○内海(清)委員 大体いまので明らかになりましたが、もちろんわが国の
輸入物資をできるだけ
日本船で運ぶということ、これはだれしも希望することで、これはできるだけ
運輸省当局が
通産省当局と御
協力になって、そういうふうな
荷主に対する指導ということが私は最も必要なことだと思うのであります。FOB建ての場合、これはもちろん
日本の
荷主の意思によって決定されることでありますから、必ずそうなければならぬ。もちろんこれはそういうふうになっておって、これをできるだけ多くするということが必要だと思うのであります。ただ、CIF建ての場合は、これはあるいは
荷主との
話し合いはあるかもしれませんけれ
ども、表面からまいりますと、やはりこれは
外国荷主の
船舶指定の権限があるわけで、ここに非常にむずかしさがあると思うので、これが話しがつかない場合には、やはり
外国船主が
日本の輸出船をできるだけ使ってくれることがいいのではないか、こういうふうに私は
考えるのであります。これは私
ども、鉄鋼業者から聞きましても、
外国船であっても自分のところで生産した鋼材を使った船が来ることが、より国民感情としては好ましいのだ、こういうふうなことも聞いておるわけであります。これらの点につきましては、今後できるだけ運輸当局と通産当局の
話し合いによって、この
荷主のほうに十分ひとつお
話し合い願いたい、あるいは鉄鋼業者、
石油業者等とも十分お
話し合い願いたい、こういうふうに
考えるわけであります。
さらにお尋ねだしたいのは、運輸当局が策定されましたさっきの
海運関係の
国際収支の均衡策について見ましても、昭和四十二年度末までにわが国の
船腹量が予定どおりにこれが増強されたといたしましても、なお輸出で三九%、輸入で二八%というものは
外国船によらなければならぬということであります。これに依存しなければならぬ。これははなはだ遺憾のことでありますが、しかし一〇〇%
日本船で積み取るということはなかなか困難な問題だと思う。これはやむを得ぬと思いますが、これらの
外国船の中で
日本で
建造されている輸出船があっても、これは私は何ら
支障はないのではないかと思うのであります。むしろ
日本で
建造された輸出船が多くこれの中に含まれることこそが、わが国の
貿易の振興あるいは
船舶輸出の
観点から申しますならば好ましいのではないか、こういうふうに私は
考えるのであります。と申しますことは、これは世界における造船国がわが国が
一つであれば問題ない。
一つでありません。わが国と競合
関係にありまする多くの造船国があるわけであります。これらの造船国も
船舶の受注には今日最大の努力を尽くしておる。わが国の造船界の今日までの非常な努力、それと世界の最高といわれておるような
日本の造船技術、こういうものと、さらには造船業の
経営の
合理化等によりまして、非常に激しい
競争で、いわば紙一重の差で受注いたしておるのであります。したがって、もしわが国で受注できなければ、他のいかなる造船国でも
外国船主も船をつくり得るのであります。もしわが国でこの輸出船の
建造を拒否した場合には、逆に
外国の
荷主が
外国で
建造した
船舶でわが国の輸出入物資を
輸送するということになるということになるのでありまして、どうせ
外国船を使うならば、
日本で造船したいわゆる輸出船でありますが、これを
建造してもらったほうがこれまた
貿易振興の
立場から申しましても、あるいはまた外貨の獲得の面から
考えましても、その他いろいろの条件がございますが、そういう
方向が好ましいのではないか、かように私は
考えておるのであります。これに対しましては大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。