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柳田委員 あなたは、
各党のことには
批判はしませんと言われますが、そうじゃない。
国会が何かもめてきたときには、あなたは
社会党に対して
批判したことがあるじゃないですか。私はそういうことは通らぬと思うのです。こういうものを本
会議において認めるのか、あとの
選挙をどうするのかというようなことは、われわれはこの
議運で十分に論議して、最終的にはなるべく事を円満に運ぶために
議長に御一任するような措置をとらんとしておる、われわれはあなたの
諮問機関としての
役目を果たさんとしておるから、そこであなたに尋ねておるのです。それを
議長は、議場において許可するだけであると
答えておる。それでは
議長はまるででくの坊ですが、そうじゃないでしょう。
議長は大きな職権を持っておるのです。ことに
国会が多少不正常になったときは、
議長の一挙手一投足は大きな重みを持ってくる。あなたは千思万考してやったと言われるが、別に
議運の
意見も聞かずに千思万考したのでしょう。こうしてあなたは絶対てこでも動かぬ。それくらいの
決断力と
発言力と、そういうような権威を持っておられる
議長が、
自分が
都合の悪いときは、私はそれを決するだけだと言われる。お経を読むだけならば、それは
事務総長がやります。そうじゃなくて、いまの
時点において
常任委員長の
改選はどう見てもあまり好ましくない。
解散ということが既定の事実とするならば、もうあとそうないから、しばらく見合わせたらどうか、こう言われてもいい。現にいま
委員長を代行しておる
福永さんでも、何回
議運の
委員長をやられますか。あなたにもまことに御迷惑な話です。実際こういうようなことをやっておって、
国会の
正常化を
議長に申し込んでくる資格はないと思う。あなたは
各党を
批判せぬとおっしゃいますけれども、あなたは
自分の御
都合のいいときは非常に多言なんです。ことにあなたのお好きな外国の賓客でも来られたときにレセプションでもやられれば、そのときは非常に長いごあいさつをやりますけれども、
肝心かなめのときになってくると、言を左右にしておる。あなたは
京都大学時代から
秀才で、すぐ
弁護士になられて、
弁護士で一流の名をなされた。そういうふうな社会におられたから、そういう
ことばのやりとりに対しては非常にお上手なのかもしれません。しかし、私はこういうことを見ると、
清瀬さんに対して私が従来持っておった尊敬の念を失墜せざるを得ない。私なんか
学生時代、
清瀬一郎といったら、非常に剛直の士、清廉の士、しかも当時の
国民党に属して、
犬養木堂の傘下で非常に
秀才の誉れが高かった。私は若い
秀才、老いては駑馬とは言いません。あなたは老いてますます
秀才で、さえておられると思う。ただ変わったのは、若いときは清廉であり、しかも剛直であり、
自分の信念に忠実であったかもしれませんが、老いてはだんだんずるくなってきて、そして保身の術にたけてきたというふうに評価せざるを得ないのはまことに情けないと思うのです。どうも
解散が間近になってきますと、いよいよあなたと
議運においてまみえる機会があるいは少ないかもしれませんが、私は長らくあなたを補佐してきた
立場として、こういうときくらいは、今度の
常任委員長の
改選は筋が通らぬ、
党利党略の色が非常に濃い、ひとつ
自民党も
思い直すことができぬかというような御忠告があってしかるべきじゃないか、私はこう思う。
それからもう
一つは、この
臨時国会は、私
たちは先ほど申しましたように、農家の
長雨による
被害対策としての
補正予算、あるいは
人事院勧告に対する
給与是正、そういうものの
補正予算はぜひとも通したいと思っておる。これがまた
国民にこたえるゆえんであると思う。でありますから、昨日も
国会対策委員長会談を開きまして、
社会党は
予算委員会の
開会については、時限を切りまして、協力するといっておるわけです。言うならば、本
会議、
予算委員会を通じて、あるいは
各種委員会を通じて、
与野党の政策の
対立点をはっきりさせて、そうしてそれによって
主権者たる
国民の判断を仰いで、信を
国民に問うというのが
民主主義の本旨だと思う。言うならば、
与党たる
自民党あるいは
政府にも、
社会党に対する
攻め手はあるでしょう。
社会党にも逆に
自民党あるいは
政府に対する
攻め手があります。それは
政治家なら
お互いに十分知っているわけです。それを
お互いに堂々と渡り合うのが、これがほんとうの
民主主義であり、スポーツマンライクのやり方だと私は思う。言うならば、これは金田と長嶋の一騎打ちみたいなもので、別に
フォアボールとか、デッドボールを投げるといっているのじゃない。そういう
意味において、
国会は当然
補正まで入って、
補正予算を上げるのが、あなたがきょう天皇陛下の前で読まれた
式辞の
精神だと
思いますが、これは私はあなたと
見解は同じだと
思いますが、念のために
議長の御
見解をお尋ねしておきたい。