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1963-05-10 第43回国会 参議院 農林水産委員会 第26号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十八年五月十日(金曜日) 午後一時十五分開会
—————————————
委員
の異動 三月三十日
辞任
補欠選任
山崎
斉君
前田佳
都男君 四月八日
辞任
補欠選任
前田佳
都男君
山崎
斉君
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
櫻井
志郎
君 理事
青田源太郎
君 仲原 善一君 渡辺
勘吉
君 森 八三一君
委員
植垣弥一郎
君 中野
文門
君
野知
浩之君 藤野 繁雄君 堀本 宜実君
山崎
斉君 大森 創造君 北村 暢君 安田 敏雄君 矢山 有作君 牛田 寛君 天田 勝正君
衆議院議員
発 議 者 芳賀 貢君 発 議 者 安井
吉典
君 発 議 者 湯山 勇君
政府委員
農林政務次官
大谷
贇雄君
農林省農林経
済局長
松岡
亮君
食糧庁長官
大澤
融君
事務局側
常任委員会専門
員
安楽城敏男
君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
農業災害補償法
の一部を
改正
する法
律案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
甘味資源特別措置法案
(
内閣送付
、
予備審査
) ○
甘味資源
の
生産
の
振興
及び
砂糖類
の
管理
に関する
法律案
(
衆議院送付
、
予備審査
) ○水産物の
価格
の
安定等
に関する
法律
案(
衆議院送付
、
予備審査
) ○
水産業改良助長法案
(
衆議院送付
、
予備審査
)
—————————————
櫻井志郎
1
○
委員長
(
櫻井志郎
君) ただいまから
委員会
を開きます。
農業災害補償法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。 まず、
提案理由
の
説明
及び
補足説明
を聴取することにいたします。
大谷農林政務次官
。
大谷贇雄
2
○
政府委員
(
大谷贇雄君
)
農業災害補償法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案理由
を御
説明
申し上げます。
現行農業災害補償制度
は、その
制度創設
以来すでに十数年を経過しておりますが、その間にこの
制度
が
災害対策
として
農業経営
の安定に多大の寄与をして参りましたことは、周知のとおりであります。 しかしながら最近におきましては、
農業生産基盤
の
整備
、
耕種技術
の
改善等
によりまして、
農作物被害
の
地域差
が拡大し、
安定地域
が
増加
する等
農業災害
の
発生態様
も変化して参り、この
制度
が
農業
の
実態
に必ずしも適合しない面も現われ、各方面からその
改正
が強く
要望
されてきたのであります。この
要望
にこたえるため、
政府
におきましては、
農作物共済
を中心に
改善
を加えることとして、第三十八回
通常国会
に
改正法案
を提出しましたが、
審議未了
となり、続く第三十九回
臨時国会
に再提出し、さらにこの
国会
から継続して
審議
されました第四十回
通常国会
において
衆議院
で
修正議決
の後、参議院で再び
審議未了
となりましたことは御
承知
のとおりであります。 このような事態に対処するため、
政府
といたしましては、とりあえず必要な
予算措置等
を講じて参り、特に
昭和
三十八年度
予算
におきましては、
農作物共済
及び
蚕繭共済
の
単位当たり共済金額
の引き上げ、
家畜共済
についての
家畜加入推進奨励金
の
新設
、
農業共済団体等
の
事務費国庫負担金
の
増額等
を行なうことといたしましたが、
制度改正
は農民の多年の
要望
でもあり、また、
制度運営
の現状を早急に
改善
する必要もありますので、これまでの
改正法案
の
国会審議
の経緯や、最近の
実情等
を慎重に検討いたしました結果、
衆議院修正
後の案を
基礎
に再びこの
法律案
を提出することといたした次第であります。 次に、
法律案
の主要な
内容
について御
説明
申し上げます。 まず第一は、
農業共済組合等
の
農作物共済
の
共済責任
の
拡充
であります。
農業共済組合
または
共済事業
を行なう
市町村
の
農作物共済
の
共済責任
を実質的に
拡充
するため、
通常危険責任部分
のうちの大
部分
の
責任
を
組合等
に保留させ、
通常危険責任部分
のうちの
残り
の
部分
と
異常危険責任部分
を
農業共済組合連合会
の
保険
に付し、
連合会
はそのうちの
異常危険責任部分
のみを
政府
の再
保険
に付することといたしました。この結果、
組合等
の
共済掛金
の
保留額
も多くなりますので、無事戻し
制度
の
整備拡充
をはかることができ、低
被害地
における
共済掛金
の掛け捨てが多いという
不満
も
相当
緩和
されるものと
考え
ております。 第二は、
画一的強制方式
の
緩和
であります。
経営規模
がきわめて小さく、
農業所得
の比重が非常に低い
農家
については、
組合等
への
加入
が強制されることのないよう地方の
実情
に即して
緩和
し、
任意加入資格者
の
範囲
を拡大することができることとするとともに、
事業量
が僅少である等の
理由
がある場合には、
組合等
は、
共済事業
の一部
廃止
ができることとしたのであります。 第三は、
農作物共済
の
損害補てん内容
の
充実
であります。
損害
が発生した場合の
補てん内容
の
充実
をはかるため、
農作物共済
の
単位当たり共済金額
は、従来、
米麦
の
価格
の七割を
標準
として定めていたのを、その九割を
限度
として定めた二以上の
金額
のうちから選択することといたしました。この結果、全損の場合の
実質補てん
の
割合
は
最高
の
単位当たり共済金額
を選択した場合には、
米麦
の
価格
の約六割三分にまで達することとなるわけであります。 第四は、
農作物共済
の
共済掛金率
の
設定
と
共済掛金
の
国庫負担
の
方式
の
合理化
であります。
組合等
の
共済掛金率
を
被害
の
実態
に即応せしめるため、
組合等ごと
に過去の
被害率
を
基礎
として
基準共済掛金率
を定め、さらに必要な場合には、
組合等
の
区域
を幾つかの
地域
に分けて定めることができる仕組みにするとともに、
共済掛金
の
国庫負担
につきましても、
基準共済掛金率
の
高低
に応じ
最低
を二分の一とする
超過累進
の
方法
により、
組合等別
に
国庫負担割合
を定めることとしてその公平を期し、両々相待って
農家負担
の
合理化
をはかったのであります。 なお、この
改正
により
農家負担
が
増加
した
組合員等
に対しては、当分の間、その
増加
の
割合
を
基礎
として
一定額
の
補助金
を交付することといたしております。 第五は、
水稲
の
病虫害
の
共済事故除外
と
共済掛金
の
割引
であります。 最近における
病害虫
による
被害
の
低位安定化
の
傾向
に即応し、
病害虫防除事業
の
推進
に資するため、
水稲
について
病虫害
の
防止
のため必要な
施設
が
整備
され、その
防止
が適正に行なわれる
見込み
があるものとして
指定
を受けた
組合等
においては、
病虫害
を
共済事故
としないで、これに対応する
部分
の額だけ
共済掛金
を割り引くことができることとするとともに、この
割引
によって不要となった
国庫負担額
のうち、割り引きされた
農家負担
の
減額分
に
相当
する額を
限度
として
病害虫防除事業
に対し補助することといたしました。
最後
に、
任意共済
に関する
制度
の
改正
について申し上げますと、今回の
改正
により、
連合会
はその行なら
任意共済
についての
手持責任
の一部を、
全国共済農業協同組合連合会
の
共済
に付することができる旨の
規定
を
新設
したのでありますが、これにより
建物共済
についての
農業共済
、
農協系統
両
団体
間の
事業分野
の
調整
が促進され、両
団体
の
建物共済
の健全な
発展
がはかり縛るものと
考え
るのであります。 以上が、この
法律案
を提出する
理由
であります。何とぞ慎重に御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
松岡亮
3
○
政府委員
(
松岡亮
君)
農業災害補償法
の一部を
改正
する
法律案
の
内容
につきまして補足して御
説明
申し上げます。
現行農業災害補償制度
は、いわゆる
共済保険方式
によって
災害
による
農家
の損失を補てんする仕組をとっておりますが、従来からこの
制度
に対し、種々の面において
不平不満
があり、これがため、
昭和
三十二年に第二十六回
通常国会
において、一筆
単位収量建制
の採用による
制度内容
の
合理化
をはじめ、
農家負担
の軽減、
共済事業
の
市町村移譲
の
特例等
の
改正
を行なったのでありますが、その後も
農業生産基盤
の
整備
、
耕種技術
の
改善等
による
水稲被害
の
地域差
の拡大、
安定的地域
の
増加等
、
制度
をめぐる諸条件の変化により、さらに
制度
の
改正
を
要望
する声が強くなって参りました。 ここで問題とされております事項は、
農家負担
に比し、いわゆる掛捨てが多いこと、
共済掛金率
が
被害
の
実態
に即応していないこと、
病虫害
を
共済事故
とすることについて問題があること、
共済金
の
支払額
が
損害
に比して少ないこと、無事戻し
制度
の実効が上がっていないこと等でありまして、これらの問題にこたえて、このたびここに
制度
の大幅な
改正
を行なうことといたした次第であります。 この
法律案
は、
提案理由説明
でも申し上げましたとおり、第四十回
通常国会
で
衆議院
において
修正議決
されました案を
基礎
としたものでありまして、その
内容
はおおむね次のとおりであります。 まず第一は、
農業共済組合等
の
農作物共済
にかかる
共済責任
を
拡充
したことであります。
現行制度
では、
末端
の
農業共済組合
または
共済事業
を行なう
市町村
は、その総
共済金額
の一割を保留して、
残り
の九割を
農業共済組合連合会
の
保険
に付し、
連合会
はこれを
県ごと
に取りまとめた上、そのうちの
通常危険責任部分
を保留して、
異常危険責任部分
を
政府
の再
保険
に付することになっておりますが、最近の
農作物被害
が次第に
安定化
の
傾向
を示し、また
地域
的に固定化してきたこと等にかんがみ、
末端
の
組合等
に
通常災害
に対応する
責任
の
相当部分
を分担させることとし、
改正案
では、
組合等
が
通常危険責任部分
の大
部分
を保留して、その
残り
の
部分
と
異常危険責任部分
を
連合会
の
保険
に付し、
連合会
は
組合等ごと
に、そのうちの
異常危険責任部分
のみを
政府
の再
保険
に付することといたしました。この結果、
農家
が負担する
共済掛金
の大
部分
が
組合等
に保留されることとなり、
制度
に
備荒貯蓄的機能
が加味され、
組合等
に生ずる
剰余金
を無事戻し、あるいは
損害防止等
に充当することができますので、掛捨てに対する
農家
の
不満
を相当程度
緩和
し得るものと
考え
ております。 なお、この場合の
通常危険責任部分
のうちの
連合会
に付保する
割合
は、
主務大臣
が定めることといたしており、
組合等
の過去における
被害
の
発生状況等
を勘案して定めたいと
考え
ております。 第二は、
画一的強制方式
の
緩和
であります。
現行制度
のもとでは、
水稲
と
陸稲
の
耕作面積
の合計または麦の
耕作面積
が、それぞれ一
反歩
以上の
農家
は、すべて一律に
加入
が強制されており、それ以下のものについては
任意加入
ということになっております。これに対し、今回の
改正案
では、
任意加入
の幅をさらに広げることとし、当然
加入
と
任意加入
の限界となる
農家
の規模は、
政令
で定める
範囲
内で
地域
の
実情
に応じ
都道府県知事
が定めることといたしました。この場合、
政令
では、北海道は別として、
水稲
、
陸稲
または麦の別にそれぞれ一
反歩
ないし三
反歩
の
範囲
とする
考え
であります。 さらに、
組合等
の
共済事業
につきまして、
一定
の
理由
がある場合には、
事業
の一部
廃止
ができる
規定
を設けました。すなわち、
組合等
は原則として
農作物共済
、
蚕繭共済
及び
家畜共済
の全部を行なわなければならないこととなっておりますが、
組合等
の
事業量
が僅少な場合や、
農家経済
上さほど重要でない場合についてまで、なおこれを強制する必要はないと
考え
られますので、従来、きわめて例外的にしか認められなかった
共済事業
の一部
廃止
につき、今回その
範囲
を拡大し、
農作物共済
と
蚕繭共済
につきましては、
共済目的
の種類、すなわち、
水稲
、
陸稲
、麦、
春蚕繭
、
夏秋蚕繭
の別に、その
事業規模
が
農林大臣
の定める
基準
以下であること等、相当の
理由
がある場合には、
総会
の
特別議決
または
市町村議会
の
議決
を経て、
共済事業
を行なわないことができることといたしました。なお、このようにして
共済事業
を一部
廃止
いたしました場合でも、その後に再び
総会
の
特別議決
により
事業
を開始することはできることといたしております。 第三は、
農作物共済
にかかる
補てん内容
の
充実
であります。
農作物共済
において、
災害
を受けた際に支払う
共済金
の額は、各
耕地ごと
に、
基準収穫量
の三割以上の減収があった場合に、
単位当たり共済金額
に、その三割をこえた
部分
の
減収量
を乗じて算出することとなっており、この場合の
単位当たり共済金額
は、
米麦価
の七割を
標準
として
主務大臣
が定めた
金額
のうちから選択することとなっておりました。しかし、これによりますと、全損の場合に、
最高
の
単位当たり共済金額
を選択しているときであっても、
実質補てん割合
は約四割九分に過ぎず、このため従来から、
災害
を受けても
共済金
の
支払額
が少なく、
制度
の効果が不十分であるとの
批判
があったことは、皆様御
承知
のとおりであります。この
批判
にこたえるため、
改正案
では、
一筆ごと
に三割以上の
減収量
に応じて支払うという
方式
は
現行どおり
でありますが、
単位当たり共済金額
の
限度
を九割に引き上げ、この
限度
内で
主務大臣
の定める二以上の
金額
から選択することといたしました。この結果、全損の場合の
実質補てん割合
は、
最高
の
単位当たり共済金額
を選択した場合には、約六割三分となり、従来に比し
相当程度補てん内容
を
充実
し得るものと
考え
ております。 第四に、
農作物共済
にかかる
共済掛金率
の
設定
と、
共済掛金
の
国庫負担
の
方式
の
合理化
であります。
現行制度
では、
都道府県別
に過去二十年間の
被害率
を
基礎
として
共済掛金標準率
を
設定
し、これを
都道府県
内の
危険階級別
に割り振って
組合ごと
の
基準共済掛金率
を定めることとなっております。このため、
共済掛金率
が必ずしも
被害
の
実態
に合わない面があり、特に低
被害地
の
組合等
におきましては、実際の
被害率
に比し割高になるというきらいがありますので、今回の
改正案
では、
組合等ごと
に、その過去の
被害率
を直接その
基礎
として
基準率
を
設定
することとし、
組合等
の
被害率
がそのまま
基準
奉に反映するようにいたしました。なお、
組合等
の
区域
内で
被害
の出方が異なるため、これを細分化する必要がある場合には、
組合等
は、その
区域
を二以上の
地域
に分けて、それぞれの
地域ごと
に
共済掛金率
を定めることができることといたしております。 また、
共済掛金
の
国庫負担方式
につきましても、これを
合理化
することといたしました。すなわち、従来は、その
都道府県
の
国庫負担割合
を、すべての
組合等
に一律に適用しておりましたのを、
基準率
の
設定方式
と同様、直接
組合等ごと
に
国庫負担割合
を定めることとしたのであります。この場合、従来の
通常災害
及び
異常災害
については半額
国庫負担
、超
異常災害
に対しては
全額国庫負担
という
趣旨
はくずさない建前で、
基準率
の
高低
に応じて、
最低
を二分の一とする
超過累進
の
方法
により
国庫負担割合
を定めることといたしました。これにより、従来の
国庫負担
の不均衡、不
合理
の面が是正されると
考え
ております。 なお、今回の
制度改正
により、
共済掛金率
のうち
農家負担部分
が
増加
する
組合等
も予想されますので、そのような
組合等
については、
改正制度
の
実施
が円滑に行なわれるよう、当分の間、その
農家負担部分
の
増加
の
割合
を
基礎
として
一定
の
方式
で算定される
金額
の
補助金
を交付することができることといたしております。 第五は、
水稲
の
病虫害
の
共済事故
からの除外と
共済掛金
の
割引
であります。 最近では、
病虫害防除
も著しく進歩いたしましたので、その
施設
が完備すれば、
特定
の
病虫害
のほかは
防除
がおおむね可能となっております。したがって、
水稲
につき
病虫害
の
防止
のため必要な
施設
が
整備
され、その
防止
が適正に行なわれる
見込み
があるものとして
指定
を受けた
組合等
においては、
総会
の
特別議決
または
市町村議会
の
議決
により、
特定
の
病虫害
以外の
病虫害
を
共済事故
から除外し、
共済掛金
のうち
病虫害
に対応する
部分
を減額することができることといたしますとともに、この
共済掛金
の減額によって不要となった
国庫負担額
のうち、
農家負担共済掛金
の
減額分
に相当する額を、
病虫害防除事業費
の一部として補助することができることにいたしております。 なお、この
共済事故
から除外しないこととなる
特定
の
病虫害
は、
政令
で定めることといたしておりますが、
いね白葉枯病
、
いね黄化萎縮病等
の現在の
防除技術
では、
防除
不可能と
考え
られているものを定める
考え
であります。 以上が、今回の
制度改正
の主要な
内容
でありますが、このたびこの
法案
を提出するにあたりまして、
建物共済
についての
農業共済団体
と
農協系統団体
との間の
事業分野
の
調整
を促進するため、
農業共済組合連合会
が
建物共済
にかかる
手持責任
の一部を、
全国共済農業協同組合連合会
の
共済
に付することができることとなりましたので、この旨の
規定
も今回の
改正
に加えることといたしました。これにより、今後、
建物共済事業
の円滑な
推進
がはかられることと期待するものであります。 なお以上のほか、との機会に
農業共済団体
の組織及び運営に関する条文についても
規定
を
整備
することとし、いわゆる
農業法人
の
構成員
が
組合
の
役員
になることができること、
共済事業
の
市町村移譲
の進捗に伴い、
市町村
の職員が
連合会
の
役員
になることができること等、若干の
改正
も合わせて行なうことといたしました。
最後
に、この
改正制度
の
実施
時期でありますが、
準備期間等
も考慮いたしまして、
昭和
三十九
年産水陸稲
から適用することといたしております。 何とぞ、慎重に御
審議
の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
—————————————
櫻井志郎
4
○
委員長
(
櫻井志郎
君) 次に、
甘味資源特別措置法案
を
議題
とし、
提案理由
の
説明
及び
補足説明
を聴取することにいたします。
大谷農林政務次官
。
大谷贇雄
5
○
政府委員
(
大谷贇雄君
) ただいま
議題
になりました
甘味資源特別措置法案
につきまして、その
提案理由
を御
説明
申し上げます。
甘味資源
の
生産
の
振興
につきましては、
昭和
二十八年以来
てん菜生産振興臨時措置法
に基づき、
寒地
における
テンサイ
の
生産振興
のための
措置
を講じてきたところであり、また
昭和
三十四年には
甘味資源自給力強化総合対策
として、
国内産糖製造事業
の
自立基盤
を確立するため、
砂糖
の関税及び
消費税
の振りかえを行なうとともに、
日本てん菜振興会
を設立して
試験研究
の
拡充強化
をはかる等の諸般の
措置
を講じてきたところであります。
寒地テンサイ
につきましては、近年天候その他の
理由
によって、若干停滞の気味にあるものの、今後の
伸長
を期待し縛るものがあり、
西南諸島
における
カンシャ
及び
カンシャ糖
、澱粉を
原料
とする
ブドウ糖
につきましても、急速な
生産
の
伸長
があり、さらに暖地においても
テンサイ作
の
導入
の試みがなされてきているところであります。 この間にあって
甘味資源作物
の
導入
がその
農業経営
の
改善
と
農家所得
の安定に果たした役割は、
寒地テンサイ
にあってはその
耐寒性作物
であることと、畜産との
有機的結合
による
輪作体系
の
合理化
によって、また
サトウキビ
にあっては、他に対比すべきものがない主要な
商品作物
として、それぞれまことに大なるものがあったと
考え
られるのであります。 したがって、今後におきましても、
農業経営
の
改善
と
農家所得
の安定のために、その
地域
における
生産
を
振興
することが必要とされる
適地
におきまして、これら
甘味資源作物
の
生産
を
振興
して参ることが必要であり、また、これと合わせてその
甘味資源作物
を
原料
とする
砂糖類製造事業
につきましても、その健全な
発展
をはかるべきことは言うを待たないところであります。 他方、
農産物
につきましても、今後
国内生産保護
のための
所要
の
措置
を講じて、可能なものにつきましては、できる限りすみやかに
輸入自由化
を行なうことが要請されておりますし、また、
消費者
の立場を十分考慮することも必要であると
考え
られるのであります。 以上の諸点を十分配慮し、今後における
甘味資源対策
の
基本
として、本
法案
を制定いたしまして、
適地
における
テンサイ
及び
サトウキビ
の
生産
を
振興
するとともに、
テンサイ糖工業
、
カンシャ糖工業
及び
ブドウ糖工業
の健全な
発展
をはかるため、
所要
の
生産奨励
、
政府買い入れ等
の
措置
を講ずることにより、
農業経営
の
改善
と、
農家所得
の安定及び
国内甘味資源
の
国際競争力
の
強化
に資するよう
措置
する所存であります。 次に、この
法律案
の主要な
内容
につきまして御
説明
申し上げます。 第一に、
政府
は、
砂糖類
並びに
テンサイ
及び
サトウキビ
について
農業基本法
第八条の重要な
農産物
として、同条の
規定
によりその
需要
及び
生産
の
長期見通し
を立て、これを公表することといたしております。 第二に、
適地
において
テンサイ
及び
サトウキビ
の重点的な
生産
の
振興
をはかることとし、その
区域
内の
農業経営
の
改善
をはかるため、
甘味資源作物
の
生産
を
計画
的に
振興
することが特に必要と認められる
一定
の
区域
を
テンサイ生産振興地域
または
サトウキビ生産振興地域
として
農林大臣
が
指定
し、
指定
を受けた
地域
を管轄する
都道府県知事
は、毎年、
生産振興計画
を立て、
農林大臣
の
承認
を受けなければならないものとし、国は、その
計画
の
実施
に要する
経費等
につき必要な
助成
を行なうこととしております。 なお、
農林大臣
が
生産振興地域
の
指定
を行なうにあたっては、
関係都道府県知事
の意見を聞き、また
都道府県知事
からも
指定
の申し出をすることができることといたしております。 第三に、
生産振興地域
の
区域
内における
甘味資源作物
の
生産振興
と
テンサイ糖工業
及び
カンシャ糖工業
の健全な
発展
を確保するため、その
地域
内における
製造施設
の設置及び変更につき、
農林大臣
の
承認制
をとることとしております。 第四に、
政府
は、
砂糖
の
価格
が著しく
低落
した場合において必要があるときは、
テンサイ糖製造事業者
及び
カンシャ糖製造事業者
から、
農林大臣
が定める
最低生産者価格
を下らない
価格
で、
生産者
から買い入れた
テンサイ
または
サトウキビ
を
原料
として製造された
テンサイ糖
または
カンシャ糖
を買い入れることができる
制度
を設けております。 なお、当分の間は、
糖価
の
低落
以外の特別の事由がある場合にあっても、特に必要があると認めるときは、
所要
の
政府買い入れ
を行なうことができることといたしております。 第五に、カンショ及びバレイショの
需要
の確保をはかるため、
砂糖
の
価格
が著しく
低落
した場合において必要があるときは、
ブドウ糖製造事業者
から
ブドウ糖
の
政府買い入れ
を行なう
制度
を設けております。
ブドウ糖
の
政府買い入れ
につきましても、当分の間は、
糖価
の
低落
以外の場合においても、
ブドウ糖工業
の
合理化
を促進するため特に必要があるときは、
所要
の
政府買い入れ
を行なうことができることといたしております。 第六に、
甘味資源
に関する
重要事項
を調査
審議
するため、
農林省
に
甘味資源審議会
を設置することといたしております。 第七に、本法の附則によりまして、
食糖管理特別会計法
の一部を
改正
し、同
会計
に
砂糖類勘定
を設てけ損益の
明確化
をはかることといたしております。 以上が、この
法律案
の主要な
内容
でございます。 何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決下さいますようお願い申す次第でございます。
大澤融
6
○
政府委員
(
大澤融
君)
甘味資源特別措置法案
につきまして、若干補足して御
説明
を申し上げます。 第一章は、総則に関する
規定
であります。 まず、第一条は、この
法律
の目的を定めております。 この
法律案
を提案いたしました趣旨につきましては、御
説明
申し上げたところでありますが、この
法律
は、適地における
テンサイ
及び
サトウキビ
の
生産
を
振興
するとともに、
テンサイ糖工業
、
カンシャ糖工業
及び
ブドウ糖工業
の健全な
発展
をはかるため、
生産振興地域
の
指定
の
制度
、
生産振興計画
に基づく
生産
の
奨励助成
、
生産振興地域
における
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の
製造施設
の新設の承認の
制度
、
テンサイ
及び
サトウキビ
の
価格支持
、
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
の
政府買い入れ
並びに
国内産ブドウ糖
の
政府買い入れ
の
制度等
の
措置
を講じ、もって
農業経営
の
改善
と
農家所得
の安定及び
国内甘味資源
の
国際競争力
の
強化
に資することを目的といたしております。 次に、第二条は、用語の定義を定めております。 第二章は、
テンサイ
及び
サトウキビ
の
生産
の
振興
に関する
規定
であります。 まず第三条は、
砂糖類
及び
甘味資源作物
の需要及び
生産
の
長期見通し
の策定について定めております。
農業基本法
第八条第一項によりますと、
政府
は、重要な
農産物
につき、需要及び
生産
の
長期見通し
を立て、これを公表することとなっておりますが、この
甘味資源
特別
措置
法第三条におきましては、
政府
は、
砂糖類
すなわち
砂糖
及び
ブドウ糖
並びに
甘味資源作物
すなわち
テンサイ
及び
サトウキビ
を
農業基本法
第八条第一項にいう重要な
農産物
として、これらにつき、
農業基本法
の
規定
により需要及び
生産
の
長期見通し
を立て、これを公表すべき旨を定めているのであります。 次に、第四条から第十二条までにおいては、適地において、
テンサイ
及び
サトウキビ
の重点的な
生産
の
振興
をはかるため、
生産振興地域
の
指定
並びに
生産振興計画
の策定及び実施に関する
制度
を定め、その適地と認められる
一定
の
区域
を
生産振興地域
として
農林大臣
が
指定
し、
指定
を受けた
地域
を管轄する
都道府県知事
は、毎年、
生産振興計画
を立て、
農林大臣
の承認を受けるものとし、国は、その計画の実施に要する
経費等
につき必要な助成を行なうこととしているのであります。 まず、第四条では、
農林大臣
は、
一定
の要件に該当する
区域
であって
農業経営
の
改善
をはかるため
テンサイ
または
サトウキビ
の
生産
を計画的に
振興
することが特に必要であると認められるものを、
テンサイ生産振興地域
または
サトウキビ生産振興地域
として
指定
することができることとしております。その要件は、第四条第一項の各号に列記しております。 第一号は、栽培に適する自然的条件が備わっているかどうかの点であります。この基準は政令で定めることとしております。 第二号は、その
地域
における
農業経営
の諸条件から見て、その
生産
が安定的に増大する
見込み
が確実であるかどうかの点でありまして、その判定にあたっては、その
地域
内の農作物の作付の体系、競合農作物の状況、
農業
労働条件その他の諸条件を勘案することとしております。これは、
甘味資源作物
の
生産
の着実な伸長のためには、単に自然的条件のみならず、
農業経営
上の諸条件が備わっていることが特に必要と考えられるからであります。 第三号は、その
地域
における
テンサイ
または
サトウキビ
の
生産
数量が、
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の製造
事業
が、安定的に成立するために必要な数量に達する
見込み
が確実であるかどうかの点でありまして、この必要数量は政令で定めることとしております。この第三号は、
テンサイ
及び
サトウキビ
が
砂糖
原料作物であることから、これを原料とする製造
事業
との結びつきを考慮しなければならないこと、また、第一条の目的に
規定
してあります
国内甘味資源
の
国際競争力
の
強化
という観点等から、その製造
事業
も合理的な経営が可能となるものでなければならないこと等の
理由
により必要とされる要件であります。 なお、第四条第二項におきまして、
農林大臣
は、
生産振興地域
の
指定
をしようとするときは、
関係都道府県知事
の意見を聞くこととしており、さらに、第五条では、
都道府県知事
は、
生産振興地域
の
指定
をすべき旨を
農林大臣
に申し出ることができることとしまして、
生産振興地域
の
指定
につき、
都道府県知事
の意向も反映され得るように配慮しております。 第六条及び第七条は、
生産振興地域
の
区域
の変更及び
指定
の解除に関する
規定
であり、第八条では、
生産振興地域
の
指定
、
区域
の変更及び
指定
の解除は、告示をもってすることを
規定
しております。 次に、第九条では、
生産振興地域
の
指定
を受けた
区域
を管輯する
都道府県知事
は、毎年、関係
市町村
及び
農業
団体
等の意見を聞いて、
テンサイ
または
サトウキビ
の
生産振興計画
を立て、
農林大臣
の承認を受けるものとし、その承認を受けたときは、その計画の概要を公示することといたしております。 この
生産振興計画
におきましては、土地改良その他
生産
基盤の整備、優良種苗の普及、栽培技術の
改善
、
農業経営
の
合理化
、集荷販売その他必要な事項を定めることとしております。 第十条では、
生産振興計画
の変更の手続について定めております。 次に、第十一条及び第十二条におきましては、
生産振興計画
の円滑な実施とその計画の達成をはかるため、
政府
は、
生産振興地域
のある
都道府県
に対し、
生産振興計画
の実施に要する経費の一部を補助することができることとするとともに、
テンサイ
または
サトウキビ
の
生産者
またはその
団体
に対して、助言、指導、融資のあっせん等の援助を行なうよう努めることとしております。 第三章は、
生産振興地域
における
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の製造
事業
に関する
規定
であります。 まず、第十三条から第十七条までにおいては、
生産振興地域
内における
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の
製造施設
の設置の承認及び届出の
制度
について定めております。 第十三条では、
テンサイ
または
サトウキビ
を原料として
砂糖
を製造する
施設
、すなわちいわゆる
テンサイ糖
工場または
カンシャ糖
工場を
生産振興地域
の
区域
内において新たに設置するには、
農林大臣
の承認を要することとしております。この承認を必要とする
製造施設
の範囲は、政令で定めることとなっています。 この承認の基準は、同条第二項に定められており、
農林大臣
は、承認の申請がその基準たる各要件のすべてに適合していると認められるときは、その承認をすることとなります。 この
生産振興地域
における
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の
製造施設
の設置の
承認制
を採用いたしましたのは、原料
生産
の伸びに見合った秩序ある工場設置をはかり、その
地域
における
生産
の
振興
と、
農家
の利益の保護並びに製造
事業
の健全な
発展
を確保する必要があるからであります。したがって、承認の基準も、この必要性に即して設定しております。すなわち、第十三条第二項第一号は、その
生産振興地域
における
テンサイ
または
サトウキビ
の
生産
の
見込み
と既設、新設を合わせた
製造施設
の原料処理能力との全体としてのバランスを見ようとするもので、その原料処理能力が、先ほど御
説明
しました
長期見通し
等から推定されますその
地域
における
生産
の長期の見通しに照らして、著しく過大にならないことを要件としており、第二号及び第三号は、その
製造施設
が合理的な経営に適する規模と性能や立地条件を備えていること、第四号及び第五号は、その
事業
者が原料集荷
見込み
と経理的
基礎
及び技術的能力を有していること、第六号は、その他その
生産振興地域
内の
甘味資源作物
の
生産
と製造
事業
の健全な
発展
が阻害ざれることとならないこととしております。 第十四条では、
生産振興地域
の
指定
または
区域
変更があった際の既存
製造施設
にかかわる届出について定めております。さきに御
説明
しました第十三条第一項の承認は、
生産振興地域
が定められた後に新たに設置する
製造施設
についてのみ必要とされ、既存
製造施設
については設置の承認を必要としない関係上、既存
施設
の設置者から必要な事項を届け出させようとするものであります。 第十五条では、第十二条の
指定
製造施設
の新設についての承認に見合って、
指定
製造施設
の変更についても、
農林大臣
の承認を要することとしています。この承認基準も、新設の場合の承認基準を準用しております。 第十六条では、承認を行なう際には、その
指定
製造施設
の的確な設置及びその
施設
による製造
事業
の適正な運営を確保するため必要な最小限度の範囲内において、その承認に条件を付することができることとしております。なお、この条件に違反した場合には、第三十七条の
規定
により
農林大臣
は、その
施設
による製造
事業
の停止を命ずることができることとして、条件の実効性を確保しております。 第十七条では、
指定
製造施設
による製造
事業
の開始、廃止及び休止につき届け出させることとしています。 次に、第十八条及び第十九条においては、
生産振興地域
内における
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の製造
事業
者に対する指示及び勧告の
制度
について定めております。 第十八条では、
製造施設
の
承認制
を採用したこととも関連して、
生産振興地域
内における
農業経営
の
改善
と
農家所得
の安定をはかるため必要があるときは、
農林大臣
は、
地域
内の製造
事業
者に対し、
テンサイ
または
サトウキビ
の買い入れの
価格
その他
生産者
との取引の条件及び方法、原料集荷
区域
等に関し必要な指示をすることができることとし、これによる製造
事業
の適正な運営の確保と、後で御
説明
します
テンサイ
及び
サトウキビ
の
価格支持
制度
の運用と相待って、
農家
の利益保護に遺憾なきを期することとしています。 また、第十九条では、第一条の目的にも
規定
してあります
国内甘味資源
の
国際競争力
の
強化
という観点等から、
地域
内の製造
事業
の
合理化
を促進するため必要があるときは、
農林大臣
は、
地域
内製造
事業
者に対し、経営の
改善
、
事業
の休止、経営の共同化等の
措置
をとるべき旨の勧告をすることができることとし、その勧告に従い所要
措置
をとる者に対しては、融資のあっせん等必要な援助を行なうよう努めることとしています。 次に、第四章は、
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
の
政府買い入れ
に関する
規定
であります。この章におきましては、
生産振興地域
内における
テンサイ
及び
サトウキビ
の
生産者
価格
の支持と
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
の製造
事業
の健全な
発展
を確保するための
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
の
政府
買入れの
制度
を定めております。 御承知のとおり、
政府
は、従来より、
てん菜生産振興臨時措置法
に基づく
テンサイ
の
価格支持
及び
テンサイ糖
の
政府買い入れ
の
制度
を実施して参りましたが、この
法律
におきましても、同様の
制度
を取り入れますとともに、あわせて、
サトウキビ
の
価格支持
及び
カンシャ糖
の
政府買い入れ
についても同様の
制度
を採用することとし、これら
甘味資源作物
の
生産
の
振興
と
国内産糖製造事業
の健全な
発展
に遺憾なきを期することとしたのであります。 第二十条では、
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の
政府買い入れ
は、
砂糖
の
価格
が著しく低落した場合において必要があるときに行なう旨を定めております。これが
政府買い入れ
を行なう場合の原則でありますが、当面の諸事情を考慮し、附則第二条第一項において、当分の間、本則第二十条による
政府
買入れのほか、
地域
内
製造施設
の新設の当初において、その
事業
者が原料集荷等の面で受ける著しい不利を補正する必要がある場合その他政令で定める特別の事由がある場合において特に必要があるときにも、
政府買い入れ
を行なうことができることとしております。 次に、第二十一条では、これらの
政府買い入れ
の対象となる
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の範囲を定めております。これによりますと、
政府買い入れ
の対象は、
生産振興地域
内において
生産
された
テンサイ
または
サトウキビ
を原料としていること、これらの原料は
最低生産者価格
を下らない
価格
で
生産者
から買い入れられたものであること、これらの原料から
地域
内
製造施設
により製造された
テンサイ糖
または
カンシャ糖
であって、
一定
の種類、規格及び
生産
年のものであることとされています。なお、さきに御
説明
しました附則第二条第一項の
政府
買入れを行なう際の買い入れの対象につきましては、同条第四項において、
生産振興地域
外の
農林大臣
の
指定
する
区域
内において
生産
された原料から製造されたもの及び
地域
内
製造施設
以外の
農林大臣
の
指定
する
製造施設
により製造されたものをも買い入れることができることとしております。 第二十二条では、
テンサイ
及び
サトウキビ
についての
最低生産者価格
の
制度
を定めております。すなわち、
農林大臣
は、
テンサイ
及び
サトウキビ
ごとにその
生産者
販売
価格
の最低基準となるものとして
最低生産者価格
を定めることとし、この
最低生産者価格
は、
農業
パリティ指数に基づき算出される
価格
を基準とし、物価その他の経済事情を参酌して定めるものとしております。 第二十三条では、第二十条による
テンサイ糖
または
カンシャ糖
の
政府買い入れ
の
価格
を定めており、その
価格
は、
最低生産者価格
に標準的な製造販売の費用を加えて得た額を基準として、
農林大臣
が定めることとしております。ただし、附則第二条第一項による
政府買い入れ
の際の
価格
は、同条第二項により、
最低生産者価格
に標準的な製造、販売の費用を加えて得た額を基準とし、その原料たる
テンサイ
または
サトウキビ
の
生産
事情、集荷事情その他の経済事情を参酌して定めることとしております。 次に、第五章は、
国内産ブドウ糖
の
政府買い入れ
の
制度
及び
ブドウ糖製造事業者
に対する勧告に関する
規定
であります。 御承知のように、
政府
は、従来より、
農産物
価格
安定法によるいも澱粉の
政府買い入れ
を通じて、カンショ及びバレイショの
生産者
の所得の安定をはかるとともに、イモ澱粉の新規用途としての結晶及び精製
ブドウ糖
の製造
事業
を育成するための諸施策を講じて参ったところであります。 今後におきましても、
農産物
価格
安定法の適切な運用をはかることによりいも作
農家
の所得の安定に遺憾なきを期して参ることはいうまでもないところでありますが、この際、
糖価
の変動に対処して
ブドウ糖
の
生産
を維持することにより、澱粉の原料となる国内産のカンショ及びバレイショの長期的な需要の確保をはかるとともに、合わせて
ブドウ糖工業
の
合理化
を促進するため、
国内産ブドウ糖
の
政府買い入れ
の
制度
を設けることとしたのであります。 第二十四条では、
国内産ブドウ糖
の
政府買い入れ
は、
砂糖
の
価格
が著しく低落した場合において、国内滝
ブドウ糖
の
生産
を維持してその原料澱粉の原料となる国内産のカンショ及びバレイショの需要の確保をはかるため必要があるときに行なう旨を定めております。これが
政府買い入れ
を行なう場合の原則でありますが、附則第三条第一項において、当分の間、本則第二十四条による
政府買い入れ
のほか、
国内産ブドウ糖
の製造
事業
の
合理化
を促進するため特に必要があるときにも、
政府買い入れ
を行なうことができることとしております。 次に、第二十五条では、これらの
政府買い入れ
の対象となる
国内産ブドウ糖
の範囲を定めております。これによりますと、
政府
買入れの対象は、国内産のカンショ澱粉またはバレイショ澱粉を原料として製造される
ブドウ糖
であって
一定
の種類、規格及び
生産
年のものであることとされています。 第二十六条では、第二十四条による
国内産ブドウ糖
の
政府買い入れ
の
価格
を定めており、その
価格
は、
農産物
価格
安定法のカンショ澱粉の買い入基準
価格
及び運賃その他の諸掛に標準的な
ブドウ糖
製造、販売費用を加えて得た額を基準として、
農林大臣
が定めることとしております。ただし、附則第三条第一項による
政府買い入れ
の際の
価格
は、同条策二項により、カンショ澱粉の買入基準
価格
及び運賃その他の諸掛に標準的な
ブドウ糖
製造、販売費用を加えて得た額を基準とし、澱粉の需給事情その他の経済事情を参酌して定めることとしております。 第二十七条では、
政府
が買い入れた
国内産ブドウ糖
は、随意契約により売り渡すことができる旨を定めております。
政府
が買い入れた物資は競争入札により売り渡すのが会計法の原則でありますが、
ブドウ糖
はその保管の可能な期間が短い等の事情があり、買入れ後すみやかに売り渡す必要がありますので、随意契約による売り渡しの
規定
を設けたわけでございます。 また、第二十八条では、第一条の目的にも
規定
してあります
国内甘味資源
の
国際競争力
の
強化
という観点等から、
国内産ブドウ糖
の製造
事業
の
合理化
を促進するため必要があるときは、
農林大臣
は、
ブドウ糖製造事業者
に対し、経営の
改善
、
事業
の休止、経営の共同化等の
措置
をとるべき旨の勧告をすることができること上し、その勧告に従い所要
措置
をとる者に対しては、融資のあっせん等必要な援助を行なうよう努めることとしています。 第六章は、
甘味資源審議会
に関する
規定
であります。 この
法律
の制定を機会に、広く学識経験者の御意見、御協力を得て、
甘味資源
に関する行政の適正を期するため、
農林省
に
甘味資源審議会
を設置することといたしております。
甘味資源審議会
は、
農林大臣
の諮問機関として、
テンサイ
及び
サトウキビ
の
生産
の
振興
、
テンサイ糖工業
、
カンシャ糖工業
、
ブドウ糖工業
及び精糖工業の
合理化
その他この
法律
の実施にあたっての
重要事項
を調査
審議
するとともに、これらの事項に関して
農林大臣
及び関係者大臣に建議することができることとなっております。
審議
会は、これらの事項に関する学識経験者のうちから
農林大臣
が任命します
委員
二十五人以内で組織することとなっており、また必要に応じ専門
委員
を置くこともできることとされています。 第七章は、雑則でありまして、
テンサイ
及び
サトウキビ
の
生産者
からの
生産
費調査のための報告徴収、
テンサイ糖
、
カンシャ糖
及び
ブドウ糖
の製造
事業
者に対する必要事項の報告徴取及び検査、
製造施設
設置の承認に付された条件に違反した者に対する
事業
停止命令について定めております。 第八章は、罰則でありまして、
製造施設
設置の
承認制
度の適正な運用を確保し、また報告検査を実効あらしめるため、所要の罰則を設けております。 終わりに附則でありますが、重要な
規定
もございますので、その大要を御
説明
いたします。 この
法律
の施行期日につきましては、
法律
の実施準備の関係もあり、附則第一条で公布の日から六カ月以内の政令で定める日から施行することとしております。 また、さきに御
説明
しました
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
の
政府買い入れ
の特例と
ブドウ糖
の
政府買い入れ
の特例につきましては、それぞれ附則の第二条と第三条で、
政府買い入れ
をすることができる場合と、その際の買入
価格
を定めております。 次に、この
法律
による
テンサイ糖
、
カンシャ糖
及び
ブドウ糖
の買い入れ及び売り渡しの会計処理につきましては、附則第六条で、食糧管理特別会計法の一部を
改正
し、同会計に砂粒類勘定を設け、これら
砂糖類
の買い入れ売り渡しは
砂糖類勘定
において行なうこととして、
砂糖類
の買い入れ売り渡しによる損益を明確にすることといたしております。 なお、この食糧管理特別会計
制度
の
改正
は、予算の編成及び執行との関係もありますので、附則第七条で
砂糖類勘定
の設置は
昭和
三十九年度分の予算から適用することといたしております。 最後に、附則第八条の
農林省
設置法の一部
改正
は、
甘味資源審議会
の設置に関連しての
規定
であります。 以上をもちまして
甘味資源特別措置法案
の
補足説明
といたします。
—————————————
櫻井志郎
7
○
委員長
(
櫻井志郎
君) 次に、
甘味資源
の
生産
の
振興
及び
砂糖類
の
管理
に関する
法律案
を
議題
とし、
提案理由
の
説明
を聴取することにいたします。芳賀
衆議院議員
。
芳賀貢
8
○
衆議院議員
(芳賀貢君) ただいま
議題
となりました芳賀外二十六名提出の
甘味資源
の
生産
の
振興
及び
砂糖類
の
管理
に関する
法律案
につき、提出者を代表して、その提案の
理由
を御
説明
申し上げます。 わが国における
甘味資源
としましては、
テンサイ
を
原料
として製造した
テンサイ糖
、
カンシャ
を
原料
として製造した
カンシャ糖
及びカンショ、バレイショを
原料
とする澱粉から製造した
ブドウ糖
等でありますが、その
生産
量は、
昭和
三十七年度において、
テンサイ糖
一六万トン、
カンシャ糖
二十万トン(沖繩の
生産
十四万トンを含む)
ブドウ糖
六万トンで合計四十二万トンとなっており、国内
需要
量百六十五万トンの四分の一にすぎず、毎年百二十万トン以上を輸入に依存している状況であります。 これら
甘味資源
のうち、
テンサイ
については北海道における
寒地
農業
の重要作物として
昭和
初年から奨励せられ、
砂糖
の自給化政策と相待って
昭和
二十七年には
てん菜生産振興臨時措置法
が制定され今日に至っているわけであります。 次に
カンシャ
の
生産
につきましても、奄美及び沖繩における重要な作物であり、その
農家所得
の中に占める比重はきわめて大きいものがあります。更に
ブドウ糖
の
生産
につきましては、カンショ、バレイショ
生産
農家
の所得の安定のため、澱粉
需要
の確保の見地からも、大いに
振興
する必要があることは論を待たないところであります。
政府
は
昭和
三十四年
甘味資源
自給力綜合対策を決定し、十年後の
昭和
四十三年度における
砂糖類
の総
需要
量を一五二万トンと推定して
テンサイ糖
については四〇万トン(北海道三〇万トン、府県十万トン)
カンシャ糖
二十万トン(奄美六万トン、沖繩十四万トン)
ブドウ糖
十五万トン合計七十五万トンの
生産
目標を立て、自給度五〇%の達成を指向したのであります。 しかるに、その後この長期
計画
の推捗状況は不振をきわめ、すなわち北海道の
テンサイ
については、三十七年度の
計画
面積五万三千ヘクタールに対し作付面積は八三%の四万四千ヘクタールであり、
砂糖
の
生産
目標二十万トンに対し七〇%の十四万トンと大きく下回っている
実情
であります。また府県の
テンサイ
については、三十七年度の
砂糖
の
生産
目標十万トンに対し一三%の一万三千トンという状況であります。さらにその後の
需要
の
増加
は著しく、三十七年度において百六十五万トンに達し、長期
計画
による四十三年度百五十二万トンの
需要
見込み
をはるかに上回っている現状であり、今や長期
計画
そのものをすみやかに全面的に改定すべき事態に直面しているのであります。 このような
甘味資源
の
生産
の不振につきましては、
政府
の長期
計画
の策定に欠陥があることはもちろんでありますが、この
計画
達成のための施策に積極性を欠き、ことに畑地改良等の
生産
基盤の
整備
の立ちおくれ、
テンサイ
生産者
価格
の低
価格
、さらには国内糖業対策の不徹底等、
政府
の無為無策に起因するところが多いのであります。現に北海道においては、
原料
の
生産
と確保を度外視して政治的な工場の過剰誘置が行なわれ、結果的には製造業者は
原料
不足による製品のコスト高で経営難に陥り、
生産
農民は
原料
の低
価格
により増産意欲を減殺している
実情
であります。また府県においても、
政府
の呼びかけにこたえて、
テンサイ糖
生産
に乗り出した民間製糖会社も、
原料
不足により、大分県における新光
テンサイ糖
工場は昨年秋操業中止のやむなきに至り、
生産
農民及関係会社の損失はもちろんのこと、暖地
テンサイ
生産
の前進に暗影を投じている状態であります。かかる結果を招来した
政府
の施策の失敗は、国民の
批判
の前に十分反省せらるべきであります。しかるに最近における
政府
の
甘味資源対策
を見ると、輸入
砂糖
については現行の外貨割当制を廃して自由化の
実施
を急いでいる模様であります。
砂糖
の
輸入自由化
についての
政府
の方針には、明確な根拠がなく単に自由化率九〇%達成のために
国内甘味資源
の保護対策を犠牲にするかの態度が濃厚であります。 ひるがえって欧米諸国における
砂糖
政策の状況を見ると、
砂糖
の輸入が完全に自由化されている実例は皆無であり、あるいは
政府
輸入の
方式
をとり、あるいは輸入割当制、高率関税の採用、
国内甘味資源
に対する
補助金
制度等
いづれも強力な保護政策を講じ国内自給度の向上に努めている
実情
であります。 ことにイタリアにおいては第二次世界大戦直後の一九四六年に
テンサイ糖
生産
量二七万トンであったのを十年後の一九五四年には一四十万トンの
生産
量に躍進させ、
砂糖
の自給化を完成した事績に徴しても、その国における
政府
の政策実行に臨む熱意こそが、
生産
発展
の成否を制することが実証されるのであります。これに反して、池田首相初め
政府
の態度は、
甘味資源
生産振興
についての明確な対策もなく国内態勢未
整備
のままで、いたずらに自由化だけを強行せんとする意図であり、全く理解に苦しむところであります。 わが党としては、
甘味資源
の
生産振興
と糖業の
発展
を国の施策として積極的に進めるためには、
砂糖
の自由化は行なうべきでない旨をここに明らかにしておくものであります。 以上申し述べた現状と観点に立ち、今後の
甘味資源対策
を強力に進めるために、すなわち、
テンサイ
及び
カンシャ
の出産を
振興
するために必要な
措置
を講ずるとともに、
砂糖類
の需給及び
価格
を安定させるために
政府
が
砂糖類
を
管理
することとし、もって
農業経営
の
改善
と
農家所得
の安定をはかり、合わせて
砂糖
の自給度の向上と糖業経営の健全化及び国民の食生活の安定に資するために、この
法案
を提出することとした次第であります。 次に、この
法案
の
内容
について概要を御
説明
申し上げます。 第一は、
砂糖類
需給
計画
の策定でありますが、
農林大臣
は
砂糖
審議
会に諮り、
砂糖類
の需給見通し、
砂糖類
の
生産
目標、
テンサイ
、
カンシャ
及び
ブドウ糖
原料
の澱粉の
生産
目標、
砂糖類
の輸入見通し等の
重要事項
について、毎五カ年を一期とする長期需給
計画
を定め、これに基づく毎年度の需給
計画
を具体的に定めて、施策の方向を明らかにして、これを公表することといたしております。 第二は、
テンサイ
及び
カンシャ
の
生産振興
についてでありますが、
生産
条件が
テンサイ
または
カンシャ
の栽培に適しており、
農業経営
の
改善
により
生産
が増大する
見込み
が確実であり、さらに製糖企業を成立せしめるだけの
生産
量を確保し得る
見込み
のあること等を考慮し、
農林大臣
は
都道府県
の
区域
につき
生産振興地域
の
指定
を行なうものであります。次に、
生産振興地域
の
指定
を受けた
都道府県知事
は、
甘味資源
生産振興
審議
会に諮り、
生産振興計画
を定め、
農林大臣
の
承認
を求めることとしております。 第三は、
砂糖類
製造施設
の
承認制
でありますが、現在の製糖工場は
原料
不足等の
理由
から、不安定な経営に陥っている現状であり、これら
製造施設
の
合理化
はもちろんでありますが、設備が過剰とならないよう、
原料
の
生産
に即応し
施設
の設置または変更につき
農林大臣
の
承認
を要することといたしております。 なお、
ブドウ糖
の
製造施設
についても同様の
承認
を要することといたしたのであります。 第四は、
生産振興地域
内において
生産
された
テンサイ
または
カンシャ
の集荷及び販売については、地産者
団体
を通じて一元的に行なわれるように、また
生産者
団体
及び製造業者はこれらの
事項
につき契約を締結するようにいたしたのであります。 第五は、
砂糖類
の
政府買い入れ
の
措置
について、国内産
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
にあっては、
砂糖
製造業者の申し込みに応じて
政府買い入れ
を行なうことといたしております。また
ブドウ糖
については、市価が
低落
して、
ブドウ糖
の
生産
の確保と
価格
安定のため必要と認める場合は
政府買い入れ
を行なうこととしております。 第六は、
生産者
価格
及び買い入れ
価格
についてでありますが、まず、
テンサイ
及びカンショの
生産者
価格
については、選択的拡大の重要作物とみなして、
生産者
米価の算定と同様に、
生産
費所得補償
方式
に基づき
生産者
価格
を定めて告示することといたしました。 次に、
テンサイ糖
及び
カンシャ糖
の
政府買い入れ
価格
については、
テンサイ
または
カンシャ
の
生産者
価格
に
砂糖
の製造及び
政府
への売り渡しに要する経費を加えた額を
基準
として定めることとしております。なお、
ブドウ糖
の買い入れ
価格
については、
農産物
価格
安定法に基づくカンショ、バレイショ澱粉の
政府買い入れ
基準
価格
に
所要
の経費を加えた額を
基準
として定めることとしております。 第七は、
砂糖
の
政府
輸入についてでありますが、
政府
は需給
計画
に基づき必要量の
砂糖
を輸入することとし、
政府
以外の輸入は認めないことにいたし、また関税については、
政府
輸入の立場からこれを免除することといたしてあります。 第八は、
砂糖類
の
標準
販売
価格
についてでありますが、
砂糖
の販売
価格
が国民食生活に及ぼす影響等を配慮して、
標準
販売
価格
の算定については国産
砂糖
の
生産
費、家計費、物価事情等を参酌して
価格
を定め、告示することといたしました。なお、
農林大臣
は
糖価
安定のために必要な勧告を行なうこととしております。 第九は、
砂糖類
の
政府
売り渡しについてでありますが、
政府
は需給
計画
に基づきその所有する
砂糖類
を売り渡すものとし、売り渡し予定
価格
については、
標準
販売
価格
を
基準
としてそれぞれ定めることといたしております。 第十は、
助成
措置
についてでありますが、国は
予算
の
範囲
内で
生産振興地域
の
都道府県
に対し
生産振興計画
の
実施
に要する経費の
助成
を行なうこととし、及び
砂糖類
の
製造施設
の設置につき必要な資金の融通のあっせんを行なうものといたしました。 第十一は、
砂糖
審議
会等の組織についてでありますが、
甘味資源
の
生産振興
及び
砂糖類
の需給
計画
に関し、
テンサイ
等の
生産者
価格
、
砂糖類
の
政府買い入れ
価格
及び
砂糖
の
標準
価格
の決定に関する
重要事項
を調査
審議
するため、
農林省
に
砂糖
審議
会を設置することといたしております。 また、
甘味資源
の
生産
の
振興
対策及び
原料
の集荷、販売等に関する
重要事項
について調査
審議
するため、
生産振興地域
の
都道府県
に
甘味資源
生産振興
審議
会を設置することといたしました。 第十土は、行政機構等についてでありますが、本
法案
の円滑な運用をはかるため、食糧庁に
砂糖
所管部の
新設
及びこれに伴う定員の確保を行なうための
農林省
設置法の
改正
、
砂糖類
の
政府
管理
に伴い
砂糖類
管理
勘定を設けるための食糧
管理
特別
会計
法の
改正
、
政府
が
砂糖
の輸入を行なうため、関税免除のための関税定率法の
改正
、その他諸
規定
の
整備
を行なうことといたしております。 以上、本
法律案
の
提案理由
及びその
内容
の概略を申し述べました。何とぞ慎重御
審議
の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
—————————————
櫻井志郎
9
○
委員長
(
櫻井志郎
君) 次に、水産物の
価格
の
安定等
に関する
法律案
を
議題
とし、
提案理由
の
説明
を聴取することにいたします。安井
衆議院議員
。
安井吉典
10
○
衆議院議員
(安井
吉典
君) ただいま
議題
となりました水産物の
価格
の
安定等
に関する
法律案
につきまして、その
提案理由
を御
説明
申し上げます。 わが国の水産業は、戦後上昇の一途をたどり、
昭和
三十六年度には漁獲高が六百七十一万トンに達しました。見落としてはならないことは、このような急激な
発展
の槓杵となりましたものは、イカ釣漁業、あぐりきんちゃく網漁業、サンマ棒受網漁業等、中小漁業者によって営まれる漁業であって、そのおもなる魚種は、イワシ、イカ、サンマ、アジ、サバ等、一般家庭の食ぜんをにぎわす大衆魚であるということであります。 これらの大衆魚は、北海道、東北地方あるいは九州方面等、水揚地点における受け入れ態勢の不十分な漁場に片寄って、しかも短期間に集中的に漁獲されるという特徴を持っているのであります。 したがいまして、これらの多獲性大衆魚は全国的に見まするならば、その供給は必ずしも
需要
を上回っていないにもかかわらず、
地域
的または時期的には、はなはだしい過剰
生産
の様相を呈し、その
価格
は暴落し、せっかく大量の漁獲をあげながらも、漁業者の所得はかえって減少し、漁業者はあすの油代、あすの生活費にも事欠くという事態をしばしば招来しているのであります。しかも不思議なことには、このような場合におきましても、これらのものの
消費者
価格
は、
生産
地における魚価の
低落
をそのまま反映しないのが通常でありまして、ここに水産物の流通、
価格
政策に重大な欠陥があるのであります。 このことは、単に漁家経済あるいは漁業経営の面からのみならず、国民生活の観点からもゆるがせにできないところであります。
農業
におきましては、
米麦
を初めカンショ、バレイショ、大豆、菜種、豚肉等重要農畜産物に対しては、
内容
は不十分ではありましても、とにもかくにも
価格
安定装置ができ上がっておりまして、豊作貧乏の嘆きを
緩和
できるのであります。ところが、水産業におきましては多年にわたる水産物
価格
安定対策樹立の強い
要望
にもかかわらず、今日まで実効ある
制度
が打ち立てられなかったことはきわめて遺憾であります。
政府
は、
昭和
三十四年度において、わずかにサンマかす及びスルメに限り、系統機関が共同保管した場合、その
組合
員に対する前渡金の金利の一部に
相当
する
金額
を補助する
措置
を講じましたが、これは全く一時的な糊塗策であったにすぎないのであります。また、第三十八
通常国会
において成立を見ました魚価安定基金
法案
及び漁業
生産
調整
組合
法案
にいたしましても、その
考え
方はきわめて消極的で、漁業
調整
組合
員に対し、同
組合
が
組合
員に
調整
金を支給する場合、その支給に要する経費の全部または一部に
相当
する
金額
を支給することとしたほかは、サンマかすの
調整
保管に要する金利及び倉敷料の一部を補助するための仕組みにすぎず、見るべき効果を上げ得ないことは、
実施
以来の経験によっても明らかであります。 日本社会党が、本
法案
をあえて提案することといたしましたのは、以上の二
法案
によっては、関係漁業者の所得の保障と多獲性大衆魚の適正な魚価水準の実現はとうてい期し得ないと信ずるからにほかなりません。 以下、
法律案
の骨子について御
説明
申し上げます。 第一点は、この
法律
で対象とする魚種を、アジ、サバ、サンマ、イワシ、スルメ、イカ等の多獲性大衆魚としたことであります。 これらの魚種は、その漁獲量においていずれも重要な地位を占め、年間三十ないし五十万トン程度の漁獲を示し、しかもその平均販売
価格
は一キログラム当たり十五円ないし三十円という最も低廉なものであります。 第二点は、
農林大臣
または
都道府県知事
は、
組合
の申請に基ずき、また、漁船等の
生産
能力を
基準
として、それぞれ
組合ごと
に
標準
販売数量をあらかじめ決定、この数量の
限度
内において
価格
を保証することとし、その手続
規定
を定めたことであります。 第三点は、
政府
は、多獲性大衆魚につき、その
生産
費を
基準
として水産物
価格
安定
審議
会に諮った上、その保証
価格
を定めなければならないこととする一方、漁業者が漁業協同
組合
または同
連合会
を通じて
指定
市場において漁獲物を共同販売することを条件として、その平均販売
価格
が保証
価格
に達しない場合には、
政府
はその差額に
標準
販売数量の
限度
内における販売数量を乗じた額に
相当
する
金額
を、
組合
に交付することとしたことであります。 また、交付金の交付を受けた
組合
は、その
組合
員に対し、
組合
員の販売数量に応じて按分してこれを交付しなければならないこととし、
組合
員の
生産
費等を補償することといたしております。 第四点は、
組合
が、多獲性大衆魚を販売ずる市場は
指定
することとし、この
指定
市場の開設者は、
組合
が多獲性大衆魚をその市場において販売した場合には、その販売
価格
及び販売数量を
農林大臣
に報告しなければならないこととし、これに要する経費は国が負担することといたしております。 第五点は、多獲性大衆魚を
原料
として製造した魚かすの
低落
を
防止
し、その
価格
の安定をはかるため、
農林大臣
は、必要に応じ輸入魚かすの輸入業者に対し、その輸入した魚かすを水産物購買販売
事業
団に売り渡すべきことを指示することができることにしたことであります。 第六点は、多獲性大衆魚の
価格
の安定に関する
重要事項
を調査
審議
するため、
委員
二十人以内で組織する水産物
価格
安定
審議
会を設置することであります。 第七点は、多獲性大衆魚等の適正な魚価水準の実現をはかるため、特殊法人として水産物購買販売
事業
団を設けることであります。
事業
団は、多獲性大衆魚の保管等のため
生産
地及び消費地において冷蔵庫の建設、運搬
施設
の
整備
等を行なうほか、多獲性大衆魚及びその製品が著しく
低落
、もしくは騰貴し、
生産者
または
消費者
を保護する必要がある場合における買い入れ、売り渡し、あるいは大衆魚の
需要
の増進等に関する業務を行なうものとし、その資本金は、
政府
出資額二十億円と
都道府県
、水産業協同
組合等
の出資額の合計額(成立当初の資本金は二十五億を予定)とし、その他の組織
規定
は他の同種組織体の例にならって、これを設けることといたしております。 以上が本案の
提案理由
及びその概略でございます。 何とぞ御
審議
の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
—————————————
櫻井志郎
11
○
委員長
(
櫻井志郎
君) 次に、
水産業改良助長法案
を
議題
とし、
提案理由
の
説明
を聴取することにいたします。湯山
衆議院議員
。
湯山勇
12
○
衆議院議員
(湯山勇君) ただいま
議題
となりました
水産業改良助長法案
について、その
提案理由
を御
説明
申し上げます。 わが国の水産業は、近来目ざましい
発展
を遂げ、年間七百万トン近い漁獲をあげ、国民経済の成長と安定の上に重要な役割を果たしているのでありますが、一たび漁業の内部構造に眼を転じますならば、そこには企業形態の相違による
生産
面の断層はきわめて著しく、資本漁業の漁獲は零細な漁家漁業のそれを圧倒しており、多数の漁民を擁する沿岸漁業の悲運は、日に深刻の度を加えているのであります。 このような現実の事態に対する反省の上に立って、ようやく、水産政策の重点を沿岸漁業の
振興
に向け、各般の施施をここに集中すべきであるとの機運が次第に醸成されて参っていることは、各位の御
承知
のとおりであります。しかしながら、これらの諸施策が真に実効をおさめるには、漁業者の自主的な再建意欲を盛り上げ、その活動を助長するための裏づけとして、技術と経営に関し、国と地方公共
団体
とが力を合わせ、強力な指導と援助を行なうことができる
基本
制度
の確立がはかられなければならぬことは、言うを待たないところであります。 近年、沿岸漁村においては、青壮年による研究グループが続々と結成され、沿岸漁業
振興
の
推進
力として実践活動を行ない、その成果には見るべきものが少なくないのであります。国及び
都道府県
における
試験研究
機関の相互の連絡を一そう緊密にし、能率的に
試験研究
を
推進
助長するとともに、漁民の要求に応じ、あるいはみずから進んで彼らに接触し、漁撈、養殖及び加工の各般にわたり技術の改良と経営の刷新に役立たしめるよう広くこれを提供し、あわせて生活
改善
の原理と技術を授け、もって、水産業の
合理
的な
発展
と漁民生活の安定に資することができる
基本
法制を
整備
いたしますことは、現下の最も重要かつ適切な施策と
考え
られる次第であります。 以上申し述べました
趣旨
に即し、この際、
所要
の法的
措置
を講じ、水産業改良普及
事業
の積極的
発展
の
基礎
を固めたいと存じ、ここにこの
法案
を提出いたした次第であります。 次に、この
法律案
の大要について御
説明
申し上げます。 第一に、
試験研究
に対する助長
措置
でありますが、水産業改良普及
事業
に関する
試験研究
を
推進
するため、国は、
都道府県
その他の
試験研究
機関に対し、次の各号に定める経費を補助することといたしました。 (一) 水産業改良研究員の設置について
都道府県
の要する経費の三分の二、 (二) 改良普及
事業
に必要な
試験研究
を行なうための
試験研究
施設
の設置及び運用について
都道府県
の要する経費の三分の二、 (三) 国及び地方の
実情
からみて緊急と認められる
都道府県
及びその他の
試験研究
機関の行なう
特定
の
試験研究
に要する経費の全部または一部、 (四)
都道府県
の行なう水面の総合利用をはかるため必要な調査並びに試験に要する経費の二分の一。 第二に、
農林省
の
試験研究
機関の協力についてでありますが、
都道府県
水産試験場は、この
法律
の
目的
を達成するために行なう
試験研究
に関し、
農林省
の
試験研究
機関に対して必要な助言と協力を求めることができることといたしました。 第三に、水産業改良普及
事業
に対する
助成
でありますが、国は
都道府県
に対し、水産業改良普及
事業
に要する経費のうち、次の各号に定める経費を補助することといたしました。 (一) 水産専門技術員及び水産改良普及員の設置のために要する経費の三分の二、 (二) 水産専門技術員または水産業改良普及員の巡回指導、出版物の配布、講習会の開催、器材の利用その他の手段による漁民に対する水産業または漁民生活の
改善
に関する教示及び実地展示のために要する経費の三分の二、 (三) 水産専門技術員及び水産業改良普及員の養成と研修のために要する経費の三分の二、 (四) 水産専門技術員または水産改良普及員に協力して水産業または漁民生活の
改善
を
推進
する漁民の育成のために要する経費の二分の一、 (五) 漁村における研究
団体
の自主的な活動を助長するために要する経費の二分の一。 第四に、水産業改良普及
事業
の
実施
についてでありますが、この
法律
の
規定
により
補助金
の交付を受けた
都道府県
は、水産業改良普及
事業
の
実施
にあたっては、
農林大臣
と協議して定めた方針によらねばならないことといたしました。 第五に、改良研究員、専門技術員及び改良普及員の任務その他についてでありますが、改良研究員は最も高い資格を有する研究者を充てることといたしており、改良普及
事業
に必要な
試験研究
を行なうことをその任務といたしております。専門技術員は、
試験研究
機関及び水産改良研究員と密接な連絡を保ち、専門の
事項
について調査研究をするとともに、水産改良普及員を指導することが任務となっております。改良普及員は直接漁民に接して水産業または漁民生活の
改善
に関する科学的技術及び経営上の知識の普及指導に当たることを任務といたしました。日常漁民に接し、技術、経営及び生活
改善
についての普及指導に当たるのは主として改良普及員であり、その能力のいかんは水産業の
発展
と漁民生活の
改善
に大きく影響いたします関係から、水産専門技術員及び水産改良普及員の養成と研修を積極的に行なうことといたしております。 第六に、水産改良普及所についてでありますが、各
都道府県
の特性を勘案し、水産改良普及所を設置し、水産業改良普及員の行なう水産業改良普及
事業
に関する事務の連絡
調整
、その他水産業及び漁民生活の
改善
に関する科学的技術及び経営上の知識の総合的な普及指導に関する事務をとらせることといたしました。 第七に、専門技術員及び改良普及員の勤務の状態を考慮し、特に水産改良普及手当を支給することができることとし、その支給額を法定いたしました。 以上が、本案を提出した
理由
及び
法案
のおもな
内容
であります。何とぞ慎重
審議
の上、すみやかに御可決下さらんことをお願い申し上げます。
櫻井志郎
13
○
委員長
(
櫻井志郎
君) 本日はこれをもって散会いたします。 午後二時三十四分散会 ————・————