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1964-07-31 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第47号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年七月三十一日(金曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 有田 喜一君 理事 進藤 一馬君    理事 關谷 勝利君 理事 塚原 俊郎君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       木村 俊夫君    佐々木義武君       南條 徳男君    西村 英一君       西村 直己君    丹羽 兵助君       長谷川 峻君    細田 吉藏君       増田甲子七君    八木 徹雄君       井岡 大治君    板川 正吾君       勝澤 芳雄君    島上善五郎君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       三木 喜夫君    山口丈太郎君       内海  清君    佐々木良作君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 松浦周太郎君  委員外出席者         運輸政務次官  大久保武雄君         運輸事務次官  廣瀬 真一君         運輸事務官         (大臣官房長) 堀  武夫君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      佐藤 光夫君         運輸事務官         (鉄道監督局         民営鉄道部長) 岡田 良一君         運輸事務官         (自動車局長) 坪井 為次君         運輸事務官         (観光局長)  木村 睦男君         自治事務官         (財政局公営企         業課長)    近藤 隆之君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 七月三日  委員亀岡高夫君辞任につき、その補欠として田  中彰治君が議長指名委員に選任された。 同月九日  委員井岡大治辞任につき、その補欠として沢  田政治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員沢田政治辞任につき、その補欠として井  岡大治君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員高橋清一郎君及び高橋禎一辞任につき、  その補欠として八木徹雄君及び丹羽兵助君が議  長の指名委員に選任された。 同月三十日  委員丹羽兵助辞任につき、その補欠として山  口喜久一郎君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  委員山口喜久一郎君、勝澤芳雄君及び島上善五  郎君辞任につき、その補欠として丹羽兵助君、  板川正吾君及び三木喜夫君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員丹羽兵助君、板川正吾君及び三木喜夫君辞  任につき、その補欠として山口喜久一郎君、勝  澤芳雄君及び島上善五郎君が議長指名委員  に選任された。 同日  理事西村直己君同日理事辞任につき、その補欠  として進藤一馬君が理事に当選した。     ————————————— 六月二十六日  一、日本国有鉄道整備緊急措置法案久保三郎    君外四名提出衆法第二七号)  二、踏切道改良促進及び踏切保安員配置等    に関する法律案久保三郎君外八名提出、    衆法第四七号)  三、道路運送法の一部を改正する法律案關谷    勝利君外五名提出衆法第五四号)  四、陸運に関する件  五、海運に関する件  六、航空に関する件  七、日本国有鉄道経営に関する件  八、港湾に関する件  九、海上保安に関する件  一〇、観光に関する件  一一、気象に関する件 の閉会中審査を本委員会に付託され た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  陸運に関する件(自動車行政等に関する問題)  航空に関する件(国際航空路線等に関する問  題)      ————◇—————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  この際おはかりいたします。  理事西村直己君より理事辞任の申し出がありましたので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。  つきましては、理事補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長進藤一馬君を理事指名いたします。      ————◇—————
  5. 川野芳滿

    川野委員長 この際、政務次官より発言を求められておりますので、これを許します。大久保運輸政務次官
  6. 大久保武雄

    大久保説明員 本日は、大臣も出席する予定でございますので、大臣と一緒にごあいさつを申し上げたいと存じておりましたけれども、ただいま閣議の関係で遅参いたしておりますので、私から皆さまにごあいさつをいたさせていただく次第であります。  今回、運輸政務次官に就任いたすことに相なりました。私もかつてこの関係行政にたいへんお世話になりましたものでございますが、自来、相当長い年月がたっておりましたので、諸般の事情もたいへん変わっております次第でございます。私も一生懸命勉強いたしまして、委員会の御期待に沿いたいと存じております次第でございます。どうぞこの上ともよろしくお願いを申し上げる次第でございます。(拍手
  7. 川野芳滿

    川野委員長 次に、新任の自動車局長よりごあいさつがございます。坪井自動車局長
  8. 坪井為次

    坪井説明員 私、今回自動車局長を命ぜられました坪井でございます。自動車局業務部長としまして一年半やりまして、今回自動車局長に命ぜられたわけでございます。非常にむずかしい事態自動車行政が立ち至っているときに、非常に微力な者がはたしてうまくできますかどうか危惧いたしておる次第でございます。精一ぱい努力するつもりでございますから、どうかよろしくお願いいたします。(拍手)      ————◇—————
  9. 川野芳滿

    川野委員長 それでは、陸運に関する件について調査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。井岡大治君。
  10. 井岡大治

    井岡委員 非常に地域的な問題で、若干御答弁がしにくい問題かと思いますが、最近の公営バスというものが各所で非常に行き詰まっております。もちろんこの行き詰まっておる原因というものはいろいろありますが、私はその原因を直ちにここで全部解明をしていただきたいなどと考えてはおりません。  そこで、当面差し迫っております新居浜公営バスについて、若干御質問を申し上げたいと思うわけです。御承知のように、新居浜という町は工業を中心とした町でございますから、昼間人口が非常に少ない。したがって公営企業それ自体について、その昼間人口のない経営方針というものがとられなければ、とうてい事業それ自体は発展をしないと思うのです。ところが、行ってまいりまして私が特に奇異に感じたことは、運輸協定の中でかなり無理をしている。そのために一そう困難になっておる。こういうように見受けられるわけです。もちろん運輸協定それ自体業者間の協定でございますから、とやかくいうべき性質のものじゃない、こういうようにお考えになる点は了承はいたしますが、しかしその運輸協定それ自体にやはり陸運事務所長立ち会い人として捺印をなさっておる。したがって、その運輸協定によって業者それ自体が立ち行くように指導されるのが、私はやはり行政上の指導の問題として必要じゃないか、こういうように思うわけです。ところが実際それらの問題について、業者がやったんだから私は知らぬのだというような点が見受けられるわけです。したがってこれらの問題についてどういうようにお考えになっておるか、ひとつお伺いしたいと思います。
  11. 坪井為次

    坪井説明員 新居浜市の運輸協定につきまして、一応われわれのほうで調査をいたしましたけれども、詳細な点についてはまだわれわれのほうにはよくわかっておりません。ただいまお話しの件につきましては、運輸協定が非常に経営を圧迫しているというお話のようであります。本来運輸協定運行回数、あるいは運行系統等を相談し合って事業を遂行していくということは、全体の事業の遂行の上で望ましいと思われるのであります。両者がそういう合意の上で行なっていることでありまして、監督官庁としましては、これが公益上支障がないと思われる場合はこれに認可を与えるというようなやり方でやっておるわけであります。したがいまして、この運輸協定によって一方が非常に不当に制限されているという事態は、まあ常識的には一応合意というかっこうで納得しているというふうにわれわれは解釈しておるのであります。もしそういう事実があれば、さらに両者で話し合いを進めていただいて、われわれのほうでもできるだけそういった点については指導していきたい、そう思っておるわけであります。
  12. 井岡大治

    井岡委員 もちろんこれは合意をしておりますから、直ちにこの協定それ自体破棄をするとか、あるいは取り消すとかということにはならないだろうと思うのです。しかし、実際にこの協定によって不利益をこうむっている、このことが歴然となっている場合は、協定改定業者間の問題ですから局長にお尋ねすることば適当でないかもわかりませんが、私は協定改定申し入れることはできる、こういうように理解をするんですが、そういうように理解していいかどうか、この点をひとつ。
  13. 坪井為次

    坪井説明員 協定でどういう取りきめがなされておるか、詳細に見ないとわかりませんが、一般的には事情が変更されるとか、そういったことによって一般論としては改定申し入ればできるというふうに思っております。ただしかし、やはり改定には相手方の同意が要る。また協定破棄になると無協定時代になるので、かえって不当競争、その他のおそれもありますので、こういったことについては当事者間で十分協議されることをわれわれとしても望んでおります。
  14. 井岡大治

    井岡委員 もちろん先ほど申し上げましたように、直ちに破棄をするとかどうとかいうことになると、おっしゃったように、これはたいへん大げさになってくると思うのです。少なくとも両者が立っていくようにするには紳士的にこれの改定申し入れをする、こういうことが私はいい、こういうように考えております。そういうように理解していいですね。
  15. 坪井為次

    坪井説明員 われわれとしましても事実上片方が非常に不利になっているというようなことが客観的に認められれば、そういったことについては十分行政指導をしていきたいと思っております。
  16. 井岡大治

    井岡委員 たとえば、この協定の中で共存共栄をする、こうなっているわけです。共存共栄ということはお互いが立ちいくようにということに理解していいと思うのですが、その場合、この協定で私が非常に奇異に感ずることは、二十分の間に同じ路線バスが四台入っているわけです。ところがその四台入っておる中で、当事者のほう、いわゆる非常に不利益と見られるところが一台しか入らない。片一方のほうは三台も入る。こういうことになると、昼間人口の少ないところでは、これはもう全く無協定と何ら変わらないような状態考えるわけなんです。したがって、これを合理的にするためには当然やはり指導というものがなされなければならぬ、こういうように考えるわけですが、この点についての御意見を伺いたい、こう思うのです。
  17. 坪井為次

    坪井説明員 三対一というような運輸協定はほかにも相当例がありまして、必ずしもこの数字自体でアンバランスというふうにはわれわれは考えておりません。いろいろ免許当時の経緯その他がありまして、そういった例は相当ほかにもあると思います。このこと自体でなしに、やはりもう少し実態的に立ち入って現地指導してもらったほうがいいと思います。
  18. 井岡大治

    井岡委員 私は実態だけを言うわけじゃないわけです。ただこの協定を結ぶときの条件というものがかなり一方的に片寄っている。その結果がそういう数字になってあらわれてきておるのですから、少なくとも協定を結ばすとするならば、当然それらの問題について配慮をしてやらなければいけないのじゃないか。決してそれは運行条件によって、あるいはほかにもそういうことがあるからという意味でなくて、実際それで企業が成り立つのか成り立たないのかということをまず考えてやるべきじゃなかろうか、協定というものはそういうものじゃないだろうか、こう考えるわけですが、この点はどうなんですか。
  19. 坪井為次

    坪井説明員 この運輸協定によって企業が非常に危殆に頻しておるかどうかという問題になりますと、われわれとしても簡単には断定できないのであります。いろいろほかにも原因があるんじゃないかと思われるのであります。昨日一応新居浜市の経営状態を調べたのでございますが、相当な赤字になっております。キロ当たり支出が収入に対して相当ほかの企業から見るとアンバランスである、こういった根本的な原因もありますので、運輸協定だけで解決できるかどうか、また運輸協定によってどの程度救済できるかどうか、こういったことをもう少し具体的に親切に検討した上で考えてみたいと思います。
  20. 井岡大治

    井岡委員 もちろんいまおっしゃったことも私も考えておるわけですが、ただ運輸協定をやる以前、昭和三十二年ですが、三十二年まではかなりの黒字を出しておったわけです。たまたま一つ路線を新設する際に、それならばこの協定を結んでもらいたいということで結ばれたようなのです。それから逐次赤字が出てきた。しかも、いま申し上げたように昼間人口一つもおらない。そういうときにこれらの問題を考えてみると、厳にキロ当たりの問題だけで考えるのでなくて、全体の問題としてどういうような路線というものをバランスをとっていくかということが必要じゃないだろうか、こういうことなのです。特に市長が私に言ったことは、この新居浜バスをこしらえたいきさつは、かなり会社それ自体がむちゃをやっておった。そこでひとつ市営をこしらえろ、こういうことでやった。このことはよかった。そのために会社のほうも反省をして競争してくれるようになった。これは非常にけっこうなんだ。しかし、そうだからといって路線を全部独占をされるということでは、私のところの事業は成り立たない。これらの問題について陸運当局路線申請をするとなかなかそれがうまくいかない、こういうことで非常に困っているんだ、道路だけは一生懸命われわれのほうでやらされて、そうして新しく道路をつくったらそこは会社がやる、こういうことではどうにも私たちのほうばやっていけないんだと市長がだいぶこぼしておりましたが、こういう点についても配慮してやらないといかないんじゃないか、こう思うのですが、この点はいかがですか。
  21. 坪井為次

    坪井説明員 その点につきましては十分配慮すべきことだと思います。  なお、新居浜市営の全体的な赤字、その原因について、さらに財政的な総合的な再建策をまず考えていただいて、その場合に一つ問題点として運輸協定というものも持ち上がってくるんではないか。運輸協定だけを先に切り離すというよりは、むしろ根本的に新居浜市の経営をどうするかということから総合的に考えていくべきではないかと考えます。
  22. 井岡大治

    井岡委員 いまおっしゃったように、私も運輸協定だけの問題でないと思います。これは実際の問題として行ってみてあきれるほどなんですから。ただし問題は、当面運輸協定があるために根本的な改善をやろうとしてもやれないところがあるわけです。それをやはり改定をしない限りやれない。こういう場合は改定をさすように努力をさせなければならぬと思うのです。ところがいまのままでいきますと、全くその努力のしょうがないという状況なんです。ですからいま言われたようなことを考慮に入れながら、やはり全体的な問題の解決のための一環としてこれらの問題を取り上げていく必要があるのじゃないかというように考えるわけです。ですからぜひそういうように現地指導をやっていただきたいというように思うのです。私も二日の口に参りまして、さらに当局と組合の中に入って合理化問題等を私は提案をしておるわけです。その合理化の問題についての提案がどの程度事業主等に受け入れられる条件があるのかどうか、さらに一ぺん検討してみたいと思います。同時に、陸運事務所に行ってこれらの問題の指導というものもさらに強力に要請をしていきたいと思うのですが、局長のほうからもぜひひとつお願いをしたい。特にあそこは朝のラッシュには、定期券を出しておりますが、定期券以外のお客さんが、百人乗って一人しかおらない。そうすると、この協定自体がやはり問題になってくるわけです。そういう点をぜひひとつお願いをしたい、こう思う次第であります。
  23. 坪井為次

    坪井説明員 現地のほうにも私からよく話しておきます。
  24. 川野芳滿

  25. 肥田次郎

    肥田委員 私は国鉄の新線建設に伴う既設民営鉄道との関係について質問をしたいと思うのです。きょうは特に運輸行政にたんのうな次官がおいでになりますので、あわせてそういう意味で聞いておいていただきたいと思いますが、私のほうへある事情から陳情に来ておるのが実はあります。それは着工線に決定されておるところの——これは番号は三十一号になりますが、宮津河守、この関係であります。今度新たに生まれたところの鉄道建設公団がこの鉄道建設するということになりますと、これに当然接続をする位置にあるところの福知山から河守に至る北丹鉄道というのがあります。これは御承知のように非常に貧弱な鉄道でありまして、おそらくいまでもまだ、私は新しい表現を知りませんが、五十ポントくらいのレールを使っておる非常にちゃちな民営鉄道なんですが、今度この宮守線というのが建設された暁にこの北丹鉄道が一体どういう状態に置かれるだろうかということを実は問題にしておるのであります。これは現在でも助成を受けておるという性質のものですから、当然何らかの形で運輸省当局でこの北丹鉄道に対する対策を考えてやらなければいかぬような問題ではないか、こういうふうに考えますので、新線建設とあわせて既設民営鉄道との運営関係というものを当局としてはどういうふうに考えておられるのか、質問をする次第です。
  26. 佐藤光夫

    佐藤説明員 先般官房長から鉄道監督局長を拝命しました佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  いま御質問北丹鉄道でございますが、お話しのように、福知山河守間を結ぶ延長十二キロの私鉄でございまして、会社創業以来、立地条件その他から収支の状態が思わしくない。したがって、最近に至りまして、二百万ないし五百万というような年々赤字を生じておるという状態であることはいま仰せのとおりであります。さて、敷設法別表予定線は、御承知のように、現在宮津から河守の間でありまして、この北丹鉄道に該当するところは実は敷設法予定線には該当しておらないところでございます。しかしながら、お話しのように、この敷設法別表予定線宮守線とこの北丹鉄道をもって福知山から結んで、裏日本と表日本短絡線を形成する使命を有することも御承知のとおりであります。したがいまして、この宮守線建設に伴いまして、国鉄私鉄を通じた輸送形態をどういうふうにするかということは、将来の問題でございますけれども、われわれとしてはできるだけその輸送が円滑にできるような配慮を将来に向かってしていく必要があるというように考えておる次第でございます。
  27. 肥田次郎

    肥田委員 この問題はいま私もすぐ結論を求めておるわけではないのですが、そうすると、運輸省としては、このような既設のいわゆる民営鉄道、それから新設の国鉄線がこういうような条件になった場合には、たとえばこれではもう役に立たないということで、さらに河守から福知山間に国鉄短絡線を通じ、一本に福知山から宮津の間をつなぐ鉄道になるというような場合と二つ想定されるような場合には、この北丹鉄道のような条件にあるものについては、いわゆる何らかの具体的な助成策といいますか、これらに対するものが当然考えられるということになりますね。
  28. 佐藤光夫

    佐藤説明員 先ほど申し上げましたように、北丹鉄道宮守線を通じて一貫する、この場合に考えられる形といたしましては、北丹鉄道に相当の改良を施して、いわゆる国鉄私鉄を通ずる一貫輸送考えるか、あるいは北丹鉄道施設を買収してそれを国鉄とするかという二つの方法があります。これらにつきましては、なお問題が具体的になるに従いまして慎重に検討いたしたいと思いますが、かりに現在の北丹鉄道に並行して鉄道施設をするというようなことがありまして、そのためにこの北丹鉄道の営業の存続が困難になる、あるいは著しく収益が減少するというような場合には、当然整備法法律による廃止あるいは便益の補償の対象になるというふうに考えられるわけでありまして、これらもなお今後十分検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  29. 肥田次郎

    肥田委員 私もその点については、新たに新線を建設するというような姿ではなしに、少なくとも不良点改良して、いわゆる乗入れあるいは共用にする、あるいはさらに国鉄がこれを買収して改良するという形が一番理想的な姿ではないかと思うわけです。したがいまして、いま局長の言われるように、慎重に考えるということでありますから、いますぐという問題ではないと思いますので、私の質問はこれくらいにとどめておきたいと思います。ただ、これがかりに、新線を建設をして、そして北丹鉄道には定めるところの助成策を講ずる、こういうことになりますと、これは最も悪い条件のものになりますから、そうじゃなしに、少なくとも現在のものを国鉄が買収をして、そして改良をして国鉄線として一本のものにする。こういう形がきわめていいのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。  それからもう一点の問題は、これは現在申請をされておるところの姫路市のモノレール免許申請の件であります。本日は現地事情に非常に詳しい三木喜夫代議士がまいりまして、この件について質問をさしていただくことになります。したがいまして、私はこれについて今日まで私が知っている範囲でまず二、三点の問題を確かめておきたいと思うのですが、このモノレール認可については、当局としてはこれを運審規則の十三条の該当事項として考えておられるのか、あるいは十四条の諮問事項として取り扱っておられるのか、この一点をまず質問しておきたいと思います。
  30. 佐藤光夫

    佐藤説明員 お尋ねは運輸審議会一般規則の十三条の軽微事項に該当するものであるか、あるいは十四条の運輸審議会諮問をする事案であるかということであろうかと思いますが、本件は十四条に該当するということで手続を進めております。
  31. 肥田次郎

    肥田委員 そこで私が次にお伺いしたいのは、一つモノレール設置反対陳情書というのが六月の二十三日に前の綾部運輸大臣提出されておるのですが、鉄監局長もその後にかわられましたが、民鉄部長はこの関係は御存じですね。  それからもう一つは、これについて地元から反対運動が起こっておるのですが、それは姫路市の条例の第二条に基づけば、三千万円以上の工事または製造の契約をするときには市会議決を要する、こうなっておるのですが、八億円というこのモノレール建設契約市会議決を抜きにしてやっておりますから、これは実は無効なんだ、こういうことです。  それから第十四条に該当するというふうに鉄監局長は言われましたので、その関係についてお聞きしたいのは、運輸審議会の会長の谷村さんに五月十八日付で、姫路モノレール設置反対共闘会議議長阿部三雄氏が聴聞会を開催してくれという申請をしております。しかし聴問会はまだ開かれておりません。しかも運輸省では近々にこれを認可するのではないかというふうなことが民鉄課長のほうからことばにあらわれてきた。ところが当時の鉄監局長は、地元反対があるからこれは慎重に取り扱いたいということを言われておった。  それからさらに問題点は、最近御承知のように、地方公営企業の中の特に交通企業というものがもう全国的に赤字を出しておる。赤字を出しておるのにかかわらず、人口二十万程度姫路市が八億の投資をしてモノレールを設置をする、そしてそのモノレールの目的というのがきわめてあいまいだということをわれわれはいろいろな資料によって知ったわけなんですが、たとえば観光用にするのだ、観光の目的といったってたいしたことないじゃないかということになると、いや、交通緩和をやる、その交通緩和はモノレールでどのくらいの輸送力があるのだということになると、将来モノレールを延長して、そして海岸線を走らして輸送緩和をやっていく、こういうふうな非常に目的があいまいなままに申請が出されておる。こういう点が、私は今度の姫路市のモノレール申請についての問題点であろうと思うのであります。したがいまして、もしこういう事実のままに運輸当局がこれを免許すべく諮問をされたということになれば、これはいささか軽卒のそしりを免れないのじゃないか、こういう気がいたします。  私がいま特に申し上げました一点、二点、三点、四点、その中の二点、三点という関係については、これはもういささか運輸省としても手続がまだ不十分だと思うし、それから運輸審議会といえども公聴会を開催してくれということで申請が出ておるのにもかかわらず、その運輸審議規則によるところの、あれは第一条でしたか、公聴会をできるだけ開かなければいかぬ、こういう原則がきめられておるのにもかかわらず、その精神に反するような形で今日まで放置をされておる。そして、もし諮問をされれば諮問をしたとおりにこの認可がおりてくる、こういうことになるわけです。却下をするのに諮問をする必要はないと思うのです。そういう状態に、この姫路市の申請するところのモノレール免許というものはなっておるようでございまして、これはそのような状態の中で免許諮問をされるというようなことについては運輸行政上好ましくない、こういうふうに考えます。したがって、本件については事情に非常に詳しい三木委員が見えておりますから、三木委員からその問題点についてまず質問をしていただいて、そのあとで私もさらに引き続いて私の質問を継続していきたい、このように考えるのです。したがいまして、あなたの都合でもしいろいろな事情を聞いて答弁をされるということならそれでけっこうでありますが、そうでなしに、いま私が申し上げましたところの二、三点の問題について、そういうような事情でもなおかつ運輸省としてはこれの免許の手続を進めようとされるのかどうか、この点についてお考えがあれば聞いておきたいと思います。
  32. 佐藤光夫

    佐藤説明員 いまお話し姫路市におけるモノレール免許申請は、昭和三十八年一月及び同年十二月二十一日付で提出されておりまして、これは手続の定めるところによって本年五月二日に運輸審議会諮問をいたしております。それで申請の手続につきましていまお話しの市の内部関係につきましては、われわれとしては申請書に市議会の議決として跨座式モノレールを次のように設置したいということを、姫路市の財産営造物条例第三十一条の規定によって提出をして議会の承認を得ているという書類をいただいておりますので、これによって一応十分な手続は済んで諮問に該当するということでやっておるわけであります。ただ、この具体的の免許の許否云々につきましてお話がございましたが、そういうのは現在運輸審議会において慎重に御審議をいただいておる段階でございまして、まだ何ら免許の許否についての決定を見るという現在の段階ではないということを申し添えさしていただきたいと思います。
  33. 肥田次郎

    肥田委員 それではこの件については非常に関係がありますから、また三木委員から質問をしていただいて、私もその件について質問を継続したいと思います。
  34. 川野芳滿

  35. 三木喜夫

    三木(喜)委員 私は、いま肥田委員のほうからお話がありました件につきまして、本日運輸委員の皆さんの了解のもとに、最近特にこの新しい交通機関として注目を浴びてきたモノレールについて、これを採用しようとする自治体の問題として、この問題をひとつ御質問を申し上げたいのです。  モノレールの効用については、羽田空港−浜松町間を十五分間で結ぶというのですから、羽田空港へ一時間もかかる交通ラッシュから解放されるということで、非常に便利で、賛意を表し得るものがあると思うのですが、そして本年九月これが完成を目ざして急ピッチに工事をしておるということもうなずけるのです。しかしここに提起して質問したいことは、地方自治体がこの種のモノレール公営企業として採用して、いま論議と紛争を呼んでいるのが姫路市でございます。私は地元の問題だからということだけではなく、地方自治体がこうした第三の交通機関というべきモノレールを初めて採用するのですから、この初めてのケースに対して免許をおろすという立場だけでなく、当局に、十分指導と検討を加え、採用しようという動機やそれから政治的工作のみに押されることなく、いやしくも地方自治体の行財政を破らない、こういう配慮のもとにこれを検討してもらうことが必要ですが、ただいまのお話では、諸般の事情を勘案していま慎重に検討しておるということでございますので、私は非常にありがたい、このような感じを持つわけです。そこでそのために本件の目的と背景、市議会の議決の様子、財政状況、採算等広く見てもらう、詳細に検討してもらう、こういうぐあいに思いますので、順を追ってお伺いして、当局の、もうだいぶ日もたっておりますから、検討された点について、確信のある点をひとつ聞かしていただきたい。  そこで順序といたしまして、ちなみにこれに反対する側としましては、昭和三十八年九月二十五日、昭和三十九年二月五日、モノレール設置反対市民共闘会議議長の阿部三雄氏から二度にわたって中止方の要請が石見市長になされているのです。反対の理由は、採算がとれない、建設費が膨大である、第一義の交通緩和策ではない、こういうような理由からこれがなされておるわけですが、大体経過は、三十七年夏石見市長は、交通緩和策をかね、四選の任期切れを控えて、駅前から手柄山までの一・九五キロメートルに建設の計画を発表しております。三十七年十二月市会の敷設議決をもとに、三十八年一月十七日路線免許運輸省大阪陸運局に申請し、三十八年七月六日ロッキード社の機種として、二両連結、車両の長さ十三・三メートル、幅三・〇五メートル、重さ十五・三トン、乗客百二十人、時速百二十キロ、価格一両四千万円、十二両まで連結ができる。路線姫路駅から豆腐町−久保町−高尾−福沢−大将軍橋−手柄山、そして駅前から大将軍橋の間は幅二十メートルの都計道路にする。北側道路沿いに街路事業で二階建て、一部では三階建てビルをつくり、そのビルの上にモノレールを走らす。都計道路を除き建設費を七億四千六百六十万円と見込んでおるわけです。これは読売新聞の播磨版の三十九年三月三十日の記事を引用したのですが、こういうような構想をもっていまつくろうと免許申請をしておるのですが、いま肥田委員のお話では、この目的を、交通緩和であるかどうか、こういうことでお伺いしたのですが、市は交通緩和といっておるようでもあり、ないようでもあり、その辺が非常にあいまいです。これが非常に問題点でありますので、その点をもう一回御答弁いただきたい。まず最初にそこからお聞きいたしたいと思います。
  36. 岡田良一

    ○岡田説明員 ただいまの申請につきましては、一応市のほうは交通緩和という目的にしておりますが、現在の時点においては、交通緩和よりもむしろ観光のほうに重点があると思われます。その点につきまして、交通緩和とどういう関係になるかということを運審のほうからもいろいろ御質問がありましたので、姫路市の意見を聞いておりまして、将来延長するというふうな問題もあるようですから、その延長に関する資料等を現在調査中でありまして、まだその点につきまして最終的な調査は完了しておりません。
  37. 三木喜夫

    三木(喜)委員 観光目的だということがいま明らかになったわけですが、将来延長するということについて鉄監局ではどのようにお考えになっておるか。姫路市の反対側といたしましては、これについては一回の乗車賃が百円、それを将来五キロなり六キロ延ばした場合に、何百円という運賃になってくる、こういうものが一体交通緩和の策になるだろうか、将来の見通しについても少し誤りがあるのじゃないか、このように思うのです。反対側ではそういうように言っておりますので、どのようにこの点は御検討になっておるか。
  38. 岡田良一

    ○岡田説明員 その点につきましてまだ将来の計画が、姫路市のほうから最終的なものがはっきり出ておりませんので、詳細なる検討はいたしておりませんが、将来飾磨のほうからお城のほうまで延長する、その場合に、タクシーとかそういうもののかわりにモノレールが利用されるので、非常に交通の緩和になるのだというふうな説明を現在のところは伺っております。
  39. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そこに一つのまぎらわしがあるということをひとつ御認識いただきたいと思うのです。それから将来の交通緩和なれば、あなたのほうにもこの姫路市の反対共闘会議のほうからもるる事情の説明があったように聞いておりますが、その説明の中では、駅前のラッシュ、こういうものについても交通緩和をしなければならない、なお姫路市には他の道路の問題がたくさんあります。特に私はここで強調したいのは、交通緩和なれば、あの駅前の狭いところに観光会館をいま建設中です。これは石見市長の構想でやっておりまして、あれはたいへんに私は交通を阻害しておると思うのです。交通緩和だという、まだ申請書も出ていない、そういう問題を、延長するのだという夢のような話を持ってきて、それがこの認可の目的、いわゆる交通緩和という目的だというふうにすりかえられては私はおかしいと思いますので、その点は十分御検討いただきたいと思います。  その次に第二点に移りたいのですが、三十八年一月十七日、陸運局にモノレール路線申請をしております。しかしこれについて神戸新聞の三十九年六月十九日付によりますと、この具体案については三十九年の一月やっとそれそれができ上がったということでありますので、今日審議が非常に混乱しておる。後に市議会の中の混乱状況を申し上げますが、混乱しておる原因がここにある、こういうようにいっておりますが、あなた方のほうにも具体案は三十九年一月に出されたのですか、それまではどんなものが一体出ておったのか、それをひとつお聞きしたい。
  40. 岡田良一

    ○岡田説明員 三十八年の一月に申請がなされましたが、そのときにはまだどの機種を使うかということがはっきり決定していなかったわけであります。御承知のとおりモノレールには大体現在日本で開発されているものに四種類の機種がございますが、そのうちのどれを使うかがはっきりしておらなくて、三十八年の十二月二十七日付でロッキードにきまったということで、ロッキードによる申請追申が提出されたのであります。その辺が一月と十二月の申請の差でございます。
  41. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そこで、ロッキードに機種を決定したということにつきまして、これも運輸省としてはっきりしたも一のをひとつお聞きいたしたいと思うのですが、先がた読み上げましたように、「広報ひめじ」によりますと、三十八年七月六日、姫路市の採用する機種はロッキード・モノレールと決定した。しかしこれについて市議会の中でこのような論議がなされておるわけです。これについて姫路市民だけでなくして、こういう論議の出るということは、日本の国のこういうような機種の決定をめぐってだけでなくして、市議会、地方議会のあり方というものも私は問題にしなければならぬと思いますので、その中から出てきたところの機種の決定というぐあいにひとつ御認識いただきたいと思うのです。  質問としまして第四点として市議会で述べられたことですが、「昭和三十八年七月六日付日本ロッキードの仮契約は地方自治法第九十六条第九号に依る議決事件であるにもかかわらず、市当局はただ単なるメモであり契約ではないのだと主張し、議会の承認がなくてもいいと解釈致しておりますが、このような重要なる契約を単なるメモだというのははなはだ詭弁であり議会軽視の最たるものであり、法の解釈にかかわる問題であります。このような重要な事項を契約でないとするならば、一体どの様なものが重要なものでありましょうか。この矛盾は過去にあった次のような事を思いおこして頂くならば気がつかれるでありましょう。それは昨年七月十三日の議員総会に於て市長はこの契約書を私共に示し、本日この契約を承認してもらわなければ姫路市として外部に恥をさらすことになる。是非共今日承認してもらいたいと強く要求されたのであります。その時、私ども議員は本契約はあまりにも突然であり抜打的であったので承認することなく、今日までにぎりつぶしてきたのであります。その後、市当局は一回も本会議に本問題を提出することなく今日まで参りました。しかるに本月十六日私がこの問題を質問致しますと、これは単なるメモであり、市議会の承認は必要としないんだと言訳を致しております。このように過去にあった事実から、市当局は当初は自治法に定める重要なる契約として承認を求めてき、議会の承認がむづかしいとわかったら単なるメモだと主張し、全くその論理に一貫性がありません。私共はこの点からも本契約は基本契約として債務負担行為をともなう重要なる契約考えておりますので、この点からも市の措置は地方自治法に違反の疑いが濃厚であると考えます。」このような質問、意見が出されておるわけなんです。さて運輸省ではこれはどのように判断をなされますか。それをお聞きしたい。都合によってはこれは重要な問題でありますので、それによって質問したいと思います。
  42. 岡田良一

    ○岡田説明員 その市会議決関係の問題につきましては、一応運輸省に対しましては、市会としてこういうものを議決したという証明のある文書も出ておりますので、市会の内部でいろんな問題があったかもわかりませんが、運輸省といたしましては市会の正式の議決があったものとして現在処理しております。
  43. 三木喜夫

    三木(喜)委員 機種の議決があったという書類が出たのですか。
  44. 岡田良一

    ○岡田説明員 ただいま申し上げましたのは申請議決のことでございまして、機種の議決につきましては議決をしたという書類はついておりませんが、三十八年の一月の申請をこういうふうに直したいという申請を受けております。
  45. 三木喜夫

    三木(喜)委員 その直した問題については、後ほど聞くとしまして、それでは次の問題に移ります。いまこの中でも触れましたように、このような経過を経て機種が決定された。そこで反対共闘会議だけでなくして、この議会の中におけるところの少数意見としても、また一般意見としても、これはまことに行き過ぎである。市長の独断専行ではないかという考え方が非常に強い。これをお考えにひとつ入れておいていただきたい。一ぺんそういう点も検討をしてみてください。  そこで次に移りたいのですが、この問題をめぐりまして問題だということで姫路市に対しまして監査の請求が出されております。請求者は西森秀信氏、その内容を読みますと「地方自治法第二四二条第一の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を要求します。昭和三十九年七月六日姫路市監査委員殿」これは地方自治法の二百四十二条第一にきめられております住民の監査請求の権利によって請求しておるわけです。「姫路市長に関する措置請求の要旨、昭和三十八年七月六日付で姫路市長石見元秀と丸紅飯田株式会社代表取締役副社長檜山広と締結された「姫路市は、丸紅飯田に対し国鉄姫路駅前より手柄山に到る全長約一・九kmのモノレール鉄道架設工事一式に関し、日本ロッキード式を発注する。契約金額、着工及び設工の時期その他細部に関しては別途協議の上決定する。との趣旨の契約及びこれに附随せしめられた覚書による約束はすべて市長石見の責任において解消せしめる等適当の措置を請求する。理由、1、姫路市には、市議会の議決に付すべき契約及び財産の締結又は処分に関する条例がある。その第二条によると、予定価格三千万円以上の工事又は製造の請負契約は議会の議決に付さなければならない旨定めている。然るに本件契約はその工事費約八億円に上がるものであるのに、全然市議会の議決はなされていない。2、仮契約だから議決に及ばないとの意見をだす向きもあるけれども、仮契約といえどもその約束の趣旨に従がって当事者を拘束するものであることは、本契約と同じであり、本件契約をみると、モノレール鉄道架設工事は丸紅飯田に対し発注するものであることは明確に約束されているからこの範囲では市議会の存在を無視しなされた契約であることには間違いない。3、尚この様な契約がなされた事が一般市民に明らかになったのは、昭和三十八年七月十三日市長が議員総会に対し「この様な契約ができたから了解してもらいたい」と述べたので、はじめて明らかになったものである。以上」というような監査請求が出ております。この監査請求によって、市長がこれに対して取り消すならば、問題は次にまた延ばされるわけです。取り消さない場合は、このモノレール反対市民共闘会議は、これによって、行政訴訟によって訴訟をしよう、そういう意図があるようです。そこで民鉄、鉄監のほうにおきましては、監査請求がなされ、このような訴訟が持たれるというような重要な地方議会の権限問題に触れておるにもかかわりませず、これは不問に付して、あるいは調査もせずに、これに許可を与えられるようなことはないだろうと思うのですが、その点についてはっきりした御見解を聞かしていただきたい、こう思います。
  46. 岡田良一

    ○岡田説明員 ただいまの監査請求のことについては、ここで初めて伺ったわけでございますが、地元でいろいろ反対もございますので、運輸審議会におきましてもこれは慎重に審議をする必要があるということで、自治省の意見なりまた関係方面の意見を十分に聞いて審査をするという考え方でありまして、現在まだ具体的な審査に入っておりませんが、できるだけ広く関係方面の意見を聞いて審査をしたいという考え方でありますので、先生のお話のように慎重に審議をすることにいたしたいと思います。
  47. 三木喜夫

    三木(喜)委員 もう一つ、これについて確かなことを聞きたいわけですが、一般的な考え方としては、いま言われたように、慎重な審議でいいわけです。しかし姫路市の場合は特異なものです。特異なものですから、これについてあなたのような一般的な解釈だけでは私たちおかしいと思うのです。そこでこういうような訴訟がなされようとする、こういう紛争を足元に持っておるようなものが許されるべきものであるかどうかということを聞きたいわけです。その点をひとつ……。
  48. 岡田良一

    ○岡田説明員 そういうふうな点も考慮に入れまして、なお慎重に審議を——鉄道監督局といたしましても慎重に審議をいたしますし、運審のほうにもそういう諸般の事情をよく申し述べまして、慎重に審議をしてやっていきたいと思います。
  49. 三木喜夫

    三木(喜)委員 次の問題に移ります。昭和三十八年十二月二十七日に、機種決定に伴い、内容更新のため運輸省に追申をしました。内容の更新はどのような更新をいたしましたか。
  50. 岡田良一

    ○岡田説明員 内容の変更は工事費が当初の計画よりも多少減額になったという点でございます。
  51. 三木喜夫

    三木(喜)委員 減額になったということですが、私たちが非常に問題することは、もちろん市ないしは地方自治体がモノレールを交通機関として取り扱うケースはおそらくこれが初めてであると思います。特にロッキードを使用するということも初めてですから、その間に計画の変更がたびたびあっていいと思います。またあり得ると思います。しかしながらここに運輸省としてははっきりとしたところのけじめを持ってもらわなければならぬことは——私の知っておるところでは、最初は十数億円、しかも特別会計でやるということを起案しておるわけです。そして運輸省にもそういう申請を出したと思うのですが、その点も聞きたい。第二回目はこれを起債にする、約十億円近い金にして起債にするということに変更になった。起債ということもこういう公営企業の形態からいえば、起債の形はあり得ない。自治省の反対等も私はあったろうと思うのですが、次に三番目にはこれを七億ほどに減額して、一般会計からやるということも、これは法律上非常に疑義があるわけです。この三転したということについて、性格が全部変わったわけなんです。特別会計、起債、そして一般会計、財源的に非常に自信がないということを示しておることと、それから市民に対してお金はそう要らないんだよという見せかけが一つあるのですが、一体これについて許可を与える立場からいえば、どのくらい要るのがたてまえなのか、そういう検討が行なわれたかどうかということをひとつお聞きしたいことと、三回もこのように変わった中に、非常に性格が違ったものになってきている。それについて最後の、一般会計からこれをまかなうということは、やはり法律的にも疑義がある。その点を後に申し上げますけれども、どのようにお考えになっておるか、それをひとつお聞きしたいと思います。
  52. 岡田良一

    ○岡田説明員 私のほうの申請によりますと、初めの計画では、起債または資産売却による収入と税収入で特別会計を実施して二カ年で支払うというのが当初の申請でありましたが、これを全額一般会計よりの繰り出し金による特別会計をもって実施して、建設費は五年年賦で支払うというふうに変更しておるというふうになっておると思います。これを一般会計から出すような問題につきましては、自治法なり地方財政法の解釈の問題になりますので、私のほうよりも自治省のほうで十分検討していただいて、それによる御意見も当然運審の審議の内容に参考にされることと思います。
  53. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そういう疑義があるので、運輸省としては、自治省のほうにその資料、ないし検討をまかされておる。いまのお話ではまかしたということか、自治省の所管だから私は知らないということか、どちらなのですか。
  54. 岡田良一

    ○岡田説明員 こういう問題の解釈につきましては、自治省のほうの所管でございますので、自治省のほうの御意見も十分伺いまして、最終的に運審できめることになるかと思います。
  55. 三木喜夫

    三木(喜)委員 自治省にお聞きしたいのですが、自治省で地方自治法ないしは地方財政法、こういうたてまえから非常に疑義があるので検討し、そして運輸省に対しては、これはむしろ慎重に考えてストップすべき案件じゃないかというような立場をとっておるということを聞くわけなんです。そういう点を含めていまの質問に対しての御答弁を願いたい。
  56. 近藤隆之

    ○近藤説明員 この問題につきましては、運輸省のほうから七月の二十一日でございますか、鉄監局長から財政局長あての公文書をいただいておりまして、姫路市においてこういった事業をやる場合に一般会計から出せる余力があるかどうかというようなことについて検討しておるわけでございます。自治省の従来の考え方からいたしますと、これは交通事業と見ようが、あるいは観光事業と見ようが、いずれにいたしましても、独立採算をたてまえとしておりますので、まずその事業が独立採算できるものかどうかということを主として検討しておるわけでございます。  それから姫路市の場合、新興都市でございまして、非常にやらなければならない仕事が多うございます。税収入では、これは毎年三十数億の税収入がございますけれども、仕事は一ばいかかえておりますので、直ちに最優先に、金があるからといってこの仕事に一般財源をつぎ込むということは非常にむずかしいし、またそのこと自体にも問題があろうということで、まず公営企業として成り立ち得るものかどうかという点の検討を進めておるわけでございます。
  57. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そこで実情をもう少しつけ加えたいのですが、いま姫路市の駅前の交通が非常に混雑しておるということを申し上げ、なおそこに観光会館というのを国鉄姫路駅と目と鼻のさきにいままた建てておる。これは混乱を増加するという話でありますが、もう一つ地方自治の立場からいま駅前のこのところに二十メートルの道路をこしらえて、その北側に二階ないし三階のビルを建て、そしてそのビルの上を走らすわけなんですが、いま姫路市の計画では、その部分を多少のけておいて、工事をあとにして大将軍橋というのが中間にあるのですが、それから手柄山というところに向けて工事を先にする、これは非常に安くできる。いわゆる川の中に支柱を立ててやるわけですから、非常に安い。一応工事の見通しといたしまして、これは先にできるだろうと思うのですが、この姫路市の非常に混雑しておる中を立ちのきをやっていくということは、おそらく至難な問題だろうと思う。そうすれば向こう半分が一、二年でできたといたしましても、あとの半分が全然できないというようなことになれば、これは見通しを誤ったことになる。これは責任は当然姫路当局が負うべきで、議会も負うべきですけれども、これに免許を与える、これの検討をしなければならないという自治省の立場あるいはまた運輸省の立場も、私は責任は免れないと思うので、こうなったときには、国として、これを指導し、あるいは免許を与えた立場に立てば、一体どちらがこれに対して責任を持つべきですか。愚問かもしれませんけれども、これは明らかにしていただきたい。
  58. 岡田良一

    ○岡田説明員 実際にどういう地点を通ってどういう方法で線路をつくるかというような問題につきましては、免許のあとに工事施行の認可手続というものがございまして、そこで具体的にどういうところを通って、どういうふうな構造で線路をつくるかというような問題になろうかと思います。したがいまして、実際に工事が可能かどうかということはそのときになりまして具体的に検討されるわけでありまして、現在の免許の段階におきましては、原則的にこちらからここにこういうものを建てるということについての是非を判断する、そういうことになっております。したがいまして、ただいまおっしゃいましたような問題につきましては、工事施行の認可の段階においてなお検討されることになっております。
  59. 三木喜夫

    三木(喜)委員 ちょっとおかしいと思うのです。あなたのお話では、書類の上で整備しておれば、あるいは条件が整うておればいい。それから議会の内部のことまでは口を出されませんけれども、どんな内紛があろうと、これは姫路市のことだ、こちらへまでそれは影響してこない、こういうような考えのもとにいろいろ進められては困ることになるだろうと思います。そこで、路線認可をしてしまってから、あるいは工事施行にかかってからも、これはそういう見通しが立てば施行をストップし得るのですか。そうでなければ、路線認可になった、どんどん進めていくということは大手を振ってやられるわけなんです。そういうおそれがいま多々あるということを反対共闘会議も申しておりますし、皆さん方御自身も認可を与えるという立場に立てば、いまそれを調査しておくということも必要だろうと思うのです。これは後の問題だということになると、免許を与えてからということになると、これはもう一つ混乱を加えることになると思います。一ぺんそういう判断もしてもらわなければならぬと思います。その点ひとつ現地の状況をよく見てもらいたいと思う。現地ではいままでたびたび立ちのきをやらされて、しかもそれに対する適当な措置がとられておりませんから、住民の不平不満は一ぱいなんです。しかしこれは私が言えば一方的な言い方になるかもしれませんから、これもひとつ調査の内容に入れておいてもらわなかったら、将来、いま申しましたように半身不随のままになったときに一体だれが責任を負うか。当時の民鉄部長さん。鉄監局長さんがもうその時分になったらおられないということになれば、ばかを見るのは地方住民です。だからこの際責任を重んじるという立場から十分検討してもらいたいと思います。  そこで自治省にひとつお聞きしたいのですが、やはり三十九年の三月の議会の少数意見としてこういうことが出ておるわけなんです。いま質問の中でもちょっとそれを含めたわけですが、「第五点と致しましてモノレール建設費を一般会計に計上されておるのは、地方財政法第六条第一項に規定されておりますことに違反を致しておると考えられます。法はこのような交通事業は当然特別会計をもって行うべきを明記しており、一般会計に計上するのは法の精神を故意にまげたものと考えられます。市当局は営業をはじめるまでは、このままでもいいんだと言っておりますが、これははなはだ詭弁といわなくてはなりません。」私も自治省においてこの点を聞きますと、やはりそういうような解釈を自治省も一部しておられるように思います。しかしながら、これはここで明らかにしてもらわなければならぬ問題ですからお聞きいたしたわけです。どういうぐあいに解釈されますか。
  60. 近藤隆之

    ○近藤説明員 法律で特別会計を強制いたしておりますのは、厳格にいえば営業開始後のことでございまして、まず建設段階におきましては一般会計でやる場合も当然あり得ると思うのです。それから一般財源をこういった交通関係で使っていけないということにはなっておりませんで、たとえば交通事業を営みます場合でも、全部借金だけでやるのじゃなくて、一般会計から当初の出資金を出すということもあり得るのでございます。また地方公営企業が現在非常に赤字になっておるという一つ原因が、出資金を全然持たないで企業を始めておるという点にもあるわけでございまして、あながち公営企業であるからといって全部借金でやるのだということにはならないと思います。
  61. 三木喜夫

    三木(喜)委員 それでは、市議会がモノレール建設特別委員会を設置して、八月二十六日、八月三十日、三十九年の一月十二日、一月十七日、あらゆる角度から審議が進められた、このように報じておるのです。しかしながら、この反対共闘会議ないしは議会の少数意見でありますけれども、そこから聞きますと、何らこれについて審議がなされていない。このことは、私がこんなことを申し上げるだけではなくて、これをひとつ見ていただきたいと思うのですが、三十九年の三月三十日の読売新聞の播磨版、「キメ手欠いた賛否論」「市会特別委、理事者も意見まちまち」、三月「二十七日の姫路市会モノレール建設特別委員会は圧倒的多数で三千二百十七万二千円のモノレール第一次予算を承認した。革新系の反対に明快な回答が与えられたわけでもなく、賛成委員のなかにさえ疑問点を指摘する発言があるなど決してすっきりした承認ではなかったが、市会の会派勢力からみて三十一日の本会議で正式議決されることは間違いない。そして「一部でも予算をつけた事業の追加予算は否決しないのが常道」という議会のあり方からすれば橋脚兼用ビルを含め建設費見込み額二十億円、市はじまって以来の大事業モノレール”はこの「委員会承認」を“発車合い図”にすでに走り出したとさえいえる。委員会の審議を中心にモノレールの周辺にスポットを当ててみよう。」ということで、「理事者側は追いつめられると「……と思います」で逃げ、」、「寛容の気持ちで協力してほしい」と嘆願調に変わる始末。」、「反対委員はこうした理事者の“責任不存在”的態度にあきたらず、ついには賛成派委員に「賛成理由をハッキリさせてほしい」とホコ先を向けかえたが、これに対する回答はだれからも得られなかった。」そして問題点を申し上げますと、「大量輸送問題では理事者は「スピードでカバーする」と答えたが、逆に「将来、路線を延長、市バスがわりに使うともいう。そのためには多くの停留所をつくる必要があり、スピードを出せるはずがない。百キロも出せば発、停車ごとに乗客から死人が出る」と切り返され、これにはグーのネも出ず理事者内部でもモノレールの必要性や目的について意見がまちまちで勉強も不十分なことをさらけ出した。」それから、「このほか、賛否両派を通じて、1、議長委員長とも予算書ができるまで第一次予算の提案を知らなかった。2、可決すれば議決をタテにとってこれまで同様強引に執行権を振り回し、議決を口実に市会の口を封じるのではないか。3、ロープウエーは五年間で減価償却すると約束したが、いまだに赤字続きだ。4、市会、市民にも反対が多く委員会が十分な検討も終わっていないのに予算化を急ぐのはなぜか、などが問題になった。しかしこれらは「理事者の市会軽視」に対する憤満、理事者からいわせると“ヒガミ”の爆発で、モノレールの本論には遠く、理事者側の「おわび」で簡単にすんだ。」こういうふうに表現しておる。こういう市議会のあり方で国において許可を与えるという問題が早急に起こるとすれば、まことに残念なことで、もう少し内部事情姫路市の特別なことだというような考えでなくやっていただきたい。これをまずその内容として申し上げておきたいと思う。  それから次に瞬間が十二時までということになっておりますので、急いで申し上げたいと思いますが、これに対するところの収支の計算がされておるわけです。これは、市の広報によって、読売新聞の先がた申し上げました播磨版に出ておるわけでありますが、五年目からこれは黒字に転ずる。しかしこの中には最初申し上げましたように十何億から十億になり、十億から七億になり、道路の工事費を含めますと二十億ほどになる。その二十億に対するところの利子の計算がしてないということと、次に採算の問題に入りたいと思うのですが、採算も大きなミスをやっておるのです。これは共闘会議のほうから出された資料ですけれども、手柄山に行く人を年間百五十万人の計算をもってそのうち八十三万人がモノレールに乗り、一日平均四千百人で、約二千二百人の乗客がある。中央公園の調査によると手柄山に行ったところの総人数は二千百三十人となっているのです。その資料がこちらに添付されているように聞いておるわけなんですが、これは、はやこの重要な採算の問題に対する基礎になる人数に大きなミスがある。これもあまりにもずさんなやり方ではないかと思います。それから採算の問題も、いま申しましたように二十億ほど要る。その金に対する利子が計算されていない。この点もひとつチェックしておいていただきたいと思います。その点は御検討いただきましたか、ひとつそれについての御見解を承りたいと思います。
  62. 岡田良一

    ○岡田説明員 採算の点がこの問題につきまして非常な重要な点でありますので、姫路市から詳細な資料を取りまして現在検討中でありまして、まだ結論は得ておりません。
  63. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そういうことですが、いま申しましたような点をもう一回見てください。それが詳細な資料に入っておれば問題ですよ。いま言いましたように、一日手柄山へ行った人が二千百何ぼであるが、乗る人という計算がない。全部は乗りませんよ。いま二千百何十人手柄山へ行くというが、バスで行く人もあれば、自家用車で行く人もあります。その人数が二千百三十人。それを利用して計算間違いをしておる。こういうようなことが詳細な資料だ、検討だということになってくれば困った問題ですから、後にまたお伺いして聞きたいと思いますが、検討してみてください。この点につきまして市議会におきまして意見が出されておりますので念のためにそれを読ましていただきますと、財政を圧迫するかということについて、市当局は、百三十億の中の償却一億五千ないし二億は大したことでない、このように言っておるのです。百三十億の中で市が自由になる金は十億ほどです。その中の二億ほどの金ということになると、これは五分の一です。そういうように答弁をやっているということもひとつ御検討をしておいていただきたい、こういうように考えるわけです。その他たくさん姫路としてやることば多いのでありますから、そういう問題も考えに入れなければならないと思うのです。  それから筒井光男管理課長は、問題が姫路に起こっておるけれども、これは免許関係ないと言っておられますが、先がたから私が申し上げましたように関係が大いにありますから、これをひとつ検討してもらわなければならぬと思います。  最後に、これは岡田部長に関係があることですが、時間がないためはし折りまして一点だけお聞きしておきたい。これは七月「十八日午前十時岡田良一運輸省鉄道監督局民営鉄道部長をたずね、同市が申請していた姫路駅——手柄山間(全長一・九キロメートル)のモノレール建設につき現地の実情を説明するとともに、早く認可してほしいと要望した。これに対し岡田部長は運輸審議会の答申が出しだい認可する予定だが、時期は八月中旬になるだろうと答えた。同モノレール建設には自治省が公営企業が全体的に低調のおりから赤字になるおそれがあるとし警告を発していたもの。」という記事の中に、岡田さんが来月中旬に認可されるだろう、現在慎重に審議し、いまも私が出しただけでも問題が続出してきておるのに、はや時期がきまっておる。これはおかしいじゃないですか。これは新聞の誤記であれば私は幸いだと思う。まさにこういうような既定の路線が敷かれておって、反対する者は反対しておれ、地方行財政をどんなに圧迫しようがおれが知ったことかいというようなことは思っておられないと思うのですが、最後にその点について御答弁願いたい。
  64. 岡田良一

    ○岡田説明員 そのころ姫路市長に会いましたことは事実でございますが、そのときに八月の中旬ごろに運輸審議会で具体的に審査されるだろうということは申し上げたわけですが、そのころ認可になるということは全然申し上げた覚えはございません。現在自治省のほうにも照会しておりますし、また、われわれのほうの作業の段取りから見て八月の中旬ごろ運輸審議会のほうにいろいろ御説明ができる時期になるだろう、そういうことを申し上げたわけでありまして、もし新聞にそういうふうなことが出ておりますれば、それは明らかに間違いでございます。
  65. 三木喜夫

    三木(喜)委員 それで安心いたしました。  最後に一言申し上げておきたいと思うのですが、市議会は、機会を民主的に運営をして、そこで決定したもの、これを私たちは国の立場からも望むわけです、そこで、運審は十分自治省のほうから資料を求めておられますから、自治省もこのことを調査し運審に提供して、そうして地方自治を圧迫しないような、民主的な議会運営を破壊しないような、この問題において十分当局が措置をとってもらいたい。  それから地元神戸新聞が三十九年五月十六日から六月十九日までモノレールについて二十五回連続解説をしております。その第十七回目の磯村教授の意見は見のがせないものがあります。それは「じっくり論議、忘れな市民の幸福」こういうことなのです。あわててこういうものをやると私は失敗すると思いますので、磯村教授ないし神戸新聞の最後の締めくくりが問題だと思いますので、その点を考えていただかなければならぬと思う。石見市長は、聞くところによると、これをやらなかったら第三の交通機関に乗りおくれて姫路市は機会を失うんだということで、議会は民主的な運営すら経ずモノレールの意思を決定したということは先般申し上げたとおり。あわてる必要はないと思いますので、できれば、最初に肥田委員のほうから申しましたように、公聴会が開けなければ聴聞会あるいはまた運審のほうから反対派の人を呼んで、一体どこが問題点かということをひとつ十分摘出していただきたいと思います。きょうはたいへん運輸委員の皆さんに御迷惑をかけ、時間も延長しましたし、またそのために時間をもらいましたけれども、限られた時間でございましたので、言い切れておりません。そこでそういう措置をひとつとっていただきたい。これについて所信を述べていただきたい。
  66. 佐藤光夫

    佐藤説明員 お話しのように十分に慎重に取り扱うようにいたしたいと思います。
  67. 川野芳滿

  68. 板川正吾

    板川委員 時間の関係で五分間だけ質問をいたします。  鉄監局長に伺いますが、最近建設公団で武蔵野線、特に東線の着工について発表がありました。この武蔵野線の工事計画の概要といいますか、そういう点をお知らせ願いたいと思います。
  69. 佐藤光夫

    佐藤説明員 御承知のように、鉄道の新線建設につきましては敷設法別表予定線の中から鉄道建設審議会の議を経まして着手する線をきめておるわけでございますが、武蔵野線につきましても着手すべきものという御決定をいただいておりますので、基本計画の中に入れて工事を着手するという段どりになっておる次第でございます。
  70. 板川正吾

    板川委員 着工線編入に三十二年四月になっております。自来七年ほど編入にはなったが工事はしておらなかった。今回の発表によると、常磐線北小金から与野に至る三十三キロの路線というふうにルートも大体きまったという発表があったわけです。そこでこの区間は電化複線でおやりになるのですか、これはわかりませんか。
  71. 佐藤光夫

    佐藤説明員 お話しのように、電化複線の計画でございます。
  72. 板川正吾

    板川委員 電化複線ということになると、もちろん相当の工事費もかかりますが、この路線の収支という点はどういうふうにお考えになっておりますか。実はこのルートを見ましても、御承知のように大きな都市もないし、常磐線、東北線直通のお客というのもあるルートではない、そういうことから考えますと、収支の点で非常に心配にもなるわけでありますが、たとえば貨物の連絡等によって相当な収入があるというふうにお考えになるのか、それともこれは東京の輸送状況も満配になってきたのでどうしても収支に関係なくしなくてはならぬということでありますか、その点どうお考えですか。
  73. 佐藤光夫

    佐藤説明員 手元に詳細な資料がございませんが、本線は北小金−国分寺全長五十三キロでございまして、総工費約四百億という計算でございます。それで三十九年度一部用地買収に手をつけたいということでございます。この路線の収支といたしましては、いまお話のございましたような主として貨物のルートということを考えまして、収支としては比較的良好なものであろうという考え方をとっておる次第でございます。
  74. 板川正吾

    板川委員 まあ大きな都市もないし、旅客輸送の面では必ずしも見通しはいいものではないが、貨物において収支償うという予想でけっこうでございます。  そこでこのルートは別表とそごいたしておりますが、これはいずれ別表改正ということになりますか。
  75. 佐藤光夫

    佐藤説明員 いまお示しのように、敷設法別表と必ずしもこの基本計画が正確に合致しておらないわけでございますが、これは従来の建設例等を参酌しますと、たとえば八高線等にもかかる例がございまして、既設線と連絡することによって、敷設法別表に定めるルートの効用を果たしておるという考え方を従来とっておるようでございますし、その行政例にならって措置したらどうかというふうにわれわれとしては現在考えております。
  76. 板川正吾

    板川委員 そうしますと、これは別表の趣旨は、常磐線と東北線の連絡にあるのだから、このルートが若干違う、別表は御承知のように我孫子−大宮ということになっておりますが、別表を改正せずに、このルートでやっていくのだ、別表を改正する必要はないのだ、それはなぜなら別表の目的が常磐線と東北線の連絡にあるのだというようにお考えですか。
  77. 佐藤光夫

    佐藤説明員 従来そういう行政実例がありましたので、そういうことで現在のところ考えておるということを申し上げた次第でございまして、なおこれは法律的に特に問題がございますようでしたら、われわれとしても研究してみたいというように考えておる次第でございます。
  78. 板川正吾

    板川委員 従来三十二年に武蔵野線の着工線編入が許可になっておって、非常に必要な建設予定線であるのだ、しかしこのルートが別表のとおりにならないので、今日までたいへん建設がおくれておった、今回関係府県とも話し合いがついて、大体こういうようにルートが変わったのだ、ですから従来の別表からいえば、我孫子、与野を通って大宮に至る、それがずっと南のほうに移りまして、北小金から南浦和に入って与野に至るということになりましたから、別表の線からいえば、ルートが変わったわけです。ですから、これは別表が改正になるのだろうと思っておったのですが、ならなくてよろしいという解釈ですか、もう一ぺん……。
  79. 佐藤光夫

    佐藤説明員 お示しのように、敷設法別表の起終点、経過地等が若干違いますが、一応基本計画においては先ほど申し上げましたルートを考えておるわけでございまして、この関係は過去の行政実例からして、われわれとしては特に別表を改正しなくてもいけるというように一応解釈をしておる次第でございます。
  80. 板川正吾

    板川委員 その点は従来の国鉄運輸省の解釈と違うように思うのだが、それはそれでいいでしょう。  この武蔵野東線の完成目途は昭和何年でありますか。
  81. 佐藤光夫

    佐藤説明員 これは御承知のように、全体の建設費の額に関連するわけでございまして、いまここで特に何年完成ということを申し上げる状態にないわけでございます。
  82. 板川正吾

    板川委員 これは大体新聞等によると、昭和四十五年ころ開通見込みを考えておるというのですが、大体そのころですか、それとももっとおくれる見込みですか。
  83. 佐藤光夫

    佐藤説明員 建設公団等におきましては、できるだけ早期に完成したいという希望を持っておるわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように、全体の予算規模その他に関連することでございますので、いまここで正確にどういうふうな腹づもりということを申し上げられないのが非常に残念でございます。
  84. 板川正吾

    板川委員 約束の時間ですから、以上で終わります。
  85. 川野芳滿

    川野委員長 午前中の会議はこの程度にとどめ、午後一時より再開することとし、休憩いたします。    午後零時十九分休憩      ————◇—————    午後二時二十五分開議
  86. 川野芳滿

    川野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、運輸大臣より発言を求められておりますので、これを許します。松浦運輸大臣
  87. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 このたび、池田第三次内閣の改造にあたりまして運輸大臣を拝命いたしました。運輸行政には全くずぶのしろうとでございますから、皆さまの御指導、御協力をひたすら懇請を申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手
  88. 川野芳滿

    川野委員長 次に、新任の次官、大臣官房長及び観光局長よりそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。廣瀬次官。
  89. 廣瀬真一

    ○廣瀬説明員 私、六月三十日付をもちまして運輸事務次官を拝命いたしました。浅学非才でございますが、よろしくお願い申し上げます。  なお、官房長鉄道監督局長のときは直接政府委員といたしまして皆さま方からたいへんあたたかい御指導を受けましたことを厚くお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手
  90. 川野芳滿

    川野委員長 次に、堀大臣官房長
  91. 堀武夫

    ○堀説明員 去る六月三十日付で官房長を命ぜられました。どうぞよろしく。(拍手
  92. 川野芳滿

  93. 木村睦男

    木村説明員 私も同日付で観光局長を拝命いたしました。よろしくどうぞ。(拍手)      ————◇—————
  94. 川野芳滿

    川野委員長 次に、航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。久保三郎君。
  95. 久保三郎

    久保委員 現在交渉中の対米航空運送協定改定の問題について一音お尋ねするわけですが、まず第一に、現在の交渉過程はどうなっておるのかということであります。新聞紙上によりますれば、一応何らかの回答が、非公式か公式かわかりませんが、あったといわれている。こういうのでありますが、政府自体では、現在こういうような回答が一応あったというのでありますから、これに対する対応策をさらに練り、出先に対して訓令を出していることと思うのでありますが、 ついては、けさの閣議にも大臣は出席されておるようだし、引き続いての経済閣僚懇談会にも午前中出席されたそうでありますが、本日ただいまの段階で、いわゆる閣議の席上で本問題は何か話が出たかどうか、あるいは政府として次の方針をきめられたかどうか、いかがでしょう。
  96. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 一応、日米航空協定の問題に対しましては約一カ月以前より交渉を続けておりますが、まずその経緯について官房長より御説明させたいと思います。
  97. 堀武夫

    ○堀説明員 日米航空協定改定の交渉は六月の二十二日から始まっております。六月の二十二日には第一回の両首席の正式会談が行なわれたのでありますが、この第一回会談は双方のあいさつに終わっております。第二回の会談は次の日の六月二十三日に行なわれておりますが、この会談では日本側の要望を詳細に説明をいたしております。それでこの会談において、旅客の動きの数字的な説明がほしいという希望がありましたので、これを受けまして、二十四日からワーキング・グループをつくりまして数字の検討に入っております。このワーキング・グループの会議は、二十四日、二十五日、二十六日、それと二十九日、それから七月一日、七月二日、六回にわたってその数字の検討をいたしております。それで七月三日には武内駐米大使がラスク国務長官に会いまして、日本側の要望を説明をいたしております。七月七日に第三回の正式会談をやられまして、ワーキング・グループでいろいろ検討した数字の資料をこの本会議にかけて双方若干技術的な質問のやりとりを展開いたしております。七月七日以来ずっと休会をいたしておりまして、七月二十九日に第四回の正式会談を行なっております。この第四回の正式会談において米国側は初めて米国側の対案というものを示してまいりました。これはすでに公電が入っておりますが、その内容につきましては、この会談において、日米双方発表はしない、最後の結論が出るまでは漏らさないという合意をいたしておりますので、政府のほうからは全然発表をしておらないわけでございます。  なお三十日、きょう武内大使がラスク長官に会って、さらに話し合いをいたしております。今日までの会談の状況はこのような次第であります。
  98. 久保三郎

    久保委員 それで、もう一つ先ほどのお尋ねでお答えいただきたいのですが、けさも閣議があったそうでありますが、政府として発表はできぬということでありますが、いずれにしても公式回答が第一次としてあった。ついてはこれに対していかなる対策をとるか、そういう問題について討議されたかどうか、それをお尋ねしたいと思います。
  99. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 外務大臣並びに総理大臣とともに今後の対策について協議をいたしましたが、それは外交上の問題でありますから、内容は決定に至るまでは発表することを控えたいと思います。
  100. 久保三郎

    久保委員 そこでその内容についてでありますが、アメリカ側とのまず基本的な交渉の態度でありますが、いまその数字問題等を突き合わせというか、作業をしたという報告がありましたけれども、これはいわゆる日本側が要求するところのニューヨークまたはニューヨーク・ビヨンドについての数字の突き合わせだけであるのかどうか、それだけかどうか、いかがですか。
  101. 堀武夫

    ○堀説明員 日本側の要求を裏づけする数字の検討でございます。旅客の流れというものは数字的にどういうふうになっておるか、それに日本側の要求は合致しておるかどうかという観点からの検討でございます。
  102. 久保三郎

    久保委員 そこで私はいま申し上げたいが、日本側のいわゆる交渉態度は、一言で言うならば、この協定は不平等である、東京ビヨンドは許しておるのに、いわゆる首都のビヨンドは許さぬということが基本的な交渉のいわゆるねらいであったでしょう。だからもちろんいま要求しつつあるところのニューヨーク、あるいはニューヨーク・ビヨンドについての数字の突き合わせ、これはもちろん必要だと思うのでありますが、言うなればこの協定改定に対する日本側の基本的な態度というのはそうではなくて、むしろ不平等である、こういうような観点から作業も進めなければならぬと私は思うのであります。そういう意味から言うならば、当然東京並びに東京ビヨンドの数字もあわせてこれはやっていくべきだと思います。そういう点はやらないのですか。
  103. 堀武夫

    ○堀説明員 本会談を通じて終始不平等であるということを主張いたしており、またそれに関する数字的な裏づけもいたしております。
  104. 久保三郎

    久保委員 いずれにしても、向こうのペースに巻き込まれて、要求する路線について、いわゆる需要がどうの、あるいは輸送力がどうのということだけでそのぺースに巻き込まれることはわれわれとしてはどうも容認しがたい、認めがたい、日本の基本的態度をどこまでも忘れてはいかぬと思うのです。副次的な問題として、いま大西洋横断の旅客の数がどうのとか、あるいは中部いわゆる米大陸の横断の旅客の数はどうだとかいうことはあると思うのでありますが、基本的にはそうではないと思うのです。だからそういうものも必要かもしれませんが、むしろわれわれは基本線一本でこの際は貫くべきだ、こういうふうに思っておる。大体東京以遠のアメリカ側の乗り入れ、これについては向こうは何と言っておるのですか。東京ビヨンドについて彼らは今日やっておりますが、協定においてやっておるけれども、これに対してはどう言っておるのですか。
  105. 堀武夫

    ○堀説明員 アメリカの考え方というのは、アメリカ側は東京ビヨンドの権利を持っておりますが、日本側はサンフランシスコ、ロスアンゼルスというアメリカの非常に重要なポイント、かつこれは非常に大きな市場である、したがって日本側にニューヨークビヨンドを与えてはおらないけれども、しかしそれは双方ともそれでバランスをしておるのだという基本的な態度に立っておるというふうに代表団は伝えております。
  106. 久保三郎

    久保委員 こちらの話をどうやっていくかということを聞いておるのですよ。向こうはそれはバランスに立っておるから改定の必要はないと言うでしょう。東京ビヨンドについて彼らはどう、こちらはどう言っておるかということです。いまこの問題について不平等じゃないかという裏づけは、東京ビヨンドでしょう。東京に入ってくる、あるいは東京ビヨンドの問題についてやはりこちらとしては強力に主張すべきだと思うのです。こういう点について向こうはどういう考えをしておるか。その点はどうですか。
  107. 堀武夫

    ○堀説明員 こちらはもちろん終始こちらの与えておるビヨンド、以遠権を与えておるにかかわらず、アメリカ側に入れないのは非常に不平等であるということを終始強く言っておりますし、そうして東京というものは東洋における航空路線上の非常に重要なポイントである、それを足場にして東南アジア方面にアメリカ側は以遠権を十分行使しておるにもかかわらず、日本側は米側の重要なポイントをもらえないし、しかもそれ以遠の以遠権も持ち得ないということは非常に不平等であるということを強く主張いたしております。
  108. 久保三郎

    久保委員 強く主張はしておると思うのですが、向こうの出方はどうかを聞いておる。これに対してはどう言っておるのですか。それはあってもバランスがとれておる、こういうことを言っておるのですか。
  109. 堀武夫

    ○堀説明員 そうであります。
  110. 久保三郎

    久保委員 とんでもないのでありまして、そういう主張に対しては、われわれはこれまたどうも認めるわけにはいかぬ。東京ビヨンドにしても従来各方面に十四便出しておるのです。これはすべて世界一周につながるわけです。そういうことを取り消さぬ限りは、バランスは保つことばできないだろうと私は思うのです。そういう点を強力にやるべきであって、これから乗り入れるところの数字がどうのということは私はいわゆる副次的な討議だと思うのです。そういうところに日本の外交というか、折衝が少しどうも向こうのペースに巻き込まれ過ぎておる、こういうふうに思うのです。対等でやってしかるべきじゃないか、こう思うのです。  そこで、あなたのほうで、政府は発表できないと言うから、しかし新聞はそれぞれ書いて、まあ書きようは多少違っておりますが、大体大筋は合っておるものも多少あります。そこで新聞記事を土台にしてちょっとお尋ねしたいのですが、これは別に政府発表じゃないから聞いてもいいでしょう。そこで言うならば、ニューヨーク・ビヨンドは許さぬ、こういうのが一つです。ニューヨークまではよろしい、しかしそれには代償がある、代償があるというのは、東京ビヨンドで大阪あるは鹿児島経由の香港というようなことを言っておる、これは現協定の中でもできるはずだと思うのだが、これはいかなるねらいからやってきていると思いますか。これば私はたとえばではなくて本気だと思うのだが、あなたは発表できないと言うから、たとえばということをつけ加えます。たとえばそう言ってきたら、それはどういうねらいで言ってきているのか。おわかりにくければもう一ぺん言いますよ。
  111. 堀武夫

    ○堀説明員 そのねらいはこうだと言うと、結局内容に触れることになるわけでありますけれども、たとえばそういう内容の提案でもしあるとすれば、向こうはニューヨークというポイントを非常に大きな値打ちのあるもの、こういう前提に立っていると思うのです。したがって、それをいまは、いまの状態でバランスしておるのだ、したがってニューヨークをやることによってバランスがくずれる。その分だけ日本側の権利といいますか、それを差し引くのだ、そういうような観点に立っておるものと考えます。
  112. 久保三郎

    久保委員 それもありましょう。それもありましょうが、そういう問題だけじゃなくて、言うならば、これはまごまごすると日本の国内航空にあたりをくれようという一つのねらいがありはしないかと思うのです。大阪とか鹿児島とか言っているでしょう。こういうものも考えると、なかなか商売上手だと見ているのですね。それからもう一つのいわゆる制限としては、ロス、シアトルそれからサンフランシスコ、こういうもののうち一つはずせというようなことを要求しているそうであります。ある新聞によりますればサンフランシスコをはずせ——そういうふうになりますと、日本の乗り入ればいわゆるローカル空港というか、ローカルを通ってのいわゆる路線変更というか、そういうことになるわけですね。こういうものはとうてい認められないと思うのですが、たとえばそういうのが出たらどうなんですか。そういう比重、ニューヨークは行けるけれども、サンフランシスコはやめさせる、そういうもので是認されますか。
  113. 堀武夫

    ○堀説明員 そういう内容である場合は忍ぶことはできないと思われます。
  114. 久保三郎

    久保委員 そこで、この問題はそうこまかい問題じゃないのでありまして、これは運輸大臣にお尋ねするのですが、いま官房長航空局長代理は、たとえばですが、容認されないというお話であります。そうなりますと、もうこの交渉もこれでたしか最近は二回目でしょう。二回で長期にまた今回もわたっている。こういうことだとするならば、ライシャワー大使をあなたがお呼びになっていろいろお話しても、これは言うならリモコン程度で、あるいは訓令を出してもなかなか直ちにはいかぬと思うのです。これは単に航空の問題ではなくて、日本とアメリカとが対等の立場にないという国民的感情が許さぬ問題だと思うのです。そうだとすれば、事は一つ航空問題であるけれども、言うならば民族的な一つの立場から考えると、これはたいへんな問題だと思うのです。そういう意味で、就任早々でたいへん御苦労だと思うのでありますが、最近のうちにアメリカにあなたが大きな決意を持って乗り込んでいって、解決する意思はないか。いかがでしょう。
  115. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 ごもっともな御発言でございますが、たとえばいま官房長の答えたようなシアトルの路線を切るとかあるいはサンフランシスコの線を切るとかというようなことがあったと仮定しまして、かりにニューヨークだけが許されたとしても、それは何ら得にはならないのです。既得権を取られてそのかわりに少し延ばしたということでは、われわれはそれを承服することはできない。最初から世界一周飛行機を目標といたしております。そうでなければ、日本の開放経済下における貿易外収入を増加させることは困難である。そういう意味で、いまなお初志を貫徹すべく、向こうでは交渉過税においては内容を発表することをお互いに控えようということでありますので申しておりませんが、いまあなたがお話しになったようなことがあったとすれば、これは断じて許すことはできません。場合によれば、現在の航空協定破棄しなければならないようなことになるかもしれません。それは私が行くよりも、むしろそのほうが条約上向こうにいろいろな反省を与える機会があるのではないか、かように考えるのであります。もしこれを破棄いたしましても一年間は有効なんです。でございますから従来のとおり一年間はやれますから、その間にいろいろ交渉いたしまして、まとまればわれわれの目的が達成されることになるのです。またいままでに他の国で、そういう交渉途中において破棄して目的を達成した先進国がありますから、そういう場合もあり得ると私どもは仮定しておりますが、現在はまだそういうことは考えておりません。できるだけ初志を貫徹せよという訓令をするつもりであります。
  116. 久保三郎

    久保委員 たいへん大臣ものわかりがよくていいのでありますが、あなたがいらっしゃるよりは、大臣のいまの決意を表明することがやはり先決かもしれません。私も別に航空協定破棄が最高なものだと思いませんけれども、これは言うならば非常に壁が厚過ぎる。アメリカ国内の問題もあろう、あるいは対外的な問題もあろう、いろいろ向こうは考えがあるかしらぬが、日本の国としてはやはりあなたがおっしゃるように、最悪の場合は航空協定破棄もやむを得ない、こういうことだと思うのですね。問題の解決はニューヨーク・ビヨンドでありますから、それが通らなければ、たとえばの話でしましたようなことは、一切われわれは受け付けるわけにはまいらぬと思う。そういう決意をもうそろそろ表明する時期ではないかと思うのです。きょう表明されたからたいへん幸いだと思うのです。ライシャワー大使にお会いになったときは、そういう問題はお出しにならぬほうがよろしいということでお出しにならなかったが、わがほうではそのくらいの決意はいつも持っておりますが、友好的に解決するためにいまは申し上げませんくらいはおっしゃってもよいと思ったが、いまおっしゃったのでいいと思いますが、最後に少し濁ったので、もう少しきれいになさったほうが、大臣、いいですよ。いずれにしても大臣からその答弁が出れば今日の時点ではそれでよろしい。しかしその決意で航空協定破棄しても、おっしゃるとおり一年間は協定が存続しますし、無協定になってもわがほうはただいま今日では損する立場にはないようですね。  これは専門家に聞きます。航空協定がだめになったときにわがほうが損するかどうか。国民的な利害関係がありますが、損しないと思いますが、それはいかがですか。
  117. 堀武夫

    ○堀説明員 破棄した場合に一年間有効で、有効期間か過ぎますと無協定状態ということになります。無協定状態と言いましても、ぷっつり航空交通がとだえてしまうという形はあまりございませんで、行政許可ベースでもって相互に対等なかっこうで認めようということで、航空途絶ということはない。それによって日本が損をするということは、航空自体ではないと思いますか、ほかのことであだ討ちされるかどうかということは私わかりませんが、そういうこともあるいはあるかもしれぬということは考えております。
  118. 久保三郎

    久保委員 ほかのことがあったときは、それはまたこっちにも報復手段——と言っては語弊がありますが、あるわけで、別に差しつかえないと思います。  そこで大体結論は出たようですからもう一つ参考に聞きたいのですが、新聞の報ずるところによりますれば、いわゆるバーミューダ協定によりましてニューヨーク・ビヨンドについても向こうは異論を唱えておる、こういうことでありますが、バーミューダ協定によってどうして向こうが困るのか、わがほうにはあまり関係がないと思いますが、国際民間航空協定によってすべて律せられる、そういう点からいって何かつまらぬ口実を持ってきているようですが、その点は、どうなんです。
  119. 堀武夫

    ○堀説明員 私たちが得ている公電では、バーミューダ協定には何ら触れておりません。
  120. 久保三郎

    久保委員 私はこれで終わりますが、願わくば最悪の場合は協定破棄、それで最初から出直しというような決意をされることをこの際強く要望して終わります。
  121. 川野芳滿

  122. 關谷勝利

    關谷委員 久保委員からいろいろ御質問があったようでありますが、私時間をおくれて来ましたので、ダブるようなことがあったら御答弁が終わったと言っていただいてけっこうであります。  私けさの毎日新聞、朝日新聞を見て驚いたのでありますが、米回答拒否を訓令ということが出ておりましたが、あの記事を見ておりますと、今度の日米交渉は日本をまるで三等国扱いにいたしておるというようなかっこうで、私は憤慨を知たしておる一人であります。いま久無委員からのお尋ねに対しまして、大臣協定破棄も辞せないんだというふうな決意を持っておられますので、それで安心をいたしたわけでありますが、私はこの決意をさっそく、この交渉をするのに、いつまで長引いたところで向こう側はこれを言い出して聞かないということなら、少しく強硬な交渉をするのがほんとうではなかろうかというふうな気持ちさえ持っておるのであります。いままでにインドやフランスあたりでも航空協定破棄した例がありますので、協定破棄することは何ら差しつかえない、それによってインドでありましてもフランスでありましても報復的なことを受けたことはないというふうに聞いておりますが、そのようなことはどうでありますか。いままでの具体的な例を示していただきたいと思います。
  123. 堀武夫

    ○堀説明員 いままで協定破棄が行なわれたという事例を調べてみますと、英国とフィリピン協定、これは破棄した側は英国でございまして、破棄した年は一九五三年でございます。これはフィリピン側が英国に対して、マニラ——東京間の制限のない運輸権を与えることを拒否したために協定破棄しております。これは成功いたしまして、五五年、二年後に協定を締結いたしております。  第二番目の例といたしましては、米国とフランスの協定でございますが、これは破棄をした側はフランス側であります。破棄したのは一九五八年、これは破棄した理由は、米国がフランスに対し、北極経由で米国の西海岸への運輸権を与えることを拒否したという理由で、フランス側が破棄をいたしております。これも成功いたしておりまして、次の年の一九五九年に新しい協定が締結されまして、フランスはその目的を達しております。  第三番目の例は、アメリカとフィリピンの協定でございますが、これを破棄しました側はフィリピン側でございます。破棄した年は一九五九年、その理由は米国がフィリピンに対し、フィリピン側の協定路線に東京が含まれていないとして、フィリピン航空の東京経由サンフランシスコ線を許可しなかったという理由で破棄をいたしております。これはまだ新しい協定はできておりませんで、行政許可ベースでその後ある程度の本数を運航たしております。  インドの例は、ちょっと資料が入手できませんので、詳しいことはわかりません。
  124. 關谷勝利

    關谷委員 いま官房長から御答弁があったように、いずれも一方的に押しつけられるということに対する一つの反抗から拒否をいたしておりますが、日本の場合の今度の要求というものは、決して不当ではないのでありまして、アメリカからは東京へ来て、そして東京以遠を全部自由にやっておるというふうなことでありますので、ニューヨーク以遠の乗り入れをすることが平等ということでありますので、筋は通るので、いままで協定破棄をやったところと比較いたしまして、日本の場合は何もそれに比較いたしますと無理ではない、このように感じますので、ひとつこの際は、もちろん外交交渉で他のいろいろな点もあると思いますけれども、そのためにフィリピンなりあるいはフランスなりがその報復手段を受けたということはないと思いますが、その事例はどうでございますか。
  125. 堀武夫

    ○堀説明員 はっきりした方法で報復手段を受けたということは私はまだ聞いておりません。
  126. 關谷勝利

    關谷委員 日本とアメリカとのいろいろな関係がありますので、外交問題といたしましても非常にむずかしい点はあると思いますけれども、主張は主張として、これはき然として私は通すべきだと思います。そうして航空協定破棄したからといって、決して日本の不利にはなりません。不利にはならないということは、いまの協定がこちらに不利に結ばれておるからということに結論はなってくるのでありますので、私はこの際には、大臣はき然としてこの航空協定破棄のところまでいってもやむを得ないのだというはっきりとした腹をきめていただきたい。先ほどその決意表明がありましたので、私はこの大臣ならこの航空協定をまとめることができるというふうに考えておるのでありますが、破棄した結果というふうなことを考えましても、これは日本に有利になるだけであります。たとえばアメリカが東京を中心にずいぶんやっております。私がちょっとあちらこちら調べたのでは三十便程度のものがいつも東京以遠ということで出ておるはずなんであります。航空協定破棄いたしますと、それも向こうはやめなければならぬ、こういうことになってまいります。しかもそこは日本と競合しておるところでありますので、相手はやらなくなると日本だけがその線をやるということになってきますので、日本のほうがもうかる、こういうふうなことになってくるわけでありまして、非常に有利になってくるわけで、その点でも有利になってまいります。そんなことを考えますと、私はこの際はどうしても、いままで何回か交渉して、その交渉が不成立に終わっておるのでありますので、今度こそほんとうの一番いい機会だと思いますので、ぜひひとつこの主張を貫くようにお願いを申し上げたい。大臣の決意のほどもわかっておりますので、そのとおりひとつ訓令を出して初志を貫徹していただきたいと思います。
  127. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 関谷委員のお話のとおりでありまして、不平等条約、これは自然のうちにこうなったのであり、アメリカは日本の占領当時に、日本の占領政治のうちに自分の航空航路を日本に指定しておる。日本は講和条約を結んだ後に航空会社をつくってようやく三年前に乗り込んでいったというわけでありまして、そこに非常な平等を欠く状況があり、また差別待遇という点についても、他の先進国には許しておいて日本に許さないというようなこともありますので、これらを掘り下げてよく検討すれば、一方的にわれわれは自我を通すだけで破棄するのではなくて、公平な外交の面についてのことでございますから、私は、アメリカと日本との外交は百般にわたって微妙な影響はあろうと思います。多少の犠牲がありましてもこういう点から是正していくのでなければ、公正な外交をすることができないと思いますから、したがって外務大臣にも総理大臣にも電報を打つたびに相談していっております。内容を申し上げることはできませんけれども、お説のような考え方のもとに立って進行させておる次第であります。
  128. 關谷勝利

    關谷委員 大臣のお気持ち、たいへんはっきりいたしまして、初志を貫徹したいというわけでありますので、私はそのとおりやっていただきたいと思います。これでこの協定破棄というところにまで腹をかまえましたならば、向こうは損がいくことでありますので、乗ってくると思います。そういうふうなことから、私はほかの外交交渉全般に及ぼす影響も、かえっていい影響はあっても悪い影響はないと思いますので、ひとつ大臣がいまのことばのとおりに邁進せられんことをお願いいたします。
  129. 長谷川峻

    ○長谷川(峻)委員 関連質問をいたします。  日本人は大体国際条約に弱いのです。だから守っている。破るということになると、何か非道なことをするという印象がある。しかし今度の国際協定改定というものは、この委員会で再三にわたって質問されているように、与野党を通じての一つの国民世論なんです。それを背景にして航空局長も行っておるし、留守の方々もその気持ちでやっておる。しかもいまの大臣の答弁の、ときに破棄してまでも強行しようという気持ち、これは占領政策是正というものが私たちのいま一番大きな問題であるということからしますと、私はこれはぜひその覚悟でやってもらいたい。それを信用しますが、ただ何さま関連するところの役所が多いのです。その場合に、かりにいままで論議が出たような線で、どこかの部署がそういうことでもかまわぬというふうな、ときに弱い印象が出ますと一番困ることなんです。いまから先ソ連の問題もあります。そうしたことなどを見ましても、私はいま大臣の所信表明された太き線を、関係の役所、関係の方々がはっきりのみ込んで、統一された線でぜひおやりいただきたいということを要望します。その辺はどうですか。
  130. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 ごもっともな御意見でございまして、重要な関連の役所には全部事前交渉をしまして行動をとっております。その他こまかい、しさいの関係ということになればずいぶんいろいろのところにわたるのでありますが、いまのところ外務省とわれわれのほうと総理府との関係において、でなければ閣議に——閣議にまでかけるべきものでありませんから、閣議後にこれらの人々と相談して行動をとっております。そういうことで、強い覚悟でいきますからどうかひとつ委員のほうにおきましても、挙党一致といいますか、挙国一致で御後援願わないと、どうも上へ上がってはしごをとられたのでは困りますから、どうかそのことはひとつ挙党一致ということばよりも挙国一致でお願いいたしたいと思います。
  131. 西村直己

    西村(直)委員 そういう大臣の御答弁、まことにあれでございます。ただ問題は、これは運輸委員会でございますから、運輸大臣の御責任でやっておられる。したがって国会が開会であればかなりはっきりした空気が持てる段階でございますが、事柄は非常に重要であります。ひとつ大臣を通してお願いいたしたいのは、この航空というのは特殊な分野であります。また使うほうも特殊な人であります。ところが外国においては、特にアメリカの場合にはパンやノースを中心に、むしろビジネスとしてでなくて、それ自体ナショナル・インタレストとして、極端な場合においては大使自体がある特定の航空会社の出先機関のような方向で活動してまで国益を守る。それが国民にもある程度浸透している。特にアメリカの場合は、大統領選挙を控えていろいろ政府が手を使って考えておるのであります。そこで大臣として第一に大事なのは、国民的な背景をお持ちになって、不平等であるということ、それから日本としては当然の権益であるということを思い切り強く——新聞等にはぼつぼつ論説等で出ておりますが、もっと強く国民的理解を求めるように行政府としてはお考えを願いたいということが一つ。  いま一つは、武内大使は出先で非常によくがん張っておられると思いますが、事、外交に関してみますと、万般をお考えになって、外務省自体あるいは外務大臣自体のお立場は弾力的になりやすい場合がある。いま長谷川君からもお話があったが、これは総理を中心にがっちりしたスクラムを組んで正々堂々とお進めいただいても、日本国民はこれに対して文句を言う人は一人もいない。進んで国民に理解を求めるとともに、政府一体の性格でお進め願いたい、こういうことを私どもとしては申し上げ、かつ大臣の決意もさらに承っておきたいと思います。  さらにいま一つ官房長のほうから、破棄のような場合においてIATAの関係、いわゆる運賃、こういうものは自由かってになるのか、IATAの範囲で行政運行されるのか、そこらのところをひとつはっきりお聞きしておきたいと思います。
  132. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 西村委員のお尋ね、ごもっともでございまして、総理からも、国民の世論によっていよいよ破棄するような場合があれば、国民の世論によってやるべきだ、したがって、プレス・キャンペーンその他については極力努力せよというお話がありましたが、いままだ交渉の最中でありまして、両方とも内容は発表しないようにしようということを申し合わせた電報が来ているのであります。でありますから、それが解かれていよいよ自由にやるという場合においては、むしろ交渉よりも国民の盛り上がる力でわれわれが発言するといったような方向に持っていかなければならないと思って、そういうことは心しております。
  133. 堀武夫

    ○堀説明員 ただいまの運賃の問題でありますが、航空協定の問題は二国間の条約で、政府と政府との関係であります。運賃の関係はIATA運賃と申しまして、業者間の話し合いでいっておるものでありますから、これは別途のものであるというふうに考えています。したがって、IATA運賃でそのまま適用される、こういうふうに考えております。
  134. 關谷勝利

    關谷委員 いまの内容がよくわかってからいろいろまた御質問申し上げることにもなると思いますので、大臣の御答弁もはっきりいたしておりますので、この点はあまり長い質問はしないことにいたします。内容は発表しないほうがいいと思います。こちらが強く出て、相手が変更する場合でも、内容がさらけ出されておったのでは、メンツにとらわれて、変更できないというようなこともあろうと思いますので、私は内容を発表せぬということはけっこうなことだと思っております。  次に国内航空関係でお尋ねいたしておきたいと思うのでありますが、国内航空の体制指導方針については大臣も前大臣から引き継ぎがあったと思います。本委員会において言明せられた前大臣の方針というものを踏襲せられることと思いますが、日本国内航空の幹線の運営の問題のその後の進行状況はどういうふうになっておりますか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  135. 堀武夫

    ○堀説明員 前国会におきまして新国内航空会社の幹線乗り入れについては前運輸大臣からはっきりと幹線に入れるという方針を明示されておるわけであります。その後どの路線をどれだけの便数でもってやらすかいうことにつきましては、いま慎重な検討をしておる段階であります。しかし、まず第一に問題になる点は、機材の問題であります。国内航空はキャラベルを持ってきたいといっておるわけでありますが、キャラベルについてはいろいろ問題があるわけであります。その一番大きな問題は整備の問題でございます。キャラベルというのは、まだ日本では使っておらないジェット機でございますので、その点は十分な準備をしなければいけない。そこで幹線につきましては、機材統一をいたしまして、ボーイングの線に統一するという方針でおりますので、ボーイングを発注してからそれを入手するまでの暫定期間をキャラベルを使うということになる。そうしますと、非常に短い期間キャラベルを使う。そうしますと、その短い期間のためにキャラベルの整備のための施設だとか、あるいは乗員のキャラベルによる訓練をやるということは、いろいろ非常にむずかしい問題がある。そこでまず機材をキャラベルにすること自体についてもう一度再検討したらどうかということを、国内航空会社申し入れておるわけであります。それで、もしどうしてもジェット機を使うとすれば、コンベアの脚というのを日航で便っております。もし日航に余裕があれば、これをチャーターして暫定期間を穴埋めするか、あるいは日航に余裕がなければ、新たにコンベア脚をアメリカから借りてきてこれに充てるか、そこら辺の話し合いをまず新国内航空と日航との間で話をしたらどうかということで、いまその話し合い中でございます。それの見当がつきまして、機材というものがどれを使うということがはっきりすれば、その上で全日空も入れまして、三社でシェアの問題を十分まず話し合ってみたらどうかというふうに考えております。いまの段階は、まだそこまで、三社の話し合いというところまではいっておりません。
  136. 關谷勝利

    關谷委員 そういたしますと、このコンベア880を借りられるかどうかという交渉はしておりますか。
  137. 堀武夫

    ○堀説明員 先般国内航空の社長がアメリカへ参って、ある程度の見当をつけてきたというふうに伺っております。
  138. 關谷勝利

    關谷委員 そうしますと、その機材の手当てがつき次第に、これは幹線乗り入れの免許をするという段取りになりますか。
  139. 堀武夫

    ○堀説明員 機材の目当てがつき、そして乗員の目当てがつき、そして整備の体制が整うということが前提になると思います。
  140. 關谷勝利

    關谷委員 それから、この国内航空の幹線につきましては、東京−札幌間、東京−大阪間、東京−福岡間、こういうようなことが幹線というふうに私たち常識的に考えておるのでありますが、国内航空から出ておりますものもたいした便数ではないと聞いております。いま私が聞いておりますのは、札幌−東京が二便、東京−大阪が三便、それから東京−大阪−福岡が一便、東京−福岡が一便、こういうようなことに聞いておりますが、その程度のものならば、幹線に乗り入れて早く会社の内容を改善するという意味なら、最小限度のものであるというふうに私たち考えますが、これはどういうふうにお考えでございますか。
  141. 堀武夫

    ○堀説明員 国内航空申請をいたしております路線と便数そのままでよろしいかどうかは、さらに検討しなければお答えできないと思いますけれども、新国内航空を幹線に入れるという趣旨は、国内航空を何とかして育てようという趣旨でありますので、その趣旨が通らないような程度の入れ方では目的を達成しないということになりますので、われわれとしてはそういう趣旨を生かすことを前提にしてそういう便数とか路線考えていきたい、かように思っております。
  142. 川野芳滿

    川野委員長 次会は明八月一日午前九時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後二時十五分散会