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1963-11-29 第44回国会 参議院 石炭対策特別委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十八年十一月二十九日(金曜 日)    午前十時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岸田 幸雄君    理事            亀井  光君            徳永 正利君            大矢  正君            鈴木 一弘君            大竹平八郎君    委員            川上 為治君            剱木 亨弘君            郡  祐一君            高野 一夫君            野田 俊作君            堀  末治君            阿具根 登君            阿部 竹松君            大河原一次君            小宮市太郎君            小柳  勇君            柳岡 秋夫君            田畑 金光君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○当面の石炭対策樹立に関する調査  (三池炭鉱災害に関する件) ○派遣委員報告連合審査会開会に関する件   —————————————
  2. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) ただいまから石炭対策特別委員会開会いたします。  当面の石炭対策樹立に関する調査の一環として、三池炭鉱災害に関する件を議題といたします。  去る十三日の当委員会におきまして決定された委員派遣につきましては、十一月の十五日から十八日まで、私ほか六名が、その中には社会労働委員会から阿具根理事が参加されたのであります。この六名が現地に参りましたので、その報告をこの際、剱木委員から承ることにいたします。剱木委員の御報告をお願いいたします。
  3. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 三池炭鉱災害に対する委員派遣につき、簡単に御報告申し上げます。  今次災害重大性にかんがみ、前回の委員会で、委員現地派遣することになり、その人選、日時等委員長一任となりましたが、委員長理事御協議の結果、岸田委員長、前田、阿部、石田、田畑の各委員と私の六名が派遣されることになり、期間は十一月十五日から四日間ということになりました。  右のほかに、社会労働委員会からも阿具根委員派遣されることになり、現地小柳小宮委員も参加されたので、九委員参議院三池災害調査団として活動することとし、団長は岸田委員長にお願いすることになりました。  調査団は、十五日福岡に到着、鉱山保安監督局長から災害状況を聴取、大牟田市に至り、臨時三池災害対策本部長から善後措置を聞いた後、三川坑災害現場視察犠牲者の霊に花輪を供えて冥福を祈った後、三井鉱山その他被災会社、三つの労働組合本部をたずねて、弔意を表するとともに、お見舞のことばを述べたのであります。  翌日は、再び大牟田市役所で、三池労働組合三池労働組合三池職員組合三井鉱山会社の順に、それぞれの幹部から災害事情並びに対策等につき見解を聴取しました。その後、福岡県、大牟田市、荒尾市当局から要望事項を承り、再度、福岡鉱山保安監督局長から災害状況の説明を聞きました。終わって、今回の負傷者の収容されている天領病院中島外科医院荒尾市民病院をたずね、入院患者をお見舞したのであります。  今次の災害は、四百五十名の死者、その後病院で死亡した者を加えると、今日までに四百五十六名の死者を出し、数百名の重軽傷者を出した戦後最大の炭鉱災害で、石炭合理化計画進行中に、わが国屈指ビルト鉱三池に起こったという点で、きわめて注目すべきものであります。  災害の原因については、一般に炭じん爆発と見られるのみで、何ゆえ炭じんが爆発したか、何ゆえそうした爆発するほどの炭じんが存在したかについては意見まちまちでありましたが、三池三川坑の大斜坑で、まさかあのような大災害が起ころうとは夢にも考えられず、いずれかといえば、安心しておったところを、盲点をつかれ、虚をつかれて災害が起こり、災害規模も、用意のないためと、鉱員の入れかえ交代時であったことと相まって、きわめて大きなものになったと言えるようであります。三川坑における平時の保安対策につきましても、合理化を急ぐあまりに、保安を軽視したと強く主張する者と、保安については十分注意を怠らなかったとする者とがありましたが、今次の災害を反省するとき、保安を一そう強化する必要ありと考える点では何人も異存がないようで、生産再開保安確認が前提であるということも認められていました。  死傷者に対する援護は、災害対策本部を中心に種々進められていました。遺家族については、保険金退職金補償費等支払い促進のほか、遺族の生活安定のためには就職あっせん職業訓練子弟教育等が必要とされ、ことに残された遺族老幼婦女子であるため、職業等にも特別の配慮が必要で、今後官公私一致して当たらねばならぬことと思うのであります。  負傷者について憂慮されていることは、一酸化炭素による記憶喪失症が相当に多く、もしこれが後遺症として残るとすれば、その対策を十分考慮しなければならないのであります。  いま石炭鉱業全体が深刻なる事態にあるとき、かかる災害が起こったことが業界全体に与える衝動はすこぶる大きく、今後三池の復興、会社再建につきましても、資金面など、政府の援助が強く要望されているのであります。また、会社に対しましては、現在とかく失われがちの人の和、特に労使間の相互信頼をはかり、社内一致団結して再建に努められたいという声も聞かれたのであります。  以上大要を申し述べましたが、なお詳しい点は別に報告書として委員長に提出してありますので、それを会議録にお載せ願えれば幸いと存じます。
  4. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) ただいまの御報告について、何か御質疑等ございませんか。
  5. 阿部竹松

    阿部竹松君 報告を承りましたが、報告された剱木先生じゃなく、委員長にお願いしたい。  出発する前にここで議決したことは、当日参って大牟田市役所に集合して、そこでお話を聞こうということであった。しかし、われわれの知らぬうちに福岡通産局でおきめになったかどうかわかりませんけれども、そこでお調べになった。私は、これから開かれる予定になっている合同委員会質問に必要ですからお尋ねしますが、その点は何のために変わったか、ここで議決していったのが。それが第一点。  それから、そこで保安局の方々といろいろお話をなさっているが、四百五十一名なくなったといって、正式に印刷して報告しておる。それから、文書を全部読んでみると、七名が不明であるということを報告されておる。そういう点どうなったか。新事実とか、ベルが鳴ったとかいうことは、報告書を読んでみると、全然理解に苦しむような報告書になっております。ですから、その点も私参考までに、この点だけでけっこうですから、承りたい。以上二点。
  6. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) いまの御質問の点について私からお答えいたします。  御質問の第一点は、われわれ現地に着きまして、福岡に着いたところが、さしあたり福岡通産局状況を聞いてもらいたいということで予定が変わったわけです。もっとも、福岡のその会議に御参加にならなかった方には、翌日あらためて大牟田でさらにその質疑を行なって、応答があったのでありまするが、それで御了承願ったんではないかと思います。  それから、第二点の死傷者人数の点は、その後重傷者が死亡したりしてふえたのじゃないかと思います。  第三点の問題については、なお調査いたしまして御報告申し上げることにしたいと思います。
  7. 剱木亨弘

    剱木亨弘君 阿部委員のいまの御質問の七名の不明があるという点につきましては、別添の報告書に詳しく書いてありますので、後ほどごらんいただければけっこうだと思います。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 翌日やったといったって、翌日委員長はじめ、おらなかったでしょう、途中で……。ここできめたのは、福岡でやりますといって、何名かの議員が大牟田に行って待っておった。それをかってにどなたがどういう権限を持ってやられたかわかりませんが、変更してやられた。私はどうも了承できかねる。ここで議論しようと思いませんが、この点かつて出張した視察その他の経験では、こういうことはあり得ない。  それから、いま言ったとおり、四百五十一名と報告されておる。それから、もう一つは、保安局の名前の入った印刷書にちゃんと七名不明と出ている。あれを全部読んでごらんなさい。全部つじつまが合いませんよ。あれが誤りだということであれば、これはいいですよ。しかし、委員長も十分お調べになっていないようですから、ただ私は、これから合同審査会がありますから、そこでお尋ねしますが、ほかの知らない先生方のところで質問しても、かえって迷惑だろうと思ってお尋ねした。筋が通らない。
  9. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) いまの福岡打ち合わせ会は、事前に連絡していなかった点は、はなはだ遺憾でありますが、これからできるだけそういうことのないようにいたします。  人数の点は、いまのお話のように、現地のほうの報告がだんだん重傷者が死亡したりして増加したわけですから、その点は事情やむを得なかったのではないか。しかし、正確な人数を発表する点からいえば、当然十分その正確を期してもらいたいと考えます。  ほかに御質疑ございませんか。——他に御質疑毛なければ、派遣委員報告はこれをもって終了することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 御異議ないと認めます。  なお報告の中で述べられました報告書の詳細は、委員長の手元まで提出されておりますので、この報告書会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。   —————————————
  12. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 次に、ただいま社会労働委員長並びに商工委員長から、三池炭鉱災害に関する件について、当委員会に対して連合審査会開会の申し出がありました。これを受諾することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会時間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 岸田幸雄

    委員長岸田幸雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本委員会はこれにて散会いたします。    午前十時四十九分散会    ————————