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滝井委員 そうしますと、当初
池田内閣が
所得倍増計画をつくる場合の
行政投資額として、あなたのほうは約五千七百億きめておったわけです。その五千七百億のうちで
建設省関係が四千五十億あるので、わがほうは千億ちょっとである、こういうことなんです。それが今度の
計画では、
小林さんの
質問にお答えになっておったが、
下水道と
し尿と
ごみで
対象事業費が千九百五十二億、約倍になったわけです。倍になったということになると、
池田内閣の
所得倍増政策の全般の計数というものが違ってくることになるわけです。当時は十六兆一千三百億が
総額になっておるわけです。そうすると、いままであなたのほうだけが一番おくれておった。
社会資本を
充実しなければならぬ。
道路、港湾、用地、用水を
充実しなければならぬ。その中で一番おくれているものは何だったか。全体の
計画の中でも
社会資本の
充実がおくれておったけれ
ども、その中でも特に
民生安定基盤の中の
生活環境施設がおくれておったということでしょう。そうすると、私の言いたいのはここなんですが、
河野さんのほうは二兆一千億円の
道路五ヵ年
計画を一挙に倍の五兆にされた。ところがあなたのところは、なるほど倍にはなろうとしておるけれ
ども額はたった九百億くらいの倍ですね。一体これでバランスがとれるかどうかということです。そうしますと、おくれておる
生活基盤の中における一番重要な
環境の問題が、将来もっと隘路になってきやしないかということです。全体の
位置づけの問題を考えなければいかぬと思うのです。
河野さんのほうは
御存じのとおり
ガソリン税、
軽油引取税という
財源をお持ちになっておるわけです。ところが悲しいかな、
厚生省はそういう特定の、税金をちょっと手直しすればすぐに何千億の
財源があるというものを持たないわけです。どうしてもこれは
一般会計にその支出を仰がなければならぬ。こうなりますと、ことしの
予算の総
ワクは二兆八千五百億、来年は一割四分ふやして三兆二千五百億
程度にする、これが限界だ
余裕財源は千五百億、こう言い始めたわけです。私
どもはどうも少し隠し
財源があるのじゃないかと思うのですが、その千五百億の中からとっていこうというわけですね。そこで私としては、どうも同じ五ヵ年
計画をお
立てになる場合でも、五ヵ年
計画自体の中でも非常にアンバランスがあって、これは
大臣の前で言いにくいのですけれ
ども、強い
大臣のところはよけいにばりばりとっていく。しかし、どうも弱い
大臣——決して
小林さんは弱くないと思いますが、いままでの
厚生大臣はどうも弱かったと見えて、弱い
大臣のときはなかなかとれない、こういう形になってきておるわけです。そこで私として言いたいのは、そのためにわれわれはこの
法案について一つの条件をつけたわけですが、あなたのほうの
資料を見ると、
年次計画はちっとも出ていないのです。一体千九百五十二億を五ヵ年間で確保しようとするならば、第一
年度で
幾ら、第二
年度で
幾らと出してもらわなければいかぬのです。
建設省の
資料をごらんになりますとみな出ているのです。三十八、三十九、四十、四十一、四十二年と、五ヵ年
計画の
年次の
金額が出てきているのですね。私
たちはやはりこれでいかなければいかぬと思うのです。当時の古いあれを見てみましたが、たとえば三十七
年度の
清掃の
施設の
補助金として三十億三千二百二十三万
要求されたわけです。これは十ヵ年
計画をお
立てになっておった。ところが、この三十億というつつましやかな
要求に対し
大蔵省がどういう査定をしたかというと、十億九千四百万しか認めなかった。三十億出して三分の一しか認めなかったのです。そこでこの
厚生省の
清掃等の十ヵ年
計画というものはくずれてしまったのです。私は知っているのです。そうして私
たちは、これはたいへんだ、こういうことではいかぬじゃないかと言うて、当時しりをたたいたことを覚えているのです。そうしてこれがくずれて、あなたのほうは今度三十八
年度の
予算編成にあたって、これはいかぬ、練り直しをしなければいかぬといって練り直して、緊急五ヵ年
計画をお
立てになったのです。そうしてこれは幾ぶん前進したけれ
ども、どうですか、三百五十億
要求して二十一億だったのです。これはなるほど前年の十億に比べたら倍になっているのです。しかし倍になっておっても、二兆が五兆になる倍とはけた違いなんですよ。パーセントから言えばなるほどうちのほうは十割増加だというけれ
ども、その十割増加のけたが違うのです。こういうところに問題が私はあると思うのです。ことしも同じです。ことしもこういう形でやっておりますと、これは
御存じのとおり、
厚生省は今度は、昨日言ったけれ
どもなかなか
大臣は言わなかったが、
厚生年金の問題もあります。
医療費の
緊急是正もやらなければいかぬのですよ。そうしたら
環境衛生なんかに金はこないのですよ。そこで私はまず言いたいのは、あなたのほうのひとつ
年次計画を
説明してもらいたいということです。少なくとも
下水道の第一
年度、
昭和三十八
年度は
幾ら、三十九
年度は
幾ら、そうして総計千八十億になります、それから
し尿も四百九十八億になります、
ごみも同じです、そうしてそれだけの第一
年度の三十八
年度はこれを認めるということを、きょうは
大蔵省来ていただいておるから、そこらあたりをはっきりしてもらわないことには、こんなものをつくっても何の役にも立たないのです。もう過去においても十ヵ年
計画をつくったけれ
どもだめだったし、五ヵ年
計画をやってみたけれ
ども、三百五十億
要求して二十一億しか認められなかった、こういう形ですからね。だからまずその
年次計画を言ってもらって、そうしてそれに対する額が出るのか出ないのか。出ないならば、いかなる理由で出ないのかということをひとつここで明白にしてもらわなければいかぬ。そうでなければこんなものが通ったって何の役にも立たない。これが通ったら全部できますということをいままで言ってきていますから、出るだけの
言質をもらっておかなければ話にならぬのです。