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栗原委員 そういうような監督を待ってということになれば、これはこれ以上議論も進められないわけですが、率直に申しまして、この
会社はそういうような形で、車が通るようなところはどこで毛路線をとる。私たちが見て、ここをあけておけばおそらく他の
会社に路線をとられるだろうというようなところ、われわれが見ては、これは陸運事務所でもとても許せないだろうというようなところを、クモの巣のように路線を申請してとっているのであります。申請するほうも申請するほうだし、許すほうも許すほうだと思う。むろんそういう路線の中には、せっかくとっても、これはとてもペイせぬだろうと思うようなところ、こういうところを特に高崎市を
中心にしてめちゃくちゃにとっております。したがって、赤字路線というものがたくさんあるだろうと思うのですが、そういうようなことをやっておる。そうかと思うと、一方では、ことしの四月一日からは、いままで
相当もうかったであろうと思われる路線にかなり多数配車しておったものを、
地方の住民とは、調査、相談等もむろんなしに、ずばりと回数を下げて、これを陸運事務所からお許しを得ておる。こういうようなやり方は、もちろん
会社が、他の
会社にいろいろと路線をとられるから、いままでのような休眠路線は持てぬので、許可を得て赤字覚悟でやるということも営業政策上あるでしょうけれ
ども、まるでパスの通るような路線でないところを、申請があったからといってこれを許す。一方ではそれで赤字が出る。赤字が出たものを、今度は従業員との間で、
労働強化、
労働条件の悪化、こういうような中で
運営をしていく。また一方では、赤字が出るからというようなことで運賃の値上げを要求する。公共料金の引き上げを押えるという国の基本的な方向の中で、特に群馬でこの
会社が昨年の秋に値上げを許された。その運賃の値上げを、ほんとうに公共事業としての
内容改善に使うかと思えば、そうではなくて、傍系
会社十数社も持って、そういうところへ投資をし、資本金の倍額もこんなところに金を突っ込んでおる。ますます
労働条件は悪くなる。こういう中で、
労働組合の諸君の間でも、いろいろと
論議が続いてきたわけです。とても単独ではいい
労働条件はかちとれぬというようなこと、そしてその中では、上部
団体にも連ならなければならない、こういうような議論が長い間続けられまして、本年の二月に初めて上部
団体私鉄総連に連なる
組合ができた。
組合ができるととたんに、その晩から
会社の職制が一斉に動いて、中には預かっておる印判まで利用して、過半数の新しい
組合が結成する、こういうような形で、実はいろいろと問題が起こっておるわけです。こういう問題の中に今度の内山の事件が起こりました。
会社では、いま言うとおり、霧が原因なんだと言っています。私たちも
会社当局に調べました。車はどうだったんだと言うと、車は四月に車検を取って——おそらく半年しか取れない車でしょう。十一月まで運行できる車だ。年齢はと聞いたら、五十一年の車だと言う。そして、運転手は八カ年も勤務して、しかも遠路の観光にも出してやれる、そして内山峠を専門にやっておる運転手だから、運転技術には間違いない、車は車検を取ったばかりだ、こう言うのですね。原因は霧なんだと言っておるけれ
ども、他の条件を調べてみると、五月二十五日に事故が発生したけれ
ども、四月の二十日以降全然休暇がもらえていない、こういうことなんです。現場の処理にあたって、当時担当の課長が、休暇をとっておらぬというとあとが問題になる、したがって、家族にも頼んで、こちらから休暇をとれとすすめたけれ
ども、給与が思うとおり高くない、実入りが少ないから、少し無理してでもかせがなければ実入りがないんだ、こういうことでとうちゃんを乗せたんだ、とうちゃんも乗ったんだ、こういうようなことにしようということまでやっておることを現場でもって聞かされておる。そういう手もおそらく打たれているのじゃないかと思います。さらにまた私たちが
会社へ行って週休の問題等についていろいろ尋ねました。とることになっておりますというようなことになっておりますが、その後かなり——現場は長野県の中込というところなんですが、この現場あたりでいろいろと書類等についても心配なことが行なわれるのではないかというようなことも言われております。こういう問題でどうもこの
会社のやり方はなかなかたいへんです。そしてしかも車の回数を減らすのは車掌が足らないからだ、こういうようなことを言っておる。現に百名募集したところが二十二名しか応募がなかった。条件が悪いので二十二名応募しても二十二名が就職してこない。こういう中で
組合が二つに割れると、
会社側で指導してつくったと思われる
組合に参加していかない車掌については、世間でいう第一
組合の活動分子については、これを傍系
会社に出向を強要する、がえんじないというと、業務命令で出す、業務命令に応じないからといって、解雇を発令する、こういうことまでやっているのです。車掌がないからといって、運行回数を減らし、そしてその足らない車掌を自分たちの
考えておる
組合へ参加してこないからといって、車掌勤務から他のフェアリー・ランドなどという傍系
会社へ四人も五人も出向させる、こういうような
経営をやっておる。これではたして公共の
運輸事業の
経営と言えるのかどうか、
自動車局長、こういうものはそれは
経営者が資本主としてその自主性に基づいてやるんだからしかたがないとほっておくべき案件なのか、公共事業として特権を与えつつ行なわせる公共事業であるバス事業というものを、
運輸事業というものを、いま少しく特権を与える反面、公共性を保たせるために強力な指導監督ができないものなのかどうか、こういう点をひとつ明らかにしていただきたい、このように
考えます。