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1964-04-03 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第23号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十九年四月三日(金曜日) 午前十時三十分
開議
出席委員
委員長
川野
芳滿
君
理事
關谷 勝利君
理事
塚原 俊郎君
理事
西村
直己君
理事
山田 彌一君
理事
久保
三郎
君
理事
肥田 次郎君
理事
矢尾喜三郎
君 木村 俊夫君
佐々木義武
君 進藤 一馬君
壽原
正一君
高橋清一郎
君
高橋
禎一君 中馬 辰猪君
西村
英一君 長谷川 峻君 細田 吉藏君
増田甲子
七君
泊谷
裕夫君
野間千代
三君
山口丈太郎
君 内海 清君
出席国務大臣
運 輸 大 臣
綾部健太郎
君
出席政府委員
運輸政務次官
田邉 國男君
運輸事務官
(
海運局長
) 若狹 得治君
運輸事務官
(
鉄道監督局
長) 廣瀬 眞一君
委員外
の
出席者
運輸事務官
(
海運局参事
官)
高林
康一君 専 門 員 小西 真一君 ――
―――――――――――
四月二日
東海道新幹線鉄道
における
列車運行
の安全を妨 げる
行為
の
処罰
に関する
特例法案
(
内閣提出
第 一五三号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
四月一日
東北地方
の
工業開発
のための
輸送力増強等
に関 する
陳情書
(第三二五 号)
内山線
の
開通促進
に関する
陳情書
( 第三二七号)
四国循環鉄道
の
開通促進
に関する
陳情書
(第三二八号)
国鉄越美線
の
全通促進
に関する
陳情書
(第三二九号)
国鉄只見中線
の
建設促進
に関する
陳情書
(第三三〇 号)
四国循環鉄道海岸廻り線
の
建設線編入
に関する
陳情書
(第三三一号)
関西本線
の
複線電化促進
に関する
陳情書
(第三八九号)
千歳飛行場
の第一種
空港指定
に関する
陳情書
(第三九〇号)
近畿日本鉄道株式会社伊賀線
の存置に関する陳
情書
(第三九一 号)
高山線
の
輸送力増強
に関する
陳情書
(第三九二号)
国鉄樽見線
の延長に関する
陳情書
(第 四八四号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
東海道新幹線鉄道
における
列車運行
の安全を妨 げる
行為
の
処罰
に関する
特例法案
(
内閣提出
第 一五三号)
小型船海運業法
及び
小型船海運組合法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一一六号) ――――◇―――――
川野芳滿
1
○
川野委員長
これより
会議
を開きます。
東海道新幹線鉄道
における
列車運行
の安全を妨げる
行為
の
処罰
に関する
特例法案
を
議題
とし、
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
綾部運輸大臣
。
特殊性
の第一は、
高速度
のため
運転方式
が全く異なっていることであります。
東海道新幹線
は、
在来線
の
こだまクラス
の
最高速度
が
時速
百十キロメートルであるのに対して、その約二倍の
時速
二百キロメートルという超
高速度
で運転され、これに伴いまして
非常ブレーキ
を使用して
列車
が停止するまでの距離も
こだま
の約五倍の二キロメートルが必要とされております。このため、
在来線
におきましては
運転士
が
信号機
と進路の
状況
を肉眼で確認して
列車
を
運行
させるという
運転方式
であるのに対しまして、
東海道新幹線
におきましては、主として
自動列車制御設備等一連
の
運行保安設備
により
列車
を
運行
させる
運転方式
を採用しているのであります。
特殊性
の第二は、万一
事故
が発生しました場合に、その
被害
がきわめて大きいと予想されることであります。
東海道新幹線
は
航空機
に匹敵する
高速度
で走行しますため、万一
衝突等
の
事故
を引き起こしました場合には、
航空機なみ
の
事故
となり、大
被害
が生ずるものと予想されるのであります。 以上述べましたような
東海道新幹線
の
特殊性
にかんがみまして、その
列車
の
運行
の安全を確保するため、
運行保安設備
としましては、
自動列車制御設備
、
列車
集中制御
設備
等技術的に現在
最高水準
にあります諸
設備
を設けますとともに、
運転士等
の
教育
の面におきましては、
モデル線区
におきまして
高速運転
に適応した高度の
教育訓練
を行なっております。また
施設面
におきましては、全線にわたって
鉄道
や道路と
立体交差
とすることによって
踏切事故
をなくしますほか、
線路
内への人の立ち入り、
物件
の落下を防止するため、必要な箇所に厳重な
防護さく
を設置いたしております。 このように
政府
及び
国鉄
は、一体となりまして
東海道新幹線
の
安全確保
のため必要な諸
措置
を講じておりますが、このような諸
措置
を講じましても、あえて行なわれます
列車
の
運行
の安全を妨げる
行為
につきましては、
東海道新幹線
の
列車
が
高速度
で走行するためきわめて重大な結果が発生するものと予想されますので、これら
列車
の
運行
の安全を妨げる
行為
を
規制
することによりまして、
安全確保
に万全を期する必要があるのであります。 この
法律案
は、以上に述べましたような観点から、
列車
の
運行
の安全を妨げる
行為
のうち、
鉄道営業法等
におきまして
規制
し、おりません
行為
、すなわち第一に、
東海道新幹線
の用に供する
自動列車制御設備等
の
運行保安設備
を損壊し、その他
機能
をそこなう
行為
、第二に、これらの
運行保安設備
をみだりに操作する
行為
、第三に、これらの
運行保安設備
を損傷し、その他
機能
をそこなうおそれのある
行為
、第四に、
列車
の
運行
の妨害となるような
方法
で、みだりに、
物件
を
線路
に置き、またはこれに類する
行為
、第五に、
線路
にみだりに立ち入る
行為
、第六に、走行中の
列車
に向かって
物件
を投げ、または発射する
行為
、に対して罰則を定めるものであります。 以上が、この
法律案
を提案する
理由
であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。
川野芳滿
2
○
川野委員長
本案に対する
質疑
は後日に譲ります。 ————◇—————
川野芳滿
3
○
川野委員長
次に、
小型船海運業法
及び
小型船海運組合法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、審査を行ないます。
質疑
の通告がありますので、これを許します。
久保三郎
君。
久保三郎
4
○
久保委員
質疑
に入る前に、この前の
委員会
で要求した
資料
が出てまいりましたから、
海運局
のほうから概要を
説明
願いたいと思います。
高林康一
5
○
高林説明員
資料
が四部あります。そのうちまず内
航船腹量
の
推移
という
資料
から御
説明
申し上げたいと思います。 内
航船腹量
の
推移
と申しますこの
資料
は、三十二年以降三十八年に至ります間の
船腹量
の
推移
を
大型鋼船
五百
グロストン
以上、それから
小型鋼船
五百
グロストン未満
、それから
機帆船
、こういうふうに区分けをいたしまして作成した
資料
でございます。全体といたしましては、三十二年におきましては、この総計といたしまして百六十三万七千
トン
でございます。三十八年度におきましては二百六十七万一千
トン
でございます。その間百三万四千
トン
の
増加
でございます。
年平均
にいたしますと、十七万二千
トン
の
増加
でございます。このうち特に顕著な
増加
を示しておりますものは、この一番上の
大型鋼船
の欄の
油送船
でございまして、五万七千
トン
から十九万七千
トン
、
指数
にいたしまして三四八という
指数
でございます。それから
小型鋼船
の欄で
貨物船
の八万三千
トン
から三十五万五千
トン
、四二八という
指数
でございます。それから
油送船
に至りましては二万八千
トン
から二十万五千
トン
というふうに七二五という
指数
になっております。こういうふうに、全体といたしましては
小型鋼船
の
増加
が非常に著しい。
他方
、
機帆船
におきましては、ほぼこれは一二七くらいの
指数
でございまして、漸増をしている、こういうような
状況
になっているものでございます。以上、内
航船腹量
の
推移
に関する
資料
でございます。 次に、
縦書き
の
資料
でございまして、
運輸省告示
第三八四号と書いた
資料
がありますが、これについて御
説明
申し上げます。 これは
標準木船運賃
及び
標準回漕料
をきめましたものでございます。これは
昭和
二十八年の八月に設定いたしました
標準木船運賃
及び
標準回漕料
でございます。これは二ページにございますように、九
航路
七
品目
についてこれを設定したものでございます。この
右下
の欄にありますように、
昭和
三十三年の十二月に
改正
になっております。ただ、この
改正
は実質的な
改正
ではございませんで、当時の尺貫法の
改正
に伴って
木材等
の
石表示
を改めたということでございまして、内容的な
改正
にはなっていない。このようにいたしまして、二十八年に設定されてそのままというのが
標準木船運賃
の
状況
でございます。 次に、内
航運賃
の
推移
という
横書き
の表について御
説明
申し上げます。まず第一に
運賃市況
でございます。これは三十二年度から三十七年度に至ります間の
貨物船
と
油送船
の
運賃市況
を実数及び
指数
であらわしたものでございます。
貨物船
の一
トン
当たりの
運賃
は、三十二年度は九百七十八円ということでございますが、三十七年度には八百円、これが
指数
にして一〇〇に対して八二というふうに内
航運賃
は下がっておる
状況
でございます。次に
油送船
につきましても、三十二年度から三十七年度の
推移
を見ますと、三十二年度の一〇〇に対しまして三十七年度は六七というふうに下がっております。これは先ほど
船腹量
の
推移
でも御
説明
申し上げましたように、タンカーの非常な激増ということも
一つ
のあらわれであるというふうに考えられるものでございます。 次に、第二といたしまして、
船型別
につきまして、
主要航路別
の
運賃
の
推移
を、ここで大体主要な
航路
と主要な
品目
について、三十二年から三十八年までの
推移
を掲げてございます。たとえば
営業用炭
の欄では
若松
、
阪神間——
若阪の
石炭運賃
につきましては、
大型鋼船
は三十二年四百九十円から三十八年四百三十円、これは若干の
下落
を示しておるわけでございます。
機帆船
については大体においてある程度途中で下がり、若干回復しておるというようなこと、この辺は
調整運賃
の
作用
があるものと考えられるのでございます。
国鉄用炭
につきましても、これは途中で一時
下落
しておりますけれども、少し持ち直したものでございまして、これはやはり三十二年に対比いたしますと、相当な低下を示しておるという
状況
でございます。鋼材につきましては最も安定した
運賃状況
を示しておりまして、八幡−
阪神
につきましては、全体といたしましてほぼ同じ
水準
で
推移
して一おるというふうに考えられるわけでございます。なお、しかしながら一番
下落
のはなはだしいのはやはり
重油関係
でございます。
重油関係
につきましては、たとえば
小型鋼船
の京浜−名古屋六百二十円が五百三十四円になるというふうに、非常に
運賃水準
が
下落
しておるという
状況
でございます。 以上が内
航運賃
の
推移
に関する
資料
の御
説明
でございます。 次に、
横書き
の表で「
調整規程実施海運組合概況表
」という表がございます。これについて御
説明
申し上げます。
調整規程
を現在
実施
しておりますものは十六
組合
でございます。なお
海運組合
が
結成
されておりますのは、全体で約百二十くらいございますけれども、そのうち十六
組合
のみが
調整規程
を
実施
しておるものでございます。この
調整規程
を
実施
しておりますところの
組合
中、最もたくさんの
組合員数
あるいはまた
所有船腹数
を持っておりますものは、中国の
中国地方海運組合連合会
、これは
組合員数
六百六十八という数字でございます。それから
九州
の
若松地区海運組合
が五百七十三の
組合員数
を持っておりまして、最も大きな
組合
でございます。こういうふうに
調整行為
を
実施
しておりますものは非常に少ないというような
状況
でございます。 以上が四枚の
資料
の御
説明
でございます。 なお前回、先生の御要求のございました
資料
のうちで、
小型船海運組合法
によりますところの
団体協約
の
実施状況
について
資料
のお求めがあったわけでございます。ただ、
小型船海運組合法
九条の規定によりますところの
団体協約
は、現在までのところ締結された実例がございません。したがってまた十条に規定しますところの
団体協約
の認可をした例もございませんので、ここで
資料
としては別に出していないという
状況
でございます。 以上でございます。
久保三郎
6
○
久保委員
いま御
説明
のありました最後の
団体協約
の問題でありますが、そういう必要がなかったのかどうかでございます。大体
運賃
の問題からいきましても、いまの御
説明
で見ますれば、少なくともこの
運賃
の低迷というか、だんだん悪くなってきている、そういうときにおいて、せっかくある
団体協約
の
制度
というものが活用されないのはどういうわけか。非常に疑問に思うわけなんですが、どういうことなんですか。
高林康一
7
○
高林説明員
団体協約
が非常に必要なこと、ことに
小型船海運組合法
のように
調整事業
を主たるねらいといたします場合におきましては、この種の
団体協約
が非常に必要であるということはもちろんでございます。ただ、これにつきましては、
団体協約
にはおそらく二つの種類の
団体協約
があるかと思います。
一つ
は、横の
関係
の
団体協約
でございまして、いわば
組合員
以外の者あるいは大
企業
との
団体協約
、それから縦の
団体協約
と申しますか、
荷主等
の
取引条件
に関するところの
団体協約
、こういうようなものがあるかと思います。ことに
組合法制定
におきましては、この縦の
団体協約
の
実施
ということに特に重点を置いたと考えられるわけでございますが、それが先ほど申しましたように、一件も
実施
されていないといいますものには、実態的には先ほど
運賃
の御
説明
でもいたしましたように、同じ
航路
につきましては、やはり
大型鋼船
なり
機帆船
なり
小型鋼船
なり、それぞれみな同一
品目
についていろいろ
調整
なり何なりをやっておるわけでございます。その点につきましては、現在の
小型船海運組合法
というものが五百総
トン
以下のものを
対象
にしておったというところで、実際的には実勢の
運賃
というものがその
関係
のほかのところといろいろ
関係
があるというようなところでなかなかまとまらなかった。それからなお
調整規程
の
実施率
から申しましても、やはり実際的にはなかなか
アウトサイダー等
もございまして、
組合自身
の
結成
も非常に少ない、
組織率
が五〇%以下であるというふうな
状況
から見まして、なかなか所期のような
効果
をあげ得なかったというふうに考えられるのでございます。この点やはり五百総
トン
以上の内
航海運業
全体をつづめたところのもので
組合結成
をやっていかなければ、事実上なかなか困難ではないかというふうに考えておる次第でございます。
久保三郎
8
○
久保委員
五百
トン
以上の
大型船
について、実は
組合法
からはずれていたから、
団体協約
といっても、なかなかむずかしいというふうなことが
一つ
ございます。それは今回の
法改正
で一応その原因というか、それははずれる。しかしあなたの
お話
しになったように、
組織率
の問題が
一つ
ございますね。
組織率
が大体五〇%内外だというのでは、
団体協約
を結びようもないはずだと思うのです。いわゆる
アウトサイダー
が半分以上もいるということでは、残念ながら満足な
協約
を結んで、公正な
取引
というか、そういうものが不可能だと思うのです。今後この
法律
だけの
改正
でそういう
組織率
が一〇〇%に近くなる予定ですか。そういうお見込みですか。
高林康一
9
○
高林説明員
法律改正
に伴いまして五百総
トン
以上の内
航海運業
全体が
組合員
の資格を持つということで、
組織
の面におきましては相当促進されるとは思います。しかしながら、何と申しましても、この
海運組合
の
結成
及びそれに伴いますところの
自主調整
ということは、やはりそれぞれの
海運企業
の熱意といいますか、
努力
というようなことが根本的に
前提
になるわけでございます。私どもといたしましては、これらの点については、
法改正
を
機会
にこの
組織率
というものをどんどん高めるようにいろいろな面で
努力
してまいりたいというふうに考えております。
久保三郎
10
○
久保委員
法改正
を
機会
に
組織率
を高めていくという
お話
でありますけれども、そういう
努力
をなさることは当然だと思うのでありますが、どうも今度の
法案
だけ見てまいりますと、
最高船腹量
というか、そういうものをきめて、そうして何とかそれだけで安定させようということであります。言うならば、
団体協約
というか、そういうものの
作用
によって安定させることが一番好ましい姿だとわれわれは考えているのです。ところが、
組織力
については
努力
していくというのだが、
努力
の限界というか、
方法
もあると思うのですが、どういう
努力
をされて、
組織率
を高めていくのか、その点はどうなんですか。
若狹得治
11
○
若狭政府委員
従来
内航
の
海運対策
といたしましては、こういう
組合統制
を
中心
にした
対策
と、それから
登録制度
というような非常に弱いものだけであったわけであります。われわれは過去のいろいろな
施策
の
効果
というものを十分考えてみたわけでございますけれども、その弱点の第一は、内
航船舶
を全部網羅するものではなく、一番
運賃
の面から見まして、撹乱する要素でありますところの
大型船
を全部その
規制
の
対象
にするということが
一つ
と、それから
船腹
の
規制
、
調整
という面につきまして、
最高限度
というものの
方法
によりますけれども、やはり
規制
の
方法
というものを考えないことには、とうてい内
航海運
の
健全化
をはかれない、それからさらに新しい
施策
といたしまして、公団を活用いたしますところの
財政資金
の投入ということを考えておるのでございますが、これにつきましてもやはり
組合
の考え方を
中心
にして今後運用していきたい。したがいまして、この新しい船の
建造
についての
財政資金
の活用とそれから
建造
の
規制
と、それからそういうものを背景にいたしました
組合
の
自主的統制
の強化ということによって、この
組合
の
活動
を十分にしやすいようにわれわれとしては今後考えていきたい、そういうことによって
組織率
を高めるということは十分期待できるのじゃないかと考えておるわけでございます。
久保三郎
12
○
久保委員
そこで、その
組織率
を高めていくということと、この
法案
が通過すれば、
最高船腹量
というか、そういうものを設定することになるわけでありますが、
組織率
が高まらぬうちに
最高船腹量
を設定するというふうになりますれば、必ずしも的確なものでないように思うのです。それはどういうタイミングでやりますか。
若狹得治
13
○
若狭政府委員
最高船腹量
は、御承知のように、需給の著しく混乱するという状態のもとでこれを制定するわけでございますので、当然
組合
の
組織率
が十分でない場合にもこの
最高限度量
の
決定
と
告示
というようなことは考えられるわけでございます。これの運用につきまして、具体的には各
企業
からの
建造
の申請というものを
関係官庁
が
決定
するというような
方法
をとるわけでございますけれども、その際に
組合
の
意見
を十分聞きまして、
組合
の
意見
を尊重いたしまして、また
組合
というものを活用して、たとえばスクラップ・ビルドの
状況
その他を調査いたしまして、これによって
組合
の力をさらに強めていくということを考えておるわけでございます。
久保三郎
14
○
久保委員
いずれにしても、
組織率
が高まらぬ限りは、残念ながらこの
法案
あるいはいままでの
法律
全体に盛られている
方法
によって安定させるということはなかなかむずかしいとわれわれは思っているので、とにかくしつこく聞いているわけですが、現在その
組織率
を高める自信はお持ちなんでしょうか。たとえばいまの
お話
のように、その
組織率
を高めていく
指導官庁
としては、出先の
海運局
の支局なり出張所なりというものなんでありますが、そういうものの
陣容
を見れば必ずしもこれは十分でないというように考えているわけなんです。十分でない
陣容
において、移動の激しいたとえば小さい船などはなかなか捕捉しがたいと思うし、それから
組合自身
に対しても、中身の
組合
のいわゆる
事業
というか、
機能
というか、そういうものに対して必ずしも全
船主
に深い理解と協力を得られるような立場には今日ただいまではないと思うのです。そういうことを考えると、どうも
組織率
は高まらぬけれども、まあ
最高船腹
だけきめていけば何とかこの低迷した
内航
の実態から脱却できるだろうという淡い希望を持っているように思うわけなんですが、これはどういうふうに思っておりますか。
若狹得治
15
○
若狭政府委員
内
航対策
というのは当然
組合
の自主的な
統制
というものを基本に考えておりますので、
組織率
を向上させるということはわれわれの最大の
眼目
でございます。
最高限度量
の
決定
による
船腹
の
規制
ということも
一つ
の
方法
でございますし、また
運賃
の自主的な
統制
ということをいかにして今後維持していくかということによって、
組合
の存在というものを今後
内航船主
に力強く印象づけるというようないろいろな方策を講じまして、やはり
組織率
を向上させなければならぬ、これが
前提
であるというふうにわれわれは考えております。
久保三郎
16
○
久保委員
いずれにしても、
組織率
が高まらぬことには完ぺきを期し得られないので、むしろ私は、
内航
の整備の第一
前提
は
組織率
を向上する、一〇〇%
組織
化するということがまず
前提
にならねば、いろいろな
施策
をやりましても、やはり指の間から水が漏れるということになると思うのです。だから、これに対して何かもっと積極的な
対策
がないかと思うのですが、いかがです。まあ通り一ぺんといえば語弊がありますが、大体だれもが気がつくような
方法
はいままで
お話
がありましたが、もう少しそれ以外にないのですか。
若狹得治
17
○
若狭政府委員
これは御指摘のとおりでございまして、
組合活動
が
組合
への
加入率
を向上させるということがわれわれの
眼目
であるということは先ほど申し上げたとおりでございますが、当面の問題といたしましては、
組合
の
活動
をしやすくするということと、それからやはり
組合中心
に考えなければどうしても各
船主
の
事業活動
が円満にいかないというような方向に持っていくということが一番大事でございます。それにはやはり国家的ないろいろな
施策
が並行してまいりませんとそれが実現しないということでございまして、従来せっかくりっぱな
組合法
がございましたけれども、それが活用できなかったのは、その裏づけとなるような何らの国家的な
施策
がなかったからではないかというようにわれわれ考えておるわけでございます。そういう意味におきましては、今後の代
船建造
についての
財政融等
につきましては
組合
の
意見
というものを十分尊重し、またそれを
中心
としてこれを活用するということも考えておるわけでございます。それからさらに
燃料輸入
の
問題等
についての要望もございますけれども、やはり
組合
というものを
中心
にしてわれわれは今後の内
航政策
というものを考えていこうということでございますので、一挙にはまいりませんけれども、漸次いろいろな国家的な
施策
を
組合
を
中心
として集中的に行なっていくということによって、この
組織率
の向上ということは十分期待し得るとわれわれは考えておるわけでございます。
久保三郎
18
○
久保委員
いま
お話
のあったような点は魅力ある
組織対策
の
一つ
だと思うのでありますが、
組織対策
ばかりじゃなくて、いわゆる
船質改善
というか、そういうことに主たる目的があるのでありますが、そこで先般通りました予算の中でも、
運炭船
の
代替建造
、
石炭専用船
の
代替建造
の問題がございますが、そこでこれは先般
説明
を聞いたときには、おそらく三千
トン
というか、そういうものを基準に考えておられるようでありますが、それはそうでしたかね。
高林康一
19
○
高林説明員
石炭専用船
の大きさ、型ということにつきましては、一応考えておりますのは、三千
グロストン
、デッド・ウエートで約五千
トン
ぐらいになりますか、そういったものを一応考えておりますけれども、
他方港湾事情
その他から見まして、いわゆる一六型といいますか、大体
グロストン
で千
トン
ぐらいのものも、地域によりましては、たとえば
九州
のいろいろな島々の聞の
輸送
というようなことについてはそういう型のものも要るのではなかろうかという点で、そういうこともいまあわせて検討しておりますけれども、最終的な結論にはまだ達しておりません。
久保三郎
20
○
久保委員
いま参事官から
お話
がありましたように、一六型の問題は、あなたがおっしゃる
理由
によってももちろん必要でありましょう。三千
トン
でなくて、地域によってはいわゆる一六型というようなものが必要だと思う。そのほかに考えてもらわなければいかぬのは、零細
船主
といっては語弊がありますが、いわゆる小さい
船主
の
代替建造
からいいますと、これはなかなか個人では
代替建造
まで押し切れない。といって三千
トン
ではこれまたなかなか容易でない。しかも共同化によって船を
代替建造
しようといたしましても、残念ながら三千
トン
ではかなりの金高になる。これでは負担し切れない。いうならば、そういう小さい
船主
は大半が
組合
の中にも吸収されないのが現状だと思うのです。だからこれらの
組織
を高めるということが
一つ
と、もう
一つ
は、中小
企業
の救済、共同化ということからいいますと、やはりそういう面からも、
石炭専用船
については一六型をやはり重点として取り上げるべきではないか、こういうように思うのですが、これは
海運局長
、どうですか。
若狹得治
21
○
若狭政府委員
石炭専用船
の問題につきましては、石炭鉱業の現状から見まして、相当今後出炭量も減少する、そのために遊休の
機帆船
というものが当然出てくるわけでございます。われわれはこれを運炭
機帆船
対策
と称しておるわけでございますが、その方向というものはやはりどうしても鋼船の新造船にかえていくということでございまして、それができるような
施策
をわれわれとしては考えてやらなければならぬと思います。いま御指摘いただきましたように、中小と申しますか、
機帆船
船主
の
事業
協同
組合
をつくらせる等の
方法
によりまして、石炭の専用船の
建造
ということを考えたい。その場合、たとえば解撤比率の
問題等
もございますし、あるいは
船主
の資産、信用力等の問題もございますけれども、われわれは、どうしてもそういう小さい
機帆船
船主
の共同して
建造
する船舶を最重点に取り上げるという方向でこの問題を解決していきたいと考えておるわけでございます。
久保三郎
22
○
久保委員
いまの
お話
で大体わかりましたが、ただ船の型、これはやはり経済的負担力といいますか、そういうことから言いましても、先ほど指摘したように一六型等も十分考慮しないと、いまの
お話
もなかなか実現できないであろうと思います。その点は十分留意していただきたいと思います。 もう
一つ
関連して、
代替建造
の比率でありますが、
機帆船
のような場合の
船主
の
代替建造
の場合は、一般的な比率と大体同様な比率でいきますか。
若狹得治
23
○
若狭政府委員
代替建造
につきましては、一般的には新造船による能率
増加
というような問題もございますし、それから新造船の価格とスクラップすべき船舶の価格との非常な価格差というような問題もございますので、われわれといたしましては、一般的には一・五
トン
の解撤に対して一
トン
の新造を認めるというような考えでおりますけれども、
機帆船
の問題につきましては、現在の
機帆船
が、積み
トン
数というものとそれから総
トン
数というものが非常に違っておりまして、たとえば二十
トン
の
機帆船
で五十
トン
運ぶというような状態でございますので、そういう事情をわれわれとしては十分調査いたしまして、原則的には大体積み
トン
というものを基本にいたしまして、スクラップ・ビルドの比率をきめてまいりたいと考えておるわけでございます。したがいまして、一般の総
トン
数一・五
トン
に対して新造一
トン
、スクラップ一・五
トン
に対して新造一
トン
というようなものよりはるかに緩和されたものになるであろうというようにわれわれは考えております。
久保三郎
24
○
久保委員
次に標準
運賃
にしても、二十八年にこれだけきめたのですが、参事官の先ほどの
説明
では、たとえば若阪の
機帆船
の
運賃
が大体四百九十円ぐらいでずっときている、あまり低くならなかったというのは、この
告示
があったからだというふうにおとりになっておるようでありますが、われわれ自身はどうも奇異に感じているのです。若阪の石炭は、標準
運賃
が大体六百六十円になっておるから四百九十円で保ってきた、こういうふうにとっておられるだろうと思うのでありますが、標準
運賃
というのは
内航
ではどういうふうに考えておられるのか伺いたい。
高林康一
25
○
高林説明員
私の先ほどの御
説明
で、標準
運賃
が六百六十円でありましたから四百九十円程度でもったというつもりではなかったのでございますけれども、標準
運賃
といたしましては、ここにありますような原価、利潤というようなものを考えておるわけでございます。ただ問題は、標準
運賃
の設定のしかたにつきまして、やはり絶えずその実勢を見ながら、そうしてまたその
推移
もいろいろ考えて、絶えずこれの改定をやっていかなければならないのではないか。したがって今後の問題といたしましては、当然標準
運賃
というものを考えていくわけでございますけれども、その場合には、やはり一度出したら出しっぱなしということでなく、少なくとも一年一回ぐらいはいろいろ検討し直すというふうに持っていかなければならないのではないかというふうに考えております。それと同時に、従来標準
運賃
というものと実勢
運賃
、たとえば若阪の石炭につきましては六百六十円と四百九十円、こういうように非常に違いが出ておるわけでございますが、これにつきましては、やはり
大型鋼船
それから
小型鋼船
、
機帆船
というようなものの相互
関係
というものも十分考え直さなければならないわけでございますが、木船だけをきめておりました従来の標準
運賃
制度
というものは、そういう意味ではなかなか担保がむずかしかったということで、今後はそういうふうなものを全部ひっくるめて考えてまいりたいというふうに考えております。
久保三郎
26
○
久保委員
この標準
運賃
の
制度
などは、大体現況においてはその
機能
を発揮しないということなので、一回出してみたがあとは出さぬ、こういうふうになっていたわけですね。そうですね。
高林康一
27
○
高林説明員
機能
を発揮しないと断定できるかどうか知りませんが、一度やってみまして、実勢というものと、先ほどの
資料
でもございますように、六百六十円というものとがかなり違うということで、そのまま標準
運賃
というものをつくりましても、とかく形骸化するというようなおそれもありましたし、それからまた物価の変動もその間の過程において相当あったと考えられますし、プレスすることに非常に問題がありましたので、そのままとまっておったのじゃないかと一応想像しておりますけれども、今後はそういうような点については、絶えず実勢と物価の動きというものをにらみ合わせ、さらにまた荷主側のほうとよく実態も検討いたしまして、妥当な標準
運賃
を設定したいと考えておるものでございます。
久保三郎
28
○
久保委員
断定はできかねるような
お話
ですが、私は断定していいんじゃないかと思うのです。
法律
はできたが、
機能
は一ぺんやってみたが、とてもこれじゃ標準
運賃
どころじゃないということで、やってもむだだからこれはやめよう、団体交渉並びに
団体協約
もどうもこれではだめだというので、一回も申請もなし、認可もない、こういうことだと思うのですね。これまでにほうってきた
政府
当局の責任というものは、あらためて追及されなければなりませんが、ここで再び法を
改正
して、いまと大差ない
内航
の実勢ならば、これはあらだめてきつく反省を求められる時期が来ると思うのですね。この
法案
が成立すれば、まあまあいまの二つの
法律
にあるところのそれぞれの
機能
は完全に果たし得られる、それによって
内航
は安定するという見通しを持っているのかどうか、あらためて聞きたいのです。
若狹得治
29
○
若狭政府委員
内航
問題につきましては、予算
措置
もまだ決して十分ということができないような状態でございますし、先ほど御質問にございました
組織率
の問題もなお今後相当時間のかかる問題であろうというようにわれわれ考えておるわけでございます。いま御指摘の標準
運賃
制度
につきましては、いまおっしゃいましたように、とにかく最初やってみたわけでございますけれども、なかなか
組合
の
統制
力というものが及ばないために、その標準
運賃
の維持ができないという状態でございまして、これを新たに原価計算を十分やりましても、なかなかそういう
運賃
を維持するという見通しがつかないままに今日まで放置されておったことは事実でございます。われわれはその一番大きな
理由
といたしましては、
組織率
が弱いということと、それから
組合
の加入、非加入によって何らの制裁
措置
というようなものが考えられないというようなこと、あるいは
大型鋼船
というものの
活動
というものがございまして、その面からやはり
運賃
の切りくずしが行なわれておったという事実がございますので、まず
内航
の動いておる船を全部
組合
に入れるという仕組みを考えて、そういう面から
法律改正
をしたということと、
組合
の
統制
力を強化するためのいろいろな裏づけの
施策
を今後やっていく、それは
一つ
には
船腹
の
規制
というもの、それからもう
一つ
には、
代替建造
の資金の融資の場合に
組合
の
意見
を尊重するというようないろいろな
施策
を講ずることによって、
組合
の
組織率
を強化し、それによって標準
運賃
制度
の活用をはかっていくというようなことを考えておるわけであります。ただこれが、
法律
が施行になりまして直ちに一〇〇%
組合
加入ということが実現できるわけではありませんし、また標準
運賃
制度
の完全なる
実施
がはたしてできるかどうかという点につきましても、われわれ心配はいたしておるわけでございますが、とにかくそういう方向に向かってできるだけの
努力
をいたしてみませんと、
内航
問題というものは永遠に解決しないわけでございますので、われわれとしては今後ともなおさらにいろいろな
施策
というものを考えていかなければならないわけでございますけれども、その
前提
となりますところの
大型船
の
組合
加入の問題とか、あるいは
組合
の
活動
に対するいろいろな
政府
施策
の裏づけ、借款というものを本年度以降
実施
してまいりたいと考えておるわけでございます。
久保三郎
30
○
久保委員
次に
調整規程
でありますが、
組合
の
資料
がございます。この
組合
自体は
調整規程
を設けて
実施
しておるのでありますが、はたしてその
調整規程
にきめられた事項は守られているのかどうか、これはどうなんです。
高林康一
31
○
高林説明員
この
調整規程
については、各
組合
の
状況
によりまして多少の違いがございます。おおむね言いますと、その
調整行為
、
調整運賃
というものは大体守られておるというふうに聞いております。特に最もこれが完全に守られておるというようなところにつきましては、たとえば新潟−両津間に関しますところの新潟県
機帆船
海運組合
の場合、あるいはまた三重県の
機帆船
海運組合
の砂利の扱い、これはほぼ完全に
調整規程
どおりの運航を示しておるようでございます。それから
組合
加入者の非常に多い中国地方の
海運組合
連合会あるいはまた
九州
の
若松地区海運組合
、これらの
石炭運賃
につきましては、大体所期どおりの
効果
をあげておるようでございます。しかしながら、ほかの
組合
についてはやはり若干まだ問題があるようにも聞いております。
久保三郎
32
○
久保委員
守られないものはそうでありますが、守られない原因は何ですか。
高林康一
33
○
高林説明員
根本的にはやはり
組織率
の問題だと思います。それからその
組織率
をまた非常に弱める原因といたしまして、やはり
大型船
の鋼船の存在、それからまた絶えず新船が購入されておる。それがまた
アウトサイダー
として活躍していくというようなところにあるように考えられます。
久保三郎
34
○
久保委員
そこで自社船は
対象
外になるようにこの
法案
ではなっておるが、自社船はどの程度
船腹
は
内航
に投入されておるか。
高林康一
35
○
高林説明員
建造
実績で申し上げます。三十五年度につきましては八千三百
トン
程度でございます。それから三十六年度につきましては九千
トン
程度でございます。それから三十七年度については約七千
トン
、三十八年度は、これは上半まででございますけれども、一万
トン
というような
状況
になっております。したがいまして、三十五年以降のものといたしましては、約三万四、五千
トン
というようなものが
建造
され、投入されておるという
状況
であります。
久保三郎
36
○
久保委員
三万四、五千
トン
のものが自社船で要る場合にはかなりの比重だと思うのですが、そう思いませんか。
高林康一
37
○
高林説明員
それ自身といたしましては、全体の
船腹量
といたしましては二百六十万
トン
のうちでございますが、これ自身は大体専用船の形態をとっておりますし、かつ相当大型のもの、たとえば、三十八年度で申しますと、これは一ぱいだけでございますけれども、一万
トン
のものというふうなものがありまして、かつ専用船という形式をとっておりますので、稼航率その他を考えますと実態的には相当な比重を持ってくる、また将来も持ってくるだろうというふうに考えております。
久保三郎
38
○
久保委員
これはなぜ自社船は除外してあるのですか。
高林康一
39
○
高林説明員
自社船につきましては、いわば今回の
改正
法につきましては、現在の適正
船腹量
の策定ないしは
最高限度
が設定されました場合に、それについて何らかのことを考慮すべきであるというふうには私ども考えておったのでございますけれども、やはり根本的には内
航海運業
というようなものを基幹として法体系が組み立てられておりますので、自社船、自家船というようなものについては非常に法的に規定しにくかったというようなことがございまして、この際、いろいろ問題はあるとは考えておったわけでございますけれども、
事業
法というような範疇を考えまして、一応これを
規制
の
対象
外とした次第でございます。
久保三郎
40
○
久保委員
いずれそれらの点は相当な
意見
が出ると思うのでありますが、言うならば、全体量を把握して、その中で適正
船腹量
を策定してやらなければ、
輸送
の実態は、いままでの御
説明
でも、大体自社船は大型が多いんでしょう、そうだとすれば、こういう自社船というのが、専業者のシェアを侵しながら、
運賃
のダンピングとか、そういうものの要素になるわけです。先ほど
組織率
が非常に低いからということで、
運賃
の低迷というか、混乱というか、そういうことを力点に御
説明
がありましたが、そこであらためて聞きたいのは、自社船の問題が
一つ
あります。いままでの
説明
のいわゆる
組織率
の問題が
一つ
あります。これが大体いままでの
質疑
の中ではっきりしてきた
運賃
低迷の原因であります。これによって自社船の問題は、後刻各党で考えなければならぬと思うのでありますが、そこで、そのほかに
運賃
低迷の原因が何かありますか、たった二つですか。
高林康一
41
○
高林説明員
根本的には
船腹
過剰であるということにあると考えております。
久保三郎
42
○
久保委員
船腹
過剰の問題についてほこの間も質問がありましたが、
船腹
過剰であるかどうかということは的確に出てこぬのではなかろうかというふうにも考えられます。一応数字としてはわかりました。ただ現象面にあらわれた
運賃
低迷という事柄は、大体
船腹
が多過ぎる、多過ぎるから過当競争で
運賃
のダンピングがあるのだ、こういうストレートの考えが
一つ
出るわけです。そうすると
船腹
過剰、これで三つ。それ以外にも原因がありますか。
高林康一
43
○
高林説明員
それ以外ということになりますと、あるいはその三者が皆まざり合った結果といいますか、そういうことのための過当競争ということが原因になっておると考えております。
久保三郎
44
○
久保委員
それ以外に、
内航
でありますから、陸運との
関係
はどうなんですか。陸上
運賃
との
関係
は、
関係
がないのかどうか。
若狹得治
45
○
若狭政府委員
鉄道
運賃
の、たとえば遠距離逓減あるいは政策割引というものが、内
航海運
の
運賃市況
を圧迫いたしておることは事実でございます。御承知のように、戦前の回漕費というものは、陸送費に比べて非常に低価格であったわけでございますけれども、今日
鉄道
運賃
というものは長く据え置かれております上に、さらに政策割引あるいは遠距離逓減というものがあって、それによって
機帆船
運賃
の頭を押えられているということは事実でございます。 また、最近の道路運送の
状況
から見まして、やはり貨物自動車というものが競争的な立場にあるということも事実であろうと考えられるわけでございます。ただ、貨物
運賃
につきましては、われわれ、現在、全国的に的確な
資料
を持っているわけじゃございませんので、はっきりしたことを申し上げることはできませんけれども、
鉄道
運賃
につきましては、具体的な事例が非常に多いわけであります。そういう面で内
航運賃
が非常に頭を抑えられているということは言えると思います。 それから、現実の問題といたしまして、たとえば三十六年の
鉄道
運賃
の値上げの場合に、石炭につきまして、たとえば省用炭につきまして、
運賃
の値上げを
機帆船
組合
その他が非常に陳情いたしておったわけでございますけれども、石炭産業自体が不況のため、一般炭の
運賃
値上げができない。一般炭との
関係
上省用炭の
運賃
の値上げもできないというような状態でございまして、
鉄道
運賃
は一三%ばかり値上げになりましたけれども、
機帆船
運賃
は五%未満というようなところでとどまっておるというような問題もございます。他の産業の、特に一番
内航
の
対象
貨物でありますところの石炭産業の不振ということも、やはり内
航運賃
を圧迫いたしております非常に大きな
理由
であるかと考えております。
久保三郎
46
○
久保委員
これは
海運局長
だけの問題ではないのでありまして、運輸省全体の問題でありましょうが、結局陸運と海運との
関係
をいかに調査するかの問題があると思うのです。しかも、石炭合理化のしわ寄せで、
国鉄
運賃
は、御案内のとおり、石炭の
運賃
については延納まで認める——延納というか、実際はこれは棒引きだろうと私は見ている。
国鉄
はこれで決していいはずはないのであります。そうかと思うと、いま
お話
しのとおり、今度は
内航
にしわ寄せが来る。他産業の犠牲で、ある産業の再建なり合理化があるはずはないと思う。そういう政策が今日やられているということは、これはちっとも政策じゃないと思う。池田内閣の閣僚であられる
綾部運輸大臣
がおられますが、特に運輸省の中の矛盾と撞着をはらんだままで、石炭合理化は
一つ
の例ですが、今日までやってきたところに私は大きな問題があると思う。こういう問題についてどういうふうに処理されようとするか、これは運輸大臣にお尋ねしたほうが適切だと思うのですが、どうでしょうか。
綾部健太郎
47
○綾部国務大臣 確かに御指摘のような政策の矛盾は、日本の高度経済成長に伴って、また世界の経済機構の変革等によりまして、ありますが、その間をいかにするかということが大問題でございまして、私ども日夜苦慮いたしております。現実面におきましては、内
航海運
については、私どもは内
航海運
懇談会を開きまして、そうして内
航海運
についての衆知を集めました結論に基づきまして本
法案
を提出いたしたような次第なのでありまして、御指摘の矛盾は確かにあります。私どもは
国鉄
につきまして、今日
国鉄
の経営を非常に圧迫しているものは、いわゆる政策
運賃
であると考えております。そういうことについても、今後
国鉄
のあり方について基本問題調査会等におきまして根本的に調査いたしまして、この方面からも御指摘のような矛盾をなくするように
努力
いたしたいと考えております。
久保三郎
48
○
久保委員
運輸大臣の答弁は必ずしもはっきりしませんが、あなたの所管のところでよその省のしわ寄せを食って、次から次へと波動的に矛盾撞着を起こしておるということを私は言いたいのですよ。だから政策というのはそのものずばり出すべきであって、ほかの産業やほかの官庁の政策にしわ寄せしてどうにもならぬというようなことは、これは政策じゃありません。だからそういう点についてやはり運輸省自体が見直すべきだ。外航にしても再建二法ができて今月からすべり出しをしましたが、まだ再建のめどなんかつきません。
内航
またしかりです。言うならば、見直せというのは、
輸送
は他産業の従属機関ではない、こういう考えが
前提
にならなければ、どんな政策を持っていっても他産業のしりぬぐい的な政策をやる以外にないのです。運輸行政の基本というものは、私は今日ただいまではそうだと思うのです。陸上交通
一つ
とってもそうです。陸海空全体そうです。だからここでこの法、案を成立させることも
一つ
でしょうが、その
前提
となる、ただいま申し上げる理念が運輸省自体に、あるいは
政府
自体になければ、結局何をやってもさいの川原の石を積むようなもので、あとからあとからまた手直しということになる。だからもっと性根を入れて、
内航
なら
内航
の建て直しはどうあるべきか、大局から考えて政策は出してほしいと思うのです。この理屈はその辺にしますが、少なくともこれをやって、いずれにしてもいまのような方針と政策のあり方では、残念ながら運輸省全体で所管する運輸行政はもみくちゃです。最近基本問題調査会から答申が出ましたが、これも実際言うと、通り一ぺんの話でありまして、だれも考えるようなことであります。もっと性根を入れるということが一番先です。だからそういう意味で運輸大臣に申し上げたのであります。ところが運輸大臣は、
委員会
へ来ると真摯になってなにするが、閣議では真摯じゃない。運輸大臣としてもう少しものを言ってほしいと私はかねがね思っておるのです。この際言いにくいことですが、もう少しものを言ったらいいだろうと思います。 そこで陸運との
関係
でありますが、
運賃
値上げをしようということではございません。ところが
輸送
が片方では過剰ぎみ、片方では逼迫ということで、このままの姿でやったのでは、
船腹量
をきめたところでこれは同じですよ。だから
運賃
調整
はある時期にやるべきだ。しかし
政府
の一貫した政策は、貨物
運賃
特に大宗貨物についての
運賃
に手をつけることが、残念ながらいままであまり積極的ではない。
運賃
ということになりますと、定期券がどうのこうのという。もちろん定期券の問題も半面問題にはなりましょう。しかしながら今日最も大事なことは、貨物
輸送
の問題です。これが野放しであります、というよりは、政策的に何らの前進がないのであります。思い切った考えを持ってやるべきだと思うのです。 これは
海運局長
に聞きますが、陸運と海運との
関係
の
運賃
調整
について今日ただいまどう考えていますか。
若狹得治
49
○
若狭政府委員
この問題はわれわれは非常に長い間検討いたしておるわけでございますけれども、ただいま大臣から
お話
し申し上げましたような政策
運賃
というもの、政策割引、それから遠距離逓減
制度
というものについては、省内に一おきましても長い間検討いたしておりまして、今後
運賃
改定がある場合には、ぜひともこういう問題を考えていただきたいということを申しでおるわけでございます。われわれといたしましては、具体的には、先ほど申し上げました
石炭運賃
等につきまして、
国鉄
当局としては、一般炭の値上げというものができるならば、それに
国鉄
もフォローすることについては全く異存はないという状態でございますので、今後この
法律
が施行されまして、
組合
の自主的
調整
ということにつきまして相当の実力を持つということができますならば、
石炭運賃
の引き上げということも十分考えられるというふうに期待いたしておるわけでございます。
久保三郎
50
○
久保委員
まあいずれその問題はあとで論議になりましょうから申し上げませんが、ただ、だめ押しをしておきたいのは、われわれは
運賃
値上げは反対ですよ。だけれども、あるべき姿の
運賃
調整
は、これはやはり考えなければならぬと思うのです。そういう意味で申し上げておるのであります。ところがその
運賃
というか、先ほど大臣から答弁がありましたが、
国鉄
の問題も、基本問題調査会でこれから
運賃
の問題をやっていくというが、おそらく結論は千編一律に
運賃
値上げに落ちつくだろうと思う。そう私は予測しておりますが、間違えばそのときあやまりますよ。そういうことでは残念ながら矛盾はちっとも解決しない。
国鉄
自体の問題も解決しないのです。だからこの際大臣に申し上げておきますが、これは御返事は要りませんけれども、少なくともそういうことでは決して問題の基本的なものは解決できない、こういうふうに申し上げておきます。 そこで次にお尋ねしたいのは、
船腹量
を策定するわけでありますが、
船腹量
を策定する場合には、これは基準でやる基準
船腹量
は、いわゆる適正
船腹量
というのか
最高船腹量
というのか、中身の意味はどっちなんですか。
高林康一
51
○
高林説明員
船腹量
については、この
法案
では二通りの
船腹量
を考えております。
一つ
は適正
船腹量
、必要にしてかつ十分というような意味の適正
船腹量
が
一つ
、それからもう
一つ
は、そういうような適正
船腹量
に照らしまして、非常にアンバランスになるというような状態において設定いたしますところの
最高限度量
といい直すか、
最高船腹量
といいますか、その二つの種類の
船腹量
をこの
法案
では考えておるものでございます。
久保三郎
52
○
久保委員
そうしますと、適正
船腹量
、これが標準で、最高というのはそれより上回ったものをつくるわけですね。やはりそこに幅があるのですね。最高の出たときには新規の登録にやめさせる、こういうことですね。それでは適正
船腹量
というのは、何のために必要でしょうか。
高林康一
53
○
高林説明員
法律
効果
といたしまして、適正
船腹量
というものは、直接な
法律
効果
というものはそこからは出てまいらないわけであります。ただこの場合に適正
船腹量
というものが毎年五カ年計画として設定されまして、それに照らしまして著しくアンバランスになるような場合において
最高限度量
というものを設定するという考え方でございまして、いわば
法律
的には
最高限度量
というものの設定の
一つ
の基準といいますか、先生のおことばでは一種の標準といいますか、目安になるものということでございます。ただそれ自身の適正
船腹量
の
法律
効果
というものは、この法では直接には考えていないという
状況
でございます。
久保三郎
54
○
久保委員
そうしますと、適正
船腹量
をきめておいて、これは毎年度五年間のものを策定するわけですね。それで今度はその適正
船腹量
に照らして過剰になるという見込みがあるときには、いわゆる
最高船腹量
というもの、
最高限度
をきめる、こういうことなんですね。そうしますと、適正
船腹量
をきめておいて、これをオーバーしそうだというときには
最高限度
をきめる、こういうのですね。そうなると、適正
船腹量
の上に
最高限度
というのがあるのかどうか、これを聞いているのです。適正
船腹量
にもう達しそうだというときにこれが
最高限度
だというふうにするのか、それとも、適正
船腹量
というのが
一つ
あって、それを突破してきたから幾らにするというのはあらためてきめるのか、いかがですか。
高林康一
55
○
高林説明員
条文では二条の三にございますように、当該年度に定められた当該船種別の
船腹量
、これが適正
船腹量
でございますが、これに照らして著しく過大になるおそれがあると認めるときに
最高限度量
を設定するわけでございます。したがいまして、
最高限度量
の考え方といたしましては、適正
船腹量
に照らしまして著しく過大になるおそれがあるということでございますが、大体適正
船腹量
といたしましては一種の需給がバランスしておる状態というようなものを考えております。現実には需給の完全に均衡するというようなことはないと考えられますが、それをオーバーする場合において
最高限度量
をきめるわけでございますから、実際問題といたしましては、
最高限度量
は適正
船腹量
よりもやや上回ったものになる可能性があるかと考えます。
久保三郎
56
○
久保委員
この五年間に毎年これはやりますか、毎年改定していくわけですね。
高林康一
57
○
高林説明員
第二条の二にございますように、毎年度当該年度以降の五年間について各年度の適正な
船腹量
をきめるということでございます。
久保三郎
58
○
久保委員
そこで
船腹量
の策定にあたっては船種別をきめるわけですね。なるほど船の種類ごとにきめるのは必要だと思うのですが、そのほかに
内航
の特質からいって、地域別の問題が残ると思うのです。これはどうなさるのですか。
高林康一
59
○
高林説明員
御指摘のように船種別をきめます場合に、当然その地域というものが背景になければならないと考えます。したがいまして、地域別にもやはり考えていくべきではないかと思いますけれども、一応その場合にどのようなきめ方をやりますか、ただ船舶の代替性ということもございまして、必ずしもその地域に張りつかないといろこともございますので、その場合におきましては、地域別の
輸送
需要を算定の基礎に考えつつそれをきめていきたいと考えております。
久保三郎
60
○
久保委員
地域別の需給を勘案しながらきめていくというのだが、たとえば北海道から東京への石炭、あるいは
若松
から
阪神
への石炭、こういうのを全体をひっくるめれば、適正
船腹量
を著しく上回る。しかし地域的に見れば、若阪のほうがかなり大きな数字になってきている。北海道のほうはそれほどでないというようなことが想定されます。そういう場合に一括してやった場合に、たとえば、函館のほうは、少ないなりに押えられる。こういう矛盾が出てくると思うのですが、それはどういう操作をしますか。
高林康一
61
○
高林説明員
御指摘のように、たとえば北海道−東北間の定期
航路
あるいは北海道の石炭、若阪の石炭というように、比較的需要の姿というものが特定されていると申しますか、はっきりしておりますそういうものにつきましては、やはり全体というものと関連なし——なしというのはちょっとことばが悪いのですが、いわばそこを切り離したものを考えてもいいのではなかろうかという点で、これらの点につきましては、海運造船合理化審議会の
内航
部会にいろいろ
お話
し合いをしながら設定をしていきたいというふうに考えております。
久保三郎
62
○
久保委員
実際に地域別の問題が加味されなければ実態に応じた操作はむずかしい、かえって混乱するだろうと思うので、いまの参事官の答弁で可能だというならあえて何も言いませんけれども、そのときになってから問題になってくると思うのですね。だから、その点は十分考えてやらなければいかぬだろう、こういうふうに思います。 それからもう
一つ
は、二十
トン
未満はもちろんこの
組合法
にも入りませんし、業法にも入りませんね。
高林康一
63
○
高林説明員
まず、二十
トン
未満は
組合
には入ります。それから、
小型船海運業法
、内
航海運業
法の適用につきましては、登録ではございませんが、届け出ということにしております。
久保三郎
64
○
久保委員
二十
トン
未満は、その適正
船腹量
の策定なり、あるいはその制限の中に入りますか。
高林康一
65
○
高林説明員
入りません。
久保三郎
66
○
久保委員
そこで、二十
トン
未満の問題がこういう
法律
によって政策が出ますと、二十
トン
未満いわゆる十九
トン
半というものがかなり、もぐりと言っては語弊がありますが、合法的な形で出てきはしないかという心配があるのです。そういう点はどう考えておりますか。
高林康一
67
○
高林説明員
確かにいわゆる二十
トン
未満の不登簿船というものが従来いろいろ問題があったことは確かでございます。ただ、現実の
輸送
需要といたしましては、比較的これが最近の検査
制度
の強化その他に伴いまして、かつてのように大きくこれを乱すことはなかろうというようにも考えております。また、こういうような点につきましては、
海運組合
の
調整行為
というものをやはり根本的にはいろいろ期待していかなければならないという
状況
もございますので、これらの面について、われわれといたしましても、
組合
と一緒になりまして、実態把握をし、それから乱すことのないように十分
努力
してまいりたい、こういうふうに考、えております。
久保三郎
68
○
久保委員
海運組合
そのものは
組織率
もかなり低いし、なかなか前途多難であるという形からいけば、いまの参事官の
お話
だけで、はい、そうですかと言うわけには参らぬのではなかろうかと思うのです。そこで、二十
トン
未満のこういう
内航
に従事しておる船はどの程度あるのですか。
高林康一
69
○
高林説明員
二十
トン
未満の
内航
船腹
は
貨物船
につきましては九万一千
トン
、
輸送
船につきましては二千六百
トン
、その他はしけ、引き船がございます。
久保三郎
70
○
久保委員
これは漁船の場合でも例があるのですが、カツオ、マグロの四十
トン
船というものがありまして、いわゆる三十九
トン
、マグロ船というのが実は今日水産業界では問題になっておるのですね。これは労働条件その他も非常に劣悪であります。危険度が多い。漁船でありますから、遠洋でカツオ、マグロをやるのでありますから、
内航
の場合はそれほどではないかもしれませんが、これらについても適切な政策がなければならない、二十
トン
以下を否定しようということでなくて、これもやはり健全な発展というのを考えない限りは問題は解決できないと思うのです。むしろこういう小さい船は、言うならば、蛋民——と言っては語弊があるが、そこで住居をかまえているものも中にはあるでしょう。移動するのもちょろちょろ移動するということでありまして、これらもやはりこの中へある程度含めて、そして健全な発展ができるように考えるべきだと思うのですが、これについては新たなお考えは持っておりませんか。
高林康一
71
○
高林説明員
二十
トン
未満につきまして
事業
法のほうでこれを適用
対象
としていないのは、やはりこれは
事業
規制
といたしましては特にあまり大きな問題はないのではなかろうか。ただ、全体の
輸送
の部面におきましてはいろいろ問題がございますので、やはりこれは
海運組合
というようなものを通じてその発展を期していくということが一番大事ではなかろうかというふうに考えておるものでございます。
久保三郎
72
○
久保委員
いずれにしても、この
制度
が
実施
されるようになりますれば、二十
トン
未満の問題も新たな問題として再び出てくるだろうと思うので、再び出てこないように適切な
対策
を講じておく必要があると思うし、また、こういうものについては業法には入らぬが、
組合法
には入るということで、ともすれば出先も本省も含めて二十
トン
未満について目を注ぐことがおろそかになりはしないかというふうにわれわれは心配しているわけです。これの維持、発展、こういうものについてやはりもう少し前向きというか、積極的な
対策
を立ててやらなければならぬ。これはおそらく零細
企業
でしょう。大体そうだと思う。零細
企業
に対してやはり
企業
として健全に成り立つように指導、育成をしなければならぬ。この点をもう
一つ
申し上げておきたいのです。 それから、大体どうだどうだと言うから、きょうはこの辺にしておきますが、もう
一つ
木船の問題であります。木船の
建造
というものについて
海運局
はどう見ているのですか。この間の答弁では、大体木船は減っていくだろうというふうに簡単に言えば御答弁があったと思うのでありますが、木船自体もやはり木船としての強みがあるし、必要性もあるとわれわれはまだ見ているわけです。なるほど鋼船に切りかえるというのが一般的な常識かもしれませんが、そうでなくて、やはり木船は木船なりの用途と
機能
を果たす余地が十分にあると思う。だからこれに対しての
対策
も考えていくべきだと思うのですが、
代替建造
はみんな鋼船になるということでしょうね。それではちょっとどうかと思う。これはどうなんです。
高林康一
73
○
高林説明員
大きい傾向といたしましては、木船は鋼船化してくるということは事実だと思います。ただ、木船それ自身においては、やはり木船でなければなかなか果たし得ない分野というものがやはり相当程度残るだろうというふうには与えております。ことに将来の問題として、また現在もう始まっておりますけれども、工業地帯というものが分散してくる。そして新産業都市をはじめといたしまして、いわばそういうものを
中心
にするところの地域
輸送
というものが、今後は
輸送
距離というものはそういう意味では短くなるかもしれませんけれども、やはり木船によって果たさなければならないという部面も相当存在し得るのではなかろうか。そういう意味では、すべて木船は鋼船化するというふうにはなかなか言えないのではなかろうか。相当程度の木船のシェアは、国内
輸送
の分野におきましてはあり得るであろうというふうには考えておるものでございます。
久保三郎
74
○
久保委員
だから新たな政策を考えるべきだ、こう言っておるのですよ。内
航対策
といえば木船も入る。この間の
資料
では、木船の比重は、
輸送
力から言ったって鋼船と大体とんとんなんですね、多少下回るかもしれませんが。だから、この木船
対策
はもう少し前向きで考えるべきだ。今度の三十九年度
施策
の中には、新たなものは何もありませんね。そうですね。これは運輸大臣どうでしょう。考える
一つ
の盲点ですよ。
一つ
も考えておらぬですよ。
綾部健太郎
75
○綾部国務大臣 もちろん十分考えるべきことであると思いますが、
運賃
の面において、三十九年度の
運賃
対策
の中に木船に関する事項も含まれておると記憶いたしておりますが、詳細は
海運局長
からお答えすることにいたします。
若狹得治
76
○
若狭政府委員
鋼船に対して今後とっていこうといたしておりますものは
財政資金
による助成でございますが、木船についてそういうような
方法
は考えられないかということをわれわれも検討したわけでございますけれども、全般的に見まして、木船に対する需要は今後必ずしも
増加
しない。大体におきまして、過去の
建造
実績を見ましても、
船腹
保有量をもってみましても、一万
トン
ないし二万
トン
程度の
増加
率であります。したがいまして、大体現状の横ばい程度というようにわれわれとしては考えておるわけですが、もちろん木船でなければどうしても運べないというような、たとえば港湾
設備
の
関係
その他あるいはロットの
関係
もあると思いますけれども、そういうものがあるわけでございます。これを鋼船化するのはとうてい考えられないというところもあるかと思いますけれども、全般的に見まして、木船は大体現状維持程度というような考え方でおりますので、われわれといたしましては、
組合
の中へこれを取り入れまして、
運賃
の面で協力して、必要な
統制
を行なっていくことによって
企業
経営の改善をはかっていくということを考えておるわけでございます。
久保三郎
77
○
久保委員
運賃
の面でという
お話
でありますが、もっと前向きで、
代替建造
の場合もあるでしょうし、そういうものは零細
企業
で、なかなかその資金も得られないというのが実態だとわれわれは見ておる。そういうものについて木船なるがゆえに
代替建造
ができない、資金の手当もないということではどうかと思うわけで、この点は十分考えていかなければならぬ、こう思うのであります。 そこで、もうきょうは時間でありますからなんでありますが、もう
一つ
だけ聞いておきたいのであります。このいわゆる
船腹量
を策定するというのは、
内航
の立場からは
一つ
の前進的な政策だと思うのです。これはそう思います。ところがこれを単純にそれではそれでけっこうだと言うわけにはいかぬ。というのは、船をつくるほうの造船でありますが、造船との
関係
もかたがた多少——と言っては語弊がありますが、考えなければ、頭の中に入れておかなければ、これも造船業というものがございますから、そこでこの造船業というものとのかね合いも考えていく。言うならば、さっき言ったように、老朽船の
対策
で
船質改善
をもう少し大幅にやっていくというのが両方に役立つ政策だと思う。ところが、先般の質問でも申し上げたように、必ずしも三十九年度からすべり出した
内航
の老朽船
対策
というのは、将来の展望に立っても、残念ながらその目ざましいものではない。だからこのワクをさらに拡大するということが必要だと思う。これは強調しておきたい点であります。 さらにもう
一つ
は、この適正
船腹量
なり
最高限度
をきめる場合には、この
法案
によりますれば、当然海造審の
意見
を聞いてということになっていますね。海造審の
意見
を聞くという前には、おそらくいままでやってきたように、専門部会というものを設置されると思うのです。そういう専門部会の中には、やはり造船の
関係
もメンバーとして入れて、そこでいま私が申し上げたような点も勘案しながら適正
船腹量
なり
最高限度
をきめていくということが一番好ましい姿だと思うんだが、そういうメンバーを入れる考えがあるかどうか。特に最近における造船業、中小造船のほうは御承知のとおり必ずしも好転はしておりません。海運集約化に伴って造船の問題もそういう形が出てくる。ところが、大造船所はまあまあ安泰にしても、中小造船所はそういうふうにはまいらぬ。そこへもってきてまた一方的に適正
船腹量
がきめられて、老朽船
対策
もかんばしくないということでは、かなり問題があると思う。こういう問題についてはどう考えているか。労使ともメンバーの中に入れるべきだ、こう思うんだが、いかがですか。
若狹得治
78
○
若狭政府委員
海運造船合理化審議会あるいは下部機構の専門
委員会
等に中小造船の代表の方も当然入っていただく。現在も入っておるわけでございますが、今後も、専門
委員会
をつくります場合、あるいはその下の幹事会をつくります場合にも、当然これは入っていただきまして、いろいろな御
意見
を拝聴したいとわれわれは考えておるわけであります。根本的に
最高限度
を設定いたしましても、これは
船腹量
を全般としてふやさないというだけでございまして、現在の内
航海運
につきましては、先日も申し上げましたとおり、非常に多くの老朽船があるわけでございます。これを
財政資金
の援助によりましてスクラップ・ビルドを行なっていくということでございますので、われわれとしては造船の工事量が減るというようなことは考えておらないわけでございます。できればこのスクラップ・ビルドをさらに拡充いたしまして、工事量をふやすと同時に、
内航
の体質改善にも資していきたいと考えておるわけでございますので、中小造船の方々とも十分相談いたしまして、明年度以降におきましてはさらにこの財政援助の幅を拡大していくということであらゆる
努力
をしていきたいと考えておるわけでございます。
久保三郎
79
○
久保委員
その専門部会なり幹事会、そういうところへはやはり造船
関係
、労使ともはいれるように考えておりますか。
若狹得治
80
○
若狭政府委員
現在の合理化審議会には労使ともお入りになっているわけでございます。幹事会の構成はまだ最終的にきめておりませんけれども、そういう御
意見
も十分考えまして今後
措置
してまいりたいと考えております。
久保三郎
81
○
久保委員
まだ質問の残しがたくさんあるのですが、きょうは、お呼びしたのが船員局長あるいは
関係
者もどこかへ出張で、おいでにならぬということでありますし、それから無線
関係
、
内航
船の通信の
問題等
も関連してございますので、次会は電波監理局長、電電公社の担当
理事
、それから船員局長、それからできれば港湾局長という方々をお呼びして
質疑
を続行したいのでありますが、
委員長
の御了解をいただいて、本日はこの程度にしておきます。
川野芳滿
82
○
川野委員長
承知しました。 内海清君。
内海清
83
○内海(清)委員 けさほど来いろいろ論議されてきたのでありますが、大臣もいま席をはずしておられるようでありますので、この
法案
の内容につきまして少しお伺いをいたしたいと思います。 この内
航海運
の不振の大きな原因の
一つ
には、確かに
船腹量
の過剰ということがあるのであります。この
改正
案によりますと、新たに
船腹量
の策定が盛られております。第二条の二におきまして、「運輸大臣は、内
航海運業
の用に供する船舶について、運輸省令で定めるところにより、毎年度、海運造船合理化審議会の
意見
をきいて、当該年度以降の五年間について各年度の適正な
船腹量
を運輸省令で定める船種ごとに定めなければならない。」こういうことがいわれておりますし、さらに第二項で、「前項の
船腹量
は、国内における貨物
輸送
の需給事情その他の経済事情を勘案して定めるものとする。」こうあるのであります。この第二項でいいますところの貨物
輸送
、それから経済事情を十分勘案された場合に、現在の内
航海運
におきまする適正な
船腹量
は、一体どのくらいの見込みになるわけでございますか。
高林康一
84
○
高林説明員
一応私どもといたしまして試算しておりますところでは、三十八年度について考えてみますと、大体全体といたしまして二百二十二万
トン
あたりが適正
船腹量
ではなかろうか。現在は全体として二百六十七万
トン
船腹量
がございますけれども、三十八年度の適正
船腹量
としましては二百二十二万
トン
程度ではなかろうかというふうに考えております。
内海清
85
○内海(清)委員 そうすると、三十八年度の場合を考えてみますと、現在二百六十七万
トン
、三十八年度の適正
船腹量
が二百二十二万
トン
といたしますと、四十五万
トン
過剰という形になるわけですね。それについてお尋ねしたいと思いますけれども、
船腹量
の策定は、具体的にどのような基礎といいますか、調査
資料
といいますか、そういうようなものに基づいてされたのか、それをひとつお伺いいたしたい。
高林康一
86
○
高林説明員
現在試算いたしておりますのは、やり方といたしましては、
輸送
需要見通しにつきましては、大体鉱工業生産
指数
というものの姿をとりまして、将来の
輸送
需要のあり方を考える。そのほかに、国民総生産との数というようなことも考えて将来の
輸送
需要を考えていく。その場合に、適正
船腹量
を算定いたします基礎といたしましては、私どもは原単位方式というものを考えているわけであります。この原単位につきましては、従来も
内航
船腹
の運航実績を基礎にいたしまして、運航実績によりまして原単位を実は過去五年間とっておりますが、かなりバラついてはおりますけれども、大体そこに一定の伸びがございます。それらの伸びも勘案いたしまして、この原単位を一応きめて、そして適正
船腹量
をはじくというような操作をやっておりますが、さらに原単位の適正であるかどうかについては、さらに実際の問題といたしまして合理化審議会等にはかって、いろいろまた御検討をお願いいたしたいというふうに考えております。
内海清
87
○内海(清)委員 この適正
船腹量
の算定というものは、いま大体具体的な問題を承ったのでありますが、内
航海運
の問題にとりましては、何か非常に大きな問題になるわけであります。でありますから、この原単位方式で原単位をいかにとるかというふうな点につきましても、これはよほど慎重にやっていただかないと、これによりまして、そのあとにさらに
最高限度
の
船腹量
をきめられますけれども、まずこれが出発でございますから、内
航海運
のいわば死命を制するようなことになると思うのであります。したがって、この点につきましては、今後十分ひとつ縦知を集めて、最も適正なものが出るようにお願いしなければならぬと思っております。 次は、二条の三であります。二条の三におきましては
最高限度
の
船腹量
の設定であります。これは二条の一項で定められた
船腹量
に照しまして「著しく過大になるおそれがあると認めるとき」これが
決定
される。先ほど御答弁のあったとおりでありますが、この「著しく過大」ということです。これは具体的にどういうふうな場合になりますか。
高林康一
88
○
高林説明員
現在検討いたしております段階では、各年度につきまして適正
船腹量
が設定されておるわけでございまして、したがいまして、「著しく過大」といいますのは、その年度百万
トン
と適正
船腹量
がかりにきまっておりますれば、その百万
トン
をこえて、しかも次の年度の適正
船腹量
、かりに百十万
トン
とございますと、それにも何するおそれがあるというようなときには、やはりどうしても
最高限度
を設定する必要があるんではなかろうかというふうに考えております。
内海清
89
○内海(清)委員 「著しく過大」ということになると、たとえば二百万
トン
なら二百万
トン
が適正
船腹量
である、それをどの程度上回っておるか、一割上回っておるのが過大であるか、あるいは一割五分の場合が過大であるか、その辺が非常に問題になる点だと思います。そういう点につきまして、大体の基準がございますか。
高林康一
90
○
高林説明員
現在のところ考えておりますのは、たとえば
昭和
四十年度に二百万
トン
と、こうきまった適正
船腹量
がございます。そして
昭和
四十一年度の適正
船腹量
が二百二十万
トン
、こういうふうに仮定いたします。そういたしました場合に、
昭和
四十年度で登録その他を受け付けておりますと、その二百万
トン
という
昭和
四十年度の適正
船腹量
をこえるというような
状況
になってまいるといった場合におきまして、しかも、こえる量が、次の年度二百二十万
トン
にかりにきまっておりましたら、その二百二十万
トン
に達するようなおそれのありますときには、そのときに
最高限度量
を設定いたしたい。そういうふうにいまのところは考えております。
内海清
91
○内海(清)委員 そうすると、次の年度の適正
船腹量
を基準にして、次の年度の適正
船腹量
以上にはしない。大体その内輪でもってきめていこうということですね。そういたしますと、この年度と次年度の間の
船腹量
の伸びというもの、この差が非常に少ない場合は、過大というこの表現はどういうことになりますか。
高林康一
92
○
高林説明員
差が少ない場合につきましては、やはりこえたその年度のものは、こえましたときにすぐそういうような
最高限度
の設定があり得るかと思います。問題は、そういう場合に五カ年間におきますところの各年度別の適正
船腹量
というものが、どういう幅があったら妥当か、この辺は全体の成長率なり何なりというものを勘案してきめるべきだと思いますが、その幅の定め方になるわけでございます。
内海清
93
○内海(清)委員 そうすると、いまの
お話
によりますと、「著しく過大」という表現が適切かどうかということはちょっと問題だと思う。普通の場合、過大と言えば、これはかなりの数字が常識的には考えられると思うのです。したがって、ただいまの
説明
のようであるならば、「著しく過大」というこの表現はどうかと思いますが、この辺はどうお考えになりますか。
高林康一
94
○
高林説明員
ただいま申しましたように、「著しく過大」という認定の基準といたしましては、いわば次年度の適正
船腹量
というものに達するおそれがあるというようなときを考えるわけでございます。したがいまして、当該年度におきましては、次年度の適正
船腹量
に達するということは、何と申しますか、非常に
船腹
過剰というものが当該年度にすでに出ておる
状況
になっております。したがいまして、これは次年度の適正
船腹量
に到達するような
船腹量
といたしましては、当該年度に比べますれば「著しく過大」であるというふうに私どもは考えておるものでございます。
内海清
95
○内海(清)委員 次年度の
船腹
の伸びがない場合でもですね。たとえば四百万
トン
、これが五万
トン
伸びたという場合、これも四百万
トン
を少しこしたら、それは「著しく過大」、こういう解釈をするつもりですね。
高林康一
96
○
高林説明員
成長率から動向を考えてみますと、おそらく現在のところ、かつての一〇%以上の成長率ということはないといたしましても、やはり実質におきまして六、七%以上の成長率というものが、現在の段階では考えられるわけでございます。したがいまして、そういうような成長率から考えてみますと、
輸送
需要、またそれに対応しますところの適正
船腹量
というものは、やはりある程度のパーセンテージを持ったものになり得るだろうとは考えます。しかしながら、御指摘のように、今後五万
トン
くらいしかというような場合も、経済が非常に順調な成長を遂げないといった場合にはあり得るかと思いますが、いずれにいたしましても、やはりこういつた場合においても、次年度をこえるような
船腹量
が当該年度で出ますことは、決して好ましくないことと考えておるのでございます。
内海清
97
○内海(清)委員 現在の経済の成長の姿をまず頭に持ってこれをお考えになったと思いますが、現状は全く御
意見
のとおりであります。しかし将来におきましては必ずしもそうではないと思います。したがって、この表現が適切であるかどうか別にいたしまして、大体これの考え方というものはわかりましたが、これらにつきましては、「著しく過大」という内容がやはり十分わかりませんと、ただ
法案
を見ただけでは誤解も受けるし、なかなか納得もいきにくい表現ではないかというふうに考えます。 ついでにお尋ねいたしますが、現状ではほとんどの
船主
が過大になっておるのじゃございませんか。現実の問題としてどういうふうになっておりますか。
高林康一
98
○
高林説明員
先ほど総数で三十八年度の姿を見てみますと大体四十万
トン
以上の過剰
船腹
になっておると申し上げたわけでありますが、個別的に見ました場合には、鋼船につきましても、
貨物船
、
輸送
船ともに過剰ではある。それから木船につきましてもやはり過剰になっております。過剰の程度といたしまして非常にはなはだしいのは、鋼船、
輸送
船の場合において過剰の程度がはなはだしいのではないかというふうに考えております。
内海清
99
○内海(清)委員 さらに第二条の三で設定された
最高限度
の
船腹量
をこえる場合に、今度は第六条の二項で登録の拒否を行なうことになっておりますね。この場合に、新
船建造
を行なったが登録を拒否されたということがあり得るわけです。そうすると、
最高限度
の
船腹量
のみによって登録拒否を行なった場合に、
建造
と登録について不均衡が生じてきはせぬかと考えるのでありますが、この点についてはいかがですか。
高林康一
100
○
高林説明員
不均衡と申しますのは……
内海清
101
○内海(清)委員 結局六条の二項で
最高限度
をこえる場合には登録が拒否される、ところが
建造
はやったわけですね。そうすると
建造
をやったが登録されないということで、不均衡ということばはよくないかもしらぬが、
最高限度
の
船腹量
のみで押えて登録を拒否した場合に、
建造
したけれども登録されないで運航できない船ができる、こういうことは考え得るわけですね。
高林康一
102
○
高林説明員
確かにそういうような問題点が生ずる可能性があると思います。したがいまして、私どもは内
航海運業
の登録あるいは変更登録につきましては、これが通った場合におきましては、船舶の
建造
に着手する前に変更登録あるいは
事業
登録というものをしていただくように通達してあります。そこで、事前に
建造
に着手する前にそういうふうにやっていただきました場合におきましては、ただいま先生のおっしゃいましたように、
建造
中あるいは
建造
されました船舶についてそれが使用できない、あるいは登録が拒否されるというような事態はあまりないのではなかろうか。むしろ事前に、
建造
の前に申請していただくことによりまして、また逆にいいますと、
最高限度
の設定もそのことによってどう見るかということが
資料
として出てくるわけでございます。事前にそういうような
措置
をやっていきたいというふうに考えております。
内海清
103
○内海(清)委員 その点が私も考えられるわけで、
建造
したけれども登録は拒否された、したがって運航はできないということになるが、それがあってはならぬと思う。したがって、この問題は
建造
に着手する前にチェックされなければならぬ。そのことは何も法には出ないので、したがって
一つ
の行政指導だと思います。ただそういうふうに指導するということだが、
建造
を願い出た場合に、十分ひとつ
船主
のほうと
調整
できる何かの
方法
が必要ではないかと思いますが、いまこれは何もできてないということですね。ところがこれは全体についてみて登録拒否をされると思うので、そういうことが、
建造
許可を願い出た場合に、その出先の機関ですぐチェックできるかどうか、この辺にも私は問題があると思いますが、実際問題として、その辺はどうですか。
高林康一
104
○
高林説明員
実際問題といたしましては、先生の御指摘のように、非常にいろいろと問題が出てまいるのではないかというふうに考えておりまして、私どもも、この点
法案
の概要をつくりましたときに
海運局
の担当者ともいろいろ連絡をいたしまして、どのように
実施
の確保をはかるかという点を検討したわけであります。この点については、私どもといたしましては、たとえば
建造
の事前の申請ということについては行政指導で可能であろうというふうに考えておると同時に、やはり根本的にはこういうような
制度
が樹立されておる場合におきましては、
海運組合
なり何なりの
組織
を通じましてこういうようなものがあるということをよく周知し、また
海運組合
自身の
調整行為
というものも期待して、そうして行政官庁、
組合
ともに共同して遺憾のないようにこの
実施
をはかってまいりたいというふうに考えておるわけであります。
内海清
105
○内海(清)委員 その点は、
内航
にしても、少ししっかりした大きいものになれば、これはいいと思います。しかし一ぱい
船主
で零細な者がすでにいろいろ準備をして、ある程度投資をして願い出て拒否されるとか、あるいは場合によれば
建造
して拒否されたという場合は、私は問題だと思います。これは社会的な問題も起こしかねないわけですが、そういうことがあってはならぬと思います。でありますから、それらの点については、今後法が施行される場合には万全の
措置
をとってもらいたいということを強く要望しておきたいと思います。小さい造船所で一ぱい
船主
が小さい船をつくってやる場合は、そういうことがないとは限らないと思います。願い出るまでにかなり船はできておるということが実際問題としてはあり得る。したがってそういう点について、もしこの法が出て一隻でもそういうものが出てくれば問題です。この点は、できれば何かの
方法
で事前にチェックできることをお考え願いたいと思います。こういうふうに思うのですが、この点は特別にひとつ万全の
措置
をとってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 それからその次に、これは
法案
の
改正
の部分ではないのですが、先ほど
久保委員
からもお尋ねがございましたが、十六条で標準
運賃
がありますね。多少重複するかもしれませんが、この十六条は、いままでどういうふうに運用されてきたか、もう一度はっきりひとつ御
説明
願いたいと思います。
高林康一
106
○
高林説明員
標準
運賃
の運用につきましては、先ほど申しましたように、二十八年に九
航路
、七
品目
につきまして設定した次第であります。その後これは
昭和
三十三年に若干法の
改正
によるところの
改正
を行ないましたけれども、実質的な
運賃
につきましてはこれを
改正
しないでそのまま今日に至っておるという
状況
でございます。
内海清
107
○内海(清)委員 これは二十八年にきめられて、それをさらに改定がないということですが、この標準
運賃
というものがありながら、いかにこれが有名無実なものであるかということが言えると思います。これは特に内
航海運業
者で強いのは、たとえばいまの
資料
にもあるわけでありますけれども、運搬について考えてみても、
若松
−
阪神
間というものが、標準
運賃
が六百六十円が四百九十円ないし四百七十五円程度である。全く標準
運賃
が標準
運賃
でなくなっているのです。かような意味から申しましてもこれは全く有名無実だ、こう思うのであります。今後これについて標準
運賃
というものがあるのでございますから、この標準の名にふさわしいような
運賃
を
告示
すべきではないか、こう思うのですが、その点はいかにお考えになりますか。
高林康一
108
○
高林説明員
御指摘のとおりと考えております。従来標準
運賃
をこのように事実上あまり採用していなかったということは、やはり
組織率
の問題もございます。また根本的には
船腹
過剰というようなことによりまして、いわばそういうような
運賃
体系というものを
実施
していく
一つ
の環境といいますか、そういうものが非常に整っていなかったというふうに考えられるわけでございます。今後
船腹量
の設定等を通じまして
船腹
についての適切な
調整
をやる、そういうことを基盤にいたしまして、そうしてまた
組合活動
ということを
前提
にいたしまして、適切な妥当な、そしてまた法の適用し得るところの標準
運賃
というものを設定してまいりたい、こういうふうに考えております。
内海清
109
○内海(清)委員 これは先ほど来いろいろ
お話
がございましたように、
組織
の
関係
というものと非常に大きな関連があると思うのであります。しかしこういう
制度
があります以上、これが
告示
されましたら、実際上の
運賃
とあまり差のないようにこれはやはり指導していかなければならぬと思うのでありますが、もし差ができた場合には、これは今後はどういうふうな処置をとられるお考えですか。
高林康一
110
○
高林説明員
現行法の十八条におきまして、この標準
運賃
の設定されておりますところの
航路
、貨物について、この標準
運賃
云々と異なる料金がございました場合におきまして
取引
をしておりまして、そのことが非常に
事業
の健全な発達を阻害するおそれがあると認めますときには、
取引
の是正その他の必要な
措置
をとるべきことを勧告するという規定がございます。これらのことについて実態的によくその実態を考えまして、そうして、場合によりましては必要な勧告等の
措置
を今後はとってまいりたいというふうに考えております。
内海清
111
○内海(清)委員 結局標準
運賃
というものは、この算定の基準というふうなこともまた問題になると思うのです。標準
運賃
をつくってもこれが守られぬということにつきましては、それは
船腹
過剰でありますとかいろいろ問題はあると思いますけれども、その標準
運賃
というものが妥当なものでなければならぬということは言うまでもないことなんです。そういう意味でひとつお尋ねしたいのですけれども、標準
運賃
を算定します基準というふうなものがございましたらひとつ……。
高林康一
112
○
高林説明員
標準
運賃
につきましては、この現行法の十六条の二項に一種の基準というものが書いてございます。「当該運送の特質に従い、能率的な経営の下における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むもの」ということが、一応現行法の考え方です。問題は、その場合におきまして当該運送の特質に従ってどのようにきめるかということであります。やはりその
航路
の貨物あるいは積み揚げの荷役能力あるいはボート・チャージあるいは
航路
の距離というようなこと、さらに船舶につきましては
船型別
、船齢別、船費、航海経費あるいは燃料、これらの組み合わせで具体的な標準
運賃
をきめていくわけでありますが、考え方の基準といたしましては現行法の十六条二項にあるものによってやっていきたいというふうに考えております。
内海清
113
○内海(清)委員 これに関連しまして、
組合法
の八条で言いますところの業者間の
調整
ですね。この業者間の
調整
による
運賃
と標準
運賃
とに、もしはなはだしい差異がある場合は、どういうふうな
措置
をとられますか。
高林康一
114
○
高林説明員
この
組合法
による
調整運賃
と標準
運賃
の問題でございます。この
調整運賃
につきましては、内
航海運業
者の
自主調整
の結果でございます。そういうことでは標準
運賃
と
法律
的には
関係
がないわけでございます。しかしながら
調整運賃
はできるだけ能率的な経営のもとにおきますところの採算
運賃
である標準
運賃
に近づけることが望ましいというふうに考えております。またそのような方向で、
調整運賃
のあり方についていろいろ指導してまいりたいというふうに考えております。
内海清
115
○内海(清)委員 この問題はもちろん
組合
が自主的にこれを
決定
すべきものでありますけれども、やはり標準
運賃
が最も妥当なものであるならば、これはやはり標準
運賃
に近づけるべきである。これがとかく従来過当競争でありますとか、
船腹
の過剰であるとか、いろいろなことで
運賃
の低迷を来たしておる一番大きな原因だと思うのです。でありますから、この指導につきましては、この
組合法
の関連からいたしまして、ひとつ十分運輸当局において指導をされなければならぬと思う。そうでなければ、やはり今後におきましても
内航
の
運賃
問題というものはなかなか改善されていかない。この面がやはり出てくると思いますので、これは十分この
調整
につきましてお考え願いたい、こう思うのです。 それからこの
組合法
によりますと、内
航海運
の秩序というものは業者の自主的な
努力
によって確立するということで、これはまことにけっこうだと思うのです。しかしあくまでも個人的な自由意思にあるために、当然
アウトサイダー
が出てくることもまた考えなければならぬと思うのであります。そのために
運賃
等の適正化が妨げられることになるおそれが今後におきましても十分ある、こう考える。
組合員
以外のものによる、つまり
アウトサイダー
による内
航海運
の混乱をどうしても防いでいかなければ、せっかくこの二法はできましても、また後退するおそれが十分に内蔵されておると思う。それらにつきましてはどういうようにお考えになっておりますか。
高林康一
116
○
高林説明員
現在の
組合
の
組織率
が五〇%以下であるというような
状況
でございます。これはやはり
船腹
過剰というようなことが
一つ
の原因になり、また五百
トン
以下というような現行の
組合法
の資格制限ということも原因になっておると思います。そういうような点で、この内
航海運業
法によるところの
船腹
調整
、それから
小型船海運組合法
の
改正
によりますところの
組合員
資格の拡大、こういうようなことによりまして、先ほど申しましたように、できるだけこの
組合
の加入ということについては促進をはかっていきたいと思います。しかしながら、先生が御指摘のように、そういうような
アウトサイダー
というものが相当存在するということも考えられるわけでございます。その点につきましては、私どもといたしましては、やはりこういうような
制度
の
改正
を通じまして、大部分のものが
組合
に入るということをできるだけ指導してまいると同時に、そういうようなことを基礎にいたしまして、現行法五十九条にございますように、大部分のものが同一の
調整規程
の適用を受けることになった場合におきましては、
事業活動
の
規制
に関するところの命令を
アウトサイダー
に対して命ずるということをやっていきたいということを考えておるものでございます。
内海清
117
○内海(清)委員 いずれにいたしましても、
組合
に、少なくとも内
航海運業
者をできるだけ多く加入せしめる、このことが一番重要なことだと思うのです。そのことによりまして、内
航海運
の秩序もまた生まれてくるのだと思いまして、この法がせっかく成立いたしましたならば、これに対します指導をひとつ十分にやっていただきたい、こういうふうに考えるわけです。
法案
については大体以上のようなことをお尋ねしたいと思いますが、なお次会に少し御質問いたしたいと思うわけでございますが、この際ついでに伺っておきたいと思いますことは、御承知のように、今般外
航船舶
の固定資産税、これは撤廃されるということになったわけです。ところが、内
航海運
についてはなされていないのであります。この点についてどうお考えになるのか。やはり内
航海運
につきましても同様に撤廃されることが最も好ましいのではないか、こう考えるのですが、この点についてひとつ御
意見
を伺いたい。
若狹得治
118
○
若狭政府委員
内
航海運
の固定資産税につきましては、従来この負担が非常に重いということでいろいろ折衝してまいりました。現在は課税標準が船舶価格の二分の一ということになっておるわけでございます。これは他の産業に比べましては一番軽減されている。たとえば
航空機
等のいわば国際的なものにつきましても、現在は、課税標準は三年間三分の一、それから以後まるまる取るというような
状況
になっておるわけでございます。したがいまして、地方自治体の側から言わせますれば、現在は内
航船舶
の固定資産税が最も優遇されておるというような考え方をとっておるわけでございます。われわれとしては、外航の固定資産税については本年度から撤廃するということで
法律改正
をお願いしておるようなことになったわけでございます。
内航
といいましても、必ずしもその地域に固定するものでございませんし、できるだけこれを軽減していただきたいということでいろいろ折衝をいたしたわけでございますけれども、全体の課税の体系の中で、国内にある船舶その他の、たとえば自動車その他のものと比較いたしまして、内
航船舶
だけをさらにこの軽減度を強めるということは非常に困難であるということで実現しなかったわけでございます。しかし、現実問題として、外
航船舶
、内
航船舶
と申しましても、現在
内航
の船舶も相当大型化してまいりまして、外
航船舶
とほとんど同じようなものが就航しているわけでございます。しかも
内航
の経営は非常に苦しい状態でございますので、今後ともこの軽減についてはさらに
努力
を続けてまいりたいと考えているわけでございます。
内海清
119
○内海(清)委員 この問題につきましては先般私も一応質問もいたしましたので、あまり申し上げませんけれども、従来からいえば外航の三倍だ、それが今度ある程度の軽減になったわけであります。少なくとも私どもが考えるのは、これまでの外
航船舶
並みにでも持っていってもらいたい、こういうふうに考えるのです。これは先般もだいぶん論議したところでありますから、十分私の考えについては御了解いただいておると思いますので、この程度でとどめますけれども、これはどうしてもひとつ内
航海運
の育成という今日の
状況
から見れば、この点に意を用いられて、少なくとも従来の外
航船舶
並みには引き下げてもらいたい、このことを強く要望しておきたいと思うのです。これはいままで
海運局
におきましてもずいぶんいろいろ折衝されたようでありますけれども、今日この
内航
の立て直しをやろう、育成強化をやろうという時期でありますので、こういう時期にこういうふうな問題はやはり
一つ
一つ
はずしていかなければ、他の面でやりましてもなかなか思うようにいかないということがございますので、この点運輸省としては何ら遠慮するところなしに、十分主張をしていただいて通していただきたいとお願いいたしたいと思うのであります。 それから次に、先般予算
委員会
で大蔵大臣は、繊維のような不況色の強い産業や、経済の開放によって大きい影響を受ける業種に対しては、納税延期など特別の配慮を講じたい、こういうふうに述べております。ところが私考えるのは、今日の内
航海運
というものは、田中大蔵大臣の言います不況産業にまさに当たっているのではないかという気持ちがいたすのであります。この内
航海運
あるいは中小造船等に対します税制上の特別の
措置
をとられるべきであると私は考えるのでありますが、これらについては税制上特段の配慮をしようという御意思があるかないか、この点をお伺いをしておきたい。
若狹得治
120
○
若狭政府委員
現在のとこ不況産業としての、たとえば税の延納というような問題は、具体的には実は考えておらないわけでございます。そういう問題は今後各省いろいろ検討することと思いますけれども、
内航
の問題につきまして、たとえば原油関税の軽減の問題があるわけでございます。これはわれわれ非常に長い間
努力
してまいっておったわけでございますけれども、漁船につきましては漁業
組合
を通して関税を払わない燃料油を購入することができることになっている、ところが
機帆船
についてはそういうことになっていないということは、非常に不合理なわけでございます。ただ従来の、先ほどから問題になっておりましたような
機帆船
組合
、あるいは
内航
海運組合
、小型船
海運組合
の
組織
の状態から見ますと、いろいろ問題がございますので、われわれとしては今度
法律改正
をしていただきました上は、この
組織率
をできるだけ高めて、
組合
の
統制
力も強化するということによって、今後この関税の問題につきましては漁業と同じような取り扱いをしていただくようにさらに
努力
を続けてまいりたいと考えております。
内海清
121
○内海(清)委員 燃料油の問題については当然であると思うのであります。これは外航と漁船については燃料油の関税免除が行なわれておるわけで、ひとり
内航
に対してはこれが行なわれていないということは、私ははなはだ不合理だと思う。この面についてはもちろんでございます。当然やらるべきでありますけれども、その他の税制の
問題等
につきましても、税制上の特別
措置
を今後講じていくということについて特別なお考えがあったら、できれば具体的に
お話
し願いたいと思います。
若狹得治
122
○
若狭政府委員
不況産業としての特別な取り扱いにつきましては、今後各省とも相談いたしまして、検討してまいりたいと考えております。ただいまのところはまだ具体的な
対策
を持っているわけではございません。
内海清
123
○内海(清)委員 この問題はひとつ今後十分御検討いただきたい。特にいまの燃料油の関税免除につきましては、この法も成立しようといたしておるので、もし成立いたしましたならば、早急にこの問題と取り組んで、これが実現をはかってもらいたい。これを強く要望しておきたいと思う。それから、この問題も先ほど多少触れられたようでありますが、結局陸上
運賃
との問題、これ全体につきましては、私はできれば大臣にお伺いして論議したいと思うのでありますけれども、海上
運賃
と陸上
運賃
の問題、これは国全体の
輸送
秩序というものがまず確立されないとなかなかむずかしい問題だと思うのです。今日の
状況
ではむずかしい問題だと思いますけれども、貨物の面におきましては、
国鉄
貨物
運賃
との問題がある。
国鉄
におきましては遠距離逓減あるいは特別割引というような特別
措置
がとられておるわけであります。これが内
航海運
には強く影響をいたしておるわけであります。この
国鉄
運賃
との間におきまして、
運賃
の
調整
ができなければならぬと思う。
国鉄
の特別
運賃
に対する特別
措置
というふうなものについて、国の責任において、
国鉄
に対しまして
調整
されなければならぬ問題だと思うのです。これらにつきましてどうお考えになっておるか、その点もう一度お伺いいたします。
若狹得治
124
○
若狭政府委員
今後の国内物資の
輸送
につきましては、現在運輸省におきまして長期の計画を策定いたしておる最中でございます。大体におきまして国内物資の今後の
輸送
の伸び率というものを見てまいりますと、内
航海運
というものは非常に大きなウエートを占めておるわけでございます。
トン
キロにいたしまして大体半数近くのものを内
航海運
で
輸送
するというような考え方でおるわけでございます。御承知のように
国鉄
の貨物
輸送
というものは限界に達しつつあり、今後大きな伸びを期待することはできないような状態でございます。これは数字的にはそういうことでございますけれども、現実の問題としてはなかなか
鉄道
の貨物の海送転移というものは実現しにくいという
状況
でございます。これはいま御指摘の
運賃
問題があるからでございます。したがいまして、われわれは、国民経済上、どういう
輸送
機関によって国内物資の
輸送
をはかるのが最も合理的であるかというような観点から見ますと、どうしても内
航海運
に依存せざるを得ないわけでございますので、そのためには、やはり
運賃
体系全体というもの、海陸を総合した
運賃
体系というものまで検討してまいりませんと、われわれの長期計画はできないわけでございますので、そういう面から、
国鉄
の現在の
運賃
問題についても、さらに検討していただくようにお願いしておるわけでございます。
内海清
125
○内海(清)委員 この問題はいま
お話
しのように、国全体の
運賃
体系、さらにその前に国全体の
輸送
体系、こういうものが確立してこなければなかなか解決せぬと思う。しかしこれは運輸省の立場からいえば、これ全体の
調整
ができる立場にあるのであります。今日までほとんどこういう問題はなおざりにされておったのではないかと思うのですけれども、今日の情勢から考えれば、これは早急に手をつけなければならぬ。ただ単に内
航海運
の育成強化ということで
法案
をつくってみても、他の面からこれがどんどんくずされてくるということでは相ならぬと思うのであります。この問題は今後のわが国の産業経済の発達の過程から見ましても、特に産業面からいいますれば、
輸送
運賃
ということは非常に大きな要素なんです。これから考えましても、これは早急に手をつけられなければならぬと思うのでございます。この点についての次官のお考えをひとつ承りたいと思います。
田邉國男
126
○田邉
政府
委員 御指摘のとおり、私らもこの海上
輸送
の必要性は十分承知いたしております。現在
国鉄
の陸上
輸送
の問題につきましても、すでに限界にきておる。しかも海上
輸送
すべきものが陸上
輸送
をされておる面もあるわけでありまして、しかも片方におきまして、
国鉄
の
運賃
については遠距離逓減の
問題等
がございまして、それに関連して海上
輸送
の
運賃
が押えられている
関係
は十分わかるわけであります。こういう点につきましては、ただいま局長からも答弁がございましたように、私ども真剣にこの問題を解決することが、日本の内
航海運
の進展に重大な影響があることだと十分認識をいたしておりますので、これはこの際同じ運輸省の中の問題でもございますし、ひとつ前向きの姿で解決していきたい、かように考えております。
内海清
127
○内海(清)委員 ただいまの問題は非常に根本的な問題だと思う。早急にひとつ前向きでこれと取り組んでいただきたいと強く要望いたしたいと思います。 もう時間が来たからいま
一つ
お尋ねしてきょうはやめたいと思います。
運賃
につきまして、従来は貨物の引き渡しと同時に
運賃
支払いが大体終了するのが内
航海運
の
運賃
支払いの原則になっておる。ところが、最近の傾向は、特に大
企業
においては
運賃
の支払いが非常におくれておる。さらに手形というふうなものにかわったりしてきておるのであります。そのために、中小
船主
というものは経営の困難にさえ直面しておるというのが実情だと思うのですが、こういう事態を
政府
はどういうふうに考えておられるか。さらに、これについてはどういうふうな行政指導が行なわれつつあるか、その点ひとつお伺いいたしたいと思います。
若狹得治
128
○
若狭政府委員
いま御指摘の、
運賃
の手形払いの問題でございますけれども、現在約二一%のものがわれわれの調査では手形払いになっておるというような
状況
でございます。これも三カ月以内が半数でございますけれども、五カ月程度のものも約四〇%というような実情であります。そもそも
運賃
は現金払いというのが商法の原則でございます。それが実行できないということは、結局はやはり内
航海運業
者の
組織力
が弱くて、先ほども
久保
先生から御指摘がございましたけれども、従属的な立場にあるためにこういうような現象があらわれてくるわけでございます。われわれといたしましては、やはりこの
法律
によりまして、
組織力
を強め、
組合
の
統制
力を強めることによって、こういう傾向を是正してまいりたいと考えておるわけでございます。
内海清
129
○内海(清)委員 結局は
組織力
の強弱によりましょうが、しかし、この
法案
が通過いたしましても、これで
組織
を強化するのにはかなり時間がかかるわけです。それまで待ちにくいというのがいまの内
航海運
の現状だと思います。したがって、それまでは、内
航海運
の振興をはかろうとするならば、何か運輸当局その他
政府
におきまして、強力な行政指導があってしかるべきだ、こう思います。その点についてはいかがですか。
若狹得治
130
○
若狭政府委員
運賃
の手形払いについては、不況期にはいつも出てくる問題でございまして、その
機会
ごとにわれわれは注意を喚起いたしておるわけでございますけれども、実際問題としては、金融が逼迫いたしておりますと、こういうふうな現象が相当多数出てくることは、なかなかわれわれの力だけでは、われわれの監督だけではとうてい防ぎ得ないような状態でございます。どうしてもやはり
組合員
自体、業者自体の結束によってこういうものを防止するという
方法
以外、方策がないのではないかと考えているわけでございます。したがいまして、多少時間はかかりましても、
組合
の結束力自体を強化することがこういう問題をなくす唯一の道ではないかというようにわれわれは考えているのであります。
内海清
131
○内海(清)委員 運輸省としてはそういう立場かもしれませんが、これは大
企業
が多いので、やはり通産省あたりと密接な連携のもとに行政指導をするというようなことは、いままでやられたことがありますか。
若狹得治
132
○
若狭政府委員
たしか
昭和
二十九年ころであったかと思いますけれども、通産省と協力いたしましてそういう指導をしたことがございます。ただ、なかなか
効果
が上がらないという事情であったかと思いますけれども、今後ともできるだけの
措置
は講じてまいりたいと考えております。
内海清
133
○内海(清)委員 二十八年に行なわれて、今日これほど内
航海運
が不況になっておるのに、さらにそういう
措置
をしておらぬということは、はなはだ遺憾だと思っている。それによって抜本的な何はできぬかもしれませんけれども、少しでも前進することが考えられるではないか、こう思うのです。そういう行政指導を行われれば、内
航海運業
者もやはりその線によって強く要請もできるわけです。ただ運輸省の
一つ
のからにこもらないで、こういう問題は国全体の
施策
として
措置
してもらわなければならぬと思います。この点を強く要望しておきまして、本日はこれで終わります。
川野芳滿
134
○
川野委員長
次会は来たる七日火曜日午前十時より
委員会
を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五分散会