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綾部国務大臣 超
音速機の
実用化に伴いまして、現在の
羽田その他の
飛行場がそれに不適当である、不適当と申すよりも
離着陸が不可能であるというのはもう定論であります。そこで私
どもといたしましては、それでは超
音速機が
離着陸ができるように、すなわちその超
音速機が
離着陸ができるということは、世界で
日本が
東洋における
航空の主要なる
場所になるということが予想されますので、その超
音速機の
飛行場についてどうしたらいいかということを、私
どもといたしましては
航空審議会に
諮問いたしまして、その
結論を得ておるのは
皆さま御承知のとおりでございます。自民党の
政調会等におきましても、各方面の
権威者が集まりまして、その
審議会の
答申案というものについて
検討をお願いして、この
審議会の
答申というものは妥当であり、
権威あるものであるということをわが党のなにでは大体了承を得たのであります。それはどういう
観点から立っておるかと申しますと、まず第一に、人命に非常な影響のある
飛行場でございますから、現在の時点におきまして、すなわち
安保条約締結下における
駐留軍の
飛行場との
関係、その他管制上の
見地から
研究することが第一点、それから
面積が大体七百万坪以上を要するという点が第二点、この点につきまして
諮問をいたしました結果が、先ほど申しましたような
答申を得ておるのでございます。それを私が
閣議に報告いたしましたところ、
閣議に
議論というほどの
議論はございませんでしたが、現在の
日本はすべてのものが
大都市集中の傾向になって、すべての
経済施設その他
施設が
大都市集中の弊があるからして、それを除くという
意味においても、どこか
航空審議会の
答申された以外の地にさがす必要はないのであろうかという
発言がありました。そこで私といたしましては、それはその趣旨ごもっともであるからして、
調査すべく決意をいたしております。しこうしてその手段といたしまして、本年度の
予算に約一億円の
調査費と、それに要する人員の
増員等につきましては
皆さま方の御
審議によりまして
運輸省設置法の一部を改正する
法律案によりまして実行いたしたいと考えまして、その法案が
衆参両院を去日通過いたしまして、着々とその
実施に向かっておるのが現状でございます。私はその点から考えまして、完全なる超
音速機の第二
空港を
建設すべく鋭意いま
研究中でございます。
それから
飛行場の
所管につきましては、もうこれは明々白々でございまして、ここに私はいま申し上げますが、
内閣法の第三条、それから第六条、それから
運輸省設置法、それから
昭和二十七年
法律第二百三十一号の
航空法、それから
昭和三十一年
法律第八十号の
空港整備法等の
法律によりまして明記してございます。すなわちこの
空港整備法の一条を読んでみますと、「
国際航空路線に必要な
飛行場であって、政令で定めるもの」、第二種
空港、第三種
空港、いろいろありますが、
国際飛行場についての
権限というものはここに明記してございますからして、それに従って、これはもう
議論の余地はないと考えております。一部の人の間に、さような大きな
飛行場は
日本の国情に沿わぬじゃないかという
議論がありますが、それは超
音速機の性能その他を知らざる人の意見でございますので、私はさようなものでないということを反論いたしまして、それは私の説に賛成されたのであります。
首都圏整備の
関係で
建設大臣が
建設委員会で
質問に答えて、
首都圏整備として
東京湾一帯を
整備して、あそこに大きな
埋め立て地をこしらえて、そのときにはそこへ三百五十万坪から四百万坪の
飛行場を置くということを
首都圏整備の
見地から考えておるようでございますが、それはいわゆる超
音速機のわれわれの考えておる
飛行場とは違うのです。
そこで、それを
浦安沖に設置することによって、いまの
羽田との関連がどうなるのかという
質問をいたしましたところ、これはもうつぶしてしまうのだ、こういうような話でございます。そういうことを言いますからして、それは
国家財政の問題で、あそこに数千億を投資しておるものを直ちにつぶすとか、ほかの用途に使うとかいうことは私
どもとしては考えられないが、それは主として
財政上の問題で、すなわち
国家財政がかようなる
飛行場を二つ併存していけるかいけぬか、あれに数千億をかけておる、
国家投資も入れておるのでございますからして、そういう
空港をそのままで使えるものをつぶしてしまうということがいいか悪いかというような問題については、
財政上の問題であるから
大蔵大臣が考えるべきであるということを私は申しました。私は超
音速機の
飛行場としては
航空審議会の
審議を
中心にして今後
検討いたし、さらによりいいところがあるかないかはこの一億円の
調査費を使いまして
調査をいたしまして、その
結論に従ってやっていきたいと、かように考えております。
それから
名古屋、京都、滋賀県等、あの
中京地区に
ジェット機が自由に入れるような
飛行場をこしらえるということは考えておるかと申しますからして、私は、
航空の
発達に伴いましてそういう
飛行場ができることは賛成である、多々ますます大きな
飛行場が
国内にできることは、
航空事業の
発達に即応するゆえんであるからけっこうであるということを考えております。
以上がいままでの経過でございます。