○岡委員 それから、気象衛星の問題です。答申等を拝見いたしましても、また
科学技術庁としても、この気象観測に先般の打ち上げでは努力をしておられる。ロケットをある高度に打ち上げての気象観測というものは、おそらく気象予報上のデータを得るという
意味で、これは気象庁の平生業務というような形になってもいいと思うのです。
たとえばタイフーンがなぜ起こるか、私も専門家ではありませんが、専門家の
意見を聞いてみると、どうも地球の上から上を向いて風向きを見ておってもわからない。気象衛星を打ち上げて、上から星の送ってくるデータを解析して、タイフーンならタイフーン、ハリケーンとかモンスーンというものの発生機転がどうやらつかめそうな期待が持てる。この間もアメリカで専門家の方に会って話を聞くと、タイフーンというものは、私
どもが考えておったように赤道あたりのどっかの島あたりで起こるものではない。むしろ南半球から出るというような話を漏らしておりました。いずれにいたしましても、気象衛星を通じてどうやらタイフーンの発生機転、あるいはハリケーンなりモンスーンがなぜ起こるかという原因がつかめそうな気がいたします。そこで、私の会った方々は、これからはタイフーンのメカニスムスをつかんだ上でこれをどう予防するか、これが科学の手によって実現し得ると思うが、根本的には全世界的な専門家の協力、
政府の努力が必要だろうということを申しております。
御存じのように、
日本はタイフーンだけでもおそらく年に二千億前後、しかもこれが川原の石を積むような形での血税のむだづかいをしておるわけです。こういう問題は、私は特にこの審議会としても、あるいはまた気象庁としても真剣に取り上げてもらいたいと思います。たとえば気象衛星のタイロスでございますか、ニンバスでございますか、自由にこちらのほうでアンテナを立てて写真が受信できるというふうなものも向こうでは私に示して、お安いものだから買ってくれないかなということも申しておりました。そういうことは別といたしましても、これはやはり国際協力の中心の課題として、ぜひわがほうでも、
政府においても、審議会においても、真剣に取っ組んでいただきたいと思う。もしこれがかりに実現可能だという状態になれば、人間の福祉にとってこれほど大きなことはないとさえ私は申し上げたい。実験的には昨年の八月でしたか、カリブ海で三百十五マイルの一日の風速のハリケーンが、やはりある操作によって四十八時間ほどで十五マイルの風速になった。私はこの新聞記事を向こうのウエザー・リサーチ・
センターの
責任者の方に、これは事実確実なのかと言ったら、これはまだなぜ起こるかという原因がはっきりつかめないときに、たまたま思いつきでやった
仕事だから、科学的にこれでやればやれるということを申し上げかねるけ
ども、まああわせて実験を進めておるのだと、いうようなことも申しておりました。そういうこともありますので、ぜひひとつこの問題については真剣に取っ組んでいただきたい。
それから
最後に、実は長官にちょっと食いつきたいのです。さっき
山内君の
質問に対する御
答弁で、
原子力研究所の研究成果があがっておらぬというようなことを言われた。事実あがっておらないかと私は思いますが、実は私
ども先般打ち連れて東海村へ行ってまいりました。そして
理事者の方に、組合の方々、また原研はえ抜きとでも申しましょうか、若い情熱を燃やして五年、六年苦労してくれた中堅の諸君、私
どもそれぞれに会って、いろいろ
意見を率直に聞かしてもらったわけです。ところが、きのう、おとといの新聞を見ると、何でも炉が運転を停止した。それから、菊池さんをはじめ
理事の方が辞表を出した。これは、この六年間三百五十億ばかりの金を投入した原研としてはたいへんなことだと思う。これは、そのこと自体、やはり監督の
責任にある方の政治的な
責任は免れないと思う。しかし、私はそういうことはさておきましても、なぜこんな事態になったかという点、私
どもは東海村へ行って、いま申しました諸君から率直な
意見を聞きました。できるだけそれらを公正に判断をいたしました結論としては、この原研というものの今日のあの混乱というものの
責任は、むしろ
日本の
原子力政策そのものにあるのではないか、したがって、
責任は
原子力委員会にあるのじゃないか、私は実はそういう判断になったわけであります。この点、長官はどう思われますか。