやられておる人の数などを見ますと、日本原子力に従事している人の数、つまり原研だけでなしに、その他メーカー・グループを含めて考えましたならば、原子力に従事している人間の数はそう違うわけではありません。金の面にいたしましても、それほど違っているわけではありません。しかし、カナダでなぜあれだけ重水炉だけに集中してすべてのことができるかということを考えますと、第一に、国が重水炉以外は使う方針をとっておりません。外国から濃縮ウラン型のものを入れようという考えは持っておりません。重水炉一本です。もちろんカナダには天然ウランが豊富にあるという面もございますが、しかし、それでいわゆる天然ウラン重水型で燃していけば、その中でできたプルトニウム自体を燃していけば、これは高速増殖炉さえも要らないのだという徹底した考え方、それ一本に、政府考え方から電力界考え方から、何から何までそれ一つに限られているわけであります。したがって、研究所としてもそれ以外のものを取り上げるという必要もないわけで、そこに集中してそれが行なわれるわけであります。日本におきましても原研の人の数はあれだけいるから、これをどこかに集中したらいいじゃないかということをどなたも申されますが、どこへ集中するのかということになりますと、原研だけの考え方で集中してみても、それが産業界あるいは他から見て、これがいれられなければ意味がないことであります。したがって、政府産業界その他がほんとうに一つになってできる目標がそこに樹立されるならば、それに従って原研がそれに集中するということは、いともやすいことだと思っております。そのほかの部分はあまり見られないで、ただ原研だけを見て、原研がバラバラになっている、戦線が広過ぎるというような御批判だけを受けましても、われわれとしてはちょっと納得できないわけであります。もちろん、われわれ自身として考えなければならぬ点が多々あることは考えております。ですから、われわれとしましては、いま申しました高速増殖炉の問題と、それから国産動力炉の問題、それからプルーブン・タイプ、とのことだけに将来できるだけ限って進めたいということで、所内の整備、いろいろな基礎研究等、こういった開発研究の配分のあり方その他については、いろいろと検討もし、それをやっていきたいと思っております。しかし、それにしましても、これだけの業務量にいたしましても、予算の面はとにかくとしても、いまのところ人員の面でわれわれとしてはまだ不足があるというふうに考えております。  以上が、委員長が提起されました一番最初の、原子力日本における位置原研という問題のうちにすべて含まれていることと思いますが、同時にまた、そのあとにおっしゃいました種々の問題にもそれぞれ関連のあることになっておると思いますので、一応私の話はこの辺で打ち切りまして、また御質問によりまして考えを申し上げたいと思います。  どうも長いこと失礼いたしました。
  4. 中曽根康弘

    中曽根委員長 いまのお話の中で、われわれ聞きたいと思ったのは、内部経営管理の問題です。内部機構とか、あるいは労務問題やなんか、問題がなぜ起きているか、どうしたらよいか、そういう所見をひとつ述べてください。
  5. 菊池正士

    菊池参考人 それでは、まず経営管理の問題から問題点を申し上げたいと思います。  一つには、何といっても仕事の性質が非常に新しいということ。これがいまの御質問の要旨のお答えになるかどうか知りませんけれども、原研の中には、こういった仕事をやろうと思いますと、各種さまざまの人が各種さまざまの仕事、たとえば非常に基礎的な研究をする人、これに非常に学問的な研究者を必要とする。炉の運転をするような場合には、これはむしろ非常に技術的な人が要求される。それから、それに対する技術サービスの面とか、いろいろな種類の人を必要とする。そういったことに対するいろいろな経営のむずかしさということ、これはいままでにないようないろいろなむずかしさがそこに出てくるために、経営の面に非常に困難がある。また、それを十分に処理して、ここはこうやったらよい、ああやったらよいということをどんどんやっていく能力の不足ということももちろんあると思います。したがって、そういう面で非常な問題がある。しかし、非常に具体的な面で言えば、先ほどもちょっとお話があったかと思いますが、東海というところにああいう大部隊があり、そして東京に本部というものがある。この機構をどういうふうに能率化したらよいかというような問題がもちろんございます。これについてもわれわれいろいろな意見を持っておりまして、改めるべき諸点もあると思います。つまり、東京本部と現地との関係が必ずしも一元的にいかない、その組織上にも多少不備な点があるということを考えております。  それから、研究体制の問題がございます。この研究体制の問題につきましては、いま非常に苦心しておりまして、いま申し上げましたように、原研の将来の目標に合うように研究体制を整えるための努力をしております。そのために、相当大幅に中の研究機構を変えるということ、部とか研究室の改廃というようなことまでやるべきだという意見が出ております。ただ、これは拙速では困りますので、十分にこの開発目標というようなもの、たとえば国産動力炉は何にするというようなことがはっきりきまってきた段階でそれをやっていくのがほんとうだと思いますので、この四月から急にそれをやるというふうにはいまのところ考えておりません。  それから、労働問題でございますが、これはJPDRの場合にいろいろな問題が起こりましたが、いわゆるJPDR等について起こった問題も、分析しますといろいろな複雑な問題がありますけれども、本質的な労務問題として起こってきたJPDRについて起こった実情を申しますと、ああいうものの建設に当たる人は、相当高度の技術者あるいは研究者に近い人たちを相当多く必要とします。建設自体を、とんかちをやる人の意味ではございませんが、その研究をまとめ、建設をまとめ、そしてそれを監督し、それをつくっていく段階では、非常に高度の技術的な知識を持った人、研究者に近い人を大ぜいつぎ込んでやってきたわけでございます。しかし、それが一方完成して、運転という段階に入りますと、そういう人たちがただコントロール・デスクですわって運転するのでは、そういう本人の仕事として不適でありますし、十分に陣容のある外国なんかでは、そういう建設段階が済めば、すぐそれを運転のグループに引き渡すというようなかっこうで、簡単に片づいていくわけであります。原研では、まだ原子力に関する運転とか保守とか、そういったような要員が十分に育っておりません。そういった人たちの訓練や養成ということは、われわれも十分心がけておりますけれども、しかし、実際にそういうことができるようになるためには、そういう炉があって、そういう炉にくっついて仕事をしてそういう人は養成されていくのであります。どうしてもそういう要員の不足を生じます。したがって、仕事が非常に無理になる。あっちこっちに無理ができて、いわゆる労働条件が悪くなるというような事態もそこに出てまいります。それから、非常に高度の知識や技術を持った研究者に、そういった仕事を長いことやらしておきますと、そこに不平不満も出てまいります。そういったようなことがJPDRには一つの内在的な問題としてだんだんと含まれて、最後の段階にそういうことが非常に起きた。一方、原研の一般的な労使関係のよくない問題もございまして、そういうものとこういうものが結びついて、ああいうようなたいへん申しわけないような事態が起こってきた、そういうふうに考えます。今後とも、そういうことがすべて解決されたわけではございませんで、まだこれからいろんな面にこういうことが出てまいりますので、つとめて事前に、これだけの仕事をしていくために必要な量ばかりでなく、質もそれに適したような人をどんどん養成していくと同時に、やっていかなければならない。しかも、そういう特殊な人というのは、実際にそういった原子力関係施設ができて、そこで働きつつ養成されていくものでありますから、どうしてもそういった人の養成ということがあとを追っかけ追っかけやらざるを得ない。したがって、そこに絶えず無理が出てくる。これはしかし、こういった発展の途上やむを得ないことでありまして、その間に労使間の一般的な関係がよければお互いに協力して何でもやろうという意識がそこに生まれて、そういう問題も克服してどんどんやっていけるわけでありますけれども、その他いろいろ複雑な問題もありますし、それから先ほど申しましたような、たとえば研究目標とか、そういったようなものについてまだ十分徹底していない点もありますために、複雑な要素が結びついてああいうことになってしまった、そういうふう見ます。この点につきましては、しょっちゅうそれを担当しておられる副理事長菅田理事もおられますので、さらに補足される点もおそらくあるかと思います。
  6. 中曽根康弘

    中曽根委員長 どうも御苦労さまでした。  菊池理事長の御発言に、もし原研のほうで補足する点がありましたら、森田理事長あるいは菅田理事から御発言願います。  労務問題についてもう少し実情をお聞きしたいんですけれども、どちらでもよろしいから、もしよろしかったら御発言を願います。
  7. 森田乕男

    森田参考人 労使間の問題につきましては、常々よく紛議を起こしまして、まことに申しわけないと存じております。いま御質問の中で、労組の特殊性という点からお話が出ましたが、根本的に申しまして、われわれのほうは特殊法人ということになっておりまして、資本金の大体九五%までは国のお金を使っておるという関係上、労使間におきまして、組合は民間と同様の組合としての権利義務を持っておられ、われわれのほうはある程度制限された、内容が十分でない経営権を持って話し合いをいたしているということは、これは間違いないように私思うのでございます。労使間がうまくいくということは、相互に信頼関係ができなければ非常にむずかしい。この信頼関係を得るような経営者の態度というものは、いまの現状ではなかなかうまくとれないのではないかということが、その根本に伏在しているように感ずるのでございます。  それから、われわれのほうの組合特殊性から申しますと、これはずいぶんたくさんあると思うのでございますが、たとえば大学を出られました方が四〇%以上もおられる。こういう組合というものは非常に少ないのでございまして、したがって話し合いをいたしましても、普通の民間の単なる労働条件だとか労賃だとかいうもののほかに、いろいろむずかしい問題が理屈の上で起こってきますし、しかも、その話す対象の、たとえば安全性だとか、そういうことにいたしましても、社会的に、学問的にはっきりいたさないようなことをエンドレスにディスカスする。しかも、仕事は進んでおって、法律やなんかの以前に事実が先行しているというようないきさつがあった。幾ら話し合いをしても、話がなかなかつかぬというようなこともあるのではないかと思われます。  先ほど理事長もちょっと言及されましたが、もともとスタートいたしましたときから、研究所として研究。プロパーの仕事が非常に多かったにかかわらず、このごろ、たとえばJPDRが動き出せば、これを運転するということは普通の工場のオペレーションとあまり変わりはないというようなことで、異質の労働が入ってきた、こういうところに管理上の非常にむずかしい面が出てまいったように思います。  それから、当初スタートのときにいろいろの方面からお見えになっておるので、ヒューマンリレーションについても、この歴史が浅いがために、なかなかむずかしい面もあるように思います。普通民間で会社の合併などをいたしましても、大体十年しないと一つの融和した形態もなかなか実現できないというようなことから考えましても、そういうむずかしさがあるのじゃないかと思われます。  それから、これは根本的の話になるかと思いますけれども、先ほどのほかの多くの問題にもかかわるかもしれませんが、原研あり方というものはいささかはっきりしない。と申しますのは、たとえばここにちょうど関連性のことが書いてございますが、産業界との協力学界との協力という問題にいたしましても、これがおのおの学界のおっしゃる御注文も、それから産業界のおっしゃる御注文も、すべてこれは少しずつニュアンスが違うように思う。そうすれば、研究所でとっておる態度が、一方によければ一方には悪いということに必ずなってくるのじゃないかと思いますので、できますなら、国の金を使ってやっているのでございますから、研究所というものはこういう形でもってあるべきだから、こうやれということを、だれか第三者がおっしゃっていただけば、非常に事柄がめんどうなく、組合関係にしましても非常に楽にいくのじゃないかという気がいたすのでございます。  それで、これから先組合との関係も、組合も健全に発達していただきたいのでございますし、組合とわれわれとの間に共通点というものが当然あるべきだと思うのですが、この共通の目的というものが民間の会社とかなんとかのようにコンクリートに明らかにそのことが出てまいらないということがあると思うのですが、何とか双方で共通点を求めて、よく話し合いをして双方うまくいくようなふうに持っていきたい。  同時に、先ほど申しましたように、経営者側に対等と申しますか、経営権としてはある程度欠けた経営権を持っておるのだということを組合のほうもある程度認識をしてもらいたい。そうでないと、対等にやられていろいろな要求を出されても、われわれの経営権以上のことを要求されるのではわれわれは返事もできないというようなことになると思うのです。だから、われわれは組合をほんとうにうまく育てていってもらいたいということを非常に念願いたしておるのでございますから、われわれはいままである程度経営者の責任もあったと思います、ルーズな点もあったと思いますので、こういう点についてノーマルな状態に戻していくということは当然であろうかと思いますが、これは決して弾圧でも何でもないということをよく理解をしていただきたい、こう思うのでございます。一応この辺で。     —————————————
  8. 中曽根康弘

    中曽根委員長 以上で参考人の意見陳述は終わりました。  質疑の通告がありますので、これを許します。福井勇君。
  9. 福井勇

    福井委員 簡単なことを一、二お尋ねいたしたいと思います。  原研の昨今の事情を、私は私なりに相当存じ上げておるつもりでございますが、菊池理事長さんほか森田さん、菅田さん、またほかの関係の役員の方はほんとうに日夜御苦心になっておることを、私は非常に感謝しておるものでございます。  現在、東海の原燃などを含めて、一般の人の見学の規則は、どんなふうに見学を許しておられますか。簡単なことでありますから、理事長でなくとも、御担当の方でけっこうです。
  10. 菅田清治郎

    ○菅田参考人 お答えいたします。  東海研究所の見学につきましては、あらかじめ電話なり書面なりをもって事務的な手続をしていただき、見学される人の種類によってある程度の差異はございますが、御案内いただきましたものについては、構内課あるいは庶務課において手続に従って案内をし、説明をし、事情によりましては現場の実体に入って御説明を申し上げる、こういう形で進めております。
  11. 福井勇

    福井委員 私の見聞いたしておりまするところでは、まるで百貨店同様に、ミーちゃんでもハーちゃんでも公開の原則に従ってというルールを順守しておいでになるでございましょうか。各国の状況と比べてまるで研究者のインターフェアになるということをはっきり想像するくらい、ここに殺到しておるように受け取れます。個人的でありまするが、私の関連しておる研究者なども、ちょいちょい、不満ではなくて、連絡がありまして、聞きますると、何とかもう少し規制するほうがよくはなかろうかというようなことも聞きます。もっと極論すれば、私は案内することにオーバーワークしておる人がたくさんあるように推測するのです。私の知る範囲では、コール、ダーホールであろうと、ヤンキーであろうと、インディアンポイントであろうと、あるいはドレスデンその他の研究所でありましょうとも、そういうところはもう少し制約をしておるように思えます。そこでデパートのように——これは私のかってな放言かもしれませんが、公開の原則ということにあまりこだわらずに、研究の発表などはどんなことでも公開はできるのでございますから、もう少し制約をしたほうがいいと思いますが、理事長、そこの御見解はどうか。
  12. 菊池正士

    菊池参考人 現在原研の見学者の数は非常に多うございまして、年間二十万をこすような始末であります。しかし、その大部分の方は団体の高校生とか、そういう方が多うございます。そういう一般の方については、見学のコースも、制限というか、きまっておりまして、われわれほとんど研究者その他に迷惑をかけずに済む状態になっております。これはそういうのを制限しますことは、いい面もあるかもしれませんけれども、私はやはり原子力というものを高等学校の生徒なり何なりに広く見てもらう、しかも安全であるということ、具体的の理解を持ってもらうという意味でも、そういう人たちに見てもらうということは決して悪いことではないと思います。そういう点は別に制限する必要はない。ただ、それが決して研究者の迷惑にならぬようにするということは、極力いたしたいと思います。それからそうでない、学界の方とかあるいは産業界の方、それからその他の方々の御訪問も非常に多うございます。そういう方々も、単にいわゆるバスで通る見学コース以外に、それぞれの施設その他へ御案内することになりますが、そういう場合に、あるいはいまおっしゃったような、案内や説明を頼むために研究者の方に相当の労力をかけなければならぬ事態も事実ございます。しかし、こういうことも極力避けまして、一応案内に当たる人は案内専門にできるように努力しております。こういう一面も、一般的に申しますと、さっきの学生の面と同じでございまして、原子力というものをなるべく広く理解していただくというような意味で、なるべく皆さんに見ていただきたいという感じを私は持っておるのですが、これは必ずしも公開の原則ということに従うためにやっているというよりも、むしろできるだけ皆さんに内容を知っていただきたいというような考え方からやっている次第でございます。  外国との比較でございますけれども、外国とは研究の性質が違いますためにそのやり方が非常に違っておりますが、極力いまおっしゃいましたような弊害は除くようにやっていきたいと考えております。
  13. 福井勇

    福井委員 世のためにいいことであれば、どんなことをやってもいいというわけではありませんので、やはり東海村は研究所でありますから、いまの理事長の方針は、私も趣旨はそのとおりであろうと思うのです。また実際において案内された人は、実に感謝し続けながら帰っております。その取り扱いは、親切過ぎるという表現をあえてしたいくらい丁寧にやっていらっしゃるということを私はつかんでおりますが、この場合研究所でありますから、やはりそこの点で若干理事長の高邁な——ミーちゃんハーちゃんまで、とにかく人が見えないように、研究者の目をおおうということは表現がへたでありますが、研究しておる人たちに妨げにならないように、一〇〇%見学するということはできることではありませんので、それらの点をもう少し研究されて、日本だけが東海村に百貨店のようにどんどん行けるということでなくてもいいと思っております。いまの段階でありますから、理事長のおっしゃるように、やはり全部に知ってもらうということはたいへんけっこうなことでありますが、もう少し何らかの——規制をするということばを使わしてもらいましょう。——規制をされて、ほんとうに研究が遂げられるように。私は海外の各研究所などの状況も、研究の内容は皆さん何べんもそれぞれのところを御検討になっておりますが、見学状況ということも少しよくお調べになって、公開の原則に反しない限りもう少し制約をしてもらいたいという、これは委員の一福井としての意見でございますが、希望しておきます。
  14. 中曽根康弘

    中曽根委員長 山内広君。
  15. 山内広

    山内委員 私は、この委員会に席を持ちましてからまだ非常に日が浅いのでありまして、科学には非常に弱いほうですし、この間初めて東海村を一通り見せていただいただけで、十分知識がありませんので、あるいは的をはずれた質問をいたすかもしれませんが、二、三お伺いいたしておきたいと思います。  理事長さんのお話で非常に胸を打たれたのでありますが、この仕事をおやりになるときに、非常な意欲と勇猛心をもって当たってみた、ところが、八年の間にいろいろな壁にぶち当たって苦戦をしておられる。私、非常に心から御同情申し上げるわけであります。しかしながら、いろいろ学者の良心の立場に立って将来計画もどんどん進めておられる。そのまじめな態度に敬意を表すると同時に、私ども国会の立場からも、何とかしてこの原研が将来ますます平和利用のために伸びるような措置を講ずる責任がお互いにあろうかと思うのであります。  そこでまず、いまの御説明の中から、私、ふと感じ取ったことでお聞きしておきたいのであります。えてして、こういう仕事をやる場合に、特にこういう日本で初めての事業をやるのでありますから、非常に思いもうけないいろいろな壁があると思うのです。私これを予算の面から考えた場合に、どうも組合の方の訴え、理事者の御説明、そういう点に少し食い違いがあると思うのです。というのは、これはひとつ例を先にあげたほうが御理解が早いと思うのであります。船を建造する場合は、ドックで設計どおりやって、そうして船に乗る人、船員は完成してからそれに乗り組んで試験をやってみて、これならやれるということになって初めて引き渡されるわけであります。また、それを半年なり一年なり使ってドックに入れる場合は、ドックが全部請け負って運転できるようにしてくる。ですから、そこの乗り組み員というものは、まあ平常な形で仕事がやれるのであります。この原研の場合は、どうもその点の明確な判断を欠いておると私は思うのです。こういう新しい仕事ですから、想像もつかないいろいろな問題があると思いますけれども、この創業費というものと経営費との分離が、はたして最初からなされておったかどうか、このことは非常に大事だと思います。そうでありませんと、最初は将来に非常な希望を持って、国会でもやれやれということでやった。ところが、現実にやる人は、全部初めから創業の仕事建設仕事に労務をとられてしまう。だから、原研を希望して入った大学の人は、すぐ中に入って原子力研究に取り組めるという希望を持っていったところが、労働者と同じように朝から晩まで菜っぱ服を着て働かされる。この辺から、こういう研究所ができ上がってしまうと、今度は大蔵省は大蔵省の立場から予算というものを査定する。会計検査院は会計検査院の立場から予算を効果的に使っておるかどうかということをやってくる。そうしますと、一つの大きな官庁のこういうメカニズムの中に入ってしまうと、当初こういう事業を始めようと希望を持って入った人々が、そのほうに精力がとられてしまって、そういうギャップというものが八年間続いたというような印象を私は非常に受けるのであります。行ってみますと、まだいろいろ修理もしておる。みんなりっぱな大学の教授クラスの人が労働者と一緒になって、八年も働いておる。一生懸命、かんかん働いておる。そのことが悪いというのではありませんが、一年や二年ならしんぼうできるでしょうが、八年間もそういうふうにやられて、ほんとうの肉体労働者になったら、私は研究の意欲を失ってくると思う。そういうところにどういう配慮を当初予算の組み方が、こういう建設の事業と経営段階に入った場合との区別をはっきりされたかどうか。その点、どなたかから御回答いただきたい。
  16. 菊池正士

    菊池参考人 いまの山内さんの御指摘の点でございますが、確かに船の例と比較いたしますと、設計をする陣容、それから建設をする陣容、運転をする陣容、これがはっきり区別がされております。ああいう原子炉のようなものも、当然設計をする陣容、建設をする陣容、それから運転をする陣容、これは別個の質的な人の構成でできておるわけでございます。ただ、原子炉の場合には、船のようにはっきりわかっていると申しますか、たくさん前例のあるものと違いまして、運転と申しましても、それはできたものを運転しているのを見ると非常に簡単でございますけれども、しかし、あの運転をしている人の頭の中にはいろいろな種類技術的なもの、つまり相当高度の技術的な知識と経験を持っていませんと安全な運転というものは望まれないのであります。そういった種類運転員、補修員というものがそう簡単には得られない。かなりの長期の年月をかけて養成する必要がございます。ですから、現段階であれだけの炉ができていった場合に、設計は設計、建設建設建設が終わりますとすぐそれを運転グループに渡すという形がとれなかったということがございます。JPDRの問題も、先ほど触れましたようにそういった点の困難が非常にございます。  これは、将来とも炉をつくっていく場合、多少ずつ残る問題でございますので、今後は、いますでにある炉によって——こういった人を養成するためには炉そのものがそこにないとできないものでございますから、今後はあれだけの炉がすでにございますので、運転の要員はそういうものによってどんどんできるだけ訓練していきまして、これは実地訓練でなければほとんど意味をなしませんので、訓練をしつつ、たとえば今度の材料試験炉建設であるならば、建設当初から、設計に当たる陣容、建設に当たる陣容、それからできたものの運転に当たる陣容の養成ということを頭に置いて仕事を進めるように、いま十分に配慮しつつございます。そういうように、非常に計画的にものごとを行ないますのは今度の材料試験炉が初めてでございまして、それがどういうふうにいきますか、できるだけいまおっしゃったような線に沿いたいと思います。それに伴ういろいろな予算上の問題もございますが、しかし、これははっきりとそういう計画を立てて、委員会、局、大蔵省ともお話しすれば御了解を得られるものと存じております。
  17. 山内広

    山内委員 理事長さんは、学者の立場でいろいろこういう事務的なことで苦労されておるのですが、もう少し突っ込んでお聞きしておきたいと思うのです。これは理事長さん御自身答弁されなくともけっこうです。  いま話のありましたようなことは、私十分承知の上でお聞きしておるわけです。初めてのことですから、それは責任のある方が建設の途上からその中に参画するということを私は否定しておるのじゃないのです。船のようにやれということを言っておるのじゃないのです。ただ、この創業と、経常の状態になるところの分離をいたしませんと、予算をつける場合に、さっきも申しましたが、大蔵省は大蔵省という一つの立場からやっておられる。別にみみっちいことを言って、予算をつけたくなくて言っているのじゃない。他にたくさん研究所がありますから、ことだけ特殊な扱いをしてやるというわけにいかないのでしょう。よそのほうにも波及するという配慮がきっとあると思う。さっき申しました会計検査院でもそうであります。ですから、こういう新しい、ほんとうに未知の分野を開拓するのですから、予算折衝にも、分けてやっておけば、何年かででき上がればその予算は消えてなくなってしまう。そうすると、大蔵省で予算をつける場合に、この部分は将来なくなるのだから、何もいまつけても原研だけを特別扱いしたことにならぬという安心感があれば、われわれも主張できるのです。そういう特殊な配慮、予算の中にもきめのこまかい考え方を示さないと——これは理事長さんの仕事でなく、別の理事さんもたくさんおるのですから、そういう人たちがそういう分離した考え方に立ってお考えになりあるいは大蔵——あなた方直接大蔵省ではないのですが、われわれに示してくれば、これは過渡的に二年なり三年なりこういうものを見てやろうじゃないか、そうしてでき上がったらはずしてしまって、すべて公務員並みというか、でこぼこのないようなことを考えよう、こういうことで、実は非常に予算をとりやすいのです。こういう新しいものをあなた方主張される場合、予算がとれないで困るということはないと思う。やれやれと、もうみなおっしゃってくれておるのです。こういうところで働いている人から、予算の問題で不満を聞くということは、技術的にどこかに欠点があるのではないか、そういうふうに私は思うのです。もう一ぺん、どなたか担当の理事者から伺いたいと思います。
  18. 菅田清治郎

    ○菅田参考人 ただいまのお話は、建設過程にある原研としてはまことに願わしいことだと思うのでございますが、建設当初から建設の準備費的なものは、実際問題として予算に計上されておりません。ただ、建設部の中の業務費という費目がございますが、そこで若干建設過程の諸経費をまかなう形がございます。建設が進行しますと落ちるというのがございます。  同じ面を、かりに給与の面から申しますと、原研発足当時の給与というものが、これをつくった当時から、相当高い形で発足しようという構図は、原研ができる前の原子力合同委員会の時代からございました。それで発足いたしまして、当初は民間に対して二〇%とか三〇%とかいった水準の高さを一応取り出してまいりまして、それが実際の運営の面で、現におる人と新たにとる人の幅が相当ございました。そこらでの操作上のいろいろな処理がございまして、ある程度の高さを保てたということができるかと思います。特にそのために予算をとったということではございませんが、運営上そういううまみと申しますか、処理できる余地を残しておった。ところが、次第に実体的なものが大きくなりまして、新たにとるものが少なくなると、そういう余地がなくなる。これは自然のあたりまえの趨勢と私は理解いたしております。特別にそのための諸経費というものを計上してきたということではないのでございます。原研自体現在八年になろうといたしておりますが、まだ創設期的な建設段階を相当持っておりますので、そういう考慮が何らかの形で払われるということになれば、仕事を進めるには非常に都合がいいと思いますけれども、一面から申しますと、いまおっしゃった大蔵省の予算計上の面、あるいは検査院的な角度でものを検査する場合に、そういう形でなかなか右から左にお許しをいただけない、これまた実情でございます。
  19. 山内広

    山内委員 こういう点は私どもも研究し、あなた方も大いに研究されて、いろいろ問題が起きておる現在ですから、これを解決する一つの足がかりとして、そういう点まで触れて御研究いただきたいと思います。  次にお尋ねしたいのは、この会社は特殊法人ということで発足したいきさつは、この前の委員会で実は初めて私耳にしたのです。官庁の中の一部局としておけば、なかなか予算の問題も取りにくいし、予算も使いにくいだろうという親心から、特殊法人ということである程度の幅を持たせた、こういう御説明を実はこの前の委員会でお聞きしておったわけです。  ところが、現地へ参りまして、皆さまからのお答えを聞くと、これが一つも生かされておらない。たしか原子力局長の御答弁も、私がいま申し上げたことを肯定しての御答弁であったようでしたが、現地へ行くとそれを否定しておるわけです。この点なども、もう少し、原研がとやこう労務管理の問題から社会の指摘を受けないような配慮は、この辺にもあったのではないか。  この前何か、アメリカさんのほうで、GE社ですか、あそこから問題がきて、とめられたというときにも、話を聞くと、三百万の金の融通というか、使用の権限を理事長が持っておれば、ああいう騒ぎは起こらなかったというお答えも、実はどなたかからあったわけです。そういうことをひとつ考えてみましても、せっかく特殊法人という性格を与えて、幅の広い、活動のしやすいような機構にしてやっても、これが生きていない。これは一体どういうことなのか。これは原子力局長あたりのお考えも聞いておかぬといかぬと思うので、ちょっとその辺の御回答をいただきたい。
  20. 島村武久

    ○島村政府委員 私が先般お答え申し上げました点が、現地に行かれてごらんになりました結果、裏切られておるというようなおことばがございましたが、私は、この前申し上げましたことにつきましては、今日も私の考え方、あるいは事実といたしまして、そう信じておるわけであります。原子力研究所につきましては、ただいまお話がありましたように、設立の当初から給与関係というようなことも考慮いたしまして、優秀なる研究者を招くためにも、国立研究所として設けることは不得策であろうというところから、ああいう形態になったことは、これは御指摘のとおりでございます。その後の原子力研究所の給与の実態といたしましても、その趣旨は私どもといたしましては、貫かれておると思っておるわけでございます。これは国立研究所の給与の実態から考えてみましても、はるかに上回るものでございます。  また、先日申し上げましたように、その間の運用の問題につきましても、先般は学会出張旅費等についてお尋ねがございましたけれども、これらにつきましても、おそらくは予算上、一般の国立研究所の二倍以上もの予算が計上されておると思います。また、実行の面におきましては、国立の研究機関でありますと、そのワクをこえては使用できない形になっておりますけれども、原子力研究所は弾力性を持っておりまして、実際に調べてみましても、この予算を上回る支出をいたしておるような現状でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、なお先般も申し上げましたように、改善すべき幾多の点はあろうかと思いますけれども、また、その程度につきましてはいろいろ御意見もあろうかと思いますが、現状においては、国の予算を使用して、大部分を国の予算でまかなうというような研究所の限界近くまでの努力はいたしておると申し上げるわけでございます。
  21. 山内広

    山内委員 私は、会計検査をする場合に、この特殊法人に対してどれだけの権限を会計検査院が持っておるか、そのことは私はまだ勉強不足でわかりませんけれども、九五%の国費でありますから、ほとんどこれは会社としての性格を受けないで、全部会計検査を受けると思うのです。そうすれば、会計検査は会計検査という立場からやるのであって、何も悪意だとかまま子いじめをしたい気持ちでやるのではない。結局これは、当初国会なりあなた方なりがこの特殊法人までつくった気持ちが、将来すくすくと自主的に伸びていかせるという配慮がここまで及んでいなかったということです。これはやむを得ない。会計検査を何も悪く言うことはない。つくるときは国会なり、あるいはいろいろな学者の方と話し合わしてそういう配慮はしても、いまになって、大蔵省とか会計検査とかみんな歯車ががたがたとかみ合わないで動いているから、こういう問題が出てきた。これをどうしてほぐしてうまくかみ合わして運転させていくか、将来伸ばしていくかということは、これから私ども大いに考えなければいかぬ点だと思うのです。  この点、私ちょっと、いまの副理事長さんですか、労務管理のお話の中からも感じ取るわけです。というのは、大学出が四〇%いるのは特殊なんだ、平たくいえば、理屈が多くてやっていけないんだ、だれか第三者が強力な指示をしてこの問題を解決したい、そういう意味のお話がありました。これはちょっと筋が通らぬ。大学を出た良識のある人たちですから、労務管理からいったら、こんなやさしいところはない。これはやりようですよ。力があるのですから、へたにすればこれは抵抗が大きいでしょう。しかし、じょうずに労務管理をやったら、こういう良識のある人を集め、しかも理科系統の人ですから、一生懸命自分の仕事に専念させるような機構をつくってやれれば、私はこんないいところはないと思う。それを第三者に依存し、何か力でもって押えようというところに、労務管理の誤りがある。  そこで、私はひとつお聞きしたいのです。いまここに資料を持っておりませんけれども、あなた方からいただいた中に、理事長さん以下たくさんの名簿があります。たしか理事も十何人、二十人近いと思いましたが、並んでおる。私は一人も面接した方がおりません。一体理事の人も、あれだけの陣容を整えておったら、もう少しあなたの期待する第三者の強力な指示をするくらいな労務管理、じょうずにこの間を調整するくらいの理事さんを配置されてしかるべきだ。これはそういう形を、どういうところで選考され、どういう——これは名前を出す必要はありませんが——中身はどういうふうになっておるのですか。大ざっぱなことでいいのですが、どういうところからお入りになっておる理事さんか。もしお漏らし願えたら、そういうところから……。
  22. 島村武久

    ○島村政府委員 原子力研究所の役員につきましては、日本原子力研究所法にきめられておるわけでございます。任命のしかたは、すべてこれは内閣総理大臣の任命に相なっております。人数は二十人もおるとおっしゃいましたが、理事長、副理事長その他七名の理事、もっともそのほかに監事が二名おりますので、合計はたしか十一名だったと思います。任命権は内閣総理大臣が持っておりますけれども、内閣総理大臣は理事長を任命いたします場合には、原子力委員会の同意を必要とすることになっております。副理事長及び理事を任命いたします場合には、原子力委員会及び理事長の意見を聞いて任命することになっております。なお、監事につきましては、原子力委員会の意見を聞いて任命するというように、それぞれ若干ずつ任命をいたします場合の手続がございますが、趣旨といたしましては、できるだけ原子力政策を遂行いたしますための民主的な運営ということのために、いわば最高機関として設けられました原子力委員会と緊密な連携を保ち、その意見を聞いてやるということがふさわしいという考え方、及び理事長の補佐役をつとめられる、理事長を助けてその業務を遂行せられるところの副理事長及び理事につきましては、その上にさらに理事長の意見を聞くことが適切であるというところから、他の類似の法人と違って、そのような配慮はなされておるわけでございます。  なお現在おられます理事長以下の役員の方々につきましては、これは学者の分野から来られた方が相当多数おられます。そのほかに産業界あるいは官庁の経験者というような、出身はそれぞれになっております。また、大部分技術系統ではございますけれども、もちろん御指摘のように事務系統の方もおられるわけであります。
  23. 山内広

    山内委員 原子力研究所が時代の脚光を浴びているだけに、私の考え方としては、たいした問題でもない組合の問題が世間には非常に不当に——不当といいますか、興味を持って大きく取り扱われ、社会の興味を引いておる。そういう感じがいたすのですが、それだけに、この研究所は社会の注目を浴びている。そういうことで、あまり無益に報道機関の興味を引かないように、ひとつじょうずな労務管理をやっていただきたい、これが私の希望であります。そういう意味でひとつ——これは任期があるのかどうかわかりませんが、理事さんの将来の選考の上にも、もっとこういう点、理解と手腕を持って出るような理事さんの御選考も一応考えられたらどうか、こういうように考えます。  参考人でよそから来られた方には非常に失礼なものの言い方をいたしました。心からおわび申し上げますけれども、これは決して皆さんを悪く言うつもりではなくて、将来の原研あり方に少しでもお力添えを申し上げたいという微意でありますので、今後ともひとつ希望を持って大いに働いていただきたいと思います。  これにて終わります。
  24. 中曽根康弘

    中曽根委員長 ほかに御発言ございませんか。西村さんいかがですか。何か御発言ありますか。
  25. 西村英一

    西村(英)小委員 きょうは聞くだけにしておきたいと思ったのですが……。  理事長からお話を聞きまして、原子力開発目標ですね、それがしっかりしていなかった、これからの開発目標をきめて、高速増殖炉その他もやりたいということです。政府開発目標がしっかりしていないからぐらぐらするのだというように聞こえましたが、開発目標ということになると、政府とはどこをさすのですか。原子力委員会ですか。原子力委員会長期計画、いろいろなことを立てておるが、それはそれとして認めるが、というようなお話もありましたが、もう少し原子力委員会がしっかりした開発目標を示していただきたいというふうにもとれるし、どういう気持ちなんですか。気持ちをざっくばらんにひとつ。
  26. 菊池正士

    菊池参考人 原子力委員会長期計画というのはございます。これはこれで、それに対して私、意見を申し述べる機会は十分与えられておるのでありまして、長期計画そのものには私自身も十分積任を感じております。  それを実行する上の方法として、私さっき申し上げましたのは、いまのような予算制度でなしに、ああいう息の長い仕事なのでありますから、計画を具体化していくためには予算なら予算にしましても、少なくとも向こう三年ぐらいの予算というものがはっきりわかっておる。人の計画にしても、これだけの人は三年間なり何なりにちゃんと確保できるんだという、はっきりした見通しの上にその計画を実行いたしませんと、実行の面で非常にそごを来たしたり、来年度の大体の見越しで事を始めますと、来年度の査定の際にそれがそのとおりいかないとかいうことによって、非常にやりにくくなる、そういうことを申し上げたのであります。  ですから、私はいまどなたのどこが悪いとかいうことでなくて、むしろ私は、原子力というような息の長い仕事をやるという体制に即応したような、日本全体としての予算制度とか、そういった組織がそうなってないんじゃないかという疑問を持つ、ということを申し上げたのであります。
  27. 西村英一

    西村(英)小委員 その仕事をやるのですから、ことに研究ですから、継続費制度ができておればいいのですが、いまは単年度制度ですから……。しかし、こういう大きい問題は、ちゃんと計画を立てられれば、それはそれで、単年度制度の予算ではございますけれども、私はそう困難性はないと思うのです。だから、あなた方のほうの要求のしかたといいますか、そういうようなことも少し強力にやっていただけば、そう私は困難性はないように思われるのです。それは原子力だけ継続年度の予算を立てることはいまの制度としてはできませんけれども、ちゃんと計画的に立てたらいいと思うのです。  それには、いま言ったとおり、目標というものがしっかりきまっていない。何となしに、その目標政府がきめるべきではないか、さっぱり政府はきめないじゃないか、だれを政府といってきめてもらいたいのか。しかし、いま理事長は、みずから今後の開発目標も明示されましたが、いままでやはり何となしにぼやぼやした、不明瞭な点があった。研究者は諸外国の後塵を拝するのでなく、みずから自主的に研究をしていきたいと思っておった。ところが、どういうことか知らぬが、外国のものだけ輸入して、そのあとをどんどんついていくだけだ。研究者の気持ちと原子力委員会を含めた、政府の気持ちがぴったりいかないんだ、その辺が非常にやりにくいんだというふうに聞こえたのですが、そういうふうに受け取っていいのでしょうか。  それからまた、いまの予算の継続の問題ですが、これも当然そういうお気持ちをもって、年度予算ではございますが、継続予算のつもりでやっても、十分われわれとしても努力して進めたいと思うのですが、その辺どうですか。
  28. 菊池正士

    菊池参考人 私の主として申し上げたいのは、むしろ金の面より人の面がおもなのであります。計画につきましては、委員会等と十分連絡をとりつつ、また、委員会の設定した長期計画の線に沿って私は進めていくつもりでございます。  ただ、それに伴う金と人のことでありますが、金の面は、いまおっしゃいましたような債務負担行為とかその他の面で、かなりいままでもやっていただいておりますが、それにどれだけの人が要るかという面になりますと、必ずしも私どもの十分思うだけの人は、ずいぶん努力はしていただいておりますが、やはりよくないということが実情であります。
  29. 西村英一

    西村(英)小委員 その人の問題というのは、どういうのですか。適当な人がとれないというのですか。とってはいかぬということなのですか。採用したいといっても、採用してはいかぬというのですか。採用するような人を見つけられないということですか。どういうことですか。
  30. 菊池正士

    菊池参考人 毎年本年度の人員増が幾らということは、予算とともにきまるわけでございます。それ以上の人は、人件費がつきませんからとり得ないわけです。
  31. 中曽根康弘

    中曽根委員長 ほかに御発言はございませんか。——なければ、本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。  参考人に申し上げますが、私が最初に申し上げました原研に関する調査項目につきまして、文書をもって所見を提出していただきたいと思います。  なお、原子力委員会からも、別個に、原子力委員会独自の見解を、これらの諸項目について文書をもって御提出願いたいと思います。  時期は今月一ぱい、今月の末日までに御提出願いたいと思います。  これらの項目に対する御所見は、抽象的な、いわゆる大臣答弁的なものは必要はないのであって、ものごとの実体に触れた、核心に触れた御見解を御提出願いたいと思います。いわゆる大臣答弁と称するようなものは、出されても意味はありません。われわれはこれを取り上げる意思はない。われわれがこういうものをお願いするゆえんは、こういうようないま一番大事な問題について、この両方の関係者が何を考えておるか、また国会に対して何を望んでおるか、そういう改革の方向を探究せんとしておるのでありますから、実体に触れた御見解を御記載願いたいと思います。そういう意味で、時期は今月一ぱいでけっこうでございますが、恐縮でございますが、なるたけ長文のものを御提出願いたいと思います。  参考人の皆さまには、長い間、いろいろありがとうございました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二分散会