○須藤五郎君 私は、
日本共産党を代表して、物価問題について質問いたしたいと思います。例のごとく、私に与えられた時間はただの五分間でありますから、一括して三点について質問することといたしたいと思います。
現在、
国民は消費物価の異常な値上がりのため、生活がやっていけなくなっています。それなのに、
政府は、マグロではなくサンマやイワシを食えばよいと言いましたが、マグロどころか、サンマを食うためにはふろ代を節約しなければならないのだと
国民はいっておるわけです。これが普通の家庭の現状です。しかも
国民は、この現状だけではなく、将来も引き続いて物価が上がっていくのじゃないかと深刻な不安を抱いております。
政府は、死んだ統計をいじくってごまかしを言うのでなく、この
国民の生活の実態に触れ、その真の声を聞いて対策を立てるべきであります。私は、本
委員会が、東京、大阪、名古屋、福岡等で大衆的公聴会を開く必要があると考えるので、
委員長はこのことの実現に
努力をしてもらいたいと思います。また、これには、池田総理と経済閣僚全員が必ず出席すべきであると思うが、経済企画庁長官は、これに応じ、
国民の真の声を聞く決意があるかどうかをお聞きいたしたいと思います。
次は、消費物価上昇の根本原因は何かということであります。この点について、いろいろの人がいろいろと言っているが、しかし、だれも真の原因に触れていません。
政府は、消費物価の中で上がったのは、生産性の低い生鮮食料品、サービス料金、中小企業製品だと言って、あたかも労働者、農民、漁民、中小企業家に原因があるかのように言っております。これは、現象と原因とをすりかえるものであります。
政府の
責任を、すべて、労働者、農民、中小企業家と消費者に転嫁しようとするものであります。このような
政府の
態度は、全く盗人たけだけしいと言わなければならないのであります。真の原因は、
日本を含めて、
世界資本主義諸国が、通貨価値の安定、物価の安定をもはや達成することができなくなった、それほど危機が深刻になったということであります。米、英、仏、西独、みなそうではありませんか。中でも、
日本は特別にひどいのであります。なぜかと言いますと、これら資本主義諸国とだけ結合を深めようとし、
アメリカから特別にきびしい自由化を押しつけられる中でめちゃくちゃな資本蓄積をやって、そのために、物価の上昇は異常に激しくなりました。危機が深まるにつれて、物価は今後も恒常的に上がり続けるに相違ありません。
ところが、
政府は、真の原因を見ようとせず、また見ることもできず、物価対策に名をかりて、労働者には低賃金、農民には低米価、中小企業には倒産を押しつけることにやっきになっております。
政府は、一体、まじめに物価を引き下げ、安定させるつもりがあるのかどうか、またできると断言できるかどうか、これをお聞きしたいと思います。
第三は、物価を長期安定させるためには、このような異常な物価高を必然にする
政治、経済政策を根本的に変えなければ達成されるものではありません。一言で言えば、安保条約破棄、自主、平等、互恵に基づく社会主義国その他あらゆる国との経済交流、
国民の生活向上、立場を貫くことであります。そして、この方向に向けて、当面第一に、独占資本本位の財政金融政策をやめる、独占利潤の制限、軍事費、治安対策費の削減、第二に大幅賃上げ、最低賃金制の確立、物価にスライドした賃金の確保、米価初め農業生産物の価格支持と安定、消費者米価の引き下げ、独占価格と公共料金の引き下げ、中小企業の自主的近代化の促進、社会保障の拡充と大衆のための大幅減税、これが最低限必要な
国民のための
措置であります。これは、
国民生活を向上させる道であると同時に、
国民のための真の物価対策であります。
政府は、この
国民の
要求を直ちに実行するかどうか、以上三点について、はっきりと答弁を求めます。