○
川上説明員 お
手元に、「
日本国有鉄道」と下に書きまして、上に「
運転事故の概況」と書いた
資料があります。これによって
概要を御
説明してまいりたいと思います。
一枚あけていただきますと、第一ページに
昭和十一年から三十七
年度までの
運転事故の全
件数の
グラフが出ております。これを見ていただきますと、
昭和二十一年に
最高四万六千余件というような
数字を示しました後
漸減をしてまいりまして、
昭和三十三年から三十五年までに大体落ちつきを見せたわけでありますが、その後またやや上りかけてまいりまして、三十七
年度は二万二千百八十三件になっております。ただこれを
列車百万キロ
当たりに引き直してみますと、最近ややふえておりますが、大体
横ばいに近いというような
件数になっております。
次に二ページを見ていただきますと、全
事故件数の中から、
列車の転覆でございますとか、あるいは
脱線でございますとか、
列車に
関係しました
事故を見ますと、これは戦争のさなかに、
昭和十九年に
最高を示しまして、その後急激に減っておりまして、
昭和二十五年ごろから
漸減という
数字をたどってまいりまして、三十三年、三十四年にこのまま落ちつくかに見えましたが、三十五年にちょっとふえまして、その後また
漸減の
傾向をたどっております。これも
列車百万キロに直しますと、最近は
横ばいといって差しつかえないかと思います。
また、これらの
事故の中で、
職員の
誤りによるも
——−国鉄では
責任事故といっておりますが、その
件数を見てまいりますと、
昭和十八年から二十四年にかけまして、
一つの谷はございますが、非常に多くなっておりましたのが、急激に減ってまいりまして、
昭和二十九年ごろからややふえたりやや減ったりというような
状況で、最近三年ばかりは
漸増の
傾向でございます。これも
列車百万キロに直してみますと大体
横ばいかと思うわけでございます。
以上のような図面のことを多少
文章に直してみましたのが四ページ以降でございますが、簡単でございますので、読みながら御
説明をしてまいります。
昭和三十七
年度運転事故概要。イ
運転事故総
件数。
昭和三十七
年度の
運転事故の総
件数は二万二千百八十三件で、対前年二千百五十四件、二%の
増加となったが、過去五年間の
平均成績と
比較しますと、その次の第一表のように二一%
増——昭和三十二年から三十六
年度までの
平均に比べまして、三十七
年度の総
件数は二一%増、それから
列車百万キロ
当たりでは、一〇〇%に対しまして一〇〇・二%でございますから、大体
横ばいの
状態になっております。これを「
戦前の安定した時期」といっておりますのは
昭和十一年と
比較しておりますが、百万キロ
当たりで一・六倍というふうにふえております。その
内容を検討いたしますと、総
件数に対して
戦前は
最高三〇%にすぎなかった
国鉄部外者の
不注意などに起因する
踏切障害あるいは
列車妨害、
列車支障などの
事故件数の
割合が、最近では六〇%に達しております。
次に、
先ほどから
運輸省で御
説明のありましたように、
部内及び
部外の
原因による
事故及び
災害事故というような見方で見てまいりますと、
昭和三十七
年度に
発生しました
運転事故は、
部内原因によるものが六千八百五十三件で、総
件数の三一%、
部外原因によるものは一万三千二百五件で五九%、また
災害によりますものは二千百二十五件で一〇%になっております。これを
先ほどと同じように過去五年間の
平均成績と
比較をいたしますと第二表のようになりまして、百万キロ
当たりの
件数では、
部内原因によるものは三十七
年度は一二%
減少、その他は
増加をしております。
部外原因で
増加したものは
列車支障及び
列車妨害でありまして、
災害では
雪害による
線路故障、
運転障害などが目立っております。この表で
ごらんになりますように、
部内原因のものは実
件数では三十七
年度が六%増、百万キロ
当たりでは八八%になっておりますから一二%減、それから
部外原因のものは実
件数では二八%の増で、百万キロ
当たりでは七%増、
災害が三〇%もふえまして、百万キロ
当たり八%ふえておりますのは、昨年の一月の中旬以降二月の中旬にかけました非常に大きな
雪害がかなり大きな
役割りをしております。
次に、六ページにまいりまして、その中で
重大事故といっておりますものはどうなっておるかということでございますが、その前に、
国鉄で
重大事故といっておりますのは、旅客に一人でも
死亡者が出た場合と、それから十名以上の
死傷、つまり
死亡あるいは負傷が出ました場合、それから
車両が二十両以上
脱線をいたしました場合をいっております。そのほかこれに該当いたしませんでも、特に重大と認めたものを
重大事故と言っておりますが、この
件数はそんなに多くございません。そういう定義で
重大事故の
件数を見てまいりますと、昨
年度三十七
年度は十六件ございまして、これは戦後の実績といたしましては
昭和二十二
年度の十七件に次ぐ非常に
成績の悪い年になっております。これをやはり前と同じように過去五カ年と
比較をいたしてみますと、実
件数では過去五カ年の
平均の二倍、それから百万キロ
当たりにいたしましても六六%の増というようなことになっております。ただし、この十六件の
内容を見ますと、そのうちの六件が
踏切事故によるものでございます。それから六件が
職員の
取り扱い誤り、いわゆる
責任事故と言っておりますものでございます。それから
災害によるものが二件、
機関車乗務員が
トンネルの中で
窒息をいたしまして
失神をして
事故になりましたものが一件、それから
部外者の
自殺によりまして
脱線をいたしまして
重大事故になりましたものが一件でございます。
乗務員の
トンネル内の
窒息と申しますのは、昨年の二月に
信越線の塚山第二
トンネルの中で
機関士、
機関助士両名とも
窒息によって
失神をいたしまして、下り勾配をそのまま走ってまいりまして
脱線転覆した
事故でございますし、
部外者の
自殺によりますものは、これも昨年久留米の近くで心中の
事故がございまして、これに乗り上げて
脱線したものでございます。
昭和三十二年から三十六年までの五カ年間の
重大事故の
発生件数は全部で四十件でございまして、そのうち
踏切が
原因になりまして
発生したものが二十五件で六三%になります。こういうことで、
重大事故の大
部分が、最近は
踏切によって起こっておるということになるわけであります。それから三十七
年度の
発生件数の、
先ほど申し上げました十六件のうちで
踏切によりますものが六件で三八%、
責任事故に属しますものが六件で三八%ということになります。過去十五カ年ばかりの
統計をとってみましても、
踏切が全体で五〇%くらいになりまして、
職員の
誤りによるものが二五%くらいになっております。
それで
重大事故の推移をここに表にしておきましたが、第四表を
ごらんになりますと、三十二年から三十六年までの
数字、これは
踏切の
件数が、三、八、三、七、四というようになって、
平均五件でございます。これで六三%。それから
取り扱い誤りによるものが
平均して一・八件で二三%、
災害が〇・四件で五%、
車両の
故障によるものが〇・二件で二%、その他
部外の
原因によるものが七%ということになっております。
八ぺ−ジにまいりまして、
責任事故について考察をしてまいりたいと思いますが、
職員の
取り扱い誤りによる
事故は、三十七
年度は二百五十七件ございまして、対前年十四件の
増加となっておりますけれども、
列車百万キロ
当たりでは〇・四八件で前年と同数でございます。これを同じように過去五年の
平均と
比較いたしますと
件数では三%減で、前年よりはふえておりますが、五カ年の
平均では三%減、百万キロ
当たりでは二〇%減ということで、漸次減っておる
傾向がございます。これを
原因別に見ますと、三河島
事故後駅
従事員の
信号の
取り扱い誤り、
動力車乗務員の
信号不確認の
事故が大幅に
減少したのが目立っております。
次に、これを
列車事故という観点から見てまいりますと、
列車の
衝突、
脱線などの
列車事故は百二十四件で、三十六
年度に
比較いたしまして六件の
減少を示しております。五カ年
平均から見ますと、実
件数では三%増でございますが、百万キロ
当たりでは八五%と、一五%の
減少を見ております。これを
原因別に見ますと、
災害に起因する
事故が
増加しておるということのほかは、
職員の
取り扱い誤りその他は全部
減少しております。
十ページにまいりまして、その中で特に
踏切事故だけを取り上げてみますと、
自動車類と
列車回数の両面の
増加によりまして、逐年一〇%くらいの
増加率で
踏切事故件数がふえてまいっておりましたが、
運輸省の御指導もございまして、
踏切保安対策の推進と
動力車乗務員の
機宜の
処置などによります
事故の
未然防止などによりまして、
事故の
件数は三十七
年度に初めて
減少いたしまして、総
件数は二千九百四十一件、前
年度に比べて一六%減となったわけであります。
事故は
減少しておりますが、
機宜の
処置によりまして、
踏切の前に止まりまして、
列車の
支障となりました
件数は依然としてふえております。これを
原因別に見ますと、
職員の
過失によるものが一五件あるほかは全部
通行者の
不注意によるものであって、特に、そのうちの七五%が
直前横断といいますか、
三種踏切で
警報機が鳴っておりますにもかかわらず、
横断をするとか、あるいは
遮断機が締まっておりますのを突破して入ってくるというようなのが七五%もございます。
それから十一ページにまいりまして、今
年度はまだ二月までの
事故しかまとまっておりませんが、これを
概略、表にいたしましたので見ていただきたいと思います。
昭和三十八
年度に入り、
運転事故の総
件数は
減少の
傾向を示しております。
昭和三十九年二月末までの総
件数は、前年同期に
比較して千六百三十二件で八%の
減少であります。
列車百万キロ
当たりの
事故件数では三十六・三四件でありまして、前年同期の一二%減になっております。
十一ページから十二ページにかけまして、その
事故種別ごとの
件数が出ておりまして、一番左側に二月分、それから前年同月分、それに対する
比較増減で、
年度の初めからがその次にございますがこの中で、
列車脱線が十九件の
減少で、かなり大きな
減少を示しておりますが、そういった目で見てまいりますと、
車両脱線が三十五件の減、それからずっと下のほうにまいりまして、
踏切障害というのが六十九件も減っております。
十二ページにまいりまして、
線路故障の中で、
災害が、本
年度は夏の
災害も
比較的少のうございましたし、
雪害が非常に少なかったために、実に五百八十九件の
減少になっております。それから
三つばかり下の
閉塞故障が百六十件の
減少、
三つ下の
転轍装置故障が九十六件の
減少、それから
車両故障にまいりまして、交流の
機関車、
ディーゼル機関車の
故障の
減少及び気動車の
故障の
減少が目立っております。それから
車両の下のほうでは、貨車の
故障の
減少も目立っております。それから
運転障害も全般として減っております。ただ
列車支障というのが八十五件ふえておりますが、このうちの大
部分が、
踏切におきまして、
事故にはならなかったけれども、
列車がとまって長い間
支障したというものでございます。それからその次の荷くずれ車の解放いたしたものもやや減っております。そういったような
状況を私どもは十三ページ以降のような
Zグラフというような表で見ておりますが、これは、一番上のやや水平な線はその月から過去一カ年にさかのぼりました間に起こりました
事故の
件数を示します。それから一番下の
比較的水平な線は毎月の
事故件数でございます。それからその間を結ぶZの「ノ」の字になっておりますのは、その年の四月からの毎月の累計ということになっております。細い線が三十七
年度で、太い線が三十八
年度になっておりますので、細い線に比べて太い線のほうが常に
右下がりになっておれば
事故の
件数が少なくなっているということでございます。
十四ページをめくっていただきまして、
列車事故について三十八
年度を見てみたいと思いますが、
昭和三十九年の二月末までの
列車事故は九十一件でございまして、前年同期に比べて二十件、一八%
減少しております。
減少したおもな
原因は、
責任事故が減っておりますものと、それから
災害によりますものが二十三件も減っております。また
妨害によるものその他などを入れまして六件の
減少を見ております。それから
増加いたしましたものは、
踏切事故によるものが七件増、それから
車両の
関係で五件の増というようなもの、それから悪条件の競合というものが二件増でございます。それの
Zグラフが十五ページにあります。
次に十六ページをあけていただきまして、今
年度の
責任事故について見てまいりますと、二月末までの
発生件数は百八十四件でございまして、前年同期に比べまして四十八件、二一%の
減少となっております。それの
Zグラフがその下にございます。
ここで、それでは諸外国に比べて大体どんなことになっておるかということでわれわれが利用できます
資料の中からとって
比較いたしましたのが十七ページから二、三ページございますが、これはUICと申しまして、
国際鉄道連合で毎年
統計を
各国からとっておりますので、それを
資料にしたものでございます。これは
昭和三十二
年度から三十六
年度までの五カ年間における
世界主要国の
鉄道の
列車衝突及び
脱線事故の
年間平均発生数は第一表、これは十八ページにございますが、これを
概略文章で書きますと十七ぺ−ジのその下になりまして、これを
列車百万キロ
当たりの
発生件数で見れば、
アメリカが四・二五、
カナダが三・三五、
オランダが一・三四、
ドイツが一・二〇で、
日本は〇・五八件である。また
日本国有鉄道を一〇〇とした場合の指数で
比較いたしますと、
アメリカ七三三、
カナダ五八〇、
オランダ二三一、
ドイツ二一〇でございます。
それから
列車事故のうちで、
列車の
衝突事故につきましては、百万キロ
当たり発生件数は、
アメリカ一・二三、
カナダ一・〇五、
オランダ〇。六一、
ドイツ〇・五四、
日本は〇・〇六件でございます。同じように
日本を一〇〇といたしますと、
アメリカが二〇五〇、
カナダが一七五〇、
オランダが一〇一六、
ドイツが九〇〇。
脱線事故、これは
列車全体としての
脱線と、それから
車両脱線を含めたものでございますが、百万キロ
当たりの
発生件数は、
アメリカが三・〇一、
カナダが二・三一、
オランダが〇・七三、
ドイツが〇・六六、
日本が〇・五二、イタリアが〇・四二でございます。同じく指数を
日本を一〇〇といたしますと、
アメリカ五七九、
カナダ四四四、
オランダ一四〇、
ドイツ一二六、イタリアが八一ということでございます。
件数そのものは
日本より少ないところもございます。そればこの表で
ごらんになるとおりでございます。
それから
運転事故全般について見ますと、これは多少
数字がぴったり合わないところもございますが……。
その次が十九ページ、
踏切事故でございます。これは十九ページの下のほうにございます表のとおりでございますが、前と同じように
列車百万キロ
当たりの
発生件数で見ますと、
カナダが八・四六、
日本六二九、
アメリカ三・三七、
オランダ二・六九件で、わが国は
カナダに次いで世界第二位、あまり芳しからぬ
状態でございます。
衝突事故及び
脱線事故については、世界
各国に
比較して低い
発生率であるのに対し、ひとり
踏切事故については、特に高い
発生率を示しているのは一考を要する。これは
先ほど運輸省からの御
説明がございましたように、方策としましてはこの点に重点を置いていくべきものと考えております。
日本を一〇〇といたしますと、
カナダが若干多くなりまして一三六、あとは五四、四三、九というように、
ドイツなどは大体十分の一の率になっておるわけであります。表は第二表とそれから二十ページの表は、これは営業キロに対しまして
踏切の数がどのくらいあって、つまり
踏切の
平均間隔がどのくらいであるかということ、それから一日の
平均の
列車回数を示した表でございまして、これで
ごらんになりますと、
日本は五百メートル足らずに
踏切が一カ所ある。それから一番間隔が長いのが
カナダでございまして、二千百六十二メートルごとに
踏切が一カ所ある。しかも
列車回数が非常に少ないのですが、
踏切事故はどういうものか
カナダが非常に多いという
数字になっております。
簡単でございますが、
事故の実績につきまして御
説明申し上げました。
引き続きまして、以上のような
事故の
状況でございますが、
国鉄といたしまして第二次五カ年計画でどのような
保安対策費を計上してまいりましたかということと、その中におきまして三十九
年度の
保安対策費がどうなっておるかということを
概略御
説明いたしたいと思いますが、来
年度の予算につきましては、衆議院ではすでにお認めをいただいておりますが、参議院のほうがまだ通過をいたしておりませんので、私どももこれに基づきました実行予算をまだ終了しておらない
状況でございますので、多少ばく然としたところもございますが、
資料を読みながら御
説明をしていきたいと思います。
一枚めくっていただきまして、一ページから御
説明を申し上げます。
輸送の増強並びに輸送方式の近代化をはかり、あわせて経営の合理化を推進するために、
昭和三十六
年度を初
年度として第二次五カ年計画を樹立した。
昭和三十七
年度に入り、急激な経済発展による輸送力増強計画の拡大、三河島
事故を契機とする
保安対策の強化並びに工事資金不足額の補てんを織り込み計画の補正を行なつた。
保安対策については、別表1のとおり第二次五カ年計画の当初三百十七億円を計上していたが、さらに三百四億円を追加し重点的に実施することとした。
すなわち
列車自動停止装置の
整備を柱とする保安設備の強化に二百四億円、
踏切の
整備及び立体交差化に百億円を追加し、総額六百二十一億円とした。
昭和三十八
年度の保安設備は第二次五カ年計画の補正の線に沿って
踏切事故対策六十・七億円、(
鉄道経費二十四・二億円)
保安対策として
列車自動停止装置、
信号保安装置その他に七十三・四億円、合計百三十四・一億円(二十四・二億円)を計上している。
昭和三十九
年度は
列車自動停止装置の
整備及び複線区間の無防備
踏切の全廃を重点として二百七億円を計画している。これにより第二次五カ年計画は
昭和三十九
年度末で全体の七三%が達成されることになる。
以下、これらの保安設備についてその計画を述べる。
ここで表がございますので、表をあけて別表一を
ごらんになっていただきますと、一番左側に
保安対策の件名が書いてございまして、その次に第二次五カ年計画の原計画の
数字がございます。それの合計欄を
ごらんになりますと三百十七億円になっております。それに対して追加を三百四億円いたしました。その補正の計画がその次にございますが、大
部分はそのまま原計画と追加を足していただけばいいわけでございますが、
踏切整備と立体交差につきましては、金のやりくりをいたしまして、これは進捗
状況とあわせてこういうことをしたわけでございます。
踏切整備のほうに少し金をよけいに持ってまいりまして立体交差のほうがおくれるというような形になっておりますが、そういう補正をいたしまして、そして三十六
年度、三十七
年度と経過をいたしまして、三十八
年度、今
年度は計百三十四・一億円で仕事を進めております。それから三十九
年度は、国会に提出をいたしました予算案の中で、この項目で拾いました
保安対策費は二百七・三億円でございます。こういうふうにいたしまして補正計画と差し引きをいたしますと、合計で、四十
年度の残額が百六十五・四億円になる、こういうことでございますが、これは
昭和四十
年度をこのままでやるということではなしに、原計画と差し引きをいたしますと百六十五億円残る、こういうことでございます。
そこで各項目についての
説明は二ページ以下にございますので、二ページを
ごらんいただきたいと思いますが、
踏切対策は、
踏切対策費の実績は、別表2のとおり——その次に別表がございますので、あとで
ごらんになっていただくといたしまして——別表二のとおり、
踏切遮断機、
踏切警報機等の
踏切保安設備に、
昭和三十三
年度から三十五
年度まで、年間約七億円をかけてまいりましたが、三十六
年度から大幅に増額して二十一億円にいたしました。三十七
年度もまた二十一億円を投資したわけでございますが、三十八
年度は五十四億円に増額をいたしまして実施中でございます。なお三十九
年度は、さらにこれを七十五億円に増額をして計画をしております。
また、
踏切の立体交差化につきましても、
昭和三十三
年度から三十六
年度までは、年間、
鉄道経費を含めましても三億円程度でございましたけれども、三十七
年度は二・五億円、それに
鉄道経費五・四億円を投資しておりますし、三十八
年度計画は、六・六億円に対して、
鉄道経費から二十一・七億円を投資して実施中でございます。三十九
年度は、工事経費のほうが十五億円、
鉄道経費を二十二億円と見積もって計画をいたしております。
それから
列車自動停止装置、ATSと言っておりますが、これは
列車停止装置がつきません車内警報だけの装置は、
昭和二十九
年度から始めておりましたが、三十六年までには、工事費全額で十六億円をもちまして、地上設備二千百キロ分、それから車上設備が二千八百両を
整備しております。三十七
年度は車内警報装置と途中から自動停止装置をつけておりますので、少しごたごたしておりますが、十三億円の投資をいたしまして、地上千四百キロ、車上六百両に
設置をいたしました。三十八
年度はさらにこれを増額いたしまして、三十二億円をもって地上三千八百キロ、車上二千三百両に
整備をいたしております。これを前にやっておりました車内警報装置のものと両方合わせますと、こういう防備をしております区間が、全線区で、地上約三〇%、車上では半分を完了しております。これを
列車の走行キロで見ますと全国の約六〇%が
警報機の
設置区間ということになっておりますが、三十九
年度はさらにこれを増額をいたしまして、五十億円をもちまして、地上約五千キロ、それから車上を五千両
整備いたしまして、大体全線区の半分、二万キロのうちの約一万キロがこれでカバーできることになります。引き続き四十
年度に残りの一万キロをやってしまおう、こういうつもりでおります。
その他
信号保安設備につきましては、自動
信号化をはじめとしまして、閉塞装置の近代化、連動装置の改良、それから各種の
信号機類、安全側線の
整備などを行なっております。この
信号保安設備の強化並びに乗降員休憩
施設の改良については、三十三年から三十五年までは年間約十億ないし十五億円の投資を行ってまいりましたが、第二次五カ年計画によりましてこれを増額いたしまして、三十六
年度は三十二億円、三十七
年度は二十四億円の規模で
整備をやったわけでございます。それから三十八
年度はこれを増額いたしまして四十一億円で現在実施をいたしておりますが、来
年度はこれを六十八億円にする計画でございます。
非常に
概要でございますが、以上のとおりでございます。
踏切だけにつきましては最後の表に毎年の実施をいたしました個所数と費額を
踏切整備と立体交差に分けまして掲げております。
以上でございます。
—————————————