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国務大臣(
河野一郎君) 私、建設大臣になり、首都圏整備
委員長になりましてからまだ日が浅うございますが、これまでやってまいりました点について多少遺憾の点もだんだん検討しまして、
お話のとおり、一ぺんにものを改革するということはなかなかむずかしゅうございますし、さればといって、ただ
道路を
道路なりにやっておりますと、こういうふうに急激に変わってまいります
産業の状態、国情でございますので、それが明日の
日本にはたして役に立つことになるかならぬかということも
相当考えなければならぬというような面から、ごく素案ではございますが、最近までに、今後二十年後における
日本はどうなるであろうかということの勉強を識者のお集まりを願って一応取りまとめをいたしました。十年先にはどの
程度に、どういうふうになるだろうかということについても、幾らか二十年先よりもまとまったものをつくり上げ、こういうふうにして、大体
日本の将来のあるべき姿について一つの方向を実は出しておる。しかし、それは決してこれで絶対にいくべきものだというほどの確信のあるものではございませんけれども、何とはなしに一つの方向づけはいたしております。この方向づけによりまして、
道路につきましても、実は
道路計画を立て、これを五カ年間にどの
程度やろうという検討をしております。これが東京を中心にして、どういうふうにこの
道路が流れていくべきものか、たとえば東海道について申しますれば、これをどういうふうに東海道は
考えていくか、さらに高崎方面にはどういうふうにしていくか、宇都宮方面にはどういう
道路でどういうふうにいくか、さらに水戸方面にはどうするかということについての方向づけをいたしております。これを年次によって作っていく。これと同時に、こういうふうに
道路ができた場合に、東京に入る人口を抑えるために、たとえば東海道につきましては箱根の山の手前、西湘と名づけておりますが、ここに連合都市を作ろう、そして、それについては明
年度予算にも
予算も実はある
程度計上して着手する
予定にいたしております。さらに、高崎、前橋方面には新しい一本の路線を
考えておりまして、これによりまして、おおむね高崎まで一時間弱で走れる
道路を
計画をいたしております。これを大体五年ぐらいで完成する
予定でございます。そういたしますと、この方面に同様に一つの都市
計画を立てまして、ここにも、いま申しましたような都市を勘案いたしております。宇都宮の周辺にも
考え、水戸の周辺にも
考えて、関東平野についておおむね四つの新しい工業都市を勘案して、ここに都市
計画を作り、ここに新しい基盤を持って指導してまいりたい。先ほど、いまのような自由放任でこれらの問題が片がつくかという
お話でございましたが、われわれは法律的にこれを統制し、区画するということは
考えませんけれども、行政指導によりましてあらかじめ工場団地を作り、
住宅団地を作り、都市
計画を行ない、そしてそこに一つの住みいい、働きいい場所を作っていくということにしていくならば、将来の
日本の
産業構造改善の上にも非常に役立つ。それとあわせて、東京部内のほうは自然のうちにこういう方面に移転し、移住していくようになるだろう、新しい人はそこに住めるようになるだろう、こういう方向を持ちまして、従来の首都圏整備
委員会をその方向に引っぱっていこう。東京都内のためのことにつきましては、別に
考えておりますけれども、まず、東京の人口の過度の集中につきましては、そういう方向でこれを整備していく。大阪につきましてはいま検討中でございますが、そういうふうに順次に方向をきめまして、それについて
予算的裏づけをし、事業を進めてまいりたい。何分にも公共投資が非常におくれておる。一音に申しますれば、人口の移動とか
産業構造の改善というものは副次的にどんどん進んで、それに公共投資が先行すればよかったと思いますけれども、おくれておりますために、このように
道路があと回しになり、下水があと回しになるということになっておりますが、何とかしてここ四、五年のうちにこの状態を変えて、そして国家の構造を改善していきたい。それには公共投資を思い切って先行させるようにしていきたい、こう
考えております。