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1964-06-12 第46回国会 衆議院 運輸委員会航空に関する小委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月十二日(金曜日)    午後二時二十分開議  出席小委員    小委員長 西村 直己君    理事 佐々木義武君 理事 關谷 勝利君    理事 中馬 辰猪君 理事 壽原 正一君    理事 長谷川 峻君 理事茜ケ久保重光君    理事 久保 三郎君 理事 泊谷 裕夫君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         運輸事務官         (航空局長)  栃内 一彦君  小委員外出席者         運輸事務官         (航空局監理部         長)      堀  武夫君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 六月十二日  小委員佐々木良作君同月一日委員辞任につき、  その補欠として佐々木良作君が委員長指名で  小委員に選任された。 同 日  小委員泊谷裕夫君同月九日委員辞任につき、そ  の補欠として茜ケ久保重光君が委員長指名で  小委員に選任された。 同 日  小委員茜ケ久保重光君同日委員辞任につき、そ  の補欠として泊谷裕夫君が委員長指名で小委  員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件      ————◇—————
  2. 西村直己

    西村委員長 これより運輸委員航空に関する小委員会を開会いたします。  航空に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。茜ケ久保君。
  3. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 具体的な問題で航空局長にお聞きしたいのですが、宮崎県の航空大学で最近いわゆる厳密な適格検査をして入学さした生徒が、入校後かなりの訓練を受けてきて、さらにいわゆる空中適格検査というようなことで、三名退学を命ぜられたという事実を知っておりますか。
  4. 栃内一彦

    栃内政府委員 宮崎航大で、学生のうち、適格性について疑問があるという学生がおるという話は聞いたことはございまます。ただ、その最終的決定のところまでは、私自身、いま退学決定をしたか、あるいはそこまでまだ至っておらないか、その点は現在確かになっておりません。と申しますのは、そういう問題があったということは記憶にございますが、最終的処分につきましてはいまはっきりしておりません。
  5. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 現にもう先月の二十六日でしたか、三名退学を命じられてしまったわけです。もちろんこれは航空操縦でございますから、大事な人命を預かることですし、適格性の厳重な検定はもちろん必要だと思います。しかし、少なくとも入学当時かなり厳正に、皆さん方立場からすれば遺漏なく適性検査があったはずだと思うのです。私、偶然退学させられて自殺寸前状態にある生徒と会う機会があったのであります。いろいろ事情を聞きましたら、もちろん皆さん方は、そういう場合の先手は打っていらっしゃる。聞いたら、入学するときに、入学後といえども適性のない場合には、これは退学しても文句を言わぬという誓約書が入っているようです。  それはそれとして、少なくともその学生は、宮崎大学の三年も終了した生徒で、そして年来の航空大学入学できたと非常に喜んで練習したのですが、つい六月に入ってから、何でも私の調査したところによると、十時間くらいの訓練を受けて——まあこれは当人の言であります。私はその校長という方に会っておりません。常時訓練中に乗っている教官の方は、別に不適格というような話はなかった。ところがたまたま空中適性検査ということで、別な教官が、おそらく前後何回か短い時間乗ってやったと思う。ところがその短い時間の間に何かあったのでしょう。そこでおまえは不適格だということで、いわゆる入学当時の誓約に従って退学さした。さっきも言ったように、航空のことでございますから、これは重大でございましょうけれども、少なくともそういうことは、かなり現在の適性検査というものは科学的に優秀でございましょうから、空中適性検査をする以前の検査で必ず私はわかったと思う。それがせっかく雄志を抱き、しかも大学も途中でやめて入った。しかも二ヶ月足らずの期間でおまえはだめだと言って退学させた。しかも退学したあと、何らの人間的なめんどうを見てないのです。本人はすっかり悲観して、もう自殺寸前のところまでいってしまった。これはやはり私は基本的人権の無視だと思うのです。あなた方に言わせると、入学するときに誓約書がある。あとの第二次、第三次の適性検査でだめな場合には退学もやむを得ぬという誓約書があるのですから、規則の上では何ら落ち度がないんですね。私はこれを見て非常に感じたんです。あまりにも官僚的というか、自分たちだけに都合のいいようにできておって、本人のことを人間的に何ら考えていない。退学をさせる場合に、いろんな形で説き聞かせ、あるいは先のことを心配してやるならまだいい。ところが、ただ、おまえは不適格だからだめだ、こういうことなんです。それはしかも先月の二十七日に決定して、今日なおあなたのところでその事情がわからぬということは実に怠慢なことです。そういう重大なことをしておいて、人間の数は少ないにしても、私から言わせると、あたら青年の人生に大きな影響を与えておいて、そのことが直接その責任者であるあなたに報告もされてない。したがって、事後処置も何にも講じてない。これは問題だと思う。宮崎航空大学一つしかない大学ですから、これをはねられればどうにもならない。しかもその人間は、もう未来永劫に空への希望はない。私がここで指摘したいのは、そういう措置がいかぬので、いわゆる不適格ならやむを得ない。しかし、不適格の場合も、十時間前後一緒に乗って訓練した教官は、何ら不適格性を認めないで、単に機械的に、とは申しませんが、二、三十分なり一時間近く、いわゆる適性検査教官が乗った場合に何かあった。それはやはり生徒にすれば、平生の場合に運転をやるときには、気持ちの平静もあるでしょうが、さて、今度適性検査になりますと、精神的なあれもあります。おそらく常時は安定した運転ができても、そういう場合、やはり何かあったに違いないと思う。そういうことに対してもう少し、事は重大であっても、やるべき手があるのではないかと思うのですが、この点についていかようにお考えになるか。
  6. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいまの御意見、まことにごもっともでございまして、私といたしまして記憶になかったと申しますのは、そういう問題があることは知っておった、ただ、最終的に何月何日にどうしたというところまで記憶がはっきりしてない、こういうことでございます。適性検査の問題につきましては、私は今回の問題につきましては、いま伺いましたところによりますと、学校当局としてもやり方に親切さがないというか、あるいはもう少し本人立場になって考えれば、同じ措置をしますにも、本人に与えるショックがもっと少ないというようなことは考えられます。したがって、やり方自体につきましては、私もよく実情学校側からもまた聴取いたしまして、行き届いていない点がありますれば、十分注意をいたしたいと思います。  それから、適性検査につきましては、一応お医者さんが入学の前に見るわけでございますが、この適性検査というものは、実機に乗ってやって初めて不適格ということが出てまいる場合があるわけでございます。と申しますのは、飛行機に乗らないでやる場合の検査にはおのずから限度があるということでございます。したがって、今後の方向といたしましては、むしろ入学前に、実機によって適性検査をやるというよう方向考えることが一番合理的ではないか。親切な態度でやるということももちろん重要でございますが、それよりももっと根本的には試験制度そのものについて、入ってから退学されるということでなくて、入る前にもうふるい落とすというようなことのほうが合理的ではないか。したがいまして、実は私どもの内部でも、今回のそういう問題を契機としまして、今後の対策としてはそういう方向考えようということは内々審議しておったわけであります。できますならば、明年度予算には実機による適正検査という費用を要求して、そして試験を合理的にやりたい、こういうふうに考えております。もちろんその場合でもあるいは適性の十分でない人が入るということもあるかもしれません。その場合には、だめになる場合には、できるだけ早く本人にもよく事情を話して、親切に話をして、あとの問題についても親切にお世話をするというようなことで、むしろ早く退校していただいたほうがいいのじゃないか。二年、三年たってそうしてやっぱりだめだということよりも、むしろ退校させるなら早いほうがいい。ただ、その場合には親切な気持ちで取り扱うということが絶対に必要ではないか。しかし、何はともあれ、私は、今度の措置につきまして若干学校当局にも行き届いてない点があったのではないかということを懸念いたしますので、この点はよく実情を調査いたしたいと思います。
  7. 茜ケ久保重光

    茜ケ久保委員 私どもの言いたいところも、いま局長がお答えになったように、人数は少ないのですが、やっぱり問題がある。したがって、これは来年度からさっそく入学前のそういった徹底的な適格性検査されまして——ほかの大学ようにたくさんあるのでしたら転校もございますが、航空大学は現在一ヶ所でございますし、またあっても一応そこでも不適格となればほかに行きようがないのですから、本人たちが全国から集まって非常な期待をしているだけにショックも大きいわけです。国会としても協力してそういうことがないようにぜひお願いしたい。この問題は今後もございますから、早急に調査されまして、学校当局に、決してこれを罰するとか、おこるとかいうのではなくて、ぜひ学校もそういったことを心がけてやっていただくようにお願いしたい。  運輸大臣、いまお聞きのとおりなんですが、私もちょうど会ったものですから、事柄は決して大きくございませんけれども、やっぱり底を流れる人間というものは大事でございますから、ひとつお含みの上しかるべき処置をぜひお願いしたい、こう思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  8. 西村直己

  9. 久保三郎

    久保委員 大臣にひとつお尋ねしたいのですが、先般の予算委員会で当委員会にもおられます佐々木良作委員の質問に答えられた、これから航空局長をあなたのかわりにアメリカに派遣して対米航空の折衝に当たらせる時期でございますが、特に先般の委員会でも私からお尋ねしたのでありますけれどもニューヨークビヨンド航空路開設交渉についてであります。先日の予算委員会では、議事録にも載っておりますが、どうも大臣答弁は前回当委員会で私ども答弁した内容とは少し違うように見受けるわけであります。と申し上げますのは、アメリカとの交渉の眼目はニューヨークビヨンドであるということ、だと思うのです。ところが、ことば関係でそうなったのかもわかりませんが、何か文面から推測しますと、やむを得ない場合にはニューヨークまでもと、こういうような表現をされているのです。われわれはニューヨークまでのことはこの際考える必要は毛頭ないのであります。これは、ニューヨークビヨンドがわが国の正当な権利として従来から主張され、また今回航空局長が対米交渉に乗り出すのもそれだと思うのであります。これについて予算委員会での答弁が正しいのかどうか。この点はっきり御答弁いただきたい。
  10. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私も実は予算委員会答弁を読んでみまして、私の用語が形容詞があったために非常に誤解を生じたことを私は遺憾に考えております御承知よう日米間の航空協定というのは、その当時の事情と申しますか、国力に比例すると申しますか、はなはだしく不平等であるということは、私は運輸大臣に就任して以来非常に遺憾に考えておる点でございますからして、従来日米航空協定を改善する要が多分にある。ことに御承知よう開放経済には入りましたし、OECDには加盟しましたし、日本の地位というものは非常に違ってまいりました。それと同時に日本における航空事業の発達というものも、もう世界にそう遜色はとらないよう状態になっておるからして、このとき、いままでの航空協定ではまことに不平等であるからして、これはぜひ改善せなければいかぬ。改善の主目的は何かといえば、BOACがやっておるように、ニューヨークビヨンドによりましてロンドンに参りまして、そうして世界をぐっと一周する。BOAC並み状態日航を置くように、権利を持たすようにぜひやりたいというのが私の真意でございまして、この速記録を見まして、少し私の考えと、ことば形容詞の上で違っておるよう考えて、遺憾に考えておったのですが、いま久保さんが幸いにお尋ねいただきましたからして、私の真意はあなたと同じよう日本国民の熱願であるビヨンド・ニューヨークをして、ロンドン通り日本へ帰ってこられるように、すなわち、BOACがやっておると同じよう航空の空路をぜひひとつ実現いたしたい、かように強く考えておる次第でございます。
  11. 久保三郎

    久保委員 大事な点でありましたからさらにお尋ねしたわけですが、方針としては変わっておらないということでありますから、それ以上申し上げる必要はないのでありますが、ただ問題は、ビヨンド・ニューヨークと申しましても、どこを通っていってもよいから、ニューヨークビヨンドすればよいのだということではないと思うのですね。これはそうでしょうな。どこかあらぬ方向を回っていってニューヨークヘ着いて、それからロンドンに行く。こういうようなこと、これはあり得ますね。そうじゃないでしょうね。この点もあわせてお尋ねしておきます。
  12. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 もちろんそういう航路も考えられることでありますが、私どもといたしましては、中部太平洋を通っていくという、いままでBOACが通っておる空路と同じ空路を通って、ヒヨンド・ニューヨーク——ロンドン——日本、こういうようにやりたいと考えております。
  13. 久保三郎

    久保委員 運輸大臣予算委員会でそういう間違った——と言っては語弊があるが、大ものだからあまりこまかいことに気を使わないと思うのですが、いまのような回り方もございますので、その点は、やはり念を押しておかぬと、アメリカに何ととられるかわかりませんから、だめを押しておきます。  そこで、次には国内線におけるところの輸送の問題であります。これは運輸大臣にまだお尋ねしていませんので、あらためてお尋ねするわけでありますが、先般参考人をこの委員会に呼んだ際に、たまたま新しく三社が合併されて国内航空という会社が誕生しまして、その経営について特にあっせんされたという日航社長からのお話を聞きました。これはいうならば、日航社長あっせん役を買って三社合併したということでありますが、政府としてはどういう立場でこの三社合併を扱っておられたのでありますかす。
  14. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私どもといたしましては、久保先生も御承知ように、航空事業というものは非常に多額の資金を要して、また一たび間違いが起こった場合には多大の迷惑を国民に及ぼすものであるからして、企業基盤というものはいやが上にもかたいものを必要とするということは御案内のとおりでございます。そこで、それではいままであるものの不適格なものは免許を取り消して、という考え方もあるいはおありかもわかりませんが、それも自由主義の今日においてなかなか困難でございますから、私どもといたしましては、いままで許したいわゆる定期航空権利と申しますか、免許を持っておりますところの既存の六社、北日本藤田富士日東東亜中日本、この六社をできることならば一緒にして、そして現在あるところの全日空日航遜色のないような体制におきまして、日々非常なふえ方をしておる航空需要を充足するようにいたしたいということを、私は運輸大臣になった当初から考えておったのでございます。しかるところ御承知よう藤田航空は全日本空輸と合併し、中日本東亜はやはり全日空営業提携をいたしまして、機材その他の面について全日空の世話になっておるというよう状態でございますので、残されたのは北日本日東航空富士航空の三社でございまして、これを私といたしましては、そういう航空基本政策に基づきまして非常に急速な伸びをしておる航空需要に対して、三社一緒になって、技術の面、資材の面、パイロットの面、資本の面、あらゆる面でひとつ強力に国内航空に専念してもらいたいという念願をもちまして、就任すると同時に、既存のさっき申しました六社を一緒にすることを考えたのでございますが、すでに三社はおのおの適当な業務提携なり合併ができましたから、残りの三社に強く要望して、そしてその方針に従うよう合併を勧奨してまいりました。その結果かどうかは知りませんが、とにかくその三社は一緒になりまして、このたび国内航空という会社を新設いたしました。それにつきまして、われわれの意のあるところも合併当時におきまして、三社の首脳はよく認識しまして、減資をして株主には相当迷惑をかけました。減資をして増資をするとか、その他の方法によりまして、資本の充実をはかって日本国内航空ができておりますからして、私はこれで国内航空が適当に発達するならば、既存全日空日航と三社で、今後激増する需要に対処していって、適正な競争で独占の弊におちいらず、同時に国民の要望にもこたえるような適正な運航を期待いたして、それができると確信いたしております。しこうしてそれ以外には今後政府といたしましては、もう国内航空定期線——農薬その他特殊のものは別といたしまして、それもなるべくもう許さぬようにすることがいいと思いますが、定期航空については、ローカル中央幹線を問わず、一切私は許すべきではないという考え航空行政をやっていきたい、かよう考えております。
  15. 久保三郎

    久保委員 ある週刊誌でありますが、その中で、最近対談の形で美土路さん、今回全日空の会長かなんかおやめになったと思うのでありますが、言うならば民間航空の草分けの一人だと思うのですが、この人の対談をしておる記事が出ています。その中に、日本政府には航空政策というものはなくて、「航」を取った「空政策」だけだ、こういうような手きびしい批判がございます。これをお読みになったかどうかわかりませんが、お読みになったとするならば、いかに考えられておりますか。
  16. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は不幸にしてそれを読んでおりません。
  17. 久保三郎

    久保委員 私も一部理があると思っているのです。実際は。この前の委員会でも、これは航空局長かにお尋ねしたかと思うのでありますが、航空審議会から、何年前かわかりませんが答申が出ております。その答申には、各ローカル、六つでありますか、そのローカルとして地域の中心を発展させるという意味で、そういうブロック的にものを考えられての結論として答申がなされたわけですね。いま大臣がおっしゃるところの航空政策というのは大臣が就任されてからの航空政策として、この審議会答申を否定した形であるわけですね。そういう意味から言いますれば、あなたの責任ばかりではないだろうが、めったやたらといっては語弊があるが、やりたい者には、大体政治のバックもあってやらせていくということで、ちょこちょこ小さい会社を許していったというのが過去における姿だと思うのですね。これに反省を加えたということでありましょうから、別に深く追及する必要はないと思うのですが、この今度の国内航空合併というのは、いまお話があったように、政府も強く勧奨してきた。その勧奨してきた理由としては、航空審議会答申ような形でのローカルあり方としてはどうもやっていけない、その使命が達成できない、言うならば経営基盤が弱体であるというようなことで合併を慫慂されて、ここに国内航空も誕生した。今後は日航全日空国内航空の三社で、あとは大体残りの三社も全日空の傘下にあるから、これで大体戦線整理ができたと、こういうふうにお話がありました。ところが、話を戻しますが、参考人お話があったときに参考人に聞いたのでありますが、われわれしろうとの目から見るならば合併基盤強化ということにはならぬのじゃないか、これはどうしてもばらばらの枝葉をつなぎ合わせて北は北海道から南は九州の果てまで大体枝線みたいなものを、全部ローカル線をつなぎ合わせた。ところがこのローカル線、だけを集約していってもこれはなかなかうまくいかぬではなかろうか、こういうふうなしろうと考えで質問したところが、参考人である松尾さんからは、いわゆる国内幹線にもひとつこれをやらねばならぬと思う、そうしてもらいたい、こういう話があるし、全日空としては、直接国内航空のこの話には触れませんでしたが、いわゆる日航あり方について手きびしい批判がございました。これはもちろんわれわれは非常に奇異に感じたのでありますが、日航全日空の間はいわゆる協定というか資本参加の形でもいっているし、あるいは技術協定というかそういうものもやっているというふうな、言うならば親戚づき合いの関係でいながら、商売はきびしいのかという感じがしたわけです。それはまあ別としても、結局ここで国内航空が誕生して、これが基盤を強化するという場合には、一つローカルにおける調整もございましょう。これからもう一つ幹線における乗り入れをどうするかという問題もあるわけです。ところが幹線乗り入れる場合には、やはり日航並び全日空といういわゆる既存幹線運営会社があります。企業があります。だからこれとの調整をまず第一に考えねばならぬと思うのであります。  そこであなたにあらためてお尋ねしたいのは、現実に国内航空はできましたが、これを入れた将来の国内航空あり方というものは政策的に大綱としてどう考えていらっしゃるか、いかがですか。
  18. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 先ほども申しましたように、基盤強化をすることには私はやはり小資本より大資本がいいと考えて、ずいぶんめんどうであったようでありますが、国内航空を成立せしめますように指導してまいりました。しからばそれはローカル線だけでやっておればそれでそれが健全に発展するかと申しますというと、私はそれはあなたの言われる御趣旨のように不可能である。そこで幹線を育成していって適正なサービス競争をさせて大衆の便利になるためには、やはり幹線にもある程度の乗り入れ——乗り入れと申しますか、新線を免許するほうが私はいいと思います。と申しますのは、航空の乗客というものは、需要というものが横ばいかむしろダウンするような傾向にある場合には、それを入れると過当競争が起こりますが、年々、現在におきましては四五%も伸びておるし、少なくとも四〇%内外ずつ毎年伸びていくのでありますからして、その伸びる率に応ずるように、その伸びるというのも主として幹線でございますが、幹線伸びておるのでありますからして、適正な回数を国内航空に許して、そうして三社がちょうどいい状態において競争をすることが利用する国民大衆にとっては一番便利だと考えて、その方針について全日空にも話し、日航にも話して、そういうよう共存共栄の道をやるべきであると、かよう考えて、その方針で指導してまいりたいと思っております。ちょうど極東航空を中核とした全日航ができましたときに、いまほどお客の伸びはなかったですけれども、やはり日航協定をいたしまして、そして相互適正なサービス競争をやれるよう全日空日航協定をしてやって、今日の隆盛を来たして、相互——外航線で非常に欠損があるものですから、日本航空は必ずしも良好な成績とは申されませんが、そして行く行くはやはり機材も統一し、それから乗務員訓練パイロットの養成等々の航空事業に対して最も必要な事柄につきましては共同して、そしてむだを省いていくようにいたしたい、かよう考えております。
  19. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、いまの方針だと、国内幹線というものは大体国内航空を入れて三社にやらせるという方針ローカルはいまあるところの全日空とそのほかの三社、さらに国内航空、こういうことに相なりますか。
  20. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 そのとおりでございます。
  21. 久保三郎

    久保委員 それではそういう御方針で、実は国内航空もできたばかりでありますが、まだこれは青写真はなかなかかけないだろうと思うのですけれども、それについてかかせるようにいま関係各社にも御指導なさっているのですか、いかかですか。
  22. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 関係各社とは申しませんが、国内航空に対しましてはやっていけるように指導してまいりたいと考えております。しこうして漸次その間に全日空日航と何か摩擦というか、そういうものがある場合には、私どもはこれをなからしめて、そしてただいま私がるる申しましたように、国民大衆のために適正なサービス競争をして、三社が併存してやっていけるようなふうに指導してまいりたいと考えております。
  23. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、そういう御方針がいつ確定されるのですか。
  24. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 それはあなたの御指摘になったように、国内航空はまだできて一カ月か二カ月でございますから、いろいろな面において改善すべき、あるいは用意すべきことがあると思います。またそれを順次整備いたしまして、そしてこれならだいじょうぶというときに初めて私は幹線乗り入れの問題を決定いたしたい、かよう考えております。
  25. 久保三郎

    久保委員 そこでこの路線を三社でやるという問題は一応おいておきまして、先般のこの小委員会で機種統一の問題について質疑がありました。その際航空局当局は幹線においての機種統一は727でやるんだ、こういうことで、全日空並びに日航についてはそれぞれの用意なりあるいはすでに就航しているものもあるようであります。そこで国内航空参考人にお尋ねしたときには、幹線乗り入れについては許可があれば機種はどういうものを使うんだという質問に対して、フランスのカラベルをいわゆるチャーターしてやっていきたい。こういう話でありました。運輸当局として大臣は機種統一の問題とカラベルのチャーターについてどう考えますか。
  26. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 機種統一は私もボーイング727で統一いたしたいと考えておりますが、何分まだ生産が思うように十分でござません。そこで、それはその量産が十分になるようなときまで待てと国内航空に申しましても、これはまたいつのことかわかりません。そこで私は今度フランス機の、世界で優秀な飛行機で事故を一ぺんも起こしたことのないカラベルを借りてやるということで、それはあくまで当分の間であり、根本はボーイング727に統一することが望ましいことであり、それに指導いたしたいと思っております。さらにまた進みましてYS11が十分製造能力ができる場合には、外貨節約その他の国際収支の改善の意味をもちまして、順次ローカル線その他につきましてそれを統一していくように私は考えております。
  27. 久保三郎

    久保委員 私は聞いた話でわかりませんが、727にしても、大体来年の秋ごろまでには二機くらいは何とかなるだろうという話をする人もあります。でありますから、その間の問題としてカラベルを三機なら三機チャーターするような話でありますが、その辺の、いわゆる機種統一の問題、それからもう一つは当該会社経営の問題、いわゆる路線をどの程度与えるかは別でありますが、そういう問題もからめて計算をしてみな低ければ、正しくこれをどうやるかは決定できないのではなかろうか。ついては事務的なことでありますから、航空局長はどういう考えでおられるか、機種統一とこの幹線乗り入れの問題について……。
  28. 栃内一彦

    栃内政府委員 幹線に新会社を入れるという問題につきましては、いま大臣のお答えになったとおりでございます。それから機種統一につきましてはやはり大臣のお答えになりましたように、幹線につきましては727、それからローカル線につきましてはYS11というふうに統一していくことが理想であると思います。ただ727につきましては現在全日空が一機チャーターしてやっておりますが、これもチャーターをしてやっておるということでございましてまだ自分の飛行機でございません。全日空はもちろん発注をいたしておりますし、日本航空もすでに発注をいたしておりますが、詳細は私いまここで数字を持っておりませんが、この飛行機はきわめて新しく開発された飛行機でございまして、しかも諸国において相当重要視されておる飛行機のせいか、かなりオーダーが詰まっておるというふうに聞いております。したがいまして、新会社といたしましても将来727に統一するという国の方針に沿うということで、ただいま発注をする——あるいはこの発注するにつきましては単に国の方針だからというだけでは、やはりなかなか発注できない。たとえば資金面はどうする、あるいは技術面はどうするんだというようなことの相当の検討の上発注をすべきであると思いますので、かりにただいま発注しましてもかなり入手はおくれる。さらに資金面その他まで詰めてやるとすれば、さらにまたおくれるというような点もございます。しかし、一方、幹線に新会社が入って、ある程度の幹線収益のシェアに参加するということでなければ新会社は健全に育たない。これにはやはり時間の問題が重要でございます。その意味におきまして、カラベルという世界でも優秀であるという、いわゆる中距離ジェットと申しますか、短距離ジェットと申しますか、これを導入する、しかもこれを買うのでなくて借りるという形で若干の期間国内で使う、そしてもちろんこれは727を正式に買ってやるよりも、あるいは収益性で若干劣るところがあるかもしれません。しかしいずれにしても、かなりの収益をあげることが困難でないとするならば、暫定期間中におきましてカラベルを入れる、そしてチャーターでやっていくということは、実際問題として私は新会社のいま置かれた客観情勢から見ましてもむしろ適切なことではないか、これによって新会社が将来の希望を持てる、そしていわゆる原則に従って今後新会社も727に機材を統一するということにするのが実際的には一番いい方法ではないか、かよう考えておるわけでございます。
  29. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、暫定的にカラベルを入れることについては、計算というか、試算の方法もあると思いますが、それは一応計算の問題であるが、一応暫定的に入れるということはやはり認めていこう、こういう方針ですか。
  30. 栃内一彦

    栃内政府委員 暫定的にはチャーターの形で認めていく、こういうことでございます。
  31. 久保三郎

    久保委員 そこで、できるならば、実際727が入ってくるなら機種統一の線にも沿うし、乗員の訓練にもこれは、いいしということでございますが、万やむを得ない場合にはそういう暫定措置があるかと思うのですが、これが過当競争一つのまた火をつけるという心配はございませんか。
  32. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま暫定措置ということで申しましたが、それともう少し御説明を追加させていただきますと、727という飛行機はきわめて新しい飛行機でございます。カラベルという飛行機は、いわば使いなれた飛行機でございます。もちろん日航全日空が727を導入したということは、新しい飛行機でもって将来を見てやっていくということでけっこうだと思いますが、新しく誕生しました新会社が、やはりいままでのプロペラ機を主体としてやってきた会社が暫定期間にカラベルをチャーターでもってやっていくということには、将来の727へ、統一機材にいくという過程におきましても、原則の例外ではございますが、これはやむを得ないと同時に、またある意味では、見方を変えれば適当なことであるという見方もできないわけではない、かよう考えております。  それから過当競争の問題でございますが、結局この問題につきましては、幹線におきましては、今後の旅客需要というものを見まして、これが日航全日空、また新会社におきまして、供給座席というものが需要から見て著しく過大にならない、しかもまた過小になりますと今度はお客が乗れないという問題が起きます。したがいましてこの辺お客も乗れるし、それから会社としても適当であるというようなところを、将来の需要をながめつつ機材というものを入れていくということによって、私は過当競争というものが防げるのではないか。ただいずれにしても株式会社でございますから、同じ全体のお客さんを自分のほうに取りたいということで、しのぎを削る、あるいはいい意味競争をするということは当然起きるし、また起こることが程度の問題におきましては私はむしろ必要ではないかとさえ思うわけでございます。ただ機材というものをむやみに少なくしておいたり、むやみに多くしなければ、そこにおのずからバランスができる。それから従来過当競争といわれておりました現象にはいろいろございます。私の見るところによりますと、いわゆる日本航空全日空が相互に相手の機材よりもいい機材を順繰りに入れたというようなところにおきまして、またこれが世間から過当競争だと非難をされたり、あるいはまた見方によっては、それによって日本国内航空のレベルというものが非常に上がったといういい面もございます。また見方によっては、過当競争という見方もあったと思います。ただ今後においては、終局においては727に持っていくということになりますと、機材としてのいわゆるイタチごっこはここで終止符を打つ、ただ暫定期間中カラベルという飛行機、これはもちろん727よりも小型の飛行機でございますが、ジェット機でございます。したがって著しく相違する機材ではございません。したがって、それほど問題は起きないじゃないか、かよう考えておるわけでございます。
  33. 久保三郎

    久保委員 機種統一というか暫定というか、機種統一の問題並びにカラベルを入れることについてあまり問題はない、こういうことでありますが、そうしますと、前の問題に返りまして、全日空日航も、言うならば最近の経営状態はやや上向きになっているし、それから、お話があったように国内の輸送需要というものも年々高まっていく傾向があるということでありますが、ただ、日航並びに全日航経営自体はややいいというだけで、安定した姿ではまだないと思うのですね。そこに、結局、今度国内航空幹線乗り入れということになりますれば、もちろん日航は、御承知ようにこの会社の産婆役もつとめた立場から、これについては十分了解していると思うのだが、片方の全日空立場からすれば、これは多少問題があると思います。将来需要伸びるから、それを国内航空に与えるという単純な割り切り方でいいかどうかというと、なかなか問題があると思うのです。そこで、いままでかかる問題については、日航全日空の間では、輸送の便数か何かの協議会がございましたね。これは非公式なものだと思うのですが、何という名称ですか。
  34. 栃内一彦

    栃内政府委員 日航全日空との協議会、これは正式な名前はいま調べておりますが、この協議会は大体月に一ぺんあるいは二カ月に三べんというぐらいで行なわれております。この協議会は、日本航空から二名、全日空から二名、両方から役員が出まして、もろもろの問題を協議するわけでございます。いわばこれは非公式の会議でござ  いますが、実は私自身も、その協議会にはオブザーバーというような資格で出ております。といいますのは、協議会を構或している日航全日空、両方からは、局長——もちろん正式のメンバーとしては出られないわけでございましょうが、正式な資格で出られて、局長答弁に困るようなことにしてはいかぬから、オブザーバーとしておきましょうという、非常にありがたいあれです。ただ、私自身も、場合によっては遠慮のない発言はいたしております。この協議会は、当初はかなり意見が対立したやに聞いておりますが、最近におきましては非常に穏やかでございます。ただ、協議している内容といたしまして、たとえば727に機種を統一する、この問題につきましては非常に成果をあげている。いわばこの協議会が窓口となって統一機種の問題が推進されたといっても過言でないと思います。  それから、いまお尋ねの便数の問題でありますが、これにつきましては、現在の協議会でやかましい議論をするというほどの問題になっておりません。むしろ両会社の事務当局間で、ある程度の連絡はしていると思います。あるいは役員間で、特定の場合に意思の疎通をはかるということはやっておると思いますが、この協議機関におきまして、両者の代表としての役員が、口角あわを飛ばして、この一便をどうしろ、あの一便をどうしろというようなことは全然やっておりません。こういう状況でございます。
  35. 久保三郎

    久保委員 これはなかなかむずかしい問題だと思うのであります。いままでは日航全日空だけの問題で、話は大体下相談でできる、その決定はもちろん航空局長の手元なり運輸大臣の手元で一応やれる、こういうかっこうでありますが、先ほど来の運輸大臣の話で、将来はもう雑多なものは許さぬということになりますと、これはこれで固定された形が一応できます。ローカルの残余の三つを入れて固定された形、これも言うなれば全日空の系列というか、そういうことになる。そうなると、大体日本国内航空を支配できるものはこの三社である。日航全日空、国内ですね。国内の幹線乗り入れということになりますれば、当然そういうふうになると思います。そうなりますと、これはいままでのような対での話し合いはなかなかむずかしい場面が出てくる。よってこれは公正取引委員会というか、独禁法の関係もございますが、やはり航空法の中を改正して、いわゆる輸送協議会というか、そういうもののあり方を制度化して、フェアにいけるようにするというくふうがあってしかるべきではないかと思います。国内航空幹線に入れないというなら別でありますが、それぞれの方針は入れるということですね。そういう前提に立ってあなたはお話しになっている。そうだとするならば、やはりそういうものをつくってやる。単なる行政指導だけで、これは運輸大臣方針だからということで押しつけることはどうもいかがかと思うのですが、これについてどう思いますか。
  36. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 将来あなたのおっしゃるようになるかもわかりません。現在のところにおいては、まだ非公式というか、法律上いわゆる協議会というものでなくてやっていけると私は思います。
  37. 久保三郎

    久保委員 国内航空を誕生させた責任からいっても、方針の問題は別にして、誕生したからには、基盤強化ということでありましょう。基盤強化にはいわゆる栄養を与えるということで、先ほどの御答弁のとおりだと思うのですが、ただ単にそれだけの栄養を与えるということでは、残念ながら国内路線全体としては円満な発達というのはなかなか手ぶらではいかぬと思うのです。そこで、いまこれを幹線乗り入れを許すにしても、先ほど私が申し上げたように、そういう協議体制を確立していこう、——さしあたり、もちろん日航全日空の問題になります。これは航空局長なり運輸大臣が中心になって指導され、話し合いをすることだと思いますが、少なくともこういうものをプライベートな、非公式なものでいつまでも置く時代ではなさそうに思います。というのは、ローカル路線における調整の問題もあると思うのです。特に最近事故を起こしたのは、実際はみんなローカルであります。ローカル経営が苦しい。苦しいところに過当競争みたいなものが出てくるということが、この委員会でもあげられた原因の一つになっております。続いては調整の問題もございます。そういうものを含めて考えると、やはりオーソライズされたところの輸送協議会というか、これは制度上なかなか問題があると思うのでありますが、そういうものをつくって、お互いに合理的に公正に判断をしていく、こういう必要があるということを言っておるのであって、法律がありませんから、いま直ちにそれをやれといっても無理ですが、近い将来として考えておくべき筋合いじゃないか、こういうふうに考えているわけですが、いかがですか。
  38. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 そのとおりでございます。
  39. 西村直己

    西村委員長 ちょっと関連して局長にお伺いしますが、現在の幹線の収益のシェアはどんなふうになっていますか。全日空日航と、ざっと計算していうと、六対四とか七対三とか、どっちをどう使っているかということ、大づかみでいいですから……。
  40. 栃内一彦

    栃内政府委員 幹線の収益につきましては、日航が六割五分、七割というところじゃないかと思います。この点は正確な数字ではございませんで、私の感じであります。
  41. 西村直己

    西村委員長 そこで私が大臣にお伺いしたいのは、大事な点ですが、幹線乗り入ればさておきまして、大臣がかわるつどに国策がいろいろな情勢から変わってくるような印象を与えることは、長期の金のかかる航空事業だから安定性がない。そこで大臣の手によってでもいいから長期にわたるある程度の大筋の見通しをお持ちになってこういう処置をおとりにならぬと、かりに大臣が永年御在職になればいいが、人がかわってまたそのとき意見が変わってくるというようなことになると、長期のいろいろな機種統一なり、発注なりがみなくずれてきて、いろいろな摩擦が起こり、摩擦の結果、事故にもなりやすい。その長期の見通しというものが——いま幹線十の中で六割五分を国際線の補助として持っていくわけですが、残りの三割五分の中で今度は国内航空全日空がシェアをどう分けるかという問題が近づいてくる。そうなると日航の体質、あるいは国際線で国内線を養うかどうかという基本的な問題をどうお考えになりますか。  それからもう一つは、日航ローカル線をしょっていない、ところが全日空国内航空ローカル線をしょった会社だ、それが同じような形でフェアな競争ができるかどうかという点です。  それからもう一つは、労務の関係からいっても、パイロットをどうしても日航はしばらくの間は高い外人のチャーターでいかなければなりません。そうすると低いものは高いものにつこうというあおりを食うわけですが、そこらの見通しですね。これはある程度の見通しを持って調整をはかっていかれる必要があるのじゃないか。そうしませんと運輸大臣が長くおやりになるならおまかせしてけっこうだが、またそのつど、そのつどの行政になると金がかかる仕事でございますから、片方は事故を起こせば一ぺんに大きいものがばかっといく。それをひとつお考えがあれば述べていただきたいのですが、どうなんですか。たとえば日航というものは将来できる限り国際線へ近づけて、国内のシェアは国内航空と全日航に中心を置くとか、そのかわり日航には国家的にバックアップを思い切ってやるとか、何かそういう構想のもとにおやりになっておるのかどうか、そこいらを聞かせていただきたいと思います。
  42. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 もちろんそういう構想で、根本方針といたしましてはぜひ国際線を中心に日航はやっていって、そうして全日空国内航空は国内線でやっていく。またさらに私の理想を申せば、将来日航がいろいろな国家の助成策の結果国際線で十分やっていけるというようになった場合には、私はそれはまたやっていけるようにしなければいかぬと思っておりますが、そうすることによって国内航空全日空は協調してやっていけるという大体の見通しを持って——いま数字的に説明せよと申しますれば国内航空はまだその数字がないのでございますから、大体やっていけるという見通しで、その方針で指導してまいりたいと考えております。
  43. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)小委員 関連して。——私は日米航空交渉についての大臣の腹がまえは大体わかったのですが、今度栃内局長アメリカへ行って折衝されるのですけれども、何といっても日本はすばらしい国際航空路の中に地位を占めておる。そこをアメリカに開放して、私のほうは西海岸しかないが、これは長い間のお互いの念願である不平等をたたき破る、そういう意味で今度行かれるわけですが、その際は非常にむずかしい政治折衝だと思います。相互乗り入れで今度の場合何も与えるものがない。そこのところへ従来の不、平等をたたき破るということですから、大臣の訓令もさることながら、行かれる局長の腹がまえが一番大事だと思いますので、その点についての御所見、覚悟についてお伺いしたい。
  44. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいまおっしゃいましたように、不平等条約を打破するということは、私ども航空に職を奉ずる者の一つの熱望と申しますか、あるいはもう一つ言えば悲願であります。御承知ように、平和条約発効後の特殊事態におきまして日米航空協定が結ばれた。したがって、明らかなる不平等条約でありまして、これを打破すべくいままで努力してまいったわけでございます。御承知ように前回も成功せず今度三年ぶりで交渉ということでございますが、この三年間におきまして日本の地位も向上いたしましたし、東京の地位というものも国際航空路線上においてますます重要性を加えておるという客観情勢の変化が、今度交渉をやる一つの基本的な背景と思います。ただそれは日本としてはそう思う、アメリカとしてそう思うということで、そう簡単に向こうが納得するかどうか、これはなかなか疑問でございますが、よくその点を説明し、日本立場というものをよく相手にのみ込ませて、そうして大臣が先ほど言われましたように、東京から中部太平洋経由、ニューヨーク——ロンドン——ヨーロッパという権利をとりたい、かよう考えております。ただ、いま長谷川先生から実際に行く者の覚悟は非常に重要であるということを仰せられました。その点は確かにそのとおりでございまして、私自身非常に責任を持って行くわけでございますが、問題の性質上これはいわゆる航空局長レベルのいわば事務当局の間の問題としてこれが解決できるというふうな問題ではないのではないか。もっと大きな問題である。たまたま会議の場において折衝する——もちろん外務省のワシントンに駐在しておられる方々と一緒にやるわけでございますが、しかしこれは日米国交全般の問題として、ワシントンにおられる武内大使その他の方で日米外交の問題としてこれを取り上げていただくというようなこと、さらにまた東京におきましても、運輸大臣、外務大臣あるいは総理大臣がこちらのアメリカ大使館に強力に発言していただく、あるいは大きな国民基盤でもってこの問題を打開していくのだというような国全体のバックというものがなければ、単に実際に行く人間の決意だけではなかなかむずかしい点もあるかと思っております。しかし私は全力を尽くしてこの任に当たりたいと思いますので、国会の先生方の応援をぜひいただきたい、かよう考えております。
  45. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)小委員 局長の決意はわかりましたが、問題はやはり国民的世論だろうと思います。せんだってミコヤン副首相一行が来るにあたって、お互いの中に議論されたモスクワ——東京というものについては、相手はソ連における一級の人物であり、そしてシベリアを世界に開放させるという世界的な視野から、また開放の好きなソ連ですから、この際ひとつ開放もいいじゃないかという議論もあった。が、あれだけ盛り上がってもなおかつ中断した形でしょう。だから私は局長がそれほどの熱意を持って行かれるという気持ちはわかりますけれども、やはり交渉というものは根も足も必要、それから背景も必要、こういう背景の起こし方について、やはり十二分にお互い、大臣もお考え願いたい。日米安保条約は、軍事同盟にあらずして、一方においては経済の相互繁栄ということがうたわれておるのですから、その線における政治的な発言というものも大きな意義を持つ。ただ技術的な航空というような問題じゃない、こういうことをあらためてひとつ申し上げておきたいと思います。  それからほかの問題については、大臣の御答弁なり久保君の質問などで大体了承しましたが、せんだってからわれわれが特に航空委員会などを設けたゆえんのものは、事故が起こって以来——群小のローカル会社があるけれども、事故の起こるのは経営の弱さもあるだろう。その中においては、技術のわからぬ重役などがおって、ただ認可さえとってやっておれば商売になる。そのうちにだんだん左前になった、事故も起こったというふうなことから、ここまで委員会の衆議が盛り上がってきたと思うのです。そのときに政府の勧奨によって、ほんとうに熱心な大臣の奔走などによって、国内航空が生まれてきて、そしてだんだんのお話を聞けば、やはり弱いものが幾ら集まったって、ゼロは幾ら集まったってゼロなんだから、これは何とかしなければならぬということが、さっきあなたがおっしゃった幹線の中に乗り入れさせるのだという基本だと思うのです。そのお気持ちはわかりますけれども、今度はシェアの問題になってくる。これが委員長の発言の中にあらわれていると思います。そうすると、そういう技術的な問題が出てくる場合のその態度というものが一つ。  それから先ほど国内航空がフランスのカラベルを今度輸入することをいつ許可するかわからぬでおって、片方のほうはカラベルを買う。それは乗員も必要でしょう。機材も必要でしょう。資金的な手当も必要でしょう。そうすればかりに許可するとしても、大体内示などをして準備をさせることも必要なんじゃなかろうか。そういう時限、時間切れという問題からして、私はやはり許可というものが、政府の態度決定の前にそういう問題が出てくる。決定は公文書で決定されるだろうけれども、そうした相手に用意させるということがある。その場合にシェアの問題も一つある。こういう問題などに対する大臣のお考えはいかがですか。
  46. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 前段の御意見は、全くそのとおりでございまして、私は微力でありますが、昨年行なわれました日米経済協力会議のときに、ホッジス商務長官にそのことを強く要望いたしまして、背景につきましてはできるだけの力の及ぶ限りの要求をいたしまして、その場合に話が煮詰まらなかったのですが、武内大使にホッジスとの話の結果を言って、そうしてアメリカ政府にさらに交渉せしめて、今回のいままで三年間相手にされなかったこの問題で、アメリカでもあなたのおっしゃる日米の経済協力のよう意味からこれはやるべきじゃないかということがだんだん認識されまして、今回の交渉をやるということになったと私は確信いたしております。そこでアメリカでも国内的の感じにつきましては、相当前よりも日本の地位が上がったのに比例して、日本というものを認識して、今回日米安保条約の趣旨に従って、ただちに防衛のみならず、経済協力という意味からそういうことになったと考えております。それですから、この上ともひとつ御支援くださいまして、日本航空界の悲願であるロンドン経由中部太平洋航空路に日本の飛行機が飛べるように、この上とも国民の代表である皆さま方の御支援を願ってやまない次第でございます。  次の問題は、国内航空のシェアの問題でございますが、これがさつき私最初に申し上げましたように、航空需要というものが横ばいの状態もしくはダウンの傾向にあるという場合であれば、あなたのおっしゃることは非常にむずかしくなります。全日空日航も今日積み残しのお客がたくさんあるのです。というのは、飛行機はやろうといったってやれないのです。そこで余る分のシェアだけでも国内航空が相互了解のもとにとるならば、私は非常な利潤をあげるということはいかがかと思いますが、健全な発達をしていくに足るだけの経済力はそれによってつくものであると確信をいたしております。ことに日本航空の発達の状態は全く世界に類のないほど需要が多い。というのは、それだけ日本がおくれておったということです。ようやくそれが順調にきたというか、正式になったというか、そういうことでシェアの問題は、私は現時点におきましては、さほど困難な問題でないと考えております。しこうしていつまでいまのよう需要状態が続くかと申しますと、日本の人口から見まして、あるいは国際の経済の発展の状況から見まして、まだまだ相当の期間——ちょうど三社が飽和状態になるまでにはよほどの時間がまだかかるという結論に達しまして、それじゃおくれるから、いまのうちに飛行機に乗れない人がないようにするという意味から私はこの際やるべきである、かよう考えております。  それから内示の時期の問題は、事務当局に調査をいたさせまして、最善の時を選ぶようにして——私はなるべく早いことがいいと思っております。
  47. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)小委員 日本航空界がどんどん伸びているということは、私も大臣と同感なんです。ところが大臣日本の空を飛んでいる飛行機は、日本のものは一つもない。乗り手は多い。スポーツでも見るやつは多いが、やるやつは少ない。ここが大きな問題だと私は思うのです。日本航空技術研究からすれば、戦前のことを言えば人が笑うでしょうけれども、すばらしいものができておったと思うのです。ですからそういう意味において、せんだってのように、デンマークの王女が来ようと、あるいはフランスの外務大臣日本に来ようと、日本へ来たとたんに、自分の国の飛行機に乗りましょうと言った。これは私はたいへんなことだと思う。ですから私は前々から申し上げておりますが、YSなどというものは、これは日本の総理大臣専用機ぐらいに買い上げて、まず国民に啓蒙するとか、あるいはこれが発明されて試験飛行をするときには、いかに戦後の技術屋が苦心したかという苦心談などをずっと公開することによって、国民に非常に大きな勇気を与える材料にならないかということを申し上げておるのです。まさにローカルの場合にジェット機を争って入れてみたりするようなことよりも、遊覧に乗るようなお客さんに、かりに三十分、四十分おくれるような飛行機であっても、日本の飛行機が飛ぶことを私は願う。YS一つにいたしましてもいままではふん切りがつかなかったのです。買うという会社もある。しかしそれもやめたりした。そういうことからしまして、私は大臣航空については特に御熱心のようでありますから、これだけは通産省なり政府部内の意見を統一されて——日本の国の空の上を日本の飛行機が飛ぶということは、これは一つもおかしくない、われわれのつちかった情熱、われわれのつちかった技術において飛ぶもの、そういう姿をぜひとられるように、これは格段のお考えをお願いいたします。
  48. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 全く同感でございます。
  49. 久保三郎

    久保委員 先ほど小委員長からお尋ねがありました将来の展望に立った基本方針でございますが、これはこの前にもお聞きしまして大体わかりましたが、小委員長の質問の要点は大臣がかわるたびに非常にかわっては困る、こういうことなんですね。そうだとすれば、これは何ぼ綾部運輸大臣が実力者でも、大臣をやめてからはなかなか手が届かぬと思うのです。直ちに来月総理大臣になれば別ですが、そうもいかないでありましょうから、そうだとするなら、これはやはり何らかの手段、方法によってオーソライズする必要がある。国会で一応答弁がありましても、私は内閣が違いまして前大臣方針と違います。こうやるのが定石でありますから、それじゃ困るのであります。そうだとするならば、いままでのお述べになった方針は、一つの方法としては航空審議会に御諮問なさって、その答申によって一応オーソライズしておくのがたてまえではなかろうかと思うのです。この点はいかがですか。
  50. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 このことそれ自体は航空審議会にかける必要はないと私は考えております。航空審議会にかけるにも、審議会の規則によりますと、許可、免許につきましてはかけるということにはなっておりませんから、私は航空審議会にかけなくてもいいと考えております。
  51. 久保三郎

    久保委員 国内航空幹線乗り入れについては運輸大臣の所管でありますから——そう言っているのではなくて、先ほど小委員長からのお尋ねは、いわゆる日航あり方、国内におけるあり方として大ワクをきめたらどうか、こうおっしゃっているわけです。それは当然のごとく審議会にかける筋合いではないが、諮問する必要がなければ、それはかけなくてもいいのですよ。しかしオーソライズする方法としてはやはりこれへかけて答申を求めていくという一つの方法がありはしないか、こうお尋ねしているわけなんです。いかがですか。国内航空幹線乗り入れとはその基本方針関係はありますが、具体的なものは国内航空幹線乗り入れでしょう。これはあなたの御所管で、判を押せばいいのです。けれども方針はお述べになっただけではどうも、また変わると困る、こういうことなんです。オーソライズするにはどうしたらいいか。航空審議会に御諮問なさって、その答申によって一応確立しておくという方法もありはしないか、こうお尋ねしているのです。
  52. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 そういうことをしておくことが万全の策かもわかりませんが、私はそういうことは現在の運輸行政の上からやっていけると思っております。
  53. 久保三郎

    久保委員 最も流動激しい航空界のことでありますから、十年、二十年も先のことを言っているわけじゃないのです。ただ私どもが心配なのは、審議会答申ローカルの問題について答申があった、それが綾部運輸大臣になったらどうもうまくない、こいつは統一、合併だとここで簡単に大臣がおやりになっているようにはたで見られるわけです。もちろん簡単ではないのでありまして、それがいいか悪いか二つの論はありますが、いずれにしても、そういう方針にするならば一応確立する必要がある、こういうことでありますが、確立する必要がないというか、そういうことをやらぬでも大丈夫だというお話でありますが、これは別に保証はございませんから、大体そういう方針でわれわれが考えているということだと思うのです。あなたにこれ以上申し上げてもどうかと思うのです。  この問題はこれだけにしまして、先ほど長谷川さんからお話があったアメリカに使いする者の心がまえでありますが、わかりました。わかりましたが、大臣に一言だけ申し上げておきたいのでありますが、ニューヨークビヨンドの問題一つをとらえてやると、航空局長の悲壮な決意にもかかわらず、なかなか困難だということですね、これは日本の地位が、あなたがおっしゃったように上がったか下がったか——われわれはあまり上がっておらぬと思うのです。向こうがこっちに来たということはあるが、これは決して池田内閣のもとで来たわけじゃない。上がったなんということじゃない。上がったなんて考えているのは少し思い過ごしでありまして、これでは失敗します。外交というのは石橋をたたいて渡ると同時に、自分の地位が上がったか下がったかの問題じゃなくて、自分のポジションがどこにあるかというのが外交のかなめだと思う。そういうところから申し上げますれば、事、国際航空の問題は、幾つかある。幾つかある国と日本との関係は今日と一年前とではだいぶ変化があります。それは対外的に変わってきている。日本は変わりやしないが、向こうが変わってきているから、国際的に見れば日本も変わったということになる。その変わったポイントをとらえて折衝するのが一番大事だと思う。よって私が言いたいのは、そういう観点からアメリカに対しても交渉を展開すべきであって、お前のところは不平等な協定だから、ひとつこれを通せという単純なものではなさそうだと思う。そんなことでくずれるなら、とっくにくずれたはずだと思う。そういう意味で、先般もお尋ねしましたが、あなたの御方針は非常に硬直した方針でありますので、これは具体的に言っても同じでありますから言いませんが、遠回しに申し上げればそういうことです。ついては、そういうものを今後、あしたまたものの考え方が変わるかもわかりませんから申し上げますが、内閣改造というか総裁公選もあるから、それまでに決着がつけば別でありますが、決着がつかぬときには気がかりでありましょうが、一国の大臣として、ホッジスが来たときにお話をしたというお話だけで足りる問題じゃない。一航空局長の段階ではないと彼はいっているのですが、そのとおりだと思う。ましてや先ほど申し上げたような外交の関係考えていけば、総合的の中のニューヨークビヨンドということだとするならば、大臣は総裁公選が気がかりでもありましょうが、やはりある時期には出ていく必要があると私は思う。そういうお考えは持ってはおりませんか。いざという場合にはおれが行ってやるという考えはありせんか。
  54. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 まず航空局長をやりまして、航空局長交渉のいかんによりましては、私は行くことを一つもいといません。私が行って解決できるという見通しであるならば、私はすぐにでも参ります。
  55. 久保三郎

    久保委員 それはいまの段階は私の言うとおりにならぬですから、あなたは行く必要はない、航空局長で大体同じである、こういうふうにお考えだと思うのです。たいへんなまいきなことを申し上げますが、われわれはそう考えている。アメリカだけの問題じゃない。日本の問題なんです。日本の相手はアメリカだけじゃない、穴のあからぬところは諸外国たくさんあるのですから、そういう問題をもう少し考え大臣が行くというのが筋じゃないかと思います。航空局長の舞台ではちょっとできかねます。そういうことを考え航空局長をまずおやりになる、こういうことが一番いいんじゃないかと思っているわけです。一応私の考えだけを申し上げておきます。  もう一つ最後に申し上げたいのは、あなたは先ほどの私の質問に対して、いま小委員長から話があった方針については心配ない、こういうことをおっしゃいまして、私の提案にも遠慮されたようだけれども、別に私押しつけはいたしませんが、先ほど私が言ったように、週刊誌に出た美土路さんの談話じゃないが、そういう流動が激しいんで、どうも航空の「航」が抜けて、「空政策」だといわれてもしかたがない面があると思う。これは政府全体で、あなたの責任ではない。そういうことが再び起きないように、この際やはり確立する必要がある。でありますから、そういうものを、どういう方法が一番いいかは別として、やはり将来に向かってオーソライズしておく必要がある、こういうことを私は考えておる、以上申し上げて終わります。
  56. 西村直己

    西村委員長 他に御質疑はございませんか、——次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。  午後三時五十分散会