○森八三一君 時間がありませんので、質問いたしたいことはたくさんありますが、最初に三十八
年度の
農林予算を見まして
一つの特色と申しますか、私非常に喜びますることは、流通改善の問題に相当の熱を上げていらっしゃる、この点と思うのです。このことは今までもしばしば論議はされましたけれども、事が非常にむずかしいことですから、ともすると投げやり、なおざりという経過をたどってきたと思うのです。
重政大臣がこのことに相当ひとつやろうということで、
予算の面にも具体的に出ておるということは、私は非常に喜ぶのです。しかしこれを取り上げて参りますると実際問題としては農林行政だけでは解決のできぬ面がたくさんあると思うのです。そういう点について一体どうしていくかという問題、この国会にも中小企業
基本法が出るという話もあります。これも法律ではそんなばかなことを
考えておらぬとおっしゃるでしょうけれども、実際は中小企業の
諸君、ことに流通過程を担当している
諸君の権益を保持するということが私は流れておるねらいであろうと思うのです。そういたしますると、価格の協定をするとか何とかいうことによって生産者の面には、必ずしも喜ぶべき結果は生まれてこないような方向にいっちまうのじゃないかという心配を持っている。そこで流通問題について一体
大臣どういうふうに取り組んでいかれようとするのか、その
基本的態度、特に農林行政の中でやり得るものといたしますれば、市場の合理化ということがまず指向されると思うのです。市場法も法律として現存しておることではありますが、現行の市場法ではまだ十分に
政府も
考え、われわれも企図している目的を達成するわけには参りかねる、きわめて不完全なものであるということですから、先般の中央市場法改正の際にも、この重要な問題に取り組んで参りますためには、せめて農林行政の中でやり得る問題として中央市場法の抜本的改正を早急にやりなさいということを申し上げ、
政府もその趣旨で善処いたしましょうという約束もございましたし、ただ中央市場を
整備するだけでは、全的な流通機構の問題を改悪するというわけには参りませんので、
地方に存在している
地方市場と申しますか、場外市場と申しますか、こういうものの
整備も
考えなければならぬ、そのことにも早急にひとつ成案を得て善処をしてほしいという希望を申し上げ、これはたしか附帯決議になったと思うのですが、
政府もよくわかったからやろう、こういうような御回答があったと思うのです。このこと等を含めましてしばしば
大臣もお話がありますように、農林生産物は消費者にも奉仕をしなければならぬことではございますけれども、といって、再生産の確保ができない、農林生産者が生活もできないというところへ追い込まれたのでは、これはもとがなくなってしまうわけですから、双方を見合わせてやっていく段階でこの流通機構の
整備という問題は非常に重要な問題、それが非常にむずかしいということなんですが、一体この問題をどういうようにこなしていこうとされるか。特に三十八
年度の
予算を見て特色がここに出たように私うれしく思うのですが、
大臣のお気持をまず包括的にお伺いしたいのです。