○滝井
委員 結局一万八千六百人が一万九千二百人と、滞留者が増加をしたわけです。しかもその中で、たとえば二千八百人の産炭地域の振興のごときは、その中の千二百人はボタ山処
理事業なんです。ところがボタ山処
理事業は、いまのところ二百七、八十人しかいっておらぬ。それから産炭地振興でやるといったって、これはほとんど新しく中学校、高等学校を卒業した、家計補助的な、縫製工場その他、九千円から一万二千円程度の
労働ですよ。いわゆる主たる家計の保持者が就職している率というのは非常に少ないわけです。こうやって見てみますと、産炭地振興の二千八百人も、
会社あっせんの一万一千六百人の中にも、これは水増しが出てくるわけです。いわんや自己就職の五千百人が六千九百人になるというのは、これは農村に帰って滞留ですよ。とりあえずふるさとの鹿児島や宮崎に帰ろうか、こういうことなんです。だから実際的には来年の三月に繰り越される数というのは、一万九千どころじゃない、二万をこえる。特に
福岡県のごときは、滞留者が非常に増加してきている。その証拠には、
生活保護を受ける人がウナギ登りに増加してきているのを見てもわかる。全国
平均が千人について十七人か十八人、それが百二十人、百三十人ですよ。これを見ても、滞留者が急激にふえているということがわかるわけです。だからこれは、有馬さんのほうでもう一回再検討していただく必要があるのではないか。その再検討の過程の中で出てくる問題は、どういうことが出てくるかというと、
一つ一ついきますが、まず第一に就職促進
手当です。
これは四百五十円を六百円にしてくださいと言ったけれ
ども、自由民主党はがんとして聞かなかったわけです。しかし御存じのとおり、池田さんの政治のもとでは、ことしは二・八%しか物価を上げませんと言っておったけれ
ども、九月現在で九%上がっておる。それで、国家公務員のベースアップもあったわけです。こういう
炭鉱離職者を、扶養加算も加えて四百五十円程度では、どうにもならぬわけです。これは算定の基礎があるわけですが、これはこういう計算をしているわけでしょう。
炭鉱離職者の失業保険の
平均日額は三百七十七円だった。それをアップ率を九円ちょっと見て、それから扶養加算を十七円見て四百五円、これを基礎にしておるわけです。だから、公務員の給与も上がっておるし、それから扶養加算だって、食いぶちについては物価が上がれば十七円以上かかる、こういうことから当然上げなければならぬと思うのですが、この扶養加算の問題について、有馬さんのほうとしては、何ぞ来年度を待たんやと私は言いたい。
ほんとうは第三次補正予算でさかのぼって、公務員が十月にさかのぼってやるのですから、さかのぼってやってもらわなければならぬと思う。その点、就職促進
手当については一体どう
考えておるかということが
一つ。
立ったついでですから一緒に言いますが、同じように職業訓練
手当です。職業訓練
手当は一万二千二百五十円です。この一万二千二百五十円の算定の基礎はどういうことになっておるかというと、これは暦日で計算して日額三百六十円の三十日分、同時に技能習得
手当七十円を二十五日ですから二十五かけて一万二千二百五十円というのを出してきている。これが算定の基礎です。大の男が休んでおったら、三百六十円で一日食っていけるであろうという算定のもとにきておる。そうすると、物価が上がっておるのですから、三百六十円ではなかなか食えないという
状態が出てくると、当然修正しなければならぬ。一万二千二百五十円についても修正しなければならぬという客観情勢が出ておるわけです。
それから就職指導
手当九千百五十円、これもやはり同じことだと思うのです。これは三百二十円の三十日分で、
平均したらたぶん九千六百円くらいになるんだけれ
ども、これだって三百二十円のもとはやはり上げなければならぬ、こういう問題がある。これらのものは、根本的にさかのぼって、何を基礎にしておるかというと
生活保護費です。これは一級地一万四千二百八十九円、
福岡は二級地ですから一万三千三円、これの八割五分程度でしょう。そうすると一万一千五十三円、こういうところを基礎にして、これをつくっておるわけです。したがって当然厚生省は二割二分くらい
生活保護費は上げなければならぬ。二割二分でも少ないと思う。この主食の経費を見ると、六十歳の成年男子が一食二十五円、一日七十五円です。これは東京でですよ。ところが二級地になると、もっと下がる。鹿児島のようなところならば、主食が一食十八円です。これで大の男の、
平均年令三十八才の
炭鉱離職者に食えといっても無理なんです。東京で一日七十五円の主食で
生活してみよといっても、とても食えない。
こういう実態ですから、池田さんはまず格差を解消すると言っておるし、
労働省も賃金の格差を解消することが賃金政策における一番大事な点だとおっしゃっているわけですから、まず隗より始めよで、こういう貧しい階層の底辺における底上げ政策は当然とらなければならぬ。公務員が自分たちの給料だけは六・七%引き上げて、十月にさかのぼるけれ
ども、
炭鉱離職者や他の者は来年の四月一日でいいなんということは、きょう大蔵省は呼んでおらぬけれ
ども、まさか大蔵省は言わぬと思うのです。ここはひとつ
労働省なり
通産省がヒューマニズムの精神でやってもらわなければいかぬ。死んだ人にもやらなければならぬが、生きた人にもこういうことをやることが罪の償いだと思うのです。どうですか。いまの就職促進
手当、職業訓練
手当、就職指導
手当、これらのものを直してもらうと、当然失対の賃金、大河内さんが最近やめて近藤さんにかわりましたか、あそこの賃金の問題も同じくこれで
影響してくることになる。あれは四百五十八円です。
生活保護と四百五十八円の日雇いの賃金を基礎にして、これらのものがきめられているのです。そこで、これらの三点に対する
労働省の見解をお聞かせ願いたい。