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1964-03-04 第46回国会 衆議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月四日(水曜日)    午前十時二十二分開議   出席委員    委員長 川野 芳滿君    理事 有田 喜一君 理事 關谷 勝利君    理事 塚原 俊郎君 理事 西村 直己君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       仮谷 忠男君    佐々木義武君       進藤 一馬君    壽原 正一君       高橋清一郎君    高橋 禎一君       渡海元三郎君    登坂重次郎君       中馬 辰猪君    長谷川 峻君       細田 吉藏君    増田甲子七君       粟山  秀君    勝澤 芳雄君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君  出席政府委員         運輸政務次官  田邉 國男君         運輸事務官         (自動車局長) 木村 睦男君         運輸事務官         (航空局長)  栃内 一彦君  委員外出席者         通商産業事務官         (重工業局自動         車課長)    成田 寿治君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 三月四日  委員木村俊夫君、田中彰治君、南條徳男君及び  西村英一辞任につき、その補欠として登坂重  次郎君、仮谷忠男君、粟山秀君及び渡海元三郎  君が議長指名委員に選任された。 同日  委員仮谷忠男君、渡海元三郎君、登坂重次郎君  及び粟山秀辞任につき、その補欠として田中  彰治君、西村英一君、木村俊夫君及び南條徳男  君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣  提出第六五号)  陸運に関する件(自動車行政に関する問題)  航空に関する件(空港の管理に関する問題)      ————◇—————
  2. 川野芳滿

    川野委員長 これより会議を開きます。  道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案に対して他に質疑はありませんか。——質疑がありませんので、本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  3. 川野芳滿

    川野委員長 これより本案に対する討論に入りたいと存じますが、別に討論の申し込みもありませんので、直ちに採決いたします。  本案原案のとおり可決すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立
  4. 川野芳滿

    川野委員長 起立多数。よって、本案原案のとおり可決すべきものと決しました。  ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 川野芳滿

    川野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————
  6. 川野芳滿

    川野委員長 次に、陸運に関する件及び航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、これを許します。
  7. 久保三郎

    久保委員 その前に、説明の要求を一つだけ緊急にしておきたいのですが、港湾労働等審議会答申がきのう政府に提出されたので、きょうこの委員会の終わるまでに本委員会にもその答申を報告してほしいと思います。
  8. 川野芳滿

    川野委員長 承知しました。  肥田次郎君。
  9. 肥田次郎

    肥田委員 私は、航空法関係で若干質問したいのであります。これは正直申し上げましてよくわからぬ点がたくさんありますので、その点を教えていただく意味で御答弁をいただきたいと思うのであります。  先般予算委員会におきまして、外国軍用機日本着陸をしたという問題で質疑がなされておったのであります。  そこで私がお聞きしたいのは、まず日本の領土に外国機着陸する場合、これは航空法では第百二十六条の第一項と第二項に規定する範囲しかないのでありまして、その際運輸大臣許可を要するということになっておるのでありますが、この許可範囲について聞きたいのであります。許可をするという前提に立つならば、これは問題ないのでありますが、許可ができなかった場合、いわゆる着陸を拒否するような場合には一体どうなるのか。それからそういう際の連絡者は、一体だれからだれに経路をとって、そのような処置を講ずることになるのか、その点についてまずお聞きしたいと思います。
  10. 栃内一彦

    栃内政府委員 外国軍用機本邦入国に際しましては、申請は在外公館から外務省にまいりまして、外務省から私のほうに協議があるわけでございます。私のほうで許可または不許可を決定する、あるいは外務省自体の御判断で、これは許可したほうがいいのか、不許可にしたほうがいいのかというようなことも実際問題としていろいろあると思いますが、いずれにしましても、許可あるいは不許可ということにきまりますれば、外務省を通じまして、在外公館を通じて本国政府にこちらの意思が流れる。こういうことになっております。
  11. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、一つ事例を想定して聞きたいのですが、たとえば定期航空以外に日本外国機着陸するという場合には、事前外務省を通じてすべてやっている、こういうことになりますか。
  12. 栃内一彦

    栃内政府委員 軍用機あるいは国有機につきましては、すべて外務省を通じまして外交チャネルでもって当該本国に通知をしておる、こういうことになっております。
  13. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、これもはっきり事例で聞きたいのですが、外国飛行機が、先般の委員会における質問のように、ああいう場合——ああいう場合と言うとこの委員会ではおわかりにならないと思うのですが、そういう外国軍用機日本着陸を求めてきた、あの場合には、どのような手続をもってやっておられましたか。
  14. 栃内一彦

    栃内政府委員 やはり外交チャネルを通じて外務省のほうから連絡がございまして、そしてその逆な経路でもってベトナムのほうに外務省のほうから、おそらく東京在外公館を通じると思いますが、連絡をする、こういうことで処理しております。
  15. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、その場合には直接の責任者運輸大臣航空局長ということになりますか。
  16. 栃内一彦

    栃内政府委員 直接の責任運輸大臣でございますが、異例なものを除きましては、航空局長に内部委任されております。
  17. 肥田次郎

    肥田委員 先日の続きを私は聞くわけではないのですが、関係がありますから、ちょっと伺っておきたいのは、先日空港長外国軍用機着陸したということを知らなかったという答弁があったように思います。これはまだ議事録が出ませんから、そういうふうな答弁があったと思うのですが、そうすると空港長は、航空局長から着陸をさせてもよろしいという関係で、今度は空港長が執行するということになるのですが、空港長はそれは知らなかったのですか。あるいはそれがはっきりわからなかったというのですか。いつ幾日着陸したということについてはいま答弁ができないというふうになるのですか。あの場合はどうなりますか。
  18. 栃内一彦

    栃内政府委員 空港長関係もございますが、御理解をいただくためにもう少し関連する方面をもつけ加えて御説明したいと思います。  外務省在外公館を通じて本国政府にこちらの許可意思が伝わりますと、一方航空局としましては、航空交通管制本部あるいは当該飛行機着陸する空港には連絡をいたします。この連絡普通電話あるいはテレタイプ等によって管制上遺憾のないように、すなわち一番重要なことは、日本に入る場合に管制機関がこれを知らないということではいろいろな混乱が起きます。したがって一応知らせます。そして入ってくる軍用機のほうからは、日本に近づいた場合に管制本部にコンタクトをする。そうすると、こちらからあらかじめこういう飛行機が何月何日何時ごろ来るということでいっておりますから、なるほどこれが来たのだなということで了解をして、適当な管制を行なう。そして日本に入ってから、たとえば羽田におりるなら今度は適当な時点でもって羽田タワーに流す。そうすると羽田タワーはやはりそういう飛行機が来ることを予想しておりますから、来たなということで、さらにセンターから管制を受け取って着陸をさせる。着陸したならば、飛行機をどこに着けるかというようなことはあらかじめやはり考えておかなければなりませんので、情報が入っておりますから、あれが来たなということで適当なパークする場所を指定する。それから外国軍用機でありましても、通常着陸料を取ることになっております。したがって、着陸料を徴収するという手続をやる。これも日常の事務としてやるわけでございます。  そういうような関係でございますから、東京国際空港におきましては、主としてそういう三つ仕事が行なわれるわけでございます。これはいわばルーティンワークというふうに一応言えると思います。したがって、空港長としてはこれを知る立場にはございます。ただすべての飛行機のそういうルーティンワークを全部常に知っておるかどうかということは、事実問題として可能な場合もございましょうし、不可能な場合もあるということでございます。これはいわばいろいろな窓口の現場事務につきまして、どこまでそこの責任者が平素知っておるかどうかという一種の能力の限界という点もあると思いますので、ああいう際に、自分の持っておる資料には出ておらないというような答弁をしたように私は記憶しておりますが、もちろん一日に何百機というものが往来しておる事実はあるにしましても、特別なケースである、めったにないような航空機につきましては、もう少し注意を払っていくことが私は適切だと思います。したがって、その注意の払い方が不十分であったという点は私も率直に認め、私の監督が不十分であったという点はおわびいたしますし、また本人にも十分注意いたしまして、一日何百機という飛行機の往来を全部いつでも言えるようにしておくことは、それはできないかもしれぬけれども、特殊のものについてはよく注意をして、今後ああいうことのないように努力するようにということで、私から注意を与えまして、本人もまことに申しわけなかったというふうに言っておりますので、自今は特殊の問題についてはいつでもお答えできるような体制になる、かように考えております。
  19. 肥田次郎

    肥田委員 それからもう一つ聞きたいのは、大臣許可するかしないかというような特殊な外国機の場合には、これは外務省を通じて事前処置を講じられておるということになっておるので、それで許可、不許可という関係は解決できると思うのですが、許可をしないのにやってきて着陸を求めるというようなことがありますか。これも一つの想定なんですが、たとえば軍用機のようなものが来た場合にはどうするか。これは許可、不許可とは別な問題として、そういうことがあった場合に、運輸省航空局としてはこれをどのような扱いをするのかということが一つ。  それから先ほどの関係はよくわかりましたが、たとえば空港記録されないで着陸する場合がありますか。着陸料を取ればいやがおうでも記録に載りますが、たとえばそうでない、外国機着陸料も取らないでとにかく着陸をしたというような場合に、これは記録に載らないままに着陸を実際に認めるというような場合に立ち至ることがあるかどうか。そういう関係について、これはあと航空法上のことで少し聞きたいので、そういうような場合があるかどうか、あった場合にはどうするのかというようなことをひとつお聞かせを願いたいと思います。
  20. 栃内一彦

    栃内政府委員 許可なしに日本外国軍用機着陸したという事例は私は聞いておりませんし、おそらくそういうことはなかったと思います。  それから考え得る問題といたしまして、たとえば飛行機が天候あるいは機体関係で非常な異常状態になったというような場合に、あらかじめ連絡してなくても着陸を求めてくるというようなことば、あるいは今後起こり得るかとも思います。そういう場合にも、もちろんこれは異常事態でございますから、実際問題として着陸を許すということにはなると思いますが、事後の措置は完全にしなければならない。その場合に手続していないから、助けてくれといってもおろさぬというわけにはまいらない、私はかように考えております。
  21. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、許可というのは、これはいわゆる第二次的なもので、どんな場合でも拒否をすることはまずないということになりますか。
  22. 栃内一彦

    栃内政府委員 いままで拒否したかどうかという点につきまして、私はこれもいままではなかったように思いますが、もちろん出せば必ず許可になるということではございません。たとえば非常に大型の飛行機が小さい飛行場へ着くというような場合等を考えますと、それはいかぬと言うようなことは当然あり得ると思います。
  23. 肥田次郎

    肥田委員 少し私の質問もぼけていたように思いますが、そういうことじゃないのです。もっと別な意味で、たとえば許可、不許可関係は、これは事前に処理できると思います。外国機日本に来る場合ですから、いきなり飛んできて、そして着陸さしてくれというようなことがない限り、これは外務省を通じてくる、ほとんどこういうことになると思うのです。これはいいのです。ところが、実際にいままであったかないかということば別にいたしまして、要するにこれはやはり一つの具体的な事例ということになると、先般の予算委員会で話が出ておったような、いわゆる南ベトナムの軍用機日本着陸をしたということについてこれを一体どう扱うのかというような問題ですね。そういう場合には、結局その責任所管というものは運輸大臣あるいは航空局長以外の手になるのかということを聞きたいわけです。たとえば軍用機強行着陸をしたい、そういう処置に出た場合、これは航空局長あるいは空港長というものが着陸を認める、認めぬにかかわらず着陸されてしまった、そうするとあと処置はこれはもう運輸省関係じゃないわけですね。そういうことがあった場合に、航空局長運輸大臣というものは、そういう場合にはもうすぐそれぞれ所管の手に移ってしまう、こういうことになるだろうと思う。それでそういう理解でよろしいかどうかということです。
  24. 栃内一彦

    栃内政府委員 許可を受けないで日本領空外国軍用機が入ってくる、これは、先ほど申しましたように、燃料なり何なりが足りないというような場合は別の見地が出ると思いますけれども、燃料は十分持っておる、機体もどこも悪くない、しかし外務省を通じて日本政府許可を得ないで入ってくるということになりますれば、これはむしろ領空侵犯とかそちらのほうの性質の問題でございまして、しかも向こうが実力で入ってくるというようなことになりますと、これはちょっと航空局長の手には負えないような問題である、むしろ防衛庁なりそちらのほうの問題になるのじゃないか、こういうふうに私は考えます。
  25. 肥田次郎

    肥田委員 なるのじゃないかと思うということではなしに、そうなるのでしょう。そう理解をしないと、いわゆる航空局長というものがそのような際にどう処置するかという問題が出てくる。私が聞きたいのは、航空法というものは、まあごくノーマルな平常の民間輸送という立場でこの法文というものはできておると思うのです。ですから、そういう特異な事態の場合には、航空局長あるいは運輸大臣権限外だ、こういうふうに理解しなければ、この法文では非常ないわゆる不測の面ができてくる、こう考えたので聞いているわけです。
  26. 栃内一彦

    栃内政府委員 私の答弁が少し歯切れが悪かったようで、航空局長の手には負えないということを申し上げたのでございますけれども、防衛庁所管思います。(「それは外務省だよ」と呼ぶ者あり)あるいは外務省関係かもしれませんが、いずれにしても他省の管轄のものでございますので、はっきり申し上げてもよかったのでございますが、他省所管の問題にわたるものですから、ややえんきょくな表現を用いたのであります。さらに突っ込まれれば、さようでございますと申し上げます。
  27. 肥田次郎

    肥田委員 それからもう一つ、そうすると、空港長というのはあくまで受動的な、命令されたといいますか、その任務を執行するだけ、こういうことになるわけですね。
  28. 栃内一彦

    栃内政府委員 先ほど申しましたように、外国軍用機羽田に着く場合、空港長として最も重要なことは保安の問題だと思います。要するに飛行機が安全に——その飛行機だけではなく、ほかの飛行機にも迷惑をかけない、その飛行機も安全に着く、これが一番重要なことだと思います。その次に、空港長が重要なことは、軍用機をそれじゃどこへパークさせるか、たとえば定期民間航空便の運航にじゃまになるようなところには、なるべく着けない。いわば軍用機で特殊な場合に来たのですから、民航を阻害しないようなところにパークさせる、この判断が第二。それから取るべき着陸料はきちんと規則に従って取る。この三つ仕事が一番重要である。次には特殊の軍用機であるから、やはりそういうものが来たということは気をつけておくということ、そしてたとえば、こういうことであったということを記録に残すなり、そういう配慮があればさらに満点である。現在までのところ、最後の点に少し欠くるところがあるというふうに考えます。したがって私からも注意をいたしまして、今後は十分その点も配慮するように申しましたが、しかし一番重要なことは、私はやはり現場における保安上のこと、他の民間機に迷惑をかけないこと、金をきちっと取り上げること、こういうことが一番重要である、かように考えます。
  29. 肥田次郎

    肥田委員 それからもう一つ、これは航空局長に参考のために聞いておきたいのですが、法というものは、これはもちろん専門家じゃありませんから、ただ一般は法の解釈というものを二つに考えて議論をするのです。それは、法文に書いてある以外のことをしてはいけないという解釈と、それからいわゆるしてはいけないことを法文には書いてあるのだ、こういう議論をよくするのですが、そういうことから法文を読んだだけじゃ実際にわからない場合がある。法文が作成されたときにはそれらの関係についてはいろいろと記録にはあるけれども、でき上がったところの法文にはそれはありませんから、そうすると、いま言ったような関係の場合にどうするのかということを感じたわけで、そこでそういうようなことについて——そういうようなと言ったらなんですが、たとえば、いわゆる外国機強行着陸した場合には、これはそのときの臨機の処置としていろいろやるという、こういうことにならざるを得ないということ、そういうものを法文上に明らかにしておく必要はないか。たとえば軍用機着陸した場合には、これは所管防衛庁なら防衛庁外務省なら外務省に移す、そういうことを法文上に明らかにしておく必要はないか。そうすると、先ほどのような空港長任務というものは、明文に従って任務を執行する、こういうことになれば、いわゆる記録をしておったかおらないかというようなことが問題になることはない、こういうふうに考えるのです。それは法文でなければ、それぞれいわゆる空港長なら空港長職務分掌の細則にそれを明らかにしておく、こういうような必要があるとお思いになりますか、必要はないとお思いになりますか。
  30. 栃内一彦

    栃内政府委員 先ほど申しました、空港長羽田におきまして飛行機の離発着について、いろいろな管制なりあるいはエプロンの指定というようなことで外国軍用機を見ておりますので、特にそういう、たとえば着陸料を取った書類というものを見れば明らかにそういう飛行機が来たということは現在でもわかるようになっております。ただその場合に、着陸料を取る、取りはぐれないようにということに注意が向きますと、取っておれば、もう取っておるということで、よかったということになりますし、特殊の国の特殊の軍用機が来たということに着目してその帳面を見るということになると、どこの軍用機が何月何日に来たということがはっきりするということでございますので、先ほど申しましたように、今後はそういう特殊の飛行機については十分気をつけておくようにということを申しまして、本人もまことに申しわけなかったと申しておりますので、今後は的確に把握できる、かように考えております。
  31. 肥田次郎

    肥田委員 私はそういう、そのこと自体のあれを聞いているわけじゃないのです。私が聞きたいのは、いまのような局長の話ですと、たとえば今度新しく任命された空港長に、また局長は同じことを言わなければならないのです。通達でされたわけじゃないと思いますしね。ただ口頭で、いかぬじゃないか、こういうふうにやりなさい、こういうふうに言われただけで、それじゃ次の空港長にまた同じことを言わなければならない。また航空局長が栄進をされて、次の航空局長がこの問題は関係なしにおられたというような場合には、同じことを繰り返すわけです。ですから、そういう面についてのいわゆる職務分掌といいますか、というようなものを明らかに、ちゃんと記録に残るような方法を講じられる必要はないか、こういうことを聞いたわけです。
  32. 栃内一彦

    栃内政府委員 確かにおっしゃるとおりでございまして、私がかわりましても、あるいは空港長がかわりましても、御心配のような点が出るおそれがございますので、そういうおそれのないようなきちんとした措置を講じたいと思います。
  33. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 関連してちょっと。——飛行機からビラをまいて、自動車にひかれたという事件が先日新聞に報道されております。これについて警視庁のほうといろいろお打ち合わせをして、こういうビラまきというものはやめるとかというようなことが報道されておりましたけれども、これは航空法を見ますと、何か届け出でできるというようになっているのですけれども、根本的にはやはり航空法そのものを改正すべき段階にきておる、こういうふうにも私は思うのですが、その点いかがでしょう。
  34. 栃内一彦

    栃内政府委員 ビラまきの件につきましては、いま先生のおっしゃいますように、警視庁と相談いたしまして、東京都管下につきましては三月一日から実施をいたしておりますし、地方につきましては、さっそく私のほうの出先の事務所連絡いたしまして、その事務所と密接な関係のある公共団体あるいは警察と連絡をとって、東京都でとったと同じような措置をとるように通達いたしました。したがって、東京よりは若干おくれると思いますが、全国的に逐次制限されると思います。それからいまおっしゃいましたように、現在の法律では届け出になっておりますので、現在といたしましては不適当なものは届け出の受理をしないということで、禁止すると同じような実際上の効果をあげようということでやっております。  それからこれが比較的容易に行なわれるであろうということは、航空会社はもちろん非常に乱立したじゃないかという御批判はございますけれども、何と申しましても、全国的に見てそれほど数が多くないわけでございますので、航空会社自体にも徹底させるということが、ほかの業界よりもおそらく用意ではないかというふうに考えます。したがって、現在の法律運用につきましても私は可能である、しかも急いで適切の措置をとるためには、法律弾力的運用ということも本来の法律の趣旨に合うという判断のもとに、届け出という法律のまま実際上は実施に踏み切ったわけでございますが、これを許可制にする、法律法文を改めるほうがよりすっきりするという御意見、ごもっともと私も考えます。ただ、いまの法律運用によって所期の目的が達せられたにかかわらず、法律の文言だけをこの部分だけ改正するということは、また別の意味で行き過ぎな点もあると思いますので、適当な法律の改正の機会に考える必要はあろう、かように考えます。
  35. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 自動車局長が見えているようですが、自動車なんかでよくビラまきとか風船配りをやっている。われわれが選挙をやっているときに、マイクであいさつをして通ると、風船でももらえるかと思って子供がみな出てくるのです。ああいう自動車からビラまき風船を配ることはいかがでしょうか。ああいうこともこのごろの交通事情からいいまして、ある程度の規制といいますか、何か考慮すべき段階に来ているんじゃないか、こう思うのですが、その点いかがでしょう。
  36. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 道路上で自動車から宣伝物をまくとかそういった問題は、道路交通安全上の問題で、道路交通法上の問題でございますので、ちょっと私その点の詳しい規制については、担当じゃないものですから申しかねます。
  37. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それでは別のところで聞くことにいたしまして、そういたしますと航空法の上からいって物件を投下してはいけない、こうなっておる。投下するときには届け出ればよろしい、当分届け出は受け付けないのだ、こういう形で規制をして、実際上は飛行機からビラまきというものは禁止と同じような状態に置く、こういうことなんですね。——わかりました。
  38. 川野芳滿

    川野委員長 泊谷裕夫君。
  39. 泊谷裕夫

    泊谷委員 現在都民生活の最大の悩みというと、慢性化している交通麻痺じゃないかと思うのです。そこで、その一つは、朝夕のラッシュ時の通勤難、通学難、そしてまたその一つは路面交通の渋滞であると思うのでありますが、通勤地獄の国鉄についての問題は、先日の当委員会で事故防止対策に関する小委員会が設置されましたので、そこで本格的に検討さしていただくといたしまして、きょうは路面交通の特に自動車の混雑、しかも動脈硬化になっております問題についてお尋ねしたいと思うのです。  そこで端的にお尋ねをしてまいりますので、お答えをいただきたいと思いますが、まず最初に、昨年の東京都内の自動車の両数と、これが全国的な自動車保有量との指数、どの程度になるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。
  40. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 昨年の十二月末の数字でございますが、東京都におきます自動車の総数は、東京都内は九十二万五千両でございまして、全国では五百七十二万両でございますので、二割弱ということでございます。
  41. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次に、交差点の横断信号の一サイクルは八十秒と聞いているわけですが、これが大体三サイクルに押えられますと交通渋滞と称されておるそうであります。そこで、昨年の渋滞実績とそれから十サイクル以上、二十サイクル以上、これがどの程度あったか、もし資料があればお知らせをいただきたいと思いますし、なおかりに二十サイクル以上待ったという場合、車両列はどの程度の長さを示しておるか、これもあわせてお知らせをいただきたいと思います。
  42. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 道路交通上の問題は実は公安委員会所管でございます。いま御質問の点も非常に専門的な問題でございまして、公安委員会の当事者からお答え申し上げるべきだと思います。私どもその点所管ではございませんから、ちょっとお答えできないのであります。
  43. 泊谷裕夫

    泊谷委員 公安担当の皆さんがお見えにならないようでありますから、後ほどまた聞かしていただくことにいたしまして、最近道路は車両で完全に埋まりまして、全くその機能を停止しておるということが散見されるわけでありますが、勢いその車両列は裏通りを流れる。しかも一般商店街で道幅六メートル程度のところを大きく流れておる様相を示しておるのであります。こうなりますと、一般買い物客が落ちついて買い物ができないことはもちろんでありますけれども、商店街の商行為も大きく支障を来たしておるのではないかと思うのです。私の聞いた範囲で、都内千百商店街のうち約八〇%がこういう事情で日常商行為ができない、大きな被害を受けておるということでありますけれども、大要に誤りがあるかどうかお知らせいただきたいと思います。
  44. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 その点も実は道路交通取り締まり関係の公安委員会関係でございますが、確かに私のほうから見ましても、道路上の車のはんらんということは最近特に著しくなっておりまして、そういった現象が随所にあらわれておることは事実であります。詳しいことは公安委員会からお聞き願いたいと思います。
  45. 泊谷裕夫

    泊谷委員 どうも関係する役所が多くて、ぴったりしないのですけれども、自動車局長のほうでもやはり自動車関係する問題としておおよそのところはお答えいただきたいものだと思うのです。特に私として気になり、注目すべきことは、人口の都市集中の問題でありますけれども、いまの政府になりましてから、経済政策の影響でありましょう、農村の人口がどうしても都市に集中してくるという傾向を示しておるわけであります。東京都内でも毎年三十万程度の人がふえておるというふうに聞いております。あわててこれらの人々の居住の団地を造成する、こういう場合に自動車、言いかえますと交通政策との関連をどういうふうにされておるのか。もとよりこの根本的打開策としては、人口の東京集中防止、交通政策と首都圏の建設政策の有機的な組み合わせが必要だと思うのでありますが、これに関して運輸省がどういう方針を持っておるか、明らかにしてほしいと思います。
  46. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 人口の都市集中の傾向に対処いたしまして、各所にできます団地等における輸送対策でございますが、首都を例にとりますと、首都圏整備委員会というものが中心になりましてそういう立地計画等を立てるわけであります。そういう場合に、同時に交通対策というものも加味して計画いたすことにいたしております。なお現実には、たとえばバス路線等につきましては、できました団地についてのバスの輸送系統その他を団地造成あるいは団地建設の主管省と協議しながら進めていく、こういうふうにいたしまして交通の便益をそういった団地方面にも拡充していくという方向でやっておるわけであります。
  47. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまの問題についてもう一度お尋ねをしたいのですが、これは直接車両とは関係なしに、国鉄をながめてみた場合、いまの中央線の乗降率が、乗りが三二〇ないし三六〇の指数を示している。これは中央線に矢つぎばやに団地が増設されて、そのあとをあわてて国鉄が追って走っておるという現象を呈しておるわけです。ですから、いまお尋ねしたのは、そのできた団地のあと追いではなくて、いま申し上げました団地造成と交通政策というものはあらかじめ事前に有機的な結びつきを持って検討を加えられなければならぬと思いますが、その部分について、運輸省としてどういう方策があるかということについて、もう二度お答えをいただきたいと思います。
  48. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 私の所管自動車関係だけでありますから、国鉄輸送力等の関係につきましては、他の適当な所管局長から答弁していただくことが適当かと思います。
  49. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは自動車局長を中心にお尋ねすることにいたしますが、これも厳格に言うと通産省になりますが、昨年ないしは一昨年でけっこうでありますけれども、自動車の生産量はどのくらいで、そして昭和四十二年にはどのくらいになる見込みであるか、この点についてお知らせをいただきたいと思います。
  50. 成田寿治

    ○成田説明員 通産省でございますが、自動車の三十七年度の生産台数は、乗用車とバス、トラック合わせまして百三万台でございます。それから三十八年度はまだ出ておりませんが、大体乗用車、トラック、バス合わせまして四輪車系として百三十万台になるのではなかろうかというふうに考えております。それから今後どうなるかというのは、これは非常にめんどうな問題で、まだはっきりした見通しがないのでありますが、来年は大体乗用車が三割弱、トラックが二割くらい、このくらいで三十九年度の生産水準に達するのではない、だろうかというふうに見ております。  それから四十年度あるいは四十二年度につきましてはまだ検討中でございますが、大体今後五年間くらいの傾向としましては、乗用車は二割ないし三割くらい、トラックは二割弱という増加率で、これは景気変動その他によりまして非常に変動が多いのでありますが、長いトレンドとしましてはそのくらいで伸びていくのではないかというふうに一般に考えられております。
  51. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまお尋ねしたように、百三十万台ないし百五十万台の数字ということになりますと、大体イギリス、フランスの生産高と見合ってくるわけであります。一面、人口増の問題、そして道路整備五カ年計画ができましたけれども、建設関係の皆さんがお見えになりませんから何ですが、私の調べた範囲では、道路事情としても、砂利道が九六%、舗装されておるのが四%しかない。それから四トンのトラックが通れる道路というと、これまた四一%で、半数以上の五九%は通行不能。それから小型の四輪車のすれ違い不能なものが六五%、普通トラックのすれ違い不能が八一%、こういう数字を示しているわけです。イギリスの舗装率は一〇〇%で、デンマークが七九・四%、こういう高率の数字を示しておるので、今後道路の改善にも、いま政府は一生懸命であることは認めるのでありますが、急激に満足すべき状態にまで至らないと思います。  そこで通産当局にお尋ねしたいのでありますが、根本的な問題は、人口調整、団地と交通機関との有機的な調整もありましょうけれども、差し迫って当面措置をしなければならぬものとして手を打てるものは、許容される限界一ぱい車を走らせて、その稼働率を高め、流動性を高めるということに目を向けることが好ましいのではないかと思うのです。いまのように、限界を越えて、二十サイクル以上とめられて、一千八百メーターも車両列が並ぶということになりますと、自動車というよりも、相手の力で動くから他動車と、皮肉な言われ方をして、歩いたほうが早い、こういう事態の中で、一面、車の生産はどんどん進んでくる。そこでお尋ねしたいのは、この車両の生産は、先ほどのお話では、三輪、二輪が含まれていないようでありますけれども、この生産をとめることが可能であるのかどうか。もし可能でないとするならば、従前どおりその生産を推し進めていくとするならば、先ほども指摘いたしましたように、イギリスやフランスと同じ生産高になってまいりますし、イギリス、フランスの車はほとんど半数近い数字は国外に輸出をされておるのが実態であります。なぜ日本の車両が国外に輸出できないのか。もとより問題はココム制限、チンコム制限という重要な問題がありましょうけれども、イギリスは、アメリカの要請を拒んで、大量に国外に車両を輸出し始めました。フランスの中共承認に伴いまして、中国の市場を強く求めようとしております。こういう時期に、通産当局としてはあるいは直接には関連を持たないでありましょうけれども、政務次官も見えておりますので、思い切って半数程度車両を国外に輸出するという方途をすみやかにとられたいと思うのでありますが、その点についてのお考えを承りたいと思います。
  52. 成田寿治

    ○成田説明員 確かに、日本自動車の輸出は、世界各国に比べまして非常に低いということは否定できないものでございまして、西欧諸国は大体生産の三割以上は輸出に向けているという計数になっておりますが、日本は現在生産に対する輸出比率はわずか七%から八%くらいという非常に低い状況にあります。しかし、最近自動車会社の輸出意欲が非常に強くなっておりまして、政府も、今後の貴重な輸出産業として非常な期待が持てますので、輸出を大いに伸ばすという施策に力を入れておりまして、最近の動向を見ますと、三十八年は、暦年でございますが、一昨年の九割くらいの増、大体倍増くらいのテンポで輸出が伸びてまいっております。したがって、現在は一割足らずの輸出比率でございますが、早晩相当高い——西欧諸国の三割以上ということにはなかなかいかないと思いますが、相当輸出比率が高くなっていくという傾向にあります。これは来年度の輸出目標をいま検討中でありますが、そういうことで、輸出の比率が生産の伸び率の倍以上に高いという傾向を現在示しております。
  53. 泊谷裕夫

    泊谷委員 もう一つ突っ込んで聞きたいのは、輸出の伸び率を使ってほしくないのです。昨年が七台くらいなら、十割増しでも十四台にしかならない。いまの実績はほとんど沖縄、台湾、こういうところが主で、いまのお話は特需関係も含まれてのお話だと思いますが、西ドイツは四七・七%、イギリスは四一・五%という比率を示しております。いま成田課長が言われた話がことばどおり受け取れるとすれば、具体的にどういう圏内にどの程度の車両を出そうと意気込んでいるのか。またその目標があるのか。それを明らかにしていただきたいと思います。くどいようですが、パーセンテージを使われますと、いままで数が少ないだけに困ると思いますので、台数で願います。
  54. 成田寿治

    ○成田説明員 三十八年度の輸出状況について、台数で見ますと、乗用車が三万一千台、トラックが五万七千台にふえて輸出されております。バスが千二百台、合わせまして、四輪車系で九万台の輸出になっております。  どういう国に出ていくか、実績で申し上げますと、昨年度の上半期で見ますと、乗用車は大体四〇%が東南アジアに向かっております。オーストラリア、中近東の比重も非常に高くなっておりまして、自動車会社の最近の力点は豪州あるいは中近東、アフリカというところに非常に力を現在入れつつあるという状況にありますので、東南アジア以外の比率も相当高まるのではないかというふうに考えております。それからトラックにつきましては、東南アジアが三割くらいになっておりまして、中近東、アフリカが四割以上という傾向にありまして、従来の東南アジア重点がだんだん世界各地にばらまかれているという傾向にあるのではないかと見ております。
  55. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまの部分について、私の持っております資料と通産当局の資料とが大きな食い違いを見せておるようでありますので、後刻資料をお願いしたいと思います。私の資料によりますと、五千台を上回るものというと、台湾、沖縄がおもな数字になっておるように見受けられるんです。東南アジアと総括してお話をされますけれども、ほとんどが百台の数字でありますから、これはいまここで取り上げる時間もありませんので、資料を御提示いただきたいと思います。  そこで先ほどお尋ねいたしましたココム制限とチンコム制限の関係であります。俗にいう共産圏内に対する車両の輸出について、もうそろそろ思い切って踏み込んでいいのではないかと思いますが、それに対する通産当局のお考えをお伺いしたいと思います。
  56. 成田寿治

    ○成田説明員 中共なりソ連に対してどのくらい出るかということは、われわれ輸出の見通しを各社の積み上げでやっておりますので、そういう意味であまり見込まれていない。新しい事態が発生した場合にはまた輸出の改定をやるということになっております。
  57. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまのお話によりますと、それでは自動車製造に携わる皆さんが直接当該共産圏の国と話を進めて輸出の作業を進めてよろしいというふうに理解をするのですが、それでよろしゅうございますか。
  58. 成田寿治

    ○成田説明員 私は、この問題についてはほんとうはあまりはっきりわからないのでありますが、いまのところそういう話し合いがないということが事実のようでございます。
  59. 泊谷裕夫

    泊谷委員 事実がないということば、やっていけないということではないのですね。
  60. 成田寿治

    ○成田説明員 そう思います。
  61. 泊谷裕夫

    泊谷委員 路面交通の渋滞で当面する問題として、交通規制がずいぶん多く出されて、右折禁止地区の設定だとか、一方交通あるいは大型トラックの都心乗り入れだとか、路上駐車も含めまして、相当の手を打たれているのでありますが、自動車局長にお尋ねをしたいと思うのは、最近の新聞は、十年ぐらい前の新聞と違って、ほとんど交通事故あるいは渋滞の記事で埋まっているのが実態であります。そのすべてが、これも所管が違うのですが、道路交通法をきつくして運転に携わる者に規制を強くする、そういうことでこと足りるというふうにお考えのように思われるのですが、自動車局長立場として、これだけで完全なものとお考えであるかどうか、その点について御意見があればお聞かせいただきたいと思うのです。
  62. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 交通事故と道路の交通量との関係でございますが、交通事故の原因にはいろいろございまして、その幾多の原因の中で、道路交通が非常に混雑しておるということも確かに大きな原因の一つになっていると思いますが、交通事故の原因はそれだけではないわけでございます。運転に従事する者の注意心の喚起、あるいは事業用の自動車でございますと、事業管理者の適切な労務管理、あるいは車の性能の向上、いろいろあるわけであります。交通事故は、絶対数が非常にふえてきておりますが、車の増加の傾向と事故の件数とを比較いたしてみますと、ここ一、二年はやや横ばいの傾向を示しております。交通規制等も、事故防止ということを考えて、円滑なる交通流通を期するためにいろいろ規制をいたしております。それから、運転従事者の注意心の喚起につきましても、あるいは車両の性能の向上につきましても、いろいろ努力をいたしてまいって、極力交通事故を少なくするということに努力してまいっておる実情であります。
  63. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いま局長のお答えが十分聞き取れなかったので、ちぐはぐになるかもしれませんが、先日乗車拒否を取り上げて私どもの久保委員からお尋ねをいたしましたが、それに答えて、運輸大臣は、さらに六千両程度の増車をするというふうにようやく回答されたやに承知しておるのであります。いま認可されております業者は、東京都内は約四百近い数字を示しておるというのでありますけれども、そこに割り当てられましたハイヤー、タクシーの場合は、これが全部フルに運転をしておるかどうか。もちろん車検その他で調整の分もありましょうけれども、それを除いた稼働可能な車が全部動いておるかどうか、それについてお答えをいただきたいと思います。
  64. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 現在東京都区内で走っておりますハイヤー、タクシーで、運転手の不足が主たる理由で稼働していない車が確かにあるわけでございます。最近調べました資料で言いますと、これは会社によりまして、ある会社は運転手がわりあい潤沢にいっておるのでありますが、運転手が不足して動けない側だけを見ますと、約千両に近い車が休んでおるということでございます。しかし、その後運転者の養成等もやっておりますので、今日ただいまでは多少これより、休んでおる車はもっと減っておる傾向にあるかと思いますが、いま手元にある資料では、大体千両くらいという実情でございます。
  65. 泊谷裕夫

    泊谷委員 自動車局長のお答えによりますと、ある会社はということばを使われたのですけれども、確かにそういう傾向を示しておると思うのです。ある会社はほとんど認可両数一ぱいに稼働しておるが、認可両数の少ない会社でもほとんど甲らを干しておるという事情にあるのが実態だと思うのです。どうしてそういう傾向を示すのか、そういう姿になるのか、自動車局長としてどうお考えになるか、お聞かせをいただきたいと思います。
  66. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 タクシーの両数に対して運転者が十分に確保できない原因につきましては、われわれもいろいろ研究もし対策も講じておるわけでございまして、考えられます理由としては、運転従事者の労働の質といいますか、相当激務であるというような事柄、それから給与制度または労務管理等が十分でないという面も一つの理由になるかと思います。それから運転免許につきましても、旅客運送をする場合には二種の運転免許が要りまして、さらに事業用旅客自動車につきましては一年あるいはそれ以上の経験も必要だというふうになっておりまして、これに従事する運転者の資格についてもかなり厳重な規則がございます。そういうことから運転者が集まりにくい、また他の産業との労賃その他の関係も影響があるのではないか、かように考えるわけでございます。
  67. 泊谷裕夫

    泊谷委員 車両の生産が急激に伸びまして、特にトラックが多いわけですが、そういう中で、いまお話しのように、運転手の養成が追いつかない、こういう状態の中で、特に二種免許について、自動車局長として、従来とりきたったこの方策を今後もそのまま堅持しようとするか、あるいは何らかの措置を加えて、この条件を緩和するなりあるいはその要請にこたえる方策というものについて何かお考えがあるか、その点を明らかにしてほしいと思います。
  68. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 免許の点につきましては、運転免許が公安委員会の試験によってきまるわけでございますので、この運転免許の試験その他につきましては、現在警察当局、運輸省、それから労働省関係の人にも入ってもらいまして、いろいろ対策を考えておりますが、この運転免許の試験資格というものも安全運転という立場から要請されておる必要な事柄でございますので、いま直ちにこれを緩和するというふうなことは、交通事故防止の観点からも問題があると存じます。ただ試験のやり方その他について多少とも改善の方法はないであろうかという研究はいたしております。それから営業用の車に従事する運転者等につきましては、たとえばタクシーについては事業者が運転者の養成所を設けまして、そうしてできる限り自分の力で養成をして運転者を生み出すということにつきましては、養成所その他についての指導をいたしております。
  69. 泊谷裕夫

    泊谷委員 局長、二十歳以上で三年の経験を持つという二種の取得条件ですが、大事な人の命を運ぶということについて、鉄道でも知能検査をして健全な者は事故を起こさないかというと、必らずしもそうでもない。しかしながら、私どもが大事な人の命を守るために人為的に二重三重の訓練をする、条件を整えるということは私は必要なことだと思っているのですが、実態はあまりにも深刻なような気がするのです。最近少なくなったと言いながら、東京から北海道まで運転手のスカウトに、前借金をつけてまで、職安法違反の疑いもあるというようなことさえ聞くのであります。こういうような事態の中で、先ほど通産当局から説明がありましたように、車の生産はとまらない、輸出はほんの五%から七%程度——特需を入れれば九%ということになりますが、特需は国内で動かされるので何にもならぬのであります。必然的にトラックが多く生産されておりますから、一種で安直に訓練した者を乗せる。さらに事故が続発する危険性さえある。こういう情勢の中で、やはり何らかの方策を考えなければ、現状はどうにもならぬのじゃないかと思うのであります。先ほどお話がありました検討されておるということについて、たとえばいまでも工業高校を出た者については試験の条件を緩和していくとか、あるいは私立も含めて自動車系統の高校なり短大を出た者は、年齢的な制限は別といたしましても、二種の取得条件を与えるとか、そういう問題についてお考えがあるかどうか、これらについてももしお聞かせいただけるならば聞かせていただきたいと思います。
  70. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 実はただいま関係各省で会合を持ちまして、この運転免許の問題で検討いたしております検討事項の中に、いま先生が御指摘のようなその方面の特定の学校を卒業した者についてはどういうふうに扱おうかということについても検討の議題にいたしまして、目下研究いたしております。
  71. 泊谷裕夫

    泊谷委員 そこで、先ほどもちょっとことばの中にはさみましたけれども、運転手のスカウトが激しいわけですね。これは一般業者にも問題があると思います。運輸省に申請する場合には書面審査がすべてでありますから、運転手の確保ができ、資本力がどうのと、すべての条件を満たして、私どもの仲間が英知を傾けて最終的には認可をされるのだと思いますけれども、業者関係について、ハイヤーでもトラックでも、これは強く結束して規制してもらわなければならぬ時期だと思うのです。運転手の引き抜き、それによる企業の不安——さらには話は変わりますが、昨年、従来ありました自動車運送協議会、これが廃止になった。それから従来の免許制度、特にハイヤー関係の免許制度を廃止して許可制をとる、こういうことは、いまの交通秩序を保つ意味からは、あまり適切な措置でないと思うのでありますが、これについてまず局長のお考え方を聞かせていただきたい。
  72. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 車の増加の要請は、やはり国民の日常生活なりあるいは経済活動の発展から出ておるわけでありまして、われわれは運輸当局といたしまして、国民の経済活動等に支障のないように輸送力をつけていくという使命を持っておるわけであります。そこで実は自動車運送協議会はまだ制度上は廃止をいたしておりませんが、大都市内でタクシーの輸送力を増強する必要があるかいなかというときに、従来はこの自動車運送協議会にかけまして、その答申をもらって陸運局長が輸送力の増強措置を講じておったわけでございます。すでに陸運局ができまして新しい行政体制も十数年間確立されてまいりましたので、今後は陸運局長責任において適時適切な輸送力の増強をしたほうが、実情に合うのではないかというふうな指導をしてまいっておるわけであります。  それから免許制をやめて許可制にしたというお話でございますが、昨年、タクシーにつきまして免許制をやめて許可制にすべきであるという議論がいろいろあったことは御承知のとおりであります。免許制と許可制ということは、ことばの表現上は違いますが、要するにハイヤー、タクシーというものを完全に自由職業化するものではない点におきまして、免許も許可も同じでございまして、すでにタクシー等につきましては、その事業の特殊性から、免許制のもとにおきましても、具体的な資格要件等を明確にいたしまして、その資格要件に合うものはこれを認めていくという方針をとってまいっておるわけであります。今後もその方針でいくつもりでございます。そうして全般的に見まして非常に輸送力のほうが需要を上回るという時期が来ましたときに、輸送力の増強措置を押えるというぐあいに、方向を多少ずつ転換していくという施策をとっておるわけであります。
  73. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次に業界関係を中心にしてひとつお尋ねをしたいのですけれども、一面公共性を強く要請されておる企業であります。また見方によっては免許事業で特にその企業は運輸行政の中で保護されておるという言い方もありますけれども、これだけ交通の激しい中では、私は前者の説をとって考えてみたいと思うのであります。公共性を強く要請される企業である、そして長いこと世話をしてきました運輸省が最終的に検討を加えて認可をしていくという方針を採用しておるとすれば、その企業に対してしかるべく措置、言いかえますと、金融なり、あるいは金融でも低利のものの利用など、これについて具体的に配慮がなさるべきであると思いますが、これについて現状はどういう保護措置があるのか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  74. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 自動車運送事業を公共性が強い事業として、免許制にいたしております。この事業の発展をはかることが、国民経済の立場からも必要でございますので、いろいろこれが育成の方法もとっておりますが、ただいま御質問の金融的措置をとっておるかということでございます。過去において非常に経営が苦しくて、金融のてこ入れが必要であるというふうな場合には、そういうあっせんをしたこともございますが、現在ではそれぞれの企業がある程度基盤も固まってまいりまして、自分の力で銀行等からの融資を受けて経営をやっておるというような、大体そういうふうな状況になってまいりましたので、もちろん特別の融資等の必要があります場合には、われわれはそういうあっせんをやるわけでございますが、今日では具体的には融資等につきましてもそういった強い要請もなく、どうにか一般金融機関からの融資等で運営を続けてまいっておるという実情であります。
  75. 泊谷裕夫

    泊谷委員 正確なことはよく承知しませんが、よく耳にすることは、業界内のチームワークがよくとれないということであります。したがって、先ほども申し上げましたが、運転士の引き抜きその他、最近は改善されましたけれども、東京駅構内の乗り入れだとか、盛り場に駐車をする条件など、これは一皮むけばそれぞれ企業の対立であります。したがって、業界そのものにある程度責任を持たして仕事をさせることを求めるとすれば、これら金融の面を通じて、当該業界内における信用保証協会などの設置によって、全体的な、業界は業界としての責任を持つ態勢を他動的な力で協力してやる必要があるのではないかと私は考える。これは全般的な問題になりますから、局長のほうでもし都合が悪ければ、次官のほうからでも、そのお考えがあるかどうかを聞かしていただきたいと思うのです。
  76. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 全般的にはやはりこういった事業は中小企業が多いのでございますので、中小企業の事業協同組合等の結成につきましては運輸省としても強く指導いたしております。全国的に見ましても各所で事業協同組合の結成をいたしまして、相互扶助あるいは経営の合理化等に役立つような活動をいたしております。今後とも、中小企業でありますこの自動車運送事業につきましては、そういう面からもこういった指導、助成は強く打ち出していきたい、かように考えております。
  77. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまの局長のお答えは、要約して、前段私がお尋ねした筋と近いものであると理解してよろしいかどうか、再度お答えをいただきたいと思います。
  78. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 大体同じであると思います。
  79. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは次は、少々重複のきらいなしとはいたしませんけれども、先日予算委員会で私どもの先輩であります久保議員がお尋ねをいたしましたたいへん騒ぎになっております乗車拒否の問題について、久保議員がお尋ねになったときの乗車拒否の実態がまだ明らかにされておりませんでした。きょうその実態がどういう姿であるか、言いかえるとおよそどのくらいの件数を示しておるか、そしてまた乗車拒否の起きる原因は端的にいって何なのか、これについて自動車局長のお答えをいただきたいと思います。
  80. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 最近のタクシーの乗車拒否につきましては非常に利用者に迷惑をかけておりまして、われわれも頭を痛めております。乗車拒否の原因といたしましては、いろいろ考えられるわけであります。一つは大都市の交通が非常に混雑、あるいは場合によったら麻痺の状態にありますために、現在の運賃の制度が対キロ制になっておる関係上、短区間を走るのに時間がかかり、きめられた一日の稼働時間内で多くの収入をあげることが困難であるという状況が一つの大きな原因になっておるかと思います。それからもう一つは運転者の給与体系であります。御承知のように、運転者の給与は、一部固定給、一部歩合、つまり能率給ということになっておりまして、一日のかせぎ高が多ければ多いほど歩合のほうの率が多くなりまして運転者の収入がふえる。これは能率増進のために企業としてはある程度はやむを得ぬと思いまするが、この歩合給と固定給が一緒になっての現在の給与体系上できるだけたくさんの水揚げを得たいというところに、いわば不利なお客は断わって有利なお客をとろうというところに乗車拒否の原因があるわけであります。それからさらには、昨年来御指摘のように増車を相当思い切ってやりました反面、運転士の確保が非常に困難でございます。しかし、事業としては、やはり与えられた車をフルに活動したいということで、無理に運転士を雇うということから、従来であればこういう運転士は会社のためにもよくないというので採用しないという程度の運転手も、やむを得ず採用する。そうしますと、運転手の質が非常に低下する。そういう点で運転者の道義心、徳義心の低い者が相当ふえてくる、こういうことが重なりまして、現在の乗車拒否が方々で行なわれておるということになっておると私は考えております。この乗車拒否につきましては、このことがお客とのそのときの応対で乗車拒否かどうかがわかるわけでありますが、われわれといたしましては、平素から経営者に対しまして、運転者の訓練あるいは運転者の情操の教育等いろいろ指導はいたしておりますが、反面、いま申し上げましたような原因の解消に努力をしながら、なお他面ではそういう要因があるわけでありまして、乗車拒否が繰り返されております。乗車拒否を行なった場合には、厳重にこれを処分するという態度に出ております。ただ乗車拒否の事実は、利用者の協力を得なければ証拠がつかめない問題でございますので、極力利用者の協力をお願いしておるわけでございます。昨年じゅうに主として乗車拒否によりまして東京都内で申告を受けました件数が九百件ばかりございます。その中で乗車拒否の証拠がはっきりしたものにつきましては、その程度によりまして車の使用の停止、あるいは警告等をやっておりますが、これが九百件ばかりのうちで約六百六十件ぐらいを処分いたしております。ことしに入りましてからも引き続きこういう措置を講じてまいっております。  それからこういった乗車拒否の件数の多いような会社には、今後増車をいたします場合に、普通のと同じ割合で増車を認めるということをやめまして、減点といいますか、かげんをいたしまして、車の配給を少なくするというふうな措置も講じまして、側面的にこれが防止対策も講じておるわけでございます。なお先月の末から今月一ぱいにかけまして、警察当局のほうでも乗車拒否の取り締まりに強く乗り出して目下やってくれておりますが、局もこれとタイアップいたしまして、取り締まり、それからこれに対する処分等を厳重に励行いたしておりますが、この機会に乗車拒否の悪弊を断ちたいというふうにせっかく努力をいたしておるわけでございます。
  81. 泊谷裕夫

    泊谷委員 この乗車拒否についてはいろいろ原因がありましょうが、その現象面を考えてみますと、法治国家の国民として、とにかく運送引き受けの義務というものが道路運送法の十五条に規定されておるわけですから、それ自体は徹底的にいま運輸省を中心に、警察の協力を得てやっておることについては私も支持をしたいと思うのです。ただ一つそれだけで済まないような気がするわけであります。確かに完全月給のお話もありました。私たちも完全月給は一つの方策だと思いますが、企業という問題もありますし、そのことよりもよくある例でありますが、客車の中でお年寄り二人が新聞紙を置いて、おれの座席だといって争っているのをよく見かけるのであります。当事者同士はよくけんかをしておりまして、国鉄の職員も苦労をしておるのですが、よく考えてみると、乗車券を発売した鉄道は、十分すわるだけの車両を整えることが仕事じゃないかと思うのです。ですから、私ども運輸委員会としてこの問題をながめてみる場合に、先ほど局長が御指摘のように、短いコースは交通渋滞をして時間がかかってあまり水揚げの増加にならない、迂回してロングを選びたい気持ちのあることについては、これはやはり政治の舞台で改善をしなければならぬと思うのです。先ほど申し上げましたように、車がどんどんふえて、イギリス、フランスと同じ生産高になってくる。道路のほうの拡張は、イギリスの一〇〇%などにはおおよそ縁の遠い話で、今回五カ年計画を進められたとしても、約二〇%というふうに聞かされておるのです。それから都市に人口が集中してくる、これらの中で当面やはり車の生産のほうで調整を意欲的に考える、こういうことについて力を入れなければならぬのではないかと思うのですけれども、このことについて、先ほど通産当局の回答を承ったのでありますけれども、政務次官もおいででありますから、特に抜本的な方策の前に、当面する措置として、車両の国外輸出について特に配慮をお願いしたいと思うのですが、お答えできるものならひとつお願いしたいと思うのです。
  82. 田邉國男

    ○田邉政府委員 御指摘のように、日本自動車工業というものは近年急速に進歩をいたしておりますけれども、まだまだ外国自動車と比較いたしますと欠くるところがあると思います。そういう面におきまして、輸出が十分に伸びておらない、そういうことから考えますと、私は自動車工業の近代化、合理化を進めていく、さらに先ほどお話がございました日本の道路政策とにらみ合わせまして、これ以上自動車の車両が増加することによって交通が麻痺する、一方においては自動車の生産を増強していく、この問題につきましては、やはり国で総合的な計画を立てて、そして自動車の生産と道路の調整というものは基本的に考えなくてはならぬと私は考えております。しかし、具体的にこれを現在どういうふうに進めていくかという問題につきましては、交通閣僚懇談会もございますし、また、そういう関係の審議会もあるわけでございますので、そういう審議会の答申によって、さらに前向きの姿で政府が考えるべき問題である。私ども運輸省といたしましては、やはり現実の姿として、たとえばただいまの自動車の乗車拒否の問題にいたしましても、いろいろの諸問題があるわけでございます。ただいま自動車局長からも説明がございました固定給と歩合制の問題、それから非常に交通が麻痺しているために近距離の輸送が思うようにいかない。しかし、やはりそれに対処して、乗車拒否をした場合には、やはりある程度の厳罰をもって臨む。そうして国民の輸送の安全と、安心、信頼される自動車利用というものを高めなくてはならぬ。そういう問題につきましてまだ十分解決しておらない。もっと積極的に運輸省も考えるべきであると私ども考えております。十分お答えに沿ったかどうかわかりませんが、私の考え方を申し上げた次第でございます。
  83. 泊谷裕夫

    泊谷委員 いまのお答えにまたことばを返すようで恐縮なんですが、考えてみますと、二十サイクルもとめられる。実際問題として、やはり二十分、二十四分くらいになりましょうか。車が一つの信号を通過するのに十分も二十分もかかる。そうして歩合給で、水揚げで生活を保障されているものを、ただ乗車拒否がいけないからということでたたくだけでは、一般の利用者ならそれでいいかもしれないが、私どもの立場ではそれではいけないので、根本的に障害を除去してやることに私ども国会議員としては精一ぱい努力しなければならないことだと思うのです。そういう意味で、いま次官からお話がございましたことについては、精魂を傾けて努力していただきたい、こういうふうに要望しておきたいと思います。  そこで具体的にいませっかく運輸省と警察が協力して乗車拒否の徹底的な取り締まりをしておるわけですが、そこで具体的にこれに関係して、警察官の増員、これは先日きまりましたけれども、何か年次区分で急激にふえないそうですし、先ほど免許か許可かというお尋ねの際に、木村局長運輸省も大体陣容が整ってきたというような節の話をされておりましたけれども、当面する交通混雑のために陸運行政で具体的にどの程度の増員を考慮されておるのか。あわせてこういう乗車拒否ばかりではありません。二年ほど前ずいぶん騒がれました白タク等に対する取り締まりにつきましても、陸運局の諸君には、駅の視察員や改札員が持っておるような権限、司法警察吏のような職務を行なう権限すら付与されていないわけです。現行犯ですから普通の者がつかまえてもいい、こういうように法律では規定されておりましても、国民は承知しておりませんから、やはり何かの権限がなければ、そういう行為を直接的に押えるということについては、そういう反発を感ずると思うのですが、次官から今後陸運行政面の増員とこの取り締まりに対する権限付与の問題についてどう努力されようとしておるのか、それをお聞きしたいと思います。
  84. 田邉國男

    ○田邉政府委員 自動車の非常に激増するに伴いまして、運輸省自動車に関する行政を担当する業務員の業務量、仕事量というものは非常に増大をいたしております。年々要求をいたしておりまして、順次増員はいたしておりますけれども、私ども現場の話を聞きますと、まだまだ人数が足りない。これはやはりもう少し増員をしていく必要があるのだと考えております。  それから取り締まりの問題でございますけれども、これはやはり警察との協力を得まして取り締まりをやっていくように考えております。
  85. 泊谷裕夫

    泊谷委員 もう最後ですが、次官、せっかくですから、次の機会にあらためて相談させていただこうと思うのですが、陸運局の実態は、出張旅費もなければ増務給もないというお話です。人の問題を出しましたけれども、きょう通りました車検の問題で、それに関する増員はありましたけれども、交通規制をする陸運行政の諸君の人の問題、それから給与そのものは伏せておきましょう。しかし一般業務で必要な増務給なりあるいは出張旅費については、もう少し腰を落として検討してもらわなければならないと思っております。きょうすぐ御返事をいただくのは無理でしょうから、次会にまた機会を得てこの問題について話をさせていただこうと思いますが、意欲的に共同して当面する交通麻痺に関してつとめさせてほしい。あわせて後段で申しました司法警察吏の職務を行なうという権限付与については関係する箇所も多いと思うのですが、ともすれば先ほどから話をしてまいりましたが、交通の麻痺状態を緩和しようとか、あるいは交通地獄を緩和しようという話を数多く出すのですけれども、さて、この場で話をしてみますと、関係するところが警察だ、あるいは通産だ、こういうことで、私どもとして一番先にやらなければならぬのは、現地に起きております交通混乱よりも、交通行政の交通整理が一番大事な気が私はするのです。この点について次官はどうお考えになり、今後それにどう意欲的に対処しようとしているか、このことを最後にお尋ねしたいと思うのです。
  86. 田邉國男

    ○田邉政府委員 ただいま御指摘のお話は、泊谷先生のおっしゃったとおりだと思います。私も運輸省の中へ入りまして、実態を見て、これはこのままでは相ならぬ、もう少し積極的にこの問題を解決する必要があると実は私自身も考えておりましたので、この問題につきましては御指摘のとおりひとつ十分検討し、そして御指摘の点につきまして、われわれ前向きの姿でこれは考えるべきだ、またこれを解決しなくちゃならぬと私は考えております。
  87. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次官、最後と言って恐縮ですが、くどいようですが、この問題はただ起きておる交通行政と申し上げましたけれども、人口増による土地造成、あるいは車両の生産、これは総合的なものを含めて抜本的な一元化を強く求めたいと思いますので、あわせて、そのことについても先ほどのお答えで含まれておると思うのですけれども、お間違いのないようにひとつ御配慮をいただきたいと思います。
  88. 田邉國男

    ○田邉政府委員 御指摘の点につきまして、十分検討をいたし、善処いたしたいと考えております。
  89. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これで終わります。
  90. 川野芳滿

  91. 肥田次郎

    肥田委員 私は二点ばかり質問いたしたいと思います。  一点は、実は最近ではだいぶタクシーにプロパンガスを使用するようになってまいりました。当初と違っていわゆる設備もずいぶん改良されておるようですが、たとえばこういう際はどうかということをひとつお聞きしたいのです。この機械設備の関係は、その設備あるいはまた接続しておる部分、これを外から操作することができないような、いわゆる完全なものにできるかどうかということをひとつお聞きしたいのです。これは、こういう事件がありました。プロパンの車からガスを抜いておいて、そして自分がその車の中に乗り込んでそれで自殺をしたような事件があったのです。この設備は最近では一般のタクシーでちょいちょいありますけれども、設備が改良されたためにあまり事故というものはないように思います。先般もタクシーのまる焼けというのが出ておった。あれはよく見てみると、プロパンのガス漏れで焼けたんではない、そういうふうに聞きましたので、それはそれでいいと思いますが、自殺行為ができるような、完全にガスを車内に充満さすような、そういうことがあるようですから、いわゆるプロパンを使用する際の設備について、もっと完全な規制というものを考えられておるかどうか。この点についてお伺いをする次第です。
  92. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 プロパンは非常に燃料費が安くつきますので、最近特にガソリンのかわりにタクシー等にはつけておりますが、その後プロパンガスの爆発事故が二、三ございまして、当局といたしましては、関係の方面と連絡をとって、いろいろ研究、検討を重ね、そして具体的な措置もとってまいっております。いままでとりました点では、いま御指摘のようにガスが客室に漏れないように、完全に客室とプロパンの装置とをシャット・アウトするというふうな措置をすでに講じさせております。それからプロパンのボンベをただ車のうしろのトランクに台を置いて載っけておくという、いままでのやり方でございましたが、これが振動のために継ぎ目等から漏れるということでございましたので、これにつきましては、ことしの一月一日以降の新車につきましては、全部車の製作のときにプロパンの装置を車に固定したものでなければプロパンが使えないということにいたしております。それから在来の古い車につきましては若干期間の余裕を与えまして、五月一ぱい、つまりことしの五月三十一日までに全部プロパンを使うものは固定施設にしなければ、六月一日からはこれを動かしてはいけないというふうにいたしております。いまちょうどその過渡期にございまして、一応これが完全に実施されますと、車の振動によってガス漏れということもなくなりますし、客室から完全に隔離されてプロパンが使えるというふうになりますので、いままで起こりましたような事故も防止できる、かように考えておるわけでございます。
  93. 肥田次郎

    肥田委員 いろいろと対策が講じられておるようでありますので、制限時期を過ぎたあとの設備に対する今後の検査とか、また陸運局に人手が足りないのに仕事がふえると思いますけれども、そういう面については自主的に、それからまた監督上の立場からしても万全の制度というものを設けていただく必要がある、だろうと思います。  それから先ほど泊谷委員質問しておりました関係で私も若干質問したいのですが、その問題点は、非難の的になっているところのタクシーの乗車拒否の問題であります。この乗車拒否の発生する要素というものはいろいろあると思います。私たちはいまここで手近かな問題として片づけられる方法は、これはやはりやみタク行為というものを徹底的に取り締まるということが必要だろうと思います。やみタク行為があるために、それらに刺激をされるというか、それらをまねていわゆるやみタク類似行為をやる、こういうのが結局乗車拒否という形にあらわれてきておると思います。ですから、これを取り締まるということについては非常な努力をされておるようでありますので、これをさらに徹底していただくことが必要だと思いますが、そのほかに個人タクシー——だいぶこのごろは個人タクシーがふえてまいりまして、しかも個人タクシーについては、いわゆるタクシー会社の運転者よりは人気もいいようでありまして、それは一に個人タクシーの検査という制度、それから自分が経営しておるというその責任、そういうものからきておると思いますが、私が聞くところでは、個人タクシーの場合の収支状況、これは私は平均をとって出したわけではありませんから、数字的にはあとで当然はっきりしたものが出れば訂正しなければならぬと思いますが、大体二十五日働いてそれで十五万円以上の収入がある、こういうふうに言われております。そうすると自動車の償却が二年以内でできる。退職金その他を通算すると、またいろいろと何かあるようですけれども、大体個人タクシーというものは病気その他の特異なものがない限りは一応やっていける、こういうふうにわれわれは聞いております。今度はタクシー会社のいわゆる収支状況というものがここで問題になると思う。タクシー会社の場合のタクシー運転者は、これは隔日勤務のようなかっこうで、これがいわゆる労働条件になっておりまして、そこでしかもいわゆる固定給というものが、これも平均するといろんな数字が出てくるでしょうけれども、大体三万円程度の固定給で、これはいいほうだと思います。それで結局水揚げというもので労働賃金がまあまあという線が出てきておる、こういうふうにいわれておるわけです。個人タクシーの収支状況とそれからタクシー会社の労働条件その他を比較してみると、これは私はやはり問題点があると思うのです。ですから結論的には、個人タクシーをやっておる者は、とにかく十五万円以上あれば二年以内に償却ができるという、こういう条件がある。それからタクシー会社の運転者のほうはただ自分の水揚げだけで働く、いわゆる収入を得るわけですが、そうすると、簡単な表現をすると、タクシー会社の収支というものは、労働の対価として支払われる労働賃金を差し引いたものがタクシー会社の収入その他のものになるということになると、これはタクシー会社の経営がどうだこうだというけれども、なおかつもっと労働条件をよくするほうに支出が考えられなければならぬのじゃないか。そうしていわゆるタクシーの運転手の乗車拒否というものを是正をしていく、こういう対策が考えられなければいかぬのじゃないかというふうに思うのです。もちろんこれは一つの方法ですが、この点について自動車局としては、業者に対する指導というものをどういうふうにお考えなのか、承っておきたいと思います。
  94. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 まずタクシー会社の運転手の給与でございますが、お話しのように、固定給、歩合給でやっておりまして、実情は、平均いたしますと、固定給が約六割で、四割が歩合給、これでも相当改善されてまいったわけであります。さらにわれわれはこれに甘んずることなく、固定率を高めようということで、増車その他のときにいろいろ誘導的に指導をいたしております。  そこで、会社の運転者の給与の問題でございますが、これは総体的にはやはり会社における経営者と従事員との関係、給与体系できまっており、またきまるわけでございますが、経営者に対する指導といたしましては、運輸省といたしまして、他の同種の産業その他をにらみ合いながら、適切な給与制度を確立するように言っております。ただ、具体的にはやはり会社のほうの問題でございますし、それから労使の協定等によってベースアップ等もきまるわけでございまして、一般の企業体における賃金の問題として扱っていかざるを得ない、かように考えておりますが、たとえば乗車拒否等の一つの原因が給与体系にあるというふうなことからは、乗車拒否をなくするという立場から、陸運局、運輸省といたしましては、経営者に対して給与体系の改善を指導いたす、こういうふうなやり方でまいっております。
  95. 肥田次郎

    肥田委員 私は、先ほど申し上げたように、個人タクシーの場合の平均収入というものと、それからタクシー会社経営の場合の収入というものには、これは正確には言えませんが、大体一致点はあると思うのです。今日タクシー会社の運転手が平均一日一万円前後の水揚げというものが行なわれて、そうしてそれで大体いうところの月五万円前後の収入ということになるとするなら、これは個人タクシーの場合に、大体七千円ぐらいあげて、そうしてそれによって月十五万円前後の収入を持っておることと比較いたしますと、タクシー会社が利潤をむさぼり過ぎるのではないか。個人でやれば結局七千円前後で二年間で車が償却できる。ところがタクシー会社の場合には、実際にはもっと早く車の償却ができて、そしてしかもなお労働者の賃金が低い、こういうことになりますと、やはり労働条件として当然監督上これを問題にすべき点が生じてくると思う。私はいまここで労働条件を直接問題にしようとするのではなしに、そういうところに、労働者の賃金が安いから運転者が当然賃金の収入をあげるために、水揚げをあげるためにいわゆる乗車拒否行為が生まれてくる、こういうことになるとするなら、それを防ぐ方法は労働条件をよくしてやるという以外に方法がない。労働条件をよくすることができるかできないかということになってくると、いま言うたような簡単な対比数であるけれども、個人タクシーの場合とタクシー会社というものの一つの対比数ということが出てくる、こういうことになるわけです。ですから、もし乗車拒否というものが防げないのなら、タクシー会社よりも個人タクシーをふやしたらいいじゃないか、こういうことにもなるわけでして、したがって、そういう関係について私はいまここで結論を求めよう、それに対してどうだこうだという答弁をいただこうというのではなしに、個人タクシーとタクシー会社の営業するタクシーというものと、それから乗車拒否という問題を処理する一つの方法として、この点については十分検討してみてもらいたい、こう思うわけですが、いかがでしょうか。
  96. 木村睦男

    木村(睦)政府委員 個人タクシーの場合と会社の運転手としての給与との比較でございますが、われわれもその点はいろいろ資料をもって検討をいたしております。現在、個人タクシーですと、毎日働いて、日曜日は別といたしまして、一日平均五千円前後の水揚げで、会社の運転手は労働時間が倍でございますので、一日一万円前後の水揚げがある。これらをさらにその人一人についての収入、たとえば個人タクシーについて考えますと、一日四千円程度の——四千五百円くらいの収入実績でございますが、これで一カ月、日曜日普通四日くらい休みまして、十万円くらいの水揚げになりましょうか、それから修繕費だとか油代だとか償却費だとかのけますと、やはり一カ月のいわゆる会社において給料としてもらう分に相当する額としては五万円前後になるのではないか、あるいは六万円になる場合もありましょうが、その程度の収入になるように一応推定しております。それから会社の場合は、相当の水揚げになりますけれども、やはりいろいろな会社としての経理上、施設の償却なりいろいろ経費がかかりますので、これらの会社におけるいまの給与の実態が、固定給、歩合給合わせまして、平均いたしましてやはり四万円から四万円少し出る程度でございますので、個人タクシーのほうが安心してやれて、給与もどっちかといえば純収入もかなりよろしいということで、それだけ個人タクシーは安定して事業ができるということにはなると思うわけでございます。  乗車拒否との関連におきましては、原因が給与制度だけではございませんで、その他の原因もございます。ただその一つが給与制度にもあるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、歩合給の改善ということには今後とも当局は努力をしてまいっていきたい、こういうふうに考えます。
  97. 肥田次郎

    肥田委員 御承知のようにタクシー会社の運転者というものは、これは乗車拒否といいますか、本質的にそういうようなものはあるわけですね。この内容を分析すると、これはそれをはっきり限界を区分することはむずかしいと思いますけれども、いわゆるタクシーの運転範囲が任意なわけです。いわゆるそれぞれ指定された区域内では任意なわけです。そうすると、この任意な中で、車一台持って出れば、それが同時にいわゆる支店長ですから、もうかる方向へ行こうとするのは、これはもう当然なことなんです。ですから、本質的に、そういう意味では、この乗車拒否、いわゆる客を選択するということは、当然そこから生まれてくるのです。ですから客を選択するということが乗車拒否というふうに発展をしていくとするならば、やはり問題点をそこまで掘り下げていかなければいかぬ、こういうふうに思うのです。ですから、ただ単に乗車拒否というものは精神的な問題だとかなんとかということ、それはもちろんあります。運転者の指導教育という面もあるでしょうけれども、もともとタクシーというものはそういう性質のもので、客を選択するという、そういう基礎の上に立っておるのです。客を選択するということ、厳密に言うとそういうことが是認されるということなら、乗車拒否ということばそのものが出てこないことになる。乗車拒否とは何ぞやということになると、要するに求められたものに応じない。ところが片一方では客を選択するということが当然認められる、こういうことになるわけです。だから精神的な面も考え、それから待遇の問題も考えるということになると、方法としてはタクシー会社にタクシー営業行為をまかしておくよりは、個人タクシーにまかしておけば、そのほうが一番いいのじゃないか、こういうことにもなるわけです。そういう意味で乗車拒否というものはどこから生まれるかということを、もちろんあなた方のほうは専門家ですから検討されておられると思いますが、なお検討していただきたい。あの手この手を兼ね合わせて、乗車拒否という行為で、タクシーを求める一般大衆が不快に感じ、不便な状況に置かれることのないようにお願いしたいと思います。  それから先ほど久保委員が港湾労働等対策審議会のいわゆる説明を要求いたしました。ところがその説明を聞くにあたっては資料がほしいと思います。相当部数と申しますか、内容が長いようですから、ただ説明を聞くということだけではなしに、資料をいただいて、そうしてさらにあらためて説明を要求いたしたい、かように考えまするので、港湾労働等対策審議会の結論に対する資料をお願いしたいと思います。
  98. 川野芳滿

    川野委員長 出せますね。
  99. 田邉國男

    ○田邉政府委員 よろしゅうございます。
  100. 川野芳滿

    川野委員長 次会は六日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十三分散会