○石野
委員 大臣は、そういう不便を来たすようなことはなかったろうと思うし、話し合いも十分ついておるのだと思っているとおっしゃられるのですが、事実上、たとえば私は茨城でございますが、茨城で水戸地方法務局の石塚出張所の事務を水戸地方法務局に移管したのですが、それをもとの状態に復活してくれという要望書が私のところに来ておるのです。これは法務省に出ておると思います。これは非常に的確に便不便の実情を出しておりますので、御参考までにちょっと申しますと、たとえば石塚の出張所があります場合のこの常北町というところの方々は、事務を処理するのに往復全然時間をかけないでやれた。ところが、水戸へ行ったために最低一日かかる。それから、桂村では、町内におるときは五十円でできたものが、今度は一日かかって、しかもそれが倍額の経費がかかってくる。それぞれずっとたくさんあるわけです、たとえば常北町の場合は、経費がゼロだというのが百五十円かかるようになってくるし、日にちも倍かかる、こういう形になる。それから、御前山の場合は、石塚出張所のときには百十円で済んだものが、二百四十円も往復の旅費がかかって、しかも二日間でなければ処理できない。こういう状態がしばしば出ているわけであります。
それから、これは
ただ個人の場合でなく、たとえば別なところで、出島の出張所がございますが、それを土浦の支局へ統合するというような場合になりますと、村全体としてこういう要望があるのです。村においても、農地事務処理のために、交換分合や区画整理、あるいは道路の拡張、新設や河川改修のための農地の転用、移転、企業誘致
関係など、毎日三−六名の
職員を派遣して登記事務を進めているわけですがこれをやるようになりますと、それが朝から晩まで一日かかって、しかも人員にしては四倍ぐらいかかるようになってくるだろう、こういう事情が訴えられておるわけでございます。こういうように、この石塚の出張所のごときは、すでに移転は行なわれたのでございますが、ぜひひとつ復活してほしい、こういう要望を熾烈に行なっておるわけでございます。
それからまた、他の面におきましては、すでに石下の出張所を水戸地方法務局へ統合するわけでございますがこういうような場合になりますと、これは昔火事があって出張所が焼けた、それを地元で全部出して復活させてやったのだ。そういうところを今度は全部水戸なら水戸に取り上げてしまう。自分たちはみな法務省に協力して復活してあげたのに、いまは相談もなしに水戸の法務局に持っていくということになると、不便どころか、そのいう従前においての行為なんかも全く無視された形で、
政府当局に対する地元民の協力が全然無視されていることはもってのほかだという意向が書かれてあるわけでございます。
こういうようなことを
考えますと、
給与の
増額とか
報酬の
増額ということを一方で
考えて、法務行政をスムーズに行なうための方向がとられる反面、
一般の人々に対しては非常に不便を来たすということになりますと、それは全く趣旨と相反するものになってくるのではないだろうか。だから、
給与改正については、生活のしにくくなっている実情に見合って、できるだけいろいろな方策を講じてくれることに対して、われわれはやはりそれをよしとしますけれども、それが
一般の国民大衆に著しく不便を来たすようなしわ寄せが出てくるようなことでは、これは何の役にも立たないと思うのでございます。そういうような意味で、すでに地元民から非常にきつい要望の出ているものについては、法務当局としてもう一度再考してい
ただきたい。ことに農村の改善事業がどんどん行なわれてきますると、農地統合だとかなんとかで、やはりいろいろな法務行政上の仕事がたくさん出てまいります。そういうことについて、印鑑証明一つとるだけで一日も二日もかかるようなことでは、とてもこれは行政上の合理化でも何でもございませんので、こういう点について
法務大臣はもう一ぺんひとつ当局の出先官憲を指導なさって、
大臣が判を押した方面についても、悪かった、よくなかったというものについては改めてい
ただくことが、ほんとうに
大臣の国民大衆に対する奉仕の精神に合致するものじゃないかと思う。この出張所の統合の問題について、行き過ぎやあるいはその後の事情からどうもまずいと思うようなことについては、これは改めてい
ただくことがよろしいのじゃないかと思いますけれども、
大臣はその点いかがお
考えですか。