○野間
委員 たいへん失礼ですけれ
ども、
答弁としてはちょっと隔靴掻痒の感があるのですが、三十七年ごろに、
局長さんの言われるように、
新線を
建設すべきだというふうに
考えられた。これは小
委員会の報告を修正をしてそういうことになった。これはそういうことですね。
先ほど
国鉄当局の方に確認をした第二次五ヵ年
計画は、急速に経済が伸長してまいった、したがってそれにマッチした
国鉄の輸送力を増強しなければ、経済の伸長に基づいた
国鉄の責任が果たせない、そういうことから第二次五ヵ年
計画が出発しているわけですね。これは当然だろうと思う。所得倍増
計画が進んで、生産量が増大して、それに人口の問題やいろいろな問題があるので、それにマッチをするように、第二次五ヵ年
計画でもって、経済の伸長に基づいた交通施策をとって
国鉄の任務を果たす、これは当然だろうと思う。そういうふうに
国鉄も進んできている。それから経済のほうもそういうふうに進んできている。そういう状況の中で、従来の政策を変えて
公団をつくるとすれば、これは所得倍増
計画が進んだことによる経済の伸長にマッチさせて交通輸送部門を強化をする方向で
公団が持たれなければならぬじゃないか。それを、経済基盤の強化であるとか、あるいは
地域格差の是正であるとかいうふうにぼくは表現していると思うのです。であるとすれば、
新線を
建設する場合にも、第二次五ヵ年
計画の輸送力増強というところに重点を置いた
新線の
建設が行なわれるというふうにあるべきだと思うのですよ。それがいま
局長さんの答えは、そう言ってはなんですけれ
ども、こういう古いものの中から少しそれをとってきて、これからそれにマッチをするようにということでは、これは主客転倒じゃないかとぼくは思うのです。ですから
公団をつくって始めるというくらいに、しかも
運輸大臣が訴えられておるように、非常に困難な
財政事情にもかかわらず、やろうという気がまえであるならば、やはり所得倍増
計画と、それに基づいて進んできた
国鉄の第二次五ヵ年
計画というものと、方向を一にした新
線建設の方向がとらるべきだ。たとえばいま
計画されている何名かの
国鉄職員が
公団のほうに移る、あるいは
公団の役員がつくられる、
公団の組織が構成される、その構成をされる職員が新しい
新線を
建設をするという場合には、やはり
一つの方向なりあるいはその国の経済
状態にマッチをしてそれに協力をしていくのだという精神的な支柱がなければ、ああいう困難な仕事はしにくいとぼくは思うのです。これが労働者なり職員なりの気持ちだと思うのです。ですから、私は
国鉄職員や
公団がつくられて新しく
公団に入ることを予定されておる人たちが、池田
内閣の方向なり政策なり、とにかく
一つの方向に向かって新
線建設というしかも全国にまたがるような大きな仕事をする場合には、
一つのモラルといいますか、それほどに
考えられる一本の筋があって初めてああいう困難な仕事に突入できるのではないか。おそらく新
線建設は、あなたの言われるように、お金はそう十分ではない。人手も十分ではないと思います。それがそういう困難な条件の中で困難な仕事をするのですから、そういうことに携わらなければならない労働者あるいは職員や役員が、自分の気持ちとして一生懸命やれるというふうな
方針なり対策なり政策なり、そういうものをきちんと立ててやらなければ、これはどんなに
大臣なりあるいは
国鉄のえらい人が慫慂したりなんかしたって、なかなかそれに一生懸命突入していこうという、つまり使命感がなければ、職員が一生懸命やらなければならぬという気持ちになることはむずかしいと思うのです。ですからそういっては失礼だが、こういうものではなくて、小
委員会が一回指定したものであるならば、新しく三十七、八年の経済
状態とにらみ合わせて新しく
公団を始めようというのならば、しかも金が少ないというのならば、少なくとも一生懸命やろうという気持ちになれるような時の経済にマッチした新しい新
線建設の具体的な
方針を出して、それでこれに協力してくれというふうに言うべきだとぼくは思うのです。その辺については、これでは不足だ、十分ではないとぼくは思う。なぜもっと新しい観点に立って、三十七年、三十八年の経済
状態の観点に立って、新しい具体的な
新線の
計画を立てて、そうしてそれも
公団でなければならないのだというふうな、そういう政策をどうして出せないのか。どうもただ政治線であるとかあるいは
公団をつくればいいんだとかいう気持ちにどうしてもなる。いま私が言ったようなことがはっきりしておるならば、私は賛成していいというのです。そういう政策の裏づけがなくて、
資金の裏づけもないままに、そこへ職員を使う、労働者を使う、これではあまり労働者を機械的に使い過ぎやしないか。ただ
公団をつくればいいということになりはしない。それは
政府が
国民に示す交通政策としては間違いであるといわざるを得ない。そういう点について再考してもらう余地はないのか、
運輸大臣に質問します。