運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-05-28 第46回国会 衆議院 運輸委員会航空に関する小委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月二十八日(木曜日)    午前十時三十四分開議  出席小委員    小委員長 西村 直己君       壽原 正一君    關谷 勝利君       中馬 辰猪君    塚原 俊郎君       長谷川 峻君    久保 三郎君       泊谷 裕夫君    肥田 次郎君       矢尾喜三郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 綾部健太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  田邉 國男君         運輸事務官         (航空局長)  栃内 一彦君  小委員外出席者         運 輸 委 員 井岡 大治君         運輸事務官         (航空局監理部         長)      堀  武夫君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  航空に関する件(国際空港等に関する問題)      ————◇—————
  2. 西村直己

    西村委員長 これより運輸委員会航空に関する小委員会を開会いたします。  航空に関する件、特に国際空港に関する問題について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  3. 久保三郎

    久保委員 大臣にお尋ねするのでありますが、東京における第二国際空港建設の問題で、最近新聞等で報じられておりますところでは、かなり閣議の席でも論議されておるようでありますが、航空審議会からの答申によって、一応第二空港についてはそれぞれ答申があり、それに基づいて一応建設をしようとかかったと思います。ところがその後閣議でこれが問題になりまして、池田総理から、第二空港についてはさらに視野を広めて検討したらどうかというような話も出ているそうでありますが、第一点としては、池田総理からそういう話になっているかどうか。さらに最近の問題では、河野建設大臣首都圏整備委員会委員長としての資格で第二空港についてそれぞれ調査を進めるというか、そういう形をやっている。あるいは大阪名古屋中間にこれまた第二の空港をつくることが適当だから、この調査をしたらどうかということであって、政府部内においてはいろいろ所管の問題もありましょうが、最終的には空港設置なり建設、こういうものは綾部運輸大臣所管事項とわれわれは考えております。最近閣議の内容を、つまびらかにはわかりませんけれども新聞の報道などを見ていると、空港建設そのものについてはどうも政府一貫性がない、言うならばかって気まま——と言ってはたいへんきついかもしれませんが、それぞれの部署でそれぞれの方向調査や何かを進めている。これは全体としてこういうことでいいのかどうか、綾部運輸大臣はどういうふうに考えているか。私がここで御答弁をいただきたいのは、まず第一に、第二国際空港建設の方針はどうなっているか。さらには、河野建設大臣が言及された大阪名古屋中間におけるところの空港建設というのは運輸大臣としてどういうふうに考えているのか。さらには、閣議の席でも問題になったようでありますが、あなたの所管事項河野建設大臣なる首都圏整備委員会委員長としての権限とはどういうふうになっているのか。まず、それをお尋ねいたします。
  4. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 超音速機実用化に伴いまして、現在の羽田その他の飛行場がそれに不適当である、不適当と申すよりも離着陸が不可能であるというのはもう定論であります。そこで私どもといたしましては、それでは超音速機離着陸ができるように、すなわちその超音速機離着陸ができるということは、世界で日本東洋における航空の主要なる場所になるということが予想されますので、その超音速機飛行場についてどうしたらいいかということを、私どもといたしましては航空審議会諮問いたしまして、その結論を得ておるのは皆さま御承知のとおりでございます。自民党の政調会等におきましても、各方面の権威者が集まりまして、その審議会答申案というものについて検討をお願いして、この審議会答申というものは妥当であり、権威あるものであるということをわが党のなにでは大体了承を得たのであります。それはどういう観点から立っておるかと申しますと、まず第一に、人命に非常な影響のある飛行場でございますから、現在の時点におきまして、すなわち安保条約締結下における駐留軍飛行場との関係、その他管制上の見地から研究することが第一点、それから面積が大体七百万坪以上を要するという点が第二点、この点につきまして諮問をいたしました結果が、先ほど申しましたような答申を得ておるのでございます。それを私が閣議に報告いたしましたところ、閣議議論というほどの議論はございませんでしたが、現在の日本はすべてのものが大都市集中の傾向になって、すべての経済施設その他施設大都市集中の弊があるからして、それを除くという意味においても、どこか航空審議会答申された以外の地にさがす必要はないのであろうかという発言がありました。そこで私といたしましては、それはその趣旨ごもっともであるからして、調査すべく決意をいたしております。しこうしてその手段といたしまして、本年度の予算に約一億円の調査費と、それに要する人員の増員等につきましては皆さま方の御審議によりまして運輸省設置法の一部を改正する法律案によりまして実行いたしたいと考えまして、その法案が衆参両院を去日通過いたしまして、着々とその実施に向かっておるのが現状でございます。私はその点から考えまして、完全なる超音速機の第二空港建設すべく鋭意いま研究中でございます。  それから飛行場所管につきましては、もうこれは明々白々でございまして、ここに私はいま申し上げますが、内閣法の第三条、それから第六条、それから運輸省設置法、それから昭和二十七年法律第二百三十一号の航空法、それから昭和三十一年法律第八十号の空港整備法等法律によりまして明記してございます。すなわちこの空港整備法の一条を読んでみますと、「国際航空路線に必要な飛行場であって、政令で定めるもの」、第二種空港、第三種空港、いろいろありますが、国際飛行場についての権限というものはここに明記してございますからして、それに従って、これはもう議論の余地はないと考えております。一部の人の間に、さような大きな飛行場日本の国情に沿わぬじゃないかという議論がありますが、それは超音速機の性能その他を知らざる人の意見でございますので、私はさようなものでないということを反論いたしまして、それは私の説に賛成されたのであります。首都圏整備関係建設大臣建設委員会質問に答えて、首都圏整備として東京湾一帯整備して、あそこに大きな埋め立て地をこしらえて、そのときにはそこへ三百五十万坪から四百万坪の飛行場を置くということを首都圏整備見地から考えておるようでございますが、それはいわゆる超音速機のわれわれの考えておる飛行場とは違うのです。  そこで、それを浦安沖に設置することによって、いまの羽田との関連がどうなるのかという質問をいたしましたところ、これはもうつぶしてしまうのだ、こういうような話でございます。そういうことを言いますからして、それは国家財政の問題で、あそこに数千億を投資しておるものを直ちにつぶすとか、ほかの用途に使うとかいうことは私どもとしては考えられないが、それは主として財政上の問題で、すなわち国家財政がかようなる飛行場を二つ併存していけるかいけぬか、あれに数千億をかけておる、国家投資も入れておるのでございますからして、そういう空港をそのままで使えるものをつぶしてしまうということがいいか悪いかというような問題については、財政上の問題であるから大蔵大臣が考えるべきであるということを私は申しました。私は超音速機飛行場としては航空審議会審議中心にして今後検討いたし、さらによりいいところがあるかないかはこの一億円の調査費を使いまして調査をいたしまして、その結論に従ってやっていきたいと、かように考えております。  それから名古屋、京都、滋賀県等、あの中京地区ジェット機が自由に入れるような飛行場をこしらえるということは考えておるかと申しますからして、私は、航空発達に伴いましてそういう飛行場ができることは賛成である、多々ますます大きな飛行場国内にできることは、航空事業発達に即応するゆえんであるからけっこうであるということを考えております。  以上がいままでの経過でございます。
  5. 久保三郎

    久保委員 いまのお話だと、総理は、総理航空審議会答申が出た際に、この処理にあたって、いわゆる大都市集中するから、これはひとつ別な方向で、集中を避けるような方向検討しろ、こう言われて検討しているというのだが、それに間違いございませんか。
  6. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、国家投資を非常にたくさん要する事業でございますからして、あらゆる角度から調査することはやっていって、最もいい場所に最も経済的に施設ができるように努力するのが私の当然の義務であると考えております。
  7. 久保三郎

    久保委員 いや、私が聞いているのはそうじゃなくて、首都というもの、東京都というものと関係なく、たとえば当時新聞記事によりますれば、池田総理浜松付近にでも、ああいうところにでもつくったらどうかというような話をしたそうでありますが、そういうものを含めて調査されているのですか。
  8. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 総理はさようなることは申しません。日本概観論として、すべての機関が中央集約的になりつつあるからして、国際飛行場も別にいいところがあるならやってはどうかという話でございまして、それはただいま申しましたように、超音速機で世界じゅうの人が、大部分の人が東京へ来ることが目的であるのですから、あの中京のところへニューヨークから二時間なら二時間で来られて、それからまた国内で一時間も二時間もかかるようならば意味をなさないから、私といたしましては東京中心の近くにあるべきがいいと思いますが、さらにその適当な場所がありまして、しかも安くできて、そうして一時間足らずで道路の整備その他によって東京へ来られるというところがあるならば、それは私は研究に値するものと考えまして、ただいま申しました一億円の調査費でこれから真剣に調査をして、超音速機実用化される四十六年までに建設をどうしても終わらなければ、これはもう池田内閣の問題、綾部運輸大臣の問題でなくて、国家のために千載に悔いを残すということになるおそれがありますから、私は速急にそれをやっていきたい。同時に、土木技術が進んでおりまして、用地がきまれば大体二年か二年半で付属の施設——ターミナル・ビルその他の施設は時間がかかりますが、大体二年あれば現在の土木技術でやっていけると考えておりますからして、早く結論を出したい、かように考えております。
  9. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 関連して。——運輸大臣のさっきの御説明ですと、超音速機の問題と七百万坪の土地が絶対必要だ、こういう原則の上に立っておるわけです。そしてことしの一億円というのは、航空審議会答申を聞いて、その調査費だというけれども、それは実施設計かれこれの調査費だと私は思っているのです。しかしただいまの運輸大臣の御答弁によりますと、いろいろな話が出て、慎重にほかの候補地も見るための一億円の調査費のようにあなたは御説明されておりますが、その辺の関係をはっきりしてもらいたい。
  10. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 その費用も一部ありますが、大部分があなたのおっしゃるような形態あるいは設計その他についての調査費用でございます。
  11. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 問題は航空審議会がさきにもう答申されておるのです。それから今日まで、わが党の話であり、わが内閣の話でありますけれども閣議大臣説明されたように、いろいろな問題が出ているのですよ。一方、私は思うのでありますけれども、やはり航空というものは、ただ一つの会社に運輸省航空局が出す予算というものは、サービスするという意味じゃなくて、国際航空というのが私は国の大事な仕事だと思っておるのです。現に最近は、せんだってミコヤン氏が来ましてのモスクワと東京という話などでも、東京のウエートが高い中に、ニューヨーク、ロンドン、東京、この中における日本羽田飛行場というものがいかに狭隘であるか、あるいはインターナショナルエアポートというけれども、どこにもインターナショナルエアポート形態をなしておりません二十二番線まで国際航空を迎えておる姿というものは、あれは国内航空なんです。そういう現実論の、狭隘であり不便であるという感じからしましても、超音速機の問題だけではなくても何とかしなければならぬということはとっくにわかっておるわけです。それを航空審議会答申が出てから今日までじんぜんとして、その間にいろいろな雑音が入って、しかもその一億円が、ほかのところまでいまから先に調べるためのものであるということならば、ますます議論を混乱させ、その実施というものをおくらせるというふうに私は思いますが、これは大臣どうですか。
  12. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私がさっき申しましたように、超音速機の第二飛行場というものは、日本にとりましては、例の超特急の汽車と同じように、おそらくそれに匹敵するくらいな資金を要し、それからまたさらに、いろいろな点での適当なところがありはしないかということは航空審議会答申のときにも考えられたのでありますが、さらに念には念を入れる意味において調査をしてみたい、かように考えておりまして、その調査をすることによって、航空審議会答申の中のどの地点かは知りませんが、きまりました場合に、それに間に合わないようなことのないように調査を急速に進めて結論を出したい、かように考えております。
  13. 久保三郎

    久保委員 どうも大臣、あなたの御答弁では、第二空港位置の問題についてあいまいだと思うのです。どうも閣議池田総理が言ったことはほんとうらしい。そういうふうに半分とれますよ。というのは、いま長谷川委員からもお話があったように、国際空港位置というのは、単に思いつきや何かできめるべきではもちろんありませんし、国際的な立場からも考えねばならぬと思うのです。いわゆる首都間乗り入れというのが今日の国際航空のあり方なんです。ところが、池田総理が言ったか言わぬかわからぬけれども浜名湖近所へ持っていって、これが不便であるかどうかは別にして、その場合に、はたしてこれが東京空港になり得るかどうか。そうなりますと、いまの国際航空協定というものはまだ日本では、これからあとで質問しますが、完成しておりません。完成していないときに、そういう位置の問題からきて不当に日本の権益というか、そういうものが圧迫されないということも言い切れない。そういう実情にありますので、そうなりますれば、東京まで二時間とか、浜名湖といえば東京というよりも中京に近いのですが、そういうところまで調査する必要があるかどうかという問題も一つあるのです。これはどうなんですか。はっきり言って、いわゆる東京国際空港ということなんですか、それとも日本四つの島におけるところの第二国際空港として取り上げておるのかどうか。それからもしも私が申し上げるように池田総理発言なり閣議の決定で幅広く調査すべしということになったとするならば、調査する前に一応航空審議会答申というものは、どう措置されているのか、原則として答申は尊重するということですが、しかし尊重し得られないときには、ルールとしては再諮問ということがあり得べきだと思うのです。それを閣議なりあるいは政府の部内でああでもない、こうでもないといっているということは、航空審議会権威というか、そういうものを尊重しないという一つの風潮がここに出てくると思うのです。  一つは、第二空港というのは、いわゆる東京なのか、それとも日本四つの島の中のどこでもいいのだという思想に立っているのかどうか。もう一つは、航空審議会答申についてその扱いはどうなっておるのか、扱いはどう考えるか、この二点についてお伺いします。
  14. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 超音速機の着く第二国際空港というのは、東京ということは自明の理でございます。私は、しかしさらによいところがあるかないか研究するというのは、空港が必要とせられる場合に、どこへ置くのがいいかということをいろいろ研究するのは何も悪いことではないと考えております。  それから航空審議会権威に関する問題とおっしゃいますが、航空審議会答申をわれわれは尊重することはしばしば申し上げたとおりでございまして、いまにおいても変わっておりません。
  15. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、答申を尊重して、さらにいいところがないかどうか考えているというのは、矛盾がありませんか。別に私はいいか悪いか言っておるのではない。航空審議会答申とあなたの御答弁のさらにいいところがあるかもわからぬから調査しているということには矛盾がありませんか、こう聞いておるのです。ただ、たとえば富里地区とか霞ケ浦地区とか浦安地区とか四つかそこらあげていますね。その中で千葉県のここがいいだろう、こういうことなんですよ。その中で調べているなら別ですが、そうではなくして、もっと幅広くというのでは、言うならば、大体答申というのはわかった、だけれどもぼくのほうで独自で調べます、こういう態度ですか。
  16. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 いろいろな観点から調べるということです。
  17. 久保三郎

    久保委員 それは答申をまるのみにしてこれだということにはいかぬと思うのですね。さらに精査してやることは当然だと思うのですが、それには先ほど長谷川委員がおっしゃったように、焦点をきめてやるべきだと思うのですね。どうも御答弁を何べん聞いてもわからないのですが、答申は尊重するというが、ざっくばらんに言えば、閣議でもって問題になっていて、池田総理からもとっぴもない話も出ているので、まあまあこれはひとつお茶を濁すためにいまのような答弁になっているのではなかろうかとさえ思うのですが、そういうことなんですか、聞きにくいことですが……。
  18. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は権威あるこの委員会お茶を濁すような答弁はいたしておりません。私は一つの信念に基づいて、そうしてかくあるべしということについて結論を早く出して、実用化される四十六年までに、何とかして日本東洋国際航空中心地になるように努力すべきである、かように考えてやっておるのでございます。
  19. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 これは航空局長にお尋ねします。大臣の御答弁によってだんだんニュアンスがわかってきたと思うのですよ。そうすると、いま一億円の調査費というものは、われわれの承知しておったところでは、航空審議会答申に基づいて事務当局がそれを受けて立って、これならば将来、日本の第二国際空港にいいところだという場所にあなた方がおきめいただいて、それの実施設計費としての一億円だとわれわれは了解している。しかしながら、だんだんの話の中から出ていることは、ほかにいいところがあれば多少考える、そのための調査費は若干は食い込んでもいい、こういうふうな事態になっていると思うのです。そこで私は聞きますが、いろいろな場所が四カ所か五カ所か、かりにあげられているとしても、第一の前提はやはり超音速機の問題、その次は七百万坪というものが絶対的なものでしょう。その場合に、埋め立てその他において先ほど言われたように三百五十万坪しかないとか、あるいは四百万坪ぐらいまでしかだめだというふうな話が出ているとすると、この絶対条件であるところの面積という問題が一つ。それから何としましても、さっき大臣が言われたように、日本にやってきた外国人が、ビザだとかいろいろなホテルの関係で、一時間も二時間も遠いところに着いたのじゃ、これは話にならぬ。旅行者の不便になる。そういうふうな地域的な問題がはっきりしてくる。それから気流の関係、こういうことからしますと、私は、こういう問題は航空審議会ほんとうに純粋な技術的な問題から出たもの、いまの埋め立ての問題、敷地の問題、そういう問題から考えまして、これは政治的な、いろいろなごちゃごちゃした話が解消される形において、事務的な問題において協議し結論を出されるのが一番すっきりする問題だと思うのですが、航空局長としてそういう点からの御見解をひとつあらためてここでお示し願いたいと思います。
  20. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま大臣がおっしゃいましたように、調査費候補地が確定した場合、将来の具体的な調査ということが主眼でございます。そのほかに必要な調査というものに使用するということももちろん含まれておる、かように考えております。
  21. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 七百万坪ないとできないという事務的な条件はどうですか。
  22. 栃内一彦

    栃内政府委員 面積につきましては、七百万坪というものは、私どもの考えました場合は、大臣のおっしゃいましたように超音速ジェット機受け入れというものが可能になる。またこれはもちろん超音速ジェット機受け入れと、それからそのほかの飛行機というものもあわせてこれを使うというような考え方でございます。
  23. 長谷川峻

    長谷川(峻)小委員 気象関係はどうですか。
  24. 栃内一彦

    栃内政府委員 気象関係につきましては、私ども事務当局といたしましても非常に重視しておりまして、先般航空審議会でいろいろ御検討になった場合に、事務局立場におきまして気象データというものも調べました。また審議会専門委員として気象庁予報部長に参加してもらいまして、専門委員立場から気象庁予報部長からいろいろな気象上のデータの御説明がございました。先ほど大臣が言われました航空審議会答申しました個所以外でも適当なところがあればという問題につきましても、気象上の観点は非常に重要であるということで、この点の調査も当然すべきものと考えております。
  25. 中馬辰猪

    中馬委員 航空局長羽田はいま何万坪ございますか。
  26. 栃内一彦

    栃内政府委員 約百万坪でございます。
  27. 中馬辰猪

    中馬委員 この浦安が三百五十万坪というのは、埋め立て可能なところですか。それから、もう少し金をかけて拡張すれば、もっとたくさんの、七百万坪の面積もできるのですか。その点はどうなんですか。
  28. 栃内一彦

    栃内政府委員 浦安につきましては、浦安沖ということで陸岸に非常に近づけてやる、しかも面積も比較的少なくとるということになりますと、比較的工事は容易である。しかしあの辺は私どもの聞いておりますところではかなり地盤が悪いというふうに聞いております。ただこれも、あるいは金をかけることによって技術的には解決するかもしれません。ただ、これを沖合いに出すに従いまして水深が深くなりますので、それに比例してというよりも、比例以上の率でもって工事が非常にむずかしくなり、かつ経費も高くなる。かように考えております。
  29. 中馬辰猪

    中馬委員 いまの土木工事あるいは予算見積もり等からすれば、浦安沖というものはたった三百五十万坪が限度である。その三百五十万坪にしても、地盤関係あるいは工事費等関係からいって航空審議会が予定したほかの地区よりも多額の経費がかかる。これはもう常識だと思います。だから、かりに四百万坪の浦安沖埋め立てをして、しかもそれが地盤が非常に安定していないから、この地盤を固めるためには相当な金がかかる。そうすると、そこは四百万坪では超音速機飛行場としては用をなさない。せいぜい羽田を移転して、まあ羽田の四倍ありますから、これよりは多少効果はありましょうけれども羽田をつぶして四百万坪にたくさんの金をかけて、しかも超音速機には役に立たない、こうなってくると、一部の人のおっしゃるように、浦安沖首都圏整備観点から飛行場にして、羽田はこれをつぶすということをかりにやるといたしましても、超音速機の問題は解決しないわけですね。もう一回超音速機については別に適当な場所を探さなければならぬ、こういうことになりますね。
  30. 栃内一彦

    栃内政府委員 超音速機旅客機そのものを着陸させる、ただそれだけの観点で考えますと、私どもは四千メートルの滑走路が必要である、かように考えております。四千メートルの滑走路をかりに一本つくるということであるならば、あるいは七百万坪は必要じゃないかもしれません。ただ、それは超音速旅客機が物理的に着き得るということでございまして、その意味で申しますと、かりに羽田がいま長いのが三千百五十メートルございます。したがって、超音速旅客機を着けてもいいじゃないか、いわば一種の実験的な感覚で判断いたしますと、羽田滑走路をかりにあと千メートル伸ばすということなら、それは物理的には私は着陸も離陸もできると思います。ただ、これは実際問題として不可能でございます。そういうような意味で、かりに一本だけの滑走路をつくるということなら七百万坪は要らない。私どもが七百万坪と考えておりますのは、単に物理的に着陸できるということじゃなくて、超音速旅客機というものは日本首都である東京の便利のために実用的かつ経済的に、それから今後相当の年月の間安全に経済的、能率的に使えるというような姿において考えておるわけであります。またその場合に、羽田空港自体は国内線として非常に重要でございますが、国内線の発達ということから見て羽田だけでは十分ではないというような事態も考えなければならない。その場合に、新国際線空港を超音速機用として非常に能率的なものをつくる。同時にまた、ある程度の国内線の遠距離向きにつきましてもこれを利用する時期が来るのではないか。近距離の国内線はもちろん羽田を使わなければなりませんが、比較的遠距離のものは羽田で処理し得なくなった場合には、新国際空港でこれを背負い込まなければならないというような、いろいろな将来の観点から考えておるわけでございます。その意味で、超音速旅客機のための新国際空港として七百万坪が必要であるというのであって、単にそのものが実験的に着く、あるいは不便でもともかく着けるんだということでございますと、あるいはそれだけの面積は必要でない、こういうことも言える思います。
  31. 中馬辰猪

    中馬委員 いまの局長の御説明で大体われわれも了解したし、よく事態がわかったのであります。ですから、そのあなたの考え方を基礎にするならば、浦安沖の三百五十万坪で、第二国際空港はこれでよろしいのだ、こういう考え方は、超音速の飛行場を将来必要とするし——将来じゃない、もう現にあと何年後には必要とする、こういう観点に立てば、浦安沖埋め立てて、非常にたくさんの経費をかけ、しかも羽田をつぶし、さらにまた別に超音速の飛行場建設しなければならぬ、こういう非常な手順というか、経費もかかって、むだだと思うのですよね。ですから、大臣、特にこの点をひとつ強く申し上げておきたいのでありますけれども閣議の論点は少し問題がすりかわっているというような気がするんです。われわれが新聞で見る範囲内では、新聞で承る私どもの感触からいたしますと、富里その他の第二国際空港よりも、浦安沖のこれでもうすべて終わるのだ、実はこういう感じを持つわけですよ。ところがいまあなたの話を聞きますと、四千メートルの滑走路をおそらく数本つくらなければならぬと思うのですよ。いまの航空路の発達、世界の経済の進歩、人的交流、貨物の交流、いろいろな点から考えて、おそらくあなたが考えておる以上のスピードで貨物、人物がふえてくると思うのですよね。そうなってくると、ますます浦安沖で三百五十万坪の飛行場をつくるなんということはナンセンスだ、こういう気がするんです。だから、思い切ってあなたのお考えのとおりに、あくまでも七百万坪以上、最低七百万坪の飛行場を、しかも低廉な土地を買って建設をする。そこに超音速も入るし、もちろんその他のジェット機も入るでしょう。そして、いまある千億以上の投資をいたしておる羽田空港は、これを存置して将来国内航空に残す。これはだれが考えてもイロハの議論でありまして、これをもとにして、たとえば羽田をもう少し延ばしたほうがいいとか悪いとか、あるいは七百万坪は少し狭いからもっと延ばせとか、そういう議論ならばわれわれも傾聴をいたすし、また調査をせんければならぬですけれども、いま言ったように超音速にはどうしても七百万坪は必要だという大前提を無視して、浦安の三百五十万坪、これでよろしいのだ、超音速は先のことなんだ、あるいは何もアメリカやモスクワやロンドンみたいに、そう大きな飛行場はつくらぬでもいいのだ、こういうように実に時代錯誤的な議論をすることに対しましては、もう少し運輸省のほうでも世論に訴えるようなPRが必要だと思うのですよ。この点はどうです。
  32. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま御質問にございました浦安沖の問題でございますが、これは私の答弁はあるいは仮定の答弁かもしれませんが、問題をむしろ明確にするためにお答えしたほうがいいと思います。かりに羽田をやめてしまうという立場に立ちました場合に、浦安にとりあえず四百万坪の埋め立てをする、そして将来必要ならば七百万坪までふやす、これは非常に金もかかるし、技術的にもいろいろな問題があると思います。これは仮定の問題でございます。そういう意味で四百万坪をつくって、将来は七百万坪にしてもいいじゃないかという議論があるいはあるかと思います。そうなりますと、一つりっぱな飛行場ができます。ただその場合には、羽田をつぶしてしまうということが前提でございます。そうすると羽田はもちろん狭うございますが、御存じのようにかなりいま利用もしておりまして、非常に便利なところでございます。そこで、羽田をつぶすということは、私どもとしては絶対とるべきじゃないという前提に立っておるわけでございまして、その羽田を残す以上、浦安にかりに七百万坪のものを相当な金をかけてつくったという場合に、羽田の能力というものは、羽田の限界能力の六分の一程度に低下する、いわば羽田はつぶしてしまったとほぼ同じようになります。これは非常な損失じゃないか、むしろ羽田を生かして、しかも羽田に制肘を加えないようなところに七百万坪のものをつくる、これを超音速旅客機の受け入れ。しかもこれを単に受け入れるというだけじゃなく、能率的、経済的に、安全に受け入れるというための所要の滑走路をつくる。しかもそれだけのものをつくりますと、それ以下の飛行機は十分使えるわけでございますので、羽田が将来国内線で一ぱいになった場合には、比較的遠距離な国内線も新東京国際空港のほうでまたこれを負担するというようなことが、将来を見渡した場合にはいいのではないか、こういうふうに考えます。
  33. 久保三郎

    久保委員 大臣の話を中心に聞いているわけですが、さっきからの御答弁だというと、どうも答申中心にしてものを考えているんじゃなくて、幅広く考えている。そうなりますと、先般、これは新聞でも報じられておりますが、池田総理河野建設大臣に、東京湾のいまの浦安を含めてでありますが、木更津沖もあるかもしれませんが、そういうものも含めて建設省で調査することについて了承を与えているようでありますが、これはどうなっておりますか。
  34. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 総理が了承したというのは、さっき申しましたように、首都圏の関係で、浦安沖は申すに及ばず、東京湾全体についての土地造成の計画について地盤調査して、浦安ももちろん調査をして、そこでそういうところに飛行場をこしらえるのがいいと考える場合には飛行場として調査したいというような意味にとっておるのでございまして、総理の言ったのは首都圏全体の関係の上で調査をして、そこへ膨大な土地造成ができた、そこに飛行場も置いたらいいんじゃないか、こういう話で飛行場調査にもこれが流用され応用されるんだ、こういうことを言ったのでございまして、飛行場をやれという意味でなにしたのではないと私は了承しております。
  35. 久保三郎

    久保委員 そうしますと、運輸省航空局中心にして、第二国際空港場所といいますか、そういうものの建設調査を進めていることは事実でありますが、そのほかに建設省でもそれをやっている、こういうことになりますね。
  36. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 いや、それは私はならぬと思います。というのは、飛行場をつくるというのが目的じゃないんです。首都圏の整備の上で土地造成というのが目的であって、それが飛行場に適当であるならばその飛行場にやってもいいじゃないかというのが建設大臣の意向のようであります。
  37. 久保三郎

    久保委員 どうも話が混線しているんじゃないですか。だって、たとえばいまのお話のとおり、建設大臣が東東湾一体を調査して、そして飛行場に適するものがあれば飛行場になり得る、こういうことなんですね、いまのお話を要約すれば。そうですね。そうなりますと、それじゃこれは第二国際空港とは関係ないのですね。羽田の代替とでもいえばいいんですか。
  38. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 そのとおりでございます。なお、飛行場調査するのは御自由ですが、飛行場をきめるのは運輸大臣所管でありまして、運輸大臣がそういうところは不適当であると言えば、どこでその飛行場をこしらえるのでしょうか、私は了解に苦しむのです。
  39. 西村直己

    西村委員長 大臣にちょっと御質問いたしますが、閣議その他から流れてくる新聞記事が、スーパーソニック用の国際空港であるのか、単なる国際空港であるのか、そこいらがごっちゃになっている。  それからもう一つは、最初のころには幅広く四つの島の中で探そうじゃないかとか、それは近畿までかけての間とか、いろいろ問題が出てきたので、所管運輸大臣としては問題を整理する必要があるのじゃないでしょうか。スーパーソニックに対する国際空港建設は、とにかく完成年度を目標に、もうすでに一部は調査費まで予算計上になっているというと、閣議を通して、大きな大事な国の施策ですから、論議されるのはいいですけれども、その前に前提をはっきりおきめになっておかなければいけないんじゃないですか。たとえばスーパーソニック用の空港は、いわゆる仮称でありますが、東京の国際新空港だ、東京という首都中心だということがはっきり打ち出されている。あとの論議は、ただ首都圏整備の過程で、将来土地ができたらどうするかというのは別の議論だということで、これは切っておかなければいかぬ。  それからその次は、それに対しての条件というものが、技術的にも非常についてくると思います。たとえば坪数であるとか、気象条件であるとか、区域であるとか、騒音、それから完成年度あるいはそれに対する経費、それの方式、そういう条件というものを考えてくると、一応大臣に出ている航空審議会答申というものは権威者が集まってつくったものであるから、それを基本にしていく。この二つは、はっきり、運輸大臣関係閣僚を説かれて、閣議の中でそれを整理して論議されませんと、閣議の中から出てくる空気がどうもばらばらになって発表されてくるから、いつまでたってもきまらないのです。  もう一つ条件は、羽田はつぶさないということ。これも、航空局長がはっきり、絶対的につぶせられないものだと言うならば、やはり大臣としてはっきり明示をしておかなければいけないんじゃないか、こういう点はどうでございますか。  これらの前提というものをもっとはっきりされておいて、運輸大臣としては、少なくともこの委員会を通して、明確にそれを整理されて、あとは他の観点からのいろんな論議はあるでありましょうが、こういうふうに御説明いただいたほうがいいと思うのでありますが、どうでしょうか。
  40. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 まったくそのとおりに整理をしつつあります。それで、私は飛行場がよけいできることはけっこうだ。しかし、スーパーソニックの飛行場運輸省で計画しておる航空審議会答申に基づいてやるべきだという考え方をるる閣議において述べまして、それについては何の異論もありません。ただ、ただいま申しましたように、首都圏整備関係で、膨大な土地をあの東京湾の中へ大きな島をこしらえるという構想でございまして、そうしてその一部に飛行場をこしらえてもいいんじゃないか、それではいまの羽田航空管制上非常に問題があるから困るじゃないか、それじゃつぶしたって間に合うんだからいいじゃないかというようなことで、そのスーパーソニックのやつは、議論はもうどこもないのです。航空審議会の意見を尊重するという一語に尽きる。それで調査費を使いまして着々と調査をしていこう。あなたがただいま御指摘になった経営の体系と申しますか、公団でやるがいいか直接やるがいいか、それから外資でやるがいいか、あるいはいろいろな気象条件はどうか、そういうようなことをこれから調査しようと思うのです。それで国際空港東京中心に二つ、スーパーソニックと三つできた場合に、国家財政が許すならそのまま併置しておいていいんですけれども羽田浦安に設ける飛行場は管制上困難があるから、私はそれは不適当である、こういうように申しておるのですが、それは同時にまた、国家財政が一ときに、スーパーソニックもやらなければならぬ、その埋め立てたところへ飛行場をこしらえなければならぬということは、国家経済の上でむしろ大蔵大臣が考えるべきことだということを私は申して、その問題には触れておりません。それで私の考えておることは、あなたのおっしゃったとおり、整理して、そうしてスーパーソニックのいわゆる第二国際空港航空審議会答申に沿ってやろう、こういうことでございます。
  41. 西村直己

    西村委員長 もう一つ重ねて申し上げますが、したがって、委員会の空気を通しましても、スーパーソニックを対象にした国際空港というものは、ある条件が備わっていなければならない。その条件を明らかにしないと論議が非常に複雑に流れていく。一つこの機会にお聞きしたいのは、東京中心にした場合に、大臣は、大体どのくらいの限度の区域においてスーパーソニックが当てはまるか、これには区域という条件一つある。使えない区域に持っていったってだめだ。それから条件一つとして取りつけ道路の問題が、おそらく大臣所管外に一つ出る問題だ。新聞に伝わるところによると、ある地点では道路だけに七百億かかるという。そういうようなことで世論がまどうわけです。その場合に、いわゆる取りつけ道路は何も飛行場だけのものでなくて、首都圏なり国家全体としてのいろいろな高速その他の道路との関連でお考えになり、お調べになったことがあるのか。たとえばどの地点では道路に七百億かかるからだめだとか、新聞では、閣議でこういう話があったように出てくる。それ自体が、今度は道路のほうの財源からぐらぐら話がまた出てくる。それについて何か論議されたり、あるいは大臣の御所見なり、あるいは局長でもいいですがございますか。これは条件ではございませんが、当然関連してくると思います。
  42. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 お答えいたします。道路というのは必要に応じてつくるべきものであって、現在道路網に入っておらぬからつくらぬとか、そういうことは私は考えられないと思います。そういう議論もされておりまして、道路についての正確な、どのくらいの金が要るかというようなことは、いま調査をしております。そこで、いま申しましたように、一億円の調査費によりまして、こういう道路をつくればどのくらいかかる、飛行場の土地造成その他を見合っても、これだけ道路にかけたってこっちのほうが安いのだというようなことを調査するのが今度の一億円の調査費の目的でございます。しかし、概括的に申しまして、道路の所管運輸省でありませんから、そんなところに道路をつけるなということをかりに言う人があるとすれば、道路というものは御承知のように必要があってつけるのであって、いま飛行場がないから必要でないかもわからぬが、こんな大きな飛行場ができて、そこに道路をつけないということは私はあり得ないと考えております。
  43. 久保三郎

    久保委員 わかりましたが、そのスーパーソニックのいわゆる第二国際空港とは関係なくて、建設大臣のほうではそれぞれの考えで調査するということなんですが、問題は、どういったって東京湾と第二国際空港とは密接な関係がありますな。これは管制上からいっても、それから航空路の問題もありますね。そうなりますと、たとえば、こまかいことになりますが、建設省で土地の造成をして、この辺に空港を置きたいというようなねらいというか、そういうことになったとしました場合にも、あなたがおっしゃるように、それはどうも国際空港というようなものがあってだめですということになると、それじゃけっこう、だめなら何かにしようという、そういう考えも持って調査を始めるというのですかな。だから、そこで私は言いたいのは、なるほど首都圏の問題もある。あるいは道路の問題もありますから、言うなればこれは総会的な政策で実際は決定されなければならぬと思う。ところがどうもいままでの閣議中心とした政府の態度を見ますと、答申は受けたが答申はたな上げになって、あちらこちらにいろいろな空港をつくるような話も出ている。これでは四十六年にスーパーソニックが入るというふうな目当てで四十五年までに完成すると言っても、こんなことを言った日には完成もできないし、いまお話があったように、もう一つ羽田の問題があります。そういうものにきちんとした方向がなくて、運輸省運輸省立場から、建設省、首都圏整備委員会はその立場から、思い思いに調査をしたり何かしておることは、国家財政から見ても問題があると思う。それからもう一つ極端なことを言えば、どうもこれ一つじゃないようでありますが、最近藤山さんも池田内閣の経済政策を批判して、あれは政治じゃなくて事務だというようなことまでおっしゃっているようだし、佐藤さんまたしかり、閣議におられるところの綾部さん、河野さんあるいは池田総理の三者をとっても、空港一つとっても意見はまちまちなんです。いわゆる政治に方向一つもない、方向がないところへ飛行機はあぶなくて離着陸できませんよ。(笑声)だからこれはあらためて政府の確たる方針をきめるべきだと思うのです。それからもう少し極端なことを言いますれば、あなたは運輸省設置法あるいは内閣法というか、いろいろお読みになりまして、その法律に基づいて、それぞれの行政機関の権限というか、所管大臣権限なりあるわけですね。もちろんこれは連絡協調という総合的な問題もあるわけです。ところがわれわれが受ける印象は、先ほどの藤山さんの演説ではありませんが、どうも思想なり何なりが一貫しておらない。言うならば政府の統一がとれていない、乱脈である。政治の姿勢がまず第一に乱脈でありますから、空港などはいつまでたってもきまらぬということになるのです。これは池田総理に聞いたほうがいいくらいなんでありますが、あなたはそういう点についてふしぎに思っておられないでしょうか、いかがでしょう。
  44. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、そういう議論は、実際と違ったことをいろいろ伝えられて迷惑しておるのですが、すべての問題につきまして大事な問題でありますから、各自が意見を言うことは自由でありますが、しかしやはりきまるところへきまっていく、それまでの間にはいろいろな議論をするのが当然です。それについて私自身は一つも苦にいたしておりませんし、またいままでそういうようなことでだんだん煮詰まっていて、およそ世論はこうであるというところへきまっていっているように思います。ばらばらと言えばばらばらですが、ばらばらでない、それは決定の途中でいろいろな議論をはくのは内閣全体として必ずしも不適当でない、かように考えておりまして、あなたのおっしゃることは一つの理屈はありますが、実際問題としてはさようにばらばらになっておるとは私は思っておりません。
  45. 矢尾喜三郎

    ○矢尾小委員 関連して運輸大臣にお伺いいたします。  私の問わんとするところは、大阪の第二空港の問題であります。この問題について河野建設大臣が関西へ来られるたびに——私は滋賀県ですが、滋賀県の八日市の飛行場の問題について、八日市の住民その他が反対運動をやり、商工会議所が賛成をやるというようなことで気勢を上げておる状態です。この間も大津へ来られたときに、八日市の住民がバスで八日市空港反対の幕を持って県庁の前へだあっとやってくる。八日市反対、よそへ持っていけ。反対なら反対でいい、よそへ持っていったらいい、こういうことを言っておる。最近の新聞によると、八日市もしくは琶琶湖を埋め立てて、そこを第二空港にするというような意見が発表されておるのですが、建設大臣がそういう飛行場をつくることについて意見を発表して、反対ならどこにつくる、ここにつくるというようなことを言うということについては、どういうような立場から言っておられるのか、運輸省と大体連絡があってそういうようなことを言われておるのか、またはかってに言っておるのかというようなことについて、運輸大臣はどういうお考えを持っておられるのか、ちょっと聞かせていただきたい。
  46. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 お答えいたします。そういうことがあるということは新聞記事で私は承知いたしておりますが、閣議の席上であるとか、あるいは他の公式の、たとえば委員会であるとか、国家機関等においてさような議論があったことは私は知っておりませんが、しかし閣僚の一人でありますからして、国策上の見地から各種の意見を申すことは自由でございます。さっき申しましたように、さようなことを申されても、それは一応の議論をされただけであって、結論は良識の示すところによっておのずからきめるということがいままでの池田内閣のやり方でございまして、いまでもその方針は変わらぬと思います。
  47. 矢尾喜三郎

    ○矢尾小委員 そうすると、いまの運輸大臣答弁によりまして、河野建設大臣が地方においてそういうようなことを言われたことは放言として承ってよろしゅうございますね。
  48. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 放言であるかどうかは第三者の判断でございまして、私は放言とは思いません。しかしそれをあなたが放言とおっしゃるならば放言、放言でないと言えば放言でない。それは私の判断すべきことではなくして、どうぞひとつそういうように御了承願いたい。
  49. 矢尾喜三郎

    ○矢尾小委員 別にその問題について深く追及したいと思いませんけれども、もしも閣議その他においていろいろな話し合いがございましたら、一応地方においてそういうような談話を発表されるときにおいては、あらかじめその責任官庁であるところの運輸省とも連携のもとに言ってもらいたいということを言ってもらわぬと、地方で反対や反対やといって聞きにくるのにこちらは一向わからぬので答えようがないというような状態でございますので、そういう点についても運輸大臣から十分話し合いをしてもらいたい、事前に連絡をとってそういうことを言ってもらいたい、こういうことを要望いたしておきたいと思います。
  50. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 承知いたしました。
  51. 關谷勝利

    ○關谷小委員 ちょっと関連して——もう久保委員、矢尾委員あたりで至れり尽くせりの御質問があったのでお聞きする必要はないし、あとから来て何ですが、とにかく閣議でろくにものを知らない人が知ったかぶりのことを言うて、そうしてとんでもない法律違反になるようなことが多くて困ります。一例をあげますと、以前に進駐軍の労務者に対して優先的に個人タクシーを許可するとかあるいはタクシーを許可するとかいうようなことを言っておりましたが、そんなことは道路運送法に基づいてやらなければならぬのに、かってほうだい閣議できめてみたり、それからまたあの運賃ストップ令というものは不作為であるとか、あるいはそれが法律違反であることが訴訟の結果そのうちわかりますが、そういうふうにお互いがいろいろなことをどんどんかってにきめてみたり、またあの飛行場の問題あたりで閣議でどうやらした、雑談かもしれません、それは知りませんけれども、私たちは航空委員会で源田空将あたりの世界の専門家の意見も聞いたりいろいろしてやっておりますのに、閣議で何にも知らない人が浜松あたりだの、やれどこやらというようなことで、日本の国際線をローカル線にでも落としてしまうようなとんでもない発言をしてみたりしていろいろやっておるようでありますが、事、運輸に関することはおれにまかせろということでひとつ大臣が腹をたたいて、くだらぬことをきめてはくれるなということで、たとえどういうことがありましても、ぼくが口を切るまでは、そう軽々に口を切ったり、所管大臣でもない者が旅先で大きな発言をしてもらっては困るというくらいのことだけはたしなめておいていただくことをお願い申し上げたいと思います。
  52. 久保三郎

    久保委員 いまもお話がありましたが、問題が空港だからいいようなものといえばそれまででありますが、大体閣内不統一です。総理大臣が、所管大臣でもない者にお前調査してみろということを言うことが大体おかしい。だから、第二空港にしても、羽田をつぶすとか、そういう前提に立って調査する、片方の所管大臣羽田はつぶしません、こういう閣内不統一、これははっきりしたものであって、大体命脈が尽きそうだからこの辺だろうと思うのだが、いずれにしてもこういうことは政治の姿勢からいってもおもしろくないと思うのです。いま關谷委員からお話があったように、これは言うならば綱紀紊乱ですよ。これは空港の問題ばかりでなくて、その他にもあるようで、一々關谷委員からお話を聞いて、あらためてなるほどそうだなと思いますが、そういうことから大衆なり国民に迷惑がかからぬものなら別ですが、少なくともいまの空港の問題一つとっても問題が多いと私は思うのです。  それからもう一つは、建設大臣がいま矢尾委員からお話があったような大阪の第二空港というか、名古屋第二空港というか知らぬが、そういうものをあの近所につくるということをやること自体、さっき言ったように所管外の問題でもあるし、そういうことはよろしいのですか。あの辺に空港が必要だからつくろうじゃないかと言うことはいいのですよ。しかしそういうための調査をするという場合は、運輸大臣の意見を聞いて、それじゃ建設省でこれは調査してくれ、こういうことをおやりになるのが筋かと思うのですが、それはどうなっているのですか。
  53. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 公式にそういう話があればもちろんあなたの言うようにしますが、路上浮説でございまして、それを一々取り上げるなどは個人のプライバシーも関係しますから……。
  54. 久保三郎

    久保委員 それはプライバシーの話ではなくて、あなたがおっしゃるように国会の席で先般も答弁の形でお話をしているのです。
  55. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 赤松勇君の質問に……
  56. 久保三郎

    久保委員 そうです。
  57. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 それで私がこの間閣議発言したのです。いままでいろいろななにがありましたが、閣議発言したのは、公式の場所における建設大臣発言であるから、私は発言した。私はそういうことは折り目正しくやっておるつもりでございますが、御注意があれば喜んで受けて、なおこの上とも誤りなきを期したいと思っております。
  58. 久保三郎

    久保委員 最後でありますが、そうすると、第二国際空港というものは今年一億予算をとっておりますが、いまどういう作業をさせているのですか。
  59. 栃内一彦

    栃内政府委員 先ほど大臣から仰せられましたように、今度の予算と、それから運輸省設置法が先般国会を通ったわけでございますが、これに伴いまして、航空局に参事官、課長二名含めまして二十五名の増員になることになって、近く発令になると思います。その新しい機構ができますと、これによって一億円の調査費によって調査を行なうということになるわけでございますが、現在におきましても既存の人員によりまして予備的な調査をいたしております。新しい機構ができました場合に、これをさらに詳細にやりたい、しかもできるだけ早くやりたい、こういうふうに考えております。
  60. 久保三郎

    久保委員 そこで次の問題でありますが、さしあたりの問題で、国際線の問題で二、三お伺いしたいと思います。  近く栃内局長がアメリカへ参るそうでありますが、あらためて聞くのですが、これはアメリカの要請によってアメリカにおいでになるのか、それともこちらからの懸案事項だから、ニューヨーク・ビヨンドの問題でこちらから申し入れをして、そして近くおいでになるのか、これはどっちなんですか。
  61. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 お答します。ビヨンド・ニューヨークの問題は日本航空すなわちわが国の航空政策上非常な重要な問題でございまして、去月行なわれました日米経済委員会におきましても、私はホッジス長官にそのすみやかなる解決を要望いたしたのでございますが、自分は所管が違うとかなんとかいってなかなか返事がなかった。そこで、その会議へ出ておりました武内駐米大使に自分はこういうことをなにしているから、これは多年の懸案であって日米間の航空協定の上で非常に不平等だから、君も帰ったならば、これを是正するような問題について、まじめにひとつアメリカ政府へ要望してくれということを委嘱しました。大使が、以前からもそうでありましたが、非常に熱心で、それで私は、しかもオリンピックといういいチャンスがあるから、できることならばオリンピックまでにひとつ何とか話をつけるようにしてくれということを武内大使に申しました。そこで、かねて三年越しの懸案である、その話し合いをしようということになったのであります。それじゃどこでやるがいいかということでありましたが、私は、やはりいろいろな調査その他の点がございまから、東京でやるのが一番便利で、あの資料を出せ、この資料を出せといった場合に、一々請訓しておったのでは間に合いませんから、東京でやることを希望いたしたのでありますが、それはアメリカのいろいろな国内の政治上の、人のやりくりが、日本に来てやるということは時間的になかなかむずかしいから、それは了承しかねるということを言ってまいりましたので、それじゃアメリカでやるならいいのかということを重ねて交渉いたしておりましたところ、去日、六月の下旬ごろにアメリカでやるのならば異議がないという返事を外務省を通じて公電を得ましたので、急に、二十日に間に合うにように、その会議をアメリカでやるということに日米両国間の同意を得ました。そしてわがほうといたしましては、航空局長と国際課長が航空関係から参りますし、日航からは、やはり日航が直接仕事をやるのでありますから、日航の計画課長と、これはまだはっきりしたかどうか知りませんが、重役級の人が、たとえば朝田君が行くとか伍堂君が行くということになるのではないかと考えております。しこうしてその結果につきましては、私は、この話し合いがホッジスが来たときから始まって三年間もやっている、それから御承知のように日ソ航空につきましてはミコヤン氏が来てその話も出た、いろいろな国際情勢もありますので、必ずや今度は成功することを期待いたしております。そうしますと、日本航空界が世界に占める比重は、パン・アメリカン、BOACに次ぐ世界の三大路線を持つ日航というものができ上がりまして、文化、経済の面において多大の寄与をすることを確信いたしまして、私はその成果を期待いたしておる次第でございます。
  62. 久保三郎

    久保委員 私もその成果を期待しているわけでありますが、言うなら不平等な協定、条約でありますから、しかも長年かかって、何回もアメリカへ折衝に行って手ぶらでみんな帰ってきているわけです。これは単にアメリカだけに関する問題じゃなくて、日本の国際路線におけるところの大きな問題点で、それが片づけられないままに今後新しい国際線を開設することは私は不可能だと思うのです。そういう意味からいっても私は交渉前でありますからいろいろ申し上げませんが、いまの大臣答弁だと、だいぶ期待を持っておられるようですが、私はそう楽観はできないと思っております。そこで、いまこの時期でかれこれ言うのはどうかと思いますが、少なくとも日本政府としては、やはり緊褌一番というか、そういう立場で、今度の交渉がビョンド・ニューヨークについては最後の交渉である、こういう気がまえと対策をもって出発されることが大事だと思います。そういう気がまえでおいでになって、やりますか、それとも、ただ単に、いまの明るい見通しがあるというだけで向こうに局長をやりますか、どうですか。
  63. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 もちろんあなた以上に、これは私の運輸大臣としての非常な政策の一つと考えておりまして、ぜがひでも何らかの結論を得るように、ノーの結論じゃなくて、イエスの結論を得るように努力するように航空局長に命じてございまして、あなたの御要望以上に私は強い決意を持っておるのでございます。ただ航空協定でもう日本としてはやるべきものはやってしまったものですから、これがなかなかめんどうなんです。もうやるものがないのです。それで、国力の相違でいかんともしがたかったのです。日本航空が始まるまではそういう状態でございますから、それを素手で何かものをもらってこようというようなことですから、なかなか困難であるということは御了承願いたいと思いますが、決意だけは人後に落ちぬ、航空局長以下行くべしという指示を私はいたしております。
  64. 久保三郎

    久保委員 もうやるものはやってしまって、向こうへ対価としてやるものは何にもない、そういうことですね。それならば、やるものがなければ、だめなときには返してもらうという手もありますので、そういう点もぜひ考えていったらどうかと私は思わざるを得ないのであります。問題が問題でありますから、あまりこの問題に触れたくありませんが、そういう考えくらいでもっていかぬと、なかなか壁は厚いということだと思うのです。  それから次には、ミコヤン副首相が来て、航空協定は結局懸案事項になっているわけです。それはどういう約束になりましたか。
  65. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 これは根本問題について双方の合意が得られなくて、今後なお折衝しようということになっております。根本問題とは何ぞやと言えば、シベリアの上空を双方の飛行機が自由に飛べるということについての合意にまだ達しない、今後お互いに研究しようじゃないか、こういうことで非常に友好裏に、交渉を継続するということでミコヤン氏は帰ったのであります。
  66. 久保三郎

    久保委員 交渉を継続しようというような約束で、それじゃいつの日にどういうふうにしようとかいう具体的なものはなくて、とにかく継続案件としておきましょう、こういう軽い程度で帰られたのですか。
  67. 栃内一彦

    栃内政府委員 今度ミコヤン副総理の一行にソ連側の航空関係の人が参りまして、外務省の欧亜局長と私とで一週間にわたって協議をいたしたのでございます。最終的にはいま大臣が申されましたように、原則的な問題で意見が合わなかったわけでございます。しかし今回の一週間の交渉を顧みますと、お互いに非常に友好的であり、かつお互いに理解し合おうというような、非常にいい空気でございました。それで最後のいまの御質問の点でございますが、その点につきましては今後交渉を継続していって、具体的にどういうふうにやるかという点につきましては、最終的に先方の代表との話し合いにおきましては、今後外交チャネルを通じて適当なる方法をお互いに打ち合わせようじゃないか、こういうことで分かれた、こういうことであります。
  68. 久保三郎

    久保委員 本件については歴史からいってどちらが積極的だったのですか。いわゆる東京−モスクワ間の相互乗り入れというか、この開設については歴史的にどちらが先というか、積極的に出たのですか。
  69. 栃内一彦

    栃内政府委員 この問題は非常に長い間の問題でございまして、会議の席上でもしばしばそのことが話題に上ったわけでございますが、日ソ間の空を開こう、空路を開こうということについては、私の得ているいままでの資料によりますと、むしろ先方が積極的であった。ただ空路の開き方につきまして、先方の立場としましてはシベリアの空は閉めておく、しかし日ソ間の空路は開こう、こういう意味で先方は非常に熱心であった。わが方もこの問題には熱心でございましたが、終始一貫、私どもの側がとっておりました態度は、シベリアの空を開こう、開いてもらえるのなら、その意味でならばこちらも非常に積極的であるというようなことでございまして、おのおの積極的ではございましたが、立場が違っておる、こういうことでございます。
  70. 久保三郎

    久保委員 問題の焦点はシベリアの空をいつの日にあけるかという約束がとれなかったということで、交渉は中断というか継続というか、そういうふうになったということですね。そうしますと、いつの日にというのは、大体長い、短いの問題もありますが、そういうことなのか。それとも絶対にそういう見通しはないというようなことで継続ということになったのですか。その辺の煮詰め方はどうなっておりますか。
  71. 栃内一彦

    栃内政府委員 シベリアの空を開くという基本的なものの考え方につきましては、先方も決して否定しておるわけではございません。ただ原則的にはけっこうだが、日本側の言うように一年とかあるいは二年というようなことでは、いまはなかなかお約束しかねるというようなことでございますので、私どもは、永久にあるいは非常に遠い将来でなければシベリアの空が開かれないということでなく、非常に好転はしておる、ただ期限というものをいまは明示しがたいというように、私どもはそういう印象を受けております。
  72. 久保三郎

    久保委員 そこで先ほどのお話で、交渉を継続しよう、あとは外交チャネルによって一応その時期等は打ち合わせしようということで別れたというわけでありますが、それでは、この問題は日本政府として積極的に、早急にそういう外交ルートを通してやるつもりでいまおられるのかどうか、その辺どうです。
  73. 栃内一彦

    栃内政府委員 この点につきましては、会談終了後まだ外務省と打ち合わせしておりませんが、いずれ外務省のほうから、この問題は今後どういうふうに進めるかというような点について意見の交換をしたいということになるのではないか、かように想像しております。
  74. 久保三郎

    久保委員 東京−モスクワ間も大事だと思うのでありますが、交渉がいま言ったような情勢では、きょう、あすというか、短時間の間に妥結するということはなかなか不可能だと思うんですね。これは問題が長引くだろう、こういうように思うわけです。ついてはオリンピックという問題が控えているのであります。この場合についての暫定措置というか、そういうものについては言及されなかったのですか。
  75. 栃内一彦

    栃内政府委員 オリンピックの場合の問題につきましては、それほど具体的に話は出なかったわけでございますが、もちろん向こうは、できることならオリンピック前にこれをやりたいということは考えております。私どもといたしましても、先方が基本的な問題について同意するならば、できるだけ早く暫定的なことをやりまして、できればオリンピックに間に合わしたいという気持ちは持っておりましたけれども、先ほど御説明いたしますように、基本的な問題について意見が平行線をたどっておる。意見が平行線をたどっているにかかわらず、オリンピックというようなことで暫定的な措置というものをやるわけにはいかないというのがこちら側の考え方でございまして、原則が認められればできるだけ早くやるということは、私どもの根本的考え方でございます。
  76. 久保三郎

    久保委員 最後に、それに関連して中華人民共和国の問題だが、これはソ連とは違って非常に具体的にもう相互に乗り入れというようなことで言ってきているわけなんです。大臣答弁では、政治的に考えてこれはやらぬ、こういうお話でありますが、フランスの中国承認にからんで、これは遠からずエア・フランスの北京−東京というルートも申し入れがあるだろうと思うんですね。そういうことも考えて、可能なところは民間協定をそれぞれ結ばせてもこれは悪くはないんじゃないかとわれわれは思っているんです。政経分離と言うが、民間協定なら別に政治には関係ないのであります。これはどうなんです。
  77. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 お説のとおりでございますが、私どもといたしましては、現下の国際情勢にかんがみまして、フランスがあるいはやるかもわからぬというような予想もいたしておりますが、日本としていま民間協定に踏み切れというわけにはまいらないのであります。
  78. 久保三郎

    久保委員 その理由がいつもはっきりしないでありますが、この民間協定でやる場合は、たとえば韓国はすでに国交回復前に航空路を開設しました。中国も同様だと思うんですね。前向きで中国問題を処理するというお考えであるなら、民間協定で暫定的なものがこれはとらるべきだと思うんですね。そうじゃないとエア・フランスが主体になったところのフランスからそういう申し入れがあったとき、日本はこれを拒否するということはたいへん困難だと思いますが、航空局長、専門の立場からどうなんですか。エア・フランスで北京−東京を言ってきたらどうなんです。
  79. 栃内一彦

    栃内政府委員 まだフランス政府はもちろんのこと、エア・フランスからも、中共−日本間の航路の問題については、全く接触がございません。新聞を通しましてフランスの飛行機が北京に入るということは聞いておりますけれども、そのほかに正式に日本のほうに申し出た事実は全くございません。あるいはフランス航空当局なりあるいはエア・フランス当局が心中そういう計画を持っておるかどうか、この点はわからないのであります。  それからただいまの御質問の問題でございますが、かりに今後そういう申し入れがございましても、わが国といたしましては、現在の時点におきましては、そういう申し入れに対して、同意しかねるというふうな処理方針で進めていきたい。同時にそのことはフランス側に対して十分対抗し得るだけの条約上の根拠を持っておるわけでございます。
  80. 久保三郎

    久保委員 条約上の対抗手段を持っておられるというが、たとえば日航とエア・フランスの協定の問題等もございまして、条約上あるかもしれないが、なかなか問題がデリケートだと私は思うのです。そういうことを仮定の問題で聞くのはどうかと思うのでありますが、私は少なくともいまの内閣自体が、中国問題は非常に具体的に向こうから言ってきて、ちっとも相互乗り入れで無理はないのでありますから、この辺で問題をひとつ片づけておいたほうが、東京−モスクワ間の問題もからんでうまくいくのではないかという考えもするわけです。こういう点は考えていくべきだと思う。もちろんいまの池田内閣にとやかく言っても、そういうところはなかなか石頭で閣内が統一しておるようであります。空港をつくることは不統一でありますが、われわれ自身が心配しておることがなければけっこうであります。  最後に、大臣として、これはそういうことで将来も通していくことが正しいのかどうか。少しは外交というか、そういう立場の——一つの国ばかりとの外交じゃありませんから、そういう点を考えて、この際は運輸大臣としては考えておくべきではないかと私は思うのですが、そういうこともあんまり考えませんか。
  81. 綾部健太郎

    綾部国務大臣 私は、いまの国際情勢の上において、ただいまさようなことに踏み切るという意思はございません。
  82. 西村直己

    西村委員長 他に御質疑はございませんか。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。        午後零時七分散会