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鶴園哲夫君
前回特許庁の問題について伺ったのですが、重ねましていろいろな点について少しばかり伺っておきたいと思います。それは、この間も申し上げましたように、また、答弁がございましたように、
特許、新案、意匠、商標、こういう
出願が毎年ふえておりまして、そして、
人員が足りないせいがあって、これが一番大きな
原因だと思いますが、毎年
処理できない
件数が累積している。そして、その
滞貨といいますか、それが今日、三十七年度の見込みでは三十六万件、大体
実績からいいますと、一年間に
処理される
件数というのが十五万件、そうしますと、未
処理の
件数、
滞貨といいますか、それが二年半分くらい
滞貨している、こういう
実情であります。それから、
審判請求、これは毎年
増加して
審判官の
人員不足のためが一番大きいと思いますが、やはり
処理し切れないで、未
処理件数が毎年
増加してきている。
滞貨がふえている。これも一万五千件が三十七年度
未処理滞貨の
件数。一年間に
審判は、大体
実績でいいますと、三千件というのが一年間の
処理件数ということでありますと、この
滞貨も実に五年分、こういう
実情になっております。さらに、先般も伺いましたけれ
ども、この際、
審判の
職種のほかに、その他の
職種、これが足りないということになって、
公報関係でいいますと、この間も伺いましたが、
印刷関係を半分ほど
外注に出しても
職員が月に四十時間
超過勤務をしなければならない。この四十時間
超過勤務というのは非常に珍しい例でありまして、一カ月、二カ月、三カ月の間だけ四十時間ということはありますけれ
ども、こういうふうに一年を通じて四十時間
超過勤務するというところは、おそらく
日本の
機関の中ではなかろうと思いますが、それはやはり
人員が足りないということから
外注にも出すが、それでもなお四十時間ほど月に
超過勤務しなければならないという
実情にあるのであります。
それから、先般はお伺いしなかったのでありますが、
万国工業所有権資料館というのがございますね。ここの
実情を見ますと、これも
人員が足りないんじゃないかというふうに見られるわけですが、ここは保管の書類が非常にふえておりますね。
特許庁年報によりますと非常な
ふえ方ですし、それから、
公報な
ども閲覧、特に近年
外国の
公報の
閲覧、こういうものが激増しておりますし、それから内
外国公報の
複写件数、これなんかも非常に激増しております。しかし、この
関係も、
人員は三十六年度とほとんど変わっていない。ですから
閲覧だけで
手一ぱいじゃないかと思われるほどの
人員にすぎないのです。ですから総体として見まして、やはり
審査官、
審判官その他
職員が非常に足りない、これなんか明確に言えるわけですから、業務の
進行状態、しかも、
滞貨が出てくるという
実情ですし、明確に
指摘できるわけです。しかも、こういう
工業所有権という非常に大切な、今の
日本の
工業の発展その他について非常に大切な問題をこういうふうに
滞貨々々ということで山積みにしているということは、非常に私
どもとして遺憾だと思うのです。確かに
定員をできるだけ押えたい。ふやさないという
政府の
方針は理解できないことはないです。しかし、一律にどこの
行政機関も非常な厳重な
措置をされるということについては、どうも理解つかない。こういうところは毎年問題になるわけでして、去年も非常に問題になっているわけでして、
通産大臣としましても、また、
通産省当局としてもいろいろ努力されたようでありますが、なかなかこういうような少ない
人員では前進しない。
滞貨は解消していかないというふうに思うわけです。この問題につきましては、
石原理事等ともいろいろ打ち合わせをいたしておりますが、
石原理事のほうでもいろいろ御検討いただいているわけですけれ
ども、私としまして申し上げたい点は、過去五、六年の間、過去七、八年の間、特に三十年代以降
特許庁当局並びに
通産省当局がこのような事態の中で
人員の
増加について、
人員の
確保についてどういう
方針なり御
計画をもって進めてこられたのかという点について伺いたいわけですが、しかし、過去七、八年の問題ですから、どうというわけにいきますまいが、私の
資料の検討によりますと、どうも
人員の
確保についての
計画性がないように思うのです。たとえていいますと、三十年代から非常に大きな問題になってきているわけですが、三十二年に百四十名の
審査官の
要求をしておられます。ところが、翌年の三十三年には一人も
要求しないのです。三十四年には今度は六十五人
要求され、三十五年には七十人
要求されている。ところが、三十六年には一人も
要求されない。三十七年も一人も
要求されない。しかし、
滞貨は明らかに毎年
増加していくわけです。目についてはっきり
増加していく。しかも、
出願件数というのも毎年
増加している。にもかかわらず、こういう
人員の
増加についてどうも
計画性がないという点を私非常に残念に思うわけですが、これは
大蔵省の査定との
関係でこういうふうになるのかといいますと、どうもそうでもない。何か
特許庁の
長官がかわる、あるいはそういう幹部がかわるようなことによって、ことしは何か検討してみようということで
人員の
要求をされるのか、どうも
そこら辺がはっきりしないわけです。
出願件数なりあるいは
審判請求の
件数ということが
特許庁の
年報によって明らかなように、毎年
増加しているわけです。減るという
見通しはないわけです。
戦前の例で申しますと、減ったのは
戦争になってから、
昭和十六年ごろから減っている。しかし、戦後一貫して
増加している。
戦前も
戦争中を除いては一貫して
増加している。だから減るという
見通しもないし、
出願件数にしろ
審判請求件数にしろ、減るという
見通しは全然ないのです。ふえていく一方。しからば
人員確保についてもっと
計画的に
処理されたらよかろうというふうな気がするわけです。
そこら辺が私はどうしても不可解なんですけれ
ども、これは
審判官についても同じようなことがいえます。ですからこれはどういうふうな今後
処理をされるのか。この間は
人員確保の問題についてどうだと、あるいは
工業所有権制度改正審議会というものを作っていると、そこでいろいろやり方についても検討したいという話ですが、こういう
歴然としたものは、普通の
行政機関でははっきりこういうふうに出ないわけですけれ
ども、
特許庁のような場合においては非常に特殊な例であって、非常に
歴然とするわけですね、
人員というものと
仕事というものですね。その問題についてはどういうふうに考えておられるのか、ひとつ御見解を伺いたい。