○梶本
政府委員 オリンピック関係の
輸送につきまして、まず国鉄の東海道新幹線の問題は、先ほど
総務長官からお話がございましたように、七月には
工事を
完成いたしまして、予定どおり十月から営業を開始いたします。それから中央線は、御
承知のとおり、中野と三鷹の間の高架複々線
工事をやっているこの問題と、それから環状七号線の
立体交差が問題になっておりますけれ
ども、これも九月には
完成する予定でおります。
それから地下鉄でございますが、地下鉄は、
交通営団でやっております北千住から中目黒まで、いわゆる二号線でございますけれ
ども、これはことしの八月に全線開通する予定でおります。現在は東銀座まで開通いたしておりますので、約七割の
進捗率、こういうことが申し上げられると思います。これには東急の東横線とそれから東武の本線が相互に乗り入れをする、こういう
計画になっております。それから中野から船橋までの五号線につきましては、高田馬場と九段下の間の
工事を進めておりますが、これは大体四割程度ただいまできております。それから
東京都営の地下鉄につきましては、押上から品川までの間、これは十二・五キロございますけれ
ども、すでに新橋まで開通をいたしておりまして、新橋から大門までの
工事をただいま進めておるわけでございます。
それから、いわゆるモノレール、羽田空港から浜松町までのモノレールでございますけれ
ども、これはすでに羽田空港の前の地下の駅は
完成をいたしております。これが予定どおり九月から営業を開始することになっております。
それから、国際空港の新しい滑走路の問題でございますけれ
ども、これは今年度中に国際線が新しい滑走路がもう一本
完成いたしますので、飛行機の現在の離着陸もだいぶ緩和するのではないか、かように考えております。
それから
一般の
観客輸送の問題でございますが、これは中央線と地下鉄の銀座線を主力に考えております。現在中央線は、ラッシュ時には三分ヘッドで八両編成ということでやっておりまけれ
ども、これを二分三十秒間隔、それから八両を十両編成にするというふうなことで
輸送力を増強していこう。それから地下鉄の銀座線は、現在二分十五秒ないし三分ヘッドで運転いたしておりますけれ
ども、これも二分ないし二分三十秒ということにヘッドを縮めまして、そうして
輸送力を増強しよう、こういうふうな考え方でおります。現在平日のラッシュ時の模様を申し上げますと、一時間に約十万人、もっとも乗車効率は二〇〇%という高い効率ではございますけれ
ども、一応とにもかくにもその程度を運んでおりますので、大体何とかなるのではないか、かように考えております。しかし、できるだけ時差を設けて退場していただくとか、あるいは駅の内外にわたって適当な誘導の整理を行なうというふうなことが必要ではなかろうかということで、運輸省といたしましては、
組織委員会なり
警察関係のほうにお願いをして、ただいま申し入れをいたしておる
状況でございます。
それから問題の、外人
観光客をどのようにしてお運びするか、こういう問題でございます。まず、ホテルに泊られるお客さん、大体一万四千人を予定いたしておるわけでございますけれ
ども、これは貸し切りバスと、それからホテルを回って歩く臨時路線バス、こういったことで
輸送を円滑にやっていこう、こういうふうな気持ちでおります。それからいわゆる
船中泊の利用者、これは大体最高七千人程度というふうに考えておるわけでございますけれ
ども、貸し切りバスによって
輸送を行なおうというふうな考え方をとっております。
それから、
東京都内だけではとても
宿泊の設備がまかないきませんので、いわゆる伊豆、箱根、熱海地区も
オリンピック宿泊の可能地域としてわれわれは計算をし、設備の
対策を立てておるわけでございます、この地域からのお客さんをどういうふうにしてお運びするか、こういう問題があるわけでございますが、これは新東海道線、それから小田急線、あるいはまた、現在の東海道によって
輸送をまかなっていこう、このような考え方でただいまおるわけでございますが、新東海道線のほうは熱海での折り返しは不可能なようでございまして、静岡からならば折り返しが何とかなるのではなかろうかというふうな意見も国鉄からはわれわれ聞いておるようなわけでございます。
しかし、そのように
輸送力そのものが完備いたしましても、結局快適な
輸送ということがやはり問題になるわけでございますので、その点についても十分意を配っていきたい、かように考えておる次第でございます。
以上が大体
オリンピック関係の
輸送対策の
概要でございます。