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福田(一)
国務大臣 原因の究明につきましては、
山田団長を
中心といたしまして、十名の
委員に現場に行ってもらいまして、詳しく
調査をしてもらい、この方たちがそれぞれ部門を分けていま専門的に問題を
検討して、総合的な結果を出そうとされておる
段階でございますので、ここで私がにわかにその
結論を申し上げるわけにはいかないということは、御
質問のとおりでございます。ただ、いままでのところで大体わかっておりますことは、
三川鉱の
斜坑におきまして、
炭車が何らかの
原因で連結がはずれて逸走をした、そうしてそれによっていわゆる
炭じんが巻き起こされて、その
炭じんに何らかの、そこが一番問題になっておるのですが、どういうことかわからないが、そこで引火したのではないか。すなわち、
炭じん爆発であるということについては、大体
意見が一致しておるやに承っておるところであります。そこで、
炭じん爆発ということになりますと、これは皆さんのほうが専門であるということになりますが、もうずいぶん昔そういうことが起きたけれども、今日ではそういうことは起こらないような、いわゆる散水をするとか、その他の
措置をすることによって起きないようになっておるということもありますが、しかしながら、もちろん
一定量以上の
炭じんが積もったということになりますと、その
危険性は大いに増すわけでありますから、そういう
意味では、これはずいぶんいままでも厳重に
調査をいたしておりまして、特に
三川鉱については、ことしの四月に
監督官が行って、
斜坑並びに
切り羽までの全部について、そういう面についても
調査をいたしました。ところが、いささか
炭じんのたまりようが多いということでございましたので、これはひとつすみやかに除去をするように、清掃するようにということを
注意をいたしまして、その後、六月になりまして、実を言うと、
会社側からこういうようにして
炭じん清掃をいたします、こういうような
報告書が出てまいったわけであります。その後七月、八月、九月には
落盤事故が相次いで起こっております。そういうこともありましたので、
炭じんの問題については、いわゆる
切り羽の先のほうの
炭じんの
状況等については、詳しく調べもいたしておったのでありますが、いわゆる目抜きの、
銀座通りといわれる
斜坑、ああいう大きな
坑道の分について除去されておるかどうか突きとめるというところまでいかない事情にあったのは事実でございます。
しかし、そういうふうにいろいろ
落盤事故等もありますので、十月二十一日には、三井の社長に対しまして、どうも少し
事故が多いようであるから特に
注意してもらいたいということを、
監督官を通じて警告を発しておきました。これはもう繰り言になるのでありますが、予定といたしましては、十一月十一日に一斉検査をしようという準備を整えておったやさきに、九日にこのような
事件が起きたという
状態でございます。その
意味において、われわれとしても、
ものごとを突きとめていかなかったという面は確かにあるのでありますが、それにしましても、
原因自体がはっきりいたしますまでは、いかなる
措置をとるかということについては申し上げるわけにいかないのであります。まことにわれわれとしては遺憾なことであります。
ただ、
三池のようなところでこういうようなことが起きるということになると、よそでもどんどんこういうことが起きるのではないかということを非常に心配いたしました。そこで、十二日に、
対策本部を
現地につくるということを閣議できめ、その他、
融資をいたしまして、
見舞金その他をなるべくすみやかに出せるように
措置をすると同時に、大手並びに中小の各社を通産省に呼びまして、
三池のようなところでさえこういう
事態が起きたのであるから、特にこの際
保安に
注意してもらいたいということを、厳重に申し渡したという
措置もとったわけであります。
そういう
事態でございまして、われわれといたしましては、まことに遺憾なことが起きたと思って恐縮いたしておるのでございます。今後は一そう
保安の法規の問題、これで十分であるかどうかというような問題も
研究いたさなければならぬ、また、現実に
保安の
監督をする
やり方についても詳しく
研究し、また
保安の
技術の面あるいは
保安の
設備に関する
融資の
問題等についても大いに改めて、今後このような
事態が起きないように
努力をいたしたいと思って、せっかくいま
善後処置に
努力をしておる
段階でございます。
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