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加藤シヅエ君 私は、今度の
ケネディ大統領のなくなられましたことに対しまして、
総理大臣並びに
外務大臣が
葬儀に
参列のための渡米をされましたその前後のことにつきまして、少し申し上げたいのでございます。
それは、
総理大臣、
外務大臣は、最近毎年
アメリカに、あるいはヨーロッパに、あるいは東南アジアに
おいでになりまして、
日本の国が諸
外国から非常に高く評価されている、そして
日本はいまや
世界の三本の柱である、こういうような御
発言があるわけでございます。この三本の柱の一本に、もし
日本がそういうような重要な
役割りを果たすことができるとしたら、それは非常に
日本にとっても大事なことでございまして、ぜひその使命を果たすような
日本になってほしいと、私も
ほんとうに心の底からそれを思うわけでございます。しかし、このたびの
ケネディ大統領の死に対して
総理大臣のとられました
態度というものは、これは少しも
日本が三本の柱の一本であるというような、そうした意義を
ほんとうに心の底からわきまえていらっしゃる
総理大臣であるというような
態度とは思えません。これはどういう御事情がございましたにせよ、対内的にも対外的にも非常によくない
印象を与えるような
態度をとられた。これは
国民として非常に皆残念に思っております。それはいま
外務大臣の御
発言の中にも、最初
参列するときにあまり大げさな
参列はディスカレッジするようにという
情報が入ったということでございますけれ
ども、あれだけの大国の
大統領がああした死に方をなさったときに、それがそんな小さなお葬式で済むなんということは、これはあり得ないことなんでして、そんなことはもうあり得ないというような
考え方を当局としてお持ちになるのが当然じゃないか、そういうような小さな
情報でもってためらっていらっしゃる。それはたいへんおかしいことだと思います。これは
世界の
情勢の
認識という点において非常に欠けているからそういうことになると、私はそういうふうに考えます。そして
最後にやっと
総理大臣が
おいでになるというようなことになりましたけれ
ども、どうも
ケネディ大統領の功績について、いろいろ平和のために非常に尽力をなさったその方の死をいたむというような
考え方に
ほんとうに徹していらっしゃるのかどうか、私は非常に疑わしいと思います。それは、そういうことを申すのは私も
ほんとうにいやなんでございますけれ
ども、何であそこで、みんなが、あるいは全
国民が、そして
世界の平和を愛する
人たちが
ケネディさんの死をいたんでいるときに、何でにこにこ笑うような、白い歯を出した
総理大臣の
写真を写されるというような、こういうまずいことをなさるのですか。私はもう
ほんとうに残念です。
ほんとうに心から平和を愛している人なら、あんなふうな
表情というものは出てこないと思う。
外務大臣の
態度としても、申し上げにくいですけれ
ども、一国の
外務大臣なんです。
総理大臣の番頭さん、お供みたいな格好をなさらないで、やっぱり
外務大臣は
外務大臣として堂々として一本の
外交をしょっているというような、そういうような
態度をとっていただきたいです。
総理大臣にしても、
外務大臣にしても、
ほんとうにこのたびの
態度は私は遺憾だと思います。これは
外務大臣の口からもはっきり
総理大臣に言っていただきたいです。ああいうような
表情が出るということは、
ほんとうに平和を愛する
人たちが悲しんでいるというその
気持に徹していらっしゃらなかったその証拠であると私は思います。ですから、こういうようなことに対して、
ほんとうに
日本が三本の柱であるというようなことを
外国の人から言われているのか、それとも
自画自賛で、
自分たちが勝手に三本の柱だなんと言って
自分でほめていらっしゃるのか、その辺も反省していただきたいと思います。
ほんとうに諸
外国が
日本は三本の柱であると言うなら、やはり
総理大臣及び
外務大臣の
国際全般に対する
認識、そしてそれに対応する
態度、頭の回転、そういうものに対して、もっと確固たるものがあり得べきものであると私は思います。なければならないと思います。いろいろの御
発言がはなはだよくなかったと思います。
もう
一つよくなかったと思うのは、
アメリカに行ったらば
日本の
総理大臣は新しい
大統領に三番目に
会見することができた、三番目ですぞ、三番目に会ったから、
日本がどんなに重く取り扱おれているか、というようなことが御
発言の中にあったように伺いますけれ
ども、三番目であるとか五番目であるとか一番目である、そんなことは何にも
関係ないじゃございませんか。そんなことは、少し
外交場裏になれていらっしゃる方なら、それはめいめいの都合なんですから、何番目だから非常に
自分は重く評価されたというふうな、そんな感じを与えるような御
発言をなさるということも、これも非常に不見識だと思います。また、もし三番目にしてもらったから
日本はえらくかわいがってもらったのだというふうにお考えなら、
ほんとうに卑屈な
追従外交であると言われてもしかたがないと思います。私は返す返すもこのたびの
総理及び
外務大臣のあちらに
おいでになったことに対しまして、
日本が
ほんとうにもっと国際的にき然たる
態度をとった
独立国であるという御
認識、
世界の平和を
ほんとうに愛好していたこの若き
大統領の死を、もう全
世界の名において悲しんでいるというお
気持ちに徹底していなかったこと、こういうことについて、それがそんなにまずく表現されたことを私
たちは非常に遺憾に思っているという、そのことを申し上げたいのでございます。もし
外務大臣からそれに対して何か御所見がございましたら、承ります。