運営者
Bitlet
姉妹サービス
kokalog - 国会
yonalog - 47都道府県議会
nisalog - 東京23区議会
serelog - 政令指定都市議会
hokkaidolog - 北海道内市区町村議会
aomorilog - 青森県内市区町村議会
iwatelog - 岩手県内市区町村議会
miyagilog - 宮城県内市区町村議会
akitalog - 秋田県内市区町村議会
yamagatalog - 山形県内市区町村議会
fukushimalog - 福島県内市区町村議会
ibarakilog - 茨城県内市区町村議会
tochigilog - 栃木県内市区町村議会
gunmalog - 群馬県内市区町村議会
saitamalog - 埼玉県内市区町村議会
chibalog - 千葉県内市区町村議会
tokyolog - 東京都内市区町村議会
kanagawalog - 神奈川県内市区町村議会
nigatalog - 新潟県内市区町村議会
toyamalog - 富山県内市区町村議会
ishikawalog - 石川県内市区町村議会
fukuilog - 福井県内市区町村議会
yamanashilog - 山梨県内市区町村議会
naganolog - 長野県内市区町村議会
gifulog - 岐阜県内市区町村議会
sizuokalog - 静岡県内市区町村議会
aichilog - 愛知県内市区町村議会
mielog - 三重県内市区町村議会
shigalog - 滋賀県内市区町村議会
kyotolog - 京都府内市区町村議会
osakalog - 大阪府内市区町村議会
hyogolog - 兵庫県内市区町村議会
naralog - 奈良県内市区町村議会
wakayamalog - 和歌山県内市区町村議会
tottorilog - 鳥取県内市区町村議会
shimanelog - 島根県内市区町村議会
okayamalog - 岡山県内市区町村議会
hiroshimalog - 広島県内市区町村議会
yamaguchilog - 山口県内市区町村議会
tokushimalog - 徳島県内市区町村議会
kagawalog - 香川県内市区町村議会
ehimelog - 愛媛県内市区町村議会
kochilog - 高知県内市区町村議会
fukuokalog - 福岡県内市区町村議会
sagalog - 佐賀県内市区町村議会
nagasakilog - 長崎県内市区町村議会
kumamotolog - 熊本県内市区町村議会
oitalog - 大分県内市区町村議会
miyazakilog - 宮崎県内市区町村議会
kagoshimalog - 鹿児島県内市区町村議会
okinawalog - 沖縄県内市区町村議会
使い方
FAQ
このサイトについて
|
login
×
kokalog - 国会議事録検索
1963-06-20 第43回国会 参議院 文教委員会 第26号
公式Web版
会議録情報
0
昭和三十八年六月二十日(木曜日) 午後三時十二分
開会
—————————————
委員
の異動 六月二十日 辞任
補欠選任
宮澤
喜一
君
野本
品吉
君
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
北畠
教真
君
理事
斎藤
昇君 二木 謙吾君
吉江
勝保
君
豊瀬
禎一君
委員
久保 勘一君 佐藤 芳男君 笹森
順造
君
中上川アキ
君 中山 福藏君 小林 武君
千葉千代世
君 成瀬
幡治
君
米田
勲君 高山 恒雄君 国務大臣 文 部 大 臣
荒木萬壽夫
君
政府委員
文部大臣官房長
蒲生 芳郎君
文部省初等中等
教育局長
福田 繁君
事務局側
常任委員会専門
員
工楽
英司君
—————————————
本日の
会議
に付した
案件
○
義務教育
諸
学校
の
教科用図書
の
無償
措置
に関する
法律案
(
内閣提出
、衆
議院送付
)
—————————————
北畠教真
1
○
委員長
(
北畠教真
君) ただいまより
文教委員会
を
開会
いたします。
委員
の変更について御報告いたします。本日、
宮澤喜一
君が辞任され、その
補欠
として
野本品吉
君が選任されました。
—————————————
北畠教真
2
○
委員長
(
北畠教真
君) 本日の
委員長理事打合会
について御報告いたします。
委員会
の
運営
について
協議
した結果、本日は、
義務教育
諸
学校
の
教科用図書
の
無償措置
に関する
法律案
の
質疑
を行ないます。なお、
議員提出法案
の
審議
について
要求
がありましたが、
理事会
の
意見
が一致しませんので、この
取り扱い
については、本日の
委員会散会
後の
理事会
において
協議
することにいたします。また、二十五日は、まず、
参考人
からの
意見聴取
を行なうことにし、
参考人
からの
意見聴取
の時間は一人当たり十五分
程度
、全部の
参考人
から
意見聴取
を終わった後、
参考人
に対する
質疑
を行なう。なお、
参考人
に対する
質疑
は二時
終了
を目途とする。さらにその後、
政府
に対する
質疑
を行なうことに
決定
いたしました。以上、御報告いたします。
—————————————
米田勲
3
○
米田勲
君 その今の
委員長
の言っておる、この
委員会
でこれから
教科用図書
の
無償措置
に関する
法律案
の
質疑
を行なうということは
理事会
で
決定
をしたものかどうか、その点はっきりして下さい。
理事会
で
決定
をしてそういう
扱い方
になるのか、そういう
意味
なのか。
北畠教真
4
○
委員長
(
北畠教真
君)
理事会
で
決定
して発表したわけです。
米田勲
5
○
米田勲
君 これは
委員長理事打合会
でそういう本日の
委員会
の
運営
を取りきめても、われわれは
異議
がある。したがって、そのとおり進めるにしても、われわれは
意見
をひとつ言わしてもらいたい、この
委員会
の
運営
について。なお、
同僚委員
の
豊瀬
君が、先ほど、一分間くらいで
資料要求
のことを先にやらしてくれ、こう言っていますから、そのことは
一言
で尽きるのだと思いますから先にやって、それから私に
意見
を言わせて下さい。
北畠教真
6
○
委員長
(
北畠教真
君)
速記
をとめて。 〔午後三時十五分
速記中止
〕 〔午後三時四十分
速記開始
〕
北畠教真
7
○
委員長
(
北畠教真
君)
速記
を起こして。 暫時
休憩
いたします。 午後三時四十一分
休憩
—————
・
—————
午後四時二十九分
開会
北畠教真
8
○
委員長
(
北畠教真
君)
休憩
前に引き続き
委員会
を再開いたします。 それでは、
義務教育
諸
学校
の
教科用図書
の
無償措置
に関する
法律案
を
議題
といたしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。
米田勲
9
○
米田勲
君
議事進行
に対する動議でございます。私はこの際、ただいま
委員長
から諮られております
法律案
の
質疑
を行なうことについては
賛成
ができません。それは
委員長
と
与党
の
委員諸君
を含めて、私は、よく冷静に私
たち
の
立場
と
意見
を聞いていただいて、明確な見解を明らかにしてもらわなくちゃならぬと思っておるのです。それは
国会
においては
政府
から
提出
をせられました
法律案
、あるいは
議員
から
参議院
として
法案
を出すような場合もありますが、各
議員
の
手元
でそれぞれ所定の
賛成議員
を得て
提案
される
法律案
もあります。特に最近の
国会
の
運営状況
を見ますと、
政府提案
の
法律案
については
与党
の
諸君
は非常に熱心に
審議
を促進することを
主張
し、また
委員会
の
運営
もそのほうに非常に重点がかかっているのが一般的な
傾向
であります。しかし、たびたび本院でもこのことが問題になり、
国会
の正常な
審議
のあり方は、たとえ
議員
の
提出
した
法律案
であろうとも、
政府提出
の
法律案
と同様に
尊重
してこれを取り扱うという建前をとるべきだという論が
国会
の内外に非常に強いのであります。特にわれわれの記憶としては、今までの
傾向
から顧みて、
議員提出
の
法律案
については特段に
尊重
しようということさえ
お互い
にいわれてきておるのであります。そこで、この
文教委員会
の今までの
運営
の仕方をずっとながめてみますと、私はこの問題について必ずしも
納得
のできないところがあるのです。試みにこの
委員会
に
付託
をせられた
議案
について申し上げますならば、われわれ
日本社会党
から三十八年の二月十一日に
へき地教育振興法
の一部を改正する
法律案
を
提出
し、本
委員会
に
付託
になっております。次いで、三十八年二月二十二日には、
高等学校
の建物の
建築等
に要する経費についての国の
補助
に関する
臨時措置法案
が
付託
になっております。次いで、三月五日には、農業、水産、工業又は商船に係る
産業教育
に従事する
国立
及び
公立
の
高等学校
の教員及び
実習助手
に対する
産業教育手当
の支給に関する
法律
の一部を改正する
法律案
が
付託
になっております。さらに、同日、
教育職員免許法
の一部を改正する
法律案
も
付託
になっております。同時にまた、
公立
の盲
学校
、
聾学校
及び
養護学校
の
幼稚部
及び
高等部
の
整備
に関する
特別措置法案
が同日、三月五日に本
委員会
に
付託
になっております。次いで、その翌日、三月六日には、
国立養護教諭養成所
の
設置等
に関する
臨時措置法案
が
付託
になっております。さらに同日、三月六日には、
日本育英会法
の一部を改正する
法律案
が
付託
になっております。さらに、三月十三日には、
高等学校
の
定時制教育
及び
通信教育振興法
の一部を改正する
法律案
が
付託
になっております。こえて三月二十七日には、
学校図書館法
の一部を改正する
法律案
が
付託
され、その翌日、三月二十八日には、
学校教育法
の一部を改正する
法律案
が
付託
になり、同日、三月二十八日には、
公立
の小
学校
及び中
学校
の
特殊学級
における
教育
の
振興
に関する
法律案
が
付託
になっております。こえて五月十三日には、
女子教育職員
の出産に際しての
補助教育職員
の確保に関する
法律
の一部を改正する
法律案
が
付託
になっております。これらはすべて
社会党
の
議員
の
手元
から本
委員会
に
提出
をし、
付託
になった
法律案
であります。それに対しまして、
政府
の
提出法律案
は、
国立大学総長
の任免、
給与等
の特例に関する
法律案
は
衆議院先議
として
提出
をされ、との
委員会
には
予備付託
に二月二十七日にはなっておりますが、この
案件
は、まだ本
委員会
へ
付託
になっただけであって実際の
審議
は行なわれていないままになっておるのであります。それからもう一件、ただいま
議題
に
委員長
がしようとしておる
義務教育
諸
学校
の
教科用図書
の
無償措置
に関する
法律案
は
予備付託
になったのが三月十三日ですが、本
委員会
で本格的に本
審査
に取りかかったのは六月十一日というずっとおくれた時期であります。なお、
社会党
の
提出法律案
のうち三件は、本
委員会
に
予備付託
にはなっておりますが、
衆議院
のほうから
提出
をされている
関係
で、本
委員会
にはまだ
趣旨説明
も行なわれていないという状態であります。そして
最後
に、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の標準に関する
法律
及び
市町村立学校職員給与負担法
の一部を改正する
法律案
は
政府
の
提案
にかかる
法律案
でありますが、これは
衆議院先議
として
提出
をされております
関係
上、本
委員会
には六月十四日に
予備付託
になったにすぎません。したがって、この
法律案
はいまだ
審査
に具体的に取りかかっておらないのであります。こういうふうに、ずっとこの
委員会
に
付託
された
議案
を見ましたときに、本格的に
政府
が
提出
した
法律案
の
審査
を開始したのは、六月十一日のとの
教科書
の
無償措置
に関する
法律案ただ
一件であります。その他の十一件にわたる
社会党
の
提出法律案
は、そのうち相当部分を、この
委員会
でも
審査
をしているのであります。こうなりますと、私は前段に申し上げましたように、この
委員会
の
運営
は、
議員提出
の
法律案
を必ずしも
尊重
している
扱い方
をしていない、こういうふうにわれわれは
考え
るのです。
与党
の
諸君
は、私のこの
主張
に対して、いやそうではない。
社会党
の
議員
の
提出
をした
法律案
は、われわれもやはり
質問
をし、具体的に
審査
をしたではないか。それは
尊重
している証拠である、こういわれるかもわかりません。しかし
皆さん
が、今、
委員長
のいった
法律案
を、本日さらに引き続き
取り扱い
たいという
気持
は、この
会期
が四十五日も
会期
延長したにもかかわらず、残すところわずかになっているのであります。そのわずかな
日数
でこの
法律案
の
審査
を十分に行なって、おそらくこの
法律案
に
決着
をつけたいというのが
与党
の
諸君
の
気持
ではないかと思うのです。あなた方がそういうことを
考え
るのに対して、われわれもまた、これらの
法律案
十一件を出している
立場
からいえば、
会期
の少なくなった今日、この
法律案
に
決着
をつけたいという
考え
を持つのは理の当然ではないか。そのことが
皆さん
に理解されないはずはないと思うのです。ところが、私は
理事
の
諸君
はよくおわかりだと思いますが、他の
与党
の
議員
の
諸君
はわからないとしても、
委員長
や
理事
の
諸君
は十分におわかりのように、
社会党
のこの
提出
した
法律案
は、
地方選挙
に入る前、すなわち三月の下旬においては、何回となくわが党の
豊瀬理事
を通じて、わが党の
提出
した
法律案
については
与党
の
皆さん
がどのように扱ってくれるのか、
結論
をつけてもらいたいということは、たびたび申し上げて、
吉江理事
のごときは、相当具体的な
約束
さえわが党の
理事
にしているのであります。しかるに、
地方選挙
が終わって、今日、
国会
の
審査
が再開せられて相当
期間
を経過しているのに、先ほどの
理事会
で、
豊瀬理事
からわが党の
立場
をるる
説明
したにもかかわらず、この
案件
が先議されないという、
与党
の
諸君
の
賛成
が得られないまま、
委員長
のいうような
法律案
を先に
質問
を開始して先議しようという、そういう
主張
になって現われているのです。私は、これでは
議員提出
の
法律案
をこの
委員会
では
尊重
していない、極論するなら、わが党の出した
法律案
に
誠意
をもってこたえる
態度
をとっておらない、こういえるのではないかと思います。しかし、
与党
の
理事諸君
は、
委員長
も含めて、そんなことはない、われわれはこの
委員会
の終わった
あと
に十分に
話し合い
をして具体的な
めど
をつけたい、こういうふうに言っておるのだからそういうことはないのだと、こういうふうに
主張
をされるかもしれない。しかし、私は私
たち
の
主張
が、
豊瀬理事
を通じて最近この一、二週間の間に初めて持ち出されたのであれば、これは無理もないと思うのです。しかし、もう相当
期間
にわたって同じことを繰り返してあなた方に要請をしておるのであります。われわれはわれわれの
提出
した
法律案
のすべてが、現在の
日本
の
教育
には、少なくとも法の改正をして
日本
の
教育
の
条件整備
が必要だと思っているから
提出
をしておるのであります。しかし、
皆さん
の、
与党
の人の
立場
はいろいろ
与党
内の
意見
もあるでありましょうから、この
提出
した
法案
に
賛成
できないという
態度
なのかもしれない。しかし、それならそれでわれわれの
提出
した
法律案
を
否決
するか
——討論
、
採決
をして
否決
をするなら
否決
をするというのも、また
結論
を出すという具体的な行動になるのだと思うのです。
質疑討論
もやらず、
採決
もしないで、たなざらしにしておいて、しかもいつまでたってもこれらの
法案
の
取り扱い
については具体的なわれわれに
約束
もしないままこれ以上遷延されたのでは、かりに
吉江理事
の
約束
しておるがごとく、この十一の
法律案
のうちの幾つかをわれわれもぜひ通したいということで、それが自民党の中で
協議
がまとまったと仮定しても、わが
参議院
だけの
審議
では事は済まないのであります。これをこちらの本
会議
を通じて
衆議院
にさらに
審査
を願わなければ、これで
参議院
を通過したとしても、それは何の価値もないような廃案のうき目を見ることは当然なんです。だから、私は
賛成
する
法律案
、反対する
法律案
を含んで早急に
結論
を出したいという
社会党
の言い分は無理からぬことではないか、これを、無理なことを言ってわれわれに難題をふっかけるというなら、私はその真意をお聞きしたい。われわれがこの
法律案
を
審議
してもらいたいというのは、
手続
上、今まで
委員会
にとった
手続
上からいっても何の不思議はないはずです。それなのに
教科書法案
のみに固執して、それの
質疑
を続行しようということは何としても
納得
できない、いろいろ申し上げたいことがありますが、私はまずこれらの
考え方
に立って次のような
質問
を、
与党
の
理事
あるいは
委員長
にはっきりお聞きをしたい。第一には、あなた方はわれわれの
提出
をした
議員提案
の
法律案
を
尊重
するという基本的な
考え方
に立っておるのかどうかということであります。もし立っておるのだという
お答え
をなさる場合には、具体的にどういう形で今まで
尊重
をしてきたか、その
理由
や根拠を明白にしてもらいたい、
尊重
をしていないというのであればそれはそれでよろしい。第二の
質問
は、われわれが
先議案件
にこれらの
法律案
をしてほしいという
主張
は無理であるかどうか、このことについて
お答え
を願いたい。無理であるとすればどういう
理由
であるか、無理だという
理由
をはっきり聞かせていただきたい。第三は、われわれの
提出
した
法律案
について、
与党
の内部では具体的にどこまで検討をしていただいたのか、
お答え
を願いたい。それからさらに第四は、
会期
が非常に少なくなっているから、早急にこのわれわれの
提出
した
法案
の
結論
を出してもらいたいという、
結論
的なわれわれの
主張
に対してどういうお
考え
を持っておられるか。以上のような諸点にわたって、どなたからでもよろしいから、
与党
を代表して
お答え
をいただいて、その
お答え
によってさらに私は御
質問
を申し上げたいと思います。一応私のお聞きしたいこと、
社会党
の
立場
、それを申し上げた次第であります。
吉江勝保
10
○
吉江勝保
君 ただいま
米田委員
の御発言がありました。私
ども社会党
の
議員諸公
の
提案
の
法律案
につきましては、
先ほどお話
がありましたように、
提案理由
の
説明
を聞き、さらに
質疑
を重ねてきておりまして、こういう点につきましては、私
ども
の
誠意
のあるところも十分御
了承
いただいていることと思うのであります。
法律案
を
議題
に取り上げることにつきましては、常に
理事会
におきまして打ち合わせをいたしておりまして、
最後
の
結着
といいますか、その
法律案
を可決するか、あるいは
否決
するかというような問題につきましては、相当私
ども
の
党内
にもやはり
関係
いたしますところが多いものでありますから、そういった方面と連絡あるいは
協議
をとげながら処理をいたしたい。そういう
努力
を今日まで続けているのであります。大体のところ、私
ども
の意向といたしましても、申し上げられますことは、予算を伴いますような
法律案
につきましては、
与党
のほうにおきましても
提案
を控えておりますので、こういった
法案
につきましては無理ではないかということを申し上げているのであります。また、その他におきましても、従来、
議決等
が
参議院
で行なわれました
法案
もあります。そういう従来の
経緯等
も調べておりまして、できるだけ
議員提案
の
法案
につきましても協力をいたして
尊重
をいたしたい。こういうつもりでやっている次第でございます。
米田勲
11
○
米田勲
君 簡単ではございましたが、
与党
の
皆さん
のお
考え
になっていることは一応わかりました。しかし、ここでひとつ
皆さん
にお
考え
をいただきたいのは、
会期
の残る
日数
から判断をして、
教科書法案
というのは本院で上がればもうそれで
法律
として成立するのです。われわれの出している
法案
は本院だけでは事が済まないわけであります。
会期
の残された
日数
から判断してどちらを先議すべきだと
考え
ますか。これははっきりした
お答え
がなかったとしても、
議員提案
の
法律案
を軽視するという
与党
の
立場
でないと判断いたしますから、そういう
立場
で
考え
てみて、この
教科書法案
とわれわれの出した十一の
法律案
と、どちらを先議するのが残された短い
会期日数
からいって妥当であるか。これは
党利党略
を離れて公平な
立場
から判断して、どちらが妥当であるかということをひとつ
お答え
いただきたい。
吉江勝保
12
○
吉江勝保
君
政府提案
の
法律案
につきましては、ある
意味
におきまして
衆議院
の
議決
を通っておりますので、
参議院
におきましては、この
衆議院
の院議というものも相当
尊重
する必要があろうかと思います。これを
あと
にするということも申しかねるかと思うのであります。だからといって、
参議院
の
議員提出
の
法案
の成立をいたしますることについての十分な配慮を怠ってはならない、こういうように
考え
まして、そういう
話し合い
につきましては、
理事会
におきまして十分いろいろと
相談
をしてきめて参りたい、こういうように
考え
ております。
米田勲
13
○
米田勲
君 しつこいようですが、私は今、
吉江
さんの答えられたようなことは、
豊瀬
君から報告を受けて何度となく同じことを聞いているのですよ。仏の顔も三度で、同じことを何べんも聞かされると、しまいにどこまでが
誠意
があるのかわからなくなってくるのですよ。きょうの
理事会
でも、また同じことを聞かされているわけです。ですから、ほんとうにあなた方が
誠意
があるなら、はっきりした
めど
をつけてもらいたい。なま殺しのままでたなざらしにして置いて、そして
政府提出
の
法律案
だけを
審議
をしておれば、それで事が済むのだ、それでは野党のわれわれとしては
納得
ができないのですよ。あなた方の
法案
にも、われわれは
誠意
をもって
審議
をします。しかし、それよりも先に、われわれのこの二月以降
提出
してある
法律案
に
決着
をつけろというわれわれの
主張
が正しいのじゃないですか。われわれの
主張
が正しいとすれば先議すべきではないですか。その点をはっきりしてもらいたい。それと、なお重ねて申し上げますが、はっきりしないのですよ、
吉江
さんの言っていることは。いつごろまでどうなるのかさえわからない。はっきりしない。あなた方を疑って言うわけじゃないのですよ。
お答え
がはっきりしないのです。きょうの
委員長理事打合会
で後刻やられるでしょうが、議がととのわないからあすやろう。また議がととのわない。そういうことでは、ずるずるべったりで
会期
がなくなってしまう。だから、あなた方は、われわれの
法案
に
結論
を出さないのであれば、
政府
の
法律案
についても
審査
をそれまで中止するとでもいうなら私はわかりますよ。それほど重大な決意をもって
結論
を出そうというなら、あなた方の
誠意
は一点疑いを入れない。しかし、
政府
の
法律案
はどんどん
審査
を進めていくのだ、そのうちにあなた方のやつは、そろそろ
考え
て
結論
を出すように
努力
しましょうでは、もうこの
段階
では私
たち
は
納得
できない。だから、はっきりした
めど
を
約束
してもらいたい。こういうふうにいたしますという
約束
をしてもらわないと、
あと
になってから、
吉江
さんの言ったことは、あれはうそではなかったのかということになっては、
お互い
の信義上非常にまずいことになりますから、はっきりした責任のある
めど
を見せてもらって、なるほど
誠意
がありますということがうなづければ、あなた方の
主張
にも、われわれの我を張るばかりでなしに、同調して、
委員会
の
運営
に協力してもけっこうですよ。しかし、われわれのほうの問題については、はっきりした
めど
を見せない、そのままわれわれの言うことを聞けとあなた方が何度言われても、それは無理ですよ。どうですか。
吉江勝保
14
○
吉江勝保
君 私これ以上申し上げることを遠慮いたしますが、十分にそういう点は考慮しながら、
理事会
におきまして
相談
をいたしておりますので、御
納得
のいくような明快な回答がまだ出せていないということは、まことに遺憾でありまするが、やはり
党内
におきましても、それぞれ諮るべき機関もございますし、相当、
法案
の
内容等
につきましても、今申しましたように、党には党のやはり
意見
もございまして、そういう点は十分に検討して
尊重
いたしたい、こういうつもりでおりますので、引き続いて
理事会等
で、十分そういう点について
協議
をして参りたい、こういうように申しておる次第でございます。
米田勲
15
○
米田勲
君 私
たち
の
立場
がやはり理解していただけないのですが、私は十一の
法律案
の全部を今
めど
をつけなさい、それをはっきりしなさいというような無理な話はしないつもりであります。しかし、どれもこれも
めど
がつかないのだ、
党内
の話がむずかしいのだでは、
あな方
の言うことを
納得
するのには材料が足らない。この
法律案
は
賛成
できない、この
法律案
は
賛成
できそうだが、もう若干
党内
の
人たち
と、それぞれしかるべき
手続
を踏む必要がある、この
法律案
はもう
党議
で大体山を越して
賛成
できるというように、類別してでも見せてもらえるなら、それなら今までの
努力
の過程を、
誠意
を私は認めますよ。どれもこれも並列に、全部
結論
を出せと、そういうことは言うつもりもないし、それはちょっと今の
段階
では無理だと思う。しかし十一の
法律案
全部があいまいなんだというのでは、もう二月以降のことですから、一時に三月末の
委員長理事打合会
では、
吉江
さんも相当具体的なことを
豊瀬
君にも
約束
していることでもありますし、その問題だけでも、少なくもある
程度
の
めど
はつけられるはずだと私は思うのです。どれもこれも
党内
では
めど
がつかない、
めど
を申し上げるわけにはいかないと言われるのでしょうか、その点は。
斎藤昇
16
○
斎藤昇
君 私からちょっと
一言
。もう
吉江
さんの話されていることで尽きると思いますが、若干補足しておきます。今おっしゃったような事柄について、この
委員会終了
後、
理事懇談会
でよく
協議
をして参りたい、こういうわけでございますから御
了承
をいただきたいと存じます。なお、私
たち
が
約束
をするといいましても、正式に
約束
ということになれば、これは
党議
まで通らなければなりません。しかし、その
段階
に至るまでのわれわれの
考え
としては、こういう
程度
だという点をひとつ
誠意
をもって、きょうの
あと
の
理事懇談会
で話し合っていきたい。この席上で、どの
法律案
はどう
考え
る、こう
考え
るという筋合いではなかろうかと思いますから、この点はひとつ
了承
をしていただきたい。
米田勲
17
○
米田勲
君 私は
同僚議員
の了解を得ないでこういうことを言うのは、ちょっと先ばしり過ぎると思いますが、これからこの
委員会
が終わった
あと
に
委員長理事打会合
をやる、その際には、
誠意
をもって
結論
を出すような
話し合い
をいたします、簡単に言うと、
斎藤
さんの
意見
も
吉江
さんの
意見
もそれに尽きると思う。それでは、
委員長
の言ったような
議事進行
にするなら、この
委員会
の
運営
を、これからそういう
方向
でやるなら、二十四日までには十一の
法案
について明確な
めど
をつけて、この
案件
の
扱い方
をわが党に提示するという
約束
をいたしますか、どうか、二十四日です。
斎藤昇
18
○
斎藤昇
君 これは、
理事
やあるいは一
委員
の個人の
意見
として提示をするというようなことでは
意味
がないだろうと
考え
ます。したがって、どういう
方向
に
努力
をするということは言えますけれ
ども
、これについてはこうということについては、これはやはり
党議
を経なければなりませんから、二十四日という日は私はお
約束
しかねるのであります。
米田勲
19
○
米田勲
君
斎藤
さんの
お話
であると、それはいつごろ
結論
が出せるという見通しなんですか。私は二十四日までにつけてもらいたいと譲歩して話をしているのですが、あなたの話は、それには応じるという答弁ではないようです。それでは、いつになれば
結論
が明確に出て、十一の
法案
の
取り扱い
をわれわれに提示してもらえるのか。あなた方の見通しはどうですか。
斎藤昇
20
○
斎藤昇
君 党としての
態度
をはっきりするというためには、党の機関の
決定
を経なければ相なりません。したがいまして、党の責任を持った機関の
話し合い
ということは、私が今どういう見通しで話ができるだろうということは、今言うことはできない、この点は御
了承
いただけると思います。
米田勲
21
○
米田勲
君 結局、お聞きしますととろ、あいまいであります。将来の問題については何も明確にならない。それでは、私はさらに
皆さん
に別な
考え方
を提示します。このわれわれの出した
法律案
十一に対して明確に
決着
をつける、自民党の
考え方
を明確にできる時期が明らかにされないという見通しであるなら、今、本
審査
になっている
政府提出
の
法律案
は
質疑
打ち切りはもちろん、
案件
は扱わない。こういうことに同意できますか。
斎藤昇
22
○
斎藤昇
君 そういうことは
委員長
、
理事
の打ち合わせなり、あるいは党と党の
話し合い
になるわけですから、私から今そういう確約は一
理事
としてやる筋合いではないと思います。
米田勲
23
○
米田勲
君 結局、私は何度しゃべっても何にもならないということですな。あなた方からは何にも
約束
がいただけない。これはいったい私は
委員長
や
理事
の
諸君
にもう一度再考を願いたい。話が一方的ではありませんか。私は全部可決してくれとは言ってない、
態度
を明確にしてくれ、
扱い方
についても、その日にちが明確にならないのであれば、いつごろになったら明確になるのですかと聞いても、それもわからない。そういうあいまいなことで
社会党
の
提出
した
法律案
は
尊重
して
審議
をするということになりますか。たなざらしにするということです。たなざらしにされるような見通しに立つ場合に、どうしてわれわれが
あと
からかかってきた
案件
を、
政府提出
の
法律案
といえ
ども
、扱うととに協力ができますか、何とかわれわれに
めど
を与えなさいよ、何らかの
めど
を、何らかの
約束
をしなさい。一つもわれわれに言質を与えないで、自分のほうの
意見
だけは通そうというのではむちゃですよ、それは。どうですか、両
理事
。
斎藤昇
24
○
斎藤昇
君
米田
さんもそういう扱いについては十分御承知のことだと思いますから、
委員会
の席上で一
理事
が責任をもって、この
法案
をどう扱う、いつまでにどうするというようなことを私は言える
立場
でないと、こう思います。そういうことは
理事会
その他で十分
協議
をして、そうしてやっていくことでありますから、そういう普通の方法によって私はやっていきたい。その点は御
了承
下さい。
米田勲
25
○
米田勲
君
斎藤
さん、あなたはそういうことを言われるが、私と
立場
を入れかえた場合に、私の
主張
は無理ですか、あなたが私の
立場
で、私があなたの
立場
だったら、あなたそういう
立場
を、私の
立場
に立ってものを
考え
ていますか。あなたほどの人であれば、私の
立場
であったらそんなことを言われて
納得
するはずがないでしょう。私の言っていることは、
手続
上からいっても
案件
は先にかかっているのです。そうしてまた、本日先議しろ、本日全部
結論
を出せとも言ってない。十一の
法案
をぐるり全部そのままきょう
結論
を出しなさいとも言ってない。二十四旧までと譲った。それもだめだから、じゃいつまで
めど
がつくか、それも譲った、一切のことを。あなた方はわれわれが譲歩して協力をする態勢がとれるかどうかを判断しようとしておるのに、これでは全然あなた方の
誠意
を理解することはできないです。
斎藤
さんどうですか、あなたが私の
立場
に立ってそういうことを言われた場合に、
納得
をいたしますと言って引き下がれると思いますか。どうです。
斎藤昇
26
○
斎藤昇
君
米田
さんも私の
立場
に立ってそういうことが言えるかどうかをお
考え
いただきたい。多年いろいろな議事のことになれておられる
米田
さんのことでありますから、その点はおわかりいただけると思います。
米田
さんのほうもちゃんと
理事
を出しておられるわけでありますし、
理事
が話をするにつきましても、いろいろ党と
お互い
に話し合って話を進めておるわけでありますから、それについて
誠意
をもってやるかどうかということは、
お互い
理事
の信頼問題だ、かように
考え
ます。その点は御
了承
願います。
米田勲
27
○
米田勲
君
お互い
に党の
立場
があると言われるならそれは五分と五分である。そうすれば、
先議案件
はわれわれの
提出
した
法律案
だという公平な
立場
を、ここに
委員会
運営
として立てるべきではないですか。どちらも党の
立場
であるのではないか、それが当然ではないですか。両方とも五分五分でしょう、
立場
は。そうなれば、われわれが
先議案件
を
主張
していることは、あなた方当然聞かなくちゃならぬ。上げる上げないの
結論
を求めるのでなく、先議しようじゃないかということをのまなければうまくないでしょう。何かしかし
斎藤
さんでも
吉江
さんでも、
あと
からの
豊瀬理事
との
話し合い
で、今は
委員会
の席上だからはっきりできないから、君の言うように期日をきめて明確に
結論
を出しましょうという
約束
をするのだという含みでもあるのですか。ここの席上ではできないが、後の
委員長理事打合会
では、それを明確にしますということでもあるならば、お聞かせ願いたい。
斎藤昇
28
○
斎藤昇
君 そういうことは今この席で申し上げるのは私は適当でない、かように
考え
ます。
米田勲
29
○
米田勲
君
斎藤
さん、適当でないというようなことを言われておったら、われわれがこの
委員長
の提示した
委員会
運営
に、それではわかりました、それに応じましょうということが言えないですよ、われわれは、そんな話では。それは何も議事を妨害するという
意味
ではないのですよ。先ほどからわれわれがどれだけ譲歩しても、あなた方が何にも応じないのだったら無制限な譲歩になりますよ、これ以上は。どこかでわれわれが、それじゃ
委員長
がせっかく言うのだから、そのように
委員会
の
運営
をしましょうという言葉を出すのには、何かきっかけがなくちゃだめでしょう。何にも出さないでおいて、先ほどからあいつは一人でしゃべっておった、しかし、何にもなかったのだ、そうしてうやむやのうちに
教科書法案
の
審議
に入った、これでは話にならぬですわ。子供の使いみたいなものですよ。私は何と言っても、そういうことの
段階
では、
委員長
の言う
運営
には協力できない、
社会党
の
議員
は協力できない。何かあなた方がもっと
誠意
のあるところを示すか、ある
程度
の
めど
を示すか、何かをしてもらわなければ……。
吉江勝保
30
○
吉江勝保
君 大体、
斎藤
理事
から今話しましたのは、私
ども
の
考え
ておりますることを十分述べておるのでありまして、そのお言葉の中に、
社会党
理事
の今まで苦労されて言うておられることも十分に自分らも承知しておりまして、こういう問題については、そのときどきの情勢とともに話もしておるのでありまして、しかし、そういう話をみなこの
委員会
のこの席で、
速記
のついているところで申せと申されましてもそれは無理だろうと思いますので、こういう話は十分に
理事
の間で話をしながら、そうして舞台を回していく、こういうようにやってきておりますので、これから大事な時期でありますので、きょうも本
委員会
が済んだら
相談
をしよう、こう言っておりますので、それをこの
委員会
ではっきりさせろとおっしゃったのでは、
あと
の
理事会
あるいは懇談会をやる必要もないようなことになってしまうのでありまして、それなら
お互い
に、やはり
理事
におまかせを願いたいと思います。
米田勲
31
○
米田勲
君
吉江
さんの言うように、この
委員会
で何もかもはっきりさせろということは初めに私が
主張
しておったことで、その後ずっと幾つかの譲歩をしているのですよ、譲歩を。どの譲歩をしてもあなた方は何にも言われない、結局
結論
は。だから私は困るというのです、それでは。そこまでされたのでは、われわれとしても生きておりますからね。だから、何か一つの
めど
をつけてもらいたいのですよ。先ほどからあなた方は一つもわれわれと
約束
していない。ただ
約束
しているのは
委員長理事打合会
で
話し合い
をしますということだけ。それは前から
約束
しているでしょう。そういう
約束
は、同じような
約束
を何回となくしている。しかし、この何カ月かの間、何も進展がなかったじゃないですか。だから私は、今度もそういう
程度
の
約束
では
委員会
の
運営
に協力ができないという私
たち
の
立場
も無理からぬところではないですか。無理なことを言っていないですよ。
吉江
さんは無理だと言われるが、譲歩に次ぐに譲歩です。
あと
から
同僚議員
に、帰ってから、何だ、あんなところまで下がってと害われるかもしれません。しかし、このままの形では、
委員会
に
賛成
だ、やりましょうというわけにはいかないのですよ。だから、
斎藤
さんも言うように、この
委員会
で、そういうはっきりしたことは
約束
できないというのであれば、私が
主張
しているうちの幾つかの問題については、そのうちのどれかを明確に、後ほどの
理事会
で
豊瀬
君と
約束
するということの一番大事なことは、
めど
です。
法案
の
扱い方
についての
めど
がどう立つかということです。その大体の日取りを
豊瀬
君と
約束
をすると、ここではまだ言えない、せめて、これくらいのことは言えませんか。それくらいは言えるのじゃないですか。どういう
約束
をするかは、まだ、ここで明らかにするわけでないのだから、それは言えないというのであれば、これは絶対に、もう、これ以上譲歩しません。これくらい、
吉江
さん言えるでしょう。
吉江勝保
32
○
吉江勝保
君 重ね重ね
米田委員
から御希望といいますか、熱烈な御発言がありますので、そういう点は十分にお聞きをいたしておきまして、散会後の
理事
、
委員長
の打合会におきまして、十分ひとつ
お互い
に話をしてみたい、こういうつもりでおります。いずれ、その話が、一回の懇談会で、あるいは両者の
納得
のいくような話までいかなくても、
お互い
に善意を持ってといいますか、好意を持って協力しながら進んでいきたい、こういうつもりで今まで参っておりますので、今後においても変わらないことを申しておきます。
米田勲
33
○
米田勲
君 それでは、私は、私一人で
議事進行
の
意見
ばかり連続申し述べてもどうかと思いますので、私は
議事進行
の動議を引っ込めるわけじゃありませんが、一応、発言をやめます。他の
議員
から、また変わった
意見
があるかもしれませんから、もし、
皆さん
がその
意見
に
賛成
されるなら私も協力いたしましょう。ただし、私は次の
文教委員会
にも、また、きょうと同じことを
主張
します。それだけは御了解を願いたい。この点だけはいかがですか。
吉江勝保
34
○
吉江勝保
君 そういう点になりますと、私
ども
のほうからも、実は言いたいことが相当あるのでありますが、今なるべく控えておりますが、いずれ、そういう点も含めて
理事
、
委員長
の打合会で
お話
しをいたしたいと思います。
成瀬幡治
35
○成瀬
幡治
君 僕は最初に、
委員長
に心がまえとして伺っておきたいと思いますが、
議員提案
と、それから、なるほど、政党政治ですから、
与党
の方の
政府提案
というものが
議員
立法と同じようにウエートがかかって、そして
与党
の方がそれをなお
尊重
される
気持
はわかりますが、本院としては、これに軽重があるのかないのか、同じなのか、どういうお
考え
なのか、それを伺いたい。
北畠教真
36
○
委員長
(
北畠教真
君)
お答え
いたしますが、
政府提出
の
法案
、また政党
提出
の
法案
の軽重はないと思っております。その
審議
の方法については、先ほど来いろいろ論議されておりますが、
理事会
なんかでよく
相談
をいたしまして、どれを先にするかということをきめてやるのが
理事会
の
運営
と、こういうふうに思っておりますので、この点は、先ほど申しましたように軽重はあるべきものじゃないと、こう私は確信いたしております。
成瀬幡治
37
○成瀬
幡治
君 私は
与党
の方
たち
が、いろいろとこの
法律案
について
努力
してお見えになることは十分わかります。そこで、これはここまでくると僕らもちょっと引っ込みがつかぬですよ、実際問題として。そこで、とにかく党の文教部会等で、これだけの
努力
をしてきた、この
法律案
についてはこうやったのだという、まず、先に
努力
されたことについての、ひとつ経過をお聞きするわけにはいかぬでしょうか。まあ、
努力
されたのだと、いろいろなふうに話し合ってきたのだと、こういうことじゃなくて、実はこういうような問題については、この
法律
については、党の文教部会あるいは
参議院
の文教
委員
だけでもいいですから、こういうようなことについてやってきたのだというような、そういう熱意のあったところを、経過的にひとつ御
説明
は願えないでしょうか。何にもやらなんだということじゃないと思うのです。
吉江勝保
38
○
吉江勝保
君
委員長
のほうから
お答え
になるほうが筋かも存じませんが、この経過につきまして話いたしますことは、
理事
の打合会等の制限時間以外でゆっくり話をさしてもろうて、お聞き取りをいただいたらどうかと思います。そういう点につきましては、明らかに私
ども
が申し上げて御了解をいただくような機会がまたあるかもしれませんが、なるべくならば、この時間におきましては、御
了承
をいただいて、この
審議
にお入りいただきたいと思います。
久保勘一
39
○久保勘一君
議事進行
について。私、ふなれでありますので、あるいは見解が間違っておっては将来いけないと思いますので、この機会に
委員長
にお尋ねをいたしたいと思います。私は
委員会
の
運営
は、ごく常識的に、それぞれの会派から選任されております
理事
を中心として、それぞれ事前に円満に
協議
を遂げ、
話し合い
をして、そうして
結論
の出た上で行なわれていると、かように理解をいたしまして今日まで出席いたしております。ときには、私
ども
も十時に出て来まして、三時間たっても、四時間たっても、どういうふうになるのやらわからなくて、いろいろと不満を感ずる場合もありまするけれ
ども
、しかし、それは私
ども
の会から出ております
理事
を信頼いたしまして、それらの方々の御
努力
を期待しながら待機いたしている実情であります。ただいま
米田委員
から、いろいろと
法案
の
取り扱い
について御
意見
がございました。承って、私も個人的にはなるほどと共鳴を感じ、また同感を覚える点もございます。しかし、ただ
委員会
の運び方として、あくまで自分
たち
の会派から出している
理事
を信頼し、その人に委託をして
運営
をいたしているということが、私の理解のとおりであるとすれば、こういう席で、自分のほうから出ている
理事
を前にして、あえてその
理事会
の
運営
にまで立ち入った——立ち入ったと申しますと言葉が過ぎるかもしれませんが、不信感を抱くような発言については、私は御
意見
でありまするから、それをとやかく申し上げるわけではありませんけれ
ども
、多少、円満を欠くのじゃないか、かように感じますので、ひとつ、
理事
、
委員長
にお尋ねいたします点は、
理事会
というものは、一体どういう性格であるのか、また今日まで、この
委員会
の
理事会
が、
米田委員
のおっしゃるように、いかにも
与党
が押しつけがましく自分
たち
の
法案
だけを先議して、
社会党
の
法案
を軽んじて、あえて
社会党
の
理事
の発言までも無視して強行してきたような
傾向
があるのかどうか、その二点について、率直にひとつお示しいただきたい。将来のこともありますので、お尋ねをいたすわけであります。
北畠教真
40
○
委員長
(
北畠教真
君) 私に対する
質問
でありますので発言をいたします。
理事会
を設けまして、
委員会
の
運営
をはかられる規則になっておりますが、われわれといたしましては、やはり
理事
の責任において、各
委員
の
意見
を体しながら、他の党派の
理事
の
諸君
と十分懇談を遂げて、できるならば円満に議事を進めていくということが建前じゃないか、こう思っております。なお、私、経験が非常に浅いのでございますが、四年間の
議員
生活中に、いろいろ
理事会
にも出席いたしましたが、特に文教だけに席を置いておったわけでございますが、
豊瀬
委員
とも四年来、
理事
をやりながら親しく今日に至っております。決してわれわれ押えつけて云々というようなことをやった覚えはございませんので、その点参考に申し上げておきます。
米田勲
41
○
米田勲
君 ただいまの発言のうち、ちょっと私は私の
立場
から申し上げておかなければならぬと思いますのは、私は先ほど述べたような発言はたびたびはやっておらないのです。おそらくこの
文教委員会
に所属して相当長いけれ
ども
、まずこれだけ言ったのは初めてです。それがひとつと、きょうの
委員会
の
運営
は、
委員長理事打合会
で
豊瀬理事
が
主張
したけれ
ども
、ついにいれられなかった、議がととのわなかったままここに諮られているわけです。だから、私は
委員
としてこの
運営
ではまずいではないかということを
主張
することは、わが党の
理事
を信頼していないということとは全然性質が違うわけです。私は
豊瀬
君の
理事
としての活動については全面的に信頼をして今日まできておるし、ただいまも信頼しておるわけです。ただ、
豊瀬
委員
を代表者として
委員長理事打合会
でたびたび
主張
してきたが、その
主張
がわれわれの
考え
ているように運んでこなかったことは事実であります。そうしてまた、きょうの
委員長理事打合会
にも特に
豊瀬理事
を通じてやったが、われわれの
主張
はいれられなかったのです。いれられなかったから、
委員長
は議がととのわないまま
皆さん
にこの
委員会
の
運営
についてお諮りになっておるわけです。したがって、私はそれについて
意見
を述べたのでありまして、別に
豊瀬理事
を差しおいて発言しておるとは思っていないのです。
豊瀬理事
を信頼しておるということには変わりません。しかし、ただ、これはたびたび先ほどから
吉江
さんや
斎藤
さんの言われておるのは、
豊瀬理事
に言われたことと同じことを言われておる、相も変わらず同じことです。
会期
も少いからもっとはっきりしてくれというのが私の真意なんです。その点は誤解をなさらないようによろしくお願いいたします。
成瀬幡治
42
○成瀬
幡治
君 私は実は久保さんの御発言もありましたし、今、
米田
君も言いましたが、この
委員会
は
理事会
が一致しなくて開かれた、
委員長
職権によって開かれた
委員会
とは思っていない、だからそういう
考え
のもとに臨んでおります。だから、そういう
態度
だということをひとつ御
了承
願いたいし、
文教委員会
というものは、いまだかつて
委員長
職権で行われた例はないのだ、こういうふうに私は
了承
しておる、いつも
理事会
は円満におやりになっておる。ただ、私ここでこういう議論をするということは、
米田委員
も指摘しておるように、何べんか
誠意
をもってやるやるといっていつも引き延ばしになっておやりになっておる。われわれは
法案
に対しては慎重
審議
でやるべきであるが、引き延ばしはやるべきではないといっておる、それを、
質問
の準備ができてないから、
あと
に残してくれということ、そういうことが許されるならそういうことをやっていくが、そういうことはいけない、それでは
議員
の職責を果たしていないというふうに
考え
て、慎重
審議
はやるが、引き延ばしはあくまでもいかぬ、こういう
態度
でいるのです。これがわれわれの
態度
であるからよく御
了承
を願いたい、誤解があっては非常に迷惑でございますから、この点だけ申し伝えておきますが、そこで、重ねて私はお尋ねしたいと思うことは、
米田
君は二十四日ということを
主張
しておりますが、二十四日が困難とするなら、それじゃいつごろを
めど
にして答を出そうとしておるのか、そういう日にちもほんとうに指摘できないのかどうか、どうなんですか、それは。私は経過を御
説明
願いたいといったら、そういうことではなく、
理事会
でおやりなさいというなら、それも
了承
しますが、だからいつごろに
めど
をつけるか。
斎藤昇
43
○
斎藤昇
君 今、成瀬
委員
のおっしゃるようなことについて、
あと
の
理事懇談会
で
お話
をいたしましょう、こういうことになっておるのですから、一方的に、私個人の
意見
としてこの
委員会
の席でそういうことを言うべきじゃないと思います。
あと
の
理事
の打合会でそういう点に触れてやりたいと思います。
成瀬幡治
44
○成瀬
幡治
君 非常に私は大事な点で、
理事会
を
尊重
して、
理事会
で事を運んで円満にいろいろなことをきめていくのだ、こういう
態度
については感謝しておる。
委員長
職権ではない、そういう点で敬意を表します。それなら
理事会
のときには、そういうような日時の
めど
のことについても
意見
を出すのだ、ここらのところを出すのだ、そういうつもりなのだと
了承
していいですか、
斎藤
さんの言葉を。
斎藤昇
45
○
斎藤昇
君 そういうことに触れて
お話
をしようというのは、そういう事柄が一つの要件であろうと思います。そういうことに触れて
お話
を申し上げます。
成瀬幡治
46
○成瀬
幡治
君 触れてということと、
めど
をつけて話をするということと
意味
が違うのですよ。もう少し押え込んだ話をしてもらいたい、ゆるふんな話じゃなくて。
吉江勝保
47
○
吉江勝保
君 実はそういう点を
米田委員
が非常に、
要求
というのですか、先ほど発言された。私がそれに対して先ほど
お答え
をしまして、一応、
米田委員
も御
了承
いただきましたので、私は成瀬
委員
の御発言も
米田委員
の御発言と内容は同じである、こういうふうに聞いておりますので、私が先ほど答弁したので御
了承
をいただきたいと思います。
成瀬幡治
48
○成瀬
幡治
君 私がだから聞いていると、どうも
めど
の日時が提示されないのじゃないかということを心配しているわけです。いやそのときにやるのだ、こうおっしゃるならそれでいいから、そのことまで
委員会
で話せないけれ
ども
理事会
でやるのだという。
委員会
でおやりになっても差し支えないから、ぜひひとつ言っていただきたいと思います。
吉江勝保
49
○
吉江勝保
君 ここではっきり
理事
から発言でも、何と言いますか、させておこうというとおかしいですけれ
ども
、お
気持
のようで、それはよくわかっているので、それも私もわかりますから、先ほど
米田委員
の熱心な発言で、後刻の散会後の
委員長理事打合会
で
協議
をいたしたい、こういうように言っておりますのは、そこまではっきりやりますと言えとおっしゃらなくても、そういう私の答弁の中にも御感得いただけるのじゃないだろうか、こういうように申し上げたのであります。
成瀬幡治
50
○成瀬
幡治
君 私はこれから
委員長
の心がまえとして伺っておきたいと思いますが、先ほど一番最初に、軽重はないのだ、両方とも同じじゃないか、こういう
お話
でございました。そうすれば、おのずから
先議案件
、
理事会
で
意見
が一致すれば別ですけれ
ども
、そうでないような場合には、先議に
付託
されたいわゆる
先議案件
から大体順序に片づけていかれる、こういうふうに
委員長
も取り計らうというふうに
了承
してよろしゅうございますか。
北畠教真
51
○
委員長
(
北畠教真
君)
お答え
いたします。この件につきましても、
理事
間の打ち合せで
意見
が一致するということでないとうまくいかぬと思うのですが、
委員長
がこうするとか、ああするとかいうような職権をもってやるというような
気持
を持っておりません。
理事
間の十分なる慎重
協議
と申しますか、その上に立って
委員長
は動いていくということが円満な
委員会
の
運営
の方法じゃないかと思っております。
豊瀬禎一
52
○
豊瀬
禎一君 かなり時間を取りまして、現在の間の
理事会
の打ち合わせの問題、あるいは
議員提案
の
法案
の
取り扱い
について論議をしたのですが、
委員長
、
理事
の
皆さん
、並びに
与党
の
委員
の各位も、ただいまの論議で十分御承知のとおり、すでに三月から三カ月間の
審議
日数
を経過いたしまして、私
ども
の相互の
話し合い
の中では、いずれの
法案
が基本的には反対であるか、あるいは
賛成
できるか、趣旨としては
了承
できるか、この
話し合い
については、大よその目鼻がついておるはずでございます。問題は、いつそれを
皆さん
方が、
理事
の個人的な意向としてではなくて、党の
態度
として、
理事会
の中で、あるいは懇談会の中で出していただくかということが当面の課題であり、そのことをたびたびは
皆さん
方に
要求
して参ったところです。したがって、今後の
理事
の打ち合わせというものが、
皆さん
方の善意の披瀝ということでなくして、党の文教部会なり、あるいは党の国対が
了承
した線の上での
話し合い
でない限りは、常に従来の善意の交換という範囲から前進を見ないと思うのです。もし、かりにですね、ただいま
審議
されておる
教科書法案
が一応
審議
が終わりまして、党の
態度
を
決定
できないから、党の内部のいろいろな問題があるから、
皆さん
のように三ヵ月間の時間をかしてくれ、こういうおっしゃり方は、私
ども
がした際に、あなた方としては、おそらく
会期
末を控えた今日として
了承
なされないだろうと思う。問題は
米田委員
が指摘しましたように、
法案
の中身について、文部省まで呼んで打ち合わせをしましてから数カ月たっておるということですね。この間、
理事
の個人の御意向をここに披瀝できないということはわかります。当然、私
ども
は従来の相互の
話し合い
の中から、
皆さん
方の自民党としての
態度
を
決定
していただくに十分の時日をかしておるということを御銘記願いたいと思う。そのことをきちんととらえていただいて、きょうの
委員会終了
後の
委員長
理事懇談会
の中で、
米田委員
が具体的に要望をいたした内容について、個人的な私見の披瀝という、あるいは
誠意
の抽象的な交換ということではなくして、具体的に、
皆さん
としても
皆さん
の持っておられる
政府提案
の
法案
の始末もお急ぎであろうし、したがって、当然、三カ月の長きにわたって
審議
を続けてきた
議員提案
の
法案
に対しても、賛否のいずれかの
態度
を
決定
されるべき
段階
に来ていると思う。私は今日までの
委員長
理事懇談会
の経緯を信頼いたしまして、そのことがきょうさらに、先日お
約束
申し上げました二十四日の
委員長
理事懇談会
の中では、当然具体的に披瀝されるべきものという観点に立って、
皆さん
方の今日までの善意に信頼して、きょうはこの問題、
議員提案
の先議をするということを一応撤回をいたしまして、
教科書法案
の
質疑
に移ることを
了承
いたします。
北畠教真
53
○
委員長
(
北畠教真
君) それでは再度お諮りいたします。
義務教育
諸
学校
の
教科用図書
の
無償措置
に関する
法律案
を
議題
とすることに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北畠教真
54
○
委員長
(
北畠教真
君) 御
異議
ないと認めます。よってさよう
決定
いたしました。 これより本案について
質疑
を行ないます。
質疑
のある方は順次御発言を願います。
小林武
55
○小林武君 文部大臣に、先日来、明治憲法下における
教育
についての御
意見
を伺ったわけでありますが、このことは、今の憲法によって
教育
は国民の権利として、
教育
を受ける子供の権利として、また子供の親の権利として規定されている。今の民主
教育
を理解するためには、どうしても明治憲法下の
教育
についてどのような理解をわれわれが持っているか、どのようなその
教育
に対する批判を持っているか、そういう指摘がない限りにおいては、民主的な
教育
というもののほんとうの理解ができないのではないか、こういう角度からの
質問
をやったわけであります。そういう点につきましては、若干の点について事実については文部大臣も認められた個所もあるわけであります。たとえば、明治憲法の中における
教育
というものは、兵役とか納税とかと並んで、いわゆる義務として
教育
が課せられた。それは子供に対する
教育
の義務であり、子供を持つ親に対する義務である。いわゆる忠良な臣民を育て上げるという義務である。であるから国民の
教育
に対する
要求
に即応する
教育
ないし
教育
行政というようなものはその中にはなかったというようなことについては、大体形の上では認められてきたように思うわけであります。また、その
教育
行政が中央集権的なものであったということについても認められた。あるいはいわゆる忠良なる臣民を養成するという
教育
の根幹にあるものは
教育
勅語であったということ、あるいは修身
教育
であったというようなことも認められたわけであります。しかし、これを先ほど言った、どのように批判するかということについては頑強に文部大臣は答弁を拒否してきたように私は
考え
るわけです。今の
教育
の問題を論ずるのに、あるいは
教科書
の問題を論ずるのに、こういうことについて答弁を拒否されるということは、はなはだ遺憾でございますけれ
ども
、いつまでもこのことにこだわっておられないので、実はこの間の
質問
は続行することができなくて終わったわけでありますけれ
ども
、私はひとつここで文部大臣に、このことは認めるかどうかということをお尋ねしたいわけであります。それは憲法の前文の中にこういうことが書かれてあるわけであります。「
政府
の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」と書いてある。このことは、私が問いたい点は、今ここで憲法論をやるという
意味
では毛頭ないわけであります、そんなに間口を広げるつもりはございません。ただ、過去の
教育
の一体一番欠陥とするところ、問題とするところは、私が先ほど申し上げたような、国民の義務としての
教育
が中央集権的な
教育
行政のもとできわめて軍国主義的な政策の遂行の手だてとして行なわれた。そういうことがこの憲法の前文の中にある「
政府
の行為によって」云々ということときわめて関連が深いのであります。
教育
だけをこの項が問題にして書いているのではありませんけれ
ども
、
教育
が重要なやっぱりこの中で要素をなしているということは、私の憲法前文の今の個所の
意味
だと思うわけであります。そのことをいっているのだと思うわけでありますが、文部大臣は、憲法に書かれておりますところの、
政府
の行為によって戦争が始められてそのために多くの人々が無為に死んでいったというようなそういう問題点が、
日本
の明治憲法下の
教育
の中にあったということをお認めになるかどうか、この点をお尋ねしたいわけです。
荒木萬壽夫
56
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) あんまり自信を持って
お答え
できない課題でもございますが、私の理解によれば、帝国憲法のもとにおきましては、宣戦講和の大権は天皇にある。主権在天皇のもと、当然ともいえましょうが、そういう主権在天皇のもとにおいて
政府
があった。まあそういう一連のことを念頭に置きながら、今御指摘の前文の文句も出てきておるかと思います。今の前文の御指摘の点のみならず、新しい憲法、初めっから終わりまで全部のことが
考え
に入れられながら、戦後の
教育
というものは行なわねばならないし、行なわれつつあると、こう思います。
小林武
57
○小林武君 私の
質問
にあなたは
お答え
になっておらないのですね。私は非常にそういう点困るのです。あるいはわが党の
議員
の
人たち
はそういうことは
考え
ないかもしれませんけれ
ども
ね、これはまあその以外の方
たち
は、何か私の
質問
がよけいなことを聞いているようなことを、まさか
考え
ていらっしゃるとも思いませんけれ
ども
、そういう誤解を生むおそれがないともいわれないというようなことをほのかに聞いているわけであります。しかし、私は何度も申し上げますけれ
ども
、
教科書
の問題の検定の問題をひとつ取り上げましても、それから今度の
教科書
無償
の
措置
法案
の問題を討論するにいたしましてもですね、全般的に。この問題は、やはりあなたが日ごろおっしゃる
教育
基本法や憲法にのっとった
教育
をやろうとするからには、一体その
教科書
がよって立つところの憲法や
教育
基本法をどのように理解しておるかと、こういうことをはっきりしないというと議論ができないわけです。ところが、あなたの大体御答弁というものは、いつでもですね、私はどうも故意にやはり
質問
の中心をそらしているかのように
考え
るわけであります。そういうことをやりますというと、能率をきわめて悪くして、大体もう能率的にやれば相当の分量を毎日進むことができるものを、いつまでも同じようなところで行きつ戻りつをしなければならないというようなことになるわけでありますから、どうぞひとつ
審議
に協力するという
意味
で、少なくともこの討論の中から、引き延ばしをことさらやっているというような印象をなくする
意味
においても、あなたがひとつ率直にやっぱり答弁をいただきたいわけです。今あなたに聞いているのはそういうことじゃないのです。あなたの今の答弁のようなことを聞いているのじゃないということ、おわかりでしょう。憲法に書かれておる
政府
の行為の中に、それによって戦争に導かれるということを再びわれわれはやっぱりやってはいけないのだ、そういうことの中には
教育
も一役買っているというととは、少なくとも
教育
基本法を制定される過程を調べ、憲法を貫いている精神を見た場合に、すぐわかることでありませんか。そのことについて、あなたはいつでも言葉をにごして、いいかげんなことを言うから因るといっているんです。私の
質問
は、憲法の前文に書かれてある、いわゆる
政府
の行為によって戦争の惨禍を再び
日本
に持ち込まないために、過去の
教育
の反省に立って、少なくとも
教育
がいかなければならぬ。そのことが今度の
教育
基本法にもちゃんとうたわれておる、そう
考え
ておるから、あなたにどう思いますかと聞いている。それについてのひとつ御答弁を願いたいのです。よけいなことはひとつおっしゃらなくともよろしいのです。
荒木萬壽夫
58
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 問題は、過去の
教育
の反省に立って、今の御指摘の前文をどう
お答え
するかということが、私はすぐ見当がつきませんから、さっき直観的に思いましたことを申し上げたわけであります。戦前の
教育
は、この前も
お答え
しましたように、天皇に主権があるという大前提において成り立っておる憲法だと思います。憲法の条章すべてが、諸政百般に関連を持つことは当然といたしまして、その根本の主権のあり場所が、今度新しい憲法においては国民にありとされた、その国民にありとされる大前提によって貫かれておる新しい憲法の各条章ことごとくが、私は新憲法下の
教育
の基本線でなければならぬ、こう思うということを、この前以来申し上げておりますし、今のお尋ねに対しましても、さよう
考え
るということを
お答え
することが適切じゃないか、こう思って
お答え
をしておるわけであります。
小林武
59
○小林武君 今の憲法の
教育
というものは、こういう
立場
で——いわゆる主権が国民にあるという
立場
で行なわれているということは、これは私もあなたも同じ
考え方
でしょうな。この点については、私はあなたにお尋ねしておるわけじゃない。そういう主権が国民にあるというような憲法が、どうして一体できたのか。千載不磨の法典といわれた憲法が、どうして一体改められたかという
理由
が、また
教育
についてみれば、そういう憲法のもとで行なわれた
教育
が、少なくともこの憲法の中に書かれておる
政府
の行為によって戦争の惨禍を招くというような、そういう問題を——そういう
教育
の一体問題点を除去するような
立場
に立って、今の
教育
が行なわれておると私は思う。あなたはその点について、どう
考え
るかと聞いているんですから、それを述べて下さればいいんです。今はどうであるということはともかくとして。
荒木萬壽夫
60
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) これは、まあどう
お答え
していいかはっきりわかりませんが、
政府
の行為によって戦争の惨禍が起こるということはあり得ないと思います。
小林武
61
○小林武君 それではあなたにお尋ねいたしますが、憲法前文の「
政府
の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と書いてあるのは、これはどういうことになりますか。
荒木萬壽夫
62
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) これは読んで字のごとくだと思います。
小林武
63
○小林武君 読んで字のごとくであるならば、
政府
の行為によって戦争の惨禍が起こらないということを、あなたは断定するのはおかしいじゃありませんか、再びという言葉も使っております。前にあったから再びと使ったでしょうが、前にあった、これからは起こしてはならない、こう言っておる。そのことに対して、あなたはそんなことが起こるはずがございませんという答弁は、読んで字のごとしではありませんでしょう。
荒木萬壽夫
64
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) それは新憲法がさように定めているからであります。旧帝国憲法のもとにおいては、日清戦争以来何べんも戦争がありまして、戦争の惨禍を受けた。新憲法下においては、
政府
の行為によって戦争の惨禍が起こるということはあり得ない、それは憲法の精神だと思います。
小林武
65
○小林武君 それではその議論の中の一つだけをお伺いいたしますというと、過去においては、
政府
の行為によって戦争の惨禍が起こったという事実をあなたは認めるわけですか。
荒木萬壽夫
66
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 私が認める認めないじゃなしに、日清戦争以来、
日本
が一大敗戦を喫しました戦争に至るまで数回戦争というものはあった、それによって戦争の惨禍というものは起こっておる現実であります。私が思う思わぬと、かかわりないと思います。
小林武
67
○小林武君 そういう惨禍が起こったということは、いやいやながら肯定なさったようです。こういうことを再び起こしてはならないと憲法は書いてある。これは前文に書いてあることは、これは認めますか。
荒木萬壽夫
68
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) いやしくも憲法に定められておる以上は、私が認める、認めないということではない、憲法それ自身が厳然として宣言していること、そのことは全国民が順奉すべきことだと思います。
小林武
69
○小林武君 一体、一国の文部大臣が、これを守るとか守らないとかいうようなことを憲法に言えるものですか、憲法については守らなければならない、認めなければならないということが、あなたには義務づけられておるのじゃないですか。第九十九条ですかね、「天皇又は摂政及び国務大臣、
国会
議員
、裁判官その他の公務員は、この憲法を
尊重
し擁護する義務を負ふ。」と書いてある。あなたは文部大臣として、憲法に書かれてあることを認めるということを拒否されますか。そういう
意味
で、あなたは今のような発言をなさっているのですか。
荒木萬壽夫
70
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) その御
質問
の
意味
がよくわかりませんが、憲法 の趣旨にのっとって制定された
教育
基本法、
学校教育法
、
教育
関係
の
法律
はもちろんのこと、ことごとくの
法律
に委任を受けた命令に至りますまでが、憲法の下に存在する
日本
人としては、だれでも従わねばならぬということは言わずして明らかなことなんで、そのことを私が守るとか守らないとかいう以前の当然のことだと思いますから、先刻のように
お答え
したわけであります。
小林武
71
○小林武君 それでは当然のことであるから、先ほど私の言った
政府
の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにすることを決意する、このことは、少なくとも
教育
との関連において、あなたは文部大臣として、
教育
の中に少なくともそういうことを再び起こさないような、こういう規定が、憲法十二六条の中にあるということを認める、こういうことでしょう。すなおに言えば当然認めるということでしょう。たいへんあなたの言い回わしは妙な言い回わしをするけれ
ども
。
荒木萬壽夫
72
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) その点は、私はお尋ねになるまでもないことだと思います。
小林武
73
○小林武君 それならば、もっとすなおに答えていただきたいと思います。だから、時間がかかってしようがないわけです。
成瀬幡治
74
○成瀬
幡治
君 ちょっと関連して、大臣、「
政府
の行為によって再び戦争の惨禍が起とることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、」こうなっている。そこで、今小林君の
質問
に対する大臣の御答弁を聞いておりますと、
政府
の行為じゃなくて、天皇の大権によって再び戦争の惨禍が起こることのないようなことを決意し、ここに主権が国民にあることを宣言する——こう書いたほうがものわかりがいいような御答弁の仕方なんです。戦争が起きたということは、天皇に宣戦布告等の、何と申しますか、権威があった、権力があった、そういう行為があったものだ。したがって、そのことのないように、
政府
の行為ということじゃなくて、天皇にそういうことがあったのだから戦争が起きたのだ、だから、主権住民をここに宣言するのだ、こういう解釈のように受け取れるわけですが、そういう解釈ですか。それとも小林君が言っておるように、
政府
の行為にもいろいろなことがあると思います、戦争に。行政上いろいろなことを持っている、そういうことまで含めての話なのか、その辺は、どういうふうに解釈しておられるのか、伺っておきたいと思います。
荒木萬壽夫
75
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君)
政府
というのは、主権者たる国民の主権の作用としての行為を分担した機関すべてだろうと思います。そういう
政府
の機関の行為によって、戦争が起こるなんていうことは一切許さない、しないのだ、という宣言だと思います。
成瀬幡治
76
○成瀬
幡治
君 大臣の言われることもわかるのですよ。私が言うのは、なぜそれでは戦争が起きたかということなんです。なぜそれじゃ戦争が起きたのだ、過去の戦争というものはなぜ起きたと、こうお
考え
なのか。それは天皇が主権者だったから戦争が起きたとお
考え
になるのか、
政府
のもろもろの行為によって戦争が起きたと、こうお
考え
になるのか、その出てきたゆえんの由来についてのことと関連して……。
荒木萬壽夫
77
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 由来は、天皇に宣戦布告の権限がなかりせば起こらなかったであろうと言えないことはないと思います。
成瀬幡治
78
○成瀬
幡治
君 そうすると、そこから一つの、これは反省の上に立って書かれた前文でございますから、そこで戦争犯罪人と言うとあれですが、戦争の起きた長大の原因というのは、主権、いわゆる権利ですね、天皇に主権があったために戦争が起きたのだ、こう解釈しておみえになるわけですか、大臣、主たる原因は。
荒木萬壽夫
79
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 御
質問
の焦点が私にはよくわかりませんけれ
ども
、戦争というものは、一体どうして起きたかということは、これは歴史家に聞かなければ、はっきりしたことは言えない分野でもあろうかと思います。戦争という現実が起こる、その直前の具体的行為とならば、宣戦布告することによって戦争が始まるということだと思います。それがそうならざるを得なかった歴史的な分析において、いかなるものであったかということは、私は今即座に申し上げかねる。
成瀬幡治
80
○成瀬
幡治
君 くどいようで悪いですが、大臣、これはお持ちですね、それでそこのところを見ておっていただきたいのですが、「
政府
の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、」と、こうなっておるわけです。したがって、主権在民の宣言をしたということは、逆に言えば、天皇に主権があったために戦争になったのだ、だから、そのこともやめて主権在民の宣言をしたということは、天皇から主権を国民に移したのだ、こういうふうに解釈していいかということを聞いておるわけです。
荒木萬壽夫
81
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) それは、そう解釈できると思います。その
気持
を含めて、先刻来
お答え
をしておるつもりでございます。
成瀬幡治
82
○成瀬
幡治
君 そうすると、大臣のお
考え
で言えば、天皇なかりせば、いわゆる天皇に主権なかりせば、
日本
の戦争は起こらなかったと、逆な言葉で言えば、そういうことになる。
荒木萬壽夫
83
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) そのお尋ねでございますと、一体日清戦争は、どうして起こったのだろう、日露戦争は、どうしてだろう、いわゆる大東亜戦争は、どうしてだろうということを一々分析して、歴史的に
考え
合わせて、そこにいろいろな反省が出てくるという課題としてでなければ、
お答え
にならぬと思いますが、先ほど来申し上げているように、戦争がなぜ起こったかという
意味
でおっしゃれば、宣戦布告を契機として起こった、一番端的に申し上げれば、そう申し上げざるを得なかった、こういう
気持
で
お答え
しておるわけでございます。
佐藤芳男
84
○佐藤芳男君 関連して……。大権なかりせば、戦争は起こらなかったかもしれません。この御発言に対して、私はちょっと大臣の真意を伺っておきたいのであります。おそらく大臣がかように答弁されました真意を私がそんたくいたしますならば、大権機構というものがあったから、それは形式論からして、宣戦布告に相なったのだという、こういう形式論で一応の答弁をなすったのかもしれませんし、または大権が天皇にあったから、いわゆる袞龍のそでに隠れて非望をいたす者も生じたのだと、こういうような
意味
も解釈できるのでありますが、ちょっとそういうような解釈でなしに、ただ軽く聞いておりますと、天皇が明らかに戦犯のような印象を国民に与えては事重大だと思いますので、私はそんたくを交えまして、一応伺かっておくところでございます。
荒木萬壽夫
85
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) むろん、今佐藤さんのおっしゃったことも含め、またかりに袞龍のそでに隠れて
政府
機関が天皇大権を発動せざるを程なくせしめたということがあるとしましても、さらにそうぜざるを得なかった事情というものは何だということが、仔細に私は検討されて初めて、どうして戦争が起こったかということが断定できる、こういう課題だと思いまして、最終
段階
の宣戦布告ということが戦争になったきっかけだと形式的に申し上げているのであります。
佐藤芳男
86
○佐藤芳男君 わかりました。
了承
。
小林武
87
○小林武君 文部大臣のような
意見
も、また
意見
の一つ、天皇制というものに対するきわめて厳しい批判が文部大臣からなされたことは、これはまあ
意見
としてお聞かせいただいて、たいへんこれは率直だったと思います。ただ、このことについては、やはり
速記
録を十分お読みになって、将来それらの点について、ひとつあなたの言動に対する責任だけははっきりしておいてもらいたいと思う。
あと
で、さかさまのことを言って、前のことを全然忘れたような御発言のないように、ひとつお願いをいたしまして、私はここで、もうあなたといろいろの点について、この項に関しては
質問
をしませんが、何と言っても、あなたが幾らいろいろのことをおっしゃっても、あなたの天皇の問題も、それもよろしいでしょう。さらにしかし、
政府
そのものの責任というようなものも、やっぱり天皇を含めて問題があったということだけは、はっきり御確認をなさる必要があると思う。そのことが、憲法の中に書かれている。憲法二十六条のいわゆる民主
教育
というものは、過去の明治憲法下の
教育
を否定し、
教育
が国民のものであるという
立場
で、とにかく出発したものであるということだけは、これは認める認めないは別として、もしあなたがそのことについて認めないということになると、私は憲法に忠実なということを売りものにしているあなたの発言はうそだということになるわけでありますが、あなたのお
考え
が、そういう今まで骨を左右にして、いろいろなことをおっしゃっておりますけれ
ども
、そういう反省の上に立って、新しい
教育
を見ているというふうにひとつ
考え
ていきたいと思います。 そこでお尋ねいたしますが、私は憲法によって、それでは国民というものは、一体どういう
教育
が保障されているのか、内容的には、一体どういう
教育
が保障されているのか、このことをあなたにお尋ねいたしたいわけであります。このことは、あなたは各地で、いろいろな議論をなさっておりますから、何の
質問
をしているか私はわからぬというようなことはおっしゃらないだろうと思うのです。おっしゃれないだろうと私は思うのです。簡単でけっこうですから、いわゆる
日本
国憲法によって、どういう
教育
が保障されているか、内容的に、一体どういう
教育
が国民に保障されているか、この点をお尋ねいたしたいわけであります。
荒木萬壽夫
88
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君)
教育
の目的は、
教育
基本法に明記してあることが一番包括的な
お答え
になろうかと思います。
小林武
89
○小林武君 それでは、ひとつ念のために申し上げますけれ
ども
、
教育
基本法は「われらは、さきに、
日本
国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において
教育
の力にまつべきものである。」こう第一段のところでは書いているわけです。その内容にもわたる問題としては、第二節に「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす
教育
を普及徹底しなければならない。ここに、
日本
国憲法の精神に則り、
教育
の目的を明示して、新しい
日本
の
教育
の基本を確立するため、この
法律
を制定する。」と、こう宣言しているわけでありますけれ
ども
、このことは、あなたが、憲法、
教育
基本法の中の前文ばかりでなく、さらには第一条から次の各条にわたって書かれてあるこの
教育
基本法が示しておるということになると、何といっても平和主義であり民主主義を内容とした
教育
でなければならないということは、この中に書かれておると思うわけであります。 でありますから、
教育
は第一に平和を求める人間の育成ということが非常に大きな内容として取り上げられておる。私は、そういう点で文部大臣並びに
政府委員
について、両方から御
意見
を伺いたいわけであります。 学習指導要領とか
教科書
の検定とか、そういうものについて一体、戦後さまざまな改訂なり改良なりの跡の中から——あなた方は改良、改善といっておるのですが、そういう跡の中から、どのように具体的に重視してきたかということについて、概括的でけっこうですから、お伺いしたいわけです。
荒木萬壽夫
90
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 概括的には、今御指摘のとおりの心がまえで今日まで、文部省は
教育
の改善をしてきたつもりでございます。新しい
教育
課程につきましては、まず第一に地理や歴史をもっとじっくり教えよう、道徳
教育
をもっと
学校
教育
を通じて教えていこう、さらには技術革新の世界的な動向の中にありまして、子供のころからも、もっと理科の
教育
をみっちりやっていこう、主としてそういう点を主眼に置いて新
教育
課程が編成され、また、それに応ずる学習指導要領というものが制定されて、今日の
段階
に来ておる、かように思っております。さらに具体的なことは、必要とあらば
政府委員
から
お答え
申し上げます。
福田繁
91
○
政府委員
(福田繁君) ただいま小林
委員
から御指摘のありましたように、
教育
の目的自体は、
教育
基本法の第一条に示してありますように、「人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、」云々という言葉がありますように、
教育
基本法のこの趣旨に基づいた
教育
を行なうというのが、
学校教育法
その他から出て参ります
教育
の目的でございます。したがいまして、ただいま大臣から
お話
がございましたように、
学校教育法
を受け入れまして学習指導要領等におきまして基準をきめております内容は、もちろん国民一般として基礎的な学力あるいは知識というものを、必要なものを教えていくという
立場
と同時に、
日本
人としてこの国際社会におきましても、十分尊敬に値いする
日本
人を育成する、こういうような
立場
において学習指導要領その他のものができているわけでございます。したがいまして、抽象的ではございますが、もちろん基本法あるいは
学校教育法
の規定に準拠いたしまして、そういう内容が基準として示されておるのでございます。
小林武
92
○小林武君 学習指導要領の改訂につきましては、昭和二十二年に制定されましてから、二十六年、三十年、三十三年と改訂があったと思うんですがね、その内容的な変わり方の中で、平和を求める人間の育成ということが、だんだん強調されていったというような具体的な事例をひとつ、その指導要領の中から示していただきたいわけです。これは
政府委員
からでけっこうです。ちょっと答弁の前に、もう一度注文をつけておきますが、今は平和を求める人間の育成ということについて、ほかのことは、
あと
でけっこうです、その点について、当初二十二年ですか、私もそのところは、はっきりしないんですが、二十二年当初のもの、そのものから、一体扱いとして、どのように具体的に平和を求めるということについて、いわゆる改訂、あなた
たち
のあれがどのように憲法や
教育
基本法に沿うように改められてきたかということを示してもらいたい、具体的にひとつ、例をあげてやってもらいたい。
福田繁
93
○
政府委員
(福田繁君) ただいま古い学習指導要領を持っておりませんので、これは後ほど調べまして
お答え
をいたしたいと思います。
小林武
94
○小林武君 古い学習指導要領をお持ちにならぬということも、これはまあよくわかりますけれ
ども
、そういうときに、お持ちになったら都合がよいということも私自身わかりますが、一体どうですか、文部省がそのことについて、少なくとも過去の世論の中で、さまざま議論されたのですから、あなたも十分そういう議論はお聞きになっているわけですから、そう正確を私は
要求
しません。
一言
一句違わないようにとは
要求
しませんから、一体、どのようにというようなことについては、一応お示しいただきたいと思うわけです。
福田繁
95
○
政府委員
(福田繁君) ただいま
手元
にございますもので申し上げますと、たとえば小
学校
の学習指導要領の内容でございますが、「
日本
人としての自覚を持って国を愛し、国際社会の一環としての国家の発展に尽す。」というような、そういう項目もございます。これについては、やはり過去のいろいろな経験から見まして、今後の
日本
の国民としてのあり方としては、国際社会の一環としての
日本
国家の存在というものを十分
考え
て、そういう国際社会の一員としての
日本
国の発展に資したい、こういうような趣旨で、そういう意欲を育てることを内容としたものだと
考え
ております。また、広く世界の人々に対して、正しい理解を持ち、仲よくしていこう、こういうことは、先ほど申し上げましたような、国際社会における相互の理解というものを深めながら、平和的に共存共栄をはかっていきたい、こういう目的で学習指導要領というものができておると
考え
ております。事例をあげますと、さようなことだと
考え
ております。
小林武
96
○小林武君 今
政府委員
が
説明
なさったことは、現在の学習指導要領のことでありますね。
福田繁
97
○
政府委員
(福田繁君) さようでございます。
小林武
98
○小林武君 私が
質問
をしているのは、現在あなたのおっしゃることは——私は現在のことだけを聞いているのではない。昭和二十二年から現在に至るまで、憲法や
教育
基本法の内容に従ったそういう平和を求めるところの、平和を希求する人間の育成ということで、どのように一体だんだん、あなた
たち
はよくしてきたか。文部大臣の言葉をかりて言えば、憲法や
教育
基本法から一歩もはずれることなく、
日本
の
教育
を行なっておりますと、私はそういう信念で文部大臣を務めておりますと、こうおっしゃっておる。が、しかし、私はそれを全面的に信頼しているかどうかは別といたしまして、そうおっしゃっている。そのことが、少なくとも文部省に長く勤めていらっしゃるあなたはよく御承知だと思うので、そういう発展の仕方について、具体的に示していただきたいと思うのです。 私は、こういうふうに
考え
ているのです。初めの学習指導要領というものは、新憲法の精神を徹底的に青少年に教える、そういう要望を持った学習指導要領だと思うのです。そのことは、具体的に例をあげれば、幾多の問題はあると思うのです、戦争の放棄の問題におきましても、あるいは基本的人権の問題におきましてもいろいろあると思います。私はまあ平和という問題を一つ取り上げて、それが一体あの初期のころから、どう変わっていったか、どう一体、あなた
たち
の言葉を借りて言えば、発展していったかということを明らかにしてもらいたいから言っているんです。その点の経過が明らかにならないというと、今はこうですということでは、私の
質問
に答える答弁にはならないわけです。もし、はっきりおわかりにならないというなら——今言われないというなら、そうおっしゃって下さい。
福田繁
99
○
政府委員
(福田繁君) 正確な資料を持っておりませんので申し上げかねますけれ
ども
、しかし、ただいま御指摘のありましたような点は、
教育
基本法が制定され、それに従って学習指導要領が作られ、そして
学校
の
教育
が行なわれまして以来、御指摘のように学習指導要領の改正はございましたけれ
ども
、先ほど申し上げましたような基本的な
考え方
というものは、当時から変わっていないと
考え
ております。 したがいまして、その限りにおいては、
教育
基本法のいわゆる平和的な国民を育成するという、そういう点においては、
考え方
あるいは実際の指導方法というものは変わっていないと申し上げて差しつかえないと思います。
小林武
100
○小林武君 そのことについては、もっと具体的におそらくいろいろな方から、いろいろな角度から、また御
質問
があると思いますので、これはひとつ、そのときに譲るといたしまして、それでは次にお尋ねいたしますが、基本的な人権を
尊重
するという精神、これはやはり今の
教育
の内容の一つだと私は
考え
るわけです。つまり、まあ生徒、児童というようなものが、はなたれ小僧だというような
考え方
に立つのではなくて、一人々々を貴重なものとして全人格的生成をはかるものだと私は
考え
るのです。それが憲法の精神だと思っております。したがって、この基本的人権の
尊重
の精神というやつは、基本的人権を保障する民主的な諸制度、それから十分な知識、それを擁護、発展させるだけの資性と能力を養うということが、まず大事なことだと思うわけですけれ
ども
、そういう点では、どうですか。その今のあなたの御答弁からいって、指導要領の中におきましても、あるいは
教科書
を検定する
立場
にいたしましても、検定という一つの仕事の
手続
の上からも、十分
尊重
されているとお
考え
になるか。これも文部大臣と、それから
政府委員
についてお尋ねをしたいわけです。
荒木萬壽夫
101
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 今御指摘の点につきましても、もとより当然のことだと心得ます。
福田繁
102
○
政府委員
(福田繁君) 人権の
尊重
ということは、現在の憲法のもとにおきまして当然でございます。したがって、学研指導要領におきましても、人間
尊重
の精神を貫き云々というような言葉がございますように、現在の
日本
国憲法のもとにおける人権の
尊重
ということは、当然に指導要領の中でも考慮されているわけでございます。したがって、それを受けて
教科書
の検定というものが行なわれるわけでございますから、大臣から
お答え
になりましたとおりに、検定においても十分
尊重
されておる、このように
考え
ております。
小林武
103
○小林武君 もう一つ、その点でお尋ねしておきたいのですけれ
ども
、基本的人権というものは、容易に権力によって侵されるものである。憲法もそのような歴史的な経験に徴して、国民に対して「不断の
努力
によって、これを保持しなければならない。」ということを憲法の十二条に書いているわけでありますけれ
ども
、いわゆるこの十二条の精神というようなものの要請についても、十二条に書かれておりますところの基本的な人権を権力によって侵されてはならないと、不断の
努力
をするのだということも、もちろん
教科書
指導要領等に明らかに内容としてもたれておるというふうに
考え
てよろしいですか。これは
政府委員
にお尋ねいたします。
福田繁
104
○
政府委員
(福田繁君) そのとおりだと
考え
ております。ただ、十二条の前段を御引用になりましたが、もちろん憲法の建前といたしましては、そういう国民の権利というものを濫用してはいけないということも書いております。また「公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」こういうようなことも書いてございます。したがって、憲法の趣旨にしたがったそういう精神のもとに、これが行なわれるということは当然のことだと
考え
ております。
小林武
105
○小林武君 福田
政府委員
に、念のために十二条の問題をもう一度お尋ねいたしますが、あなたはこの十二条の問題について、私は後段を読まないわけではない。この後段に示しておりますところの「濫用してはならない」ということは、憲法が国民に保障する自由や権利というものを制限するために書かれてあるとお
考え
になりますか。
福田繁
106
○
政府委員
(福田繁君) 十二条は、そういう御指摘になりましたような精神を掲げていると思いますが、具体的には、たとえばこの二十二条でございますか、具体的な居住、移転、あるいは職業選択の自由というようなものにつきましては「公共の福祉に反しない限り」という具体的な条文が規定されております。したがって、それぞれ個々の条文に従って、これは憲法を順守していくべきものだ。こういうように
考え
ております。
小林武
107
○小林武君 あなたの十二条並びに二十二条について、今御
意見
がございましたけれ
ども
、あなたは憲法に保障された国民の権利というものについて、むしろこれを制限するようなところに重点を置かれたような、こういう御発言があるということを私は非常に遺憾に思うわけでありまして、その点については、また具体的にいずれ
お話
をすることがあると思いますので、次に進みましょう。 その民主主義の維持発展というようなこと、しかもわが国の文化を高めていくというようなことになると、何と言っても真実を教えるということが、真実を伝えるということが、
教育
の仕事の中で、これが現実のいろいろな複雑な社会また自然の事象の中から、真実を読み取っていくところの姿勢なり、あるいは能力なりを、
教育
を通じて子供のものにするためには欠くことのできないものだと思うのです。でありますから、私
ども
は、何といっても、
教育
の中におきまして、真実を伝えるということが重大なことだと
考え
るわけであります。このことは、憲法にも
教育
基本法にも、その重大性を強調しているわけであります。しかも、この真実というものも、往々にして権力によってくつがえされやすいものであるということは、
皆さん
も御存じのとおりであります。これはひとり
日本
の問題ではなくて、洋の東西、古今を問わず、そういう事例はたくさんあるわけであります。でありますから、
教育
の中で真実を守るということは、非常に重大な使命であると思うわけであります。このことをやはり徹底的に
学校
の中で子供に
教育
して、そうして自主的精神に満ちた、りっぱな
日本
の国民を養成しなければならぬということを、基本法の前文や一条の中にも、やはりそのことを明らかにしているわけでありますが、検定の問題で、いまだかつて、どうですか、真実をゆがめるというようなことが、検定の問題の中から起こったことはございませんか。そういう抗議を検定の問題の中で、あるいは
教科書
会社でもけっこうでありますし、それからその筆者でもいいのですが、そういう人との間に、一体文部省は検定という仕事の、操作の中から問題を持ち込まれたことはないですか。
福田繁
108
○
政府委員
(福田繁君) 私は、その真理をゆがめるというような抗議は、あるいは
異議
を受けたことはございませんが、検定の過程におきまして、
学校
教育
の場において使う
教育
的なものとして、素材として適当であるかどうかというようなものについての論議と申しますか、論争は受けたことはございます。
小林武
109
○小林武君 このことは、真実がゆがめられたということに結びつきませんか。
福田繁
110
○
政府委員
(福田繁君) どの場合をおさしになっているかわかりませんが、私が聞いておりますのは、そういう真実とか真理とかいう問題ではないと思います。
小林武
111
○小林武君 たとえば
高等学校
の歴史の
教科書
の中で、
高等学校
の歴史の
教科書
の検定のときに、
教科書
を書いたある学者の方の検定に対するさまざまな不満の中に、古代社会の妻問い婚、そのことについて書いて、女性の位置は後世よりもずっと高かったと書いたところが、これは、まげることのできない真実でありましたけれ
ども
、真実を教えることは好ましくないと、そういう批評が加えられてきたという、そういう事実があるように聞いているのですが、この場合、歴史的事実を教えるということ並びに女性の地位の問題を民主的な社会の中で古くからあったことを正しく教えて、現在の問題解決のために
教育
の中で教えようとすることに対して、これは文部省の検定は、真実をゆがめて、真実を否定するような
態度
に出ているように私は思うのですけれ
ども
、そういう事実はなかったのですか。もしあったとしたら、どういうことになりますか。
福田繁
112
○
政府委員
(福田繁君) 今御指摘になりましたような事柄については、私は具体的に知りません。したがって、仮定のことに対しては、ここで御返事を差し上げることを差し控えたいと思います。
小林武
113
○小林武君 仮定ということは、どういうことでしょうか。これは仮定というのは、そういう事実があったのではないかという、そういう想像のもとに私が言ったとでもお
考え
になって、仮定のことについては
お答え
できませんと、だれやらのようにおっしゃるわけですか。それとも、そういう事実が全然ないのに、私がそういうことを言うから、事実のないことについて、こういうことが起こっているのではないかというような
立場
で話をされることについては
お答え
ができませんというのか。この点明らかにして下さい。あなたのその文部省の中で、そういう事実が全然なかったのかどうか。私はあったということを明らかにして、自分が、こうであったということを聞いた上に立って言っているのです。ただ、その人の名前をあげるとか何とかということは、数限りなくたくさんあるわけですから、一々あげる必要はないと思います。今そういう事実のことを特に例にとって、あなたに言っているのですから、だから、どうぞ言って下さい。
福田繁
114
○
政府委員
(福田繁君) 先ほど御指摘のありました妻問い云々ということのお尋ねでございます。これについては、私はただいまそういうことがあったかどうかということは知らないということを申し上げたわけであります。それに対しまして、あったとしたらどうかというお尋ねでございましたので、これは事実を調べませんと
お答え
ができないわけで、そういう
意味
に申し上げたわけであります。調べて
お答え
いたしたいと思います。
小林武
115
○小林武君 私は、今あなたが文部省のことをすみからすみまで何でも知っていなければならぬというようにも
考え
ないのです。それからわからないということも、これはやむを得ない場合もあると思うのです。しかし少なくとも
教科書
の問題を、検定制度の問題を取り扱うあなたは、責任の
立場
にある方だと思っておるのです。今までそういう場合、検定の問題はたくさんの事例があるわけですが、その種の事例の問題は、あるものは堂々と雑誌に書き、新聞に書いておられるわけですがね。あなた、今何かにひょっこり文部省においでになった方で、そういうことについて実はよく聞いておりませんということならば、私もはあそうですかというくらいのことを言ってもいいのだけれ
ども
、あなたの
立場
におって、しかも文部省では相当に古い、検定の問題というものは、今まで相当たくさんの問題を持っておるわけですから、ほんとうに今知らないのか、知らないのであったら、責任者がおるわけですからね、あなたひとつ調べて、仮定のことだなんて言わずに
お答え
を願いたいと思います。今ここでは、絶対そのことについては、何とも答弁のしようがないというほど、あなたは御存じないわけですか。
福田繁
116
○
政府委員
(福田繁君) 御指摘のありましたことについては、私は存じません。これはよく調べまして御返事いたしたいと思います。
豊瀬禎一
117
○
豊瀬
禎一君 ちょっと関連して。
教科書
の検定をやる際の検定
委員
といいますか、そういう連中が
審議
した議事録を当
委員会
に出すように
要求
した際に、その当時の初中局長の内藤君は、いわゆる
速記
録はございません。しかし議事録はございますので
提出
いたします、こう言っておるのですから、その当時の記録を一緒に出して下さい。
福田繁
118
○
政府委員
(福田繁君) 議事録は公表しないことになっております。
豊瀬禎一
119
○
豊瀬
禎一君 いや、公表しないことにしておりますと言ったけれ
ども
、
国会
の
委員会
の
要求
として
提出
を求めたところ、内藤君は、
速記
録はございませんけれ
ども
出しますと、文部大臣がおるところでちゃんと言っている。議事録に残っていますよ。あなた方の建前は、従来はそれでよろしい。だから
委員会
の中で出すのですから、秘密の資料であろうと何であろうと当然出すべきですよ。出せないというなら、(「
法律
できまっておることか。公表しない、出せないということは自分の独断でないのか。」と呼ぶ者あり)これは
委員会
の席上において内藤君が答えたことですよ、大臣もおるところで。そして
国会
が
審議
に必要なものは、国家の機関の中でいわゆる公表しないという建前をとっておっても、必要な部分については、それは出すというのは、
参議院
の法制局も当然そこまで及びます、こういう見解を当時示しておるのです。あなたが今さら困ったような顔をして公表しないようになっていますと、もっともらしい顔をしたって、それではつまらんですよ。求めるものは、当時の記録については、これから次々に
要求
していきますから、
速記
録はないと言いましたから、それは
了承
しました。記録について必要なものは自後出して下さい。
福田繁
120
○
政府委員
(福田繁君) 御
要求
のありました点は、十分研究いたしたいと思います。
豊瀬禎一
121
○
豊瀬
禎一君 大臣にお尋ねしますが、いわゆる現在法的に行政機関が
国会
に
提出
を拒否することのできる資料というのは、何ですか。法的に
提出
を拒否することの、国政調査上
提出
を
要求
した際に拒否することのできるものは何ですか。
荒木萬壽夫
122
○国務大臣(
荒木萬壽夫
君) 明確に
お答え
できませんが、たとえば
法律
によって
提出
を免ぜられているというふうなものがあるとすれば、そういうもの以外は
提出
しないとは申し上げ得ないだろうと思います。
豊瀬禎一
123
○
豊瀬
禎一君 大臣の今の
お答え
は
了承
いたします。したがって、それを
委員会
の
審議
の際に、秘密会とする必要があるか、あるいは
速記
をつけないでやるかとか、あるいはその他の
委員会
の秘密を守るべき
措置
については、これは当然問題の性質を
考え
、内容を
考え
て当
委員会
が判断すべき問題になってくると思いますが、文部省が、今まで建前として出さないことにしていますという行政慣行で、当
委員会
が
審査
上求めたものを、そういう拒否はできないという大臣の見解については
了承
しますので、自後求めていくものについては
提出
をしてもらいたいと思います。
小林武
124
○小林武君 もう一つその点でお尋ねをしておきたいわけですけれ
ども
、不合格になった、ある
日本
史の
教科書
について、こういうことが書かれている。幾つかその不合格の
理由
が書かれているわけですけれ
ども
、その中の一つに——一つだけ今申し上げますというと、過去の史実により、反省を求めようとする熱意のあまり、学習活動を通じて、祖先の
努力
を認識し、
日本
人としての自覚を高め、民族に対する愛情を育てるという
日本
史の
教育
目標から遠ざかっている感が深い、こういう
理由
があげられたそうであります。この点について、書いた側のほうは、こういう不満を持っている。過去の史実によって反省を求めようとする熱意のあまり云々ということがあげられておりますが、そもそも過去の史実により反省を求めようとすることは、憲法前文の
政府
の行為によって、再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることの決意並びに平和を維持し専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努める精神から当然要請されるところであり、
教科用図書
においても、憲法の精神を発揮することに熱意を注ぐのは、他のあらゆる要請に優先して要請せられるところであると
考え
ます。
日本
人としての自覚を高め、民族に対する豊かな愛情を育てるということも、この憲法の精神に基づく反省を前提とするときにのみ、初めて
日本
国憲法下の
教育
目標にふさわしい内容を持つことになるのでありまして、過去の史実により反省を求めようとすることなく、過去の史実を盲目的、無批判的に美化することが、
日本
人としての自覚を高め、民族に対する豊かな愛情を育てるゆえんであると
考え
るならば、そのような
考え方
は、
日本
国憲法及び
教育
基本法の精神に反するものといわなければなりませんと述べているわけであります。 この点については、どうなんです。あなた
たち
は検定の責任者なんです。よい
教科書
を作るか作らないかということをあなた
たち
の手のうちに持っているといってもいいくらい。まあ検定の問題を論ずる場合には、いろいろな角度からやらなければなりませんが、私は今、真実ということの一点から、また憲法、
教育
基本法に従って
教育
をやる。こういう角度から、今のような筆者の不満というようなものは正しいかどうか。正しくないかどうか。あなた
たち
の
政府委員
の
意見
を聞きたいわけです。なお文部大臣の御
意見
も、ひとつお伺いしたいと思うのであります。
福田繁
125
○
政府委員
(福田繁君) ただいまお述べになりましたような点について、私、十分理解がいきかねるわけでございまするけれ
ども
、推測いたしますると、まあ真実であれば何でもよろしいんだ。しかも子供の発達
段階
を
考え
ないで、それを用いてもいいんだというような、もしそういうお
考え
で著者があるならば、これは私も、必ずしも
賛成
はできない点でございます。やはり
教育
の場において教材、素材として使う以上は、やはり
教育
的な配慮というものが当然なされなければならないと思うわけでございまして、子供の能力あるいは理解、そういうものを
考え
まして、
教育
的にこれを扱うということが、当然に
教科書
としては必要であろうと思います。そういう観点から
教育
的にいかに取り扱うかということは、その
教科書
を検定する際に、十分私
ども
は注意をしておるつもりでございまして、おそらく調査官におきましても、そういう点を十分配慮してやっておるものと
考え
ております。
小林武
126
○小林武君 私は長々と史実について読み上げたわけです。だから、あなたが理解がつきかねるというのは、どういうことですか。推測でものを言うというのは、どういうことですか。あるいは、この中から、あなたは、
教育
的配慮を検定に携わる者がやったというのは、どういうことを指しているのか。もう少しはっきり述べてもらいたい。
福田繁
127
○
政府委員
(福田繁君) 百パーセント理解がいきかねるわけでございますので、そういう推測というような言葉を用いましたのでございますが、おっしゃる
意味
のことはよくわかりますけれ
ども
、要するに
教科書
として、それを使うという、素材を使うという場合におきましては、当然に
教育
的配慮がなされているかどうかという点が、やはり重要な点であろうと思います。そういった
意味
で、かりに著者が、学問研究上においていろいろお
取り扱い
になる方法と、
教科書
の素材として取り扱われる、そういう
扱い方
とは、おのずからやはり
考え方
があってもいいのじゃないか、こういうように
考え
ますので、そういった
意味
から申し上げたわけでございます。
小林武
128
○小林武君 百パーセントよくわからないというのは、これはどういうことですか。私が今読み上げたことをあなた聞いていたのでしょう。もう一回読みますか。なお、そのおっしゃる
意味
はよくわかるがと、こういうことを言う。私の言った
意味
というのを、どういうふうにおとりになっているのです。私はそういう、いいかげんな答えをされるというと、こまかい言葉じりをとらえてものを言わなければならぬことになる。そういう論争は、あまりここでは必要のないことなんです。いたずらに
質疑
の間に時間をよけいとるというのは、いつでもあなた
たち
の、そういう妙な答弁からばかり出るのです。一体、この問題の中の史実に基づいて反省を、歴史
教育
の場合するということが、間違いかどうか。「
政府
の行為によって」ということと結びつけて、歴史的事実の中から国民に対して、憲法や
教育
基本法に沿うたような人間をつくろうという、そういう
考え方
が、なぜあなた
たち
は……、それとも、よくわかるけれ
ども
、
教育
的な配慮で、それはきっとだめにしたのでしょうというような、そういうあいまいな言葉で、なぜ一体濁すのですか。そのことについて、あなたどう
考え
ているのですか。歴史的事実によって反省を今する、するのだ、その中から
日本
国民の育成をやろうという、そういう
考え方
を、あなた否定するのですか、肯定するのですか。それだけのことなんですよ。あなたは、そういう事実を
教育
的だと
考え
るのか、非
教育
的だと
考え
るのか、事実をあげて言えと言えば、事実をあげてもいいのです、たくさんあるから。ただ、時間を浪費するから、しぼってあなたに聞いているのですけれ
ども
、真実は何でも教えていいか——何でも、ということがありますか、一体。歴史的事実というものを作って、それを盛る、作るといえば、歴史的事実が、事実として証明されるということ。そのことが一つ教材として出るまでの間には、たいへんな学問的な苦労を経てでき上がるということですよ。何でもかんでも、なんというような、そういうことがあなた、
教科書
を検討する方として、そういうような、一体粗雑なものの言い方でいいのですか。
米田勲
129
○
米田勲
君 関連
質問
。福田局長に、今、小林
委員
の聞いたことについて、関連してお聞きをいたしますが、明確に答えて下さい。 私は、
日本
の
教育
の場で
考え
られる
教科書
に扱われることは、大原則は、真実を伝えなければならぬということなんです。これを踏みはずしてはならない、
日本
の過去の
教育
、そうして
教科書
は、あまりにも真実をひん曲げて修飾をして、でっち上げたことを教え過ぎておる。こういう反省がなくてはならない。したがって、私は
教育
、
教科書
を論ずる場合には、真実を曲げてはならないということが大原則ですよ。ただあなたの言う
教育
的見地という、そういうことは配慮しなければならない。それは心身の発達に即応してという
立場
だけです。
教育
的見地から立って、真実がひん曲げられていいとか、真実が修飾されていいということはあり得ないと私は思う。だから、あなたの言う
教育
的見地とは、あくまでも真実とは無
関係
で、子供の心身の発達の
程度
に即応してということの場にだけ生かされる、そういう部面にだけ生かされる。歴史の
教育
、
日本
の歴史の
教育
に真実をゆがめたり、修飾したりして扱われることは断じて許されないと私は思うのですが、小林
委員
の
質問
にあわせて答弁を願いたい。
福田繁
130
○
政府委員
(福田繁君)
米田委員
の御
質問
は、全く私
ども
同じ
考え
でございます。同感でございます。先ほど小林
委員
のおっしゃいましたことに関連して、さらに申し上げますと、そういう真実なり事実というものを、真実というものを究明することは、これはもうだれも否定のできない事柄であります。まず、真実というものを究明してかかる必要があると思います。私が先ほど申し上げましたのは、うそを教えろということではなくして、それを今、
米田委員
がおっしゃいましたように、言葉が足りませんでしたけれ
ども
、
教育
的にこれを扱う場合には、素材として、いろいろ
教育
的な配慮というものが、心身の発達の
程度
、あるいは子供の能力、理解とに応じて
考え
るべきではないかということを一般的に申し上げたわけでございます。
小林武
131
○小林武君
米田委員
の
考え方
には全く
賛成
だと、こういわれている。私の
質問
に対しては、そうでないような御答弁、どこに違いがありますか、一体検定に対するあなた
たち
のほうから出たあれは、心身の発達のことをいってないのです。問題は、歴史的事実に基づいて反省するというようなことに問題点をあなた
たち
が持っているかということ、それを指摘しているのです。歴史的事実によって現在のわれわれが反省するというようなことを、なぜ一体検定官は拒否しようとするのか。憲法にはそういう反省を持たなければならないということを憲法の前文に書いているではないか、こう筆者はいっているのです。あなたはそれについて答えなければならない。適当に答えて、ごまかそうというようなことはお
考え
にならないと私は固く信じておりますけれ
ども
、私の
質問
について答えなければいかぬです。どうなんですか。歴史的事実によって、現在のいろいろな問題を反省してみる。たとえば過去の婚姻の問題の中から、女の地位というようなものを歴史的事実の中から、さまざま学んで、そして男性と女性は、どうでなければならぬかというような反省を
日本
の若い
人たち
が
教育
によって養われるということは、当然のことでありましょう。そういうことを、なぜ、一体ことさら取り上げて、大きな項目の一つとして、この
教科書
を不合格にするというようなことをなさるのは、どういうわけか。憲法にももとるではありませんか、こういっているのです。そのことについて、あなたは心身の発達がどうだとか、それは小
学校
の
教科書
も中
学校
の
教科書
もいろいろある。私の言っているのは、さっきも言っているように、
高等学校
の
教科書
について言っている。心身の発達からちゃんと
考え
て編さんしてある。どういうことをあなたはおっしゃろうとするのか、だから
質問
したとおりあなた答えればいいんですよ。あまり
あと
で、工合悪くなったら困るからなんて妙なことを
考え
ないで、それはやはり検定上そういうことがあったら、やはり間違いです、こうすなおにやればいいのです。そう言ったからといって、どうということもないのですから。答弁を求めます。
福田繁
132
○
政府委員
(福田繁君) 私は、一般的にこの歴史上の事実について反省するということがいけないというように申し上げておるわけじゃございません。先ほど
米田委員
に対して申し上げましたことと同じことを、言葉は違うかもしれませんけれ
ども
、同じことを申し上げたつもりでございます。
小林武
133
○小林武君 いけないとは言っていないとあなたは言う。そうすると、文部省の方針は、あなたと同じ方針なんだね、検定に対する
態度
は。そうでしょう。歴史的事実の上に立って現在の状態を反省するということについて、学ぶということについては、検定の方針で否定するというような
気持
はないのでしょう。ないのに、なぜそういうことを麗々しく掲げて、一体それを不合格にする三つか四つの条件の中の一つにしたかと言うのです。そういうことが行なわれているということは、不正が行なわれているということですか。それ以外の事情によって落としたのですか。何らかのあれが入ってやったんですか。それじゃ。
福田繁
134
○
政府委員
(福田繁君) 私は、その具体的な内容を知らないということを申し上げたのでございますが、おそらく検定に不合格になったとすれば、そういうことだけではないと思います。いろいろ
理由
があって不合格になったものと
考え
ております。
小林武
135
○小林武君 いろいろな
理由
というのは、三つほどあがっておる。三つほどあがっておる中の一つを今言った、あなた、
あと
の二つも聞きたければ、ここでやってもいいんだけれ
ども
、私は時間の経済上、同じようなことだから、なるたけ一つにしたいと思って言っておる。ではあなたは、そうすると、この一つの
理由
は、少なくとも
教科書
を不合格にする条件ではないとお認めになりますか。
福田繁
136
○
政府委員
(福田繁君) 私は先ほど申し上げましたように、次の具体的なことがあったかどうかということを、よく具体的なものについて調査してから御返事いたしたいと思います。それのみで、それが不合格になったと
考え
ておりませんけれ
ども
、御
質問
のような点については、十分検討してみたいと思います。
小林武
137
○小林武君 今の答弁は
了承
しました。具体的な事実を調べてやるということは、それは当然のことです。今あなたが、よく知らないのにそれをやるということは危険だと思いますから、私はそれを認めますけれ
ども
、少なくとも今
審議
の過程にあるんですから、これはのんべんだらりんとやられては困るんです。この次のあれまでには、ひとつそういう事実があったかどうか、そのやったことについて誤りかどうかということを、はっきりやっぱり答弁できるようにして下さい。よろしいですね。
北畠教真
138
○
委員長
(
北畠教真
君)
速記
をとめて下さい。 〔
速記中止
〕
北畠教真
139
○
委員長
(
北畠教真
君)
速記
を始めて下さい。
小林武
140
○小林武君 それでは、次は長くなりますから、それはまた、この次にやることにいたしまして、私の
質問
を終わります。
北畠教真
141
○
委員長
(
北畠教真
君) 本案に対する本日の
質疑
は、この
程度
にとどめます。 本日は、これで散会いたします。 午後七時四分散会