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阪田説明員 葉たばこの現在の
収納価格の算定
方式、これにはいろいろ御承知のような経過がございまして、毎年検討が続けられてきたのであります。現状におきましてはこういう
ところへ落ちついておるわけでございますが、そういう意味で理想的な
決定的な算定
方式というものはこれからも検討しなければなりませんが、現状としては毎年学識経験者の方々に御検討願いまして、そのときの実態に応じた
価格算定
方式というようなことで検討が重ねられました
方式でありまして、現状ではやはりこれが最高のものではないかというふうに考えておる、こういう
趣旨で申し上げておるわけであります。ただいまいろいろと
専売公社の
収益が減るから所得補償
方式がいかぬのかといったような話がございましたが、そういったような観点ではものは考えておりません。やはり耕作者に適正な
収益を与える、耕作者に喜んで
たばこをつくっていただくというような
価格を考えていかなければ
葉たばこの
生産は確保されないわけでありますから、
公社の
収益が減るという問題は、もちろん
収益に影響があると思いますが、その観点から
葉たばこの
価格をきめていくべきものではないと思います。
なおお示しのありましたほかの農産物
価格とのバランス、
葉たばこよりも
収益性といいますか、バランスからいって高いと思われるようなもの、安いと思われるもの、いろいろあると思いますが、そういったようなバランスの問題は、これは現行の算定
方式では
計算的には考慮に入れられておりませんが、やはり考慮に値する問題であろうと思っております。現状におきましてはこういうものは要素に入っておりません。
なお、お示しのありましたように、現在の算定
方式の二つの
方式があって、それが対立しておるのだといったようなお話でありましたが、将来の
価格算定
方式を考えるにあたりましては、そういう二つの要素なりあるいは二つの
方式の対立ということだけでなくて、もっといろいろな要素を考えていく必要があるのではないか、ことに
葉たばこは、
生産者のほうから申しますれば、
生産費をかけてこれだけのものができたのでありますから、ただいまのような
議論が出てくるだろうと思います。
しかし
葉たばこと申しますのは、
たばこ製造の
原料に使用するわけでありますから、
生産費が幾らかかった、あるいは
生産者の
収益が幾らであるかという問題とは別途に、
専売公社の
たばこの製造の
原料として使用しましてどういう価値があるか、いい葉であるか悪い葉であるか、そういう観点からの検討も、ものの性質上、当然なされなければならないと思われますし、なおまた、昨今いろいろ国際貿易の自由化といったような方向に
日本経済全体として向かっておるわけであります。
葉たばこというものは、これは性質上、世界的な商品でありまして、世界各国いずれも
葉たばこを輸出し、また輸入しておる。アメリカのような国でも、最大の
葉たばこ生産国でありますが、
たばこを輸出すると同時に輸入もしておる、こういったたちの商品であります。国際
価格の動向といったようなものも十分に考えてまいらなければならないのじゃないかといったようなことも、将来の問題としては、当然考えに入ってくると思います。いろいろ、そういったような非常に重大な問題の観点が含まっておりますので、検討といいましても、なかなかむずかしくもありますし、慎重を要する。これからの農業の動向も当然でありますが、経済の全体の動向も見定めて、適切な
方式を考えていかなければならぬと思っておるのでございます。