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政府委員(
徳安實藏君) 私が就任いたしましてから後に各衆参両院からも、また
委員会からも、あるいはわが党の部会からも、この問題は非常に真剣に
お話もございますので、また、
委員会において決議をされておりますのも
承知いたしております。その機会あるたびに申し上げておったわけでありますが、本来ならばこの御趣旨に沿うて何らか抜本的な
研究をする機関を作るべきである。つまり
言葉をかえて申しますというと、今の
恩給制度のもとに
恩給をいただいている方もございまするし、続いて
共済制度のもとに今度は
恩給をもらう方もございますので、やはりこの両者の
関係等も
考えながら、完全
スライドということは、もちろんあるいは不可能かもしれませんけれ
ども、先ほどからこの法の精神等もお読み上げになりましたように、何らかこれに対しては処置をしなければならぬということは、理論を抜きに
考えなければならぬことであります。私
どもはこういう
経済界の大きな
変動によりまして、
恩給がもとの
恩給ではまるで
子供の小づかいすらもないという事態になっておりますことは、まことに悲しむべきことであって、まことに本来からいいますならば、ある
程度の期間というものは安定した
生活状態、
収入で
生活できるような状態であるべきが
ほんとうだと思いますが、これは戦後やむを得なかったと思います。したがって、これをいかにして現在の
退職された
方々との格差を是正し、
スライドしていくか、さらにこれを行なうことにおいて
共済制度、
お互い助け合っていくというあの
共済制度、これがもし、将来やはりこういう事態になることを予想しなければならぬと思いますが、そういう場合に赤字を一体どういう形で補てんしていくか、今から国がそういうものを準備して、そうして、そういうときにはこの金で補てんするということにするのか、幸い大蔵当局からも御
説明ありましたように、あるいはその資金を活用いたしまして、あるいは不動産その他をどんどん買い取るとか、転売するとか、そういう仕事をしながらそういう利益によって資産を増していって、そうして、そういう
経済状態の変化によって
スライドしなければならぬ場合には、そのもうけた金の中から支出していくとかいうようなことも
一つの
考え方だというような話も一部された方もあるようでありますが、はたして
国家のそういう機関が、そういうことがいいのかどうかということも厳格に
考えなければなりません。ちょうど、
言葉をかえて申しますれば、私鉄あたりが運賃が安くても、土地の売買でありますとか、地方の開発等において非常に大きな利益をあげている。国鉄はそういうことができぬものですから、運賃一本に依存しなければならぬというような例があるわけでございまして、民間とは違いますから、そういうもうけるような仕事にどんどんと金を回し得るか、もし失敗したらどうするかというような問題もあるわけであります。しかし、赤字というものを全然
考えずに、また、
政府がそういう補てんする
方法も
考えずに、ただむやみに勝手なことをするわけには参りませんと思います。で、先般来からその話もございました。私
どものほうも新しい機関を
法律できめるということも困難でございましょうから、もしILOでも通りませんようでしたら、これは各
関係局部長だけでも
関係者集まりまして、そうして定期的にでもその問題と真剣に取り組んで
研究するようなことをやってみようかという説もあり、いろいろ協議いたしまして、幸いにあれでも通りまして、総理府に人事局でもできましたら、やはり
給与関係の職員も相当ふえますししますから、そういうところのどこか一カ所でこういう問題を真剣に
研究いたしまして、そうして、やはり一般の
給与と
スライドするためにはどうすればいいか、あるいは、どの
程度に
スライドすべきかというようなことを
研究しながら、一般の
給与と見合っていきたい、そういう機関をその中にひとつこしらえて
研究するようにしたらどうかというようなことも、私も内々では
考えておるわけでありますが、総理府も現在のところ手一ぱいでございまして、そういう方面に実は人を向けて
研究するだけの余力がなかった、まことにこれは申しわけないと思います。今後、もし、ああいう
制度が通りまして、相当の人員等も整備されることになりますれば、そういうことは私はできると思いますから、ぜひやりたいと思います。もし、それが不幸にして通らないような場合には、新しい人を雇って給料を出すというわけにも今のところできませんから、
大蔵省あるいは総理府、あるいはその他の
関係、あるいは厚生省等から有能な
諸君を借りまして、あるいはまた、そういう
諸君の一番
関係の深い局部長等もお集まり願って、
一つの
研究機関と申しますか、調査機関みたいなものをこしらえて、それでひとつ附帯決議の御趣旨に細々ながらでも沿っていかなければならぬと
考えておるわけでありまして、いろいろ今苦心しておるわけなんですが、あの決議の御趣旨を無視しておるわけでもございません。ほっておくわけでもございませんが、何しろ御
承知のような工合でもう手一ぱいで、総理府でも何でも手はほとんどネコの手も借りたいような状態なものですから、御希望に沿うてどんどんそういった問題に対して積極的に作業できなかったということも、私はまことに申しわけないと思います。今後必ずそうした機関をこしらえまして
研究をいたしたいと思います。