○相澤重明君 これは今の
整備部長のお話ですが、これは
自動車の
事故というものと今の故障ということは、これは言葉の区分けの仕方ですが、これはひとつの表現の方法だと思います。故障車のあるところやはり
事故は重なるということです。これは特に京浜第一国道、第二国道等をみますと、ひとつの車が故障しているときに、二重、三重の衝突
事故が起きるということは枚挙にいとまがないわけです。そのために、単に車同士の
事故だけではなく、それをよけようと急ブレーキをかけたために、今度は道の端にある住宅、商店街に大きな
事故をもたらしたということも非常に多いわけです。だからエンコしているもの必ずしも
事故件数に影響がないというのではなく、お話の
事故件数というものをあげた場合に、お話が出たと思うのですが、私は、そういう点はやはり整備上の問題として十分検討する必要があるのではないか。
それから、もちろんこれは操作する運転者の技術の問題にもなるであろうし、知識の問題にもなるであろうという点については、きょうは
自動車局長がおりませんが、政務次官がおりますから、きょうの私のそういう
質問の趣意を関係者によく御相談いただいて、次にはひとつ御
答弁か、あるいは資料を出していただきたいと思うのです。
そこでひとつだけ、これは政務次官にひとつ聞いて、さっそく対処してもらいたい点があります。
それは
昭和三十八年二月十八日午後三時五十五分、神奈川県の足柄上郡山北町山北千八百三十五帯地の二級国道、ここで山北町千八百番地の一の西島操さんの次男で西島茂夫という小学校の六年生、十二才がなくなっているわけです。このなくなったのは佐々木勉という二十八才の運転手が、いわゆるその子供をよく見ることができなくて、つっかけて、そうして死亡した。その佐々木といろ運転手の所属している会社は上野興産株式会社、本社は東京都中央区日本橋蛎殻町二の一四代表は社長の上野才一、この会社は、この二月十八日の西島茂夫さんという十二才の子供を殺したばかりではなく、その一ヵ月前にもやはり同じような所で、国道で子供を一人殺しておる。このことをみると、この
事故の、これは警察の調べですよ。警察の調べの概況を読んでみると、
昭和三十八年二月十八日、午後三時五十五分ごろ、山北町山北千八百三十五番地二級国道上において、故西島茂夫、当時十二才は、学用品を買って自転車にて帰宅の途中、上記上野興産株式会社所属のトラックにスクリッパーを連結、牽引した車、車体の幅三メートル、全長が十一メートル、ナンバーは神奈川県の一す九五一八、スクリッパーはブレーキ装置なし、ブレーキの装置ない車を相模原市より大阪市内に向かって運転中、この者が右側に接触、約六、七メートルはね飛ばして後頭部に脳水腫を受け、県立足柄病院に収容、
手当てのかいなく、同日午後五時三十五分ついに死亡したいというのです。これを見ると、これは私は今の整備の問題ではないけれ
ども、一体こういう大きい車にスクリッパー、ブレーキがないなんということが許されるのかどうか、こういうことを私は一体運輸省としては、タクシーの認可の問題は比較的大きく世論にアッピールしているけれ
ども、貨物等の問題について、そういうような点にどういう一体具体的なそういう
検査というようなものを行なっているのだろうかという点に疑問を持つわけです。この調書によりますと、そこで当時の運転者のいっていることを、供述を見ると、時速二十五
キロぐらいで走っておった、こういつているわけです。ところがブレーキをかけてから十五メートルも走っているというのです。十五メートルもつつ走っている。そうして二十五
キロぐらいで十五メートルも走らなければとまらないか、こういうところにも性能の問題やブレーキの問題が出てくると思うのです。当時の推定でいくというと、四十
キロ以上走っているのじゃないかということがいえるわけです。しかも、その十五メートル以上もブレーキをかけて走っておって、路上にあるところの電柱まで折っているわけです。こういうようなことを考えてみると、これはかなり
自動車の性能、運転者の操作、こういうものに私は問題があるのではないかというふうに思うわけです。そこで、それをひとつよく会社の――大きい車をたくさん持っているようです。ところがそういうふうにして、しかも
事故を起こして子供がなくなっているにもかかわらず、いまだにこの会社は、このなくなった人に、遺族に対して弔慰金といいますか、補償料といいますか、それを払ってない。ことしの二月十八日ですよ。全くもってけしからぬと思う。当時の話を聞いてみると、十八日の日に、今申し上げた子供をはね飛ばして、たいへんだということで、まわりに人が寄ってきたから、そこで車に積んで足柄病院まで運んだ。運んだけれ
ども、ほかの者が行った車代とか入院費とかその他は一切被害者に払わしている。会社は一切払ってない。二月二十日の日にお葬式があって、そのときに香典を五千円と、何かお供えものを一折持っていった。そのときには運転手さんと三人が、会社側の者もお葬式に
出席をした。しかし、その後を見ると、ずっといろいろなことが書いてありますけれ
ども、そのことを見ると、いや、とても会社ではそういう金を払うことはできないのだ。あるいはもう子供が死んじゃっているので、運転手の一方的な自供だけでもって問題を処理をしようとするというようなことをいわれておって、会社側として、たとえば
最大限譲歩して死んだ人に対して補償金を出すにしても四十万そこそこだ、こういうようなことをいっているようです。それで、先ほど申し上げたように、その前の日の、二月の前の一月に同じように人を一人ひき殺して、そのときに支払ったのは、四十八万円か払ったそうです。払ったのだそうですけれ
ども、それは五才の子供なんです。こういうふうにして、四の五のいっておって、いまだに解決しない。それでたまたま被害者のお父さんが会社に行ったところが、おれのところではそんな君らがきたって話にならぬというようなことをいっているのだというのです。これは私はやはり認可事業という、営業事業ですね。こういうものに対する今の車の整備、あるいは運転者の状況というものは、やはり会社側にあると思うのです。したがって、会社側ということになれば、それを認可している運輸省にその監督上の問題が私はあると思うのです。そこで私は、きょうはそういう実情をどうであったかということを調べるのが
一つと、それから少なくとも人の子供を殺しておいて、それで遺族に補償金も出せないというような一体会社の経理なのかどうか、経理状況を洗ってもらいたいと思うのです。会社が出せないというなら出せないのはどういう理由か。それでそういうことで、たとえば私の会社は出せないと言われても、たとえば赤字である会社であっても、
人命を損傷しておいて、そうして払わなくていいという理屈にはならんと思う、そうですね。今日国電の
鶴見事故にしろ、あるいは三池炭鉱の
事故にしろ、これだけ大きな
国民的な関心を持たれておるときに、しかもまた走る凶器といわれる
自動車の
事故においても、とにかく
事故があったならば、誠心誠意解決するという私は誠意がなくちゃいけないと思うのです。ましてや国が認可をした事業を行なっておる会社においておやだと思うのです。そういう面で、私はきょうは時間がないからこまかい点をたくさん申し上げることができません、これは
あとで
整備部長のほうに届けておきます。ひとつ政務次官
責任をもって
自動車局長と関係部長とも相談をして、会社の内容について、整備状況あるいは経理状況、そうして早急にこれは解決してもらいたい。少なくとも人の子供を殺しておいて、そうして六十万、七十万の金が払えないはずはない、百万払ったところで子供が返ってくるわけではないのですから、親の身からすれば、金よりか子供を返してくれというのが人情じゃないですか。それをふざけたことを言って、二月の
事故をいまだに車賃も払わない、入院費も払わない、そしてまた遺族に補償もしないということは、まことにけしからぬ。私は年内に解決するように、
政府の
責任でもってやってもらいたい、こういうことを整備の条件も出ておるようですから、私申し上げたのですが、
自動車事故の問題については実にたくさんの問題がありますので、どうかそういう点を
政府としてもお考えを願って、
事故をできるだけ少なくし、そしてまた
事故が起きた場合には、関係者がほんとうに誠意をもって話し合って解決のできるようにしていく。もしそれが言うことを聞かないような会社なら、免許を取り消したらいいのですよ。なんでそういう死傷
事故を起こすような、続いて二件も人を殺すような営業会社に営業をさせますか。これは
政府の
責任だと思う。人殺しだ。
こういうことで、私はきょうは
質問を終わりますけれ
ども、ひとつ政務次官にこれは
お答えを願っておきたい。