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梶本政府委員 観光基本法を御制定いただきまして一番喜んだのは
運輸省観光局じゃないかと私は思っております。それが制定公布されましたのが昨年の六月二十日でございますから、約一年になんなんとするわけでございます。この
国会で御
審議をいただきまして、通過いたしました三つの
法律が公布
施行になりまして、その三つの
法律に伴いますところの政令、省令の公布もともに
運輸省としては全部終わりました。したがって、三つの
法律とそれに伴う政令、省令が全部一連の法体系として現在公布
施行されている、このような
状況でございます三二つの課しか
観光局にございませんので、一課に
一つずつの
法律ということで進んだわけでございますが、この次に
考えておりますのは、やはり昨年の
基本法を御
審議いただきましたときから
国会において御
審議の対象となりましたもろもろの問題を中心に、今後
施策を進めていきたい、かように
考えております。
そのまず第一が、いわゆる旅行金庫法の問題、それから修学旅行をどうするかという問題この問題は特にこの
国会におきましても、衆議院、参議院を通じまして御
審議の対象になった問題でございまして、この問題を何らかのかっこうをつけなければいけない、かように
考えております。それから先般社団法人
日本観光協会の第一回通常
総会が開かれたのでございますが、そのときの議題等を見ましても、
観光事業に対する融資というものが非常に重要性を持っておるというように
考えております。そのような
意味で、
観光事業に対する財団をつくって、その財団を中心に抵当権を設定するという方法、たとえば鉄道抵当法に対応するような
観光事業財団抵当法というようなものをつくっていくべきではなかろうかというふうな
考え方も持っております。それから
国際観光ルート、先ほども御
指摘になりましたこの問題は、残念ながら
運輸省と
関係各省との間にはまだ根本的な
意見の
調整はできておりませんけれども、
運輸省としましては、
観光基本法は
一つの憲法であるから、憲法に基づく子供の
法律、子法として、
観光ルートについての何らかの法的な規制というものが要るのではないか、それでなければちっとも前向きに進まないのではないか、このような
考え方、
立場をとっておるわけでありますけれども、いろいろ諸般の情勢が
法律の制定を待ち得ないような
状況のようにもうかがえますので、近く何らかの
結論を円満に出さなければならないんじゃないか、かように
考えておる次第でございます。
以上、申し上げましたような問題がさしあたりの問題として、この次の
国会あたりを対象に、目下
検討をいたしておる問題でございます。
それから先ほど先生から第三条の
地方公共団体の
施策というものは、国の
施策に準じて行なわなければならないとなっておるが、これについてどういう
施策をとったかという御
質問でございました。これにつきましては
運輸省としましては、まず都道府県の総元締めであるところの自治省に対して働きかけをいたしました。そして自治省と話がつきまして、去る五月三十日に運輸
事務次官から自治省の
事務次官に対しまして、今度の
観光基本法の精神に基づいてこのような法的な整備を行ない、このように機構改正を行なった。よって、自治省としては
地方公共団体に対してよろしく御高配願いたい。このような依頼の書面を出しました。その依頼の書面に基づきまして、自治省の
事務次官名で都道府県知事に対しまして、同じ日付の五月三十日付で
運輸省からのこのような書面が来ておるが、
観光の重要性が近年とみに高まってきておるので、
関係都道府県においては十分に援助するようにと、このような公文書を、都道府県知事に
事務次官名で出していただいております。そのようなことで、
運輸省としましては第三条の
地方公共団体の
施策につきましても一歩前進をした、このようなつもりでおるわけでございます。要するにこの
基本法が憲法でございますので、この精神にのっとってすべての
施策を進めていきたい、これが
運輸省観光局のとっております根本的な
立場でございます。