○津島壽一君 よくわかりました。それで、これは希望ですから、どうなるかわからぬことだと思いますが、そのBISができた時分から
日本は非常に協力し、この機構をつくるにあたっても、またその後の運営でも、非常な重要な役割りを占めていた。いま開放
経済というか、為替・
貿易の
自由化とか、あるいはいろいろな国際
経済機構に入っていくという段階で、
金融面においては、IMFはもちろんもうすでに入っておるのですが、こういった機構になるべくひとつ正式の参加というか、
ほんとうに株主権というか、そういったようなものを持って参加するというところに御努力願いたいのです。それはアメリカの機関じゃないのですけれ
ども、ヨーロッパの中央
銀行がおもでしょう。そういう点においては、米国の
金融機関との
関係のみならず、ヨーロッパ方面に重大なウエートがかかる時期もあろうと思うのですね。そういった
意味において、単に陪席して傍聴するという、いまはその段階けっこうですが、それをひとつ推進するように、
政府、
総裁中心となって御努力願いたいということを希望いたします。
それに
関連して、はなはだこれはとっぴかもわからぬのですが、そういったように、現にパリでもIMFの十国の
委員会が開かれておるということであり、いろいろな国際機構に入った場合において、私が特に感ずることは、こういった場合は世間並みのことをやっていかないといかぬのですね、中央
銀行は。
日本では特殊な運営、特殊ないろいろな取り扱いをやっていくということでは、どうも何というか、幅がきかないわけですね。これは自分たち長い間の体験ですが、それで
一つ例をいえば、先ほ
どもお話が出ましたからそれに触れるのですが、中央
銀行の中立とか独立性、自主性という問題、これはヨーロッパ諸国でもアメリカでも非常に尊重され、
政府もそれをよく理解して仕事をやらしているんですね。これは中央
銀行等の寄り集まりの
会議では必ず問題になる。
そこで、たとえば
日本で最近の
状態を見ますと、日銀の公定金利の上げ下げ、権衡という問題になってきますと、よく新聞等で
政府当局が先に、年内は金利は上げない、来年はどうかわからぬ、こういうことを公に言うことは、私は
総裁の立場に対して非常に同情を持つんですね、これは重大な職務ですから。だから、この点に関する限りにおいても、
政府は
政策委員会に
委員を出し、日常監督する地位にあり、
銀行局というものもあり、いつも連絡する機構が整っているんですから、内部において十分密接な連絡をしておはかりになるのが当然です。ところが、ああいうふうにどんどん金利の歩合の上げ下げを先にやらないんだということを言うのは、私はこれは適当な機会に、大蔵大臣がこの
委員会に見えたときに、もっと具体的に言いたいと思うのですが、これはわれわれも日銀におったのですが、その期間においても、一回もそういうことが大蔵省側から
——これは
山際君がその当時大蔵省におったからでしょうけれ
ども、これはやはりこういうことは内部で十分連絡して、どっちが言うかということもきめ、そうして適当な機関で正式に決定を発表するという
一つのルールですね、これは、スポーツでいえば。そういう点を
実行するということが、今後の開放
経済というか、世界の仲間入りをしてやっていくという場合には必要だろうと思う。そういう
意味において、私は、これはいま
質問——まあここで
総裁に
答弁いただくというと、ちょっと困るということはないでしょうが、この機会は適当な機会でないと思いますので、したがいまして、来年から自由
貿易——いわゆる
貿易の
自由化、為替の
自由化、いわゆる開放
経済、講和後十二年間たってやっと
日本は一人前に国際
経済、
金融の舞台に乗り出すという機会ですから、これは非常にいい機会だと思うのですね。いままではいろいろな変態的な工作を講じられたのですけれ
ども、もうここで
ほんとうにりっぱな
日本経済、国際
経済、
対外経済、まあ中央
銀行の運営という面でもこれはひとつお
考えになっていただきたいと思う。こういうことは、まあ
総裁がこういうところに見えたから顔を見て、これは自分でおった経験からいっても、過去においてもそういうことは、
信頼するというか、十分内面的において話し合いをしてきめる。前もって金利は来春に上げるのだというようなことは、言いもしない。これは英蘭
銀行では絶対にないことです。同行で上げるかどうかを決定する、変わらない場合はノー・チェンジという発表をすればそれで済むということになっておるのです。これは一例であるけれ
ども、あらゆる
——いまの
物価対策の問題に対しても、いろいろなことにも
関連があるのですね。これはお答えを
要求するわけではないけれ
ども、ひとつこれだけのことを、何というか、老婆心というかで申し上げておるわけですけれ
ども、おそらく
総裁としても腹の中じゃそのとおりだと思っていらっしゃると思うのです。また、そのとおりだというふうに言う必要もないのですけれ
ども、これだけのことを所感として申し上げる次第でございます。ひとつよろしくお願いしたいと思います。