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1963-02-12 第43回国会 参議院 文教委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十八年二月十二日(火曜日) 午前十時五十六分開会 ――
―――――――――――
一月二十二日
辞任
補欠選任
岡田
宗司
君
成瀬
幡治
君 一月二十五日
辞任
補欠選任
高山
恒雄
君
向井
長年
君 一月二十六日
辞任
補欠選任
斎藤
昇君
手島
栄君 一月二十九日
辞任
補欠選任
向井
長年
君
高山
恒雄
君 二月八日
辞任
補欠選任
手島
栄君
鹿島守之助
君 二月九日
辞任
補欠選任
鹿島守之助
君
斎藤
昇君 ――
―――――――――――
出席者
は左の通り。
委員長
北畠
教真
君
理事
二木 謙吾君 吉江 勝保君
豊瀬
禎一君
委員
斎藤
昇君 野本
品吉
君 小林 武君
千葉千代世
君 米田 勲君 辻
武寿
君
国務大臣
文 部 大 臣
荒木萬壽夫
君
政府委員
文部政務次官
田中 啓一君
文部大臣官房長
蒲生 芳郎君
文部大臣官房会
計
課長
安嶋 弥君
文部省初等中等
教育局上長
福田 繁君
文部省調査局長
天城 勲君
文部省管理局長
杉江 清君
事務局側
常任委員会専門
員
工楽
英司君
説明員
文部省初等中等
教育局地方課長
今村
武俊
君 ――
―――――――――――
本日の会議に付した案件 ○
教育
、
文化
及び
学術
に関する
調査
(
昭和
三十八
年度
文部省関係予算
に 関する件) ――
―――――――――――
北畠教真
1
○
委員長
(
北畠教真
君) ただいまより
文教委員会
を開会いたします。
委員
の変更について御報告いたします。 一月二十二日、
岡田宗司
君が
辞任
され、その
補欠
として
成瀬幡治
君が選任されました。 ――
―――――――――――
北畠教真
2
○
委員長
(
北畠教真
君) 本日の
委員長理事打合会
について御報告いたします。 先般来問題となっております映画と
青少年
教育
問題については、映倫の
責任者
と来たる十四日午後一時より懇談を行なうこととなりました。 次に、本日の
委員会
については、まず、
昭和
三十八
年度
文部省所管予算
の
概要説明
を
文部大臣
より聴取し、引き続き質疑を行なうことに決定いたしました。 さよう取り進めることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
北畠教真
3
○
委員長
(
北畠教真
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、これより
昭和
三十八
年度
文部省所管予算概要
について
大臣
の
説明
を求めます。
荒木萬壽夫
4
○
国務大臣
(
荒木萬壽夫
君)
昭和
三十八
年度
文部省所管
の
予算案
につきまして、その
概要
を御
説明
いたします。
昭和
三十八
年度
文部省所管
の
予算額
は、三千五百七億二千七百八十二万三千円でありまして、
一般会計
総
予算
の一二・三%を占めております。これを前
年度
当初
予算
に比較いたしますと、六百十二億六百七万五千円の
増額
でありまして、その
増額分
の内訳としては、
義務教育費国庫負担金
二百六十一億円、
国立学校運営費
百四十五億円、
国立文教施設整備費
五十五億円、
義務教育
諸
学校ミルク給食助成費
四十億円、
義務教育教科書費
二十億円等がおもなものであります。 以下、
明年度予算案
において特に
重点
として取り上げた施策について御
説明
申し上げます。 まず第一は、
初等中等教育
の
改善充実
でありますが、この点につきましては、前
年度
に引き続き
義務教育
諸
学校
における
教職員
の充足と
学校施設
の
整備
を推進することを
重点
といたしましたほか、
小学校
第一
学年
から第三
学年
までの
児童
に対する
教科書
を
無償
とするために必要な
経費
を計上いたしております。すなわち、
義務教育費国庫負担金
につきましては、
標準法
の
完全実施
をはかるため、
学級編成
の
基準
を、小、
中学校
いずれも五十人とし、また、所定の
定数増
をはかるほか、
小規模学校教員
の
充実
、充て
指導主事
の
増員
、
給与改訂
の
実施
、諸
手当
、
旅費
及び
教材費
の
増額等
を含め、
負担金
千八百四億円余を計上いたしております。次に、
学校施設
につきましては、引き続きその
整備
を推進することとし、
小・中学校校舎
の
整備
、
危険校舎
の
改築
、
屋内運動場
、
学校統合
に伴う
校舎等
の
整備
、
工業高等学校
の
一般校舎
の
整備等
のため
公立文教施設整備費
百二十九億八千万円余を計上いたしましたが、
建築費単価
の
引き上げ
、
構造比率
の
改訂等
は特に配意した点であります。次に、
義務教育教科書
の
無償給与
につきましては、
調査会
の答申に基づきまして、
国公私立学校
を通じ、
義務教育児童
・
生徒
の全員を
対象
として、年次的にその
完全実施
をはかることとし、三十八
年度
はとりあえず
小学校
及び
特殊教育
諸
学校
の
小学部
の第一
学年
から第三
学年
までの
児童
に全
教科書
を国の
負担
において
無償給与
することといたしたのであります。なお、
教育内容
の面につきましては、
小学校
及び
中学校
における
道徳教育
の
充実強化
をはかるため
所要経費
を
新規
に計上いたしたのであります。 第二は、
科学技術教育
の
振興
であります。
科学技術
に関する
教育研究
の
拡充強化
をはかることは、
わが国経済
の
発展
の
基礎
をつちかうものであり、また
国民所得倍増計画
の達成を期する上においても緊要な事柄であります。このことにつきましては、かねて努力を続けて参ったのでありますが、三十八
年度
予算案
におきましても、さらに力を注ぐこととし、
初等中等教育
、
大学教育
及び
学術研究
の各面にわたって
所要経費
を
増額計上
いたしております。まず、
文教初等中等教育
につきましては、
産業教育関係
の
補助金
を大幅に
増額
し、
施設設備
の
改善充実
をはかっておりますが、特に
高等学校工業課程
の
拡充
をはかるため、前に述べました
一般校舎
の
整備
のほか、
実験実習
の
施設設備
の
整備
についても
国庫補助
を
増額
し、
中堅技術者
の不足に対処することといたしたのであります。また、
高等学校
における
農業教育
の
近代化促進
にも配意し、
所要経費
の
増額
をはかったのであります、次に、
国立大学
につきましては
東京大学等
七
国立大学
の学長を認証官として、その処遇の
改善
をはかり、また、
大学院研究科相当教官
に対し俸給の
調整額
を支給することとしたほか、新たに横浜
国立大学
ほか五
大学
に
大学院修士課程
を設置することといたしました。また、
専門技術者
の
養成
につきましては、
国立
の
大学
及び
短期大学
において
理工系学生
を千三百三十人増募することとし、このために、必要な
学部学科
の
新設
、
改組
を行なうほか、新たに
国立工業高等専門学校
を
昭和
三十八
年度
において十二校、
昭和
三十九
年度
において五校を
創設
することとし、さらに
農業近代化
のため農
学部
の
体質改善
を進め、また、
公立大学
に対しましては、
理工系学部学科整備
のため
補助金
を
新規
計上し、その
教育
の
振興
をはかることとしたのであります。また、
学術研究
につきましては、原子力、
基礎電子工学
、
防災科学
、
宇宙科学等
に関する
教育
及び
基礎的研究
を
促進
するため、講座及び
研究部門
の
増設
を行ない、さらに
数理解析研究所
、原子炉実験所及び
内分泌研究所
を
創設
することといたしましたほか、国際的な
学術研究
の
協力体制
を推進するため、
南極地域観測再開準備
並びに
日米科学協力研究事業
に必要な
経費
を計上したのであります。以上のほか、
国立文教施設整備費
の
大幅増額
を行ない、
所要額
百八十七億円余を計上し、また、
教育研究
の
充実向上
をはかるため、
国立学校
における
基準
的諸
経費
並びに
科学研究費交付金等
の
増額
を行なっております。なお、
消費者物価
の動向、
公私立学校
における
授業料等
の額を考慮し、
昭和
三十八
年度
国立学校
の
入学者
から
授業料
、
入学金等
の額を
引き上げ
ることといたしております。 第三は、
教育
の
機会均等
の確保と人材の開発であります。優秀な学徒で経済的に困窮している者に対して国がこれを
援助
し、その向学の志を全うさせることは、きわめて重要なことであります。このため三十八
年度
予算案
におきましては、
特別奨学生
を
増員
することによって
育英奨学制度
の
拡充
をはかることとし、さらに
高等学校
、
大学
を通じ
一般奨学金
の
単価
を
引き上げ
ることといたしましたほか、
日本育英会
の
奨学金返還業務
を推進することとし、
合計
八十億円余を計上いたしております。次に、要
保護
、準要
保護児童
・
生徒対策
、
僻地教育
、
特殊教育等
、恵まれない事情にある
児童
・
生徒
に対する
援助
並びに
教育
につきましては、
教育
の
機会均等
の
趣旨
にのっとり、従来からも特に留意して参ったのでありますが、
明年度
におきましては、一段とこれが
充実
をはかることといたしております。すなわち、要
保護
、準要
保護児童対策
につきましては、準要
保護児童
・
生徒
の
対象比率
の
引き上げ
をはかり、
僻地教育
の
振興
につきましては、新たに
飲料水給水設備
について
補助
を行なうこととし、また、
特殊教育
については、
養護学校
及び
特殊学級
の
普及
並びに
就学奨励費
の
拡充
について、
所要経費
を
増額計上
いたしております。 第四は、
勤労青少年教育
、
社会教育
及び
体育
の
振興普及
であります。
国家社会
の
発展
は健全な
青少年
の育成に待つところ多大であり、働きつつ学ぶ
青少年
の
教育
問題は、
学校教育
及び
社会教育
の両面にわたって深く考慮を払うべきところであります。
明年度予算案
におきましては、
定時制高等学校
の
設備
の
整備
、
定時制
及び
通信教育手当
の
支給等
に必要な
経費
を計上いたしますとともに、新たに
一定範囲
の
通信教育受講生徒
に対しましては
教科書
及び
学習書
を
無償給与
することといたしましたほか、
夜間定時制高等学校
につきましては、
夜食費補助金
を
増額計上
するとともに、新たに
運動場照明施設整備
に
補助
を行なうことといたしました。また、
社会教育
の面につきましては、
青年学級
、
社会通信教育等
の
充実振興
に要する
経費
を計上いたしております。次に、
社会教育
は、
国民
の教養の
向上
に大きな役割を果たすものであり、その
普及振興
は、
学校教育
の
充実
とともに、きわめて重要なものであります。このため
成人教育
及び
婦人教育
の
振興
、
社会教育関係団体
の
助成等
につきまして
所要経費
を計上いたしましたほか、
国立青年
の家の
増設
、公民館、
図書館等
の
施設設備
の
整備
について、
所要経費
を
増額計上
いたしております。次に、
体育
は、
国民
の健康を維持増進し、その生活を明るくする上に重要な
意義
を持つものでありますが、
オリンピック東京大会
を明年に控え、その
意義
を高めるためにも、これが
普及振興
に努めることは、きわめて至要であります。まず、
オリンピック東京大会
の
準備
につきましては、必要な
施設
の
建設
、
整備等
に一段と力を注ぐことといたしました。すなわち、
国立競技場
の
整備
、
屋内総合競技場
の
建設
、
戸田漕艇場
の改修、
朝霞射撃場
の
整備
並びに
オリンピック組織委員会
の
運営
、
競技技術
の
向上等
のため
関係予算
の大幅な
増額
を行なっております。また、
国民一般
に対する
体育
の
普及奨励
をはかるため、
体育
館、
プール等
の
体育施設
の
整備
並びに
スポーツ活動
の
指導者養成等
に必要な
経費
の
増額計上
をはかったのであります。 なお、
学校給食
につきましては、小麦についての従来の
補助
を継続いたしますとともに、新たに
ミルク給食
を
義務教育
諸
学校
について全面的に
実施
するため
所要
の
補助金
を計上いたしましたほか、
施設設備
の
整備
の
促進
に関し、
所要
の
増額
をはかっております。 第五は、
私立学校教育
の
振興助成
であります。
私立学校教育
の
重要性
については、あらためて申すまでもないところでありますが、
明年度予算案
におきましては、
合計
三十六億三千万円余を計上いたしております。そのおもなものとしては、
私立学校振興会
に対して、さらに十二億円を出資いたしますとともに、
財政投融資
から二十億円の融資を受けることといたしましたほか、
私立大学等理科特別助成費
に十四億九千万円余、
私立大学研究設備助成費
に八億二千万円余を計上し、
科学技術教育振興
の
趣旨
にも沿うこととしたのであります。次に、
文化財保存事業
につきましては、
保存修理
及び
防災施設
の
整備
に努めるとともに、
日本歴史
上貴重な遺跡である
平城宮跡
の一部買い上げ、文楽の
保護等
、
無形文化財
の
保存活用
、
国立劇場
の
建設
の
促進等
に特に配意いたしております。以上のほか、
教育研究団体
の
助成
、
国際文化
の交流、
ユネスコ事業等
について、それぞれ
所要経費
を計上いたしたのであります。なお、
沖繩教育協力援助費
につきましては、本
年度
から
総理府所管
として計上いたしております。 以上、
文部省所管予算案
につきまして、その
概要
を御
説明
申し上げた次第であります。
北畠教真
5
○
委員長
(
北畠教真
君) 引き続いて
会計課長
より
補足説明
を願います。
安嶋弥
6
○
政府委員
(
安嶋弥
君) お手元にお配りいたしました
事項別表
に即しまして
概要
の
補足説明
をいたします。 ただいま
大臣
から御
説明
がございましたように、三十八
年度
の
文部省所管
の
予算額
の
一般会計
総
予算
に占める
比率
は一二・三%でございますが、昨
年度
のこれに該当する
比率
は一一・九%でございまして、〇・四%の増となっております。〇・四%の増でございますが、
金額
といたしましては約六百十二億円の増でございます。それから
文部省予算
の前
年度
に対する
伸び率
は二一・一%でございます。
一般会計
総
予算
の前
年度
に対する
伸び率
が一七・四%でございますから、これを約四%近く上回っておるわけでございます。これに対応する昨
年度
の
数字
でございますが、昨
年度
は、
一般会計
総
予算
が二四・三%
増加
いたしましたのに対しまして、
文部省予算
は一九・八%
増加
しておるのであります。以下、各
事項
について御
説明
を申し上げたいと思います。 まず、第一ページの、
義務教育費国庫負担金
でございますが、この基本的な
立て方
は従来と同様でございまして、
給与費
、
共済組合
の
負担金
につきましては
実績負担
の
建前
をとっております。まず
給与費
につきましては、
明年度
小・中学校
合わせまして九十三万人程度の
児童
・
生徒数
が減少いたします。これに伴いまして
学級
の
自然減
がございまして、その
学級
の
自然減
に伴いまして
教員
の
自然減
があるわけでございます。この数は約二万一千人と見込まれております。それから次に、
明年度
は、
公立義務教育
諸
学校
の
学級編制
及び
教職員定数
の
標準
に関する
法律
の
完全実施
をはかることとしております。御承知のとおり、この
法律
は
昭和
三十三
年度
から施行されたわけでございますが、
明年度
はその五年目になるわけでございまして、これが
完全実施
をはかることを
予算
に盛り込んでおります。まず、
学級編制
の
基準
につきましては、
小学校
五十四人、
中学校
五十二人の
暫定基準
を、いずれも五十人に引き下げることにいたしております。それから
定数
につきましても、
標準法
が定めますとおりの
定数
を完全に充足する、こういう
建前
をとっております。そのほか、
小規模学校
に対するいわば
級外教員
の
配当基準
でございますが、従来は三校に一人でございました
級外教員
の
定数
を、二校に一人ということにいたしております。その他
特殊学級
の
増設
、充て
指導主事
の
増員
を見込みまして、全体で約一万六千人の増を見込んでいるわけでございます。したがいまして、
最初
に申し上げました二万一千人の減と差引いたしますと、約五千人の
定数
の減ということに相なるわけでございます。ただ、五千人のこの
定数
の減の中の二千人は、これはかねて
標準定数
を上回っておった分でございます。したがいまして、実質的な
定数
の減は約三千ということでございます。しかしながら、
明年度
は
高等学校
の大幅な
拡充
がございまして、
中学校等
の
教員
で
高等学校
の
免許状
を持っている者の
高等学校
への
配置転換
、その他例年行なわれておりまする
自然退職
もあるわけでございますから、
教職員
につきまして無理な整理が行なわれることはないものと考えております。次は、
給与費
の
内容
でございますが、二ページにございます。
給与費
の
内容
といたしましては、昨年ございました
人事院勧告
の平
年度化
と、それから昇給の原資といたしまして百八十八億円余を計上いたしております。それから無
級地
及び
一級地
に対する
暫定手当
を、三カ年
計画
をもって二級
地並み
に
引き上げ
るという
経費
といたしまして約十六億円を計上いたしております。それから次は
旅費
でございますが、
一般県
の
単価
四千八百円を六千円にいたしております。
政令県
の
単価
は四千円を四千八百円にいたしております。次は
宿日直手当
でございますが、
宿直手当
の二百十円を三百円にいたしております。
日直手当
は三百円のまま据え置かれております。次は
特殊学校寮母
の
宿日直手当
でございますが、従来はその扱いにつきまして多少統一を欠いたうらみがあったわけでございますが、本
年度
からは
宿日直手当
を
新規
に計上いたしまして、その取り扱いを明確にいたしております。次に、
教材費
でございますが、これは
最初
に申し上げました
児童
・
生徒
の
自然減
を見込みまして、その上で一〇%の
金額
の
増加
をはかっております。この一〇%の
金額
の
増加
は、主として
小規模学校
、
盲聾学校等
の
教材
の
充実
に充てられる予定でございます。それから
共済年金
でございますが、これは昨年十二月から発足いたしました
共済組合
に対する
負担金
の平
年度化分
を計上いたしております。 次は、
公立養護学校教育費
の
国庫負担金
でございますが、
給与費
の
積算
につきましては、
義務教育
についてただいま申し上げたとおりと同じでございます。それから人員につきましては、既設七十六校のほか、
新設
十一校を見込みまして、全国で千百人の
教員
の
定数
を
積算
いたしております。 それから次は、
義務教育
の
教科書費
でございますが、ただいま
大臣説明
にもございましたような
趣旨
で
予算
を計上いたしておりますが、
教科書
の
単価
につきましては、九六%掛けを計上いたしております。これは現在の
教科書
の定価中、
供給手数料
が約一六%含まれているわけでございますが、国で
給与
するということになりますと、業者の
代金回収業務
が軽減されるわけでございますが、その分として四%を割り引いているわけでございます。 次は、
市町村教育長給与費補助
でございますが、この
立て方
は従来と特に変わっておりませんが、
明年度
からは二万五千円以下の
給与
につきましては
補助
をしない、それから八万円以上の
給与
に対しましても
補助
しないという
建前
をとっております。 次は、
教育研究団体
に対する
補助
でございますが、五千万円を計上いたしております。中央の
教育研究団体
に対するもの及び都道府県の
教育研究団体
に対する
助成
のための
補助金
、この二つが
内容
でございます。 それから次の
公立高等学校普通課程
の
家庭科教育設備費補助
につきましては、前年と同様でございます。 四ページに参りまして、
道徳教育
の
充実強化
でございますが、
内容
は
備考
にございますような三本の柱でございます。
金額
的には、
道徳教育資料
の
編集配布
がほとんどになっておりますが、これは
小・中学校
の
学級担任
の
教官等
に対しまして、年一集、
道徳教育
のための
資料
を配布するというための
予算
でございます。 次は、
公立文教施設
の
整備費
の
補助
でございますが、前
年度
に比べまして二十八億円余の
増額
になっております。
差増額
をごらんいただきますと、その
三つ柱
があるわけでございまして、
学校統合
に伴う
校舎
の
整備
で約八億五千八百万、
危険校舎
の
改築
で七億五千百万、それから次のページに参りまして、
高等学校
の
建物
、これは
工業高等学校
の
一般校舎
の
建物
でございますが、
建物整備
のために七億五千八百万、
増額
の主たる部分はただいま申し上げましたこの
三つ
の
事項
でございます。その他につきましては、おおむね従来どおりの
考え方
で
予算
の
積算
をいたしておるのであります。ただいま申し上げました
三つ
の
事項
につきましては、それぞれ
事業量
の大幅な増をはかっておるわけでありますが、その他、特に注目すべき点といたしましては、五ページの
備考
の表にございますように、
構造比率
及び
単価
を是正をいたしております。まず、
単価
につきましては、表でごらんのとおりでございますが、
鉄筋
につきましては約九・四%の
引き上げ
になっております。
鉄骨
につきましては八・一%、木造につきましては一六・三%の
引き上げ
になっております。それから
構造比率
といたしましては、大きい点だけを申し上げますと、
中学校
の屋体の
鉄骨造
が七〇%から八〇%に、一〇%
引き上げ
になっております。六ページに参りまして、
学校統合
に伴う
校舎
の
整備
でございますが、これは
鉄筋造
が五〇%から六〇%に
引き上げ
られております。それから
工業高等学校
の
校舎
につきましては、
鉄筋
が六五%でございますが、
明年度
からは、
新設
につきましては一〇%
鉄筋
という
積算
をいたしております。それから
定時制
の
校舎
の
整備
につきましては、
鉄筋
二〇%を三五%に
引き上げ
ております。 次は、
科学技術教育
の
振興
でございまして、
理科教育設備
の
補助
、
理科教育センター
に対する
補助
は
従前
と変わっておりません。 次は、
産業教育関係
の
負担金
、
補助金
でございますが、前
年度
に比べまして約十一億円余の
増額
になっております。その
増額
の主たる
内容
は、七ページの
まん中あたり
にございます
工業高等学校
の
新設学科
の
施設設備費
の増がその主たる
内容
でございます。その分といたしまして約十三億円近い
予算
が
増額計上
になっております。これは
工業高等学校
におきまして、三十六年、七年の
学科新設
の
継続分
のほか、三十八
年度
におきまして二百三十六
学科
の
新設
を行なうためのものであります。この
予算
によりまして、
明年度
は、全日制におきまして約三万八千人、
定時制
におきまして二千人、計約四万人の
工業高等学校生徒
の増募が行なわれることになっております。それから産振の
設備費
につきましては、
物価
の
上昇等
にかんがみまして、
単価
を一〇%
引き上げ
ております。産振
関係
の
施設費
につきましては、先ほど
公立文教施設整備
のところで申し上げたと同様の
単価
の
改定
を行なっております。それから八ページに参りまして、上から四行目に
実習船
の
建造費
の
補助
がございますが、
明年度
は百五十トンの大型三隻、六十トンの中型一隻を計上いたしております。次は
高等学校
の
農業教育
の
近代化促進
の
補助金
でございますが、
従前
の
継続分
のほか、
体質改善
及び従来の
農業科
の
転換分
といたしまして、それぞれ
所要経費
を計上いたしております。それから
中学校
の
産業教育
の
設備
の
補助金
でございますが、これは
教育課程
の
改定
に伴う
技術家庭科
の
設備費
でございます。これにつきましては三十五
年度
から三カ年
計画
でその
整備
を行なってきたわけでございます。その
計画
は三十七
年度
をもって終わったわけでございますが、
明年度
からはさらに第二次
計画
を始めることといたしまして、二億一千万余を計上しておるわけであります。 次は、
国立学校
の
理工系
の
学科
の
新設等
でありますが、
学部
の
創設
といたしまして、埼玉
大学
に工
学部
を
新設
いたすことにいたしております。それから
学科
の
新設
及び
拡充改組
といたしましては、それぞれ
備考
にございますような
内容
の
予算
を計上いたしておりますが、本
年度
からは特に
農学系学部
の
体質改善
といたしまして
農業工学科等
の
学科
の
拡充改組
を行なうことといたしております。これによりまして
大学関係
では千三百三十人の
理工系学生
が増募になるわけでございます。 それから
高等専門学校
の
関係
といたしましては、三十八
年度
十二校、
入学定員
千四百四十名の増募を行なうことといたしております。
合計
、
国立学校
におきましては二千七百七十人の
理工系学生
が三十八
年度
において増募されるわけであります。なお、ここに掲げております
数字
はいずれも
国立学校
の
運営費
でございまして、ほかに
国立文教施設整備費
として、それぞれこれらの
学科
の
新設
、それから
高等専門学校
の
創設
に伴う
施設費
を別途計上しておるわけであります。 それから、
公立
の
大学
、
短期大学
の
理科系
の
学部学科
の
整備
といたしまして千九百万円余が、これは
新規
に計上されております。 それから
私立大学
の
研究設備
の
助成
、それから十ページに参りまして、
私立大学
の
理科特別助成
につきましては、従来の
考え方
を踏襲いたしております。 それから
科学研究費
でございますが、これは前
年度
の大体一割増しになっております。 それから民間
学術研究
団体の
補助
でございますが、これは前年に比べて一億五千二百万の
増額
になっておりますが、その
増額
の主たる部分は十一ページの
備考
にございますように、
日米科学協力研究事業
費の
補助
一億五千万がそのほとんどでございます。これは日米科学合同
委員会
の勧告に基づく
学術研究
事業をやるために必要な
補助金
でございまして、日本
学術
振興
会に交付され、そこでその事業の
実施
が行なわれることになっております。 次は、南極地域の観測再開
準備
費でございますが、これが五千万円計上になっております。
実施
に当たりましては、それぞれ
実施
に当たる各省庁に移しかえるよう
予算
総則に規定がございます。 それから
国立学校
の
運営費
でございますが、総額といたしまして九百二十一億円余が計上になっております。主たる
内容
といたしましては、
備考
にございますように、
大学
院の担当教官の待避
改善
といたしまして一億六千二百万円余が計上されております。これは
大臣説明
にもございましたように、
従前
、
大学
院の担当教官に対しましては特殊勤務
手当
が日額制によって支給されておったわけであります。
明年度
からは、これを俸給の普通
調整額
といたしております。で、修士課程の担当教官は調整率一、博士課程の担当教官は調整率二でございます。調整率の一は御承知のとおり四%でございますから、博士課程が八%、修士課程が四%
調整額
が支給されることになるわけであります。なお、これまた御承知のとおり、
調整額
は期末
手当
でございますとか、退職
手当
、退職年金等の
積算
の
基礎
にもなるわけでございますから、特殊勤務
手当
と異なりまして、かなり実質的に大きな
改善
になっているものと考えます。それから学生
経費
でございますが、学生当たり
積算
校費といたしまして前
年度
の二〇%増を計上いたしております。それから十二ページへ参りまして、教官当たり
積算
校費でございますが、これは教官研究費でございまして、これは前
年度
の一〇%増、百一億円を計上いたしております。それから
設備費
、営繕費につきましてもそれぞれ
増額
をはかっております。それからここに
学部
の
創設
その他が掲記してございますが、これは主として先ほど申し上げました
理工系
の
学部
、
学科
の
新設等
の再掲でございますが、人文系のものといたしましては、大阪外国語
大学
の朝鮮語
学科
であります。その他農
学部
の
体質改善
といたしましては、獣医、畜産、酪農等の
理工系
以外の
学部
もこちらに含めて計上してございます。それから十三ページへ参りましで、
大学
院の
拡充強化
でありますが、これは横浜
国立大学
ほか六つの新制
大学
に対しまして、修士課程を新たに
新設
したということがその
内容
でございます。それから
教員
養成
学部
の
整備
は、これは
教員
養成
学部
の教官組織が
充実
しておりませんので、これを
充実
するための
経費
であります。研究所の
創設
は、三研究所でございまして、京都
大学
の原子炉実験所、
数理解析研究所
はいずれも共同利用でございます。群馬
大学
の
内分泌研究所
は、これはすでにございました研究
施設
を正規の附置研究所として切りかえるものでございます。 次は
国立学校
等の
施設
整備
でございますが、百八十七億円余を計上いたしておりまして、前
年度
の四二%増であります。総体百八十七億円余でございますが、そのうち
科学技術教育
関係
が約八十九億円でございまして、そのほとんど半ばに近いものがこれに充当されるわけであります。それから特定財源の
施設
整備
といたしましては、これは大阪
大学
の理
学部
を中之島から石橋地区に移転する
予算
その他をきめております。学生会館の
整備費
は二億円を三億円に
増額計上
いたしております。なお、先ほど申しましたように、この百八十七億円の中に
高等専門学校
の
創設
に伴う
施設費
等が含まれているわけであります。なお、三十九
年度
五校の
高等専門学校
の
創設
を予定しておりますが、その五校分につきましても、前向きで、この
予算
で
建物
を本
年度
中に
整備
することにいたしております。 在外研究員の派遣でございますが、これは前
年度
の約一割増しでございます。 十四ページへ参りまして育英事業でございますが、まず
補助金
につきましては、事務の機械化、返還事務の強化を
趣旨
といたしまして、その
関係
の
経費
を計上いたしております。次は事業費の貸付金でございますが、まず、一般奨学生につきましては、
高等学校
の月額千円の貸与
金額
を千五百円に
引き上げ
ております。
大学
につきましては、従来三千円と二千円の二口でございましたが、二千円口を
学年
進行で二千五百円に
引き上げ
ております。それから十五ページへ参りまして、
大学
院の
関係
でありますが、修士課程、博士課程につきまして、従来二つまたは
三つ
の
単価
があったわけでございますが、これをそれぞれその最高額まで
引き上げ
て統一するという措置を講じております。十六ページに参りまして
特別奨学生
でありますが、
高等学校
の特奨、
備考
のカッコのところに一年一万三千八百人とございます。それからちょっと飛びまして、
高等専門学校
の特奨のところで一年二百人とございます。あわせて一万四千人になるわけでありまして、従来の一万二千人のワクを二千人以上
増加
いたしまして、一万四千人にいたしております。それから
大学
でございますが、
備考
に、カッコのところに一年一万一千人と書いてございますが、これは従来八千人であったわけでありますが、したがって、三千人の増ということになっております。それから貸与の月額でございますが、自宅外の七千五百円を
新規
につきまして八千円にいたしております。それから自宅の四千五百円を
新規
につきまして五千円にいたしております。 それから次は、準要
保護児童
・
生徒
関係
でありますが、準要
保護児童
・
生徒
の
対象
を五%から七%に
引き上げ
ております。このほかに要
保護
関係
が三%あるわけでありますから、要
保護
、準要
保護
合わせて一〇%の
児童
生徒
がこの就学
援助
の
対象
になることになったわけであります。それから
単価
につきましては、実情にあわせまして、こまかく
改善
をいたしております。 それから十九ページに参りまして、
僻地教育
の
関係
であります。前年に比べまして、二千八百万円余の
増額
でありますが、
金額
的な増の内訳は、僻地の
教員
住宅の建築
補助
がその大部分であります。
備考
にありますように、戸数を四百九十戸から五百八十八戸に
増加
いたしておりますが、そのほか建築
単価
を一二%
引き上げ
ております。
新規
といたしましては、飲料水の給水
施設
の
設備
の
補助
を計上いたしております。これは僻地におきまして、天水を利用している
学校
に対するその天水の濾過装置の
補助
でございます。 それから
特殊教育
の
振興
関係
といたしましては、
養護学校
、
特殊学級
の
設備費
の
増額
を行なっております。それから二十ページに参りまして、就学奨励
関係
といたしまして、約三千二百万円余の
増額
をはかっておりますが、
新規
といたしましては、幼稚部の交通費、寄宿舎居住費を計上いたしました。その他
教科書費
等につきまして、先ほど申し上げました準要
保護
の
生徒対策
費と同じように
単価
の改訂を行なっております。 それから学力
調査
につきましては、前年と同様の
考え方
でございます。 それから能力開発研究所の
補助
約三百万円が
新規
といたしまして計上されております。これは客観的な全国統一テストを行ないまして、
大学
入試の
改善
に資したいという
趣旨
でこの研究所が発足したわけでございますが、その研究所に対する問題作成、謝金、その他研究費の
補助
でございます。 それから
勤労青少年教育
関係
といたしましては、二十二ページに参りまして、
定時制
通信教育手当
の
補助金
が約二千六百万円
増額
になっております。これは
対象
人員がふえましたことのほか、
給与
単価
が
増加
しているための増でございます。それから
新規
といたしまして、通信
教育
生徒
に対しまする
教科書
と
学習書
の
給与費
が計上されております。これは第三
学年
以上で一定単位以上履習した者に対して、この
給与
が行なわれることになっております。次は、夜間の
定時制高等学校
の運動場の照明
施設
の
補助
でございます。四十二校分を
新規
に計上いたしております。次は、同じく
夜間定時制高等学校
の夜食費の
補助
でありますが、
金額
的に約一億円の増になっておりますが、
考え方
は
従前
と変わりません。これは
普及
の実績にかんがみまして、その
実施
率を高めるということに伴う増でございます。 それから
青年学級
等の
充実振興
でありますが、千四百九十万円ふえております。
青年学級
につきましては
学級
数を約二百二十
学級
増加
いたしております。それから二十四ページに参りまして、勤労
青年学級
運営費
補助
約八百万円、これは
新規
でございます。これは
青年学級
と異なりまして、十五才から十七才までの
青少年
に対して、
青年学級
以上に継続的な組織的な
教育
を与えようというものでございまして、モデル的にそういうものを
助成
してみたいという
趣旨
から計上されたものであります。 次は
社会教育
の
振興
でございます。ほぼ
従前
の
考え方
に基づいて
予算
の計上が行なわれておりますが、大きく
増額
された分についてだけ申し上げますと、
婦人教育
の
振興
関係
で千百万円ふえておりますが、このうち約七百五十万円は婦人
学級
の
学級
数の増に伴う増でございます。それから他の約三百万円は家庭
教育
の
振興
関係
の増でありまして、これは
資料
の配布、研究集会の開催等がその
内容
になっております。 それから二十六ページに参りまして、芸術
文化
の
振興
、視聴覚
教育
の
振興
につきましては、ほぼ
従前
と同様の
考え方
で
予算
の計上をいたしております。
社会教育関係団体
の
補助
につきましては、約一千万円ほどの
増額
を行なっております。
社会教育
施設
の
整備
につきましては約三千百万円の
増額
でありますが、そのほとんどは公民館の
関係
の増でありまして、館数の増が
増額
の主たる原因でございます。 二十八ページに参りまして、
国立青年
の家の
増設
といたしまして二億円を計上いたしております。これは九州の阿蘇地区に
国立
の第二の青年の家を
新設
するための
経費
でございまして、この青年の家は収容人員四百人、職員の初
年度
の
定数
が四十人、それから
建物
につきましては、
備考
に書いてございますような
建物
二千百五十坪を
整備
するために必要な
予算
でございます。 それから
体育
の
振興
でございますが、まずオリンピック
関係
といたしまして二十四億円余を計上いたしております。
国立競技場
の
関係
は、
従前
の若干残っております工事の補足でございます。それから
屋内総合競技場
の
建設
といたしましては約十六億円余を計上いたしておりますが、このほかに国庫債務
負担
行為を四億五千万円予定しております。それから戸田の漕艇場の改修は艇庫及び本部事務室の改修でございます。それから組織
委員会
の
補助
は事業の
拡充
に伴う
補助
の
増額
を見込んでおります。
競技技術
の
向上
もほぼ従来と同じ
考え方
でございます。それから朝霞の射撃場の
整備
の一億九千百万円は、前
年度
の継続でございまして、防衛庁に移しかえて
実施
することにいたしております。それから大会参加選手の練習場
整備
は、東大の教養
学部
の運動場その他参加選手の運動場として
整備
するための
予算
であります。日本青年館の改修は、これはプレス・センターとしての使用を予定されております青年館に対する改修費の
補助
であります。 それから
体育施設
の
整備
といたしましては、一億二千七百万円余の
増額
になっておりますが、このうち一億二百万円は水泳プールの
整備費
の
補助
でございます。前
年度
のちょうど倍額になっております。それから夜間の照明
施設
の
補助
につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。それから地方スポーツの
振興
関係
もほぼ前年と同様の
考え方
で
補助
いたしております。三十ページに参りまして、国体の
補助
でありますが、これが前
年度
の倍額の一千万円増ということになっております。
学校給食
の
関係
でございますが、前
年度
に対しまして四十六億円余の
増額
になっておりますが、その
増額
のほとんどは三十一ページにございます
ミルク給食
の
助成
費の四十億円でございます。四十億円のまたほとんどが脱脂粉乳の購入費の
補助
の三十四億円でありまして、他の六億円は、これは
ミルク給食
の
関係
の
設備費
の
補助
であります。この脱脂粉乳の購入費の
補助金
は、これは
学校給食
会に対する
補助金
という形で支出されます。ちょうど小麦に対する
補助金
が食管繰り入れという形で支出されておるのと同様でございます。その他
学校給食
関係
は
施設
、
設備
の
整備
と、それから事務費
関係
にかなりの
増額
を見込んでおります。 それから安全会の
関係
でございますが、六千七百万円の
増額
でございますが、この大部分は安全会の地方支部の人件費の
補助
でありまして、従来は四人について三分の一の
補助
でございましたが、それを全額
補助
にしたという点がその主たる
内容
でございます。それから
国立学校
の交付金等が若干ふえておりますが、これは掛金の
増額
に伴う増であります。 三十二ページに参りまして、私立
学校
関係
でありますが、
従前
とほぼ同様の
考え方
で計上いたしておりますが、
明年度
特に注目すべき点といたしましては、
私立学校振興会
に
財政投融資
から二十億円の融資を受けることにした点がそれでございます。 次は
国際文化
の交流
関係
でありますが、
考え方
は
従前
とほとんど変わっておりません。
学年
進行に伴う留学生の増がございます。それに伴う
給与費
の
増額等
がその主たる
内容
であります。 それから最後に
文化
財
保護
関係
でありますが、前
年度
に比べて約五億五千万円の増でありますが、その主たる
内容
は三十四ページにございまする
平城宮跡
の買上費の四億二千七百万円がその
増額
の主たる
内容
であります。このほかに文楽協会に対する
補助
の千五百万円、国宝重要
文化
財等買上費の二千万円の
増額
がおもな
増額
の
内容
でございます。 以上、簡単でございますが、御
説明
を終わります。
千葉千代世
7
○
千葉千代世
君 今の
説明
についてちょっと聞きたいのでございますが、
数字
のところだけです。十四ページですけれども、
大学
のところで三千円と二千円の二口がございましたね。
新規
に二千五百円というのは、三千円と二千円の二口のほかに、新しく二千五百円を入れる。そうすると、三通りになると、こういうわけですか。
安嶋弥
8
○
政府委員
(
安嶋弥
君) そのとおりでございます。これは二千円口と申しますのは、実は一年生とそれから二年生以上とがまああるわけでございます。その一年生の二千円を二千五百円にするということでございます。したがいまして、経過的には三千円と二千五百円と二千円の三本になりますが、この二千五百円の口が
学年
進行でずっと上に上がって参りますと……。
千葉千代世
9
○
千葉千代世
君 そうすると、二千五百円と三千円の二口になるということでございますね、三年後か何かになりますと。
安嶋弥
10
○
政府委員
(
安嶋弥
君) そうでございます。
千葉千代世
11
○
千葉千代世
君 それからもう一つおそれいりますが、二十八ページでございますけれども、戸田でございますね、これは
建設
省のほうでどのくらい持っているか御存じでしょうか。全然進行していないそうですけれども。
安嶋弥
12
○
政府委員
(
安嶋弥
君) これは
建設
省のほうでは
建設
費は持っておりません。
文部省予算
に全額計上いたしております。
千葉千代世
13
○
千葉千代世
君 そうですか。公園の
整備
か何か、だいぶもめておったのではないですか。――それではけっこうでございます。どうもすみません。
北畠教真
14
○
委員長
(
北畠教真
君) これより質疑に入ります。質疑の通告がございます。これを許します。
豊瀬禎一
15
○
豊瀬
禎一君 まず
最初
に
調査
局長にお尋ねしますが……。
北畠教真
16
○
委員長
(
北畠教真
君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
北畠教真
17
○
委員長
(
北畠教真
君) 速記を始めて。
豊瀬禎一
18
○
豊瀬
禎一君
最初
に各局にわたると思いますが、昨年の臨時国会の際に、当
委員会
を通じて要求しておりました
資料
でまだかなり出ていないのですが、研究諸団体に対する交付金の
金額
、それから研究の
内容
の
概要
、これはいつごろ提出できる予定ですか。
福田繁
19
○
政府委員
(福田繁君) 御要求のございました研究団体の
資料
につきまして、中央団体を主体にしたものは一応差し上げてあるのですが、地方団体の分は非常に件数がたくさんございまして、その整理に意外な日数を要しております。したがって、現在の見込みでは、私どももできるだけ努力いたしておりますけれども、まだ一週間か十日ぐらいかかるのではないだろうか、こういうように考えております。その点は御猶予をいただきたいと思います。
豊瀬禎一
20
○
豊瀬
禎一君 大体四、五十日たっているはずですね。そして件数にして私が聞いたところでは、三百から四百団体程度、こういうことです。この
資料
が数十日たってもなおできないというのは、ちょっと私には解しかねるのですが、どういう理由ですか。
福田繁
21
○
政府委員
(福田繁君) 申しわけありませんが、都道府県から参りました
資料
の中には不備なものもございますし、そういうものについては再照会をするとか、そういうようなことに日数を要しまして、たまたま時期が
予算
編成の時期にぶつかりました等によりまして、事務的には非常に難渋をいたしたわけでございます。大体六百三十ぐらいの団体がございますので、それらについてできる限り御要求に沿えるような線に沿って
調査
をしているわけでございます。そういうことで日数を要したわけでございますので、できる限りすみやかに提出をいたしたいと考えております。
豊瀬禎一
22
○
豊瀬
禎一君 今の答弁によると、三十六
年度
の分について研究団体の
資料
が、文部省に調整というか、きちんと整理されていないということですね。少なくとも本
委員会
における審査の経過、あるいは答弁によりますと、研究諸団体に対しては、その研究の
概要
等を事前に
調査
し、
実施
した
内容
についてきちんと報告さして整理しています、これが前局長の内藤君が本
委員会
で、主として愛媛県の問題を取り扱った際に答弁したところです。三十六
年度
中の
予算
ですから、極端なものは三十六年三月ごろ
実施
したところもあると思います。私から指摘するまでもなく、三十六
年度
の
予算
というものは、大体三十六
年度
の
年度
末に、あわててそれを支出していくということは、
予算
の効率からいっても好ましいことではないと思います。そういう指導をしておるという答弁もあっております。それが四月以降今日に至るまで六百団体程度の
資料
が、事こまかなものは別として、交付した
金額
、研究テーマ、構成員等の
概要
が提出できないということは、都道府県からその報告がきていないというふうに理解してよろしいのですか。
福田繁
23
○
政府委員
(福田繁君) もちろん都道府県から報告が参りますのは、おくれる県もございますが、私どもといたしましては、この調整をいたしまして、その事業の結果については報告を詳細に取ることになっております。したがって、きております
資料
は非常に膨大なものもございますし、そういった
関係
から、これを整理いたしまして、このこちらのほうに提出するには相当なやはり時間をかけなきゃなりませんので、そういった意味で整理をいたしますと、その際にやはり不備なことも発見をいたしましたりいたして、再照会するとか、そういうようなことをやったわけでございます。そういうことで意外に日数を要しましたのでございます。
豊瀬禎一
24
○
豊瀬
禎一君 わかりましたので、早急に
資料
を作製して提出して下さい。 それから文部省の初中局ではなかったかと思いますが、昨年三十七
年度
の、「三十七年七月日教組第二十四回定期大会一九六二
年度
運動方針案の
趣旨
、
文部省初等中等
教育
局地方課」、
資料
番号として「三七日教組
資料
番号No1」、こういう
資料
を出した記憶がありますか。
福田繁
25
○
政府委員
(福田繁君) その
内容
を存じませんが……。
豊瀬禎一
26
○
豊瀬
禎一君 こういうものです。
福田繁
27
○
政府委員
(福田繁君) 初中局の名前が入っておれば、私のほうで作製した
資料
であろうと思います。
豊瀬禎一
28
○
豊瀬
禎一君 地方
課長
きておりますか。――こういう
資料
を出しましたか。
今村武俊
29
○
説明員
(今村
武俊
君) 出しております。
豊瀬禎一
30
○
豊瀬
禎一君 それから三十七年八月「日教組と階級闘争」という同様の
資料
を文部省初中局、同じ地方課から出した
資料
がございますが、それも同様ですか。
今村武俊
31
○
説明員
(今村
武俊
君) 出しております。
豊瀬禎一
32
○
豊瀬
禎一君 それから、三十七年九月
初等中等教育
同名だったと記憶しておりますが、「
教育研究団体
育成強化」という
資料
がありますが、これも同様、文部省で出しましたか。
今村武俊
33
○
説明員
(今村
武俊
君)
内容
を拝見しなきゃちょっとわかりませんが、
教育研究団体
の育成強化に関するPR
資料
を出したことがございます。
豊瀬禎一
34
○
豊瀬
禎一君 それからもう一つ、これはすでに局長の答弁済みですが、「
高等学校
生徒
急増対策と高校全入運動」の可否、これはすでに出されたように答弁されておりますが、以上の
資料
を次期
委員会
に提出願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
福田繁
35
○
政府委員
(福田繁君) ただいま聞きましたところ、
教育
委員会
に配付した
資料
でございまして、もう余部がないそうでございます。御了承願いたいと思います。
豊瀬禎一
36
○
豊瀬
禎一君
教育
委員会
というのは、都道府県
教育
委員会
という意味ですか、地方
教育
委員会
ですか。
福田繁
37
○
政府委員
(福田繁君) これは都道府県
教育
委員会
に配付した
資料
でございます。
豊瀬禎一
38
○
豊瀬
禎一君 都道府県に何部配付しましたか。
福田繁
39
○
政府委員
(福田繁君)
調査
いたしましてお答えいたしたいと思います。
豊瀬禎一
40
○
豊瀬
禎一君 私の都道府県
教育
委員会
から聞いたところでは、かなり部数を出しているようです。私も都道府県
教育
委員会
から、こういうありがたい
資料
がきておりますが、文部省は非常に日教組の運動方針の
説明
まで触れて親切ですねと言ってもらったのですが、その
資料
が本
委員会
に一部も提出できないのは、手元にも残っていないということですか。
福田繁
41
○
政府委員
(福田繁君) 今残部がないそうでございます。
豊瀬禎一
42
○
豊瀬
禎一君 それではこの発行の責任は、今私が読み上げたものはすべて地方課と判断してよろしいですか。
福田繁
43
○
政府委員
(福田繁君) 私のほうで
調査
した
資料
は、すべてそうでございます。
豊瀬禎一
44
○
豊瀬
禎一君 それでは
資料
がないということですが、この
内容
について審査をするために、私の持っておる
資料
をお貸ししますので、その
内容
に間違いなければプリントして配布してくれませんか。
福田繁
45
○
政府委員
(福田繁君) 努力いたします。
豊瀬禎一
46
○
豊瀬
禎一君
資料
について最後にもう一点だけ確認しておきます。都道府県
教育
委員会
に日教組という職員団体の運動方針の詳細が、何々県がどういう修正案を出したとか、会場の案内図とか、いろいろなきわめて詳細なものが入っておるし、「日教組と階級闘争」という中にも、いろいろな
資料
があるのですが、一つだけ取り上げてみますと、運動方針の要旨というのは、どういう
趣旨
で都道府県
教育
委員会
にこういう
資料
を配付したのですか。
福田繁
47
○
政府委員
(福田繁君) そういう
資料
を作ります
趣旨
は、もちろん日教組の事業の進め方あるいは日教組の
考え方
というものを都道府県
教育
委員会
に知ってもらうことが必要でございますので、こういう見地から実体を知ってもらう意味において
資料
を作ったわけでございます。
豊瀬禎一
48
○
豊瀬
禎一君 先日来、東京都で、名前は忘れましたが、別個の職員団体が結成大会を開いたやの
趣旨
が載っておる。荒木
大臣
も当
委員会
に出席して言っておりますが、その運動方針あるいは性格等についても、同様、都道府県に配付しましたか。
福田繁
49
○
政府委員
(福田繁君) 先だって発足いたしましたものは、私の知っている限りにおきましては、職員団体ではないと思いますが、会の性格なり、今後の運動の進め方等につきましては、必要に応じまして都道府県
教育
委員会
にこれから知らしたいと考えております。
豊瀬禎一
50
○
豊瀬
禎一君 その費用は
予算
のどこから出しましたか。
福田繁
51
○
政府委員
(福田繁君)
資料
の作成費は庁費から従来出しております。
豊瀬禎一
52
○
豊瀬
禎一君 総額幾らですか。日教組
関係
の
資料
、高校全入は除きます。
福田繁
53
○
政府委員
(福田繁君) これはちょっと調べてみないとお答えできませんので、
調査
いたしましてお答えしたいと思います。
豊瀬禎一
54
○
豊瀬
禎一君 ほかに文部省として、団体の運動方針、性格等について
資料
作成して、地方
教育
委員会
の
資料
としたことがありますか。
福田繁
55
○
政府委員
(福田繁君) 最近私の記憶しておりますのはそんなことと思いますが、従来いろいろ
資料
を作成して、都道府県
教育
委員会
に必要な
資料
を配付するということをいたしております。過去においてもそういうことはあったと思います。
豊瀬禎一
56
○
豊瀬
禎一君 三十五
年度
以降について、他のあらゆる団体に対して文部省が国の
予算
を使って、
資料
として地方
教育
委員会
等に配付した
資料
の名称、団体の運動、性格の
概要
、構成員、それからその
資料
の
内容
の大略、実物があれば実物を、なければ今申し上げたのを提出してもらいたいと思いますが、よろしいですか。
福田繁
57
○
政府委員
(福田繁君)
調査
いたしまして、できる限り御要望に沿いたいと思います。
豊瀬禎一
58
○
豊瀬
禎一君 三十六
年度
の日教組に関しては、大会の情勢を大体三十七
年度
出した
資料
に近いような諸
内容
をもって出しておりますか。
福田繁
59
○
政府委員
(福田繁君) 記憶がございませんので、それも
調査
いたしたいと思います。
豊瀬禎一
60
○
豊瀬
禎一君 次に、学力テストの結果の問題ですが、白紙を出したものについて統計をする際に、
実施
した人数に入れて、白紙については零点として取り扱え、こういう画一的な指導を都道府県
教育
委員会
にしましたか。
天城勲
61
○
政府委員
(天城勲君) いわゆる白紙答案でございます。これは零点として計算の中に含めるようにいたしました。
豊瀬禎一
62
○
豊瀬
禎一君 そういう指導を都道府県
教育
委員会
にしましたか。
天城勲
63
○
政府委員
(天城勲君) これは結果の処理のいろいろこまかい取り扱いの中にそれを含めて
教育
委員会
にはいたしました。
豊瀬禎一
64
○
豊瀬
禎一君 学力テストは全部記名でしたか、
生徒
の名前は。
天城勲
65
○
政府委員
(天城勲君) 記名でございます。
豊瀬禎一
66
○
豊瀬
禎一君 答案は書いてあるけれども、無記名なものについても同様零点として取り扱うように措置されましたか。
天城勲
67
○
政府委員
(天城勲君) 記名によって答案の利用を左右するという
趣旨
ではありませんので、無記名であっても同じ扱いをいたしております。
豊瀬禎一
68
○
豊瀬
禎一君 同じ扱いというのは、答案がかりに百点であっても無記名のものについてはゼロとして扱え、こういう指導をしたということですね。
天城勲
69
○
政府委員
(天城勲君) 全然その逆でございます。
豊瀬禎一
70
○
豊瀬
禎一君 口頭で東京都
教育
長に、今私が言ったように、採点はできても無記名のものはゼロとして取り扱えと口頭で指導要請を行ない、同様なことが東京都内の
教育
長に都の
教育
委員会
から行なわれたと、私は
教育
委員
に直接会って確かめたところ、その
教育
委員
もそのことを認め、都の
教育
長に対して抗議を申し込んだという話を聞いているのですが、そういうことをやったことはありませんか。
天城勲
71
○
政府委員
(天城勲君) 今私の知っている範囲でも、そういうことを東京都に申したてたことはございませんので、所管の
課長
にそのことを確めたところですが、私のほうで東京都の
教育
委員会
にそういうことを指導したことは覚えておりません。
豊瀬禎一
72
○
豊瀬
禎一君 単に東京都だけでなくて、福岡県にもそういう事態が起っていると私は承知しているのですが、
国立
の
教育
委員
が私に話したところによりますと、
国立
の
教育
長に対して秘密の指示として出されたので、
教育
委員
に諮らずしてそういう措置をしました。どこから来たかと調べたら都の
教育
長、都の
教育
長に会ってみると文部省からの秘密の指示である。この当該
教育
委員
に十一月に自宅で会ってそのことを聞いたのですが、
調査
局はもとより、文部省としては一切そういう措置は行なっていない、こういうふうに理解してよろしいですか。
天城勲
73
○
政府委員
(天城勲君)
調査
の結果の処理の扱いにつきましては、私たちも都道府県にいろいろの指導をいたしましたけれども、私たち今記憶している範囲では、そういうことをした記憶はございません。
豊瀬禎一
74
○
豊瀬
禎一君
調査
局ではした覚えがないということですか。文部省として学力テストに関する限り、記名をしないものはゼロとして取り扱う。したがって、当該地域の平均点が悪くなる。だからお前のところの指導が悪いのだ、こういう意図を持った指導は一切文部省から指導要請は行なわれていない。その
国立
の
教育
委員
がもしそういうことを私に言ったとすれば、それは虚言である。このように文部省として責任をもって御答弁できますか。
天城勲
75
○
政府委員
(天城勲君) 今、
豊瀬
先生おっしゃったような意図でございますね。私たちこの
調査
につきまして、今お話しになったような意図はそもそも全然ございませんものですから、それを意識して、無記名答案に対する特別な措置というようなことを初めから考えたことはございません。
豊瀬禎一
76
○
豊瀬
禎一君 次に、佐賀県農業
高等学校
の学力テストが、新聞記事に報道されましたが、かなり多くの
生徒
が
実施
に加わらなかったようですが、その結果について、文部省として
調査
をしたかどうか、したとすれば、それはいつごろ
調査
を始めたか。何月何日ときちんと言わなくてもいいです。
天城勲
77
○
政府委員
(天城勲君) 三十七
年度
の
高等学校
の一斉学力
調査
につきまして、
実施
後、各県から
実施
状況の報告を受けております。その中に、各県でいろいろその
実施
の状況が報告されておりますが、それに基づいて私どものほうで、特定の
学校
について特別の
調査
をいたしたことはございません。
豊瀬禎一
78
○
豊瀬
禎一君 次官にお尋ねいたしますが、文部省が支出する
補助金
が懲罰的な意味を含んで運用されるということは好ましいことだとお考えですか。
田中啓一
79
○
政府委員
(田中啓一君) そもそも
補助金
というものは、罰金とは違うのでございますから、一体、懲罰の手段に使われるということは、あり得ないことで、また、もし使えば、それはもちろん不適当なことだと思います。
豊瀬禎一
80
○
豊瀬
禎一君 たとえば、何々県は学力テストの
実施
成績が悪い、したがって、
補助金
は申請してきても、
教育
長が、文部省のお役人の皆さんにいじめられる、あるいは一度きめておったものを出さないようにする、こういうことは望ましいことだとお考えですか。
田中啓一
81
○
政府委員
(田中啓一君) そういうことを、私は文部省はいたしておらぬと承知をいたしておるのであります。どこまでも私は、研究そのものの、ぜひやってもらいたいような方向にあるかどうか、こういうようなところにもっぱら主眼を置いて
補助金
は出しておるものと、かように考えております。
豊瀬禎一
82
○
豊瀬
禎一君 それでは、学力テストを
実施
しなかったから、すでに
補助金
を交付することを決定しておったところに対して
補助金
を交付しないという措置が、文部省で行なわれたことはないという御回答ですか。
田中啓一
83
○
政府委員
(田中啓一君) その点は、実は私一々承知をいたしておりませんので、調べてみなければわかりませんが、また決定というのが、どのような段階の決定かも、私よくお話の意味がわかりませんが、いずれにしましても、研究団体の性格でありますとか、あるいは研究テーマでありますとか、研究
内容
でありますとかというようなことを主眼にして
補助金
は決定しておるものと、かように私は考えておるわけであります。
福田繁
84
○
政府委員
(福田繁君) ただいま御質問のことから想像いたしますと、佐賀農業
高等学校
の
補助
の問題であろうかというように想像いたしたのでございますが、私も、佐賀農業
高等学校
の……。
豊瀬禎一
85
○
豊瀬
禎一君 想像して答弁してもらっては困る。
福田繁
86
○
政府委員
(福田繁君) 当時、学力
調査
について、いろいろ問題があったことは新聞で拝見をいたしておりました。今、佐賀農業
高等学校
というお話が出ましたので、その
学校
の問題としてお答えを申し上げたいと思います。この
学校
につきましては……。
豊瀬禎一
87
○
豊瀬
禎一君 一般的な問題として質問をしているのです。そういうことでしたら、答弁の必要はありません。 次官に再度お尋ねいたしますが、一つ一つの、個々の現象は御存じないのは当然だと思います。だから、そういうことではなくして、学力テストにしろ、勤務評定にしろ、あるいは日教組組合員が多数脱退をしたための論功行賞として、その脱退者で構成されている諸団体に、その意味における奨励、報償として
補助金
が出される、こういったことは文部省としてはあり得ないことである、このように再確認してよろしいですか。
田中啓一
88
○
政府委員
(田中啓一君) そのとおりでございます。
豊瀬禎一
89
○
豊瀬
禎一君 それじゃ質問を続けます。先ほど局長が答弁しかかったように、私はその一つの事例として、佐賀農高の畜舎の問題に関する経緯について質問したいと思っております。佐賀農高が、畜舎の
建設
に関して、文部省に対して
補助金
交付の要請を、
調査
書を出したのはいつごろですか。
福田繁
90
○
政府委員
(福田繁君) 時期は記憶いたしておりません。
豊瀬禎一
91
○
豊瀬
禎一君 文部省が、大体
補助金
が出せるようだという内報をしたのま……。
福田繁
92
○
政府委員
(福田繁君) 明確な時期を覚えておりませんけれども、大体、産振の
補助
等につきましては、例年、大体九月ごろ――八月ないし九月ころきまるのが例でございます。だから県側からの要望がありまして、大体
補助
として
対象
になり得る
学校
を仮決定するわけであります。そういう時期は大体九月ごろではなかったか、あるいは八月の末であったかもしれません。そういう時期だと考えております。
豊瀬禎一
93
○
豊瀬
禎一君 それじゃ逆に聞きましょう。佐賀農業
高等学校
を変更して、神埼農業
高等学校
に交付金を出すことを決定したのはいつですか。
福田繁
94
○
政府委員
(福田繁君) 私の記憶では、県側からのお話がありましたのは十一月ごろではなかったかと考えております。
豊瀬禎一
95
○
豊瀬
禎一君 すでに神埼農業
高等学校
は工事に移っていますか。
福田繁
96
○
政府委員
(福田繁君) 工専に移ってなかったはずでございます。
豊瀬禎一
97
○
豊瀬
禎一君 現在移っていますかという意味です。
福田繁
98
○
政府委員
(福田繁君) 現在の事情は、報告を得ておりませんので
調査
いたさないとわかりません。
豊瀬禎一
99
○
豊瀬
禎一君 佐賀農高から神埼へ変えたいという県
教育
委員会
の申請書の理由はどういうことですか。
福田繁
100
○
政府委員
(福田繁君) 理由としては、私の承知しておりますのは、佐賀農業高校に一応申請をしたいということでございましたけれども、いろいろ
学校
の事情等について、これは一応見送って、ほかの
学校
にしたほうが今年は工合がいいというお話でございましたので、そういう理由に基づいて私どもも変更をすることを認めたわけでございます。
豊瀬禎一
101
○
豊瀬
禎一君 十一月一日、すでに稲富組によって起工式を行ない、工事を開始しておったもの、言いかえますと、県議会で
予算
を支出して文部省の
予算
もその意味においてはすでに執行されておった問題を、突然中止さして他校へ移すというのは、これは単に佐賀県だけでなく、全国的にも異例な問題だと思う。その理由はどういうことですか。
学校
の事情で、こうおっしゃったのですが、すでに
予算
の執行に移っているのですよ、十一月一日に。それを
学校
の事情で変更します、ああそうですか、それじゃお隣に移して下さい、文部省の
補助金
というのはそんな無責任なものですか。
教育
委員会
が変更したいという理由は、単に
学校
の事情ということでしたが、もっと理由が明らかになっておれば、その理由を明らかにして下さい。
福田繁
102
○
政府委員
(福田繁君) 書面に何と書いてあったか記憶いたしませんけれども、私が県の方から伺った話では、今申したように、
学校
にいろいろ問題があり、今
年度
の
補助金
の交付については一応これは延ばして、そうして、他に非常に緊急な
学校
もあるので、これを
対象
にしてもらいたい、こういうような意見でございました。そういうようなことに基づいて、私どももその変更については了承したわけでございます。
予算
の執行に入っているということは県側から伺っておりません。まだ着手はしてないということでございまして、その点、われわれとしてもこれは慎重に考えて、再三県側に、この工事の執行にかかっているかどうか、あるいはその変更が非常に支障があるかどうかということについては十分慎重にやってもらいたいということを申し上げたわけでございます。
豊瀬禎一
103
○
豊瀬
禎一君 なかなかごりっぱな措置が行なわれたように答弁しておられますが、すでに正式に県議会においても、着工しておったことは本会議の席上で
教育
長も認めておるし、そのことが新聞に載ったことはあなた方御承知なはずです。したがって、十一月一日に着工を行ない、二十九日に正式に決定したのですが、十一月八日までの間に工事中止の措置があっておるようですが、その一週間の間に県の
教育
長は、文部省に対しては、着工をしておるけれども変更するということを話したと、こう言っているのですが、着工したという事実をあなたは全然御存じなかった。それは間違いないですか。
福田繁
104
○
政府委員
(福田繁君) 私は着工したというようには聞いておりませんでした。
豊瀬禎一
105
○
豊瀬
禎一君 何と聞きましたか。
福田繁
106
○
政府委員
(福田繁君) まだいろいろな
準備
はやっていると考えておったわけでございますけれども、工事に具体的に着手をしておるというようには県側から報告を受けておりません。
豊瀬禎一
107
○
豊瀬
禎一君 あなたが受けていないという意味で、職業
課長
ですか、直接担当の
課長
は受けておったのじゃないですか。
福田繁
108
○
政府委員
(福田繁君) 職業
課長
も同様でございます。したがって、私どもとしては、その点は非常に慎重に考えまして、職業
課長
からも向うの担当官に、その点を慎重にいたして支障のないようにやってもらいたいということは再三注意をいたしたはずでございます。
豊瀬禎一
109
○
豊瀬
禎一君 それでは県
教育
委員会
が外部――新聞、県議会等で、十一月一日に起工式を行なって工事に着手したという旨は文部省にも報告しておるということは虚言である、こういう御答弁と解してよろしいですね。
福田繁
110
○
政府委員
(福田繁君) 虚言であると私は断定できませんけれども、工事に着工しておったということは一つも聞いたことはございません。
豊瀬禎一
111
○
豊瀬
禎一君 一度も聞いたことがないことを言っておれば虚言でしょう。虚言などとは申しませんとおっしゃるのですか。何言ですか、それでは。失言ですか、言葉じりじゃなくして、うそでしょう。それはうそであると、こうおっしゃっているのでしょう、どうですか。
福田繁
112
○
政府委員
(福田繁君) 佐賀県の
教育
長がどういう工合に議会でお答えしたかわかりませんが、私どものほうと佐賀県の
教育
委員会
との折衝の過程におきましては、そういうことはなかったということを申し上げておるわけでございます。
豊瀬禎一
113
○
豊瀬
禎一君
学校
の内部にごたごたが起こった、これが一つ。それからもう一つは、緊急に畜舎を作る事態が生じた、これが主たる理由である。このように理解してよろしいですか。
福田繁
114
○
政府委員
(福田繁君)
補助金
の
対象
になる事業としては、各県で一つに限らず、幾つも方法を持つわけでございます。佐賀県の場合も、たまたま佐賀農業高校の近代化
補助金
ということを要望しておりましたけれども、他にもそういう
学校
で
対象
にしなきゃならぬものが
予算
の
関係
でできなかったわけでございます。したがって、まあ佐賀県としてはいろんな事情から、Aの
学校
よりBの
学校
のほうが今年は適当だと、こういうような判断で自主的におやりになったことだと思います。その点については、私どもとしては県の
教育
委員会
の方針を尊重してやるということでございます。
豊瀬禎一
115
○
豊瀬
禎一君 他にも
農業近代化
資金というのは支出してある一わけでしょう。したがって、佐賀県
教育
委員会
の報告によれば、十月二十三日には内定が、通知があり、十月二十四日には佐農と決定して、
補助金
がくるということが決定、正式に文部省から通達があった。したがって、十月二十九日には稲富組と契約して工事にかかることにして、十一月一日に工事にかかりましたと、こう言っておる。これが他に緊急に、たとえば神埼に畜舎を
設備
する理由が生じた。だから何かわからぬけれども、県の事情があろうということで、確たる理由も聞かないままに変更を認めたのですか。それとも佐農は佐農として畜舎の
補助
は出す、神農は神農に新たに出す、こういう措置をとったのですか。
福田繁
116
○
政府委員
(福田繁君) 佐賀農業高校に、将来にわたって
補助金
を出さないということではなくして、やはり産振の
補助
としては、
補助
の効果を高める意味においては、やはり
学校
が正常な
運営
が行なわれておるということが必要でございます。そういった意味で、私どもとしては、できる限り
学校
側の受け入れ態勢が整っておるところにこの
補助
を交付する、こういうような
考え方
でございます。したがって、県がそういう問題について、Aの
学校
よりもBの
学校
にことしはやってもらいたい、来年はAの
学校
のほうにやってもらいたいというような、こういう変更は佐賀農業高校だけじゃなく、今までいろいろあったわけでございます。そういう場合には県側の意向をできる限り尊重して
補助金
を支出する、こういうふうにやっておるわけでございます。
豊瀬禎一
117
○
豊瀬
禎一君 そういう答弁では了承できません。すでに起工式を始めて、県議会としても正式に着工したことを認めておるのを、理由がわからずに、ちょいちょいそういうことがありますから認めますと、
補助金
交付というのが、そんな何といいますか、無定見な方法ですべてやられておる、こういうふうに理解してよろしいのですか。県の事情が、お家の事情がそうしたすべて何か
学校
の正常な
運営
ができてないとか、受け入れ態勢が悪いとかいうあなた自身の判断を出しましたが、あなた自身の判断は後にまたお尋ねするとして、着工しておるものを変更するについて、それはよくある例だから変えます、ああそうですかと、この程度の判断をして、常に
補助金
の交付ももちろんのこと、
対象
の変更も行なっておる、今の答弁ではそのとおりですが、すべてそういう取り扱いをしておると理解してよろしいですか。
福田繁
118
○
政府委員
(福田繁君) 仮決定をいたしました後におきまして、
補助金
を正式に決定して交付に至るまでの間にいろいろ変更の生ずることは、これは佐賀県のみならず他の県でもあることでございます。たまたま佐賀県の問題につきましては、今おっしゃいましたような学力
調査
の問題等があったことでございますけれども、これは何も学力
調査
に限ったことでなく、受け入れ態勢が十分でなくて一年延ばしたいというところも相当あるわけでございます。そういうところで支障がなければ他の
学校
に振りかえていくということは従来ともやったわけでございます。
豊瀬禎一
119
○
豊瀬
禎一君 佐賀農業
高等学校
の場合は一般的な理由に基づいて変更をした、こういう御答弁ですか。
福田繁
120
○
政府委員
(福田繁君) 特別な理由というよりも、県の申請についての意見によって、先ほど申し上げましたように、本年は他の
学校
にしたいという、たっての御要望でございますから、そういうふうに変更したわけでございます。
豊瀬禎一
121
○
豊瀬
禎一君 そうすると、やはり変更の理由が問題になってきますが、あなたがおっしゃるように、
学校
が正常に
運営
されていない、受け入れ態勢が整っていない、これが佐賀農業の場合の理由であると、こういう御答弁ですか。
福田繁
122
○
政府委員
(福田繁君) 私、先ほど申し上げましたのは、そういう事情を新聞等で拝見したわけでございまして、そういうこともあろうかというふうに考えたわけでございます。
豊瀬禎一
123
○
豊瀬
禎一君 そうすると、佐農の場合は県
教育
委員会
が変えたいという理由はどういうことですか。
福田繁
124
○
政府委員
(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、ことしは神埼農業でございましたか、神埼農業のほうにやらしたい、そのほうが適当だ、こういうような意見でございました。
豊瀬禎一
125
○
豊瀬
禎一君 佐賀県議会において、十二月二十二日、米満議員の質問に答えて、これは速記録のそのままの抜粋ですが、西村
教育
委員長
代理と原
教育
局長ですか、どちらも決定前に、文部省から工事中止の正式の意思があったのは八日だといって、中止決定は二十九日ですね、これまでに至るまでに文部省といろいろ事前に意見の交換を行なったということを認めると同時に、堤
教育
次長は、「文部省に指定を取り消さないように再三陳情したが、同省中等
教育
局職業課では、白紙答案問題を理由に、県
教育
委の願いを聞き入れなかった、こういう新聞発表を教組立ち会いの上で行なうと同時に、このことに対して西村
教育
委員長
代理は、その新聞発表は、間違いと申しておるのではありません、経過的にはそういうことがあったでしょう。しかし、結果においては県
教育
委員会
が自主的に決定をして文部省に申請の変更を行ないました。」、こう言っている。この堤
教育
次長が言ったこと、西村
教育
委員長
代理が県議会で言ったこと、すなわち文部省の職業
教育
課長
が、佐賀農業
高等学校
は学力テストで白紙を出したから、そういう不届きな
学校
には
補助金
を出せないから変更せよと強い要請があった、そのためにやむなく変更したと、こう言っておるのですが、事実は認めますか。
福田繁
126
○
政府委員
(福田繁君) その新聞は私見ておりませんけれども、そういうことがあるはずはないと思っております。私のほうの職業
教育
課長
も、その問題について当時私に報告をいたしたわけでございますけれども、そういう白紙答案が出たから云々ということで
補助金
を交付しないということではございません。先ほど申し上げましたように、その問題は関連はないわけでございまして、県側の
補助金
交付についてのこの
考え方
について変更があった、
計画
を変更したい、こういうことに基づいてやったわけでございまして、いろいろ当時その
学校
自体が新聞の種になっておりましたので、そういう問題に関連したかのように誤解を生じたということは、これは遺憾でございますけれども、私はそういうことのないように、特に
教育
委員長
にお会いしたときにも、
教育
長に最後にお会いしたときにもその点を注意をいたしまして、そういうことのためにこれをやめたというような感じを持たれることは困る、したがって、県側としては、今ほかの
学校
に変更して非常な支障は生じないかどうかということを念を押しまして私は認めたわけでございます。したがって、河上職業
教育
課長
としても、それに対して県の
教育
次長でございましたか、当時一ぺん上ってきたという次長に対しまして、その点を念を押してお答えを申し上げたはずでございます。
豊瀬禎一
127
○
豊瀬
禎一君 そういうふうに言わないと問題が起こるから、そう言いなさいと、文部省が、学力テストの答案が白紙であったからやめさせたんだと言われては困ると、そういう意味においてはあなたの答弁は正しい、あなたは勝手に
教育
委員会
の理由を今答弁しましたが、県議会において
教育
委員会
の
委員長
並びに
教育
長は、学力テストを
生徒
が拒否したから、そういう
学校
は今
年度
は県の
考え方
として最終的には畜舎は
建設
してやらぬ、おとなしくなった場合にはやるのだ、こういう
趣旨
の答弁をしているのです。県
教育
委員会
も、あとになって、あなたから今言われたように、文部省が言ったと言ってはたいへんだから、そんなことを言ってはいかぬぞと、今あなたが答弁をされたような口どめに対して、
教育
委員会
は自主的に決定しましたと、こう県議会でも言っている、その意味においては正しい。しかし理由はですよ、県
教育
委員会
が議会で答、えたのは、学力テストをやらなかったから、そんな
学校
は変えましたと言っておる。あなたが、全く県
教育
委員会
の変更の理由を、うそを言っているのじゃありませんか。あなたのほうには、県
教育
委員会
から変更の理由がわざわざ上ってきたんですから、その際に何かとお尋ねになった、大体お尋ねになったのでなくして、学力テストを
実施
しなかったから取り上げるぞとおっしゃったのですけれども、あなたそうおっしゃらないなら、それでもかまいません。県
教育
委員会
としては、変更の理由を明らかに学力テスト不
実施
としておる、これあなた今日まで御存じなかった、こういう答弁ですか。
福田繁
128
○
政府委員
(福田繁君) 私はその速記録を、そういうものは読んでおりませんけれども、県側からの報告なり
説明
は、私が先ほどから申し上げたとおりでございます。私はそれについて、県側に対して口どめをしたとか、あるいは答弁の仕方を指導したというようなことはございません。それは断言しておきたいと思います。
豊瀬禎一
129
○
豊瀬
禎一君 職業
課長
は何といいましたか。
福田繁
130
○
政府委員
(福田繁君) 河上職業
課長
でございます。
豊瀬禎一
131
○
豊瀬
禎一君 河上
課長
出席しておりますか。
福田繁
132
○
政府委員
(福田繁君) 出席しておりません。
豊瀬禎一
133
○
豊瀬
禎一君 そうすると、米満議員の質問に答えて、森
教育
長並びに西村
教育
委員長
代理が議会で答弁したのは、文部省の河上職業
課長
が白紙答案問題を理由に県教委の指定を取り消させるように再三陳情したけれども、これを聞き入れなかった、これは経過として正しいことであるが、最終的には
教育
委員会
がきめたのです。これが議会における答弁ですが、そういうことは一切、職業
課長
も行なっていない、こういう答弁ですね。校長は職員会議において、十一月の何日でしたか、全体に対して、県
教育
委も学力テスト不
実施
で
補助金
を変更されるのは好ましくないという
考え方
で文部省に非常に努力をしてくれました。しかし、河上なる職業
課長
が非常に強硬に変更を要求して、うちの
学校
では取りやめになりました。皆さん、今後こういうこともあるから、信徒の指導については十分警戒して下さい、これは校長もはっきりと職員会議に、堤次長の話を聞いて報告いたしましたと、こう言うのです。あなたは県議会における森
教育
長、西村
教育
委員長
の答弁の
内容
も、それから当該
学校
の校長が職員会議に正式に報告した
事項
もすべてうそである、こう断言できますか。文部省が
計画
変更を強制したという点について、すべてうそである、
学校
長の報告も県議会における答弁も虚言である、このように断言できますか。
福田繁
134
○
政府委員
(福田繁君) 当時その佐賀農業高校の学力
調査
問題が非常に話題をにぎわしておりましたことは承知しておりますので、そういう問題が、いろいろ県側の係官との間に話として出たということは、これは想像されますけれども、河上職業
課長
がそのためにこの
補助金
を出すなということを言ったはずはないと思っております。
豊瀬禎一
135
○
豊瀬
禎一君 言ったはずはないという想像ですね。私が質問しているのは、あなたに明確に答えてもらいたいのは、何度も言うように、十二月の県議会の速記録によるところの、特に西村
教育
委員長
の答弁、あるいは森
教育
長の答弁の中で、文部省が学力テスト不
実施
を理由に
補助金
の変更を強く求めたということは虚言である、虚言でない、どちらですか。
福田繁
136
○
政府委員
(福田繁君) 私申し上げているのは、当時、河上
課長
から報告を聞き、当時の折衝の話を聞いたのでございますが、その際に、そういう指導を河上
課長
がしたということは私は報告を受けておりません。したがって、ないと思っております。それどころか、むしろ県側から、今年は延ばすけれども、来年はぜひ考えてもらいたいというような話がありました際に、それは十分ひとつ考慮しようというような話すらしたということを私は聞いております。そういう意味で、その学力テスト
調査
云々の問題は、河上
課長
の
補助金
交付の問題とは私は
関係
ないと考えております。
豊瀬禎一
137
○
豊瀬
禎一君 議会でうそを言っちゃいかぬですよ、私の個人的な話じゃないから。県
教育
委員会
は、学力テストを
実施
しなかったから、県
教育
委員会
の、最終的には自主的な責任において変更しましたと言っているんですよ、あなたが学力テストと
関係
ないということで、勝手なうそを言ったって、当該所管の県
教育
委員会
が学力テストが理由だと、こういっているのですから、その理由まであなたがねじ曲けて答弁することはないでしょう。そのことだけ取り消しなさい。
福田繁
138
○
政府委員
(福田繁君) 県側がどういう答弁をなさったか、それは私は知りませんが、先ほど来申し上げましたように、県側から私のほうに話のありましたのは、県側の方針として、本
年度
は見送って、ほかの
学校
に変えたい、こういうことでございましたが、その
学校
も当然
補助
の
対象
になり得べき
学校
でございます。したがって、必要性のあるところでございますので、私としてはその変更を了承したということでございます。
豊瀬禎一
139
○
豊瀬
禎一君 そうすると、また先ほどの答弁と違ってくるのじゃないですか。
学校
運営
が正常に通常されていないというあなたの答弁の
内容
は、学力テストでごたごたしたということじゃないですか。
福田繁
140
○
政府委員
(福田繁君) 先ほど申し上げましたように、その点については私も当時新聞等で拝見しておりますので、そういうこともあろうかというように考えたわけでございます。県側からそれを明確に私どものほうに申し出たということはございません。
豊瀬禎一
141
○
豊瀬
禎一君 そうすると、あなたの判断の中にあった学力テスト不
実施
という事態は、
学校
が正常に
運営
されていたいのだという判断になる、その判断は、やがて官側のほうが変更するという理由を正当化する判断と変わっていった、このように理解してよろしいですか。
福田繁
142
○
政府委員
(福田繁君)
学校
側において受け入れるについて、いろいろ問題があれば、それは見送るもやむを得ないというふうに私は考えたのでございます。
豊瀬禎一
143
○
豊瀬
禎一君 田中次官にお尋ねしますがね、学力テストを
生徒
が拒否した、だから
農業近代化
資金の高校
補助
を行なわない、変更する、こういうことは
補助金
の性格から考えて望ましいことでしょうか、それとも望ましくないことでしょうか。
田中啓一
144
○
政府委員
(田中啓一君) 私はそういうことは、
学校
の
運営
が正常でないというのが理由と実は思うのであります。しかし、何分にも文部省は多数の
補助
対象
を持ってそれを決定していかなければならないのであります。したがって、まあ私の見ておるところでは、
小学校
、
中学校
、
高等学校
の
施設
に対する
補助
というような問題は大体県の申請に基づいてやっておる。まず適当であろうと判断ができれば、それに基づいてやるということでございますから、県の判断には今の学力
調査
の問題もございましただろうと、これは私が想像するのでございますが、まただれでも想像するであろうと思いますが、しかし、
補助
の
対象
を一応仮決定をしておったのを、その県の意思に基づいてより適切なところへ
補助金
を回したい、こういうことにしたのを、その県の意思に基づいて文部省も変更した、こういう私はことであろうと判断をするのであります。したがって、あなたのおっしゃるようなものの
考え方
でやっておるのではございませんから、あなたの御質問の右か左かということには直接あてはまらんでありましょうけれども、もともとあてはまらん話で、私どもは今のように考えてやるし、今後もそのつもりでおります。
豊瀬禎一
145
○
豊瀬
禎一君 もともとあてはまっておるのですけれども、お答えがあてはまっておらないのが残念ですが、
昭和
三十七年十二月定例県議会会議録、これによりますと、森
教育
長は米満議員の質問に答えて、そういう白紙を出すような
学校
は、これはあと回しにすべきであるという
考え方
に立ちまして、佐賀農業
高等学校
に予定しておりました分をただいま神崎の農業
高等学校
にこれを回すことにいたしましたと、はっきりお答えしておるのです、そこの議会で。だから変更の理由に明々白々、学力テストで白紙を出すような
学校
はあと回しにすべきである。この県議会の本会議における
教育
長の明確な答弁が、あなた方の勝手な恣意でねじ曲げられてはたいへんですよ。このことは県議会の議事録として明確に認めて答弁してもらわなければいけません。ただし、このことすらも否定しようとするなら別な話ですが、県議会で森
教育
長がうそを言ったのだと。そういう
農業近代化
資金を、ここで演説しようと思いませんが、たとえば学力が低いとか、あるいは文部省自体の
考え方
に立って、あの
学校
は好ましくないという校風、
教育
方針があろうとも、農業
高等学校
に対して近代化の資金を
補助
して
学校
の
設備
施設
を
充実
していく、そのことによって
教育
効果が
向上
していく、これが文部省の
考え方
であるべきであり、
教育
基本法十条に言うところの
教育
行政は
教育
諸条件
整備
に努むるのが本務である。それが務めのはずですよ。明らかに県教委は白紙提出に対して懲罰として予定変更をいたしましたと、こう答えている。このことを県教委が言ったか言わないかという水かけ論や、新聞を見ましたか見ませんかということ、あるいは本会議の速記録を見ましたか見ませんか、見ていない、といったようなたわごとではなくして、
補助金
を支出し、それを着工までしておるものを変えようとする文部当局が、その県教委の
考え方
――本会議で答弁した
考え方
を全然知らなかったといえば、全くあほうな話じゃないですか、話としてですよ、福田さんがあほうという意味じゃないですよ、話としてはあほうな話じゃないですか。それほど文部省というのは都道府県
教育
委員会
の申請あるいは予備費支出について無責任、無定見なやり方をしておると、こういう判断をせざるを得ぬですよ。角度を変えて、次官にお尋ねしますが、今私が速記録をそのまま読みます。速記録どおりですよ、「そういう白紙を出すような
学校
は、これはあと回しにすべきであるという(「そうだ」と呼ぶ者あり)
考え方
に立ちまして、佐賀農業
高等学校
に予定しておりました分を、ただいま神埼の農業
高等学校
にこれを
施設
、
設備
いたしたいという
考え方
に立ちまして申請をいたしておるところでございます。」、この県教委の森
教育
長が県教委の方針として議会の本会議で答弁をした。学力テスト白紙提出の懲罰として変更したということは明らかな事実です。この速記録を読み上げても、次官はさっきのような答弁をされますか。このことに対して次官としては、予備費の、すでに着工の変更という事態をどういう判断を下しますか。御答弁を願います。
田中啓一
146
○
政府委員
(田中啓一君) 着工という事実は文部省は知らぬという初中局長の答弁であります。私も知らなんだであろうと思います。それから結局、県教委の申請の変更であります。それを認めた
事項
であります。そこで、その変更の理由というものを私は佐賀県の
教育
委員長
代理なり、あるいは
教育
長は県議会で
説明
をしたということであろうと思うのでありますが、そのような
説明
も文部省はもちろん変更当時には承知はしておらなかったと思うのであります。で、どこまでも県教委の申請変更の動機、理由というものは、あるいはそういうことであったかもしれませんが、これまでも文部省は、仮決定後、申請変更に基づいて変更を認めた事実は一般的にあると初中局長は
説明
をしておるわけでございまして、やはり私はあくまでも県の
教育
委員会
の申請というものに基づいて決定をするという根本的態度を変えなんだまでのことだ、私はまず申請の理由にしても、どの
学校
を優先して――どうせ
学校
ではいろいろ寄宿舎も
補助金
で建つということになれば、やりたいにきまっておることでありますし、その他の
補助
についても同じであろうと私は思うのであります。
予算
は限られた
予算
ということで、それの取捨選択というものを一応県にまかせてやっていくという態度は将来も、どうもそれぞれほかにたくさんあって仕方がないので、まず一般的に認められる申請の事情、理由というようなものであれば、それに基づいてやっていくということに私どもはなろうかと思います。まあいろいろその際に注意したことなども、初中局長や職業
教育
課長
はあるように、今問答のうちで私も承知をいたしましたが、実際そのようなものであろうと、私としては一々判を押しておりませんので、一々のケースで念を押したこともありませんが、私はその人のやったことをうそと思うか、うそでないと思うかと言われても、こちらの知らぬことでありますから、これはどうも申し上げる限りではなかろうと、かように思うわけであります。
豊瀬禎一
147
○
豊瀬
禎一君 それでは問題をしぼってお尋ねしましょう。先ほど言いましたように、西村
教育
委員長
代理は、堤
教育
次長が新聞で言ったことは間違いじゃありません、経過としてはそういうことがあったでしょうと、こういっている。間違いじゃありませんということ、堤
教育
次長がいったということは、変更しないように文部省に再三再四お願いいたしましたけれども、白紙問題を理由に、まかりならぬという文部省職業
教育
課長
のお話でございましたということ。そして
教育
委員長
代理が、経過としてそのことの否定はできませんと、こう議会で答弁した。少なくとも、県議会で議員が質問をし議事録に残る問題を、私は文部省を相手にしてそんなうそが言えるとは思いません。それは、あなたは自分の部下ですから、佐賀県の
教育
長よりも、初中局長初め職業
課長
を御信用なさるのは自由ですが、新聞記者に大ぜいの
学校
や
教員
組合の代表がついて行って、そのとおり間違いございませんよといって報道している。それを議会で認めたというこの事実は、客観的に見ると、本
委員会
の答弁がどうあろうとも、文部省が、まず第一に、学力テストの不
実施
の段階から、県
教育
委員会
に対して
計画
変更を強く示唆してきたということはだれが考えても否定できない事実です。考えてもじゃない、そう答弁を議会でしておる。そのことをはっきり理解していただきたい。それから次には、新聞にも大きく載りまして、すでに着工しておる写真がが載っておったことも、
補助金
を変更してきたのだから、福田さんも、河上
課長
も見なかったとすれば、私もよほどこれはどうかしておると思うのですが、十月一日着工して、しかも土台工事にかかっておる、このことを田中次官、文部省がですよ、県教委から着工したかどうかを全然聞かないというととは理解できますか、こんなむちゃな話が。地方
教育
委員会
というのはそんな無責任なものだという理解ができますか。私の手元には稲富組からもらってきた設計図も、それからちゃんと契約もありますが、それだけじゃない、すでに十月一日起工したということはちゃんと県議会でも答弁しておる。着工しておるものを全然着手していませんといってうそをいって
計画
変更をする。こんなことが考えられますか、行政機関同士に。どう福田さんが強弁しようとも、知らなかったとすれば、無責任もはなはだしい。
予算
の支出がすでに行なわれておるのですから、着工という事実によって。私は、ある意味ではね、知っておらなかったということが問題重大だと思うのです。すでに着工しておる事態を知らないで
計画
変更に応じたというととは。これは次官、この点だけしぼると、事実としては着工しておるが、それを県
教育
委員会
がいわなかったか、いったかということは別問題として、事実着工しておるものを知らないで変更したというその責任は免れないでしょう。次官の御答弁をお願いします。
田中啓一
148
○
政府委員
(田中啓一君) 私はこの
補助金
申請の決定にあたりまして、それほど私は事実調べを十分にやっておるとは思いませんし、またやれるとも思いません。実に多数ですよ。とにかくまあ
小学校
幾つありますか、老朽だ、統合だというようなこと、産振
関係
またたくさんにございます。私は中にはもう機械など買っておって、それで
補助金
当てにして買っておっていうてくるというようなこともあり得ると実際思っております。それからまた建築でもですよ。急ぐぞというようなことでやってくることも私はあり得ると思います。というのは、こっちは下から上までたいてい事実を知っておる人間なんです。でありますから、今私が、初中局長が、まあ佐賀県の県議会における
教育
委員会
側の答弁はどうであれ、とにかく自分らは着工の事実というようなことは知らなかった、そういうことを聞いたことがないと、こう言っておるのでありますから、私はやっぱりそうであったろうと、かように信じております。
豊瀬禎一
149
○
豊瀬
禎一君 いや、お信じなさるのはけっこうです。私も信じるのはけしからぬと言っておるのじゃない。わざわざ上京して来て、着工しておるものを変更して、話し合いをした際にですね、文部省として着工の事実を知らないということは責任を免かれないじゃないですかと、こう言っているのです。たくさん
補助金
があるから、そういうの知らぬでもやむを得ぬことだと、こういうお考えですか。
田中啓一
150
○
政府委員
(田中啓一君) 私はやむを得ぬことだと思っております。
豊瀬禎一
151
○
豊瀬
禎一君 そういうばかげたことがあってもやむを得ない……。
田中啓一
152
○
政府委員
(田中啓一君) 私は非常に事が多いので、そう一々
補助金
支出に判は押しておりませんが、かりに私が引き受けてやると――局長もずいぶんやりました、ほかの役所でありますけれども――まずそのようなものであると私は思っております。だから、必ずしも知らなかったということはですね、責任とまでは思いません。
豊瀬禎一
153
○
豊瀬
禎一君 国の
予算
支出に対して、すでに着工しておるものを知らないということはやむを得ないことであるという次官のお考えだけはしかと肝に銘じておきます。次に、佐賀県教委が学力テスト問題で白紙を出したから変更した。この変更の理由について妥当だと思いますか。あなたの当初の答弁では、そういうことはあってならないという一般的な考えを私はただしたところでは、一般的な
考え方
はそれは間違いであるとおっしゃった。この具体的な佐賀県の問題としては正当であるか穏当を欠くか、どういうお考えですか。
田中啓一
154
○
政府委員
(田中啓一君) 佐賀県の
教育
委員会
の批評は私は差し控えたい、かように存じます。
豊瀬禎一
155
○
豊瀬
禎一君
補助
費の支出変更が行なわれておる理由についてですよ、批評じゃなくて、支出のあり方としてあなたの判断を差し控えんならぬというのはそれはどういうことですか。
田中啓一
156
○
政府委員
(田中啓一君) それはですね。その佐賀県
教育
委員会
の意思というものを尊重してやることでありますから、その変更の理由というものを私は全部が全部追及をして、そうしてその理由ならばいいとか悪いとか、そう私は追及すべきものとも思っておりません。要は、いろいろの理由がありましょう。それ以外にも理由があったかもしれぬと私は思っております。でありますから、今その佐賀県の変更理由というものが妥当であったかどうかということを今私がここで批評をする立場にはない、かように思っております。
豊瀬禎一
157
○
豊瀬
禎一君 次官、勝手なことをおっしゃっては困りますよ。ほかにたくさん理由があっただろうと思うと、そういう勝手な解釈をしては、この問題に対する本質の理解ができませんよ。県の
教育
長は、はっきりと、これが理由ですと、こう言っているのです。あなたがほかに勝手に理由を捏造しては困りますよ。まずそれが一つ。何度言ってもおわかりにならぬですね。予備費の支出が十月一日には着工という形で行なわれておった。これが学力テストで変更された。一般的な
補助
費の支出のあり方としてはそれは好ましくない。佐賀県教委の問題は差し控えたい。一向にあなたのお考えが一貫しないような気がするのですが、差し控えたいということは普通で理解しますと、好ましくないけれども遠慮したい、こういう意味だと理解するのですが、それでよろしいですか。けっこうだというのだったら、だれもさしっかえるものはおらぬです。差し控えるということは、批判をしておるから、それは自主性をある程度傷つけるというか、そこなうことになるから差し控えたい、こういう意味だと私は理解するのですが、よろしいのですか、そういう理解をして。
田中啓一
158
○
政府委員
(田中啓一君) 実は御質問の要点がはっきりつかめませんが、私が今まで答弁をしたとおりであるわけであります。それからなお明白に変更理由を県議会で
教育
委員会
側が
説明
をしておるので、それ以外の理由の動機があろうということを勝手に想像を加えるのはよろしくないというお話でありますが、私はあると申したのではありません。あるかもしれぬということを申し上げたのでありまして、佐賀県
教育
委員会
の
説明
に対する価値判断というものは差し控えますということを申し上げたのであります。
豊瀬禎一
159
○
豊瀬
禎一君 佐賀県教委の価値判断をしなさいという大げさなことを言っているのじゃない。
補助
費の支出が行なわれたのを変更された理由、学力テスト不
実施
をその理由で
補助
費の支出
対象
を変更するということが妥当かどうかと、こう聞いている。それに対して判断を、国の
予算
を使っていながら判断は持ちませんという言い方はきわめて不愉快ですね。
田中啓一
160
○
政府委員
(田中啓一君) 私の申し上げておる真意はこういうことなんです。着工をしておったかどうかというようなことは実はわれわれ文部省は存じないことであります。したがって、それにもかかわらず変更したことのよしあしということについては私は批評は差し控えたい、こういうことであります。
豊瀬禎一
161
○
豊瀬
禎一君 理由はわかりました。十一月一日に着工しましたという
教育
委員会
の正式の議会における意思表示は認めますか、現段階で。
田中啓一
162
○
政府委員
(田中啓一君) 私は認めるも認めないも、佐賀県の
教育
委員会
側が県議会で
説明
したという事実はそれはあるに違いないのでありますが、しかし着工ということは実は知らざることであったわけであります。そういうわけで、それらを含めての全般的の判断というものはできませんということを申し上げたのであります。
豊瀬禎一
163
○
豊瀬
禎一君 十一月一日に着工をしたという事実はお認めになった、それが一点。それから変更の理由が白紙提出であったということもお認めいただいた、これは間違いありませんね。
田中啓一
164
○
政府委員
(田中啓一君) 認める認めないという私は立場にはありません、それは。とにかく今あなたが速記録を持ってきておっしゃっておるのですから、佐賀県の
委員会
側が県議会でそういう
説明
をしたということはそのとおりでありましょう、こう申したのです。その変更の理由であるとか、またその変更することの価値判断で一番大事なことは着工の事実というようなことでありますが、そういうようなことはこちら側はこれまで知らぬことでありますので、それらを含めての全般的な批評はできません、こういうことを申し上げたのであります。認めるも認めないも、そういうことは私の言う限りのことではないのであります。
豊瀬禎一
165
○
豊瀬
禎一君 今の私が申し上げた二点については次官は認識をされた、こういう用語と変えましょう。そこで知らなかったとあくまでおっしゃるので、これはぜひともお願いしたいのは、十一月一日着工をしたという事実を何がゆえに文部省に変更交渉の際にいわなかったのか。私がいわんとしておるところは、国の
予算
の支出がすでに行なわれたのに、変更をしたという事実を重大視しておるのです。これを当該県教委に文部省から
調査
してもらいたいと思いますが、よろしいですか。
福田繁
166
○
政府委員
(福田繁君)
調査
はもちろんいたしますが、その間の事情について誤解があってもいけませんので申し上げておきたいと思いますが、その変更してもらいたいという問題で爼上に上ってきましたのは、日にちははっきり覚えておりませんけれども、一日じゃございませんで、その間に幅がございます。したがって、その間に着工があったかどうかわかりませんが、私どもが初めに伺いましたときには、工事の進行は未着手で、県側としてはこれを変更しても差しつかえないのだ、こういうような話に伺ったわけでございます。その点は誤解のないように申し上げておきます。それからこの
補助金
自体は、他の場合にも同様でございますけれども、一応、県のワクとして
補助金
のワクを設定するわけでございます。そうして具体的に県から申請してくる場合には個々の
学校
を当てはめて参りますけれども、その県のワク内においてAのワクをBに変更するということは、これは佐賀県に限っておりません。全国の都道府県の場合でもいろいろと最終決定までにワク内で変更することは、これは
高等学校
の産振
関係
でも、あるいは小
中学校
の
施設
の
補助
にいたしましても同様でございます。そういった意見で、私どもとしては県のワク内で操作する限りにつきましては、県が、
教育
委員会
としてそういうことを、理由はともあれ、決定したという場合におきましては、県の意見を第一次的に尊重して変更を認めてやるというのが従来のやり方でございます。その点は誤解のないように申し上げておきたいと思います。
豊瀬禎一
167
○
豊瀬
禎一君 誤解はしていません。正解をして、あなたのそういう答弁はけしからぬと思っておるから聞いておる。私の要望のとおり
調査
して、できるだけ早く、その着工をした、善意か悪意か知りませんが、言わなかったという事実の理由について明らかにして下さい。それはよろしいですね。どのくらいかかりますか。
福田繁
168
○
政府委員
(福田繁君)
調査
することをただいま申し上げたわけでございます。日数はわかりません。
豊瀬禎一
169
○
豊瀬
禎一君 従来の経緯からしてどのくらいかかりますか。
福田繁
170
○
政府委員
(福田繁君) 少なくとも一週間やそこらはかかると思います。
豊瀬禎一
171
○
豊瀬
禎一君 一週間かかるということは、電話じゃなくて文書でやられるという意味に解してよろしいですか。
福田繁
172
○
政府委員
(福田繁君) 私どもはできる限りすみやかに
調査
したいと思いますので、書面でなく、事実上の連絡によって
調査
してみたいと思います。
豊瀬禎一
173
○
豊瀬
禎一君 電話でやるのに一週間もかかりますか。
福田繁
174
○
政府委員
(福田繁君) 電話をかけるだけでございましたら一週間はかかりませんが、その事情をはっきり確認して申し上げるには時日をかしていただきたい。そういうことで一週間くらいということを申し上げたわけでございます。
豊瀬禎一
175
○
豊瀬
禎一君 承知しました。これで終わります。
北畠教真
176
○
委員長
(
北畠教真
君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後一時十九分散会 ――――・――――