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1963-02-28 第43回国会 参議院 文教委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十八年二月二十八日(木曜日) 午前十時二十七分開会
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
北畠
教真
君
理事
二木 謙吾君
豊瀬
禎一
君
委員
木村篤太郎
君 久保 勘一君 斎藤 昇君 笹森
順造
君
中上川アキ
君 森田 タマ君
小林
武君
千葉千代世
君
米田
勲君 辻
武寿
君
高山
恒雄
君 発 議 者
米田
勲君 発 議 者
豊瀬
禎一
君 発 議 者
小林
武君 発 議 者
千葉千代世
君
国務大臣
文 部 大 臣
荒木萬壽夫
君
政府委員
文部省初等中等
教育局長
福田 繁君
文部省管理局長
杉江 清君
事務局側
常任委員会専門
員
工楽
英司君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
高等学校
の
建物
の
建築等
に要する経 費についての国の
補助
に関する
臨時
措置法案
(
米田勲
君外四名
発議
) ○
教育
、文化及び学術に関する
調査
(当面の
文教政策
に関する件)
—————————————
北畠教真
1
○
委員長
(
北畠教真
君) ただいまより
文教委員会
を開会いたします。 なお、
理事会
の結果を報告いたします。今日は、まず第一に、
高等学校
の
建物
の
建築等
に要する
経費
についての国の
補助
に関する
臨時措置法案
の
提案理由
の
説明
を聴取し、
人つくり
の問題、それから豪雪による
文教関係
の被害についての
質疑
に移りたいと思います。なお、午後四時ごろまでを目途として
審議
をいたします。 それでは
高等学校
の
建物
の
建築等
に要する
経費
についての国の
補助
に関する
臨時措置法案
を
議題
といたします。 まず、
発議者
より
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
米田
君。
米田勲
2
○
米田勲
君 ただいま
議題
となりました
高等学校
の
建物
の
建築等
に要する
経費
についての国の
補助
に関する
臨時措置法案
について、
提案
の
理由
との
内容概略
を御
説明
申し上げます。 今日
高等学校生徒急増期
の第一年目を迎えんとして各所にいろいろと問題が起こり、該当の子弟や
親たち
が非常に心配したり、悩んだりしていることは御
承知
のとおりであります。この
高校急増対策
につきましては、
政府
も
昭和
三十七年度の
予算
並びに
地方財政計画等
において第一年目の
措置
をいたしました。しかし、その
内容
は、
産業教育振興法
に基づく
工業高校
の施設、設備に対する
国庫補助
を除いては、すべて
交付税
と起債でまかなうという方式がとられ、その上、
計画数字そのもの
が
実情
を無視したきわめてずさんなものであったことは、私
ども
がさきの第四十国会で本案と同名の
法律案
を提出した際、
提案理由
並びに
質疑応答
の段階で指摘したところであります。このことは、その後、今年の一月末に至って、
政府
みずからがその
基本計画
を
改訂
せざるを得なくなったことによっても明らかであると申せましょう。すなわち昨年一月末に閣議決定されました
高校急増対策
に関する
計画
は、
就学率
、
建物
の
構造比率
、
建築単価等
についてあまりに
現状
を無視した低いものであり、これでは
高校急増
問題を乗り切れないとする
地方
の強い要求によって、
計画
は
改訂
され、総
事業費
において約二五%のワクの拡大が行なわれたのであります。しかしながら、この
改訂計画
を見ましても、その
内容
になお非常な不合理があると申さなければならないのであります。 その等一は、
就学率
についてであります。
改訂計画
は、
急増
の第一年目に当たる
昭和
三十八年度
就学率
を当初
計画
の六〇%から六一・八%に引き上げておりますが、この程度では不十分であります。そもそもこの
就学率推定
の基準は、
昭和
三十五年度の五九・九%におかれていますが、それはそれとして、その後の三年間の
就学率
の
伸び
を当初では〇・一%、今回の
改訂
でもやっと一・八%しか認めていないところに問題があると思うのであります。今回の
改訂計画
によっても、今後三年間の
伸び
を年に二%づつとしているにもかかわらず、これまでの三年間の
伸び
をほとんど見ていないというのはまことにうなずけないのであります。事実、
昭和
三十七年度の
就学率実績
は六四・八%だったとのことでありますから、
昭和
三十八年度は当然六七%あるいは六八%という
数字
でなければならないはずであります。ここに大きな間違いのもとがあるわけであります。第二は、
建物
の
構造比率
並びに
建築単価
の問題であります。
構造比率
の方は、今回の
改訂
でどうにか
実情
に合わされたものの、
建築単価
の方は実際とはいまだほど遠いものがあります。第三の問題は、
政府計画
が、まず
学級定員
一割増を当然のこととして期待していること、次に、
学校
の
新設
よりも
学級
の増加のほうでより多くの
生徒
を収容したいとしていること、また、
私立高等学校
に過大な負担を負わせ過ぎていること等、
現実
とは相当かけ離れた
要素
が数多く含まれていることが指摘できるのであります。 以上掲げました諸点から申しますならば、この
政府計画
は、多少の
改訂
が行なわれたものの、なお根本的に無理があるもので、これひとえに
財政的見地
からのみ処理されたものというべく、このままでは、
入学試験地獄
、
中学浪人
の多数現出、青少年の
不良化等
に対処し得ないのみでなく、
教育
の
機会均等
、
教育水準
の向上、ひいては
国家社会
の発展と国民の幸福を期待することはできないのであります。現在の
法律
、
制度
のもとでは、
高等学校
は
義務制
ではない、だから能力あるものが選抜されるのが当然で、
希望者
の全員を収容するのは間違いだとか、
高校設置
の
責任
は
地方団体
にあるので、国の
責任
ではないというような、ややもすれば、
現状
を前向きに解決する努力を抜きにした言いのがれとも受け取れる
言葉
が
政府関係者
からも聞かれるのでありますが、
希望者
をできる限り数多く
高校
に収容すること、特に、戦後処理ともいうべきこの
高校急増
問題については、国が乗り出して
臨時
に
国庫補助
の
措置
をとることは当然であると
考え
るのであります。これを今にして怠たるならば、
国家
百年の計を誤るものというべきであります。 以上の
立場
に立って、私
ども
は、
高校急増
第二年目を迎えるこの際、
政府
の策定した
計画
を根本的に改め、新たに、公私の
高等学校
の
新設
、増設に対して、
臨時
的に
国庫補助制度
を創設することによって、緊急に
問題解決
に当たることを適切と
考え
、ここに本
法律案
を提出した次第であります。 本
法律案
のおもな
内容
といたしましては、
昭和
三十八年度及び
昭和
三十九年度に行なわれる
公立高等学校
の
建物
の
新築
及び
増築
の費用の二分の一並びに
校地買収費
の三分の一を国が
臨時
に
補助
すること、また
私立高等学校
についても政令で準用することができる旨規定いたしております。したがいまして、
私立高等学校
に対しても、
公立
同様、国が
補助措置
を講ずることを強く期待するものであります。 なお、
予算
につきましては、
昭和
三十八年度約五百五十五億円、
昭和
三十九年度約三百八十七億円を要する見込みでありますが、本
予算
の積算においては、
昭和
三十八年度の
就学率
を六八%と推定し、その後年々二%ずつ率を引き上げていること、
学級定員
一割増を
考え
ていないこと、
新築
と
増築
の割合を六対四としていること、
建築単価
を
地方
の
実情
に合わせて
政府計画
の約一割増としていること、また
私立高等学校
についても
公立
と同様の扱いのもとで、計算した結果、約二百億円がこの中に見込まれていることを申し添えたいと存じます。 何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
北畠教真
3
○
委員長
(
北畠教真
君) 以上で
提案理由
の
説明聴取
は終了いたしました。
速記
をやめて下さい。 〔
速記中止
〕
北畠教真
4
○
委員長
(
北畠教真
君)
速記
を起こして下さい。
北畠教真
5
○
委員長
(
北畠教真
君) 次に、前回に引き続き、当面の
文教政策
につき
調査
を進めます。 御
質疑
の方は御発言願います。
小林武
6
○
小林武
君 先日に引き続いて、
文部大臣
にお尋ねしたいわけですが、
文部大臣
の
講演
の中で、
日教組
の
在籍専従
は、
給与
の
二重取り
をやっておると、こういう趣旨の話があった。
給与
の
二重取り
ということになると、これは
刑法
上の問題にもなると思うが、どうですか。
荒木萬壽夫
7
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君)
ILO
の
結社
の
自由委員会
の
結論
によりますれば、
在籍専従制度
というものは、
ILO
八十七
号条約批准
と同時に、
日本政府
が、
法律
を
改正
して廃止しようとする、そのことが妥当であるという
結論
であると私は
承知
します。それが正しいという
前提
に立って
考え
ます場合、
在籍専従者
の現在の
制度
は、むろん、
法律制度
に基づいて実施されておることですから、
ILO関係
の
考え方
に立ちますならば、本来は、望ましい姿じゃない、
組合
のことばかりやって、本来の
教師
の
職分
を果たさないという、その
実態
からいえば、
組合
がまかなうべきことがあって、国なり
公共団体
がまかなうという
建前
は、それは
ILO
の
常識
からいっても適切じゃない。そういう
意味
で
考え
れば、いわば、
組合
と国または
公共団体両方
からの
給与
を受けておる、こういう
格好
になるはずだということを指摘したつもりであります。
現実
にそうであるから、刑事問題にしなければならぬとか何とかいう問題じゃもちろんありません。本来の望ましい姿であることを
前提
に
考え
れば、
二重取り
みたいな
要素
もあるだろう。
退職金
あるいは
年金
にいたしましても、
教師
としての本職をやっていないことを、時勢的に、今としては便宜認められてはおる。そのことは、
前提
に当然あることでありまして、
ILO
のものの
考え方
を
基本
にした場合には、そういう
意味
もあると
考え
られるから、
法律
を
改正
して、
専従制度
をやめたほうが適切だと、こういうことを私は解明したつもりであります。
小林武
8
○
小林武
君 あなたは
日本
の
文部大臣
じゃないですか。あなたは
日本
の
文部大臣
であって、
専従制度
というものは、あなた自身も言われるように、
国家公務員
並びに
地方公務員
の場合は、
政府
並びに
地方団体
で、これは認められておることでしょう。
二重取り
ということは、そういう
意味
じゃないでしょうか。
法律
によって認められ、
労使
の間で認められておる、それをあなたは
二重取り
と言うのですか。
二重取り
ということはたいへんなことですよ。少なくとも、
日本
の
教師
が、合法的な
立場
で
専従制度
が認められておるのに、それを
二重取り
とはどういうことです。当然、
二重取り
なんかをするということになったら、刑事問題にもなることでしょう。そういうきめつけ方を、あなた、無
責任
になぜやるのですか、いかなる
根拠
によるのですか、
二重取り
だと、あなたはおっしゃるのですか。おっしゃるのですかといったって、あなたはおっしゃったけれ
ども
、
全国公民館会議
という
会議
で、あなたが招集したそういう
公民館
の
会議
に出て、
記念講演
で、そういうことを言われた。どうですか、あなたは、そのことは正しいと思っていますか。
荒木萬壽夫
9
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 私は
ILO
の
考え方
が
常識
的だと思います。元来
専従者
が
組合
のことばかりやって、本来の
教師
としての
職分
をやらないという
実態
があります場合、昔なら、
御用組合
的な
意味
において存在したと思います。今、
経過
的に、
日本
ではそれが、御
承知
のとおり
制度
として認められているから、
現実
の
二重取り
でけしからぬ、これは
刑法
上問題にすべきじゃないかということなどではむろんありません。
ILO
の
結社
の
自由委員会
の
結論
を紹介するに関連をして、なぜ
ILO
が、しからば
日本政府
が、
条約批准
と同時に、
国内法
を
改正
して、
専従制度
をやめようとしている意図を持っていることが妥当であると言ったか、その
意味
を解明する
考え方
に立って、いわば実質的に
二重取り
という
格好
になる、それが望ましくないから、
ILO
は
政府
の
見解
を正しいとしているということを紹介したわけであります。
ほんとう
に、おっしゃるようなことがそうだとするならば、むろん、だれかが告発すべき問題ですが、そんなことではございません。
実態
的にいえば、
経過
的にやむを得ずそうなっておろうけれ
ども
、
御用組合
の姿であることには間違いない、そのことを
ILO
が指摘して、
法律
改正
して、
専従制度
というものはやめる
措置
をとらんとする
日本政府
の
態度
は正しいという
見解
を表明したことを解明したわけであります。
小林武
10
○
小林武
君
ILO
の問題については、また質問する
機会
もあると思いますが、それではひとつあなたにお尋ねいたしますが、
在籍専従
というものは
外国
には例がないのですか。
荒木萬壽夫
11
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君)
外国
の例は具体的には存じません。
小林武
12
○
小林武
君 存じないというのは、そうすると、あなた、知らないで言ってるんですか。
日本
だけのそれは
特例
だと、ばかの一つ覚えみたいに、そういうことをあなたおっしゃるけれ
ども
、
日本
のそれは
特例
だと思っていらっしゃるのですか。
荒木萬壽夫
13
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君)
外国
の例は調べればわかると思いますが、私としては知らないということを申しているのであります。
外国
の例はどうでありましょうとも、本来のこの民主的な
組合
のあり方というものは
組合
という別個の
法人格
を持った
団体
としては、その
仕事
だけをやる人は
組合
みずからの
使用人
であって かりに、たとえて言いましても、
会社
に籍を置きながら、
会社
から
給与
を受けつつ
組合
の
仕事
ばかりして、
組合
からも
給与
を受けるという姿は、これは
御用組合
の姿だと思います。これは
常識
の範囲のことだと思うのですが、そういう
常識
は世界的にもあったのだと、
ILO
の
結社
の
自由委員会
の良識も、われわれの
常識
と同じであったのだということを知れば十分だと思います。
外国
のどの国で、どうこう、あるかないかということは、私自身調べたことはありませんが、調べればわかると思います。
外国
がどうでありましょうとも、
ILO
がそう
判断
をしたということそれ
自体
が、国際的にも一種の
客観情勢
を持った
判断
であろうと、こう想像いたします。
小林武
14
○
小林武
君 かつてあなたは、
ILO
が
共産党員
の巣屈みたいなところで、信用ならないとか何とか言って、物議をかもしたことが、あなたあるでしょうし。急に
ILO
の信者になられた。
一体
、いつからそういう転向をなされたのですが。
ILO
を信用なさらないと、こう言ったので、それで大問題になったことがあるでしょう。
ILO
の部内でも非常にそれを問題にした時期があった。あなたはあわてて取り消されたけれ
ども
ね。
一体
この
労働慣行
というものは、それぞれ国によっていろいろ相違は多少ある。
専従
問題、あなた、知らないとおっしゃるがね、イタリアとか、
フランス
とかいうのは
専従制度
というものを認める。
フランス
の場合は
日本
以上に、
専従
というものに対しては、有利な、
労働者
の側にとっては有利な
態度
をとっている。しかし、ないところがある。それは、その国の
労働者
と
経営者
、
公務員
であるならば、
政府
と
公務員
との間に約束ができてやっているわけでしょう。あなたはそういう事実を無視してだね、そうして
日本
の何か
特例
のような、直ちにそれが、
在籍専従
というようなものがあれば
御用組合
である、
在籍専従
を持っているところはみな
御用組合
であるというような、そういう浅薄なね、幼稚なね、
労働運動
の何たるかを知らないような
議論
を持ってきてですよ
——
そのことについては後日
議論
することがあると思うけれ
ども
、そういう
議論
の末、
日教組
の
専従者
が、俸給の、
給与
の
二重取り
をやっているという
断定
はどこからきたのですか。
給与
の
二重取り
ということはどういうことです。そういうあなたは一方的なものの言い方をしながら、
日教組
の誹謗を続けている。まるっきり根本的に違った
労働観
を持ってやっている。それで
文部大臣
ですか。
給与
の
二重取り
とは何ですか。
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) さっきも申しましたように、私は、
ILO
の
結社
の
自由委員会
の
正式文書
に基づく
日本政府
に対する決定の通知の解明をいたしました。
日本
の
政府
としては、すでに御
案内
のとおり、数年前から
ILO
八十七
号条約
を批准するとならば、
在籍専従者
の
制度
はやめたほうが適切だ。なぜやむべきかといえば、
常識
的に
考え
てこれはいわば
御用組合
の姿だと。そういうことは
ほんとう
の
意味
の民主的な
組合
ということを
念頭
に置きました場合には、適切じゃない。
経過
的に、今あなたも言われたように、
日本
なるがゆえに
日本
独自の
経過
的な
実情
に即して今日まで
在籍専従者制度
があることは、これは
周知
のことであります。しかし、それは、
条約批准
と同時になくしたほうがより民主的な
労使関係
の姿がきっちりとするのだ、
組合
としてもりっぱになるのだということを妥当なりとして
法律
の
改正案
を
提案
しておりますが、いろいろな事情で成立に至らないで今日に至っておりますが、そのことを
日教組
みずからが取り上げて提訴しましたことに対する
ILO結社
の
自由委員会
の
慎重審議
の
結論
が、
日本政府
のさような
考え方
は妥当であるという
結論
を下したということを解明し、
聴衆
に御
承知
願う
意味
において
お話
をしたのであります。
御用組合
の姿ということは、本来
組合
という
法人格
を持ったものみずからが、自主的に完全に律することが望ましい姿であると私は理解します。ところが、
日本
は
日本なり
の今申し上げるような
経過
を経て、
現実
の沿革上の
必要性
があればこそ
現行制度
では認められておるということは、あえて
注釈
を要しないで自明のことであります。しかし、それをもっと民主的な、よりよい姿にする
意味
においては、今申し上げるような
考え方
に立って、
政府
としてはそういう
考え方
であったわけであります。それに対する
ILO
の
考え方
を披露するのであって、私みずからが独断的にどうということじゃむろんございません。
小林武
15
○
小林武
君 あなたがだね、
ILO
の
考え
と言うのはちょっとこれは
まゆつば
ものであるけれ
ども
、まあかりに百歩譲って、あなたがそういう
考え
を持つなり、
ILO
がそういう
考え
を持っていると
考え
るなれば、これは別なんです。あなたが、そういうことを
——
私の
考え
としては
在籍専従
というのはけっこうな
制度
ではございませんと言うなら、私はあなたをたいして責めない。現在まで
日本
において
在籍専従
というものが認められてきておる。これは
日本
だけではなくして、
フランス
にもあれば
イタリー
にもあるという問題なんだ。
フランス
の
労働組合
がそれだから
御用組合
だなんというのは、これは全く噴飯ものだ。
イタリー
の
労働組合
がそれだから全部
御用組合
なんだというのは、これも滑稽な話だ。あなたの知識の浅薄さなんということは別として、あなたがだね、あなたが
在籍専従
というものは適当じゃないというような意見を吐くことについてわれわれはかれこれ言うわけじゃない。そのことの
説明
よりかも、
一体
、
日教組
の
専従者
が
給与
の
二重取り
をやっているということがあなたの問題なんだ。なぜあなたがそういう
断定
をしたかということです。
二重取り
ということは容易でないということはあなたわかっているでしょう。
給与
の
二重取り
をやったということはどういうことですか。かりにも
一体
、
教育
に携わっておる者がですよ、
教師
の資格を持っている者がですよ。それに対してお前
たち
は
給与
の
二重取り
をやっているというようなことを言われて、
一体
言われた者はどうなるのですか。そういう
団体
は
一体
どういうあれを受けるのですか、
聴衆
から。何が必要なんですか、そういうことで。私はそれを言っているのですよ。
荒木萬壽夫
16
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 今も申し上げましたように、私が個人的に
考え
るということでなしに、
政府
として、そういう
考え方
に立って
ILO
八十七
号条約批准
と同時に
国内法
を
改正
して
在籍専従者制度
を取りやめようということにする、(「
二重取り
とは何だ」と呼ぶ者あり)そういう
理由
の
根拠
の一つには、今も申し上げたとおり、(「質問に明瞭に答えなさい」と呼ぶ者あり)
在籍専従者
というのはむろん諸
外国
にもあるでしょう。
日本
にも現にあるのでありますが、そのことそれ
自体
が、いわば
御用組合
の姿の残滓が残っておる姿だと、これは私は間違いないことだと思います。また、そういう
見地
にも立って
在籍専従制度
を取りやめることがより民主的な姿になるという
考え
も考慮に入れて
国内法
の
改正
を
考え
、その
法案
を出しましたことは
政府
の
態度
であります。だから、しからばその
御用組合
の姿とは何だ。
教師
の場合、
教師
としての
教育活動
の責務というものは
現実
に果たせない。だから
専従者
でもある。にもかかわらず
教師
という身分が持ち続けられる。持ち続けられた年限は
教師
としての
在職年数
に
考え
られて、
退職金
なりあるいは
年金
、恩給というものが支給される。
現行法
で認めておりますから、
日本
の
国内
で今それが違法であると申し上げるのではむろんない。しかし、そのことは、いわば
御用組合
の姿が残っておるといえないことはない。(「それが
二重取り
といえるか」と呼ぶ者あり)だから、
ほんとう
の民主的な姿を
念頭
において見た場合には、
組合
がまかなうべき部分が
国公費
でまかなわれておるということに理解される。そのことは、いわば望ましいことじゃないのだ。(「それが
現行法
の
建前
だ」と呼ぶ者あり)いわば二重に
給与
が出されておる。(「
二重取り
とはそれはどういうわけだ」と呼ぶ者あり)そのことは、あくまでも申しますが、
現行法
では認められておることは
周知
のことであります。(「いやいや
二重取り
のことを聞いておるのだ」と呼ぶ者あり)
二重取り
のごとき形を……(「ごときと
二重取り
とは違うぞ、
詭弁
を弄するな」と呼ぶ者あり)愚弄しているのじゃ毛頭ありません。(「
詭弁
を弄するなと言うておるのだ」と呼ぶ者あり)
北畠教真
17
○
委員長
(
北畠教真
君) 御静粛に願います。
荒木萬壽夫
18
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) いや、
現行法
で認められておることは
注釈
を要せずして明らかであります。(「
委員長
、答弁になってない」と呼ぶ者あり)けれ
ども
、より民主的な姿にするという
考え方
に立てば、
国内法
を
改正
したほうがよりりっぱになる。それは
政府
みずからが何回も
法案
として
提案
していることで、御
案内
のところでございます。それを
ILO
の
結社
の
自由委員会
が審査した
結論
が、
日本政府
の言うことのほうが妥当だと、ということを御披露しておるわけであります。
高山恒雄
19
○
高山恒雄
君 関連して、僕は途中から来て行く先はわかりませんが、
二重取り
だという問題の中ですが、これはどうですか。
大臣
に聞くのですが、
二重取り
だということよりも、
管理者
をなぜそこで責めないのです。
労使
できまって、初めて当時はそういうふうになっておると私は思う。当時の
管理者
がふまじめだからそういうことをやったのだ、こういう御
説明
が入っておれば
二重取り
もこれはいけると思います。一方的に
二重取り
という提言をされたところに私は問題があろうと思います。どうしてそれに触れなかったかという点を
大臣
にお聞きしたいと思います。これは非常に大事な問題です。
荒木萬壽夫
20
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君)
管理者
を責めるべきじゃないかという
お話
は、お気持はわからぬわけじゃございませんが、そのことを問題にして話しているわけじゃないのであります。
現行制度
上
専従者
というものは
法律
上認められておる。そのことに一点の疑いもございません。問題は、その
在籍専従制度
を
政府側
が廃止しようとする
法案
を出しましたことをとらえて提訴した。それは
既得権
の侵害だから
専従制度
をやめるような
措置
を講じないように
日本政府
に
勧告方
を要請する角度からの訴えを起こしましたでしょう。それに対する
ILO結社
の
自由委員会
の
見解
を御披露に及んでおるところであります。そうすると、
ILO
の
結社
の
自由委員会
の
見解
は、元来、
在籍専従制度
というものは、
日本政府
の言うように、八十七
号条約批准
を
機会
に
法律
を
改正
して
専従制度
というものを廃止しようとしておる
日本政府
の
態度
そのことは
ILO
の
立場
から見ても妥当であるという
結論
を下しまして
日本政府
に勧告して参りました。通告して参りました。その
経過
を私は御
説明
を申しておる中での話であります。
二重取り
という
言葉
がどぎつ過ぎるかどうかという御批判はございましょう。しかし、
ほんとう
の民主的な
組合
ならば、
専従者
は
組合
の
使用人
であって、ピンからキリまで
組合
からまかなわれるのが本来の姿だと私は思います。そういう
見地
に立って
政府
は、
専従制度
というものは、いわば
責任
の分担をきちんとしたほうがすっきりするはずだという
建前
から、
国内法
を
改正
して八十七
号条約批准
と同時に廃止しようとする
態度
で進んでいることは
高山
さんも御
承知
のところであります。その
態度
が
ILO
で認められたのだということを私は御披露しておるわけであります。そこで
二重取り
という
言葉
そのものをやかましく言われれば、表現が度が過ぎたとか何とかいう御批判がありましょうけれ
ども
、実質的に言えば、民主的な
組合
の姿を
前提
に
考え
るならば、
専従者
の在職期間そのものが昇給の基準となり、さらにそれによって昇給させられたであろうところの
給与
、それを
基本
に計算されて
退職金
が算出され、
年金
、恩給の
根拠
となるということ、そのことは、今の八十七
号条約批准
と同時に、
国内法
を
改正
して
専従制度
を廃止するというそのことの妥当性を裏づける。すなわち繰り返して申し上げますが、民主的な
組合
であることを欲する
立場
からするならば望ましいことじゃない。昇給その他は
組合
みずからがやるべきであって、
国公費
に
根拠
を持たせるようなやり方は、これは廃止するほうがより妥当だということの一つの
理由
の事例として私が申し上げることはひとつも不当じゃないと思います。そういう
根拠
に立って
国内法
の
改正
を
提案
しております。
高山恒雄
21
○
高山恒雄
君
大臣
の
お話
はそれは私は
大臣
からその話を聞かなくたって、その
経過
くらいは十分私だって知っております。ただ、今
二重取り
ということが問題になっておるわけですから、その
二重取り
ということに対して、
二重取り
をしておるという発言をされる前に、そういう
国内
事情であるという事実の認識に立っていただけば、私は
二重取り
という
言葉
は出なかったのじゃないか、この点を私は
大臣
に聞きたい。四年も五年もそういう過渡期にあるという
現状
から把握していただくならば、理想論を言われるならば、
二重取り
じゃない。
二重取り
をもし
大臣
が言われるとするならば、これは
二重取り
じゃない。その状態がこういう状態である、こういう状態の中でそういうものを整理しなければいかぬという
見解
ならば、私はこの問題はそう問題にならないと思う。その点が大きな
大臣
の誤りじゃないか、こういう点を私はお聞きしたいのですよ。それでもなお
ILO
の
結論
が正しいのだという点は、私はおっしゃられるまでもなく、その点十分理解しております。ただ
二重取り
の問題、今問題になっております
二重取り
といわれることは、これは民間でもある問題であります。何も官公労にきまったわけじゃありません。その
二重取り
という問題に触れる前に、
国内
の
労使関係
でそういう状態があり、あるいは
日教組
の場合は、
政府
あるいはその
管理者
との間にある場合があるでしょう。それを
二重取り
だけに固執しておるところに問題があると思う。
荒木萬壽夫
22
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 別に固執しておるわけじゃございません。話の起こりが、そもそも
現行法
で
在籍専従制度
というものが認められて現にあるわけであります。ところが、さっきも申し上げましたように、数年来、
ILO
八十七
号条約批准
に関連しまして
国内法
の
改正
問題がいろいろありますことは御
案内
のとおりでありまして、その中に
在籍専従制度
は廃止するという
建前
の
法律
改正案
が国会にも
提案
され、今日でもそういう
考え方
で
政府
はおるわけであります。そのことについて訴えがなされたわけであります。
政府
はそういう
考え
でおるようだけれ
ども
、そのことはいわば
既得権
の侵害になるから、
日教組
として不服だから、
ILO
の
立場
において、
日本政府
がそういう
法律
を
改正
して
専従制度
をやめるような
措置
を講じないように
勧告方
を要請したのが訴えの
内容
であるわけであります。それに対する
結社
の
自由委員会
の
結論
は、申し上げるまでもなくおわかりであろうと思いますけれ
ども
、さっきも申し上げましたが、
結論
は、
日本政府
の
専従制度
を廃止しようとする
態度
が
ILO
の
立場
から見ても妥当であるという
結論
を出して参りました。そこで、しからばなぜ
政府
は
現行法
で認められておる
専従制度
を廃止せんとするかということは、それはまあすっきりした民主的な
組合
の姿だとするならば、そういうふうにしようとするならば、今の
専従制度
のあり方というものは望ましくないからこそ廃止する
改正案
を用意しておる。なぜ廃止する用意をしておるかといえば、いわば
御用組合
の姿だと目される今の
制度
は、
給与
的に見ましても、今も申し上げたように、期間が
経過
すれば
専従者
以外の人と同じように昇給していくという
建前
になっておる。そうして昇給したであろうところの
給与
を
基本
に、
専従
期間が終わりましたときには
退職金
ももらい、
年金
、恩給ももらうという
制度
になっておる。そのことは今も違法ではむろんございませんけれ
ども
、望ましい姿じゃないから、
法律
を
改正
しようという
態度
を
政府
が従来何年間もその方針を堅持しておりますことに関しての話ですから、そういう
考え
でおることに対する訴えは、むしろ
ILO
の
立場
から見ても、本来の民主的
組合
のあり方としては
日本政府
の
考え方
のほうが妥当であるということになりました。したがって、
政府側
で今まで廃止しようとする
根拠
として
考え
ておりました
理由
の、今申し上げたようなことも妥当である、そういう
考え方
がまともな
考え方
であるという
結論
に到達したということを御披露に及ぶ過程の話であります。そのことそれ
自体
を固執するというようなことは本来むろんございません。
高山恒雄
23
○
高山恒雄
君 それじゃ
二重取り
じゃないですよ。
荒木萬壽夫
24
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 今、
二重取り
しておるという
意味
ではいまだかつて申し上げたことはない。
御用組合
の姿を解明すれば、そういう疑惑も起こるであろうということが
念頭
にございますから、そういう表現で
注釈
を加えたにとどまるわけでございます。
豊瀬禎一
25
○
豊瀬
禎一
君 先ほど私
ども
が若干の
大臣
に対して不規則発言をいたしまして、
委員長
これに注意されたわけですが、今、
委員長
が正常な
立場
で
大臣
の答弁を聞いておられると十分おわかりのように、私
ども
が今問題にしておるのは、
ILO
の勧告
内容
や、
御用組合
か独立
組合
かという
組合
の性格論争ではない。
大臣
が公開の席上で演説した、
日教組
の幹部が
給与
を
二重取り
しておるという重大な発言、
公務員
たるものが
給与
を
二重取り
をしておるということがどういう性格を持つかは、何人もこれを了解するところです。これに対して荒木
大臣
は何らの答弁を行なわず、繰り返し繰り返し
ILO
条約の勧告の
内容
の披露を行なっておるじゃないですか。
委員長
は、不規則発言を注意されるならば、
大臣
の不まじめ、かつ不適切な答弁に対しても、前回同様注意をしていただきたいと思います。 それからついでに
大臣
に言っておきますが、
フランス
の官吏法を読んだことがありますか。また、
小林
委員
が指摘したように、
フランス
の官吏法による恩典を受けておる
フランス
の教員
組合
が
御用組合
だとあなたは何で
判断
しましたか、イタリアにおいてもしかり。すなわち本人が希望すれば、もとの職に戻り完全に
給与
が保障される。派遣教員として年数も通算されておる。
現行法
律が保障しておる問題を
文部大臣
が公開の席上で
二重取り
と誹謗しておりながら、なぜその
見解
に対してまじめに答弁をしようとしないのですか、卑怯卑劣じゃないですか。あなたの
見解
の
内容
については、お互いの相違するところでしょう。意見の一致を見る必要はないでしょう。
給与
を
二重取り
した、国費ないし県費を二軍取りしたというその事実をあなたに指摘しなさいと言っているのですよ。あなたの答弁はこのことに少しも触れていないじゃないですか。
日本
の
労働組合
、民間合わせて数千ありますが、小さいものも含めますと数十万ありますが、
専従
をしておっても
退職金
に通算する
組合
のほうがはるかに多い。
日本
教職員
組合
が結成以来今日まで、在職
専従制度
をとって文部省の
御用組合
になったという批判を受けたことが一度でもありますか。雑駁な、卑俗な
労働組合
に対する見識しか持たないあなたが、何を
責任
を持って
御用組合
的だと言い切れますか。あなたが今国費を使って育てようとしておる第二
組合
こそが
御用組合
的でしょう。これから論争になるから触れませんが、
委員長
に対して、再度、
大臣
が質問に対してまともな答弁をしないときには注意をしていただきたいと思います。もちろん私
ども
不規則発言は行なわないように努力したいと思います。 最後に
大臣
に聞きますが、今、
小林
委員
が指摘した
給与
の
二重取り
というのはそういうものではない。あなたもかつて疑獄に関連したことがあるから御
承知
のことでしょうが、
二重取り
というのは、同じ条件のものを二とおりもらうということですよ。それは明らかに
公務員
法では横領でしょう。これを公開の席上で、
日本
は慣行としてこういう
制度
になっておるというならば別問題、
二重取り
とは何ですか。
二重取り
の
内容
について明確に答えて下さい。
北畠教真
26
○
委員長
(
北畠教真
君)
委員長
から申し上げますが、今
二重取り
が問題になっておりますから、その点の十分応答をするようにして下さい。
荒木萬壽夫
27
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 現在の
専従制度
がございますから、
御用組合
だと言っておるのじゃございません。(「言っているじゃないか」と呼ぶ者あり)
高山
さんの
お話
にも出ましたように、民間でも、たとえば
組合
の事務所を
会社
から提供しておる、あるいは
専従制度
の民間にあることも私も伝え聞いております。今御指摘もございましたそういう状況は、まあ理想的なといいますか、典型的な
組合
のあり方からいえば望ましい姿じゃない。
経営者
側のおかげをこうむっておる
意味
において、民主的
組合
の理想経営じゃないということは、これは
常識
だと思います。しかし、民間であれ、
日教組
であれ、
現行法
で
専従制度
が認められておることをだれも否定するわけにいかぬ。これはまあ合法的に存在するわけですから、そのことに私もいまだかつて疑義をはさんだことはない。それは当然のことであります。ただ
日本政府
が、先ほど申し上げましたように、数年来、その
在籍専従者
という
制度
は、いわば
御用組合
の姿の遺物であるといえないことはない、
ほんとう
のすっきりした姿でないことは、これはだれしも認めざるを得ない課題だと思いますが、そういうことも
念頭
に置いて八十七
号条約批准
を
機会
に、
法律
を
改正
してすっきりした姿に立て直したいという
考え
に立って
国内法
の
改正案
を国会に提示しも今日もそういう
態度
でおることは申し上げるまでもなく御
承知
のところであります。その
政府
が変えよう、
改正
しようとすること、そのことをとらえて
日教組
が
ILO
に訴えたわけであります。その訴えに対して、
結社
の
自由委員会
が、
日本政府
のそういう
考え方
に立っての
改正
の意見というものは
ILO
の
立場
から見ても妥当である、そういうことを言ってきた。そのことを申しておるのであります。そこで、
二重取り
という
言葉
の適否は御批判があろうかと思いますけれ
ども
、私の言います
意味
は、理想的な民主的な
組合
ということを
念頭
に置いた場合、そういうふうにしようとする
政府
は
立場
ですから、そういうことを
念頭
に置いた場合に、
在籍専従者
が
専従者
でない
教師
と同じように期間が
経過
すれば昇給し、昇給の
根拠
となり、そして在職期間中それを基礎に、最終到達俸給を基礎にして計算される
退職金
や
年金
、恩給をもらうということは、今申し上げる一種の
御用組合
的な
要素
がそこにあるわけだから、そういうことをなくするほうがより民主的になるという
態度
でございますから、そういう
根拠
になることそれ
自体
が
組合
側でやるべきことを国または
公共団体
側でやっておるということだと、それが望ましくないから
改正
しようとするのだという
説明
にそのことを申すことは、私は一つも不当でないし、無用に
日教組
に対して誹謗しておるという観点じゃないし、事柄じゃないと私は思います。
豊瀬禎一
28
○
豊瀬
禎一
君
委員長
、私は先ほど注意し、
委員長
も注意されたが、前段の話は全く今度で六回目、
ILO
勧告の
内容
の披瀝じゃないですか、私はそのことについては論及しない。
二重取り
というのは、同じ条件の中で
給与
を二回もらうということですよ。たとえ
組合
が、今、
日教組
にはそいう規定はないけれ
ども
、
在籍専従
の長い者に対しては
組合
の規正によって恩給
退職金
を支給しようとも、それは
給与
の
二重取り
とは言わない。国費ないしは県費から出るものと、
組合
自体
が金を出す場合とは別個の問題である。しかし現在はそういう
制度
もない。そうして退職をして、
専従者
にその期間なっても、やはり職員
団体
に働いておる場合には、
フランス
の場合でも、帰ればその期間はきちんと恩給
退職金
に通算される。これは
労働組合
に対する国の当然の
責任
として保障されておる。あなたの雑駁な
考え方
による
御用組合
というのは大体二、三十年前の話です。しかし、そのことじゃなくて、私があなたに聞いておるのは、
二重取り
の事実を指摘しろと言っているのです。
日教組
の執行
委員
全員なら全員、それが何県の何月分の
給与
を
二重取り
したとはっきり言いなさい。それだけを聞いているのですよ。前回の発言を取り消して
二重取り
だけの答弁をしなさい。まず最初に、私は前回の答弁に対して取り消しを要求します。
荒木萬壽夫
29
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 問題そのものが
ILO
に対する提訴の事柄の解明の範囲内のことでございますから、その
前提
条件を全然抜きにして、それだけを問題にされるというならばそのことを
説明
することはないと
考え
ますから、およそ
ILO
の
結社
の
自由委員会
の
結論
を中心に申し上げないと全貌がわかりませんから、申し上げておることであって、取り消すべき範囲じゃなしに、当然有機的な関連を持った課題としてお聞き取りをいただきたいと思ってお答えしておるのであります。今も申し上げましたように、
専従者
としての期間が
専従
でない
立場
の
教師
と同じように昇給の基礎となる。さらに最終段階においては、それを基礎に計算された一時金なり、
年金
、恩給がもらえる
制度
、それ
自体
は
法律
で認められておりますから、違法なんといえたもんじゃないことは言わずして明らかでありますが、そこで問題は、そういうことが望ましくないからこそと
判断
するからこそ
政府
としては
国内法
の
改正案
を添えて
ILO
八十七
号条約
の批准に対処しようとしておることを申し上げておるのであります。その
理由
の一つに、今申し上げた
在籍専従制度
のもとではそんなふうになる。そのことは理想的な姿から見れば望ましい姿じゃない。だから
改正
しようとしているんだ、そういうことを申し上げるのは、私は
根拠
としては当然触れなければならないことを言ったに過ぎないのであります。現に
二重取り
しているとか、してない問題でないことは、
ILO
提訴の問題、すなわち将来
法律
を
改正
せんとする課題に関連してのことですから、これは理論的に言ったってもう当然のことであって、取り消すとか取り消さないとか、現にそういう事例があるなら出せとかおっしゃっても、そういうことを対象として問題にしているのではないのであります。現在は適法であり、現に行なわれていることはだれしも
日本
人は疑わない。(「適法の
二重取り
とは何だ」と呼ぶ者あり)という疑いがあるから、
御用組合
の姿であることは、
法人格
を持った
組合
と使用者側と、全然
責任
をせつ然と分解することこそが適当だという
判断
に立つのだと私は思います。そういう
判断
のもとに将来に向かって
法律
を
改正
せんとする
立場
を御
説明
しておるにすぎないのであります。
小林武
30
○
小林武
君
文部大臣
、あなたは僕の前でこの演説やったのですよ。北海道の帯広で僕の前でこの演説やった。あなたが妙なことをおっしゃるかと思ったから、当
委員
会で、当日録音されたものも皆さんに聞いていただきたいと、こういう申し出をしたのはそこなんです。あなたが少なくとも当日労働問題について何か
ILO
のことを
お話
しになったんならこれは別問題です。そうじゃないでしょう、あなた。あなたは私の前で何と言った、
日教組
のばかやろうということをとにかく演題にして新潟でもやったし、あちこちでやってきた。また、ばかやろうの
理由
をこれから話しするというのがあなたの
講演
の目的だったでしょう。
日教組
を批判しなきゃならない、徹底的に批判するのが
文部大臣
の
責任
だと、ドン・キホーテだとも言った。あなたはこの間の質問でも認めたように
日本
の全国の子供をはなたれ小僧扱いにした、そういう中で、あなたはこの演説をやっている。二軍取りと言っているのですよ。そうでしょう。これを認めませんか、どうですか、認めるか、認めないか、あなた言いなさい。
荒木萬壽夫
31
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君)
日教組
を批判することが、特にその倫理綱領の誤りを指摘して反省を求めることが、私の職責の一端だ、こう
考え
まして、おしゃべりもいたしました。その
意味
において
日教組
の
ILO
提訴のことに触れました。
ILO
提訴に対する
結社
の
自由委員会
の
結論
を御披露することによって、
日教組
という
団体
の、集団としての今までのやり方が間違っておったということを、
結社
の
自由委員会
それ
自体
が国際的視野に立って判定を下したのであります。そのことを御披露することによって、国際的に見ても
日教組
の集団としての心がまえの間違いのゆえに現われてきている具体的な行動そのものも批判されているということを御披露することは、
日教組
の倫理綱領の誤りを指摘する材料として適切だと思いましたから、それに触れました。したがって、今お尋ねの点も、繰り返し申し上げますように、
結社
の
自由委員会
の
結論
その
前提
は、立法論として
政府
が
現行法
をこういう
理由
で
改正
しようとしているのだということの解明のために言及した事柄であることは、今申し上げたことでも御理解いただけるものと思います。
小林武
32
○
小林武
君 そんな理解が
一体
できると思いますか。あなたは
日教組
を徹底的に誹謗し、
日本
の子供を誹謗した。青少年まで誹謗したのです。そしてそれがこの
講演
の目標であるということをあなたみずからおっしゃった。その中であなたの
ILO
の
労働運動
に対する
見解
を述べるというのであれば、これは
二重取り
なんか出てこない問題だ。
専従制度
について自分は賛成か、反対かというような意向の表明は勝手だというのだ、先ほ
ども
いっているとおり。しかし、
専従制度
というようなものが、直ちに
御用組合
に結びつくなんということは、
一体
あなたは物を知らな過ぎるのだ。その
講演
の中で、恥ずかしいことだと言っているのだ。
専従制度
があることが何が恥ずかしいことだ。あなた
フランス
のあれを見なさい。
フランス
では派遣勤務と言っているのだ、
専従
を。その派遣勤務というものの場合には、本来その職場の外に置かれながらも、旧の職場において昇進及び退職の権利を引き続き享有している官吏というような、こういう定義をはっきりさして、それで
専従制度
を認めているところもある。そのことにあなたが賛成とか反対とかいうことを、われわれはかれこれいっているのじゃない。そういう国際的ないろいろな例もある。労組の数からいったら
専従者
を認めているなんというのは多い。社会主義、資本主義の
制度
をひっくるめてやっても、
専従者
というのは多数であるということは間違いない。そういう慣例もある。しかし、われわれは非常に謙虚になって、そういうものはありながらも、いろいろな
立場
で
議論
するということはけっこうだと、こういっている。ところがあなたは、そういう慣例があることは知っておりながら、
専従制度
を誹謗して、最後は何と言っているか。
日教組
は
給与
の
二重取り
をやっていると言っているじゃないですか。あなたはその
給与
の
二重取り
ということは、どういうことか知っているのでしょう。
給与
を二重に取っているのですよ。だから私は初めにあなたに質問したでしょう。
給与
の
二重取り
をやったらこれは
刑法
上の罪になりませんかと、あなたは
聴衆
に対して、
日教組
の中にいるたくさんの
専従者
に、刑事上の罪を犯している、こういう
断定
を下して
聴衆
に話した.それでも
一体
あなたはあれが当然のことだと思うの。
文部大臣
として卑劣だとは思いませんか。
責任
ある者の
立場
のそれは言動ですか。取り消しなさい。あなたあっさりかぶとを脱ぎなさいよ。
荒木萬壽夫
33
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 私は卑劣だとは思いません。
専従制度
についての賛否の意見があることは、これは当然であります。現に
政府
案としてかつて
提案
しましたときも野党の諸君は反対であった。私
ども
は
政府
の側に立って、数年前に国会に
提案
しました。
小林武
34
○
小林武
君 そんなことを聞いているのじゃない。
荒木萬壽夫
35
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) 関連がございますから、これを申し上げませんと真意がわかりませんから言わしていただきます。
政府
案を
提案
して以来ずっと一貫して、
政府
としては
専従制度
廃止しかるべし、という
態度
でおります。それに対する批判はまた別でございます、お説のとおり。
政府側
に立ちまして、
政府
案が妥当なりとする
立場
をとつておる私としては、その
政府
の
専従制度
廃止の
態度
に対して不満を持つから、将来のことではありますけれ
ども
、不満を持つと思われるから
日教組
が提訴したでしょう。その提訴したことを受けて、
結社
の
自由委員会
が、二年越しの
慎重審議
の
結論
として、すでに御
案内
のような
結論
を出したということを解明する場での話でございます。私は常に
前提
として、
現行法
では
専従制度
が認められておるけれ
ども
、
ILO
八十七
号条約批准
と同時に、
政府
としては従来、これを廃止する
態度
で
法律案
の
改正案
を添えて国会に出したが、いろいろな都合で何回となくお流れになった。そのことを目して、対象として、
日教組
が訴えたこと、それに対する国際的な視野に立った
結社
の
自由委員会
の
結論
を御披露すること以外の何ものでもないわけですから、
二重取り
とか何とか、現にあるとかないとかということとは関係のないことであります。私が二重り取というような
言葉
を使いましたのは、先刻も申し上げましたように、本来、純粋の民主的な
組合
であるならば、
専従者
は、自分の雇い人ですから、もうピンからキリまで、何でも
組合
の
法人格
の
立場
においてまかなわれるべきもの、これは国際的な
常識
であることを
ILO
も認めておる。また
日本
でも一般の
常識
だと思います。むろん
経過
的に、
フランス
その他のこともお調べになったような
お話
でございますが、それはそれなりに、その国の沿革がございましょう。
日本
も沿革があればこそ
現行法
じゃ認められておる。しかし、それは将来にわたっては、
改正
をしたほうがより民主的になる。より民主的な
労使
間の望ましい
態度
と思って、
政府
は
提案
しておるわけですから、それがなぜそうだということを私は解明する
責任
があるから、
結社
の
自由委員会
の
結論
を引き合いに出しながら、その解明をしたのであります。だから、日数がたてば昇給をする、それを基礎に
年金
、恩給、一時
退職金
が
国公費
で出るということは、
責任
をはっきりする
意味
において望ましい姿ではないと
判断
した。だから
政府
は、それをすっきりするために
法律
を
改正
する、そういう
態度
を
政府
はとりながら今日まできた。そのことに関連する訴えは、国際的にも、
日本
の
政府
の
考え方
のほうが妥当であるという
結論
になったということを話したのであります。
小林武
36
○
小林武
君 あなたがそういう
考え方
を持つということは自由なんです、さっきから言っているように。あなたが反対だと言っていることは、あなたの
常識
はちょっとおかしい。これはなぜかといったら、
一体
、
専従制度
というものは、資本主義、社会主義の国をひっくるめていったら
専従制度
というものは多いのです。これはしかし、あなたの
常識
というのは変な
常識
だから、これは人の
常識
までかれこれ批判することはないから、それは認めておいて、それがなぜ
日教組
の
専従
が、
一体
、
給与
の
二重取り
だとあなた言わなければならぬのです。
二重取り
だとあなたが言う限りにおいては、
日教組
の中において
二重取り
が行なわれているということになるのでしょう。
日教組
の場合は、
給与
というのは、
日教組
の
専従者
はみな
組合
からもらっている。ただ退職
年金
の問題と、それから昇給をするということが、ちゃんと手続上は行なわれてきている。金はもらっておらない。復職した場合にはそれが有効による、こういうことでしょう。何も
専従者
が県
教育
委員
会から金をもらっているとか何とかいうことじゃないのですよ。恩給基金もちゃんと納めているんです。そういう一つの
制度
になっている。それをあなたは
二重取り
と、こう言ったのだから、
二重取り
が
一体
どういうふうに行なわれているのか、その事実があるのかということ、これがなかったら、
文部大臣
ともあろうものが、大衆を前にして、しかも社会
教育
を行なう
公民館
の連中を前にして、
日教組
の
専従者
というものは
二重取り
をやっているのだということをあなた断言したのだから、その事実をはっきりしなさい、ここで。取り消す気持がないというのなら、あやまる気持がないというのなら、言いなさい、それをここで。
荒木萬壽夫
37
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) その点はさっきからるる申し上げておりますが、かりに
二重取り
、三重取りであろうとも、
現行法
で認められている限りにおいては、そんなことは問題にするに足らぬと思います。
現行法
はまさに認めておると、私は常に
前提
としてそう言っております。
専従制度
というものが
現行法
上認められておる。しかしそれは妥当ではないと
判断
するから
——
私一個の
判断
じゃない、
政府
として
専従制度
をやめるということが妥当なりとの
判断
のもとに、
法律案
まで添えて国会に
提案
をしておることを申しておるのであります。それがなぜであったか、かくかくのことも考慮に入れて、そうして将来は
改正
し、廃止すべきものなりと
判断
しておるのだ。それについて訴えが起こりましたことをめぐって、
結社
の
自由委員会
の
結論
が出たことを御披露することであります。言いかえれば、私の
日教組
を批判する目的から申せば、国際的な視野に立って、それが本来の民主的な
組合
のあり方だと、一種の
御用組合
の姿が残っておると国際的にも
判断
されたから、
日本政府
の、
制度
を廃止しようとする
改正
を妥当と国際的視野から認められたのだということを申しますことは、
日教組
が訴えたことそれ自身が
理由
なしということであります。そういうことを解明するために、私は引用したのであります。
小林武
38
○
小林武
君
二重取り
したという事実は、それじゃないということなのか。ないのに、あなたは言ったというのか。
荒木萬壽夫
39
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) あるはずがありません。
法律
で認められておることですから。
小林武
40
○
小林武
君 それじゃここで何で言ったんですか。
二重取り
をしたと。
荒木萬壽夫
41
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) それを立法論とする
政府
の
態度
が……。
小林武
42
○
小林武
君 そんなばかな立法論があるか。
荒木萬壽夫
43
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君) いや、まさしく立法論でございますよ。数年来、八十七
号条約批准
に関係し、国民は、国会でよく御
承知
のところであります。これは
在籍専従制度
を廃止するという
建前
をとつておるのでありまして、これはもう国民
承知
のこと、そのことについて、将来において廃止のようという
考え方
そのものが適当ではないと
判断
した
立場
から
日教組
が訴えたこと、その訴えに対する
結論
が出たこと、そのことの話でありまして、現にどうしておる、こうしておるということを言っているのじゃない。
米田勲
44
○
米田勲
君 関連質問。
北畠教真
45
○
委員長
(
北畠教真
君) ちょっと待って下さい。
速記
とめて。 〔午前十一時三十八分
速記中止
〕 〔午前十一時五十五分
速記
開始〕
北畠教真
46
○
委員長
(
北畠教真
君)
速記
をつけて下さい。 午前の
質疑
は、この程度にして、午後一時から再開いたします。 午前十一時五十六分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕
—————————————