○
政府委員(斎藤誠君) 私から構造改善事業の進捗
状況につきまして御
説明いたしたいと思います。お手元に構造改善事業実施地区、パイロット地区一覧と、パイロット地区を解除した地区に関する一覧表がお配りしてございますが、本年度の計画の承認につきましては、初年度のことでもございますので、慎重を期して、必ずしも事業を本年度じゅうに実施するために計画承認を急ぐという建前にはしないで参ったわけでございますが、大体二月一ぱいで、全地区の一応の承認を終わったわけでございまして、その結果、パイロット地区については七十六地区、一般地区については百七十四地区を最終的にきめた次第でございます。パイロット地区につきましては、当初九十一という地区を一応予算に計上いたしたわけでございますが、その後におきまして、パイロット地区といたしまして十五地区が解除申請をするということになったわけでございまして、その結果、七十六地区に相なったわけでございます。九十一地区の予算であったわけでありますが、具体的に
農林省へ予備協議のありましたものは七十六地区と十五地区が協議に入ったわけでございます。
そこでその十五地区の解除の主要な
理由といたしましては、御
承知のように、当
委員会にも御報告いたしたと思いますが、パイロット地区につきましては、やはり
地域の拠点としての性格を持たして参りたいということで、計画についても、ある
程度の高度な計画を立てるということにいたしておったわけでございます。そこで、事業実施にあたりましては、当然地区内の農民の同意を必要とするということを条件といたしておりました。そういうような観点から、なかなか
地域内における実施条件が整わない、つまり農民の同意をなかなか得られないというようなことで、実施条件が必ずしも整っていない。あるいは今申し上げましたようなパイロット地区としての計画としては、十分その村としてはこなし得ないというような、実施条件が整っていないという関係で、
農業計画の実施が困難であるというのが十一地区あったわけでございます。そういう
理由をつけまして、町村のほうからは解除の申請があったわけでございます。それ以外に、特殊な
理由といたしまして、ここにありますように、臨海工業等の建設計画、あるいは新産業都市建設計画の該当地区として、今後の
農業経営のあり方に、さらに時間をかけて
検討することが必要であるというような
理由で解除の申請をしてきたもの、あるいは災害によって事業の実施が困難である、特に
資金の見通し等について困難であるというような
理由で解除の申請をしてきたものが一地区、それから国営干拓工事との関係で、地区内の土地基盤整備事業が十分計画と同時に進行する見込みが立たないというようなことになった関係でおくれた地区が一地区。それから、これは特殊な
理由になりますが、地区内を通過する予定の阪和国道の計画路線の決定がおくれて、都市近郊である関係上、
農家全員の同意が得られなくなったというような
理由で一地区、合計して十五地区が解除の申請を私
どものほうで出して参ったのでございます。
そこで、これらの解除の申請になりました地区につきましては、これは一般地区として、
希望があれば一般地区に切りかえてもよろしい、自動的に一般の計画
地域として指定を受けることが可能である、こういう道を開いているわけでございまして、この中の半数以上は、そういう一般計画
地域として指定を受けることにしたい、こういう扱いをいたしているようになっているわけでございます。
それから一般
地域のうちでは、これは予算では当初二百
地域を予定いたしておったわけでございますが、具体的に予備協議に上って参りましたのは、
先ほど申し上げました計画の承認をいたしました百七十四地区と、それから一たんは協議いたして参ったのでありますが、その後において、本年度は事業を見送るということになったのが十六地区あるわけでございます。この十六地区につきましても、大体今申し上げたようなパイロット地区の解除の申請をいたした町村の
理由と大同小異でありまして、土地区画整理事業については、
農家の同意を要するということにいたしておりますので、関係
農家の同意が得られないとか、あるいは実施地区の選定、計画の
内容の
調整が十分整わないというような、つまり実施態勢が整っていないために、事業実施が困難になったといったような
地域が十三地区と、それから
先ほど申し上げました、その村の特殊な事情によって、災害によって事業の実施が困難になるとか、あるいは市長の改選によって計画の再
検討をしなければならなくなったといったような関係で、十三地区が、最後の協議の
段階のときには、これは見送りたい、こういうことになって、最終的に百七十四地区、こういうことに相なったわけでございます。
そこで現
段階におきましては、これらの計画地区については、すでに承認をいたしておるわけでございますので、目下各町村とも、着々事業の実施の着手に入っておるという
状況でございます。本年度、一般地区については、三カ年にわたって事業を実施することにいたしておりますが、そのうち三割を実施するということにいたしております。パイロット地区については、これまた、三カ年にわたって事業を実施することにいたしておりますが、五割を一応本年度においてやるということになっておりますが、現在まで、この事業につきましては、予算上繰り越し明許になっておりますので、事業予算としては、当然翌年度に繰り越して使用することを認めておりますが、大体七割
程度が、本年度、事業に落手することができるだろう、こういう見通しに相なっております。簡単でございますが、経過を御報告いたします。